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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B22D
管理番号 1267376
審判番号 不服2011-19102  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-05 
確定日 2012-12-12 
事件の表示 特願2005-359261「連続鋳造用鋳型」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 6月28日出願公開、特開2007-160346〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は、平成17年12月13日の出願であって、平成23年 5月27日付けで拒絶査定され、これを不服として平成23年 9月 5日付け(受付日)で拒絶査定不服の審判が請求されると共に手続補正書が提出されたが、当審によって平成24年 7月 9日付けで拒絶理由が通知され、平成24年 9月14日付け(受付日)で意見書及び手続補正書が提出されたものである。

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成24年 9月14日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
間隔を設けて配置される一対の短辺及び該短辺を幅方向の両側から挟む一対の長辺とによって囲繞される鋳型空間部に注入される溶鋼を冷却し鋳片として引き抜く連続鋳造用鋳型において、
下端部の前記長辺間距離及び前記短辺間距離は、鋳造しようとする前記鋳片の狭幅サイズ及び広幅サイズにそれぞれ一致し、
前記鋳型空間部を形成する鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記短辺及び前記長辺には、それぞれ前記鋳片が引き抜かれる方向に、前記短辺の中央部に接触する鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記短辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記短辺間の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部、及び前記長辺の中央部に接触する前記鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記長辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記長辺間の間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成され、
前記鋳型壁の四隅の領域の前記短辺及び前記長辺には、それぞれ外側に向かって拡大すると共に前記鋳片が引き抜かれる方向では前記鋳片シェルの角部の凝固収縮量に追従して徐々に縮小する短辺側拡大部及び長辺側拡大部が形成され、
しかも、前記鋳片シェルの平坦部の凝固収縮量及び前記鋳片シェルの角部の凝固収縮量は、鋳造条件を基に演算した前記鋳型空間部内での前記鋳片シェルの凝固収縮解析結果に基づいて算出されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。」


2 当審拒絶理由通知の概要と刊行物及びその摘記事項
(1)当審拒絶理由通知の概要は以下の通り。
「刊行物4においては、通常の短辺を移動させる組立鋳型であるため、移動性を考慮して、短辺のみに拡大部を設けているが、同刊行物4において、第11図のビレット用鋳型のように、各辺固定の場合には、四隅全部について、交わる各辺に拡大部を設けることも図示されたいることから、刊行物1及び刊行物2に記載された短長辺にテーパーを設けた連続鋳造鋳型においても、刊行物3等の周知の課題の基、四隅の角部に,交わる短長辺に拡大部を設ける事は当業者ならば容易に想到し得た事項である。
また、角部に拡大部を設けるのは、短長辺両方からの熱の影響を受けるためであることは、刊行物3に記載されているように周知の事項であるから、平坦部の長さについては、短辺長辺それぞれからの冷却作用が影響し合わない範囲、即ち各辺のみの冷却作用のみとして設定しうる範囲とする事は当然考慮しうる事項であり、これを厳密に計算するか、ある程度の幅を持たせた概算しうる温度範囲とし、例えば50℃以内とすることは、鋳片の材質、鋳造速度及び冷却の仕方等に応じて実施化に際して適宜設定しうる程度のものにすぎない。
そして、本願の温度範囲を50℃以内とすることに、所定の鋳片の材質、鋳造速度及び冷却の仕方等に応じた実験データ等の具体的な根拠及び請求項における特定もなく、格別有意な効果を有しているものとも認められない。
なお、凝固収縮の解析基づいた計算により形状を設定することに格別な点は見出せない。」から、本願の請求項1、2に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとしたものである。

