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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C12N
管理番号 1274309
審判番号 不服2010-13819  
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-23 
確定日 2013-05-15 
事件の表示 特願2006-508067「重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する試薬および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年11月 4日国際公開、WO2004/094667、平成18年10月26日国内公表、特表2006-524052〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年4月21日を国際出願日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2003年4月21日 米国、2003年4月22日 米国、2003年4月23日 米国、2003年4月24日 米国、2003年8月19日 米国)とする出願であって、平成21年9月10日付で特許請求の範囲について手続補正がなされたが、平成22年2月15日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成22年6月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で特許請求の範囲について手続補正がなされたものである。

2.平成22年6月23日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年6月23日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
上記補正により特許請求の範囲の請求項3が削除され、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する方法であって、
(a)試料からの核酸と、配列番号11および22からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸および配列番号12および20からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸とを、少なくとも1つの核酸増幅反応で接触させる工程と、
(b)工程(a)の間あるいは後の核酸増幅反応からの核酸および/またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出して、これにより試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する工程と
を含む方法。」から、
「【請求項1】 試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する方法であって、
(a)試料からの核酸と、配列番号22のプライマー核酸および配列番号20のプライマー核酸とを、少なくとも1つの核酸増幅反応で接触させる工程と、
(b)工程(a)の間あるいは後の核酸増幅反応からの核酸および/またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出して、これにより試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する工程と
を含む方法。」へと、補正された。

上記補正は、上記補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「配列番号11および22からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸」および「配列番号12および20からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸」から、「配列番号22のプライマー核酸」および「配列番号20のプライマー核酸」へと、各々、選択肢の一部を削除する補正がなされたものであり、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、請求項1についての補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本願補正発明1」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下検討する。

(2)引用例
(2-1)引用例1
原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用された本願優先日前の2003年4月10日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった学術文献である、N. Engl .J. Med.,Vol.348,p.1953-1966(以下、「引用例1」という。)には、
(i)「しかしながら、SARSの症例の定義を満たす患者から、新規のコロナウイルスが分離された。細胞病理学的な特徴が、のどをぬぐった試料を接種されたVero E6細胞で、現れた。電子顕微鏡検査は、コロナウイルスに固有な微細構造の特徴を明らかにした。免疫組織化学的及び免疫蛍光染色は、グループ1コロナウイルスポリクローナル抗体との反応性を示した。逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によってポリメラーゼ遺伝子の断片を増幅するために設計された、共通コロナウイルスプライマーが使用され、その分離物が、従前配列が知られているコロナウイルスとは離れて関連付けられる特有のコロナウイルスであることを、明らかに同定する配列が得られた。特異的な診断用RT-PCRプライマーを用いて、複数の地域からの12人の患者において複数の同一の核酸配列を特定し、一点を出所とする大流行と一致する知見を明らかにした。」(第1953頁要旨欄の結果欄第2行?第12行)と記載され、より具体的には、
(ii)「IN-2 (+)5'GGGTTGGGACTATCCTAAGTGTGA3'とIN-4 (-) 5'TAACACACAACICCATCATCA3'のプライマー対は、コロナウイルス属と広い反応性を獲得するために、ORF1bの保存領域に対して以前設計された。これらのプライマーは、SARSの分離物からDNAを増幅するために使用され、その増幅物配列はSARS特異的プライマーである、Cor-p-F2 (+) 5'CTAACATGCTTAGGATAATGG3', Cor-p-F3 (+) 5'GCCTCTCTTGTTCTTGCTCGC3'、及び Cor-p-R1 (-) 5'CAGGTAAGCGTAAAACTCATC3'を設計するために使用され、これらのプライマーは、順番に患者の試料を試験するために使用された。」(第1956頁左欄第6行?第18行)、
(iii)「別の研究室においてRNA抽出物の別の部分標本からの第2のPCR反応によって確認されたのと同様に、増幅産物が両特異的プライマー対に対して予測される産物の長さ(Cor-p-F2とCor-p-R1に対しては368塩基、Cor-p-F3とCor-p-R1に対しては348塩基)の1塩基以内である場合に、生検試料はSARS関連コロナウイルスに対して陽性であると考えた。」(第1956頁左欄第40行?第48行)、と記載されている。
そして、その結果として、第1957頁の「表1 1あるいはそれ以上の方法でSARS関連コロナウイルスに対して陽性であったSARSの患者由来の生検試料」には、19人のSARS患者の生検試料のうち、RT-PCRを行った17人の患者中の15人が、RT-PCRで陽性であったことが示されている。

