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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04B
管理番号 1273727
審判番号 不服2011-23247  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-28 
確定日 2013-05-08 
事件の表示 特願2010-137292「同軸接合システム」拒絶査定不服審判事件〔平成22年10月14日出願公開、特開2010-229811〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は,平成11年7月13日に出願した特願2001-509819号の一部を特許法第44条第1項の規定により分割して平成22年6月16日に新たな特許出願としたものであって,平成23年6月23日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年10月28日に拒絶査定不服審判がなされると共に,同時に手続補正がなされた。
その後,平成24年3月2日付けで,審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ,同年6月6日付けで回答書が提出されたものである。


2 本願発明
本願の請求項1乃至24に係る発明は,平成23年10月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至24に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ,そのうち請求項1に係る発明は,次のとおりである。
「網状構造体の節点要素(14)のための接合手段であって、
フレーム材(15)と、
内側コネクター部分(19)及び外側コネクター部分(18)と、
前記節点要素(14)に付設されて前記内側コネクター部分(19)を通過して摺動可能に延在している引張り支持具(20)であり、該引張り支持具(20)と前記内側コネクター部分(19)が協働するように構成されて、前記節点要素(14)から引張り支持具(20)に沿った前記内側コネクター部分(19)の移動制限位置を画定する引張り支持具(20)と、
前記内側コネクター部分(19)と前記フレーム材(15)との間にあって前記フレーム材(15)の引張りに抵抗するように形成された第1のネジ接合手段(34、40)であり、前記フレーム材(15)の圧縮力を前記内側コネクター部分(19)へ付加するためのスラスト座面(42)を画定する第1のネジ接合手段(34、40)と、
前記内側コネクター部分(19)と前記外側コネクター部分(18)の間にあって前記内側コネクター部分(19)を介して前記外側コネクター部分へ付加される前記フレーム材(15)の圧縮負荷を受けて該圧縮負荷を前記節点要素(14)へ送る第2のネジ接合手段(36、38)であり、
完成した接合手段において前記内側コネクター部分(19)が前記節点要素(14)に対して前記移動制限位置にあるときに、前記フレーム材(15)が前記内側コネクター部分(19)の前記スラスト座面(42)に係合し、前記外側コネクター部分(18)が圧縮されて前記節点要素(14)に当接するように、前記引張り支持具(20)と前記内側コネクター部分(19)及び前記外側コネクター部分(18)の寸法が定められている、第2のネジ接合手段(36、38)と、
を有することを特徴とする改良された接合手段。」(以下「本願発明」という。)


3 引用刊行物の記載内容
原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願前に頒布された刊行物である,特開昭64-48949号公報(以下,「刊行物1」という。)には,図面と共に,以下の事項が記載されている。
(1a)「1.部材のねじ部にねじ結合され角形外周面に形成されたスリーブナットと、前記部材の貫通孔に挿入され頭及びねじ部を有し及び外周面において軸方向の溝が設けられた主ボルトと、前記溝に係合されるピンを有し前記主ボルトのねじ部にねじ結合されるナットとからなる立体トラス用継手」(特許請求の範囲)

(1b)「第1図は本発明の立体トラス用継手を示し、該継手は部材(20)と部材(23)を接合するものである。
前記部材(20)の貫通孔(22)に主ボルト(3)が挿入される。
該主ボルト(3)は頭(3a)及びねじ部(3b)を有し更に外周面において軸方向に溝(3c)が設けられる。
一方前記部材(20)のねじ部(21)にその雌ねじ(1b)においてスリーブナット(1)がねじ結合される。
該スリーブナット(1)の外周面は断面6角形等の角形外周面(1a)に形成される。
次に前記溝(3c)に係合されるピン(5a)を有するナット(5)が主ボルト(3)のねじ部(3b)にねじ結合される。
以上の実施例に示した本発明の立体トラス用継手の作用をその使用方法と共に次に説明する。
すなわちノーズコーン等の部材(20)と球体等の部材(23)を結合するものとして説明する。
まず第2図に示す様に主ボルト(3)の先端を部材(23)のねじ孔(24)に当ててナット(5)を回転させる。
これにより主ボルト(3)はピン(5a)及び溝(3c)を介して回転される。
この結果主ボルト(3)はその頭(3a)が第3図に示す様に部材(20)の端面に当るまで部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれる。
次にその角形外周面(1a)においてスパナー等でスリーブナット(1)を回転させる。
これにより第1図に示す様にスリーブナット(1)は部材(23)の端面に当る。
更にスリーブナット(1)を回転させることにより主ボルト(3)にはテンションが与えられ強力な接合が達成される。」(第2頁左上欄第4行?右上欄第15行)