(2)上記当審拒絶理由通知で引用した刊行物1である特開平10-249492号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、「鋼の連続鋳造用鋳型」(発明の名称)の発明に関して、下記の事項が記載されている。
(下線は当審で引いたもの。)
「【0002】
【従来の技術】鋼の凝固の進行(凝固シェル生成)かつ温度の低下(凝固シェル成長)により凝固シェル部分の体積は、それが液相であった時の体積に比べて収縮するため、鋼の連続鋳造用鋳型の断面積は上方に比較して下方は小さくする(=正のテーパーを付与すると言う)ことが一般的である。ところが、鋼のスラブ用の鋳型では、4枚の壁面を組み立てる組立方式、特に対向する一対の短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつける方式が一般的であるであるため、短辺側に限ってテーパーを付与している。この短辺側テーパー量についてはいくつかの先行例もあるとおり、種々の設定ができる。
【0003】例えば、特開平2-284747には、鋳造方向には放物線状の形状を持ち、かつその平均テーパー量が短辺幅中央部からコーナー部に向かって徐々に増大するような複雑な構造を有する技術も開示されている。ここで、鋳造速度以外の条件が同一の場合に、鋳型下端位置における凝固シェルの厚みを比較すると、鋳造速度が遅いほどシェル厚が厚くなり、全体としての凝固シェル部分の収縮量は大きくなる。従って鋳型のテーパー量を大きくする必要がある。鋳造速度の遅い場合とは、例えば鋳造初期がある。
【0004】・・・
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】一方、長辺側壁面についてはテーパーを付与しないのが一般的である。付与する場合には、短辺側壁面としてその上下幅を連続的に変えたものを製作し、これの側方を対向する一対の長辺壁面で挟みつける方式が考えられる。
【0007】しかしながら、この方式では、予め一種類のテーパーを付与することしかできない。・・・」

上記摘記事項を整理すると、引用刊行物1には、
「鋼の凝固の進行(凝固シェル生成)かつ温度の低下(凝固シェル成長)により凝固シェル部分の体積が、それが液相であった時の体積に比べて収縮するため、鋼の連続鋳造用鋳型の断面積を上方に比較して下方は小さくする予め一種類のテーパーを付与する連続鋳造用鋳型であって、対向する一対の短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつける組立方式の連続鋳造用鋳型において、
テーパーを付与するに際し、短辺側壁面としてその上下幅を連続的に変えたものを製作し、これの側方を対向する一対の長辺壁面で挟みつけて、長辺側壁面にもテーパーを付与した連続鋳造用鋳型」
に関する発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されている。

(3)上記当審拒絶理由通知で引用した刊行物4である特開昭57-106449号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、「溶融金属の連続鋳造用鋳型」(発明の名称)の発明に関して、下記の事項が記載されている。
「3.発明の詳細な説明
・・・溶融金属から直接凝固鋳片を製造する連続鋳造機では、凝固鋳片の形状および表面凝固層は冷却機能を有する鋳型内で形成される。・・・
しかし乍ら、一般に溶融金属は凝固の過程および凝固殻の温度降下の影響で熱収縮が生じるため、鋳型内の全域で凝固殻表面から冷却用銅板によつて均等に抜熱を行なうことは困難であり、特に凝固殻の隅角部(以下コーナー部と称す)での不均一抜熱即ち不均一な凝固殻の厚みの形成が生じ易く、良質な鋳片表面性状を得る点で問題となる。
現状では、鋳型を構成する銅板の面は平板状であつて、凝固殻の形成に伴う凝固収縮に対しては、平板状の面を鋳造速度、鋳片断面に相応して全体的に傾斜した構造を採用している実状である。しかし乍ら、凝固殻の熱収縮には方向性があり、特に鋳片断面コーナー部では、凝固殻表面と鋳型銅板との接触状況が他の部分と異なつた状態となり、凝固殻の形成は不均一になり易い。
・・・第2図は溶鋼の連続鋳造において、・・・銅板の熱流束を測定し、銅板と凝固殻表面との接触状況を調査した際の測定結果の一例を示したものである。・・・
第2図に示す測定結果から明らかなように、平板状の鋳型銅板では中央部とコーナー部とでは明らかな抜熱の差があることがわかる。特に鋳型下部ではコーナー部の抜熱は低下し凝固殻層の発達が遅れる。・・・図示したように上記抜熱の差異、特にコーナー部での差異は鋳片と鋳型銅板との間に発生する空隙に起因するものであつて、このように鋳片断面コーナー部に不均一な凝固層が形成されると、凝固層断面内の温度分布の変化が急激となり、熱応力の発生と共にコーナー部で凝固表面割れが発生する。・・・
本発明は従来鋳型の上記問題点を解消して、均一な凝固殻層を形成させるために、鋳型内面におけるコーナー部の傾斜角度を、中央部の傾斜角度に較べて大きくすることによつて、表面性状の優れた鋳片を製造し得るに至つた連続鋳造用の鋳型を提供するものである。」(1頁左下欄12行?2頁右上欄11行)

