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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1277399
審判番号 不服2012-12148  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-06-27 
確定日 2013-07-31 
事件の表示 特願2007-252931「ガスセンサの制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 4月23日出願公開、特開2009- 85649〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成19年(2007年)9月28日の出願(特願2007-252931号)であって、平成23年11月10日付けで拒絶理由が通知され、平成24年3月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願の請求項1に係る発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「固体電解質体に一対の電極を設けた検出セルおよび該検出セルを加熱するヒータを備えると共に、内燃機関の排気管に取り付けられるガスセンサに接続され、該検出セルが活性化温度以上になるように該ヒータに通電を行うセンサ活性化通電手段を備えるガスセンサの制御装置において、
前記検出セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
前記内燃機関の始動後に前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあるか否かを判定する凝縮水判定手段と、
凝縮水の飛水によって前記ガスセンサに割れが生じない飛水割れ発生温度領域の範囲内に前記検出セルの温度を維持させる電力で、前記ヒータへの通電を行うプレ通電手段と、
前記凝縮水判定手段にて前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあると判定したときは、前記プレ通電手段、前記センサ活性化通電手段の順に前記ヒータへの通電を行う第1ヒータ通電パターンに移行させる一方、該凝縮水判定手段にて該排気管内に凝縮水が発生する条件にないと判定したときには、該センサ活性化通電手段による該ヒータへの通電を行う第2ヒータ通電パターンに移行させる通電移行手段と、
前記センサ活性化通電手段による前記ヒータへの通電の開始から所定時間経過した時に、前記抵抗値検出手段にて検出した前記検出セルの抵抗値と異常しきい値とを比較して前記ガスセンサの異常の有無を診断する異常診断手段と、を備える
ことを特徴とするガスセンサの制御装置。」

第3 引用例
1 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-41923号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下記「2 引用例1に記載された発明の認定」において直接引用した記載に下線を付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素濃度検出装置に関し、特に、排気管壁面に付着した水分の飛散による空燃比センサの素子割れを防止する酸素濃度検出装置に関する。」

「【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平8-278279号公報開示の空燃比センサのヒータ制御装置において、機関の冷間始動時には、排気管内上流に設けられた触媒で凝縮した水分が排気管壁面に付着しており、機関の冷間始動時に空燃比センサを早期活性化するため電気的に加熱し空燃比センサの素子温度を高温にすると、排気管壁面に付着した水分が飛散し、排気管内触媒下流に配設された空燃比センサを囲むよう排気管に取付けられた保護カバーの小穴を通過して保護カバー内の空燃比センサ素子が被水し、空燃比センサ素子を急冷することになり、この結果ヒータ温度と空燃比センサの素子温度との温度差が急激に増大し、所謂サーマルショックによる空燃比センサの素子割れが生ずるという問題がある。
【0006】それゆえ、本発明は上記問題を解決し、機関の冷間始動時または始動前の空燃比のプレヒート時に、空燃比センサ素子の被水に起因したサーマルショックによる空燃比センサの素子割れを防止する酸素濃度検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決する本発明による酸素濃度検出装置は、内燃機関の排気管に設けられた空燃比センサと、該空燃比センサを加熱するヒータと、該空燃比センサが活性化温度になるように該ヒータを通電するヒータ通電手段と、を備えた酸素濃度検出装置において、前記排気管の壁面に水分が付着しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記排気管の壁面に水分が付着していると判断したとき、前記
ヒータ通電手段による前記ヒータへの通電を制限する通電制限手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】上記構成により、排気管壁面に水分が付着したと判断されたときヒータへの通電を制限するので、空燃比センサの素子の被水が防止され、サーマルショックによる素子割れが防止される。ここで、排気管壁面に水分が付着したときは、水分が付着している可能性が高いことを含む。上記酸素濃度検出装置において、前記判断手段が前記排気管の壁面に水分が付着していると判断したとき、前記内燃機関の排気の流速を抑制する流速抑制手段を備える。
【0009】上記構成により、排気の流速を抑制するので、排気管壁面に付着した水分の飛散が抑制され、空燃比センサの素子への被水が減少し、サーマルショックによる素子割れの確率が低下する。上記酸素濃度検出装置において、前記判断手段は、前記排気管の温度に基づいて、前記排気管の壁面に水分が付着しているか否かを判断する。
【0010】上記構成により、排気管の壁面に水分が付着するのは、排気管内の水蒸気が結露するからであり、これを排気管温度から判断するので、排気管壁面に水分が付着したことの判断の精度が向上する。」

