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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1274254
審判番号 不服2011-28099  
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-27 
確定日 2013-05-15 
事件の表示 特願2008- 1498「マルチホップ中継方式の広帯域無線接続通信システムにおけるフレーム情報伝送装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 7月24日出願公開、特開2008-172792〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成20年1月8日(パリ条約による優先権主張 2007年1月8日、大韓民国;2007年1月10日、大韓民国;2007年2月8日、大韓民国)の出願であって、その特許請求の範囲の請求項25に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、平成23年12月27日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項25に記載された次のとおりのものと認める。
「 【請求項25】
フレーム構造を用いて通信を行なう中継方式を使用する無線通信システムにおいて、上位ノードから下位中継局に、上位ノードと下位中継局の間の通信において使用されるフレームの領域、及び、下位中継局とさらなる下位中継局との間の通信において使用されるフレームの領域に関するフレーム構成情報を伝送するための方法であって、
前記上位ノードが下位中継局と通信するためのフレーム構成情報を前記下位中継局に伝送する過程と、
前記上位ノードが前記下位中継局に伝送したフレーム構成情報を使用して、前記下位中継局と通信を行なう過程と、
を含み、
前記フレーム構成情報は、中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報、前記ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報、前記ダウンリンク領域で前記下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。」

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-74325号公報(以下、「引用例」という。)には、次の記載がある。

「【請求項1】
基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、前記中継局装置を介して前記基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備えた無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、情報の送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報およびバーストパケットを前記中継局装置へ送信し、
前記中継局装置は、前記スケジューリング情報および前記バーストパケットを受信すると共に、自身の配下の前記無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信タイミングを通知する通知情報を生成し、前記スケジューリング情報および前記通知情報を自身の配下の前記無線端末装置へ送信すると共に、前記プリアンブルが付加された前記バーストパケットを自身の配下の前記無線端末装置へ送信する
ことを特徴とする無線通信システム。」

「【0001】
本発明は、基地局装置と、情報の中継を行う中継局装置とを備えると共に、この中継局装置を介して基地局装置と無線通信を行う無線端末装置を備え、一定周期で無線フレームが繰り返されるIEEE802.16システム等の無線通信システムに関する。また、この無線通信システムにおいて用いられる中継局装置および基地局装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
高速無線データ通信の規格であるIEEE802.16(以下、802.16と呼ぶ)においては、通信の形態としてP-MP(ポイント トゥ マルチポイント)形態とメッシュ形態とが規定されている。P-MP形態によれば、BS(基地局)が全てのSS(加入者局)の送受信の機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoS(サービス品質)を保証した通信が可能となっている。一方、メッシュ形態によれば、端末間でのマルチホップ通信が可能となっており、送信機会は周囲の端末群が調整している。このように、通信の形態によりスケジューリング等が異なるため、無線フレーム構成もP-MP形態とメッシュ形態とでは大きく異なっている。802.16におけるOFDMフレームの構成例を図19、および図20に示す。
【0003】
P-MP形態においては、図19に示されるように、無線信号の復調に必要な受信同期処理用のロングプリアンブル、FCH(Frame Control Header)に続く1つ目のDL(ダウンリンク)バースト内のブロードキャストメッセージフィールドに含まれるMAPメッセージ(DL-MAP(図17)、UL-MAP)に、スケジューリング情報(各SSに割り当てられる下りリンク用のスロットおよび上りリンク用のスロットを示す情報)が格納されている。MAPメッセージを受信することにより、SSは、自分用のデータが届くタイミングと自分が送信してよいタイミングとを知ることができる。」

「【0014】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための最良の形態について説明する。本実施形態においては、BSより簡易なRS(中継局)を配置し、BSおよびSS間の電波をRSが中継することにより、不感地帯を減少させることを考える。802.16のメッシュ形態を用いることにより中継を行うことは可能であるが、メッシュ形態は制御メッセージのオーバーヘッドが大きいことや、何よりQoSを保証できないこと等の理由から好ましいシステムではない。一方、802.16のP-MP形態においては、BSがSSの送受信機会をスケジューリングすることにより、効率のよい通信かつQoSを保証した高速無線データ通信を行うことができるものの、中継を行うことは考えられていない。802.16のP-MP形態を用いて中継を行う際には、RSを考慮した無線フレーム構成を検討する必要がある。」