「鋳型内面の上端と下端とを結ぶ直線で示される鋳型内面の傾斜角度θについて、鋳型内面のコーナー部およびその近傍所定域の傾斜角度θ_(2)を鋳型内面側壁中央部域の傾斜角度θ_(1)と比較してθ_(2)>θ_(1)になるように、鋳型内部側壁面に傾斜角度をつけることによつてコーナー部凝固殻層の発達を促進するものであつて、それぞれの傾斜角度θ_(1),θ_(2)は溶融金属の特性、鋳片断面形状、鋳造速度などの鋳造条件によつて決められるものである。
本発明は鋳型内に形成される鋳片凝固殻層の生長と共に起る熱収縮の中、鋳型内の抜熱の不均一現象に関係するものは、鋳片断面内の凝固殻幅方向の成分であるとの知見に基づいてなされたものであつて、鋳型内側壁面において、中央部とコーナー部近傍とで鋳造方向の傾斜角度を予め違えておくこと、即ち従来の平板状の面に対し、内部側壁面を鋳造方向には直線でかつ幅方向には曲面を持つた形状で形成し、コーナー部の銅板部分の傾斜量を増大させて、鋳片凝固殻表面との密着性を向上させることによりコーナー部の凝固遅れを解消し、相対的な抜熱の不均一現象をなくし、均等な凝固殻層を得るようにしたものである。
次に本発明を具体的な実施態様に基づいて図面により説明する。第4,5,6図は本発明による鋳造短辺銅板の表面形状に関する実施例を示す。第4図は横断面図を示したもので、図中短辺銅板はコーナー部位を後退させて凸状とした構成例である。短辺銅板の任意位置での縦断面は直線で形成されているが、第4図のA-A視図である第5図が示すように、短辺上端と短辺下端とを結ぶ直線はコーナー部近傍の方が勾配が大きく、即ち図中でθ_(2)>θ_(1)としてメニスカス近傍で出来た凝固殻の熱収縮に追随し易いように形成されている。なお第6図は第5図におけるB-B視図の短辺内面形状を示すが、コーナー部と他部平担部とは曲線状とした形状で構成し、かつ第5図に示すように、鋳型下端すなわち鋳型の鋳片出口で、鋳片短辺の断面形状が平坦になるように、鋳型下端を一致させた形状として短辺銅板を形成している。・・・
なお図中Xは鋳型内面の両短辺間の中央部における長さであり、Yは同じくコーナー部における長さであつて、第5図の場合は鋳型上端で中央部がコーナー部に較べてZだけ突出し、下端では一致していることを示し、・・・何れもコーナー部の勾配が中央部の勾配より大きいことを示している。」(2頁右上欄13行?3頁左上欄4行)

「本発明の鋳型は、スラブ連続鋳造機に使用されて顕著な効果を挙げ得るばかりでなく、同様の技術はブルーム用あるいはビレット用鋳型の短辺若しくは長辺にも採用することが可能であり、スラブ同様の効果を十分に期待し得るものである。第11図はビレット用鋳型に、本発明の技術を採用した場合の鋳型の断面図を示したものである。」(3頁右上欄4?10行)

第4図として、一対の短辺を一対の長辺で挟み込んだスラブ連続鋳造用鋳型の断面図が示され、第4図、第6図及び第8図の何れも、短辺の中央の所定領域を平坦状にし、両端部を所定の曲線形状としていることが看取できる。

第11図(イ)においては、ビレット用鋳型ではあるが、4辺共に中央の所定領域を平坦状にし、四隅の角部全てを所定の曲線形状としていることが看取できる。

したがって、引用刊行物2には、概略以下の技術事項が記載されている。
「連続鋳造機の鋳型内で形成される鋳片について、一般に溶融金属は凝固の過程および凝固殻の温度降下の影響で熱収縮が生じるため、鋳型内の全域で凝固殻表面から冷却用銅板によつて均等に抜熱を行なうことは困難であり、特に凝固殻の4隅の部分(以下コーナー部と称す)での不均一抜熱即ち不均一な凝固殻の厚みの形成が生じ易く、良質な鋳片表面性状を得る点で問題となる、との一般的な課題のもと、
一対の短辺を一対の長辺で挟み込んだスラブ連続鋳造用鋳型において、凝固殻の熱収縮に追随するように、中央部とコーナー部近傍とで鋳造方向の傾斜角度を予め違えておくこと、即ち従来の平板状の面に対し、内部側壁面を鋳造方向には直線でかつ幅方向には曲面を持つた形状で形成し、コーナー部の銅板部分の傾斜量を増大させて(以下、「傾斜コーナー部」という。)、鋳片凝固殻表面との密着性を向上させ、短辺の中央の所定領域を平坦状にし、両端部を所定の曲線形状とすること。
また、ビレット用鋳型では、4辺共に中央の所定領域を平坦状にし、四隅の角部全てを所定の曲線形状とすること。」