「【0023】図4はヒータ制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンおよび図5、図6、図8、図9および図10に示すフローチャートの処理は所定の処理周期、例えば64ms毎に実行される。先ず、ステップ401では、イグニッションスイッチ(IGSW)46がオンかオフかを判別し、IGSW46がオンのときはステップ402に進み、IGSW46がオンのときは本ルーチンを終了する。
【0024】ステップ402?414の処理を簡単に説明する。空燃比センサ1の早期活性化のためバッテリ5からヒータ4への電力供給を開始し、ヒータ温度が所定温度に達するまでは始動時のデューティ制御にしたがって設定された電力をヒータ4に供給し(始動時DUTY制御)、ヒータ温度が所定温度に達するとヒータ温度に応じた電力をヒータ4に供給し(ヒータ上限抵抗F/B制御)、空燃比センサ1の温度が所定温度温度に達すると空燃比センサ1の素子温度に応じてセンサ素子2を活性状態に維持するための電力をヒータ4に供給する(素子温F/B制御)。次に、ステップ402?414の処理を個々に説明する。
【0025】ステップ402では、空燃比センサ1の素子直流インピーダンスZdcを算出する。このインピーダンスZdcは、センサ素子2に負の電圧Vneg を印加し、その時の電流Ineg を検出し、Zdc=Vneg /Ineg を算出して求める。一般に素子温が上昇するにつれて素子直流インピーダンスは減衰するという相関関係があり、例えばセンサ素子2が活性化温度700°Cのとき素子直流インピーダンスは30Ωである。」

「【0028】ステップ409では、ヒータ4への印加電圧Vn および電流In を検出する。ステップ410では、ヒータ4の抵抗Rh をRh =Vn /In から算出する。ステップ411では、ヒータ温度がヒータ4の耐熱限界温度1200°Cより所定温度だけ低いヒータ上限温度1020°Cに到達していないか否かを判定し、その判定結果がYESのときはステップ412に進み、ヒータ4にできるだけ大電力を供給する始動時DUTY制御を実行し、その判定結果がNOのときはステップ413に進み、ヒータ4をヒータ上限温度1020°Cに維持する制御を行う。ステップ412については図6を用いて、413については図8を用いて、後で詳細に説明する。ここで、ヒータ上限温度をヒータ4の耐熱限界温度に設定しないのはヒータ4の抵抗温度特性にばらつきがあるからである。ばらつきの中央値を用いるとヒータ上限温度1020°Cに相当するヒータ抵抗Rh は2.1Ωであり、ヒータ抵抗Rh が2.1Ωになるようにヒータ制御したとき、ヒータ温度のばらつきは870?1200°Cの範囲内に収まり、ヒータ4の耐熱限界温度を越えない。
【0029】ステップ414では、ステップ412、413で設定されたDUTY比に応じてヒータにバッテリ5の電圧を印加する。ここで、DUTY制御とは、ヒータ4にバッテリ5の電圧をオンオフする周期を、例えば100msとしたとき、DUTY比が20%のときはオン時間20msオフ時間80ms、DUTY比が50%のときはオン時間50msオフ時間50ms、DUTY比が100%のときはオン時間100msの各周期でヒータ4にバッテリ5の電圧を印加する制御を言う。次に、図4のステップ405、すなわち排気管温算出ルーチンについて、図5を用いて以下に説明する。」

