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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04F
管理番号 1266541
審判番号 不服2011-15090  
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-07-13 
確定日 2012-11-22 
事件の表示 特願2010- 18495「一般住宅用床用シート」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 6月24日出願公開、特開2010-138690〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は,平成11年12月3日に出願した特願平11-344682号の一部を平成22年1月29日に新たな特許出願としたものであって,平成23年4月1日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年7月13日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに,同時に手続補正がなされたものである。
その後,同年10月13日付けで,審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ,同年12月19日に回答書が提出された。
そして,平成24年6月21日付けで拒絶理由を通知したところ,同年8月21日に意見書と補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1?3に係る発明は,平成24年8月21日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ,そのうち,請求項1に係る発明は,以下のとおりのものである(以下,請求項1に係る発明を「本願発明」という。)。
「【請求項1】
不織布面上に、発泡樹脂層、不透明な熱可塑性樹脂層、装飾層、紫外線吸収剤を含む透明な熱可塑性樹脂層、ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とし、これに多官能モノマー、紫外線吸収剤を少なくとも配合した組成物を電子線で硬化させてなる電子線硬化型樹脂層をこの順に積層してなり、前記発泡樹脂層は、ハロゲン原子を含まない樹脂を基材樹脂としてなり、前記不透明な熱可塑性樹脂層と前記透明な熱可塑性樹脂層は、分子中にハロゲン原子を含まないオレフィン系樹脂からなる、ことを特徴とする一般住宅用床用シート。」

3 引用刊行物
(1)刊行物1
本願出願前に頒布された刊行物である,特開平5-9876号公報(以下「刊行物1」という。)には,図面とともに以下の記載がある(下線は当審にて付与。)
(1a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は床材に関し,更に詳しくは地下鉄,鉄道,バス等の車両の床材等に使用した場合,耐シガレット性及び難燃性に優れたノンハロゲン床材に関する。」

(1b)「【0005】
【作用】床材を構成する各樹脂層を,ハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマーの含有率が5?25重量%であるエチレン系共重合樹脂から形成し,中間層に水酸化マグネシウム等の無機物難燃材を含有させ,且つ表面層をゲル分率80重量%以上に架橋させることによって,耐シガレット性及び難燃性に優れ,燃焼時に発煙量が少なく且つ有害なガス発生がない床材を提供することが出来る。又,好ましい実施態様では表面層を透明とし,中間層に各種のデザインを施すことによって意匠性に優れた床材とすることが出来る。」

