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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1264538
審判番号 訂正2012-390096  
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2012-07-27 
確定日 2012-10-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5024845号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5024845号に係る特許請求の範囲及び明細書を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲及び明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第5024845号の請求項に係る発明は、平成16年11月8日に出願された特願2004-323141号に係り、平成24年6月29日にその特許権の設定の登録がなされたものである。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第5024845号の特許請求の範囲及び明細書を、本件審判請求書に添付した特許請求の範囲及び明細書のとおりに訂正することを求めるものである。
その訂正内容は、次のとおりである。

<訂正事項1>
本件の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に前記表示用開口窓部が形成された裏箱体と、」を
「前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に表示用開口窓部が形成された裏箱体と、」と訂正する。

<訂正事項2>
本件の発明の詳細な説明の段落0007における、
「前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に前記表示用開口窓部が形成された裏箱体と、」を
「前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に表示用開口窓部が形成された裏箱体と、」と訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1において、「前記表示用開口窓部」よりも前の部分に「表示用開口窓部」なる記載はない。
また、本願の願書に添付した明細書の
段落0013に「図2に示すように、遊技盤1の遊技領域7の略中央には前記前面構成部材8の外形形状に対応した開口31を形成してあり、前記遊技盤1の開口裏面側に前記変動表示装置9を後面に備えた裏面構成部材32を配設し、前記遊技盤1の開口前面側に該変動表示装置9の表示部29が臨む表示用開口窓部33を形成した前面構成部材8を配設している。」と、
段落0017に「裏箱体41は、前記遊技盤1の開口31に嵌装され、前方を開放した箱状ユニット(裏箱ユニット)であって、後方の壁に長方形状の表示用開口窓部33が形成されて略額縁状を呈しており、」と記載されているとおり、「表示用開口窓部」は、「変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状の裏箱体の後方の壁に形成され」るものである。
以上のことより、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は訂正前の明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
特許請求の範囲における請求項1を訂正事項1のとおりに訂正したことに伴い、整合性を取るために、発明の詳細な説明の記載を訂正したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1と同じ理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)付記
