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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1278838
審判番号 不服2012-9381  
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-21 
確定日 2013-09-04 
事件の表示 特願2007- 2879「印刷システム、印刷装置及び印刷方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 8月23日出願公開、特開2007-213566〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.経緯
本願は、平成19年1月10日(優先権主張平成18年1月13日)の出願であって、平成23年11月29日付けの拒絶理由通知に対し、平成24年1月31日に意見書及び手続補正書の提出がなされたが、平成24年2月16日付けで、拒絶査定がなされ、同年5月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、平成24年1月31日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「情報処理装置と、複数ページの印刷データを前記情報処理装置から受信して前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを含む印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記複数ページのうちの第1のページ群に対応する第1の印刷処理条件と、前記複数ページのうちの第2のページ群に対応する第2の印刷処理条件とをそれぞれ設定可能な設定手段と、
前記複数ページの印刷データと前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を前記印刷装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記第1のページ群と前記第2のページ群は、前記複数ページのうちのそれぞれ異なる複数のページを含み、
前記印刷装置は、
前記送信手段が送信した前記印刷データと前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を受信する受信手段と、
前記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第1の印刷処理条件を前記第1のページ群について変更し、前記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第2の印刷処理条件を前記第2のページ群について変更する変更手段と、
前記第1の印刷処理条件に基づいて前記第1のページ群に含まれる複数のページの印刷処理を実行し、前記第2の印刷処理条件に基づいて前記第2のページ群に含まれる複数のページの印刷処理を実行する印刷手段と、を備える、
ことを特徴とする印刷システム。」

3.引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された特開2003-280871号公報(平成15年10月2日出願公開。以下、「引用例」という。)には、以下の記載がある。

「【0002】
【従来の技術】プリントデータの出力指示に従ってプリントデータに画像処理を施して出力画像を生成し、出力指示の出力条件に従って出力する画像記録装置として、シングルカセット又はマルチカセットを有するカラー又はモノクロプリンタが提案されている。
【0003】この種のプリンタでは、電子ドキュメントを画像として出力する場合、電子ドキュメントの解像度や紙種、出力部数等の出力条件を指定することができる。
【0004】ユーザーにより電子ドキュメントの内容や用途に応じた出力条件が決定されると、出力条件がプリントジョブとして認識されると共に、プリンタの設定がプリントジョブに従って変更され、プリンタは出力条件に合わせて電子ドキュメントのプリントデータに画像処理を施して出力する。
【0005】また、出力条件はプリントジョブ単位で設定可能となっており、1つのプリントジョブでは1つの出力条件が設定可能である。
【0006】例えば、出力したい電子ドキュメントに写真のみのページや文字のみのページが混在し、写真のみのページは光沢紙にカラープリントし、文字のみのページは上質の普通紙にモノクロプリントしたい場合、写真のみのページをまとめて1つのプリントジョブを作成し、さらに文字のみのページをまとめて1つのプリントジョブを作成して、1つの電子ドキュメントを2つのプリントジョブに分けて出力する。
【0007】また、複数ページからなる1つの電子ドキュメントを製本する場合、表紙は厚手のコート紙等を用いてカラープリントし、中身は上質の普通紙を用いてモノクロ印刷し、写真等の中綴じ部分は光沢紙等を用いてカラープリントするなど、ページ毎に異なる出力条件で出力したい場合も、同じ出力条件で出力したいページを1つのプリントジョブにまとめ、複数のプリントジョブとして出力している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように1つの電子ドキュメントを複数のプリントジョブに分割して出力すると、出力指示を何度も行なう必要があった。
【0009】また、当該出力を製本する場合など、出力されたバラバラの電子ドキュメントを並び替えることにより、1つの電子ドキュメントを再構築してから製本する必要があり、並べ替えを行なう手間を惜しむとさらに多くのプリントジョブに分割する必要があった。
【0010】この複数回にわたる出力指示及び電子ドキュメントの再構築の作業は手間と時間がかかり、煩雑で面倒である。
【0011】また、電子ドキュメントの再構築にあっては、作業ミスが発生することがしばしばあった。
【0012】さらに、出力エラーや再出力の場合には再び複数のプリントジョブを作成する必要があり、プリントジョブの管理が複雑となっていた。
【0013】本発明は上記事実を考慮し、出力条件の異なるページが混在する1つの電子ドキュメントを容易かつ迅速に出力することができる画像記録装置を提供することが目的である。」