(4)上記当審拒絶理由通知で引用した刊行物5である特開平11-151555号公報(以下、「引用刊行物3」という。)には、「連続鋳造用鋳型」(発明の名称)の発明に関して、下記の事項が記載されている。
「【0003】・・・溶鋼51は、冷却されて図に示すように薄い凝固シェル52を形成し、凝固収縮によって、鋳型壁から離脱しようとするが、下方に移行することによって溶鋼静圧によるバルジングによって、図4(B)に示すように鋳片の平面部54のみが鋳型50の内面壁53に接触する。・・・溶鋼静圧によるバルジングの影響を受けないコーナー部55は内面壁53から離脱したままであるので凝固シェル52の厚みが薄い。・・・平面部とコーナー部の凝固シェルの生成に不均一が生じ、不均一の凝固歪みのため凝固シェルの成長に伴って、製品56に図3にその断面を示すような菱形変形が発生する。・・・
【0008】・・・主断面が矩形のチューブラー形状をしている。そして、連続鋳造用鋳型10は、コーナー部11?14を除く対向する内面壁15?18の間隔が・・・前記ビレット又はブルームの収縮度合いに応じて(即ち、凝固シェルの収縮度合い)下方縮幅型のややテーパー状となっている。
【0009】前記コーナー部11?14には、溶鋼及び凝固した凝固シェル19が常時当接する角冷却部20?23が設けられている。この角冷却部20?23は、図1に示すように、溶鋼が流入する上部から下部にかけて外方に拡張し、しかもその拡張度合いが下方に向けて徐々に小さくなり、下部の鋳型出口では四角形のコーナーに丸みを有する程度となっている。ここで、角冷却部20?23と内面壁15?18との接続部分が直線状となるようにするのが製作上好ましいが、凝固シェルの収縮に合わせて曲線状とすることも可能であり、これによって、より健全な凝固シェルを製造することができる。・・・」

図1には、主断面が矩形のチューブラー形状の連続鋳造鋳型において、4辺の中央を平坦部とし、四隅の角冷却部を拡張させている連続鋳造鋳型が看取できる。

したがって、引用刊行物3には、概略以下の技術事項が記載されている。
「チューブラー形状の連続鋳造用鋳型での、平面部とコーナー部の凝固シェルの生成に不均一をなくすために、コーナー部で溶鋼及び凝固した凝固シェルを常時当接させるために、当該鋳型を、溶鋼が流入する上部から下部にかけて外方に拡張し、しかもその拡張度合いが下方に向けて徐々に小さくなり、下部の鋳型出口では四角形のコーナーに丸みを有する程度として、断面では、4辺の中央を平坦部とし、四隅の角冷却部を拡張させること。」

(5)本願出願前公知の刊行物である特開平1-162542号公報(以下、「引用刊行物4」という。)には、「連続鋳造機の鋳型」(発明の名称)の発明に関して、下記の事項が記載されている。
「[従来技術]
鋼の連続鋳造機には、注入された溶鋼を連続的に冷却し凝固して鋼片を鋳造する鋳型が用いられている。この種の鋳型として、鋳型の一辺を形成する鋳型壁の内表面にテーパが形成されている構成が公知である。このテーパは、下方に向けて、溶鋼が注入される空間が狭まるように形成されている。このように下方が狭まるようなテーパを付けることにより、溶鋼の凝固時に生じる鋳片の収縮に対応させている。
このような鋳型を用いた連続鋳造機では、鋳型に注入された溶鋼は、鋳型内で冷却凝固して鋳片が形成され、鋳型から連続的に引抜かれる。」(1頁左下欄15行?右下欄7行)

「第4図に、・・・タンディッシュ12の下方には、・・・組立て式の鋳型14が配設され・・・鋳型14は、略四角柱形状に形成された鋳型内壁18と、この鋳型内壁18を冷却する冷却部20とから構成されている。冷却部20には、鋳型内壁18の外周面に沿って冷却水を供給する通路22が複数個形成されている。」(2頁右上欄13行?左下欄5行)