訂正事項1及び2は、上述したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法第126条第1項ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条第7項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができたか否かを、あらためて検討することは、訂正許否の要件とはならない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第5項及び第6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機には、遊技盤の遊技領域の略中央に開口を形成し、遊技盤の開口裏面側に、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置を配設し、遊技盤の前面側に、該変動表示装置の表示部が臨む表示用開口窓部を形成した前面構成部材を配設したものが知られている。
【0003】
近年、変動表示装置が大型化する傾向にあり、これに伴ってその包囲枠としての前面構成部材も大型化してきている。その上、前面構成部材には、取付ベースに対して発光部材や装飾部材等の多くの部材が取り付けられるように成ってきており、前面構成部材はより大型化する傾向にある。
【0004】
これに関連する技術として、例えば、特開2004-57655号公報(特許文献1)には、前面構成部材が、遊技盤の開口に嵌装される取付ベースと、略額縁状の表示窓枠と、該表示窓枠の両側に位置する装飾ユニットと、装飾レンズ部材と、該装飾レンズ部材のレンズ部材を照射する発光ユニットとで構成され、左右の装飾ユニットは、所要の立体的な像に形成された立体装飾部材と、電気的発光部材と、装飾取付ベースとを含むと共に、少なくとも前記表示窓枠の裏面側に前記装飾ベースを介して取り付けられ、前記発光ユニットは電気的発光部材を含むと共に、前記取付ベースの裏面側に着脱可能に取り付けられる遊技機が提案されている。この発明によれば、開発期間の短縮やコスト削減、リサイクルの推進が簡単に行えるというものである。
【特許文献1】特開2004-57655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、取付ベースに取り付ける発光部材や装飾部材等の各部材ごとに裏面カバー部材を取り付けていたので、組み立て作業性が悪かった。また、従来の遊技機においても装飾を施してあったが、必ずしも充分ではなく、特に文字装飾についての装飾効果も高くなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、取り付け作業性の良い遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置を遊技盤の開口裏面側に配設した遊技機において、
前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に表示用開口窓部が形成された裏箱体と、
該裏箱体に収納され、当該遊技機を装飾する装飾部材を備えてユニット化された装飾ユニットと、
を備え、
前記装飾ユニットは、
透光性の部材により形成されたユニット本体と、
該ユニット本体の裏面側に配置された裏面側発光基板と、
前記ユニット本体の前面側に配置された蓋材と、
該蓋材に装着される前面側発光基板と、
前記蓋材の前面側で文字装飾の外形を構成するレンズ枠と、
前記前面側発光基板の前面に設けられ、前記レンズ枠内に収納されるレンズ部材と、
を備え、
前記前面側発光基板によって前記レンズ枠内の前記レンズ部材を介して、文字装飾が点灯し、
前記裏面側発光基板によって前記ユニット本体表面を介して光を透過させることで、文字装飾の周囲部分が点灯することを特徴とする遊技機である。
【0008】
請求項2に記載のものは、周壁部を前方に延出させて箱体状に形成された裏面構成部材を前記遊技盤の裏面に止着して備え、該裏面構成部材の裏面には前記変動表示装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記変動表示装置の上方に位置し、前記変動表示装置の左右方向に沿って延在するとともに前記変動表示装置の前方へ向けて突設された鎧部を備え、
前記装飾ユニットを前記変動表示装置よりも上方であり、且つ前記鎧部よりも下方の位置に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機によれば、次のような優れた効果を奏する。
即ち、裏箱体に装飾ユニットを収納して遊技盤に組み付けるようにしたので、各装飾ユニットのそれぞれに裏面カバー部材を取り付ける必要がなく、遊技盤への取り付け作業性が良い。また、文字装飾の装飾効果を高めている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1はパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。
