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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E04F
管理番号 1267460
審判番号 不服2011-8520  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-21 
確定日 2012-12-05 
事件の表示 特願2001-155158「フロアパネルを張る方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月23日出願公開、特開2002- 21306〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,本願は,平成13年5月24日(パリ条約による優先権主張2000年6月30日,欧州特許庁)の出願であって ,平成22年12月16日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成23年4月21日に拒絶査定に対する審判請求がなされると共に,同時に手続補正がなされた。
その後,当審において平成24年2月29日付けで拒絶理由通知を行ったところ,同年4月24日受付で意見書が提出されるとともに,同日付けで手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は,平成24年4月24日付け手続補正書の特許請求の範囲における請求項1に記載の次のとおりのものである。
「【請求項1】 一方の縦方向面及び横方向面にさねを有し,対向している他方の縦方向面及び横方向面に,前記さねに対応する溝を各々が有する複数のフロアパネルを,張って機械的に結合する方法であって,
前記さね及び溝は,互いに差し込まれたフロアパネル相互を水平方向にロックするように,構成されており,この方法は,
a)或る空間の床に第1の列を張るために,複数のフロアパネルの横方向面を夫々前記さねと溝とにより結合してロックすること,
b)第2の列の初めの第1のフロアパネルを,この第1のフロアパネルの縦方向面と,前記第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面とを,これら縦方向面に形成されたさねと溝とにより結合してロックすること,
c)前記第2の列の第2のフロアパネルの横方向面に形成されたさねを,第1のフロアパネルの横方向面に形成された溝に,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと,溝とを案内として,第2のフロアパネルを,前記第1の列の前記フロアパネルの方向に,水平に移動させて,第2のフロアパネルの縦方向面を前記第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面と,これら縦方向面に形成された溝にさねを押し込んで,結合させることにより,前記第2のフロアパネルを,前記第1の列の1つ又は2つのフロアパネルとロックさせること,とを有する方法。」(以下,「本願発明」という。)
なお,( )とその内の文字は構成ではないので削除した。


第3 引用刊行物
当審における,平成24年2月29日付け拒絶理由通知で引用した刊行物は,以下の2件である。
刊行物1:特開平3-169967号公報
刊行物2:実願平3-81982号(実開平5-34238号)のCD-ROM

(1)刊行物1の記載内容
本願の優先権主張の日前である平成3年7月23日に頒布された刊行物1には,次の事項が記載されている(下線は,当審にて付与。)。
(1a)「本発明の置敷き床材は,床下地面上に置敷きされる置敷き床材であって,柔軟性を有するシート状の基材1の表層に薄い木質化粧板2が積層され,基材1の一側端に嵌合突部3が形成され,他側端に嵌合突部3が嵌合することができる嵌合凹所4が形成され,嵌合突部3と嵌合凹所4との一方に抜止め突部3aが形成され,他方に抜止め突部3aが係入して抜止めを図る抜止め凹所4aが形成されて成ることを特徴とするものである。」(2ページ右上欄13行?左下欄1行)
(1b)「木材を薄くスライスして木目を有する突板(スライス単板)のような木質化粧板2が,合成樹脂製で柔軟性があり,シート状の基材1の表面に積層してあり,その基材1の一側端には嵌合突部3が形成され,他側端には嵌合凹所4が形成されている。」(2ページ右下欄13行?18行)
(1c)「そして,嵌合突部3には第1図に示すように,抜止め突部3aが形成されるのであり,抜止め凹所4aには抜止め突部3aが係入して抜止めを図る抜止め凹所4aが形成されている。しかして,嵌合突部3を嵌合凹所4に嵌合させるとともに抜止め突部3aを抜止め凹所4aに係合させることで,接着剤の使用を回避して,置敷き床材A,A同士の接続を容易迅速に行え,置敷き施工に有利になし,かつかかる接続のための構成も容易に得られるのである。そして接続に際しては,嵌合突部3の嵌合に伴って嵌合凹所4の下片4bが下方に弾性変形し,嵌合後は下片4bが復元して,確実な抜止めを図っている。そして第2図及び第3図の矢印ロ方向へのスライドにて,木口方向に移動させ,置敷き施工が行なわれる。第3図の矢印イ方向は嵌合突部3と嵌合凹所4との嵌合方向を示している。」(3ページ右上欄6行?左下欄2行)
ここで,1つめの「抜止め凹所4a」は誤記であり,正しくは「嵌合凹所4」であると認められる。
(1d)第1図には以下のように記載されている。