(1c)「【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の床材の基本構造は,図1にその断面を図解的に示す様に,裏打層11,難燃性の中間層12及び耐シガレット性の表面層13の3層構造からなる。裏打層11は,通常は,ポリエステル,ビニロン,麻等の繊維からなる平織,不織布等の基材14上に樹脂層15を設けたものである。本発明ではかかる樹脂層15は,エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA),エチレン-メチルアクリレート共重合樹脂(EMA),エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂(EEA),Cが3?5のエチレン-アルキルアクリレート共重合樹脂,エチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)等のオレフィン系共重合樹脂を使用して形成されるが,好ましくは酢酸ビニル,メチルアクリレート,エチルアクリレート等のハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマー含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEAが好ましい。 又,樹脂層15は下地材である基材14との接着性を良好にする為に,酢酸ビニルの含有率が10?25重量%,好ましくは15?25重量%のEVAは適するが,このEVAを主体としてEMAやEEAを混合して使用してもよい。これらの樹脂は,燃焼時にハロゲン化水素,シアン化水素,アンモニア等の有害ガスを発生することがない。
【0007】上記樹脂層15は,基材14上に上記樹脂を押出加工やカレンダー加工等の方法でシート状に成形及び積層するので,それらの樹脂のMIは0.5?7,好ましくは0.5?5,中でもカレンダー加工では0.5?3が好ましい。又,樹脂層15を基材14に良好に接着させる為に,必要に応じてEVA,エチレン-アルキルアクリレート共重合体等のオレフィン系共重合樹脂及びオレフイン樹脂等の接着剤を予め基材14又は樹脂層15に塗布しておくことが出来る。裏打層11の層構造は,非発泡層でもよいし,又,クッション性をよくする為に発泡層でもよい。発泡層の場合,発泡剤はアゾジカルボンアミド,ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の発泡剤を使用することが出来,添加量は樹脂100重量部当たり2?5重量部の範囲であり,その発泡倍率は1.5?3倍程度が好ましい。
【0008】・・・中間層12は,上記の裏打層と同様な樹脂から形成し,この層12には無機物の難燃材を含有させる。該難燃材としては,燃焼時に有害ガスは発生しない水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の結晶水を含有した無機の水酸化物が好ましく使用出来,特に水酸化マグネシウムが最も適している。これらの難燃材の添加量は,中間層形成用樹脂100重量部当たり15?100重量部の範囲が好ましい。中間層12の形成に使用する樹脂として特に好ましいものは,ハロゲン又は窒素を含有しないビニルモノマーの含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEA等のオレフィン系共重合樹脂である。この中間層樹脂には前記の水酸化マグネシウ等の無機物難燃材を15?100重量%添加する。この際,水酸化マグネシウムを15?30重量%含む様にして,残りは炭酸カルシウム等の充填材を混合して使用してもよい。水酸化マグネシウムの添加量が15重量%以下では難燃性が不足し好ましくない。中間層12の層構造は,着色非発泡シート層でも,多色ペレットを熱溶着したシート層でもよい。
【0009】中間層12を積層する方法は,該中間層が非発泡の着色シートの場合,ロール温度が160?165℃のカレンダーで,厚みが1?1.3mmにシート出ししながら,該着色シート12を裏打層11と積層する方法が好ましい。一方,中間層12が多色ペレットの溶着シートの場合は,着色ペレットを押出機で適当なサイズの着色ペレットにし,これらの2?3色のペレットを混合して,裏打層11上に散布しながらローラで押圧して厚みを調整後,180?210℃の温度で加熱押圧しながら,混合した着色ペレットを融着及び積層する方法が好ましい。この際使用する着色ペレットのMIが0.5?5の範囲で着色ペレットの融着性はいずれも良好であるが,MIが3以上ではペレットが流れる傾向にあり,好ましいMIは1?3である。表面層13は,前記樹脂から形成し,その表面の耐シガレット性を良好にする為には,電子線を10?30Mrad,好ましくは15?25Mradの照射量で照射して,樹脂のゲル分率を80重量%以上にすることにより,煙草の踏み消し時の焼けや黒灰色の汚れが付かなくなり,耐シガレット性が良好な床材が得られる。」

(1d)「【0011】・・・上記表面層13を形成する方法としては,該表面層が着色不透明層で中間層が着色シートの場合は,ロール温度が160?165℃のカレンダーで,厚みが1?1.2mmにシート出ししながら,基材上4に裏打樹脂層15及び中間層12を積層した積層体の表面に積層後,積層体の表面に電子線を照射して表面層を架橋して,耐シガレット性及び難燃性を有する本発明のノンハロゲン床材が得られる。一方,表面層13が透明で,中間層12がペレット融着シート又は表面に印刷したシートの場合は,透明シート13をロール温度が160?165℃のカレンダーでシート出し後,該シート13の表面に電子線を照射して,シートの表面から4分の3程度の深さ迄をゲル分率80重量%以上に架橋させ,深さ方向に部分架橋したシートとし,該シートの非架橋裏面側と上記中間層迄の積層体とを180?210℃の温度下で熱圧着して,意匠性のある耐シガレット性及び難燃性を有するノンハロゲン床とすることが出来る。」