「【0029】
【発明の実施の形態】図1には、本実施の形態に係るカラープリンタ10の装置構成が示されている。
【0030】本実施の形態では、カラープリンタ10は電子ドキュメントを編集する編集用PC/MAC11及び出力条件指示部13と接続されている。
【0031】カラープリンタ10は、出力する電子ドキュメントに画像処理を施して出力画像を生成する画像処理部14と、出力画像を出力する印刷機構12と、プリントジョブに従って印刷機構12を制御する出力制御部16と、を含んで構成されており、印刷機構12には用紙を収容する用紙カセットとして、コート紙用用紙カセット18及び上質紙用用紙カセット20が備えられている。
【0032】図2には、カラープリンタ10の機能のブロック図が示されている。
【0033】カラープリンタ10は、電子ドキュメントのプリントデータを取り込むためのインタフェース(以下、「I/F」という。)32と、電子ドキュメントのプリントジョブを作成する出力条件指示部30と、外部から電子ドキュメントのプリントジョブを作成可能な外部出力条件指示部13と、プリントジョブの指示データを解析して記憶するデータ解析部26と、指示データに従ってプリントデータの各ページに画像処理を施して出力画像を生成する画像処理部14と、用紙に出力画像を記録する印刷機構12と、指示データに従って印刷機構12を制御する出力制御部16と、を備える。
【0034】また、印刷機構12には、コート紙を収容する用紙カセット18及び上質紙を収容する用紙カセット20が設けられており、指示データに従って選択的に用いられる。
【0035】さらに、カラープリンタ10全体を制御するメイン制御部34により、上記各部の動作が制御されている。
【0036】メイン制御部34は、I/F32から電子ドキュメントのプリントデータを取り込み、出力条件指示部34で電子ドキュメントのプリントジョブを作成し、指示データをデータ解析部26で解析して一時記憶する。一方、指示データに従って画像処理部14で各ページに画像処理を施して出力画像を生成し、出力制御部16で出力画像に関する指示データに従って印刷機構12を制御し、印刷機構12で画像を記録する。
【0037】外部出力条件指示部13では、モニタ(図示省略)に表示される出力条件の作成画面に基づいて出力条件を作成するGUI(Graphical User Interface)機能を用いており、図3には、出力条件の作成画面(以下、「印刷画面」という。)の一例が示されている。
【0038】この印刷画面では、プリンタ、印刷範囲、印刷部数、用紙等、出力に関する設定を指定する欄が表示されると共に、各ページ毎の出力条件の設定を有効にするか否かを選択する欄が表示されるようになっている。
【0039】印刷範囲欄では、「すべて」項目が選択(項目先頭の白丸内に黒丸が表示)されている場合は電子ドキュメント全体を出力する設定であり、電子ドキュメントの一部を出力したいときは「ページ指定」項目を選択し、項目の後方の欄に出力したいページ番号を入力する。
【0040】印刷部数欄では、数字を入力することで出力部数を指定でき、複数ページを複数部出力する場合など、後で順番を並べ替えなくても済むように、部単位で印刷するように出力順番を指定することができる。
【0041】プリンタ欄では、現在のカラープリンタ10の名称が表示されると共に、印刷のカラーモードを選択するためのチェックボックス及び「プロパティ」ボタンが表示されるようになっている。
【0042】プロパティボタンを選択すると、プリンタのプロパティ画面(図示省略)が表示され、解像度や各処理の詳細な出力条件が設定可能である。
【0043】用紙欄では、用紙のサイズ、用紙トレイの種類、用紙の種類を選択することができるようになっており、用紙のサイズ及び用紙の種類を選択すると、該当する用紙トレイ18又は20を自動的に選択するようになっている。
【0044】また、用紙トレイの種類は、用紙トレイ18、20及び自動から選択可能になっており、トレイの種類18又は20が選択されている場合は指定されたトレイから給紙し、自動が選択されている場合は、前述した用紙のサイズ及び用紙の種類の欄で選択されている用紙トレイを自動で選択する。
【0045】各ページ毎の設定欄の「ON」項目が選択されている(項目先頭の白丸内に黒丸が表示されている)状態では、「各ページ毎の設定」ボタンが選択可能であり、該「各ページ毎の設定」ボタンを選択すると図4に示すような各ページ毎の設定画面が表示される。
【0046】各ページ毎の設定画面では、プリンタのカラーモード、画像処理、解像度、紙種、用紙のサイズの項目について各ページ毎に設定でき、各項目の図4右端に表示されたコンボボックスを選択して表示されるプルダウンメニューの中から選択するようになっている。
【0047】ここで、「各ページ毎の設定」を「ON」とすると、「プリンタ」欄と同一の項目について、「プリンタ」欄で選択された内容と「各ページ毎の設定」で選択された内容が異なる場合は、「各ページ毎の設定」で選択された設定が優先的に採用される。例えば、「プリンタ」欄ではカラーモードがモノクロ設定となっていても、各ページ毎の設定でカラー設定を選択した場合はカラー設定で出力される。
【0048】また、プリンタのプロパティで面付けや両面印刷の設定をした場合、1枚の用紙に電子ドキュメントの複数のページが印刷されるため、同一の用紙に印刷されるページの設定については同一の設定とする必要がある。
【0049】例えば、図5(A)に示すように電子ドキュメントを両面印刷で出力し、重ねて中央を綴じて(B)に示すような冊子を作成する場合、1枚の用紙に印刷されるページ(図5(B)のP1、P2、P15、P16)については、用紙の設定が同一であることが必要であり、同じ面に印刷されるページ(図5(B)のP1、P16)については、同じ出力条件である必要がある。
【0050】そこで、各ページ毎の設定画面終了時に、このような関連ページの出力条件の設定に整合性がない場合は、エラーメッセージを表示するようにしており、例えば1枚の用紙に印刷されるページ同士で紙種の設定が同一の設定となっていない場合は、図6に示すように紙種の再設定を促すエラーメッセージを表示する。
【0051】このようにして外部出力条件指示部13で作成されたプリントジョブは、カラープリンタ10に設けられた出力条件指示部30により変更することが可能である。
【0052】出力条件指示部30によってプリントジョブを変更する場合、カラープリンタ10に設けられたモニタ(図示省略)に表示されるジョブキュー(図7参照)でジョブ内容を変更したいプリントジョブを選択し、ツールバー50に表示されたアイコンの中から編集用アイコン52を選択する。
【0053】このとき、RIP(Raster Image Processor)処理停止ボタン54を押下して、カラープリンタに入力されたジョブのプリントを停止しておく必要がある。
【0054】編集用アイコン52を選択すると、モニタには図8に示されるような出力条件の作成画面が表示され、GUI機能によりプリントジョブの内容を変更する。
【0055】この出力条件の作成画面では、上記外部出力条件指示部13の印刷画面に加え、面付けの指示が可能であり、両面印刷機能を使用するか否か、及び面付けパターンを指示することができる。
【0056】また、このプリントジョブの内容の変更は、一旦プリント完了したジョブに対しても行うことができる。この場合は、ジョブキューでプリントジョブを選択、内容変更後、ジョブキューのツールバー50に表示されたアイコンの中から再出力用アイコン56を選択することで電子ドキュメントは変更後のプリントジョブに基づいて出力される。」