パチンコ遊技機の遊技盤1は、図1に示すように、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体2の表面に、ガイドレール5や遊技領域区画部材6等を止着することで略円形状の遊技領域7を区画形成している。そして、遊技盤1は、この遊技領域7内において、略中央からガイドレール5とは反対側(図中右側)に亘って前面構成部材(センターケース)8を配設し、該前面構成部材8の後方には、遊技領域7の略中央に位置するように複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置(画像表示装置)9を備えている。また、遊技盤1は、変動表示装置9の下方にチューリップタイプの変動表示始動口10を配設し、該始動口10の下方に、変動表示装置9の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)11を配設している。さらに、遊技盤1は、特別変動入賞装置11の側方には補助変動表示を行う補助変動表示装置15を配設し、前記センターケース8の左側には補助変動表示の始動ゲート16を配設している。そして、遊技盤1は、この他に、一般入賞口21、遊技球の流下方向を変える風車22や障害釘23、発光により各種の装飾表示を行うランプ・LED(図示せず)、及び入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口24を設けている。
【0012】
次に、図2はパチンコ遊技機の遊技盤、前面構成部材及び裏面構成部材を示す斜視図であり、図3は裏箱体の前面に取付基板体を取り付け、その内部に装飾ユニットを収納した状態を示す斜視図である。また、図4は取付基板体及び裏箱体、これらの間に収納する装飾ユニットを前方から見た状態を示す分解斜視図であり、図5は後方から見た状態を示す分解斜視図である。さらに、図6は裏箱体に装飾ユニットを配置した状態を示す斜視図である。
【0013】
図2に示すように、遊技盤1の遊技領域7の略中央には前記前面構成部材8の外形形状に対応した開口31を形成してあり、前記遊技盤1の開口裏面側に前記変動表示装置9を後面に備えた裏面構成部材32を配設し、前記遊技盤1の開口前面側に該変動表示装置9の表示部29が臨む表示用開口窓部33を形成した前面構成部材8を配設している。
【0014】
裏面構成部材32は、後面中央部に液晶表示装置等の変動表示装置9を備え、その周壁部36を前方に延出させた箱体状の部材であり、取付片37を遊技盤1の裏面に当接させて、遊技盤1の裏面側から止着固定する。
【0015】
ここで、変動表示装置9は、例えば、複数の変動表示領域(左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる表示装置であって、本実施形態では、例えば、任意の画像を表示可能なLCD(液晶表示器)等で表示画面部分が構成され、この表示画面上の複数の変動表示領域には複数の識別情報(図柄)を変動表示する変動表示ゲーム等、遊技の進行に基づく画像が表示される。したがって、本実施形態は、前記始動入賞口10への入賞等の始動条件の成立に基づいて変動表示装置6にて識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特定の結果態様を成立することに関連して所定の遊技価値が付与されるように成っている。
【0016】
前面構成部材8は、図2から図5に示すように、遊技盤1に形成された開口31に該遊技盤1の前方から嵌装される部材であって、該前面構成部材8の前面部分を構成する取付基板体40と、該取付基板体40の裏面側に設けられる裏箱体41と、該裏箱体41の前面に前記取付基板体40を取り付けて、その内部に収納される装飾ユニット43とを備えている。
【0017】
裏箱体41は、前記遊技盤1の開口31に嵌装され、前方を開放した箱状ユニット(裏箱ユニット)であって、後方の壁に長方形状の表示用開口窓部33が形成されて略額縁状を呈しており、前記裏面構成部材32に内装するように装着されることにより、前記表示用開口窓部33から前記変動表示装置9の表示部29を臨ませるように成っている。この裏箱体41の周囲の適宜位置には、この前面に前記取付基板体40を取り付けるためのネジ等の止着部材を止着する止着部44が配設されている。