(1e)「【0014】実施例2
図3は実施例2の模様付きノンハロゲン床材の断面を図解的に説明する図である。前記表1に記載の裏打層用樹脂組成物を,ロール温度が160℃のカレンダーで0.7mm厚にシート出ししながら,このシート35を基材である麻布34と積層して裏打層31とした。その後,同様に表1の中間層用樹脂組成物をカレンダーで1.3mm厚にシート出しをしながら,該シート32を上記裏打層31上に積層し,更に中間層32の表面に石目調等の任意の印刷36を施して積層体とした。次に,実施例1と同様にして,表1の表面層用樹脂組成物をカレンダーで厚さ1mmにシート出し後,電子線を照射して部分架橋したシート33とした。このシート33の裏面と上記積層体とを加熱押圧して積層し,耐シガレット性及び難燃性を有する本発明の模様付きノンハロゲン床材を得た。」

(1f)図3には,表面層33と中間層32の間に印刷層36を設けた積層構造が図示されている。

以上を総合すると,上記記載(1a)?(1f)及び図面からみて,刊行物1には,以下の発明が記載されていると認められる(以下,「刊行物1記載の発明」という。)。
「裏打層,難燃性の中間層及び耐シガレット性の表面層の3層構造からなる床材であって,
裏打層は,不織布等の基材上に樹脂層を設けたものとし,
樹脂層は,ハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマー含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEAなどのオレフィン系共重合樹脂を使用して形成され,
裏打層は,クッション性をよくする為に発泡層とし,
中間層は,ハロゲン又は窒素を含有しないビニルモノマーの含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEA等のオレフィン系共重合樹脂で形成された,非発泡の着色シートとし,
表面層と中間層の間に印刷層を設け,
表面層を透明とし,樹脂から形成しており,
裏打層用樹脂組成物を,0.7mm厚にシート出ししながら,このシートを基材と積層して裏打層とし,中間層用樹脂組成物を1.3mm厚にシート出しをしながら,該シートを上記裏打層上に積層し,更に中間層の表面に印刷を施して積層体とし,表面層用樹脂組成物を1mmにシート出し後,電子線を照射して部分架橋したシートの裏面と上記積層体とを加熱押圧して積層した
地下鉄,鉄道,バス等の車両の床材等に使用することが可能な,耐シガレット性及び難燃性に優れたノンハロゲン床材。」

(2)刊行物2
本願出願前に頒布された刊行物である,特開平10-235771号公報(以下「刊行物2」という。)には,図面とともに以下の記載がある(下線は当審にて付与。)。
(2a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,建築物の内装,建具の表面化粧,車両の内装等に用いられる化粧シートに関するもので,特に,意匠性の付与及び表面保護の目的で設けられる化粧シートに関するものである。」

(2b)「【0009】本発明の高鮮映化粧シートは以下のように作製される。先ず,図3(a)に示すように,透明な熱可塑性樹脂シート13として,ポリエステルシートやアクリルシートで,ヘイズ度が1?8%で,波長400nm?700nmの光線透過率が70%以上のシートを用いて,これに熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を塗布,硬化して成形性ハードコート層14を形成する。一方,着色熱可塑性樹脂シート11として,着色されたABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)シートやポリオレフィンシートの上に,図3(b)に示すように,絵柄印刷層12を設けて着色熱可塑性樹脂シート(着色ABSシート)の印刷シートを作製する。
【0010】次に,図3(c)に示すように,前記絵柄印刷層を有する着色熱可塑性樹脂シートの印刷面に,前記成形性ハードコート層14を形成した透明な熱可塑性樹脂シート13を,成形性ハードコート層14を上にして重ね合わせ,更に,この重ね合わせたシートの上下に鏡面板17を重ね,これを熱プレス機により加熱加圧し,着色熱可塑性樹脂シート11と透明な熱可塑性樹脂シート13を熱融着して積層し,同時に成形性ハードコート層14を鏡面状態にする。この積層シートを加圧状態で常温まで冷却し,冷却後プレス機を常圧に戻して高鮮映性化粧シート1を得る。」