ここで、上記記載事項を関連図面と技術常識に照らせば、以下のことがいえる。
(1)引用例の図1、2に示されるシステムは、編集用PC/MAC11と、外部出力条件指示部13と、カラープリンタ10とを含む印刷システムである。
(2)段落【0029】?【0036】及び図2の記載等からみて、上記カラープリンタ10は、複数ページの印刷データを上記編集用PC/MAC11から受信して前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する機能を有するものである。
(3)段落【0045】?【0047】、【0051】及び図2の記載等からみて、上記外部出力条件指示部13は、上記複数ページのうちの第1のページに対応する第1の印刷処理条件と、上記複数ページのうちの上記第1のページとは異なる第2のページに対応する第2の印刷処理条件とをそれぞれ設定し、上記カラープリンタへ送信する機能を有するものである。そして、その設定する機能をつかさどる部分は、「設定手段」と呼び得、送信する機能をつかさどる部分は「送信手段」と呼び得る。
(4)段落【0029】?【0036】及び図2の記載等からみて、上記編集用PC/MAC11は、上記複数ページの印刷データを前記カラープリンタへ送信する機能を有しており、その送信する機能をつかさどる部分も「送信手段」と呼び得る。
(5)段落【0029】?【0036】及び図2の記載等からみて、上記カラープリンタ10は、上記編集用PC/MAC11の送信手段が送信した印刷データと上記外部出力条件指示部の送信手段が送信した第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件を受信する機能を有しており、その受信する機能をつかさどる部分は「受信手段」と呼び得る。
(6)段落【0051】、【0052】の記載等からみて、上記カラープリンタ10に設けられる出力条件指示部30は、上記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、該第1の印刷処理条件を第1のページについて変更し、上記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、該第2の印刷処理条件を第2のページについて変更する機能を有するものである。
(7)段落【0045】?【0047】、【0051】及び図2の記載等からみて、上記カラープリンタ10は、上記第1の印刷処理条件に基づいて第1のページの印刷処理を実行し、上記第2の印刷処理条件に基づいて第2のページの印刷処理を実行する機能を有しており、その印刷処理を実行する機能をつかさどる部分は、「印刷手段」と呼び得る。