【0018】
取付基板体40は、前記表示用開口窓部33よりも大きい開口部46が形成された異形枠体状のユニット(取付基板ユニット)であって、その周囲に沿って前記遊技盤1に取り付ける取付基板47を有しており、その適宜位置には止着部材を止着する止着部48が形成されている。図3に示すように、この取付基板47の前面側上部には、左右全幅に亘って庇状の鎧部51を変動表示装置9の左右方向に沿って延在させるとともに変動表示装置9の前方へ向けて突設し、該鎧部51の左右傾斜端部から下方に縦長の側辺部52,52を突設し、左右の側辺部52,52の下端同士を接続する状態で底部53を突設し、この取付基板体40を前記裏箱体41の前面に取り付けることにより、前記鎧部51、左右側辺部52,52、及び底部53に囲まれた凹室54を形成している。この凹室54の奥の面に前記表示用開口窓部33が配設されており、鎧部51は、上面が中央の円弧状の振り分け凸部55から左右方向に向けて緩やかに下り傾斜している。そして、前記取付基板47の後部には取付支持部56が前記鎧部51と連続するように一体成形されており、該取付支持部56は前記取付基板47から遊技盤1内へ臨むように後方へ向けて突設されている。前記凹室54の底部には、遊技球を転動可能な第1ステージ61が設けられるとともに、この第1ステージ61の前面側下方には遊技球を転動可能な第2ステージ62が設けられ、第1ステージ61と第2ステージ62とは起立壁63により隔てられている。
【0019】
第1ステージ61は、前記裏箱体41の底部に形成され、遊技球を転動可能な案内棚を構成しており、左右方向両側に曲率の小さな円弧状の凹面65,65を、中央部に曲率の大きな円弧状の凸面66を形成するような波形状の転動面を有している。円弧状の凹面65,65の谷部には前面側へ向けて下り傾斜した球案内部67,67が形成されており、円弧状の凸面66の中央部には第1の導入口68が開口され、この導入口68は誘導路(図示せず)に連通している。
【0020】
また、第2ステージ62は、前記取付基板体40の底部に形成され、遊技球を転動可能な案内棚を構成しており、第1ステージ61と同様に、左右方向両側に曲率の小さな円弧状の凹面75,75を、中央部に曲率の大きな円弧状の凸面76を形成するような波形状の転動面を有している。円弧状の凹面75,75の谷部には前面側へ向けて下り傾斜した球案内部77,77が形成されており、円弧状の凸面76の中央部には第2の導入口78が開口され、この導入口78は前記誘導路に連通している。この誘導路は、前面側へ向けて下り傾斜しており、その傾斜下端部は前記取付基板体40の下部中央に開口した導出口79に連通することになり、該導出口79は前記始動入賞口10の直上に配置される。
なお、第1ステージ61上に遊技球をワープさせるワープ装置については、説明の都合上、後で詳述する。
【0021】
また、前記取付基板体40には、前記ガイドレール5によって区画され、前記発射装置により発射された遊技球を導入部から遊技領域に案内する発射球案内通路13(図1参照)が形成されており、その反対側に位置する前記取付基板47を前記鎧部51から右側の前記遊技領域区画部材6側へと延出させて、外形が前記遊技領域区画部材6に沿って円弧状に形成される取付基板延出部81を設けている。この取付基板延出部81は、前記裏箱体41との間に収納される前記装飾ユニット43の前面を覆っており、例えば、無色透明の合成樹脂材により形成され、後方の装飾ユニット43が視認可能なカバー部材を構成している。なお、この取付基板延出部81は無色透明の部材に限るものではなく、後方の装飾ユニット43が視認可能であれば、有色透明または半透明等であってもよい。また、取付基板延出部81は、その前方を遊技球が流下可能に形成され、遊技球が通過し得る幅を有しており、前述したように、外形が前記遊技領域区画部材6に沿った円弧状を呈しているので、前記鎧部51の振り分け凸部55によって右方向に振り分けられた遊技球が該取付基板延出部81の前面に沿って円滑に流下するように成っている。即ち、図1に示すように、前記取付基板体40を遊技盤1に取り付けると、取付基板延出部81の円弧状の外周部は前記遊技領域区画部材6の上部から右側部分に亘って当接されることになり、この遊技領域区画部材6と該取付基板延出部81の内周部を区画する前記右側辺部52との間を遊技球が流下することになる。したがって、取付基板延出部81の後方に装飾ユニット43を配置しても、該取付基板延出部81を後方の装飾ユニット43が視認可能な部材により形成し、且つ、該取付基板延出部81の前方を遊技球が流下可能であるので、装飾領域を実質的に拡大できるとともに、拡大した装飾領域の前を遊技球が通過でき、装飾効果を高めつつ遊技の興趣を高めることができる。