(2c)「【0013】本発明の着色熱可塑性樹脂シートは,上記熱可塑性樹脂に顔料,染料等の着色剤を分散することにより着色される。更に,着色熱可塑性樹脂には,充填剤,発砲剤,難燃,紫外線吸収剤等が添加されてもよい。充填剤としては,シリカ,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム等を用いることができる。また,平均粒径が5μm以下の充填剤を用いることが好ましい。この充填剤,顔料及び/又は染料により,着色熱可塑性樹脂シートを不透明にすることができる。」

(2d)「【0015】本発明に使用される透明な熱可塑性樹脂は,絵柄印刷層の絵柄を鮮映に浮き立たせる作用をなすと共に,該絵柄印刷層を保護する作用をなすものである。高い鮮映性を実現するために,該透明な熱可塑性樹脂シートは,ヘイズ度が1?8%の範囲に収め,好ましくは3?6%の範囲にすることが重要である。ヘイズ度が1%以下の場合は,印刷面に少しの傷があっても非常に目立って,化粧シートとしての意匠性が低下する。又,ヘイズ度が8%以上になると,内部の絵柄が散乱して見え,鮮映性が不十分となる。」

(2e)「【0017】本発明に使用される透明な熱可塑性樹脂シートとしては,上記のように,所定のヘイズ度と光線透過率を有するものであれば,特に制限されないが,中でもポリエステルシート,アクリルシート,ポリプロピレンシート,エチレンービニルアルコール共重合体シート,ポリカーボネートシート,三酢酸セルロースシート等が好適である。」

(2f)「【0023】前記透明な熱可塑性樹脂シートには,耐候性(耐光性)を向上させるために,紫外線吸収剤,及び/又は光安定剤を添加することがある。その添加量は,紫外線吸収剤,光安定剤のとも,通常,0.5?10重量%程度であるが,一般的には紫外線吸収剤と光安定剤を併用することが好ましい。紫外線吸収剤としては,ベンゾトリアゾール,ベンゾフェノン,サリチル酸エステル等の有機物,又は,0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛,酸化セリウム,酸化チタン等の無機物を用いることもできる。安定剤としては,ビス-(2,2,6,6,-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル補足剤,ピペリジン系ラジカル補足剤を用いることができる。」

(2g)「【0026】本発明において着色熱可塑性樹脂シートや透明熱可塑性樹脂シート,又は絵柄印刷層の上に,接着性向上のために,易接着処理を行うことがある。易接着処理としては,コロナ放電処理,プラズマ処理,又は,易接着層(プライマー層或いはアンカー層ともいう)を形成する方法がある。易接着層の形成方法としては,アクリル樹脂,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解したインキを用いて,公知の方法で塗布,乾燥して易接着層とする。」

(2h)「【0035】本発明の化粧シートは各種被着体に積層し、所定の成形加工等を施して、各種用途に使用される。例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建築物の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に使用される。」

(2i)「【0040】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,化粧シートの構成を,着色ABSシート,絵柄印刷層,透明なアクリルシート及び成形性ハードコート層を順次積層する構成とし,ポリ塩化ビニルの代わりにABSシートを使用することにより,焼却処理された場合でも,塩化水素ガスが発生しないので,焼却時の環境汚染問題を解決することができる。・・・」

(3)刊行物3
原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願前に頒布された刊行物である,特開平11-138718号公報(以下「刊行物3」という。)には,図面とともに以下の記載がある(下線は当審にて付与。)。
(3a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,木質系板材・棒材,金属板等の表面に貼り合わせて使用される化粧シートに関するものである。」