「【0033】T_(EP)=α(T_(EA1) -T_(OA))
ここで、αは定数。次に、図4のステップ412、すなわち始動時DUTY制御について、図6を用いて以下に説明する。図6は一実施例に係る機関始動時のヒータ制御を示すフローチャートであり、図7はセンサ素子インピーダンスから素子温を算出するマップである。先ず、ステップ601では、機関の冷却水温THWを読込む。ステップ602では、空燃比センサの素子インピーダンスを検出する。この素子インピーダンスの検出は図4のステップ402同様、素子直流インピーダンスを検出してもよいが、ここでは次のように素子交流インピーダンスを検出する。
【0034】通常、センサ素子2には、例えば0.3(V)が印加されており、所定の周期毎に限界電流を検出し排気空燃比が算出される。交流インピーダンスZacは、所定の周期毎、例えば64ms毎にセンサ素子2に0.3±0.2(V)のパルス電圧を印加し、その時のセンサ素子2の電圧Vacと電流Iacを検出し、Zac=Vac/Iacを算出して求める。一般に素子交流インピーダンスは素子直流インピーダンスと同様に素子温が上昇するにつれて減衰するという相関関係がある。素子交流インピーダンスを検出する場合は、素子直流インピーダンスを検出する場合のようにセンサ素子2に負極性の電圧を印加する必要がないので、制御回路を簡素化できるという利点がある。
【0035】ステップ603では、今回処理周期の空燃比センサの素子温度T_(i) を図7に示すマップに基づきステップ602で検出したセンサ素子インピーダンスZacから素子温を算出する。ステップ604では、ステップ601で読込んだ冷却水温THWが0°C未満か否かを判別し、THW<0°Cのときは機関冷間時と判定し、すなわち排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性が高いと判断しステップ605に進み、THW≧0°Cのときは機関は暖機し排気管内壁面に付着した水の蒸発によるセンサ素子2の被水は生じないと判定してステップ606に進む。
【0036】ステップ605では、前回処理周期に算出した素子温度T_(i-1) から今回処理周期に算出した素子温度T_(i) を減算する(ΔT=T_(i-1) -T_(i) )。このΔTは空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いを示す。ステップ607では、ステップ606で算出した減算値ΔTが5°Cより大か否かを判別し、ΔT>5°Cのときはセンサ素子2が被水したまたはその可能性大と判定してステップ608に進み、ΔT≦5°Cのときはセンサ素子2は被水していないまたはその可能性小と判定してステップ606に進む。ステップ608では、上記減算値ΔT、すなわち空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが、基準値5°Cより大のとき前回処理周期と同じ電力をヒータ4に供給すると、センサ素子2の被水に起因するサーマルショックによりセンサ素子の素子割れが生じるので、これを阻止するためDUTY=0を設定する。一方、ステップ606では、センサ素子2の被水はないと判定されたので、センサ素子2の早期活性化のためヒータ4に全電力を供給するようにDUTY=100を設定する。
【0037】また、図6のステップ602、603で説明したように、空燃比センサの素子温度は空燃比センサの素子インピーダンスから算出するが、積層型空燃比センサについてはヒータとセンサ素子が近接しているので、ヒータの抵抗を検出してヒータ抵抗値からヒータの温度を算出して空燃比センサの素子温度を推定してもよい。
【0038】なお、ステップ608でDUTY=0に設定したが、ステップ608ではセンサ素子2の早期活性化のためセンサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給として、例えばDUTY=20に設定してもよい。次に、ステップ609?614について説明する。ステップ609?614は、センサ素子2が被水したと判定されてから通常の始動時DUTY制御に復帰するまでの時間の設定を行う。ステップ609では、センサ素子2が被水判定されたことを示すフラグF3がセットされているか否かを判別し、F3=1のときはステップ610に進み、F3=0のときはステップ611に進む。ステップ611ではフラグF3をセットする。
【0039】ステップ610では、F3=1にセットされてからの時間を計測するためのカウンタCをカウントアップする(C=C+1)。ステップ612では、F3=1にセットされて6400ms、すなわち6.4秒経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ613に進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ613では、F3をリセットし(F3=0)、ステップ614では、カウンタCをリセットする(C=0)。
【0040】上記ステップ609?614の処理により、センサ素子2が被水したと判定されてから6.4秒後に通常の始動時DUTY制御に復帰でき、センサ素子の被水が判定される毎に6.4秒間ヒータ4への通電は禁止される。次に、図4のステップ413、すなわちヒータ上限抵抗F/B制御について、図8を用いて詳細に説明する。」