【0022】
さらに、図1において、前記遊技領域区画部材6の前記発射球案内通路13の先端の導入部17と対向する側部には、前記取付基板延出部側へ突出した当て板部材85を配設して、前記遊技領域区画部材6に沿って進行した遊技球が衝突して流下方向を変換するように、前記遊技領域区画部材6の一部を屈曲させた段部86が形成してあり、この段部86の衝突面にはゴム等の緩衝部材(図示せず)を装着している。そして、前記取付基板延出部81の遊技球の通過の妨げとならない位置に、本実施形態では取付基板延出部81の上部に、前方に突出する装飾部87を備えており、この装飾部87は、前記遊技領域区画部材6の段部86から前記導入部17の方向へ向けて円弧状に該遊技領域区画部材6に沿って配設されている。そして、該取付基板延出部81の下部には、装飾の施された複数の流下方向変換部材91が互い違い(千鳥状)に配設されており、さらにその下方には風車92が配設されている。このように、本実施形態においては、前記取付基板延出部81を鎧部51から右側の遊技領域区画部材6側へと延出させて拡大しており、この拡大した取付基板延出部81の遊技球の通過の妨げとならない位置に装飾部87を備えているので、装飾領域をさらに拡大することができ、さらに、該取付基板延出部8の下部に装飾の施された複数の流下方向変換部材91や風車92を配設しているので、装飾効果を高めつつ遊技の興趣を高めることができる。
【0023】
次に、裏箱体と装飾ユニットについて説明する。
図6は裏箱体に装飾ユニットを配置した状態を示す斜視図であり、図7は裏箱体の凹凸壁部及び装飾ユニットの凹凸形状を裏面側から見た状態を示す縦断面図である。また、図8は上装飾ユニットの駆動部分を示す斜視図であり、図9は右装飾ユニットの駆動部分を示す斜視図である。
【0024】
前述したように、前記裏箱体41の前面に前記取付基板体40を取り付けて、これらの内部空間に装飾ユニット43を収納している。具体的に説明すると、裏箱体41は、表示用開口窓部33の周縁と当該裏箱体41の周壁(後述の凹凸壁部101)との間に装飾ユニット配置空間94を形成し、該装飾ユニット配置空間94内に装飾ユニット43を配置している。装飾ユニット43は、図4及び図5に示すように、本実施例では、上装飾ユニット95、左装飾ユニット96及び右装飾ユニット97から構成され、それぞれ歯車やピストン等の機械の内部構造を暗示させるような装飾が施されている。図6に示すように、上装飾ユニット95、左装飾ユニット96及び右装飾ユニット97は、それぞれ前記裏箱体41内の上部分、左側部分及び右側部分に、該裏箱体41の周壁としての凹凸壁部101に当接させた状態で配置する。即ち、図7に示すように、この凹凸壁部101において、上部壁部102は前記上装飾ユニット95の上部分の外形に対応する凹凸形状を有し、左側壁部103(図7では右側部分)は前記左装飾ユニット96の左側部分の外形に対応する凹凸形状を有し、右側壁部104(図7では左側部分)は前記右装飾ユニット97の右側部分の外形に対応する凹凸形状を有している。また、左右に隣接する上装飾ユニット95と左装飾ユニット96との隣接部分105,106には、凹凸形状を付与している。さらに、上下に隣接する上装飾ユニット95と右装飾ユニット97との隣接部分111,112にも凹凸形状を付与している。そして、各凹凸壁部102,103,104の凹凸形状に適合するように各装飾ユニット95,96,97の外形位置を調整することにより、各装飾ユニット95,96,97を嵌合配置している。
【0025】
このように、裏箱体41に凹凸壁部102,103,104を形成し、該凹凸壁部102,103,104に凹凸外形を有する装飾ユニット95,96,97を嵌合配置させるとともに、隣接する装飾ユニット同士をも凹凸嵌合させるので、前記前面構成部材8の全体剛性を確実に向上させることができる。
【0026】
なお、図8に示すように、上装飾ユニット95の装飾部材は、例えば、3連のピストン121と装飾歯車122と、装飾のための発光体(LED)およびレンズ(何れも図示せず)とから成ってユニット化されており、これらはモータ123により駆動される主ギヤ機構124を介して動作するように構成されている。また、図6に示すように、左装飾ユニット96の装飾部材は、例えば、漫画のキャラクター名を表す文字装飾125が施されている。さらに、図9に示すように、右装飾ユニット97の装飾部材は、例えば、トランス130、装飾歯車群131及びクランク機構132、装飾のための発光体(LED)およびレンズ(何れも図示せず)から成ってユニット化されており、複数の歯車131及びクランク機構132は前記主ギヤ機構124に噛合する従ギヤ機構133を介して動作するように構成されている。
