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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 D06F
管理番号 1266821
審判番号 不服2008-21115  
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-18 
確定日 2012-12-18 
事件の表示 特願2003-536518「逆転洗濯方法および伝動機」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月24日国際公開、WO03/33803、平成17年 2月24日国内公表、特表2005-505393、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本件出願は、平成14年6月12日(優先権主張平成13年10月18日、中華人民共和国)を国際出願日とする特許出願であって、同19年10月23日付けの拒絶理由に対して同20年4月21日付けで意見書が提出されたが、同20年5月15日付けで拒絶査定がされ、同20年8月18日に本件審判の請求がなされ、同20年9月8日に手続補正がなされたものである。
そして、平成22年5月10日に、本件審判の請求は成り立たないとする審決がなされたところ、同22年9月16日に、当該審決に対する訴えが知的財産高等裁判所に提起された(平成22年(行ケ)第10298号)。そして、知的財産高等裁判所において、審決取消の判決(平成23年10月4日判決言渡)があった。
その後、当審において本件についてさらに審理し、平成23年11月28日付けで拒絶の理由を通知し、それに対して同24年5月8日付けで意見書が提出され、さらに同24年5月30日付けで拒絶の理由を通知し、それに対して同24年11月16日付けで意見書が提出されたものである。

第2.本願発明
本願発明は、平成20年9月8日付けの手続補正書により補正された明細書及び願書に添付した図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載されたとおりの次のものと認める。
「 【請求項1】
駆動力入力端と2つの駆動力出力端とを含み、前記駆動力出力端の一方が、攪拌器軸(10)に接続されており、前記攪拌器軸をある方向に回転させ、前記駆動力出力端の他方が、中空の内槽軸(11)に接続されており、前記中空の内槽軸を別の方向に回転させ、駆動力入力を2つの駆動力出力に変換する歯車箱(13)を含む、双方向駆動を生じさせるための洗濯機での使用に適した伝動機構であって、
前記歯車箱が、その上端壁および下端壁にそれぞれ軸孔を備えており、
前記中空の内槽軸が、前記上端壁に設けられた前記軸孔を通って延在し、かつ、前記歯車箱内に回転可能に設置されており、
二対の歯車軸(29、16)が、前記歯車箱の前記上端壁と下端壁にそれぞれ形成された歯車軸孔に設置されており、
二対の歯車部(15、28)が、前記二対の歯車軸にそれぞれ設置されており、かつ、互いにかみ合っており、
前記攪拌器軸が、前記中空の内槽軸の内側に中心を共有して設置され、かつ、その中で回転し、前記攪拌器軸の下端が、前記中空の内槽軸の下端を超えて延在しており、
前記攪拌器軸(10)の前記下端に設置された外歯車(30)が、前記二対の歯車部の一方(15)とかみ合っており、
前記中空の内槽軸(11)の前記下端に設置された外歯車(12)が、前記二対の歯車部の他方(28)とかみ合っており、
主駆動軸(20)が、前記歯車箱の内側に設置されており、その下端が、前記歯車箱の前記下端壁の前記軸孔を貫通し、かつ、下方および外側へ延在しており、前記主駆動軸(20)の上端に設置された外歯車(24)が、前記二対の歯車部の前記一方(15)とかみ合っていることを特徴とする伝動機構。
【請求項2】
前記二対の歯車軸(16、29)が、それぞれ前記歯車箱の長手方向軸を中心として半径方向に対称に設置されており、かつ、前記二対の歯車部(15、28)が、それぞれ前記歯車箱内に回転可能かつ前記半径方向に対称に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動機構。
【請求項3】
前記二対の歯車部(15、28)の前記一方(15)の各々が、3つの歯車(15_(1)、15_(2)、15_(3))を有し、かつ、前記二対の歯車部(15、28)の前記他方(28)の各々が、2つの歯車(28_(1)、28_(2))を有することを特徴とする請求項1または2に記載の伝動機構。
【請求項4】
前記主駆動軸(20)の前記上端に設置された前記外歯車(24)が、前記二対の歯車部の前記一方(15)の各々の対応する第1歯車(15_(1))とかみ合っており、前記中空の内槽軸(11)の前記下端に設置された前記外歯車(12)が、前記二対の歯車部の前記他方(28)の各々の対応する第2歯車(28_(2))とかみ合っており、前記攪拌器軸(10)の前記下端に設置された前記外歯車(30)が、前記二対の歯車部の前記一方(15)の各々の対応する第2歯車(15_(2))とかみ合っており、かつ、前記二対の歯車部の前記一方(15)の各々の対応する第3歯車(15_(3))が、前記二対の歯車部の前記他方(28)の各々の対応する第1歯車(28_(1))とかみ合っていることを特徴とする請求項3に記載の伝動機構。