「また、長辺壁(28または30)と短辺壁(32または34)とにより挟まれた角領域42の部分の冷却効率が比較的高いから」(3頁右上欄19行?左下欄1行)

したがって、引用刊行物4には、概略以下の技術事項が記載されている。
「組立て式の鋼の連続鋳造用鋳型において、鋳型の一辺を形成する鋳型壁の内表面に、溶鋼の凝固時に生じる鋳片の収縮に対応したテーパを設けること、また、長辺壁と短辺壁とにより挟まれた角領域部分の冷却効率が比較的高いこと。」

(6)原審の拒絶の理由に引用された本願出願前公知の刊行物である特開2004-42080号公報(以下、「引用刊行物5」という。)には、「連続鋳造用鋳型」(発明の名称)の発明に関して、下記の事項が記載されている。
「【0004】
【発明が解決しようとする課題】・・・このように、鋳片の角部及びその近傍が、鋳片の幅方向中央部より大きく収縮するので、鋳型が鋳片の収縮形状に対応せず、鋳片の製品品質を悪化させる問題がある。・・・
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳片の収縮形状に対応し、しかも目的とする断面形状を備え、製品品質を向上させた鋳片を製造可能な連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】・・・連続鋳造用鋳型において、鋳型本体の下端形状を製品の断面形状に実質的に一致させ、鋳型空間の下端部に連続する鋳型本体に、鋳型本体の下端を基準とした鋳型本体の上下方向の各位置の鋳片の水平収縮代に対応する拡大部を設け、同一高さ位置での拡大部は冷却効果の低い部分から冷却効果の高い角部に向けて徐々に大きくなる。このように、鋳型本体の下端を基準とした上下方向各位置での鋳片の水平収縮代に対応して鋳型本体の拡大部を形成し、鋳片収縮量に応じて鋳型空間が収縮するように鋳型本体の形状を変化させるので、鋳型本体の内側冷却面に常に鋳片が接触して冷却される。・・・本発明に係る連続鋳造用鋳型において、水平収縮代は予測計算値を用いて求めることが好ましい。これにより、鋳片の水平収縮代及び鋳型本体の拡大部の形状を容易に求められる。」

「【0009】
なお、このときの鋳型本体11の内側(表面側)形状の予測計算値は、例えば、鋳片13のサイズ、鋳片13の引き抜き速度、鋳片13の線膨張量及び温度、鋳型本体11の各辺部分の厚み、冷却速度等を用い、従来公知の有限要素法(FEM)によって求めることができる。
また、拡大部15の形状は、例えば鋳型本体11の上下方向の各位置における鋳片13の水平収縮代に応じて、鋳型本体11を構成する各辺部分毎に、それぞれ変えることも可能である。・・・」

したがって、引用刊行物5には、概略以下の技術事項が記載されている。
「鋳型本体の下端を基準とした上下方向各位置での鋳片の水平収縮代に対応して鋳型本体の拡大部を形成し、鋳片収縮量に応じて鋳型空間が収縮するように鋳型本体の形状を変化させる際の水平収縮代は、予測計算値を用いて求め、例えば、鋳片13のサイズ、鋳片13の引き抜き速度、鋳片13の線膨張量及び温度、鋳型本体11の各辺部分の厚み、冷却速度等を用い、従来公知の有限要素法(FEM)によって求めること。」


3.当審の判断
(1)対比・判断
本願発明と刊行物1発明とを対比する。
ア 刊行物1発明の鋼の「液相」は、本願発明の「溶鋼」に相当し、同様に、「短辺壁面」及び「短辺側壁面」は、「短辺」に、「長辺壁面」及び「長辺側壁面」は、「長辺」に、「テーパー」は、「傾斜部」に、そして、「対向する一対の短辺壁面」は、「間隔を設けて配置される一対の短辺」に、また、「短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつけ」ている長辺壁面は、「短辺を幅方向の両側から挟む一対の長辺」に、それぞれ相当する。