(2-2)引用例3
原査定の拒絶の理由で引用文献3として引用された本願優先日前の2003年4月14日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった電子技術情報である、
Database DDBJ/EMBL/GenBank [online], Accession No. AY274119,

14-APR-2003 uploaded,
BCCA Genome Sciences Centre, British Columbia Centre for Disease
Control and National Microbiology Laboratory Canada
Definition: SARS coronavirus TOR2, complete genome.
[retrieved on 2009.03.02](以下、「引用例3」という。)には、「SARSコロナウイルスTOR2、全長ゲノム」と称する、以下の塩基配列が記載されている。
「 1 ctacccagga aaagccaacc aacctcgatc tcttgtagat ctgttctcta aacgaacttt
61 aaaatctgtg tagctgtcgc tcggctgcat gcctagtgca cctacgcagt ataaacaata
・・・(途中省略)・・・
15001 gtgcaaagaa tagagctcgc accgtagctg gtgtctctat ctgtagtact atgacaaata
15061 gacagtttca tcagaaatta ttgaagtcaa tagccgccac tagaggagct actgtggtaa
15121 ttggaacaag caagttttac ggtggctggc ataatatgtt aaaaactgtt tacagtgatg
15181 tagaaactcc acaccttatg ggttgggatt atccaaaatg tgacagagcc atgcctaaca
15241 tgcttaggat aatggcctct cttgttcttg ctcgcaaaca taacacttgc tgtaacttat
15301 cacaccgttt ctacaggtta gctaacgagt gtgcgcaagt attaagtgag atggtcatgt
15361 gtggcggctc actatatgtt aaaccaggtg gaacatcatc cggtgatgct acaactgctt
15421 atgctaatag tgtctttaac atttgtcaag ctgttacagc caatgtaaat gcacttcttt
15481 caactgatgg taataagata gctgacaagt atgtccgcaa tctacaacac aggctctatg
15541 agtgtctcta tagaaatagg gatgttgatc atgaattcgt ggatgagttt tacgcttacc
15601 tgcgtaaaca tttctccatg atgattcttt ctgatgatgc cgttgtgtgc tataacagta
・・・(途中省略)・・・
29641 agccctaatg tgtaaaatta attttagtag tgctatcccc atgtgatttt aatagcttct
29701 taggagaatg acaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaa」
(下線は、本願配列番号22に相当する部分(15201位?15224位)、本願配列番号20の相補鎖に相当する部分(15359位?15382位)、及び本願配列番号12の相補鎖に相当する部分(15618?15341位)に、当審で付与した。)

(2-3)引用例4
原査定の拒絶の理由で引用文献4として引用された本願優先日前の2003年4月18日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった電子技術情報である、
Database DDBJ/EMBL/GenBank [online], Accession No. AY278554,

18-APR-2003 uploaded, Tsui, S.K.W. et al.,
Definition: SARS coronavirus CUHK-W1, complete genome.
[retrieved on 2009.03.03](以下、「引用例4」という。)には、「SARSコロナウイルスCUHK-1、全長ゲノム」と称する、塩基配列および該塩基配列にコードされるアミノ酸配列が記載され、配列13347位?16141位に、RNA依存性RNAポリメラーゼがコードされていることが、記載されている。

(2-4)引用例5
原査定の拒絶の理由で引用文献5として引用された本願優先日前の2003年4月18日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった電子技術情報である、
Database DDBJ/EMBL/GenBank [online], Accession No. AY278491,

18-APR-2003 uploaded, Leung,F.C. et al.,
Definition: SARS coronavirus HKU-39849, complete genome.
[retrieved on 2009.03.02]
(以下、「引用例5」という。)には、「SARSコロナウイルスHKU-39849、全長ゲノム」と称する、塩基配列が記載されている。