「【図4】



「【図6】



2 引用例1に記載された発明の認定
【図6】には、ステップ604においてTHW(冷水温度)<0℃、かつ、ステップ607においてΔT(空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合い)>5℃の場合に、ステップ606でDUTY=100を設定し、ステップ604においてTHW≧0℃、または、ステップ607においてΔT≦5℃の場合に、ステップ608でDUTY=0を設定することが記載されており、また、【0038】に「ステップ608でDUTY=0に設定したが、ステップ608ではセンサ素子2の早期活性化のためセンサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給として、例えばDUTY=20に設定してもよい」と記載されているから、引用例1には、THW<0℃、かつ、ΔT>5℃の場合に、DUTY=100を設定し、THW≧0℃、または、ΔT≦5℃の場合に、DUTY=20を設定することが記載されているといえる。

よって、上記記載(図面の記載も含む)を総合すれば、
「内燃機関の排気管に設けられた積層型空燃比センサと、該空燃比センサを加熱するヒータと、該空燃比センサが活性化温度になるように該ヒータを通電するヒータ通電手段と、を備えた酸素濃度検出装置の制御における、
空燃比センサの早期活性化のためバッテリからヒータへの電力供給の開始時の、ヒータ温度が所定温度に達するまでの供給電力として設定された電力をヒータに供給する始動時デューティ制御ルーチンにおいて、
機関の冷却水温THWを読込み、
空燃比センサの素子インピーダンスZacを検出し、
今回処理周期の空燃比センサの素子温度T_(i) をセンサ素子インピーダンスZacから算出し、
冷却水温THWが0°C未満か否かを判別し、また、空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5℃より大か否かを判別し、
冷却水温THWが0°C未満(THW<0°C)かつ空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5°Cより大のとき、排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性が高く、前回処理周期と同じ電力をヒータに供給すると、センサ素子の被水に起因するサーマルショックによりセンサ素子の素子割れが生じるので、これを阻止するため、センサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給としてDUTY=20を設定し、
一方、THW≧0°Cまたは空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5°C以下のときは機関は暖機し排気管内壁面に付着した水の蒸発によるセンサ素子の被水は生じないと判定し、センサ素子の早期活性化のためヒータに全電力を供給するようにDUTY=100を設定する酸素濃度検出装置。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

3 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2000-121600号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)

「0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素濃度センサの異常の有無を診断する酸素濃度検出システムの異常診断装置に関するものである。」

「【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、積層型の酸素濃度センサを用いた酸素濃度検出システムにおいて、ヒータ印加電圧検出回路・電流検出回路を省いた低コストの回路構成で酸素濃度センサの異常診断を行うことができる酸素濃度検出システムの異常診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、積層型の酸素濃度センサを用いた酸素濃度検出システムにおいて、センサ素子の素子抵抗値を素子抵抗値検出手段により検出し、その素子抵抗値に基づいてヒータへの通電をヒータ制御手段で制御すると共に、素子抵抗値の変化に基づいて酸素濃度センサの異常の有無を異常診断手段により診断する。つまり、本発明は、センサ素子やヒータの断線、短絡等の異常が発生すると、素子抵抗値の変化がヒータの通電状況から予想される素子温度の変化とは異なる異常な挙動を示すことに着目し、素子抵抗値の変化に基づいて酸素濃度センサの異常診断を行うものである。これにより、ヒータ電力を検出しなくても、酸素濃度センサの異常診断を行うことが可能となり、ヒータ印加電圧検出回路・電流検出回路を省いた低コストの回路構成で酸素濃度センサの異常診断を行うことができる。しかも、積層型の酸素濃度センサを用いたシステムでは、前述したように、センサ素子の昇温過程でも、ヒータとセンサ素子の温度差が小さいため、ヒータ電力制御を行わなくても、素子抵抗値(素子温度)に基づいてヒータへの通電を制御することで、ヒータの過昇温を防止しながら、センサ素子を活性温度まで速やかに昇温させることができる。」

「【0015】
【発明の実施の形態】《実施形態(1)》以下、本発明を空燃比制御システムに適用した実施形態(1)を図1乃至図7に基づいて説明する。エンジンの排気管(図示せず)には、積層型の酸素濃度センサ11が設置されている。この酸素濃度センサ11は、限界電流式の酸素濃度センサ(空燃比センサとも呼ばれている)であり、排出ガス中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例する限界電流を発生する。この酸素濃度センサ11のセンサ素子12は、活性温度が高く(約600?700℃以上)、しかも、活性温度範囲が狭いため、排出ガスの熱のみでは、活性温度範囲を維持することが困難である。そこで、この酸素濃度センサ11には、ヒータ13を内蔵し、このヒータ13の発熱によりセンサ素子12の温度(素子温度)を活性温度範囲に維持するようにヒータ13への通電を制御する。ここで使用する積層型の酸素濃度センサ11は、ヒータ13とセンサ素子12との間の伝熱性を良くするために、ヒータ13をセンサ素子12に密着させるように積層したものである。」

