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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A01N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A01N
管理番号 1279102
審判番号 不服2011-27539  
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-21 
確定日 2013-09-12 
事件の表示 特願2007-527875「活性増強アルコール系抗菌性組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成18年3月2日国際公開,WO2006/023349,平成20年4月10日国内公表,特表2008-510699〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この出願(以下「本願」ともいう。)は,2005年8月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年8月20日 米国(US))を国際出願日とする出願であって,以降の手続の経緯は,以下のとおりのものである。

平成19年 4月16日 特許協力条約第19条補正の翻訳文
平成19年 6月29日 手続補正書
平成22年 9月22日付け 拒絶理由通知書
平成22年12月22日 意見書・手続補正書
平成23年 8月24日付け 拒絶査定
平成23年12月21日 審判請求書・手続補正書
平成24年 9月24日付け 審尋
平成24年12月 3日 回答書

第2 平成23年12月21日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成23年12月21日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正
平成23年12月21日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は,以下に記載するように,特許請求の範囲の請求項1,7及び10を補正するものである。

(補正前)
「【請求項1】抗菌性を有しかつカチオン性セルロースポリマーを含有しない組成物であって、前記組成物の100重量部に基づいて、
30?60部未満の炭素数が1?8である脂肪族アルコール、
0.5?5.0部の、少なくとも1つのフェニル基と、該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコール、
0.0125?0.5部のカチオン性基質結合活性増強物質、ここで前記カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせである、および
33?65部の水と、
を含んでなる前記組成物。
【請求項2】?【請求項6】(略)
【請求項7】前記脂肪族アルコールがプロパノール、イソプロピルアルコール、エタノールまたはこれらの組み合わせであり、そして前記芳香族アルコールがフェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノールまたはこれらの組み合わせである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】?【請求項9】(略)
【請求項10】抗菌性組成物を形成するための方法であって、
前記組成物の100重量部に基づいて33?65部の水を容器に入れる工程、
前記水に、カチオン性基質結合活性増強物質を、前記組成物の100重量部に基づいて0.0125?0.5部の量で添加する工程、ここで前記カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせである、
前記組成物に、少なくとも1つのフェニル基と、該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコールを、前記組成物の100重量部に基づいて0.5?5.0部の量で添加する工程、
前記組成物に、炭素数1?8の脂肪族アルコールを、前記組成物の100重量部に基づいて30?58部の量で添加する工程、
前記組成物に非イオン性増粘剤を添加する工程、および
前記組成物を攪拌する工程、
を含んでなり、前記組成物はカチオン性増粘剤は含有しない前記方法。
【請求項11】?【請求項14】(略)」の記載を,

(補正後)
「【請求項1】抗菌性を有しかつカチオン性セルロースポリマーを含有しない組成物であって、前記組成物の100重量部に基づいて、
30?60部未満の炭素数が1?8である脂肪族アルコール、
0.5?5.0部の芳香族アルコール、ここで前記芳香族アルコールは、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、またはこれらの混合物であり、0.0125?0.5部のカチオン性基質結合活性増強物質、ここで前記カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせである、および
33?65部の水と、
を含んでなる前記組成物。
【請求項2】?【請求項6】(略)
【請求項7】前記脂肪族アルコールがプロパノール、イソプロピルアルコール、エタノールまたはこれらの組み合わせである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】?【請求項9】(略)
【請求項10】抗菌性組成物を形成するための方法であって、
前記組成物の100重量部に基づいて33?65部の水を容器に入れる工程、
前記水に、カチオン性基質結合活性増強物質を、前記組成物の100重量部に基づいて0.0125?0.5部の量で添加する工程、ここで前記カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トルモニウムクロライドまたはこれらの組み合わせである、
前記組成物に、芳香族アルコールを、前記組成物の100重量部に基づいて0.5?5.0部の量で添加する工程、ここで前記芳香族アルコールは、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、またはこれらの混合物であり、前記組成物に、炭素数1?8の脂肪族アルコールを、前記組成物の100重量部に基づいて30?58部の量で添加する工程、
前記組成物に非イオン性増粘剤を添加する工程、および
前記組成物を攪拌する工程、
を含んでなり、前記組成物はカチオン性増粘剤は含有しない前記方法。
【請求項11】?【請求項14】(略)」(審決注:補正箇所に下線を付した。)

2 補正の目的について
補正後の請求項1は,補正前の請求項1に対して,以下の補正がなされている。

第一に,組成物の成分である「芳香族アルコール」に関し,「少なくとも1つのフェニル基と、該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコール」としていたものを,「フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、またはこれらの混合物」として,補正前の請求項1を引用する請求項7に具体名として記載されていた芳香族アルコールに限定する補正