【請求項5】
前記二対の歯車部の前記一方の各々の少なくとも2つの歯車(15_(2)、15_(3))の寸法および形状が等しいことを特徴とする請求項4に記載の伝動機構。
【請求項6】
前記内槽軸と前記攪拌器軸とが、互いに反対方向に回転し、かつ、前記主駆動軸の前記下端が、駆動力源と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動機構。
【請求項7】
外槽(3)と、
中空の内槽軸(11)と、
前記中空の内槽軸の内側に中心を共有して設置され、かつ、その中で回転する攪拌器軸(10)と、
前記外槽内に設置され、かつ、前記中空の内槽軸に一体に固定されている内槽(4)と、
前記内槽の底に位置し、かつ、前記攪拌器軸に一体に固定されている攪拌器(5)と、
駆動力入力を2つの駆動力出力に変換するための歯車箱(13)を含む請求項1に記載の伝動機構とを含み、双方向洗濯を生じさせるための洗濯機であって、
前記主駆動軸の前記下端が駆動力源(9)と接続され、
前記内槽と前記攪拌器とが、互いに相反する2方向に回転するように配置されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項8】
前記内槽および前記攪拌器が、互いに反対方向に回転するよう配置されており、かつ、前記内槽および前記攪拌器の回転方向が、反転可能であることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記攪拌器が円盤型部材であり、かつ、前記円盤型部材の上面に少なくとも1つの上向きの突起が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記攪拌器がバレル型部材であり、かつ、前記攪拌器の内側底面に少なくとも1つの上向きの突起が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記攪拌器がバレル型部材であり、かつ、攪拌部の内側側壁に少なくとも1つの内向きの突起が半径方向に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記攪拌器の前記突起の形状が不規則であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記内槽の内側側壁に少なくとも1つの内向きの突起が半径方向に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記突起の形状が不規則であることを特徴とする請求項13に記載の洗濯機。
【請求項15】
双方向洗濯を生じさせるのに適した、請求項1に記載の伝動機構を含む洗濯機に適した洗濯方法であって、
洗濯中に、電気モータに、主駆動軸を回転させてこれを駆動してある方向に回転させ、
前記主駆動軸が、攪拌器を第1方向に回転させ、かつ同時に、伝動機構を介して、内槽を前記第1方向とは逆の第2方向に回転させ、
前記電気モータを逆方向に回転させることにより、前記主駆動軸を駆動して別の方向に回転させ、かつ、上記工程を繰り返して、前記内槽および前記攪拌器を互いに反転方向に回転させ、
上記工程を部分的に繰り返して、洗濯またはすすぎ工程を完了することを特徴とする洗濯方法。
【請求項16】
前記二対の歯車部の前記一方(15)と前記攪拌器軸の前記下端に設置されている前記外歯車(30)とを介して、前記主駆動軸(20)の前記上端に設置されている前記外歯車(24)に前記攪拌器を駆動させて前記主駆動軸と同じ方向に回転させ、
同時に、前記二対の歯車部の前記一方(15)と前記二対の歯車部の前記他方(28)と前記内槽軸(11)の前記下端に設置されている前記外歯車(12)とを介して、前記主駆動軸の前記上端に設置されている前記外歯車(24)に前記内槽を駆動させて前記主駆動軸とは逆の方向に回転させ、
前記電気モータを逆方向に回転させることにより、前記主駆動軸を駆動して別の方向に回転させ、上記工程を繰り返して、前記内槽および前記攪拌器を互いに反転方向に回転させ、
上記工程を部分的に繰り返して、洗濯またはすすぎ工程を完了することを特徴とする請求項15に記載の洗濯方法。」(以下、「本願発明1ないし16」という。)

第3.刊行物に記載された発明
平成24年5月30日付けの当審からの拒絶の理由として引用された本件出願日前に米国において頒布された刊行物である米国特許第3244024号明細書(以下、「刊行物1」という。)、及び日本国内において頒布された特開昭59-171588号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の発明が記載されている。
1 刊行物1に記載された発明
刊行物1には、「出力軸62(駆動力入力端)と第1出力軸32と第2出力軸42(2つの駆動力出力端)とを含み、前記第1出力軸32をある方向に回転させ、前記第2出力軸42を別の方向に回転させ、駆動力入力を2つの駆動力出力に変換するギアヘッド10(歯車箱)を含む、双方向駆動を生じさせるためのミニチュアギア用伝動機構であって、
