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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1276771
審判番号 不服2012-15189  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-06 
確定日 2013-07-10 
事件の表示 特願2009-535153「補助光源照度制御」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 5月15日国際公開、WO2008/056270、平成22年 3月25日国内公表、特表2010-509615〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成19年(2007年)5月7日(パリ条約による優先権主張 平成18年11月7日 米国)を国際出願日とする特願2009-535153号であって、平成23年7月1日付けで拒絶理由が通知され、同年10月11日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされ、同年11月28日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成24年3月1日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされ、同年4月2日付けで、同年3月1日付けの手続補正に対する補正の却下の決定がなされ、同日付で拒絶査定がなされ、これに対して、同年8月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において同年10月30日付けで前置報告書の内容について請求人に事前に意見を求める審尋をなし、平成25年1月18日付けで回答書が提出された。

第2 平成24年8月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成24年8月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成23年10月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の、

「【請求項1】
デバイスの光センサで対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程と、
前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程と、
前記光学入力が前記光センサによって受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する工程と、
前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスの発光部の出力を調節する工程とを含むことを特徴とする方法。」から

「デバイスの光センサで、該デバイスのオートフォーカス補助光源から発せられて対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程と、
前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された前記光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程と、
前記光学入力が前記光センサによって受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスと前記対象との距離にかかわらず前記輝度が一定となるように前記デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する工程と、
前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスの発光部の出力を調節する工程とを含むことを特徴とする方法。」に補正された。(下線は補正箇所を示す。)

そして、この補正は、対象から反射された光について、「デバイスのオートフォーカス補助光源から発せられ」た光であることを限定する補正事項、及び、デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節が「デバイスと前記対象との距離にかかわらず前記輝度が一定となるように」調節するものであることを限定する補正事項からなり、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とする補正であるといえる。
すなわち、本件補正における請求項1に係る発明の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的とするものである。

2 独立特許要件違反についての検討
そこで、次に、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反しないか)について検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成24年8月6日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定されるものである。(上記の「1 本件補正について」の記載参照。)

(2)引用例
ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2005-10313号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、下記「イ 引用例1に記載された発明の認定」に直接関与する記載に下線を付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子により被写体の画像信号を生成するデジタルスチルカメラなどの撮像装置に関し、特にはオートフォーカスを実行させるようにした撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩カメラに代わり、撮像素子により被写体の画像信号(画像データ)を生成するデジタルスチルカメラなどの撮像装置が汎用されるようになってきている。このような撮像装置においては、撮像素子により得た画像信号のコントラストを検出し、この検出結果に基づいてレンズを合焦位置に移動させる、いわゆる山登り方式といわれるオートフォーカス方式が採用されている。
【0003】
ところで、周囲が暗くて被写体の輝度が低いために撮像素子から得た画像信号のコントラストが低い場合には、正確な合焦位置を検出することができないことになる。このため、周囲が暗くて被写体の輝度が低い場合には、オートフォーカスを実行する際の補助光として、外付けのフラッシュ光源が用いられたり、ボディに具備されたフラッシュ光源が用いられたりする(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このように、周囲が暗くて被写体の輝度が低い場合に、オートフォーカスを実行する際の補助光として、外付けのフラッシュ光源を用いたり、ボディに具備されたフラッシュ光源を用いたりすると、撮像素子により得た画像信号のコントラストが適正なものとなって正確な合焦位置を検出することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001-350170号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補助光として外付けのフラッシュ光源を用いる場合には、部材点数が増大することで製品コストが上昇すると共に、撮像装置そのものが大型化する一方、補助光として頻繁にフラッシュ光源を用いると、ボディに内蔵されているバッテリ電源の消耗が激しくなるという問題があった。また、ボディに具備されたフラッシュ光源を用いる場合には、製品コストの上昇や大型化などの問題は生じないが、補助光として頻繁にフラッシュ光源を用いると、外付けのフラッシュ光源を用いる場合と同様にボディに内蔵されているバッテリ電源の消耗が激しくなるという問題があった。」