第二に,補正前の請求項1において,同じく組成物の成分である「カチオン性基質結合活性増強物質」に関し,「ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせ」としていた発明特定事項から,「ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド」及び「ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド」の2成分を削除する補正

第三に,補正後の請求項7は,補正前において,脂肪族アルコールとともに,「芳香族アルコールがフェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノールまたはこれらの組み合わせである」点を特定していたが,上記のように補正後の請求項1に,この特定事項を組み入れたため,「芳香族アルコール」に関する特定事項を削除する補正

最後に,補正後の請求項10は,補正前後の請求項1の補正事項と同じく,補正前の請求項10における,「芳香族アルコール」を「フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、またはこれらの混合物」に限定し,列挙された「カチオン性基質結合活性増強物質」から,「ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド」及び「ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド」を削除する補正

すると,これらの補正は,請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。

したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に規定する,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件について
そこで,本件補正後の請求項1に記載された特許を受けようとする発明(以下「本件補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)否かについて,以下に検討する。

(1)サポート要件について
ア 特許法第36条第6項第1号に規定する「サポート要件」の適否については,『特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり,明細書のサポート要件の存在は,特許出願人…が証明責任を負うと解するのが相当である。』とされている〔平成17年(行ケ)10042号判決参照。〕。

イ そこで,補正後の請求項1に記載された発明が「発明の詳細な説明に記載された発明」であって,なおかつ,補正後の請求項1に記載された事項により特定されるもの全てが,補正後の本願の明細書(審決注:本願の明細書の発明の詳細な説明は,出願当初から補正されていない。)の段落【0009】に記載された「本発明は、長期間にわたって皮膚または他の表面に抗菌性を与える皮膚消毒剤として好ましく用いられる増強活性アルコール系抗菌性組成物および抗菌性組成物を調製する方法」の提供という課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かについて,以下に検討する。

ウ 「活性増強物質」について
(ア)「カチオン性基質結合活性増強物質」について
本願の明細書の段落【0013】には,「好適なカチオン性基質結合活性増強物質としては、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせが挙げられる」として例示されているものの,本願の明細書の発明の詳細な説明において,実際に試され,ログリダクションの効果が発揮された「カチオン性基質結合活性増強物質」の具体例として記載されるのは,以下の3つの物質のみである。

・表IIIシリーズ41?44として記載される「ココアミドプロピルPGジモニウムクロライド」
・表IIIのシリーズ45?48,及び,表Vのシリーズ5?6として記載される「ベヘントリモニウムメトサルフェート」,並びに,
・表Vのシリーズ27?28として記載される「ベヘナルコニウムクロライド」

(イ)抗菌性組成物の必須成分について
また,補正後の請求項1の記載からは,本件補正発明の抗菌性組成物の成分に関し,以下の成分のうち,(α)を含有せず,(β)?(ε)をすべてを含んでなるものと解される。
(α)カチオン性セルロースポリマー
(β)炭素数が1?8である脂肪族アルコール
(γ)芳香族アルコール
(δ)カチオン性基質結合活性増強物質
(ε)水
しかしながら,本願の明細書の発明の詳細な説明の記載をみると,実際に試され,ログリダクションの効果が発揮された具体例として,上記「(γ)芳香族アルコール」と「(δ)カチオン性基質結合活性増強物質」の双方が含有されるものは,一例も記載されていない。

(ウ)活性増強物質による効果
本願の明細書の段落【0029】には,「表Iに記載の脂肪族アルコール系配合物において各種化合物を試験し、湿潤が向上するか判定した。用いられた成分の1つであるベヘントリモニウムメトサルフェートが前記アルコール組成物のSerratia Marcescens ATCC 14756に対する活性を高めることが実験中に思いがけなく発見された。この予想外の発見に従い、第4級アンモニウム化合物をはじめとする様々な他の化合物を表Iの配合物において試験し、活性増強が見られるか判定した。ごく少数の第4級アンモニウム化合物が大幅な活性増強を実現できたのに対し、大多数の第4級アンモニウム化合物は、抗菌活性に対してほとんど効果が無いどころか、悪影響さえ及ぼすことが試験によって分かった。」と記載され,
同じく段落【0042】には,「上記表Vに示されているように、第4級アンモニウム化合物であるベヘントリモニウムメトサルフェートおよびベヘナルコニウムクロライドを含有する組成物は、優れたログリダクション値および微生物Serratia Marcescensに対する抗菌活性を示した。試験した他の第4級アンモニウム化合物を含有する組成物は、抗菌活性をほとんどあるいはまったく示さなかった。上記表から明らかなように、前記活性は予想外であった。」と記載されている。
よって,本件補正発明における「カチオン性基質結合活性増強物質」である「4級アンモニウム化合物」は,実験を行うことによって初めてその効果が確認でき,本件補正発明の上記課題解決ができることが認識できるものといえる。