(1c)第1図乃至第4図には,以下の図面が記載されている。


第1図乃至第4図をみると,ノーズコーン等の部材(20)は,ノーズコーンの図示右側にある右上から左下へのハッチングが施された部分(当審では「接合部材」と呼ぶ。)に接合されていることがみてとれる。

上記記載事項(1a)乃至(1c)及び図面の記載によれば,刊行物1には,次の発明が記載されているものと認められる。
「立体トラスの球体等の部材(23)にノーズコーン等の部材(20)を結合する立体トラス用継手であって,
ノーズコーン等の部材(20)には,接合部材が接合されており,
部材(20)の貫通孔(22)に挿入され,その先端のねじ部(3b)にねじ結合されているナット(5)により,頭(3a)が部材(20)の端面に当るまで該ねじ部(3b)が部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれる主ボルト(3)と,
部材(20)のねじ部(21)がねじ結合される雌ねじ(1b)を有するスリーブナット(1)とを有し,
スリーブナット(1)は,主ボルト(3)の頭(3a)が部材(20)の端面に当るまでその先端のねじ部(3b)が部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれた位置にあるときに,部材(23)の端面に当るまで回転させ,更に,回転させることにより主ボルト(3)にテンションを与え,強力な接合が達成される立体トラス用継手。」(以下、「刊行物1記載の発明」という。)

(2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願前に頒布された刊行物である,特開平9-21179号公報(以下,「刊行物2」という。)には,「立体トラス部材継手」に関して,図面と共に,以下の事項が記載されている。
(2a)「【請求項1】 ねじ孔を有する接合金具と、この接合金具のねじ孔にねじ結合する接合ボルトを端部に具備する接合部材とを連結してなる立体トラス部材継手において、
上記接合部材の端部に設けられた透孔に上記接合ボルトを遊嵌すると共に、接合ボルトの頭部を透孔に係合させて接合部材より突出させ、
上記接合ボルトの突出側に設けられる非円形係合部に係合する抑え部材と、上記接合部材の端面に装着される受座との間に、接合ボルト押出し用弾性体を縮設し、
外面に回動用工具の係止部を有する回動部材を、上記接合ボルトを嵌挿して上記抑え部材及び弾性体を被覆すべく略筒状に形成し、かつ、この回動部材と抑え部材とを軸方向にのみ移動可能に嵌合してなる、ことを特徴とする立体トラス部材継手。」

(2b)「【0016】この場合、接合部材20はパイプ状本体21と、このパイプ状本体21の端部にねじ結合によって装着される端部金具22とで構成されており、端部金具22の中心部に穿設された透孔23を接合ボルト30が遊嵌状に貫通し、接合ボルト30の頭部31が透孔23に係合し得るようになっている。」