【0027】
次に、ワープ装置について説明する。
図10はワープ装置を示す要部断面図であり、図11は左装飾ユニットを示す分解斜視図である。
前述したように、前面構成部材8の内部には凹室54が形成されており、その底部には遊技球を転動させる前記第1ステージ61及び第2ステージ62が配設されている。この前面構成部材8には、前記遊技盤1の遊技領域7を流下する遊技球を流入口141から受け入れて流下路142,143を流下させ前記凹室54内の所要部位に設けられた流出口144から該凹室54の底部に形成した前記第1ステージ61に案内するワープ装置140が備えられている。図10に示すように、このワープ装置140の前記流入口141と、該流入口141から後方に遊技球151を流下させる後方流下路142とは、前記取付基板体40に形成してあり、前記後方流下路142と連通し遊技球151を下方へ流下させる下方流下路143と、該下方流下路143の下方端部に設けられた前記流出口144とは、前記左装飾ユニット96に形成してある。
【0028】
具体的には、図1及び図3に示すように、前記流入口141は取付基板体40の左側側辺部52における前記始動ゲート16の右斜め下方に位置しており、前面構成部材8の左側の遊技領域7を流下する遊技球を受け入れる左斜め上方へ臨んで開口している。そして、該流入口141の後方に延出された後方流下路142は、その底部が後方へ向けて下方に傾斜して形成され、流入口141に入った遊技球151を後方へ転動させるように成っている。さらに、図10及び図11に示すように、この後方流下路142に連通する下方流下路143は、左装飾ユニット96のユニット本体155の下部に位置する下方延出部156の前面中間部に連通部157を開口しており、その下端部まで垂下して該下方延出部156の右側面下端部に前記流出口144を開口しており、図3に示すように、該流出口144は第1ステージ61の左端部に臨むように配されている。このユニット本体155の下方延出部156に形成された下方流下路143の後面は裏蓋158によって覆われている。このように、前記取付基板体40に、流入口141と、該流入口141から後方に遊技球を流下させる後方流下路142とを形成するとともに、前記左装飾ユニット96に、前記後方流下路142と連通し遊技球を下方へ流下させる下方流下路143と、該下方流下路143の下方端部に設けられた流出口144とを形成したので、簡単な構造で、前面構成部材8の剛性を保ったままワープ装置140を構成することができる。
【0029】
なお、各装飾ユニット95,96,97は複数の部品を組み合わせてユニット化されており、例えば、左装飾ユニット96は、ユニット本体155が有色透明の合成樹脂材等の透光性の部材により形成され、その裏面側に裏面側発光基板160を備えるとともに、その前面側に前記ユニット本体155の前面部に形成された凹部161に係合する異形箱体状の装飾部品162、ユニット本体155の前面側に装着されて装飾部品162を覆う蓋材163、該蓋材163に装着される前面側発光基板164、該発光基板164の前面に設けられ、レンズ枠167内(詳しくは、蓋材163の前面側で文字装飾125の外形を構成するレンズ枠167の内側)に収納されるレンズ部材(後側レンズ部材165及び前側レンズ部材166)を順次備えて、前記文字装飾125を構成しており、前面側発光基板164によって後側レンズ部材165及び前側レンズ部材166を介して文字装飾125が点灯し、前記裏面側発光基板161によって前記ユニット本体155における文字装飾125の周囲部分が点灯するように成っている。即ち、図4、図11等に示すように、レンズ枠167は蓋材163の前面側で文字装飾の外形を構成し、前面側発光基板164からの光がレンズ部材165,166を透過して文字装飾を点灯すると共に、裏面側発光基板160からの光が蓋材163を除く当該ユニット本体155表面を透過して文字装飾の周囲部分を点灯して装飾効果を高めている。
【0030】
次に、図1、図3及び図10を用いて、以上の如く構成された本実施形態のパチンコ遊技機の作用について説明する。