(3b)「【0011】トップ層に用いる電子線硬化型樹脂としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオールを2個以上有する単量体、プレポリマー又はポリマーが挙げられる。これら単量体、プレポリマー又はポリマーは単体で用いるか、或いは複数種混合して用いることができる。なお、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いている。
【0012】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量としては、通常250?10000程度のものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポリマーとしては、上記ポリマーの重合度を10000以上としたものが用いられる。
・・・
【0015】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。」

(3c)「【0024】
【実施例】(実施例1)基材シートとしてポリエチレン系エラストマー(タツノ化学製「タフバー」)を使用し,その基材シート上にポリエステルウレタン系インキにてグラビア印刷を施して装飾層を形成した。そして,装飾層の上から接着剤(三井石油化学製「ユニストールP-802」)を全面塗布して接着剤層を形成し,その接着剤層を介して電子線硬化型樹脂層をトップ層として積層することで化粧シート(積層体)を作製した。本実施例では,電子線硬化型樹脂として大日精化工業製「REB」を使用し,これにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業製「LA-36」)を0.3重量%,ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(旭電化工業製「LA-62」)を0.3重量%添加したものを押出しラミネートすることでトップ層を形成した。」

(3d)「【0030】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の化粧シートは,少なくともオレフィン系樹脂を主成分とする着色基材シート上に,透明ないし半透明の電子線硬化型樹脂層をトップ層として積層してなる化粧シートにおいて,電子線硬化型樹脂層に紫外線吸収剤を添加してアイスーパーUVテスターによる100時間曝露後の350nmでのUV透過率を30%以下とすることにより,耐候性が良好となり,しかも基材シートとトップ層の層間接着強度が弱くならない。」

(4)刊行物4
本願出願前に頒布された刊行物である,特開平10-44331号公報(以下「刊行物4」という。)には,図面とともに以下の記載がある(下線は当審にて付与。)。
(4a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,建築物の内装,建具の表面化粧,車輛内装等に用いる表面化粧紙及び化粧材として利用が可能である。」

(4b)「【0011】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合性不飽和結合又は、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成物を用いる。前記プレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
【0012】前記単量体の例としては、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸-2-(N、N-ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸-2-(N、N-ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸-2-(N、N-ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸(N、N-ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸-2-(N、N-ジジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。
【0013】以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0014】単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整することも出来る。」

(4c)「【0028】この架橋型樹脂や電離放射線硬化型樹脂には,必要に応じ,顔料(上記の顔料と同じ),染料,充填剤,発泡剤,難燃剤,紫外線吸収剤等を添加する。
【0029】〔紫外線吸収剤・光安定剤〕樹脂により良好な耐候性(耐光性)を付与するために,紫外線吸収剤,及び/又は光安定剤を添加することができ,その添加量は紫外線吸収剤,光安定剤とも通常0.5?10重量%程度であるが,一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用するのが好ましい。」

4 対比・判断
(1)本願発明と刊行物1記載の発明との対比
刊行物1記載の発明は「裏打層は,不織布等の基材上に樹脂層を設けたものとし,樹脂層は,ハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマー含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEAなどのオレフィン系共重合樹脂を使用して形成され,裏打層は,クッション性をよくする為に発泡層とし」ていることからみて,刊行物1記載の発明の「発泡層」は「ハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマー含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEAなどのオレフィン系共重合樹脂」からなるものと認められる。そうすると,刊行物1記載の発明の「発泡層」は,本願発明の「発泡樹脂層」に相当し,当該発泡樹脂層の「基材樹脂」に関して,刊行物1記載の発明の「ハロゲン及び窒素を含まないビニルモノマー含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEAなどのオレフィン系共重合樹脂」は,本願発明の「ハロゲン原子を含まない樹脂」に相当する。

刊行物1記載の発明は「中間層は,ハロゲン又は窒素を含有しないビニルモノマーの含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEA等のオレフィン系共重合樹脂で,非発泡の着色シートとし」ていること,及び,「EVA,EMA及びEEA」はいずれも熱可塑性の樹脂であることからみて,刊行物1記載の発明の「中間層」と,本願発明の「不透明な熱可塑性樹脂層」とは,「熱可塑性樹脂層」である点で共通する。