(2c)「【0020】上記のように構成されるこの発明の立体トラス部材継手を組立てるには、まず接合ボルト30を遊嵌状に嵌挿した端部金具22を接合部材20(当審注:「パイプ状本体21」の誤記と認める。)の端部にねじ結合にて装着する。次に、接合ボルト30の突出側における端部金具22の端面すなわち周溝24に嵌合される受座70と、接合ボルト30に設けられた非円形係合部32に係合される抑え部材60との間にコイルばね40を縮設させた状態で取付けて、コイルばね40の弾性力によって接合ボルト30を常時突出状態におく。次に、接合ボルト30の先端側から回動部材50を差し込んで回動部材50の係合面51を抑え部材60の外側係合面62に係合させると共に、回動部材50にて抑え部材60及びコイルばね40を被せればよい。
【0021】このようにして組立てられた立体トラス部材継手を用いて接合金具10と接合部材20とを連結する場合には、まず回動部材50の先端側に座金80を取付けた後、接合ボルト30を接合金具10のねじ孔11に接触させる。そして、回動部材50の係止溝52に例えばレンチ等の回動工具(図示せず)を係合させて回動すると、回動部材50と抑え部材60及び抑え部材60と接合ボルト30がそれぞれ回動が阻止される状態で係合しているので、回動部材50の回転が接合ボルト30に伝達されて、接合ボルト30が接合金具10のねじ孔11にねじ結合され、接合金具10と接合部材20とを連結することができる。」

(2d)上記記載事項(2b)を参照して図1をみると,完成した継手において,端部金具22にねじ結合によって装着されたパイプ状本体21の端部は,端部金具22に設けられた段差部である肩部に係合されていることがみてとれる。

(3)刊行物3
原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願前に頒布された刊行物である,実願平2-8901号(実開平3-99103号)のマイクロフィルム(以下,「刊行物3」という。)には,「立体骨組構造体用継手」に関して,図面と共に,以下の事項が記載されている。
(3a)「周面に多数のねじ穴(71)が形成された節点部材(7)の各ねじ穴(71)に、棒部材(1)の端部ボルト保持部材(12)に挿通保持された連結用ボルト(20)を回転部材(30)を介してねじ込み固定し、節点部材(7)を連結点として多数の棒部材(1)を相互に結合して得られる立体骨組構造体において、前記連結用ボルト(20)は弾性部材(50)により後端から先端に向けて付勢され、同ボルト(20)の軸部には少なくとも1条の環状溝(26)が形成されるとともに前記回転部材(30)の脱落防止手段(60)が設けられ、前記棒部材(1)の端部ボルト保持部材(12)は前記環状溝(26)に係脱する係脱手段(40)をもち、前記ボルト(20)が前記弾性部材(50)の付勢に抗して最後退位置にあるとき、その位置を前記環状溝(26)と前記係脱手段(40)を係合させて一時的に保持することを特徴とする立体骨組構造体用継手。」(実用新案登録請求の範囲)

(3b)「棒部材1は、通常中空パイプ10の両端に軸心に沿ってボルト挿入孔11が明けられたスリーブ12を溶接・螺合などして固定し作られた棒部材本体13と、前記スリーブ12のボルト挿入孔11に内側から挿入され軸部を外部に突出させた連結用ボルト20と、この連結用ボルト20を回転させるために、ボルト20に対して軸方向に摺動できかつ相対回転が不可能に套嵌された角状回転部材30を備える。」(明細書第11頁第16行?第12頁第4行)

(3c)上記記載事項(3b)を参照して第1図及び第3図(a)?(c)をみると,完成した継手において,スリーブ12に螺合された中空パイプ10は,スリーブ12に設けられた段差部である肩部に係合されていることがみてとれる。