「【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置を示す図で、同図(a)は外観正面図、同図(b)は外観背面図である。これらの図において、撮像装置10は、デジタルスチルカメラを構成するものであり、箱型のボディ12と、ボディ12の正面に設けられたズームレンズ14と、ボディ12の上面に設けられたレリーズボタン16と、ボディ12の上面に設けられたモード設定ダイアル18と、ボディ12の背面に設けられた液晶表示器20と、ボディ12の上面に設けられたフラッシュ光源22とを備えている。
【0020】
ここで、モード設定ダイアル18は、撮影モードや再生モードなどのモードを切り替えるためのもであり、液晶表示器20は、撮影時の被写体像を視認するときや撮影した画像を再生するときなどに用いるものである。なお、ズームレンズ14と対向するボディ12内の位置には、撮像素子としてのCCD38(図2)が配設されている。また、ボディ12の下面には、駆動電源となるバッテリ電源をバッテリ装着室に装着する装着口や、撮影した画像を記録するためのメモリカードをカード装着室に装着する装着口などが設けられている。
【0021】
図2は、図1に示す撮像装置10の制御構成を説明するためのブロック図である。この図において、撮像装置10は全体の動作を制御する主制御部30を備えている。この主制御部30は、演算処理を実行するCPU、制御プログラムやデータなどの格納されたROM、及び、処理データを一時的に保存するRAMから構成されている。」

「【0031】
また、主制御部30は、輝度検出部301、輝度判別部302、フラッシュ発光量設定部303、AF評価値算出部304、AF評価値判別部305、及び、合焦部306としての各機能実現部を備えている。輝度検出部301は、CCD38により1/30秒毎に取り込まれ、画像メモリ50に記憶される画像信号のレベルを求めることで画像信号の輝度(すなわち、被写体の輝度)を検出するものである。例えば、画像信号のRGBの各色信号の輝度値を画像全体に対し合計するか平均化することで求める。輝度判別部302は、輝度検出部301により検出された輝度が所定値以下か否かを判別するものである。
【0032】
また、フラッシュ発光量設定部303は、被写体の輝度に基づき、オートフォーカスを行うときの補助光を得るためのフラッシュ光源22の発光量(パルス発光時間やパルス発光回数など)と、本撮影時におけるフラッシュ光源22の発光量とを設定するものである。オートフォーカスを行うときの補助光を得るための発光量は、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に設定されるようになっている。なお、フラッシュ発光量設定部303は、後述するAF評価値(合焦信号のレベル)に基づき、オートフォーカスを行うときの補助光を得るためのフラッシュ光源22の発光量(パルス発光時間やパルス発光回数など)をも設定する。」

「【0036】
図4は、撮像装置10の本撮影動作に至るまでの第1のオートフォーカス動作例を説明するためのタイミングチャートである。撮像装置10では、暗中などで被写体が暗いためにオートフォーカスを行うことができない場合、撮影時に用いるフラッシュ光源22を本撮影時よりも少ない発光量でパルス発光させ、暗中であってもオートフォーカスを行うことが可能になるようにしている。この第1のオートフォーカス動作例では、最初はフラッシュ光源22を発光させないでCCD38により撮像が行われる(時刻t1)。そして、最初に撮像した画像信号の輝度(すなわち、被写体の輝度)が輝度検出部301により求められ、この求めた輝度が所定値以下であるか否かが輝度判別部302により判別(すなわち、フラッシュ光源22を発光させないとオートフォーカスが不可能か否かが判別)され、所定値以下である場合に画像信号の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量(パルス発光時間やパルス発光回数など)が設定される。
【0037】
この発光量は、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に設定されることが省電力化のうえで望ましいものであり、例えば、所定の算出式に基づいて算出することで設定するようにしてもよいし、輝度と発光量とを対応付けたテーブルから読み出して設定するようにしてもよい。
【0038】
このフラッシュ光源22の発光量が設定されると、フラッシュ光源22が作動されて設定された発光量のパルス発光が行われ、この発光時にCCD38により撮像が行われる(時刻t2)。この撮像が完了すると、それ以降は撮像が完了する毎にAF評価値算出部304によりAF評価値が算出され、ズームレンズ14はAF評価値が算出される毎に合焦位置に達するまで合焦位置に向けて所定ピッチで移動される。このズームレンズ14の移動は、フラッシュ光源22が発光されていない期間(非発光期間)に行われる。
【0039】
そして、時間の経過に応じて被写体の輝度が周囲状況の変化などで変わっている可能性があるので、フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により再び求められ(時刻t3)、その求めた被写体の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量が再設定される。
【0040】
フラッシュ光源22の発光量が再設定されると、フラッシュ光源22が作動されて再設定された発光量のパルス発光が行われ、この発光時にCCD38により撮像が行われる(時刻t4)。この発光量の再設定は、所定時間が経過する毎に行われる。また、ズームレンズ14が合焦位置に達すると(時刻tn)、その後のズームレンズ14の移動が停止され、フラッシュ光源22が本撮影時の発光量に設定されて本撮影が行われる(時刻tn+1)。」
「【図2】