「【0018】
以下、上記の問題点を考慮した本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。図においてBS1は基地局装置であり、RS2は、情報を中継する中継局装置である。BS1およびRS2は固定設置であるが、BS1が設備等の関係上、容易に移動することができないのに対して、RS2はBS1よりも小型の装置とすることができ、その設置箇所を移動することができる。SS3a?SS3dは、無線通信機能を備えた携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)、固定型あるいは携帯型のPC(Personal Computer)等の無線端末装置である。SS3aおよびSS3bはBS1と直接接続しており、SS3cおよびSS3dは、RS2を経由してBS1と接続している。
【0019】
BS1は、無線信号を送受信するアンテナ、送受信される信号の変調および復調等を行う送受信部、RS2およびSS3a?SS3dによる情報の送受信のタイミング(スロット)を制御するスケジューリング制御部、図示せぬ他のネットワークとの接続用のインタフェース、および以下で述べるDL-MAP IE内のPreamble Presentビットの設定を行ってMAPメッセージを生成する情報生成部等の構成を備えている。RS2の構成については後述する。なお、この無線ネットワークの複信方式はTDD(Time Division Duplex)であるとする。
【0020】
次に、本実施形態における無線フレームの構成について説明する。図17は、802.16の P-MP形態におけるDL-MAP(MAPメッセージ)のメッセージフォーマットを示している。DL-MAPには複数のDL-MAP IE(Information Element)が用意されており、各DL-MAP IEには、RS2および各SSの送受信のタイミングを通知するスケジューリング情報が格納されている。図18は、DL-MAP IEのメッセージフォーマットを示している。図示されるように、DL-MAP IE内にはPreamble Presentというビットが用意されている。このbitは通常0であるが、これを1にすることにより、そのバーストが、各SSによる受信の同期を制御するためのプリアンブルから送信されることをSSに通知することができる。
【0021】
このフラグを用いて、BS1によって送信されるDL-MAP内のDL-MAP IE、およびRS2によって送信されるDL-MAP内のDL-MAP IEをそれぞれ図2、図3に示されるようにする。つまり、連続するバーストの先頭のバーストがプリアンブルから送信されるよう、そのバーストに対応するDL-MAP IEのPreamble Presentビットを1に設定する。この場合の無線フレーム構成を図4に示す。
【0022】
図2および図3に示されるDL-MAP IEメッセージ中のスタート時間t1?t7は、図4に示される時刻t1?t7に対応している。また、図2におけるRS2のコネクション識別子を含んだDL-MAP IEは、RS2がどのタイミングで無線フレーム(ロングプリアンブルおよびFCHで始まるフレーム)を開始したらよいかを示すRS2用のものであり、本実施形態において新たに定義されるものである。このDL-MAP IEをBS1から受信したRS2は、それに記載されたタイミング(図2に示される例においてはt1)で新たな無線フレームを開始する。」

「【0045】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による無線ネットワークの構成を示す概略構成図である。この無線ネットワークにおいては、RS2aおよびRS2bが多段で接続されている。本実施形態による無線フレームの構成は図12?図14に示されている。
【0046】
図12は、第1の実施形態に対応する無線フレームの構成を示している。この場合、BS1によるロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットの送信後、RS2aがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがロングプリアンブル、FCH、およびMAPメッセージを含むDLバーストパケットを送信する。続いて、BS1がプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2aがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信し、続いてRS2bがプリアンブル付きのDLバーストパケットを含むDLバーストパケットを送信する。」