「【0033】[ヒータ制御ルーチン]図4に示すヒータ制御ルーチンは、所定周期(例えば128ms周期)で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうヒータ制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、現在の素子抵抗値Zac(i) を前述した素子印加電圧の掃引により検出する。この機能が特許請求の範囲でいう素子抵抗値検出手段としての役割を果たす。そして、次のステップ102で、後述する図5の異常診断ルーチンを実行して、現在の素子抵抗値Zac(i) とその変化量ΔZacとに基づいて酸素濃度センサ11の異常診断を実行する。
【0034】この後、ステップ103で、素子温度を活性温度範囲に昇温・維持するためのヒータ13の通電率(ヒータデューティ)Dutyを次のようにして算出する。すなわち、ヒータ13の通電開始後、素子温度が比較的低い領域では、素子温度の上昇を促進して早期に活性化するために、ヒータデューティDutyを100%に設定し、ヒータ13の100%通電制御を実施する。」

「【0048】《実施形態(2)》次に、本発明の実施形態(2)を図8に基づいて説明する。前記実施形態(1)では、素子抵抗値変化量ΔZacが正常範囲外となったときに酸素濃度センサ11の異常有りと診断するようにしたが、図8に示す本発明の本実施形態(2)では、ヒータデューティが所定値以上である状態が所定時間継続した時の素子抵抗値を、その時点の素子抵抗値の正常範囲を考慮して予め設定した判定値と比較して酸素濃度センサ11の異常の有無を診断するようにしている。
【0049】つまり、酸素濃度センサ11が正常であれば、ヒータ13に比較的大きなデューティで通電し続けると、素子温度が上昇して素子抵抗値が低下する。従って、ヒータ13に比較的大きなデューティで通電し続けても、素子抵抗値が正常に低下しない場合には、例えばヒータの断線、接続不良等によるヒータ13の発熱不良や、素子抵抗値検出系の異常が考えられる。この観点から、本実施形態(2)では、ヒータデューティが所定値以上である状態が所定時間継続した時の素子抵抗値が判定値以下に低下しないときには、酸素濃度センサ11の異常有りと診断する。
【0050】このような本実施形態(2)の異常診断処理は、図8に示す異常診断ルーチンによって次のように実行される。まず、ステップ201で、ヒータ13の通電開始と同時に計時動作するタイマのカウント値から、ヒータ13の通電開始からの経過時間tを読み込み、次のステップ202で、ヒータ13の通電開始からの経過時間tが所定時間T(例えば10sec)以上になったか否かを判定する。もし、ヒータ13の通電開始からの経過時間tが所定時間T未満であれば、ステップ203に進み、異常発生フラグXFAILを「0」にリセットして本ルーチンを終了する。
【0051】その後、ヒータ13の通電開始からの経過時間tが所定時間Tに達した時点で、ステップ204に進み、ヒータデューティDutyが所定値D(例えば100%,90%,80%,70%等の適宜の値)以上か否かを判定する。通常、ヒータ13の通電開始直後は、素子温度が低いためにヒータデューティDutyが100%で制御されるため、所定時間T経過した時点で、ヒータデューティDutyが所定値D以上であれば、ヒータデューティDutyが所定値D以上の状態がヒータ13の通電開始から所定時間T以上継続していることになる。この場合には、ステップ205に進み、今回の素子抵抗値Zac(i) が判定値Z以上か否かを判定する。ここで、判定値ZはヒータデューティDutyが所定値D以上の状態がヒータ13の通電開始から所定時間T以上継続した時点における素子抵抗値の正常範囲の上限値よりも少し高い素子抵抗値(つまり製品ばらつきを考慮しても明らかに異常と思われる素子抵抗値、例えば500Ω)に設定されている。
【0052】従って、このステップ205で、素子抵抗値Zac(i) が判定値Z以上と判定された場合には、酸素濃度センサ11の異常が発生していると判断して、ステップ206に進み、異常発生フラグXFAILを「1」にセットする。
【0053】一方、ヒータ13の通電開始からの経過時間tが所定時間T経過する前に、ヒータデューティDutyが所定値Dより低下した場合、或は、ヒータデューティDutyが所定値D以上の状態がヒータ13の通電開始から所定時間T経過する前に素子抵抗値Zac(i) が判定値Zより小さくなった場合は、酸素濃度センサ11の異常が検出されないと判断して本ルーチンを終了する。
【0054】以上説明した本実施形態(2)においても、前記実施形態(1)と同じく、ヒータ印加電圧検出回路・電流検出回路を省いた低コストの回路構成で酸素濃度センサ11の異常診断を行うことができる。
【0055】尚、本実施形態(2)では、ヒータデューティが所定値以上である状態が所定時間継続した時の素子抵抗値を判定値と比較して酸素濃度センサ11の異常診断を行うようにしたが、ヒータ13の通電開始から所定時間継続した時の素子抵抗値を、その時点の素子抵抗値の正常範囲を考慮して予め設定した判定値と比較して酸素濃度センサ11の異常の有無を診断するようにしても良い。」