刊行物1記載の発明の「中間層」の「ハロゲン又は窒素を含有しないビニルモノマーの含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEA」は,本願発明の不透明な熱可塑性樹脂層の「分子中にハロゲン原子を含まないオレフィン系樹脂」に相当する。

刊行物1記載の発明の「印刷層」は,本願発明の「装飾層」に相当する。

刊行物1記載の発明は「表面層を透明とし,樹脂から形成しており」,「表面層用樹脂組成物を1mmにシート出し後,電子線を照射して部分架橋したシートの裏面と上記積層体とを加熱押圧して積層した」ものであり,樹脂を架橋することで硬化することは明らかであることから,刊行物1記載の発明の「表面層」は,本願発明の「電子線硬化型樹脂層」に相当する。

刊行物1記載の発明は「裏打層用樹脂組成物を,0.7mm厚にシート出ししながら,このシートを基材と積層して裏打層とし,中間層用樹脂組成物を1.3mm厚にシート出しをしながら,該シートを上記裏打層上に積層し,更に中間層の表面に印刷を施して積層体とし,表面層用樹脂組成物を1mmにシート出し後,電子線を照射して部分架橋したシートの裏面と上記積層体とを加熱押圧して積層した」もので,刊行物1記載の発明の「ノンハロゲン床材」の厚さは3mm程度のものであると認められることから,刊行物1記載の発明の「ノンハロゲン床材」と,本願発明の「一般住宅用床用シート」とは,「床用シート」である点で共通している。

したがって,両者は以下の点で一致している。
「不織布面上に,発泡樹脂層,熱可塑性樹脂層,装飾層,電子線硬化型樹脂層をこの順に積層してなり,前記発泡樹脂層は,ハロゲン原子を含まない樹脂を基材樹脂としてなり,前記熱可塑性樹脂層は,分子中にハロゲン原子を含まないオレフィン系樹脂からなる,床用シート。」

そして,以下に示す点で相違している。
<相違点1>
発泡樹脂層と装飾層の間に設ける熱可塑性樹脂層について,
本願発明では,「不透明」としているのに対し,
刊行物1記載の発明では,「着色シート」であるものの不透明であるか不明である点。

<相違点2>
装飾層と電子線硬化型樹脂層の間に,
本願発明では,「分子中にハロゲン原子を含まないオレフィン系樹脂」からなる,「紫外線吸収剤を含む透明な熱可塑性樹脂層」を介在させているのに対して,
刊行物1記載の発明では,そのような層を設けていない点。

<相違点3>
電子線硬化型樹脂層について,
本願発明では,「ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とし、これに多官能モノマー、紫外線吸収剤を少なくとも配合した組成物を電子線で硬化させてなる」ものとしているのに対し,
刊行物1記載の発明では,そのようなものであるか不明である点。

<相違点4>
床用シートについて,
本願発明は「一般住宅用」であるのに対して,
刊行物1記載の発明には地下鉄,鉄道,バス等の車両の床材等に使用することが可能であることが示されているものの,一般住宅に用いることについて記載のない点。

(2)相違点についての検討・判断
<相違点1について>
記載事項(2b)の「絵柄印刷層を有する着色熱可塑性樹脂シートの印刷面に,前記成形性ハードコート層14を形成した透明な熱可塑性樹脂シート13を,成形性ハードコート層14を上にして重ね合わせ」,記載事項(2c)の「着色熱可塑性樹脂シートを不透明にすることができる」からみて,刊行物2には,絵柄印刷層(本願発明の「装飾層」に相当。)を上に設けた着色熱可塑性樹脂シート(本願発明の「熱可塑性樹脂層」に相当。)を不透明にすることが記載されている。