「【0052】
上述したように、各実施形態においてRS2は、無線端末装置による受信の同期を制御するためのプリアンブルの送信位置(送信タイミング)を通知する情報をMAPメッセージ内のPreamble Presentビットに格納し、MAPメッセージを配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。また、RS2は、データ送信用の最初のDLバーストパケットに対してプリアンブルを付加して配下のSS3cおよびSS3dへ送信する。これにより、SS3cおよびSS3dが、RS2から送信されるDLバーストパケットを受信することができるようになるので、基地局と無線通信端末との間で送受信される情報を中継することができるようになり、基地局と通信を行うことができない不感地帯を減少させ、サービスエリアを拡張することができる。また、QoS保証が可能でオーバーヘッドの少ないP-MP形態の802.16システムをマルチホップ拡張することも可能となる。」

そして、上記記載事項を引用例の関連図面と技術常識に照らせば、以下のことがいえる。
(1)引用例の第1の実施形態に係る「無線通信システム」は、引用例の図4に示されるようなフレームを用い、中継局装置を経由した通信を含む通信を実現するものであるから、「フレーム構造を用いて通信を行なう中継方式を使用する無線通信システム」の一種である。
(2)引用例の図2に示される「DL-MAP IEメッセージ」は、基地局装置から中継局装置に伝送される情報であって、引用例の図4に示される無線フレームの構成を示すものであるから、「フレーム構成情報」とも呼び得るものである。また、引用例の図4から明らかなように、上記図2に示される「DL-MAP IEメッセージ」の内のt1は、「中継局装置RS2と携帯端末装置SS3c、S3dの間の通信において使用されるフレームの領域に関する情報」であり、t4とt5は、「基地局装置BS1と中継局装置RS2の間の通信において使用されるフレームの領域に関する情報」である。
したがって、引用例の第1の実施形態に係る基地局装置と中継局装置の間で実行される方法は、「基地局装置から中継局装置に、基地局装置と中継局装置の間の通信において使用されるフレームの領域、及び、中継局装置と携帯端末装置の間の通信において使用されるフレームの領域に関するフレーム構成情報を伝送するための方法であって、前記基地局装置が中継局装置と通信するためのフレーム構成情報を前記中継局装置に伝送する過程と、前記基地局装置が前記中継局装置に伝送したフレーム構成情報を使用して、前記中継局装置と通信を行なう過程と、を含む方法」であるといえる。
(3)上記図2に示される「DL-MAP IEメッセージ」中のt4とt5は、「中継サービスのために中継局装置と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報」ということができるものでもある。

よって、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「 フレーム構造を用いて通信を行なう中継方式を使用する無線通信システムにおいて、基地局装置から中継局装置に、基地局装置と中継局装置の間の通信において使用されるフレームの領域、及び、中継局装置と携帯端末装置の間の通信において使用されるフレームの領域に関するフレーム構成情報を伝送するための方法であって、
前記基地局装置が中継局装置と通信するためのフレーム構成情報を前記中継局装置に伝送する過程と、
前記基地局装置が前記中継局装置に伝送したフレーム構成情報を使用して、前記中継局装置と通信を行なう過程と、
を含み、
前記フレーム構成情報は、中継サービスのために中継局装置と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報を含む
方法。」

3.対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のことがいえる。
(1)引用発明の「基地局装置」と「中継局装置」は、それぞれ、本願発明の「上位ノード」、「下位中継局」に相当する。
(2)引用発明の「携帯端末装置」と本願発明の「さらなる下位中継局」とは、「下位中継局の下位ノード」である点で共通する。
(3)引用発明の「中継サービスのために中継局装置と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報」と本願発明の「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報」とは、「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報」である点で共通する。

したがって、本願発明と引用発明の間には、以下の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「 フレーム構造を用いて通信を行なう中継方式を使用する無線通信システムにおいて、上位ノードから下位中継局に、上位ノードと下位中継局の間の通信において使用されるフレームの領域、及び、下位中継局と下位中継局の下位ノードとの間の通信において使用されるフレームの領域に関するフレーム構成情報を伝送するための方法であって、
前記上位ノードが下位中継局と通信するためのフレーム構成情報を前記下位中継局に伝送する過程と、
前記上位ノードが前記下位中継局に伝送したフレーム構成情報を使用して、前記下位中継局と通信を行なう過程と、
を含み、
前記フレーム構成情報は、中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報を含む
方法。」である点。