(3)対比
引用例1には、コロナウイルスのポリメラーゼ遺伝子断片を増幅する共通コロナウイルスプライマーIN-2とIN-4を用いてRT-PCRを行い、複数の地域からの12人の患者の生検材料を増幅し、その増幅産物からSARSウイルスに特異的な核酸配列を同定したこと、その同定した核酸配列からSARS特異的プライマーCor-p-F2又はCor-p-F3とCor-p-R1を設計し、それらを用いたRT-PCRによる増幅産物の存在により、患者からの生検試料を陽性であると判定したことが記載されている。
そこで、本願補正発明1の「(b)工程(a)の間あるいは後の核酸増幅反応からの核酸および/またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出」という選択肢のうち、「(b)工程(a)の間の核酸増幅反応からの核酸またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出」する態様の本願補正発明1と、引用例1に記載された事項を比較すると、両者は、
「試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する方法であって、
(a)試料からの核酸と、2つの特定のプライマー核酸とを、少なくとも1つの核酸増幅反応で接触させる工程と、
(b)工程(a)の間の核酸増幅反応からの核酸またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出して、これにより試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する工程とを含む方法」である点で一致する。
しかしながら、両者は、2つの特定のプライマー核酸が、本願補正発明1では、配列番号22及び配列番号20のものであるのに対して、引用例1では、Cor-p-F2又はCor-p-F3、及びCor-p-R1である点で、相違する。

(4)当審の判断
本願補正発明1と引用例1のプライマー核酸は、SARSウイルスゲノムのRNAポリメラーゼ遺伝子領域の一部を増幅するために使用される、SARSウイルスゲノムの部分配列あるいはその相補鎖である点で共通する。
一方、引用例3?5にあるように、SARSウイルスゲノムの配列は本願優先日前、既に複数公知であり、そのポリメラーゼ遺伝子領域は引用例4の記載及び本願優先日前の技術常識から当業者が容易に特定できたものであり、実際、引用例3?5に記載の核酸配列間で、ポリメラーゼ遺伝子領域の配列は、2795塩基中2793塩基が共通しており、本願優先日前、引用例1にも記載のとおり、SARSウイルスが1発生源から広まったウイルスであり、ポリメラーゼ遺伝子領域に同一の核酸配列を持つことは、既に周知の技術的事項であった。
このような本願優先日前の技術水準の下、コロナウイルスに共通のプライマーIN-2とIN-4を用いて増幅された増幅断片中でSARSウイルスに特異的な核酸配列が特定され、その特異的な核酸配列からSARS特異的プライマーを設計して、RT-PCRによりウイルスが検出できたという、上記引用例1の記載に接した当業者であれば、IN-2とIN-4を用いて増幅された増幅断片に含まれるSARSウイルスに特異的な核酸配列に基づき、さらに別のプライマーを設計してより感度のよいものを得ようとすることは、当業者の自然な発想であり、配列番号20及び配列番号22の核酸配列をプライマーとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
一方、本願明細書のSARSウイルスのnestedPCR検出の実施例である実施例1では、配列番号11と配列番号12又は20をアウタープライマーとするRT-PCRで、440bpの断片が検出されたことが記載されている。フォワードプライマーの配列番号11の配列は、配列番号22の15,216位から24塩基の核酸配列が1塩基5´側にずれた、15.215位から開始する24塩基の核酸配列である。プライマーの配列は1塩基ずれていても増幅効率に影響を与えることが技術常識であるが、ポリメラーゼ遺伝子領域は保存されているので、実施例1で配列番号11のフォワードプライマーで増幅できたから、配列番号22のフォワードプライマーでも増幅できるかもしれない。
しかしながら、増幅断片の長さが440bpであるから、上記(2-2)の引用例3に記載の配列をみてもわかるように、配列番号11のフォワードプライマーとの組合わせで440bpが増幅されるためのリバースプライマーは、配列番号20ではなくて、配列番号12の核酸配列を用いたものであるから、配列番号20のプライマーを用いたPCRは、本願明細書に記載されていない。また、本願明細書の実施例2では、配列番号11と配列番号20のプライマーの組合わせを用いてリアルタイムPCRを行うことが記載されているが、実際に増幅できたことは確認されていない。
そうすると、本願補正発明1の配列番号22と20のプライマーの組み合わせを用いたPCRによりSARSウイルスが検出されたことは、本願明細書で確認されていないから、配列番号22と20の組合わせのプライマーを用いてSARSウイルスを特異的に検出できるかどうか、たとえ検出できるとしても感度がどの程度であるか不明であり、本願補正発明1において奏される効果が格別顕著なものとはいえない。
したがって、本願補正発明1は、引用例1及び引用例3?5の記載から、当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