さらに,刊行物2に記載の化粧シートは,記載事項(2a)にあるように「車両の内装等に用いられる化粧シートに関するもので,特に,意匠性の付与及び表面保護の目的で設けられる化粧シートに関するもので」ある。

してみると,刊行物1記載の発明と刊行物2に記載の化粧シートとは,内装用の化粧材に関する発明である点,装飾層の下側に着色した熱可塑性樹脂層を備えている点,及び,意匠性の付与を図るものである点で共通しており,着色した熱可塑性樹脂層を透明とするか不透明とするかは当業者が適宜選択することであることから,刊行物1記載の発明の熱可塑性樹脂層に,刊行物2に記載の着色した熱可塑性樹脂層を不透明とする技術を適用して,相違点1に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点2について>
記載事項(2b)の「透明な熱可塑性樹脂シート13・・・に熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を塗布,硬化して成形性ハードコート層14を形成する」,及び,「絵柄印刷層を有する着色熱可塑性樹脂シートの印刷面に,前記成形性ハードコート層14を形成した透明な熱可塑性樹脂シート13を,成形性ハードコート層14を上にして重ね合わせ」,記載事項(2d)の「透明な熱可塑性樹脂は,絵柄印刷層の絵柄を鮮映に浮き立たせる作用をなすと共に,該絵柄印刷層を保護する作用をなす」,記載事項(2e)の「透明な熱可塑性樹脂シートとしては,・・・ポリプロピレンシート・・・等が好適である」,及び,記載事項(2f)の「透明な熱可塑性樹脂シートには,耐候性(耐光性)を向上させるために,紫外線吸収剤・・・を添加することがある」からみて,刊行物2には,着色熱可塑性樹脂シート(本願発明の「不透明な熱可塑性樹脂層」に相当。)の上の絵柄印刷層(本願発明の「装飾層」に相当。)と成形性ハードコート層14(本願発明の「電子線硬化型樹脂層」に相当。)の間に,透明な熱可塑性樹脂シート13(本願発明の「紫外線吸収剤を含む透明な熱可塑性樹脂層」に相当。)を介在させて,絵柄印刷層の絵柄を鮮映に浮き立たせると共に,該絵柄印刷層を保護すること,その透明な熱可塑性樹脂シートに,耐候性(耐光性)を向上させるために,紫外線吸収剤を添加すること,及び,透明な熱可塑性樹脂シートを,ポリプロピレンシートとすることが記載されている。

さらに,刊行物2に記載の化粧シートは,記載事項(2a)にあるように「車両の内装等に用いられる化粧シートに関するもので,特に,意匠性の付与及び表面保護の目的で設けられる化粧シートに関するもので」ある。

してみると,刊行物1記載の発明と刊行物2に記載の化粧シートとは,内装用の化粧材に関する発明である点,装飾層の下側に着色した熱可塑性樹脂層を備えている点,及び,意匠性の付与及び表面保護を図るものである点で共通していることから,絵柄印刷層の絵柄を鮮映に浮き立たせ,該絵柄印刷層を保護するために,刊行物1記載の発明の装飾層と電子線硬化型樹脂層の間に,刊行物2に記載の紫外線吸収剤を含み,ハロゲン原子を含まないオレフィン系樹脂であるポリプロピレンからなる透明な熱可塑性樹脂層を介在させる技術を適用して,相違点2に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点3について>
刊行物3,4にも記載されているように,化粧材に用いる電子線硬化型樹脂層を形成する組成物として,ウレタン(メタ)アクリレート、多官能モノマーを配合したものを用いること,及び,化粧材において,耐光性等を向上するために電子線硬化型樹脂層に紫外線吸収剤を添加することはいずれも周知の技術である。