前記ギアヘッド10が、その端壁14及び円筒側壁16に支持された軸受板26および軸受板54にそれぞれ軸孔を備えており、
前記中空の出力軸32が、前記軸受板26に設けられた前記軸孔を通って延在し、かつ、前記ギアヘッド10内に回転可能に設置されており、
2本の軸72、104(歯車軸)が、前記ギアヘッド10の前記軸受板26と軸受板54にそれぞれ形成された歯車軸孔に設置されており、
2群の歯車群としての歯車78、158、ピニオン80及び歯車160、ピニオン112(歯車部)が、前記2本の軸72、104にそれぞれ設置されており、かつ、互いにかみ合っており、
前記第2出力軸42が、前記中空の第1出力軸32の内側に中心を共有して設置され、かつ、その中で回転し、前記第2出力軸42の一端が、前記中空の第1出力軸32の一端を超えて延在しており、
前記第2出力軸42の前記軸端に設置された第2出力歯車52が、前記2群の歯車群のピニオン112とかみ合っており、
前記中空の第1出力軸32の前記一端に設置された第1出力歯車34が、前記2群の歯車群のピニオン80とかみ合っており、
出力軸62(主駆動軸)が、前記ギアヘッド10の内側に設置されており、その一端が、前記ギアヘッド10の前記軸受板54の前記軸孔を貫通し、かつ、外側へ延在しており、前記出力軸62の一端に設置された入力ピニオン60(外歯車)が、前記2群の歯車群の前記一方とかみ合っている伝動機構。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。(なお、括弧内は、本願発明で用いられている用語を示す。)
2 刊行物2
刊行物2には、「回転子39(駆動力入力端)と撹拌体の軸32と洗濯兼脱水槽の軸30(2つの駆動力出力端)とを含み、前記撹拌体の軸32が、攪拌器軸に接続されており、前記攪拌器軸をある方向に回転させ、前記洗濯兼脱水槽の軸30が、中空の内槽軸に接続されており、前記中空の内槽軸を別の方向に回転させ、駆動力入力を2つの駆動力出力に変換するインターナルギア部31を含む、双方向駆動を生じさせるための洗濯機。」の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。(なお、括弧内は、本願発明で用いられている用語を示す。)

第4.対比・判断
1 本願発明1と引用発明1との対比・判断
(1) 対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「出力軸62」、「第1出力軸32と第2出力軸42」、「ギアヘッド10」、「2本の軸72、104」、「2群の歯車群としての歯車78、158、ピニオン80及び歯車160、ピニオン112」、「第2出力歯車52」、「第1出力歯車34」、「入力ピニオン60」は、それぞれ、本願発明1の「駆動力入力端、又は主駆動軸」、「2つの駆動力出力端」、「歯車箱」、「歯車軸」、「歯車部」、「(撹拌器軸の下端に設置された)外歯車」、「(内槽軸の下端に設置された)外歯車」、「(主駆動軸の上端に設置された)外歯車」に相当する。
引用発明1の「端壁14及び円筒側壁16に支持された軸受板26および軸受板54」は、「歯車箱の側壁」という限りで、本願発明1の「上端壁および下端壁」と共通する。
引用発明1の「第1出力軸32」、「第2出力軸42」は、それぞれ、「中空出力軸」、「中実出力軸」という限りで、本願発明1の「中空の内槽軸」、「撹拌器軸」と共通する。
引用発明1の「一端」は、「一端」という限りで、本願発明1の「上端」又は「下端」と共通する。
そうすると、本願発明1と引用発明1とは、以下の一致点及び相違点を有している。
<一致点>
「駆動力入力端と2つの駆動力出力端とを含み、前記駆動力出力端の一方が、中実出力軸に接続されており、前記中実出力軸をある方向に回転させ、前記駆動力出力端の他方が、中空出力軸に接続されており、前記中空出力軸を別の方向に回転させ、駆動力入力を2つの駆動力出力に変換する歯車箱を含む、双方向駆動を生じさせるための伝動機構であって、
前記歯車箱が、その2つの側壁にそれぞれ軸孔を備えており、
前記中空出力軸が、前記側壁に設けられた前記軸孔を通って延在し、かつ、前記歯車箱内に回転可能に設置されており、
歯車軸が、前記歯車箱の前記2つの側壁にそれぞれ形成された歯車軸孔に設置されており、
歯車部が、前記歯車軸にそれぞれ設置されており、かつ、互いにかみ合っており、
前記中実出力軸が、前記中空出力軸の内側に中心を共有して設置され、かつ、その中で回転し、前記中実出力軸の一端が、前記中空出力軸の一端を超えて延在しており、
前記中実出力軸の前記一端に設置された外歯車が、前記歯車部の一方とかみ合っており、
前記中空出力軸の前記一端に設置された外歯車が、前記歯車部の他方とかみ合っており、
主駆動軸が、前記歯車箱の内側に設置されており、その一端が、前記歯車箱の前記側壁の前記軸孔を貫通し、かつ、外側へ延在しており、前記主駆動軸の一端に設置された外歯車が、前記歯車部の前記一方とかみ合っている伝動機構。」
<相違点1>