(相違点1)
本願発明の「下位中継局の下位ノード」は、「さらなる下位中継局」であるのに対し、引用発明の「下位中継局の下位ノード」は、「携帯端末装置」であって、「さらなる下位中継局」ではない点。

(相違点2)
本願発明の「フレーム構成情報」は、「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報、前記ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報、前記ダウンリンク領域で前記下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報のうち少なくとも1つ」を含むのに対し、引用発明の「フレーム構成情報」は、「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報、前記ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報、前記ダウンリンク領域で前記下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報のうち少なくとも1つ」を含むとは限らない点。

4.当審の判断
(1)(相違点1)について
以下の事情を勘案すると、引用発明の「下位中継局の下位ノード」(携帯端末装置)を「さらなる下位中継局」とすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
ア.引用例には、第4の実施形態として、「中継局装置を多段に構成」すること、換言すれば、「下位中継局の下位ノード」を「さらなる下位中継局」とすることも示されている。そして、そのことからも明らかなように、引用発明の「下位中継局の下位ノード」を「さらなる下位中継局」とすることが有用な場合があることは、当業者に自明である。
イ.引用発明の「下位中継局の下位ノード」(携帯端末装置)を「さらなる下位中継局」に置換することが可能であって、そうすることを妨げる事情がないことは、引用例の記載事項や引用発明の構成に照らし明らかである。
ウ.以上のことは、引用発明の「下位中継局の下位ノード」(携帯端末装置)を「さらなる下位中継局」とすることが当業者にとって容易であったことを意味している。

(2)(相違点2)について
以下の事情を勘案すると、引用発明の「フレーム構成情報」を、「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報、前記ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報、前記ダウンリンク領域で前記下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報のうち少なくとも1つ」を含むものとすることも、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
ア.引用発明の無線通信システムをOFDMA方式で実現することは、引用例の段落【0001】、【0002】の記載等から明らかなように、引用例において当然に想定されていることである。そして、引用発明の無線通信システムをOFDMA方式で実現する場合に、引用発明の「フレーム構成情報」に含まれる「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報」を「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報」とすべきことは当然のことである。
イ.また、引用発明の「フレーム構成情報」に上記「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるタイミングを示す情報」の他にどのような情報を含ませるかは、引用発明を具現化する際に採用する具体的通信方式等に応じて当業者適宜決定すべき事項であり、該「フレーム構成情報」に「ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報」や「ダウンリンク領域で下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報」等を含ませるようにすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。
ウ.以上のことは、引用発明の「フレーム構成情報」を、「中継サービスのために前記下位中継局と通信するためのダウンリンク領域が開始されるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボルオフセット情報、前記ダウンリンク領域のOFDMAシンボル長さ情報、前記ダウンリンク領域で前記下位中継局が送信モード、受信モード、待機(Idle)モードのうち何れか1つで動作するかを示す送受信モード情報のうち少なくとも1つ」を含むものとすることが当業者にとって容易であったことを意味している。

(3)本願発明の効果について
本願発明の構成によってもたらされる効果は、引用例の記載事項から当業者が予測し得た程度のものであり、本願発明の進歩性を根拠付けるに足りるものとはいえない。

(4)まとめ
よって、本願発明は、引用発明及び引用例に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-05 
結審通知日 2012-12-11 
審決日 2012-12-27 
出願番号 特願2008-1498(P2008-1498)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲葉 崇清水 祐樹  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 佐藤 聡史
近藤 聡
発明の名称 マルチホップ中継方式の広帯域無線接続通信システムにおけるフレーム情報伝送装置及び方法  
代理人 岸田 正行  
代理人 水野 勝文  
代理人 小川 英宣  
代理人 川上 成年  

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