イ 刊行物1発明の「短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつけ」ている領域は、本願発明の「囲繞される鋳型空間部」に相当することは明らかであり、「連続鋳造」自体は、鋳型内部空間の溶鋼を冷却して凝固させた鋳片を、引き抜くことで連続して鋳片を得る周知の技術手段であり、「連続鋳造用鋳型」は、「連続鋳造」のための鋳型である。
したがって、刊行物1発明の「鋼の凝固の進行(凝固シェル生成)かつ温度の低下(凝固シェル成長)により凝固シェル部分の体積が、それが液相であった時の体積に比べて収縮するため、鋼の連続鋳造用鋳型の断面積を上方に比較して下方は小さくする予め一種類のテーパーを付与する連続鋳造用鋳型であって、対向する一対の短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつける組立方式の連続鋳造用鋳型」は、本願発明の「間隔を設けて配置される一対の短辺及び該短辺を幅方向の両側から挟む一対の長辺とによって囲繞される鋳型空間部に注入される溶鋼を冷却し鋳片として引き抜く連続鋳造用鋳型」に相当する。

ウ 一般に、連続鋳造用の鋳型は、その中を溶鋼が通過する間に溶鋼を凝固させ、少なくとも鋳型の末端において、目的とする製品鋳片の形状にするものであり、鋳型の末端と鋳片の製品形状とを同形状とさせている。
そして、刊行物1発明の連続鋳造用の鋳型であって、一対の長辺側壁面とそれに挟まれる一対の短辺側壁面との矩形状の鋳型で、鋼のスラブ(矩形)を形成しているものであるから、刊行物1発明の「鋼の凝固の進行(凝固シェル生成)かつ温度の低下(凝固シェル成長)により凝固シェル部分の体積が、それが液相であった時の体積に比べて収縮するため、鋼の連続鋳造用鋳型の断面積を上方に比較して下方は小さくする予め一種類のテーパーを付与する連続鋳造用鋳型であって、対向する一対の短辺壁面を他の対向する長辺壁面で挟みつける組立方式の連続鋳造用鋳型」の下端部は、本願発明の「下端部の前記長辺間距離及び前記短辺間距離は、鋳造しようとする前記鋳片の狭幅サイズ及び広幅サイズにそれぞれ一致」している構成を有していることは明らかである。

エ 刊行物1発明の「テーパーを付与するに際し、短辺側壁面としてその上下幅を連続的に変えたものを製作し、これの側方を対向する一対の長辺壁面で挟みつけて、長辺側壁面にもテーパーを付与した」短辺側壁面及び長辺側壁面は、何れもテーパーを付与されており、それぞれ本願発明の「短辺側傾斜部」及び「長辺側傾斜部」に相当する。
そして、刊行物1発明の短辺側壁面及び長辺側壁面のテーパー面は、当該4辺で囲まれた領域が上方に比較して下方が小さくなっているのであるから、短辺側壁面及び長辺側壁面のテーパー面は、直線状即ち本願の平坦部の状態を保ってテーパー部を形成していることは明らかである。
したがって、
刊行物1発明の「テーパーを付与するに際し、短辺側壁面としてその上下幅を連続的に変えたものを製作し、これの側方を対向する一対の長辺壁面で挟みつけて、長辺側壁面にもテーパーを付与した」と、
本願発明の「前記鋳型空間部を形成する鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記短辺及び前記長辺には、それぞれ前記鋳片が引き抜かれる方向に、前記短辺の中央部に接触する鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記短辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記短辺間の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部、及び前記長辺の中央部に接触する前記鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記長辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記長辺間の間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成され、」とは、
「短辺及び前記長辺には、それぞれ前記鋳片が引き抜かれる方向に、平坦部の凝固収縮量に追従して前記短辺間の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部、及び平坦部の凝固収縮量に追従して前記長辺間の間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成され」
の点で一致する。

そうすると、両者は、
「間隔を設けて配置される一対の短辺及び該短辺を幅方向の両側から挟む一対の長辺とによって囲繞される鋳型空間部に注入される溶鋼を冷却し鋳片として引き抜く連続鋳造用鋳型において、
下端部の前記長辺間距離及び前記短辺間距離は、鋳造しようとする前記鋳片の狭幅サイズ及び広幅サイズにそれぞれ一致し
短辺及び前記長辺には、それぞれ前記鋳片が引き抜かれる方向に、平坦部の凝固収縮量に追従して前記短辺間の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部、及び平坦部の凝固収縮量に追従して前記長辺間の間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成された連続鋳造用鋳型。」
の点で一致するものの、次の点で相違する。

相違点1:本願発明では、「前記鋳型壁の四隅の領域の前記短辺及び前記長辺には、それぞれ外側に向かって拡大すると共に前記鋳片が引き抜かれる方向では前記鋳片シェルの角部の凝固収縮量に追従して徐々に縮小する短辺側拡大部及び長辺側拡大部が形成され」ているのに対して、刊行物1発明では、そのような構成が特定されていない点で相違する。