図1及び図3に示すように、前記発射装置により発射された遊技球は発射球案内通路13を経て、前記導入部17から遊技領域7の上部に飛入し、前面構成部材(センターケース)8の鎧部51の上面に流下すると、振り分け凸部55によって左側あるいは右側に振り分けられることとなり、前面構成部材8の側辺部52,52の外側に位置する左側の遊技領域7または取付基板延出部81の前面を流下する。そして、左側の遊技領域7を流下する遊技球は、前面構成部材8の左側の側辺部52に開口されたワープ流路140の流入口141に流入し得ることになる。
【0031】
図3及び10に示すように、ワープ流路140の流入口141に遊技球151が流入すると、その後方に延出された後方流下路142及び下方流下路143を経て、該下方流下路143の下方端部に開口された流出口144から第1ステージ61の転動面の左端上に流下される。この第1ステージ61の転動面は、図3に示すように、左右方向の略中央部分に円弧状の凸面66を、該凸面66の左右両側方に円弧状の凹面65,65をそれぞれ備えて略波面状を呈しているので、転動して次第に減勢されると前記凹面65,65に形成された球案内溝(落下許容部)67,67からその前面側下方に配置された第2ステージ62上に流下されることになる。なお、第1ステージ61の転動面の前記凹面65,65以外の部分の前面側には起立壁(落下規制部)63が形成されているので、遊技球の勢いが強すぎない限り、起立壁(落下規制部)63を乗り越えて第2ステージ62上に落下することはない。
【0032】
一方、第1ステージ61の転動面を転動する遊技球が円弧状の凸面66を通過する際に、その中央部に開口された第1の導入口68内に入ることがあり、該導入口68に入った遊技球は誘導路を通過して前記始動入賞口10の直上に位置する導出口79から流出し、始動入賞口10へ向けて流下することになる。
【0033】
また、第1ステージ61の前記落下許容部67,67から第2ステージ62へと落下した遊技球は、第1ステージ61を経ることによって減勢されているが、第2ステージ62の転動面が、図3に示すように、左右方向の略中央部分に円弧状の凸面76を、該凸面76の左右両側方に円弧状の凹面75,75をそれぞれ備えて略波面状を呈しているので、さらに転動して減勢されることになる。そして、第2ステージ62の転動面を転動する遊技球は、前記凹面75,75に形成された球案内溝(落下許容部)77,77からその前面側下方へと流下し、前面構成部材8の下方へ落下する。
また、前面構成部材8の側方を流下した遊技球が前面構成部材8の下方の障害釘23に弾かれて第2ステージ62に到達すると、この遊技球は、円弧状の凸面76を通過する際に、その中央部に開口された第2の導入口78内に入ることがある。該導入口78に入った遊技球は誘導路を通過して前記始動入賞口10の直上に位置する導出口79から流出し、始動入賞口10へ向けて流下することになる。
【0034】
そして、本実施形態では、例えば、前記右装飾ユニット97の装飾歯車群131及びクランク機構132は常時作動させ、前記上装飾ユニット95の3連のピストン121及び装飾歯車122は大当たり予告時又はリーチ予告時に作動させるように成っており、これにより装飾効果をより高めることができる。したがって、遊技者は左装飾ユニット96の文字装飾125の点灯や上装飾ユニット95及び右装飾ユニット97の動作だけでなく、遊技球の案内過程をも併せて楽しむことができ、又、前記導出口79から流下した遊技球を下方の入賞領域へと案内して、始動入賞口10への入賞の可能性を期待させることにより、遊技の興趣を高めることができる。
【0035】
以上のように構成された本実施形態のパチンコ遊技機によれば、裏箱体41の前面に取付基板体40を取り付けて、その内部に上装飾ユニット95、左装飾ユニット96及び右装飾ユニット97を収納して遊技盤1の開口31に嵌装して組み付けるようにしたので、これらのユニットによって構成される前面構成部材8の剛性を高めることができ、前面構成部材自体の破損や遊技盤1の歪みを防止することができる。また、裏箱体41に各装飾ユニット95,96,97を配置するので、それぞれに裏面カバー部材を取り付ける必要がなく、遊技盤1への取り付け作業性が良いものである。
【0036】
上記した実施形態は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、変動表示装置を遊技盤の開口裏面側に配設し、該変動表示装置の表示部が臨む表示用開口窓部を形成した前面構成部材を遊技盤の前面側に配設した遊技機であれば、例えば、内部に封入した遊技球を循環させる封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