イ 引用例1に記載された発明の認定
上記記載(図面の記載も含む)から、引用例1には、
「オートフォーカスを実行させるようにした撮像装置が備えているフラッシュ光源22の使用方法に関し、
最初に撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により求められ、この求めた輝度が所定値以下であるか否かが輝度判別部302により判別され、所定値以下である場合に画像信号の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量が、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に設定され、
時間の経過に応じて被写体の輝度が周囲状況の変化などで変わっている可能性があるので、フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により再び求められ、その求めた被写体の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量が、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に再設定され、
フラッシュ光源22の発光量が再設定されると、フラッシュ光源22が作動されて再設定された発光量のパルス発光が行われ、この発光時にCCD38により撮像が行われ、
上記のフラッシュ発光量設定部303は、被写体の輝度に基づき、オートフォーカスを行うときの補助光を得るためのフラッシュ光源22の発光量と、本撮影時におけるフラッシュ光源22の発光量とを設定するものであるフラッシュ光源22の使用方法。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

ウ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平10-186460号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審において付した。)
「【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る測距装置を備えたカメラの正面図である。カメラ1はカメラ本体2の正面略中央にズームレンズからなる撮影レンズ3を有し、その斜め左上部に測光部4が設けられている。撮影レンズ3のレンズ系内には複数枚のシャッタ羽根を組み合わせてなるレンズシャッタが設けられている。また、撮影レンズ3の上部に測距部5が設けられ、その右側のファインダー対物窓6が設けられ、更にファインダー対物窓6の下部に測距用の補助光発光窓7が設けられている。また、カメラ本体2の右端上部にポップアップタイプの内蔵フラッシュ8が設けられている。
【0021】測光部4はSPC等から成る受光素子を備え、被写体からの光を受光して被写体の輝度データを算出するものである。
【0022】測距部5は、図2に示すように、ファインダーの視野枠9の略中央に感度領域91を有するAFセンサ10を備え、上記感度領域91に含まれる被写体からの反射光を受光して得られる画像情報を用いてカメラ1から被写体までの距離(以下、被写体距離という。)D(m)を検出するものである。なお、ファインダー内には視野枠9の中央に測距エリアを示すAFフレーム92が表示されている。撮影者は焦点を合わせたい被写体がAFフレーム92内に含まれるようにフレーミングを行ない、シャッタボタンを半押しすることによりその被写体に対して焦点調節を行なうことができるようになっている。
【0023】測距部5は、図3に示すように、主として一対のラインイメージセンサ101,102からなるAFセンサ10とこれらのラインイメージセンサ101,102の前方位置にそれぞれ配置された一対の微小レンズアレイ111,112からなるレンズ系11とからなる。ラインイメージセンサ101,102は同一ライン上に所定の間隔を設けて配置されている。ラインイメージセンサ101,102は、例えば多数の電荷結合素子(以下、画素という。)を線状に配列して成るCCDラインセンサから成り、測距部5は各ラインイメージセンサ101,102で被写体像の一部を撮像し、両撮像画像を構成するデータ(各画素から出力されるデータ。以下、画素データという。)を用いて被写体距離Dを検出する。
【0024】被写体距離Dはラインイメージセンサ101,102の内、ファインダー光学系12の光軸Lに近い側のラインイメージセンサ101を第1撮像部、光軸Lに遠い側のラインイメージセンサ102を第2撮像部とし、第1撮像部で得られる線状画像と第2撮像部で得られる線状画像とを比較して両画像の相対的な位置のずれ量から算出される。
【0025】補助光発光窓7は低輝度時に被写体に向けて被写体距離を測定するための補助光を発光する窓で、その内部に近赤外LED等から成る発光素子とこの発光素子からの発光を集光して被写体に投光するレンズとが配置されている。」