相違点2:平坦部の範囲について、本願発明では、「前記鋳型空間部を形成する鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記短辺及び前記長辺には、それぞれ前記鋳片が引き抜かれる方向に、前記短辺の中央部に接触する鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記短辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記短辺間の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部、及び前記長辺の中央部に接触する前記鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記長辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して前記長辺間の間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成され、」とされているのに対して、刊行物1発明では、短辺及び長辺が共に平坦である点で相違する。

相違点3:本願発明では、「鋳片シェルの平坦部の凝固収縮量及び前記鋳片シェルの角部の凝固収縮量は、鋳造条件を基に演算した前記鋳型空間部内での前記鋳片シェルの凝固収縮解析結果に基づいて算出されている」のに対して、刊行物1発明ではそのような算出方法が記載されていない点で相違している。

上記相違点について検討する。

*相違点1について
矩形状の鋳型を用いて、連続鋳造を行う場合、角部においては、チューブラ鋳型、組立鋳型の区別なく凝固殻の4隅の部分での不均一抜熱即ち不均一な凝固殻の厚みの形成が生じ易く、良質な鋳片表面性状を得る点で問題となる事は引用刊行物2、3に記載のように周知の課題で有り、これを解決するために「鋳型壁の四隅の領域において、それぞれ外側に向かって傾斜角を大きくすると共に鋳片が引き抜かれる方向では鋳片シェルの角部の凝固殻の熱収縮或いは収縮代に追随して密着性を向上させ徐々に縮小する傾斜コーナー部或いは拡大部を形成」し、チューブラ型の鋳型では、4辺のすべてにおいて、組立鋳型においては、短辺の両端においてそのような拡大部とその間に平坦部を設けることが引用刊行物2、3に記載されている。
特に、引用刊行物2においては、組立鋳型において短辺の両端で、長辺と接続する角部近傍において、本願発明の拡大部に相当する曲線状の傾斜コーナー部を設けているが、これは、短辺を可動とする一般的な組み立て式鋳型であれば、長辺側に予め拡大部を形成した場合、長辺の拡大部が短辺と接続角部に追随できないことから必然的なものであり、刊行物1発明のように、短辺及び長辺を可動とさせなければ、短辺及び長辺の角部の何れにも拡大部を形成させることは、当業者ならば容易に想到し得た事項である。
この点については、本願においても、同様に、本願明細書の図4及び【0025】に記載されている幅が可変のスラブを形成する場合に、短辺側にしか拡大部を設けていない事からも明らかである。

*相違点2について
平坦部の領域について、本願発明では、
短辺側で、「短辺の中央部に接触する鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記短辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部」、
長辺側で、「長辺の中央部に接触する前記鋳片シェルの表面の点との温度差が50℃以内となって、前記長辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる前記鋳片シェルの表面の領域である平坦部」、
と設定されている。

一方、引用刊行物2においても、平坦部と本願の拡大部に相当する傾斜コーナー部を有しており、傾斜コーナー部は、4隅の部分での不均一抜熱即ち不均一な凝固殻の厚みの形成が生じ易くこれを防ぐために設けているものであり、一般的な組立形式の連続鋳造鋳型は、鋳型の短辺及び長辺共にこれを冷却しており、引用刊行物4に記載されているように長辺と短辺とにより挟まれた角の部分の冷却効率が比較的高いことはよく知られた周知技術である。
したがって、不均一抜熱が発生しやすい角部が長辺と短辺とにより挟まれる事で冷却効率が高くなっているのであるから、そのような影響のない場所として短辺及び長辺それぞれからの冷却作用が影響し合わない範囲、即ち各辺のみの冷却作用のみとしうる範囲を平坦部とする事は当然考慮しうる事項である。
そして、当該平坦部を、厳密に計算して、熱の影響を全て反映させるか、実動作時における変動要因を考慮し、ある程度の幅を持たせた温度範囲を例えば50℃以内等の一定値として設定して、鋳型設計をすることは、鋳片の材質、鋳造速度及び冷却の仕方等に応じて実施化に際して適宜設定しうる程度のものにすぎない。
そして、本願発明における「50℃以内」との特定は、所定の鋳片の材質、鋳造速度及び冷却の仕方等に応じた実験データ等の具体的な根拠もなく、格別有意な臨界的効果を有しているものでもない。