4 対比・判断
本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると,刊行物1記載の発明の「立体トラス用継手」は,本願発明の「網状構造体の」「接合手段」に相当しており,同様に,
「球体等の部材(23)」は「節点要素(14)」に,
「ノーズコーン等の部材(20)」は「内側コネクター部分(19)」に,
「主ボルト(3)」はテンションを与えられているので,「引張り支持具(20)」に,
「スリーブナット(1)」は「外側コネクター部分(18)」に,
「部材(20)のねじ部(21)」と「スリーブナット(1)の雌ねじ(1b)」は「第2のネジ接合手段(36、38)」に相当している。
次に,「接合部材」は,立体トラス用継手に接続されて立体トラスを構成する部材であるから,「フレーム材(15)」に相当する。
また,刊行物1記載の発明において,主ボルト(3)が,「部材(20)の貫通孔(22)に挿入され,その先端のねじ部(3b)にねじ結合されているナット(5)により,頭(3a)が部材(20)の端面に当るまで該ねじ部(3b)が部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれる」ということは,本願発明において,引張り支持具(20)が,「節点要素(14)に付設されて前記内側コネクター部分(19)を通過して摺動可能に延在し」「該引張り支持具(20)と前記内側コネクター部分(19)が協働するように構成されて、前記節点要素(14)から引張り支持具(20)に沿った前記内側コネクター部分(19)の移動制限位置を画定する」ことに相当しているといえる。
さらに,刊行物1記載の発明において,「主ボルト(3)の頭(3a)が部材(20)の端面に当るまでその先端のねじ部(3b)が部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれた位置にあるときに」「部材(20)のねじ部(21)がねじ結合される雌ねじ(1b)を有するスリーブナット(1)」を「部材(23)の端面に当るまで回転させ,更に,回転させることにより主ボルト(3)にテンションを与え,強力な接合が達成される」ということは,スリーブナット(1)を部材(23)の端面に当たるまで回転させ,更に回転させるのであるから,スリーブナット(1)及び立体トラスを構成するフレーム材が圧縮されることは明らかであるので,本願発明における「第2のネジ接合手段(36、38)」が「内側コネクター部分(19)と前記外側コネクター部分(18)の間にあって前記内側コネクター部分(19)を介して前記外側コネクター部分へ付加される前記フレーム材(15)の圧縮負荷を受けて該圧縮負荷を前記節点要素(14)へ送」り,「完成した接合手段において前記内側コネクター部分(19)が前記節点要素(14)に対して前記移動制限位置にあるときに、前記外側コネクター部分(18)が圧縮されて前記節点要素(14)に当接するように定められている」ことに相当するといえる。

したがって,両者は,下記の点で一致している。
「網状構造体の節点要素のための接合手段であって,
フレーム材と,
内側コネクター部分及び外側コネクター部分と,
前記節点要素に付設されて前記内側コネクター部分を通過して摺動可能に延在している引張り支持具であり,該引張り支持具と前記内側コネクター部分が協働するように構成されて,前記節点要素から引張り支持具に沿った前記内側コネクター部分の移動制限位置を画定する引張り支持具と,
前記内側コネクター部分と前記外側コネクター部分の間にあって前記内側コネクター部分を介して前記外側コネクター部分へ付加される前記フレーム材の圧縮負荷を受けて該圧縮負荷を前記節点要素へ送る第2のネジ接合手段であり,
完成した接合手段において前記内側コネクター部分が前記節点要素に対して前記移動制限位置にあるときに,前記外側コネクター部分が圧縮されて前記節点要素に当接するように定められている,第2のネジ接合手段とを有する改良された接合手段。」

そして,以下の点で相違している。
本願発明では,内側コネクター部分(19)とフレーム材(15)との間にあって前記フレーム材(15)の引張りに抵抗するように形成され,前記フレーム材(15)の圧縮力を前記内側コネクター部分(19)へ付加するためのスラスト座面(42)を画定する第1のネジ接合手段(34、40)を有していて,完成した接合手段において前記内側コネクター部分(19)が節点要素(14)に対して前記移動制限位置にあるときに,フレーム材(16)が前記内側コネクター部分(19)の前記スラスト座面(42)に係合し,外側コネクター部分(18)が圧縮されて前記節点要素(14)に当接するように,引張り支持具(20)と前記内側コネクター部分(19)及び前記外側コネクター部分(18)の寸法が定められているのに対し,
刊行物1記載の発明では,内側コネクター部分とフレーム材とは,接合されており,完成した接合手段において前記内側コネクター部分が前記節点要素に対して前記移動制限位置にあるときに,前記外側コネクター部分が圧縮されて前記節点要素に当接するようになっているが,他の事項は不明である点。