「【図8】



第4 本願発明と引用発明の対比、及び、当審の判断
1 ここで、本願発明と引用発明を対比する。

(1)引用発明の「積層型空燃比センサ」は、技術常識から「固体電解質体に一対の電極を設けた」構造のものといえるから、本願発明の「固体電解質体に一対の電極を設けた検出セル」に相当する。

(2)引用発明の「該空燃比センサを加熱するヒータ」が、本願発明の「該検出セルを加熱するヒータ」に相当する。

(3)引用発明の「空燃比センサが」が「内燃機関の排気管に設けられ」ることが、本願発明の「ガスセンサ」が「内燃機関の排気管に取り付けられる」ことに相当する。

(4)引用発明の「該空燃比センサが活性化温度になるように該ヒータを通電するヒータ通電手段」が、本願発明の「該検出セルが活性化温度以上になるように該ヒータに通電を行うセンサ活性化通電手段」に相当する。

(5)引用発明の「酸素濃度検出装置の制御」の手段が、本願発明の「ガスセンサの制御装置」に相当する。

(6)引用発明の「空燃比センサの素子インピーダンスZacを検出」する手段が、本願発明の「前記検出セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段」に相当する。

(7)引用発明の「始動時デューティ制御ルーチン」における「冷却水温THWが0°C未満か否かを判別し、また、空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5℃より大か否かを判別」する手段は、「排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性」すなわち「センサ素子2の被水に起因するサーマルショックによりセンサ素子の素子割れが生じる」可能性を判定する手段であるから、本願発明の「前記内燃機関の始動後に前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあるか否かを判定する凝縮水判定手段」に相当する。

(8)引用発明の「センサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給としてDUTY=20を設定」する手段が、本願発明の「凝縮水の飛水によって前記ガスセンサに割れが生じない飛水割れ発生温度領域の範囲内に前記検出セルの温度を維持させる電力で、前記ヒータへの通電を行うプレ通電手段」に相当する。

(9)引用発明の「冷却水温THWが0°C未満(THW<0°C)かつ空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5°Cより大のとき、排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性が高く、前回処理周期と同じ電力をヒータに供給すると、センサ素子の被水に起因するサーマルショックによりセンサ素子の素子割れが生じるので、これを阻止するため、センサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給としてDUTY=20を設定し」、その後に、「THW≧0°Cまたは空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5°C以下のときは機関は暖機し排気管内壁面に付着した水の蒸発によるセンサ素子の被水は生じないと判定し、センサ素子の早期活性化のためヒータに全電力を供給するようにDUTY=100を設定する」ことが、本願発明の「前記凝縮水判定手段にて前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあると判定したときは、前記プレ通電手段、前記センサ活性化通電手段の順に前記ヒータへの通電を行う第1ヒータ通電パターンに移行させる」(通電移行手段を備える)ことに相当する。