してみると、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「編集用PC/MACと、外部出力条件指示部と、複数ページの印刷データを前記編集用PC/MACから受信して前記印刷データに基づいて印刷処理を実行するカラープリンタとを含む印刷システムであって、
前記外部出力条件指示部は、
前記複数ページのうちの第1のページに対応する第1の印刷処理条件と、前記複数ページのうちの第2のページに対応する第2の印刷処理条件とをそれぞれ設定可能な設定手段と、
前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を前記カラープリンタへ送信する送信手段と、を備え、
前記第1のページと前記第2のページは、前記複数ページのうちのそれぞれ異なるページであり、
前記編集用PC/MACは、前記複数ページの印刷データを前記カラープリンタへ送信する送信手段を備え、
前記カラープリンタは、
前記編集用PC/MACの送信手段が送信した前記印刷データと前記外部条件指示部の送信手段が送信した前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を受信する受信手段と、
前記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第1の印刷処理条件を前記第1のページについて変更し、前記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第2の印刷処理条件を前記第2のページについて変更する出力条件指示部と、
前記第1の印刷処理条件に基づいて前記第1のページの印刷処理を実行し、前記第2の印刷処理条件に基づいて前記第2のページの印刷処理を実行する印刷手段と、を備える、
印刷システム。」

4.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
(1)引用発明の「編集用PC/MAC」と「外部出力条件指示部」を併せた部分と本願発明の「情報処理装置」とは、「情報処理機能部」とも呼び得る部分である点で共通する。
(2)引用発明の「カラープリンタ」は、本願発明の「印刷装置」に相当する。
(3)引用発明の「外部出力条件指示部」の「設定手段」と本願発明の「情報処理装置」の「設定手段」は、「相互に異なるページについての第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件とを設定可能な設定手段」である点で共通する。
(4)引用発明の「出力条件指示部」と本願発明の「変更手段」は、「前記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第1の印刷処理条件をそれが設定されたページについて変更し、前記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第2の印刷処理条件をそれが設定されたページについて変更する変更手段」である点で共通する。
(5)引用発明の「印刷手段」と本願発明の「印刷手段」は、「前記第1の印刷処理条件に基づいてそれが設定されたページの印刷処理を実行し、前記第2の印刷処理条件に基づいてそれが設定されたページの印刷処理を実行する印刷手段」である点で共通する。