なお、本願明細書には、50℃の設定に関する説明は下記の記載のみであり、他に、当該温度を設定する具体的な開示はなされていない。
「【0016】・・・鋳片シェル19の鋳造方向の温度分布では、鋳片シェル19の鋳造方向に対して同一位置(例えば、鋳型壁14の下端から同一高さ位置Z)においては、鋳型壁14の短辺11の中央部に接触する鋳片シェル19の表面のP点は短片11のみから、長辺12の中央部に接触する鋳片シェル19の表面のP点は長片12のみから冷却されるのに対して、鋳型壁14の四隅の領域に接触して形成される鋳片シェル19の角部の突出点Qは短片11及び長片12から同時に冷却されるので、鋳片シェル19の表面のP点の温度が最も高く、鋳片シェル19の角部の突出点Qの温度が最も低くなっている。このため、鋳片シェル19の表面温度で、P点との温度差が、例えば、50℃以内となる鋳片シェル19の表面の領域を鋳片シェル19の平坦部Rとし、その領域における平均温度T_(R)(Z)を鋳片シェル19の平坦部Rの温度とする。」
すなわち、「鋳片シェル19の表面のP点の温度が最も高く、鋳片シェル19の角部の突出点Qの温度が最も低くなっている。このため鋳片シェル19の表面温度で、P点との温度差が、例えば、50℃以内となる鋳片シェル19の表面の領域を鋳片シェル19の平坦部R」とすることが説明され、50℃は、長辺及び短辺の両方からの冷却の影響がない場所の単なる例示として示されているにすぎない。

*相違点3について
鋳型の設計に際して、膨張係数、引き抜く速度冷却速度等の鋳造条件を適宜設定して有限要素法等の数値解析に依ることは、引用刊行物5に記載されているように周知の手段にすぎず、刊行物1発明に引用刊行物2の傾斜コーナー部を設定するに際して、適宜採用し得た手段にすぎない。
また、本願発明の凝固収縮解析も、単に、「鋳造条件を基に演算」ずるとしているだけであり、特段の条件設定を行っているものでもなく、格別有意な効果を生じているものとも認められない。


(2)本件審判請求人の主張について
本件審判請求人は、平成24年 9月14日付け意見書において下記の主張をしている。
「特に、「50℃以内」の表現は、格別有意な効果を有しているとも認められないと、主張されていますが、先に提出した回答書に記載の通り、鋳片シェルの熱膨張率は、1.8?2.0×10^(-5)/℃ですので、50℃の温度差で、鋳片シェルの凹部と凸部の熱膨張差が0.02?0.05mm程度となり、この温度差は後工程で押圧する等でスラブに成形する鋳片シェルの平坦部に支障を生じない範囲です。勿論、50℃以内の温度差にする厳密な臨界的意義はありませんが、大きくすると短辺側拡大部及び長辺側拡大部の幅が過剰に小さくなり、鋳片シェルの厚み差は更に大きくなり、後工程での処理に支障が生じますので、実際の操業を考慮しての数値であるとしか言いようがありません。実際の計算(プログラム)では、理論的根拠なく数字を予め設定し、答えを出してその数値の妥当性を考慮する以外にありません。
本願発明においては、このようにして短辺及び長辺からの冷却作用のみで凝固すると近似できる鋳片シェルの表面の領域である平坦部の凝固収縮量に追従して短辺及び長辺の間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部及び長辺側傾斜部が形成されています。」(意見書2頁28?40行)

ところで、本願明細書には、「50℃」との設定については、上記したように長辺及び短辺の両方からの冷却の影響がない場所の単なる例示として示されているにすぎず、当該50℃を設定した具体的な根拠については、何ら説明がなされていない。
したがって、本件審判請求人の主張する「後工程で押圧する等でスラブに成形する鋳片シェルの平坦部に支障を生じない範囲」として、「実際の操業を考慮しての数値である」との点については、本願明細書には何ら開示されておらず、上記審判請求人の主張を採用することはできない。


4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用刊行物1?5に記載された発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-10-02 
結審通知日 2012-10-09 
審決日 2012-10-22 
出願番号 特願2005-359261(P2005-359261)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B22D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 瀧澤 佳世  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 加藤 友也
松岡 美和
発明の名称 連続鋳造用鋳型  
代理人 中前 富士男  

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