(10)引用発明の「THW≧0°Cまたは空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが5°C以下のときは機関は暖機し排気管内壁面に付着した水の蒸発によるセンサ素子の被水は生じないと判定し、センサ素子の早期活性化のためヒータに全電力を供給するようにDUTY=100を設定する」ことが、本願発明の「該凝縮水判定手段にて該排気管内に凝縮水が発生する条件にないと判定したときには、該センサ活性化通電手段による該ヒータへの通電を行う第2ヒータ通電パターンに移行させる」(通電移行手段を備える)ことに相当する。

2 一致点
したがって、本願発明と引用発明とは、
「固体電解質体に一対の電極を設けた検出セルおよび該検出セルを加熱するヒータを備えると共に、内燃機関の排気管に取り付けられるガスセンサに接続され、該検出セルが活性化温度以上になるように該ヒータに通電を行うセンサ活性化通電手段を備えるガスセンサの制御装置において、
前記検出セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
前記内燃機関の始動後に前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあるか否かを判定する凝縮水判定手段と、
凝縮水の飛水によって前記ガスセンサに割れが生じない飛水割れ発生温度領域の範囲内に前記検出セルの温度を維持させる電力で、前記ヒータへの通電を行うプレ通電手段と、
前記凝縮水判定手段にて前記排気管内に凝縮水が発生する条件にあると判定したときは、前記プレ通電手段、前記センサ活性化通電手段の順に前記ヒータへの通電を行う第1ヒータ通電パターンに移行させる一方、該凝縮水判定手段にて該排気管内に凝縮水が発生する条件にないと判定したときには、該センサ活性化通電手段による該ヒータへの通電を行う第2ヒータ通電パターンに移行させる通電移行手段と、
を備えるガスセンサの制御装置。」の発明である点で一致し、次の点で相違する。

3 相違点
本願発明においては「センサ活性化通電手段によるヒータへの通電の開始から所定時間経過した時に、抵抗値検出手段にて検出した検出セルの抵抗値と異常しきい値とを比較してガスセンサの異常の有無を診断する異常診断手段」とを備えるのに対して、引用発明の上記の異常診断手段を備えない点。

4 当審の判断
(1)相違点の検討
引用例2には、素子抵抗値(検出セルの抵抗値)を判定値(異常しきい値)と比較して異常診断をするものが記載されている。そして、引用例2の【0051】?【0053】の記載から、引用例2には、ヒータ13の通電開始直後、ヒータデューティDutyが100%で制御され始めた後、ヒータデューティDutyが所定値Dより低下することなく所定値D以上の状態がヒータ13の通電開始から所定時間T以上継続している場合に、素子抵抗値Zac(i) が判定値Z以上と判定された場合には、酸素濃度センサ11の異常が発生していると判断する異常診断手段、すなわち、「センサ活性化通電手段によるヒータへの通電の開始から所定時間経過した時に、抵抗値検出手段にて検出した検出セルの抵抗値と異常しきい値とを比較してガスセンサの異常の有無を診断する異常診断手段」が記載されているといえる。
ここで、一般に、センサには種々の原因で異常が生じることがあり、センサに異常診断手段を付加することは種々のセンサにおいて慣用されている周知の技術であり、ガスセンサにおいても、異常が生じた場合に速やかに対応するために異常診断手段を付加することは自明の技術課題であるといえるから、引用発明においても、上記の引用例2に記載された異常診断手段を採用して、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことにすぎない。

(2)そして、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び引用例2に記載された発明から当業者が予測し得る程度のものである。