上記,相違点について検討する。
刊行物2記載の「立体トラス部材継手」及び刊行物3記載の「立体骨組構造体用継手」は,本願発明の「網状構造体の(節点要素のための)接合手段」の技術分野に属する。
そして,内側コネクター部分(19)(刊行物2記載の「端部金具」,刊行物3記載の「スリーブ」に相当。)とフレーム材(15)(刊行物2記載の「パイプ状本体」,刊行物3記載の「中空パイプ」に相当。)との間をフレーム材(15)の端部が内側コネクター部材に設けられた段差部である肩部に係合させるネジ結合手段とすることは周知の技術であり,該周知技術を刊行物1記載の発明のノーズコーン等の部材(20)とフレーム材との接合手段として採用することは,当業者が容易に想到することにすぎない。その際,段差部である肩部が,フレーム材の圧縮力を内側コネクター部分へ付加するためのスラスト座面となることは明らかであるとともに,該ネジ結合が,刊行物1記載の発明におけるねじ部の頭(3a)が部材(20)の端面に当たるまでねじ部(3b)が部材(23)のねじ孔(24)にねじ込まれる際のフレーム材の引張りに抵抗することは明らかである。また,完成した接合手段において前記内側コネクター部分が前記節点要素に対して前記移動制限位置にあるときに,前記フレーム材が前記内側コネクター部分の前記スラスト座面に係合し,前記外側コネクター部分が圧縮されて前記節点要素に当接するように,前記引張り支持具と前記内側コネクター部分及び前記外側コネクター部分の寸法が定められることは,当然考慮する設計的事項にすぎない。

そして,本願発明全体の効果は,刊行物1記載の発明及び周知技術である刊行物2,3記載の技術事項から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものということができない。

したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明及び周知技術である刊行物2,3記載の技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお,請求人は,審判請求書等で,「本発明は、「溶接による熱影響等を避けるために、管状の部材(15)端部に雌ネジを設けている」のではありません。フレーム材(15)の端部にネジを設けている目的は、ボルト(20)の頭部(32)をスパナ等で回転可能にするための構成(スパナ回転範囲に障害物の無いスペースをつくるための構造)を得ることにあります。すなわち、ボルト(20)を回転させて、内側コネクター部分(19)を節点要素(14)に仮に組み付けた(このときスパナ回転の障害物となるフレーム材15は存在しない)後に、フレーム材(15)を内側コネクター部分(19)に組み付け、更に外側コネクター部分(18)を内側コネクター部分(19)にネジ係合させて最終組み立てとなります。すなわち、組立容易性を目的として、本発明のような構造をとっているのです。」と主張しているが,請求項1に係る「接合手段」は「物」の発明であって,「内側コネクター部分(19)を節点要素(14)に仮に組み付けた(このときスパナ回転の障害物となるフレーム材15は存在しない)後に、フレーム材(15)を内側コネクター部分(19)に組み付け」等の組付手段(方法)について,特定された事項はなく,請求項1の記載事項に基づかない主張であり,採用できない。


5 むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物1記載の発明及び周知技術である刊行物2,3記載の技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は,拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-03 
結審通知日 2012-12-04 
審決日 2012-12-17 
出願番号 特願2010-137292(P2010-137292)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新田 亮二  
特許庁審判長 高橋 三成
特許庁審判官 筑波 茂樹
鈴野 幹夫
発明の名称 同軸接合システム  
代理人 島田 哲郎  
代理人 谷光 正晴  
代理人 青木 篤  
代理人 三橋 真二  
代理人 篠崎 正海  
代理人 大橋 康史  

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