(5)審判請求人の主張
審判請求人は、平成22年9月2日付審判請求書の手続補正書で「補正後の本願請求項1に係る発明は、試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する方法であって、配列番号20及び22のプライマー核酸を用いることを特徴とするものであります。 …(途中省略)…このような構成を採用したことにより、本願発明に係る方法及び試薬は、「コロナウイルス属の他の種または他属の種を実質的に検出せず、またそれらとの交差反応なしの、重症急性呼吸器症候群コロナウイルスの迅速で信頼でき、かつ感度の高い検出」(段落0007)ができるという顕著な作用効果を奏するものであります。」と主張している。
しかしながら、上記(4)に記載したとおり、本願明細書の実施例では、配列番号22と20のプライマーの組み合わせを用いたPCRは記載されておらず、審判請求人の上記主張中の顕著な作用効果は確認されていない。
また、PCRの技術分野において通常プライマーは、20塩基前後の鎖長でTm値が55?60℃前後になるようにGC含量を設定し、増幅断片が適当な長さになるようにデザインされるが、そのように設計しても、実際にどの程度の感度で検出、増幅できるかは実験してみなければわからないことが、本願優先日前の技術常識であったから、実際にウイルスを検出できることが確認されていない配列番号22と20のプライマーの組み合わせを用いた本願補正発明1において奏される効果が格別なものとは推認できない。
さらにいえば、本願の配列番号22の核酸配列は、ggttgggattatccaaaatgtgacという24塩基からなるものであり、引用例1の24塩基からなる共通コロナウイルスプライマーIN-2(+)5'GGGTTGGGACTATCCTAAGTGTGA3'とその配列を比較すると、配列番号22の核酸配列が1塩基だけ3′側にずれている(なお、引用例1のIN-2は、本願の配列番号11の領域と同一の領域である)が、配列番号22のgggttgggactatcctaagtgtgaという配列のうち、以下に示す括弧内の3塩基[gggttggga(c)tatcc(t)aa(g)tgtga]においてのみ、両者は異なるものである。
そうすると、本願の配列番号22のプライマーは、引用例1の共通コロナウイルスプライマーIN-2と1塩基ずれて対応する、SARSウイルスの核酸配列であるといえ、この領域はコロナウイルスで保存されているから、SARSウイルス以外のコロナウイルスも増幅する可能性があり、なおさら、配列番号22と20のプライマーの組合わせで、コロナウイルス属の他の種を実質的に検出しない感度の高い検出ができるとは推認できない。
以上の理由により、本願明細書に本願補正発明1のプライマーを用いたPCRによるウイルスの検出結果が記載されていない以上、審判請求人の上記主張は採用できない。

(6)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成22年6月23日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1(以下、「本願発明1」という。)は、平成21年9月10日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する方法であって、
(a)試料からの核酸と、配列番号11および22からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸および配列番号12および20からなる群から選択される少なくとも1つのプライマー核酸とを、少なくとも1つの核酸増幅反応で接触させる工程と、
(b)工程(a)の間あるいは後の核酸増幅反応からの核酸および/またはその1つまたは複数のアンプリコンを検出して、これにより試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する工程とを含む方法。」
そして、本願発明1は上記本願補正発明1を包含するものであり、本願補正発明1は上記2.(4)に記載した理由によって、引用例1及び3?5の記載から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も引用例1及び3?5の記載から当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができないので、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-05 
結審通知日 2012-12-11 
審決日 2012-12-25 
出願番号 特願2006-508067(P2006-508067)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C12N)
P 1 8・ 121- Z (C12N)
P 1 8・ 121- Z (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 明日香  
特許庁審判長 鈴木 恵理子
特許庁審判官 田中 晴絵
鵜飼 健
発明の名称 重症急性呼吸器症候群コロナウイルスを検出する試薬および方法  
代理人 池田 正人  
代理人 城戸 博兒  
代理人 木元 克輔  
代理人 山口 和弘  
代理人 野田 雅一  
代理人 山田 行一  
代理人 池田 成人  

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