(1e)第2図には以下のように記載されている。


(1f)第3図には以下のように記載されている。


(1g)第2,3図と記載(1c)からみて,嵌合凸部3と嵌合凹所4は置敷き床材Aの長い辺である木端に設けられており,矢印イ方向は木端方向である。また,置敷き床材Aの矢印ロ方向は木口方向であるから,短い辺は木口である。
第3図では,第1列の2つの置敷き床材Aと第2列の右側の置敷き床材Aが設置されている。そして,第3図と記載(1c)より,第2列の右側の置敷き床材Aは,第2列の左側の置敷き床材Aよりも前に,第1列の置敷き床材Aと嵌合させていると認められるから,第2,3図と記載(1c)には,
第1列の2つの置敷き床材Aと第2列の右側の置敷き床材Aを設置し,
第2列の左側の置敷き床材Aをスライドさせて,第1列の置敷き床材Aとの間で木端に設けられた嵌合突部3と嵌合凹所4とを嵌合させ,
その後で,第2列の左側の置敷き床材Aを右側の置敷き床材Aの方向へスライドさせて,木口同士を当接させる置敷き床材A,A同士の置敷き施工における接続方法が記載されていると認められる。

そうすると,上記記載(1a)?(1g)からみて,刊行物1には
「対向する2つの木端に嵌合凸部3と嵌合凹所4を設け,木口を有する置敷き床材Aの置敷き施工における接続方法であって,
第1列の2つの置敷き床材Aと第2列の右側の置敷き床材Aを設置し,
第2列の左側の置敷き床材Aをスライドさせて,第1列の置敷き床材Aとの間で木端に設けられた嵌合突部3と嵌合凹所4とを嵌合させ,
嵌合突部3を嵌合凹所4の嵌合は,嵌合突部3の嵌合に伴って嵌合凹所4の下片4bが下方に弾性変形し,嵌合後は下片4bが復元して,抜止め突部3aを抜止め凹所4aに係合させることで,確実な抜止めを図り,
その後で,第2列の左側の置敷き床材Aを右側の置敷き床材Aの方向へスライドさせて,木口同士を当接させる,
置敷き床材A,A同士の置敷き施工における接続方法。」が記載されている。(以下,「刊行物1記載の発明)という。)

(2)刊行物2の記載内容
本願の優先権主張の日前である平成5年5月7日に頒布された刊行物2には,次の事項が記載されている(下線は,当審にて付与。)。
(2a)「【0002】
【従来の技術】
従来から,住宅等のフローリング用床部材として,図4に断面で示すように,略矩形板状に成形したフローリング板50の下面に,フローリング板50と略同一平面形状に成形したSBR発泡体や不織布などからなる基板51を,下面全体を覆うように固着することにより,遮音性の向上を図った積層フローリング床部材が使用されている。
【0003】
この積層フローリング床部材には,フローリング板50の側縦面52の隣接二辺に嵌合突出部53を設けると共に,他二辺の側縦面52にこの嵌合突出部53に対応する横溝状の嵌合凹部54を設けてある。そして,隣接する積層フローリング床部材の嵌合突出部53と嵌合凹部54とを嵌合して各積層フローリング床部材を結合し,フローリング床を敷込むよう構成されている。」
(2b)「【0014】
また,フローリング板10の隣接二辺の側縦面11には,連続する嵌合突出部15を突設してあり,一方,この嵌合突出部15を設けていない他二辺の側縦面11には,この嵌合突出部15に嵌合するように,嵌合突出部15の大きさ,形状に合わせた横溝状の嵌合凹部12を形成してある。」