【0037】
上記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】
パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】
パチンコ遊技機の遊技盤、前面構成部材及び裏面構成部材を示す斜視図である。
【図3】
裏箱体の前面に取付基板体を取り付け、その内部に装飾ユニットを収納した状態を示す斜視図である。
【図4】
取付基板体及び裏箱体、これらの間に収納する装飾ユニットを前方から見た状態を示す分解斜視図である。
【図5】
取付基板体及び裏箱体、これらの間に収納する装飾ユニットを後方から見た状態を示す分解斜視図である。
【図6】
裏箱体に装飾ユニットを配置した状態を示す斜視図である。
【図7】
裏箱体の凹凸壁部及び装飾ユニットの凹凸形状を裏面側から見た状態を示す縦断面図である。
【図8】
上装飾ユニットの動作部分を示す斜視図である。
【図9】
右装飾ユニットの動作部分を示す斜視図である。
【図10】
ワープ装置を示す要部断面図である。
【図11】
左装飾ユニットを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 遊技盤
7 遊技領域
8 前面構成部材(センターケース)
9 変動表示装置
29 表示部
31 開口
32 裏面構成部材
33 表示用開口窓部
36 周壁部
40 取付基板体
41 裏箱体
43 装飾ユニット
46 開口部
47 取付基板
51 鎧部
52 側辺部
53 底部
54 凹室
61 第1ステージ
62 第2ステージ
87 装飾部
94 装飾ユニット配置空間
95 上装飾ユニット
96 左装飾ユニット
97 右装飾ユニット
101 凹凸壁部(周壁)
102 上部壁部
103 左側壁部
104 右側壁部
105,106 隣接部分
111,112 隣接部分
141 流入口
142 後方流下路
143 下方流下路
144 流出口
151 遊技球
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置を遊技盤の開口裏面側に配設した遊技機において、
前記変動表示装置の前面側に設けられ、前方を開放した箱状であって、後方の壁に表示用開口窓部が形成された裏箱体と、
該裏箱体に収納され、当該遊技機を装飾する装飾部材を備えてユニット化された装飾ユニットと、
を備え、
前記装飾ユニットは、
透光性の部材により形成されたユニット本体と、
該ユニット本体の裏面側に配置された裏面側発光基板と、
前記ユニット本体の前面側に配置された蓋材と、
該蓋材に装着される前面側発光基板と、
前記蓋材の前面側で文字装飾の外形を構成するレンズ枠と、
前記前面側発光基板の前面に設けられ、前記レンズ枠内に収納されるレンズ部材と、
を備え、
前記前面側発光基板によって前記レンズ枠内の前記レンズ部材を介して、文字装飾が点灯し、
前記裏面側発光基板によって前記ユニット本体表面を介して光を透過させることで、文字装飾の周囲部分が点灯することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
周壁部を前方に延出させて箱体状に形成された裏面構成部材を前記遊技盤の裏面に止着して備え、該裏面構成部材の裏面には前記変動表示装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記変動表示装置の上方に位置し、前記変動表示装置の左右方向に沿って延在するとともに前記変動表示装置の前方へ向けて突設された鎧部を備え、
前記装飾ユニットを前記変動表示装置よりも上方であり、且つ前記鎧部よりも下方の位置に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-09-24 
出願番号 特願2004-323141(P2004-323141)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲吉▼川 康史  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 吉村 尚
秋山 斉昭
登録日 2012-06-29 
登録番号 特許第5024845号(P5024845)
発明の名称 遊技機  
代理人 津久井 照保  
代理人 津久井 照保  

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