伝動機構の用途に関して、本願発明1では、「2つの駆動力出力端の一方が撹拌機軸に接続され」ており、「駆動力出力端の他方が内槽軸に接続され」ており、「双方向駆動を生じさせるための洗濯機での使用に適した」ものであって、駆動力入力端や駆動力出力端を構成する軸がすべて上下方向に設けられていることから、歯車箱の撹拌機軸や内槽軸は「上端壁及び下端壁」の軸孔に設けられ、軸の一端は「下端」や「上端」に突出すると特定しているのに対して、引用発明1では、双方向駆動を生じさせるためのものではあるものの、用途はミニチュアギア用である点。
<相違点2>
歯車箱における歯車軸の設置構造に関して、本願発明1では、「歯車箱が、その上端壁および下端壁にそれぞれ軸孔を備え」ており、中空の内槽軸が、「前記上端壁に設けられた前記軸孔を通って延在」し、二対の歯車軸が、「前記歯車箱の前記上端壁と下端壁にそれぞれ形成された歯車軸孔に設置され」ているのに対して、引用発明1では、軸孔が設けられているのはギアヘッド10の端壁14及び円筒側壁16に支持された軸受板26および軸受板54である点。
<相違点3>
歯車軸や歯車部の数に関して、本願発明では、「二対」としているのに対して、引用発明1では、2本や2群でしか存在しない点。
(2) 相違点についての当審の判断
上記相違点のうち、特に<相違点1>及び<相違点3>について検討する。
本願発明1における歯車軸および歯車部を二対設けたことは、2つの駆動力出力端のうち一方を撹拌器軸に接続し、他方を中空の内槽軸に接続することにより洗濯機としての使用に適したものにするためである。それに対して引用発明1は、ミニチュアギア用伝動機構であって、強力な伝動力を要求されるものでないこのような分野において歯車軸や歯車部を2本や2群でなく二対設けることの必要性が特に存在しないものであることから、引用発明1において、歯車軸や歯車部を「二対」とすることの動機付けは存在しない。
また、引用発明1は、寸法と重量を考慮し、高度に小型化されるように設計されるもの(第1欄第20行?第24行)であるから、それに反する技術の適用を阻害するともいえる。
そうすると、洗濯機として、2つの駆動力出力端のうち一方を撹拌器軸に接続し、他方を中空の内槽軸に接続することが引用発明2に示され、また、例え歯車軸や歯車部を対で設けることが、例えば特開平11-114281号公報や実願昭47-99540号(実開昭49-55960号)のマイクロフィルムに記載されているように周知であったとしても、本願発明1における、相違点1と相違点3を加えた構成とすること、すなわち、引用発明1において、2つの駆動力出力端である第1出力軸32と第2出力軸42とをそれぞれ内槽軸と撹拌器軸とに接続し、かつ、歯車軸や歯車部を二対設けるようにすることは、容易になし得たものであるとすることはできない。
また、双方向駆動を生じさせる2つの出力軸を有する伝動機構は、例えば、実願昭61-179182号(実開昭63-85495号)のマイクロフィルムに記載されているように、「二重反転プロペラ用反転装置」として周知の技術であるが、この技術と引用発明2とを組み合わせても、本願発明1を容易になし得たものとすることができないことは、平成22年(行ケ)第10298号の判示事項に示すとおりである。
その他に、引用発明1において、2つの駆動力出力端である第1出力軸32と第2出力軸42とをそれぞれ内槽軸と撹拌器軸とに接続し、かつ、歯車軸や歯車部を二対設けるようにすることを容易になし得たとする先行技術は見当たらない。
したがって、<相違点2>について検討するまでもなく、本願発明1を引用発明1から容易になし得たものとすることはできない。
2 本願発明2ないし16と引用発明1との対比・判断
本願発明2ないし16は、いずれも、本願発明1を引用しているから、本願発明1が、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない以上、本願発明1を引用する本願発明2ないし16についても、同様に、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

第5.むすび
以上のとおり、本願発明1ないし16は、当審の拒絶理由で引用された刊行物に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2012-12-05 
出願番号 特願2003-536518(P2003-536518)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (D06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 長馬 望  
特許庁審判長 野村 亨
特許庁審判官 刈間 宏信
氏原 康宏
発明の名称 逆転洗濯方法および伝動機  
代理人 特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ  
代理人 特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ  

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