第4 当審の判断
1 本願発明と刊行物1記載の発明の対比
本願発明と刊行物1記載の発明を対比すると
刊行物1記載の発明の「嵌合突部3」は,本願発明の「さね」に,
以下同様に,
「嵌合凹所4」は,「溝」に,
「木端」は,「縦方向面」に,
「木口」は,「横方向面」に,
「置敷き床材A」は,「フロアパネル」に,
「置敷き床材Aの置敷き施工における接続方法」は,「複数のフロアパネルを,張って機械的に結合する方法」に,
「嵌合突部3の嵌合に伴って嵌合凹所4の下片4bが下方に弾性変形し,嵌合後は下片4bが復元して,抜止め突部3aを抜止め凹所4aに係合させること」は,「水平方向にロック」及び「ロック」に,
「第1列の2つの置敷き床材A」は,「第1の列」の「複数のフロアパネル」に,
「第2列の右側の置敷き床材A」は,「第2の列の初めの第1のフロアパネル」,「第1のフロアパネル」に,
「第2列の左側の置敷き床材A」は,「第2の列の第2のフロアパネル」,「第2のフロアパネル」に,
「スライド」は,「水平に移動」に,
それぞれ相当し,
刊行物1記載の発明の「第1列の2つの置敷き床材Aと第2列の右側の置敷き床材Aを設置」する点と,本願発明の「a)或る空間の床に第1の列を張るために,複数のフロアパネルの横方向面を夫々前記さねと溝とにより結合してロックすること,b)第2の列の初めの第1のフロアパネルを,この第1のフロアパネルの縦方向面と,前記第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面とを,これら縦方向面に形成されたさねと溝とにより結合してロックすること」は,「a)b)或る空間の床に,複数のフロアパネルによる第1の列と第2の列の初めの第1のフロアパネルを張る」点で共通し,
刊行物1記載の発明の「第2列の左側の置敷き床材Aをスライドさせて,第1列の置敷き床材Aとの間で木端に設けられた嵌合突部3と嵌合凹所4とを嵌合させ」,その後で「第2列の左側の置敷き床材Aを右側の置敷き床材Aの方向へスライドさせて,木口同士を当接させる」点と,
本願発明の「c)第2の列の第2のフロアパネルの横方向面に形成されたさねを,第1のフロアパネルの横方向面に形成された溝に,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと,溝とを案内として,第2のフロアパネルを,第1の列の前記フロアパネルの方向に,水平に移動させて,第2のフロアパネルの縦方向面を第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面と,これら縦方向面に形成された溝にさねを押し込んで,結合させることにより,第2のフロアパネルを,第1の列の1つ又は2つのフロアパネルとロックさせる」点は,
「c)第2の列の第2のフロアパネルのさね又は溝を,隣接するフロアパネルの溝又はさねに,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと,溝とを案内として,第2のフロアパネルを,隣接する他のフロアパネルの方向に,水平に移動させて,第2のフロアパネルの面を隣接する他のフロアパネルの面と当接させる」点で共通している。

そうすると,本願発明と刊行物1記載の発明は,
「一方の縦方向面にさねを有し,対向している他方の縦方向面に,さねに対応する溝を各々が有する複数のフロアパネルを張って機械的に結合する方法であって,
さね及び溝は,互いに差し込まれたフロアパネル相互を水平方向にロックするように構成されており,この方法は,
a)b)或る空間の床に,複数のフロアパネルによる第1の列と第2の列の初めの第1のフロアパネルを張り,
c)第2の列の第2のフロアパネルのさね又は溝を,隣接するフロアパネルの溝又はさねに,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと溝とを案内として,第2のフロアパネルを,隣接する他のフロアパネルの方向に,水平に移動させて,第2のフロアパネルの面を隣接する他のフロアパネルの面と当接させること,
とを有する方法。」で一致し,以下の点で相違している。

<相違点1>
本願発明では,フロアパネルが横方向面にも「さね」と「溝」を有するのに対し,刊行物1記載の発明は,フロアパネルの横方向面が「木口」であって「さね」と「溝」がない点。

<相違点2>
本願発明は,
「a)或る空間の床に第1の列を張るために,複数のフロアパネルの横方向面を夫々さねと溝とにより結合してロック」した後に,
「b)第2の列の初めの第1のフロアパネルを,この第1のフロアパネルの縦方向面と,第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面とを,これら縦方向面に形成されたさねと溝とにより結合してロックする」のに対し,
刊行物1記載の発明は,第1の列と第2の列の初めの第1のフロアパネルをどのような順で張ったか不明であり,第1の列を張るために,複数のフロアパネルの横方向面を夫々さねと溝とにより結合してロックをしておらず,第2の列の初めの第1のフロアパネルをさねと溝とにより結合してロックしたかは一応不明である点。

<相違点3>
c)第2の列の第2のフロアパネルのさね又は溝を,隣接するフロアパネルの溝又はさねに,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと,溝とを案内として,第2のフロアパネルを,隣接する他のフロアパネルの方向に,水平に移動させて,第2のフロアパネルの面を隣接する他のフロアパネルの面と当接させるに際し,
本願発明は,c)第2の列の第2のフロアパネルの「横方向面」に形成された「さね」を,「第2の列の第1のフロアパネル」の「横方向面」に形成された「溝」に,第2のフロアパネルを水平に移動させて押し込ませて,この状態で,これら押し込まれたさねと,溝とを案内として,第2のフロアパネルを,「第1の列」のフロアパネルの方向に,水平に移動させるのに対し,
刊行物1記載の発明は,第2のフロアパネルをスライドさせて,「第1列」のフロアパネルとの間で「縦方向面」に設けられた「さねと溝」を嵌合させ,その後で,第2のフロアパネルを「第2の列の第1のフロアパネル」の方向へスライドさせる点。

<相違点4>
さねと溝を案内として移動させた後で,本願発明では,「溝にさねを押し込んで,結合させることにより,フロアパネル同士をロックさせる」のに対し,
刊行物1記載の発明では,「木口同士を当接させる」点。