したがって、本願発明と引用発明の間には、以下の一致点、相違点があるといえる。
〈一致点〉
「情報処理機能部と、複数ページの印刷データを前記情報処理機能部から受信して前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを含む印刷システムであって、
情報処理機能部は、
前記複数ページのうちの相互に異なるページについての第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件とを設定可能な設定手段と、
前記複数ページの印刷データと前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を前記印刷装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記印刷装置は、
前記送信手段が送信した前記印刷データと前記第1の印刷処理条件と前記第2の印刷処理条件を受信する受信手段と、
前記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第1の印刷処理条件をそれが設定されたページについて変更し、前記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第2の印刷処理条件をそれが設定されたページについて変更する変更手段と、
前記第1の印刷処理条件に基づいてそれが設定されたページの印刷処理を実行し、前記第2の印刷処理条件に基づいてそれが設定されたページの印刷処理を実行する印刷手段と、を備える、
ことを特徴とする印刷システム。」である点。

〈相違点1〉
本願発明の「情報処理機能部」は、単一の「情報処理装置」であるのに対し、引用発明の「情報処理機能部」は単一の「情報処理装置」ではなく、「編集用PC/MAC」と「外部出力条件指示部」からなるものである点。
〈相違点2〉
本願発明の印刷システムは、第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件を相互に異なる「ページ群」に対応付けるもの、具体的には、その「設定手段」が、「前記複数ページのうちの第1のページ群に対応する第1の印刷処理条件と、前記複数ページのうちの第2のページ群に対応する第2の印刷処理条件とをそれぞれ設定可能」なものであり、「変更手段」が、「前記第1の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第1の印刷処理条件を前記第1のページ群について変更し、前記第2の印刷処理条件の変更が指示されれば、前記第2の印刷処理条件を前記第2のページ群について変更する」ものであり、「印刷手段」が、「前記第1の印刷処理条件に基づいて前記第1のページ群に含まれる複数のページの印刷処理を実行し、前記第2の印刷処理条件に基づいて前記第2のページ群に含まれる複数のページの印刷処理を実行する」ものであるのに対し、引用発明の印刷システムは、第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件を相互に異なる「ページ群」に対応付けるものではなく、「ページ」に対応付けるものである点。

5.判断
(1)〈相違点1〉について
情報を扱う装置一般において、複数の機能を一つの装置に集約して行わせることは、本願出願前の慣用手段であるし、印刷データの送信機能と印刷処理条件の設定・送信機能を同一の装置に担わせることも、平成23年11月29日付けの拒絶理由通知に刊行物2として引用された特開2004-126871号公報の図1等にも示されるように、ごく普通に行われていることである。また、引用発明の「編集用PC/MAC」と「外部出力条件指示部」を1つの装置に集約させることができない理由もない。
してみれば、引用発明の「情報処理機能部」を単一の「情報処理装置」とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

(2)〈相違点2〉について
以下の事情を考慮すると、引用発明の印刷システムを、第1の印刷処理条件と第2の印刷処理条件を相互に異なる「ページ群」に対応付けるものとすること、換言すれば、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
ア.印刷処理条件を複数のページからなるページ群に対応付けて設定することができるようにすること(以下、「周知技術A」という。)は、本願明細書中に【特許文献2】として引用されている特開平7-134707号公報の段落【0028】等や、上記特開2004-126871号公報の【0049】等にも示されるように周知である。
イ.引用発明においても、上記周知技術Aが有用であることは、引用例の段落【0002】?【0013】に示される引用発明が解決しようとした課題に照らし明らかである。
ウ.引用発明の「設定手段」に上記周知技術Aを採用する場合に、引用発明の「出力条件指示部」における「変更する」処理や「印刷手段」における「印刷処理」についても、「ページ群」ごとに行えるようにすべきことは当然のことである。
エ.引用発明に、上記相違点2に係る本願発明の構成を採用することに対する阻害要因はない。

(3)本願発明の効果について
本願発明の構成によりもたらされる効果は、引用例の記載事項および周知の事項から当業者が容易に予測し得る程度のものであって、本願発明の進歩性を根拠付けるものではない。

(4)まとめ
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-07-09 
結審通知日 2013-07-12 
審決日 2013-07-23 
出願番号 特願2007-2879(P2007-2879)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 正明  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 山田 正文
清水 稔
発明の名称 印刷システム、印刷装置及び印刷方法  
代理人 下山 治  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康弘  
代理人 大塚 康徳  
代理人 木村 秀二  
代理人 永川 行光  
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