エ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2005-316271号公報(以下「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審において付した。)
「【0001】
本発明は、オートフォーカスカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
CCDなどの撮像素子を用いて被写体像を撮像し、撮像素子から出力される撮像信号に基づいて撮影レンズによる焦点位置の調節状態を検出するオートフォーカスカメラが知られている。この方式のカメラでは、被写体輝度が低下すると撮像信号レベルが低下してしまい、焦点検出が困難になる。」

「【0039】
AF補助光の強さ(すなわち、発光強度)を主要被写体までの距離情報に応じて変化させてもよい。AF補助光により照射される主要被写体の明るさは、周知の距離二乗則によって電子カメラから離れた被写体ほど暗くなる。また、上述したように、フォーカスレンズの位置は主要被写体までの距離情報となる。そこで、AF補助光を点灯させる場合、フォーカスレンズが至近端側に位置するほど発光強度を弱く、フォーカスレンズが無限遠端側に位置するほど発光強度を強くすると、主要被写体までの距離にかかわらず主要被写体の輝度をほぼ同じにすることができる。また、常に強い発光強度でAF補助光を発光させる場合に比べて消費電力を低減することができる。(以下省略)」

(3)本願補正発明と引用発明との対比
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の(「フラッシュ光源22の発光量が、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に再設定され」るに際して)「フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により再び求められ」る工程と、本願補正発明の「デバイスの光センサで、該デバイスのオートフォーカス補助光源から発せられて対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程」及び「前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された前記光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程」とは、「オートフォーカス時において、デバイスの光源から発せられて対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程」及び「前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された前記光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程」である点で一致する。

引用発明において「フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により再び求められ」る工程及び「その求めた被写体の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量が、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に再設定され」る工程においては、当該それぞれの工程におけるオートフォーカスの機能が有効に作用するためには、「フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した」際に「実質的にリアルタイムで」、輝度が求められ、その求めた輝度に応じて発光量が設定されることが当然の事項であるといえるから、引用発明の「フラッシュ光源22を発光させた状態で撮像した画像信号の輝度が輝度検出部301により再び求められ」、「その求めた被写体の輝度に応じてフラッシュ発光量設定部303によりフラッシュ光源22の発光量が、オートフォーカスが可能となる範囲内で可能な限り少ない値に再設定され」る工程と、本願補正発明の「前記光学入力が前記光センサによって受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスと前記対象との距離にかかわらず前記輝度が一定となるように前記デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する工程」とは、「前記光学入力が受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、オートフォーカス時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程」である点で一致する。

本願補正発明における「発光部の出力」は、「撮像時において」の「光源の出力」であるといえるから、引用発明の「上記のフラッシュ発光量設定部303は、被写体の輝度に基づき」、「本撮影時におけるフラッシュ光源22の発光量」「を設定するものであ」る工程と、本願補正発明の「前記決定した輝度に基づいて、前記デバイスの発光部の出力を調節する工程」とは、「前記決定した輝度に基づいて、撮像時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程」に相当する。

イ 一致点
よって、本願補正発明と引用発明は、
「オートフォース時において、デバイスの光源から発せられて対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程と、
前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された前記光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程と、
前記光学入力が受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、オートフォーカス時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程と、
前記決定した輝度に基づいて、撮像時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程とを含む方法。」の発明である点で一致し、次の各点で相違する。