2 相違点についての検討
上記相違点について検討する。
<相違点1について>
刊行物2の記載(2b)及び図1,2において側断面の四辺に嵌合凹部12,嵌合突出部15を設けた点が記載されているように,床部材を敷込む際に周辺の四方向全てに嵌合部を設けて結合し,高い接合性を得ようとすることは当業者であれば考慮することであるから,刊行物1記載の発明における縦方向面の構成である「さねと溝」を横方向面にも設けてロックすることは当業者が容易に想到したことである。

<相違点2について>
刊行物1の記載(1f)の第3図のようにフロアパネルを張る場合に,端部の第1列から張ることは当業者に周知な技術事項である。そして,<相違点1について>において当業者が容易に想到したことであるとした,フロアパネルを「さねと溝」を「横方向面」に設けた構造とすれば,「第1の列を張るために,複数のフロアパネルの横方向面を夫々さねと溝とにより結合してロック」することは自明であり,刊行物1記載の発明のフロアパネルは縦方向面にさねと溝があるから,「第2の列の初めの第1のフロアパネルを,この第1のフロアパネルの縦方向面と,第1の列の1つ又は2つのフロアパネルの縦方向面とを,これら縦方向面に形成されたさねと溝とにより結合してロックする」ことも自明である。

<相違点3について>
<相違点1について>で容易に想到したことであるとした,縦方向面の構造を横方向面にも設けた構成においては,第2の列の第2のフロアパネルについて,刊行物1記載の発明のように縦方向面のさねと溝を案内として水平に移動させるか,横方向面のさねと溝を案内として水平に移動させて本願発明のようにするかは,当業者の設計的事項と認められる。
そして,結合する2つのフロアパネルの横方向面のどちらにさね又は溝を設けるかは,当業者の設計的事項にすぎない。

<相違点4について>
<相違点1について>で容易に想到したことであるとされた,縦方向面の構造を横方向面にも設けた構成においては,縦方向面にはさねと溝による嵌合面があるから,水平に移動させた最後に,縦方向面に形成された溝にさねを押し込んで結合させることにより第1の列のフロアパネルとロックさせることは自明である。

そして,本願発明による作用効果は,刊行物1記載の発明,及び刊行物2の記載事項から当業者が予測しうる程度のことである。

請求人は平成24年4月24日付け意見書において以下のように主張している。
(1)刊行物1に記載の発明では,抜止め突起3aと抜止め凹所3bとを必須の要件としており,この構成により,接着剤の使用を回避して,置如き床材同士の接続を容易かつ迅速に行なえ。接続のための構成を簡単にしています。このことは,置如き床材に「さねと溝」を横方向面にも設けてロックする代わりに抜止め突起3aと抜止め凹所3bとを設けていると理解できると存知ます。即ち,刊行物2に記載の発明と本願発明とは,抜止め突起3aと抜止め凹所3bとの機能,作用効果を横方向面に設けた「さねと溝」とで果たしています。(上記の「抜止め突起3a」は「抜止め突部3a」の,「抜け止め凹所3b」は「抜け止め凹所4a」の,「置如き床材」は「置敷き床材」の誤記と認められる。)
(2)刊行物1に記載の発明のように第2の列のパネルを横方向に移動させるのは,本発明のように縦方向に移動させる(押込む)のと比較して大きな力が必要です。

しかしながら,(1)については,接着剤の使用を回避する目的であるからといって,「「さねと溝」を横方向面にも設けてロックする代わりに抜止め突起3aと抜止め凹所4aとを設けている」ということはできない。
また,(2)については,本願発明には縦方向面の方が横方向面よりも長いという構成はないから,本願発明において縦方向に移動させる方が大きな力が必要でないということはできない。さらに,施工現場で縦方向面と横方向面のどちらを先に結合させるかは,施工者がフロアパネルの形状や現場の状況等に応じて適宜決めるものであって,横方向面の方が短い場合に当該横方向面を先に結合させた方が移動させやすいとしても,短い横方向面を先に結合させるとはめ込み部が小さいから,その後ではめ込み部に沿って平行に移動させることが難しいなど一長一短であり,横方向面を先に結合させることは施工者が通常的に行う工夫の範囲内であって設計的事項である。

3 まとめ
したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明及び刊行物2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第5 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-06-27 
結審通知日 2012-07-03 
審決日 2012-07-24 
出願番号 特願2001-155158(P2001-155158)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 横井 巨人
中川 真一
発明の名称 フロアパネルを張る方法  
代理人 村松 貞男  
代理人 峰 隆司  
代理人 井関 守三  
代理人 堀内 美保子  
代理人 竹内 将訓  
代理人 白根 俊郎  
代理人 河野 哲  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 福原 淑弘  
代理人 野河 信久  
代理人 高倉 成男  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 佐藤 立志  
代理人 砂川 克  
代理人 河野 直樹  
代理人 中村 誠  
代理人 岡田 貴志  

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