そして,電子線硬化型樹脂層を形成する組成物としてどのようなものを採用するかは当業者が適宜決定することであり,刊行物1に記載の発明の電子線硬化型樹脂層も,耐光性向上との周知の課題を有していることは明らかであることから,化粧材に用いる電子線硬化型樹脂層を形成する組成物として,ウレタン(メタ)アクリレート、多官能モノマーを配合したものを採用し,当該課題を解決するために電子線硬化型樹脂層に紫外線吸収剤を配合することは,当業者が容易になし得ることである。

その際に,ウレタン(メタ)アクリレート、多官能モノマーの配合比をどのようなものとするかは当業者が適宜決定することでありウレタン(メタ)アクリレートを主成分としたことによる格別の作用硬化があるとも認められない。

してみると,刊行物1記載の発明に上述の周知の技術を採用して,相違点3に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

なお,請求人は,平成24年8月21日受付の意見書において,「刊行物1(特開平05-009876号公報)に記載の『表面層』は、その明細書の段落番号〔0009〕に『表面層13は、前記樹脂から形成し、』と記載され、『前記樹脂』は同明細書の段落番号〔0008〕に記載の『中間層』を形成する樹脂、すなわち、『中間層12の形成に使用する樹脂として特に好ましいものは、ハロゲン又は窒素を含有しないビニルモノマーの含有率が5?25重量%のEVA,EMA及びEEA等のオレフィン系共重合樹脂である。』と記載されているものであり、実態は『オレフィン系共重合樹脂』であります。
そこで、審判請求人は、本願発明(新請求項1)の『電子線硬化型樹脂層』を『ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とし、これに多官能モノマー、紫外線吸収剤を少なくとも配合した組成物を電子線で硬化させてなる電子線硬化型樹脂層』とし、刊行物1記載の『表面層』を形成する樹脂との違いを明確にする補正を行いました。」と主張しているが,上で示したように,刊行物1記載の発明に上述の周知の技術を採用して当業者が容易に想到し得たものであって,この点をもって当業者が容易に想到し得ない,とすることはできない。

<相違点4について>
記載事項(2a),記載事項(2h),記載事項(4a)等にもあるように,化粧材を建築物の内装や車両の内装に用いることはいずれも一般的に行われている周知の技術である。
さらに,記載事項(2a),記載事項(2h),記載事項(4a)において,化粧材の用途として建築物の内装と車両の内装とが並記されているように,車両の内装用の化粧材と建築物の内装用の化粧材は技術的に関連したものであると認められる。

刊行物1記載の発明の「地下鉄,鉄道,バス等の車両の床材等に使用することが可能である」「ノンハロゲン床材」を,化粧材の用途として技術的に関連する建築物に転用して,建築物の床材として使用するノンハロゲン床材とすることは当業者が容易になし得ることである。

その際に,「建築物」を「一般住宅」としたことによる格別の作用効果も認められないことから,「建築物」を例を示すまでもなく周知の「一般住宅」とすることは当業者が適宜行う設計的事項である。

してみると,刊行物1に記載の発明に,上記周知の技術を適用して,相違点4に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

なお,請求人は,平成24年8月21日受付の意見書において「『床用シート』を『耐シガレット性』の要求されない『一般住宅用床用シート』とし、刊行物1記載の『床材』との違いを明確にする補正を行いました。」と主張しているが,刊行物1記載の発明は「耐シガレット性及び難燃性に優れた」ものであり,難燃性が車両のみならず一般住宅においても要求されることは明らかであるから,刊行物1記載の発明が「耐シガレット性」を有していることのみをもって,刊行物1記載の発明を一般住宅用とすることができない,とは認められない。

そして,本願発明の作用効果も,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の事項,及び,周知の技術から予測できる程度のものである。

したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明,刊行物2に記載の事項,及び,周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

5 むすび
以上のとおり,本願発明は特許を受けることができないものであることから,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-09-18 
結審通知日 2012-09-25 
審決日 2012-10-09 
出願番号 特願2010-18495(P2010-18495)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西村 隆  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 中川 真一
横井 巨人
発明の名称 一般住宅用床用シート  
代理人 金山 聡  

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