ウ 相違点
(ア)相違点1
オートフォーカス時及び撮影時に用いる光源について、本願補正発明においては、それぞれ、「オートフォーカス補助光源」及び「発光部」である、すなわち、別の光源であるのに対して、引用発明においては、そのような限定がない点。

(イ)相違点2
対象の輝度を決定するために対象から反射された光を含む光学入力を受け取る部材が、本願補正発明においては、「光センサ」であるのに対し、引用発明においては、そのような限定がない点。

(ウ)相違点3
オートフォーカス時のデバイスの光源の出力の調節のしかたについて、本願補正発明は、「デバイスと対象との距離にかかわらず輝度が一定となるように、デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する」のに対し、引用発明においては、そのような限定がない点。

(4)当審の判断
ア 上記の相違点について検討する。
(ア)相違点1について
低輝度時に測距用の補助光を発光する光源(以下「測距用補助光源」という。)を備えた撮像装置において、撮像時のフラッシュの光源とは別の測距用補助光源を備えることは、引用例2に記載されている。
測距用補助光源を備えた撮像装置において、当該測距用補助光源を、撮像時のフラッシュの光源とは別に設けるか、または、撮像時のフラッシュの光源と兼用で設けるかは、当業者が必要に応じて適宜選択し得る設計的事項にすぎないから、引用発明においても、上記の引用例2に記載された発明を適用して、撮像時のフラッシュの光源とは別の測距用補助光源を備えることとし、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことにすぎない。

(イ)相違点2について
測距のために輝度を測る機能を備えた撮像装置において、光センサを設けて対象(被写体)の輝度を測定することは、例えば、特開2005-31290号公報(【0031】【図3】参照)にも記載されているように周知の技術である。
引用発明においても、上記の周知技術を採用し、輝度測定用の光センサを設けて、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことにすぎにない。

(ウ)相違点3について
引用例3には、【0039】において「デバイスと対象との距離にかかわらず輝度が一定となるように、デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する」ことが記載されている。
引用発明においても、消費電力の低減等を目的として、上記引用例3に記載された発明を適用し、「デバイスと対象との距離にかかわらず輝度が一定となるように、デバイスのオートフォーカス補助光源の出力を調節する」ものとし、上記相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことにすぎにない。

イ 本願補正発明の奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明、引用例2及び3に記載された発明、並びに、周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、引用例2及び3に記載された発明、並びに、周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3 むすび
したがって、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるということができないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成24年8月6日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成23年10月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2 平成24年8月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。)

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項及び引用発明については、上記「第2 平成24年8月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(2)引用例」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、上記「第2 平成24年8月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(1)特許法第29条第2項の規定違反について」の「ウ 本願補正発明と引用発明との対比」において記載したのと同様の対比の手法及び結果により、本願発明と引用発明は
「オートフォース時において、対象から反射された光を含む光学入力を受け取る工程と、
前記受け取った光学入力に基づいて、前記対象から反射された前記光の量を含む前記対象の輝度を決定する工程と、
前記光学入力が受け取られた際に実質的にリアルタイムに、前記決定した輝度に基づいて、オートフォーカス時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程と、
前記決定した輝度に基づいて、撮像時において、前記デバイスの光源の出力を調節する工程とを含む方法。」
の発明である点で一致し、また、「ウ 相違点」における「(ア)相違点1」及び「(イ)相違点2」に相当する相違点(すなわち、上記「(ア)相違点1」及び「(イ)相違点2」において「本願補正発明」を「本願発明」と置き換えたもの)のみで相違する。
そして、上記の相違点1及び相違点2については、それぞれ、上記「第2 平成24年8月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(4)当審の判断」の「ア」における「(ア)相違点1について」及び「(イ)相違点2について」で、検討したとおりであり、また、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものであることから、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-02-08 
結審通知日 2013-02-12 
審決日 2013-02-26 
出願番号 特願2009-535153(P2009-535153)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G03B)
P 1 8・ 121- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 辻本 寛司  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 土屋 知久
北川 清伸
発明の名称 補助光源照度制御  
代理人 木村 秀二  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康徳  
代理人 大塚 康弘  
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