(3)まとめ
したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)審判請求書における請求人の主張について
ア 上記の点について審判請求人は、
「図8のフローチャートを参照するに、確かに、ヒータデューティDutyが所定値D以上であると判定されたとき(ステップ204:YES)、検出セルの抵抗値(素子抵抗値)と異常しきい値Zとを比較してガスセンサの異常の有無を診断する旨が記載されています。しかしながら、この図8では、ステップ204の前処理(前段階)のステップ202として、「ヒータの通電開始からの経過時間tが一定時間(所定時間)T以上であるか否かを判定する」処理が存在しています。
つまり、引用文献2の図8のフローチャートには、「ヒータデューティが所定値以上である状態が所定時間継続した時に、ガスセンサの異常の有無を診断する技術」が記載されているのではありません。当該図8には、「ヒータの通電開始からの経過時間が一定時間(所定時間)以上である状態で、ヒータデューティが(一度でも)所定値以上となったときに、ガスセンサの異常の有無を診断する技術」が記載されているのであって、審査官殿の引用文献2(図8のフローチャートの記載)に対する認定は、不当であると思料します。
そのため、引用文献2に記載の技術(即ち、図8に記載のフローチャート)を引用文献1に記載されたガスセンサの制御装置に適用したところで、引用文献2が“ヒータの通電開始から経過時間tの計測を行うことを前提にした構成(技術的な思想)を有する”以上、プレ通電が実行された場合には、プレ通電の開始がヒータの通電開始に該当し、プレ通電が実行されない場合には、センサ活性化通電の開始がヒータの通電開始に該当することになります。
そして、審査官殿が指摘されるようにセンサ活性化通電の方がプレ通電よりも高いヒータデューティ比にあることを想定すると、「プレ通電の開始からの経過時間tが所定時間Tを経過した状態で、ヒータデューティが所定値D以上であると判定されるタイミング」と、「(プレ通電を経ずに)センサ活性化通電の開始からの経過時間tが所定時間Tを経過した状態で、ヒータデューティが所定値D以上であると判定されるタイミング」は、センサ活性化通電の開始タイミングを基点にして比較したときに、当然に異なったタイミングになります。言い換えると、センサ活性化通電の開始から所定時間Tを経過したタイミングではなく、「プレ通電の開始からの経過時間tが所定時間Tを経過した状態で、ヒータデューティが所定値D以上であると判定されるタイミング」は、検出セルの抵抗値が正常であれば十分に低下するタイミングになっていません。
してみれば、引用文献1に記載された発明に引用文献2に記載された技術を適用したとしても、本願発明の明細書の段落[0006]に記載した課題(問題点)を有する構成になり得るだけであり、引用文献1および引用文献2の記載に基づいて、上記課題(問題点)を解決する構成を有する本願請求項1に係る発明(ガスセンサの制御装置)を、当業者が容易に想到することは到底できるものではありません。 」
と主張する。

イ しかしながら、引用例2の【0051】には「通常、ヒータ13の通電開始直後は、素子温度が低いためにヒータデューティDutyが100%で制御されるため、所定時間T経過した時点で、ヒータデューティDutyが所定値D以上であれば、ヒータデューティDutyが所定値D以上の状態がヒータ13の通電開始から所定時間T以上継続していることになる。」と記載され、また、【0053】には「ヒータ13の通電開始からの経過時間tが所定時間T経過する前に、ヒータデューティDutyが所定値Dより低下した場合、・・・(省略)・・・は、酸素濃度センサ11の異常が検出されないと判断して本ルーチンを終了する。」と記載されていることから、【図8】における「ヒータの通電開始からの経過時間t」は、ヒータデューティDutyが100%で制御されて開始した通電が所定値以下のヒータデューティDutyに低下することなく継続した時間であるといえる。
よって、請求人の「当該図8には、『ヒータの通電開始からの経過時間が一定時間(所定時間)以上である状態で、ヒータデューティが(一度でも)所定値以上となったときに、ガスセンサの異常の有無を診断する技術』が記載されているのであって、審査官殿の引用文献2(図8のフローチャートの記載)に対する認定は、不当であると思料します。 」とする主張は、引用例2の上記記載に矛盾する主張であり、採用することができない。

ウ また、請求人の「(本願発明において)プレ通電が実行された場合には、(本願発明の)プレ通電の開始が(引用発明の)ヒータの通電開始に該当」する旨の主張については、引用例2の【0051】の記載から「(引用発明の)ヒータの通電開始」は「ヒータデューティDutyが100%で制御される」ような高いヒータデューティDutyでの通電の開始が想定されるものであることが明らかであるといえるから、本願発明においてプレ通電が実行された場合においても、本願発明のセンサ活性化通電の開始が引用発明のヒータの通電開始に相当すると解するのが正解であるといえる。
よって、請求人の上記主張は引用例2の記載を誤解したものであり、採用することができない。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 結言
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-05-23 
結審通知日 2013-05-28 
審決日 2013-06-11 
出願番号 特願2007-252931(P2007-252931)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大竹 秀紀  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 信田 昌男
藤田 年彦
発明の名称 ガスセンサの制御装置  
代理人 青木 昇  

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