(エ)検討
以上のことから,本願の発明の詳細な説明において,具体的に実験され,その効果が確認できたのは,「カチオン性基質結合活性増強物質」において,「ベヘントリモニウムメトサルフェート」,「ベヘナルコニウムクロライド」,又は「ココアミドプロピルPGジモニウムクロライド」を用いた場合であって,さらに「芳香族アルコール」を含有しない場合である。
すると,上述のように,本件補正発明の抗菌性組成物における活性増強物質は,実際に試験し検証することによって,初めてその効果を確認できるような,予想可能性が低いものであることから,本件補正発明に特定される,「芳香族アルコール」と「カチオン性基質結合活性増強物質」を,双方共に用いた場合や,実施例に存在しない「ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド」をカチオン性基質結合活性増強物質として用いる場合については,本件補正発明の上記課題解決がなされることにつき,当業者が認識できる記載がなされているとはいえないし,また,その他の技術常識に基づき発明の詳細な説明に記載がなくても当業者が認識できる範囲のものでもない。
よって,補正後の請求項1に係る発明の抗菌性組成物の発明は,本願の発明の詳細な説明に記載されているとはいえない。

エ 小括
以上のとおり,本件補正発明は,本願の発明の詳細な説明に記載されているとはいえず,特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく,特許法第36条第6項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

(2)進歩性について
ア 刊行物及び刊行物に記載された事項
(ア)刊行物
1 国際公開第03/034994号(原査定の引用文献1,以下「刊行物1」という。)

(イ)刊行物1に記載された事項
本願の優先日(2004年8月20日)前に頒布された刊行物1には,以下の事項が記載されている(摘示箇所は,当審による仮訳の日本語で示す。)。

(1a)「オクトキシグリセリン,第四級アンモニウム化合物,そしてビグアナイド化合物,トリクロサン,フェノキシエタノール,ヨウ素化合物及びパラクロロメタキシレノールからなる群から選択される抗菌剤,を含む抗菌性組成物。」(請求の範囲第1項)

(1b)「アルコールベースの消毒剤に関連して2つの一般的な問題がある。第一に,通常,エタノールまたはその同等品で約60重量%を超える(…)と認識されるアルコールの有効濃度は,皮膚に対して刺激性があり,乾燥やそれに伴う皮剥けやひび割れを起こす。第二に,アルコールは有効な消毒剤であるが,一度蒸発すると,その抗菌活性が失われることである。」(第1ページ第32行?第2ページ第5行)

(1c)「本発明に従って使用することができるフェノール類(フェノール誘導体)は,…フェノキシエタノール…が挙げられるが,これらに限定されるものではない。好ましいトリクロサンの濃度は…である。他のフェノール類は,約0.3?2%の間の濃度で含有されるが,0.3?1%のトリクロサンのS球菌に対する効力と同等の濃度が好ましい。」(第8ページ第6?22行)

(1d)「ある限定されない実施形態において,本発明の組成物は,さらに1つ以上のアルコールを含んでもよい。本発明に従って使用することができるアルコールは,脂肪族アルコールを含み,これに限定されるものではないが,最も好ましいのは,エタノール,イソプロピルアルコール,そしてn-プロピルアルコール,及びそれらの混合物であって,約20?85%,好ましくは40?70%の間の濃度のものである。」(第9ページ第12?16行)

(1e)「ここで使用されるハイドロゲルは,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,カチオン性ヒドロキシエチルセルロース(U-care polymers),…ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース…,が含まれる。これらのハイドロゲルは,添加されたあらゆる抗菌剤に結合しないことが好ましく,…。ハイドロゲルは0.1?1.0%の間の濃度で存在し,0.05及び0.5%の間の濃度,最も好ましくは0.2%のカチオン性ヒドロキシエチルセルロース(U-care polymers)である。」(第13ページ第22?32行)

(1f)これらの水性アルコールゲル組成物に使用される水は,好ましくは中性pHを有する脱イオン水である。本発明は,15?70%の間で水を含む組成物を提供する。水の濃度は,本発明のハイドロゲルが溶解するのに適していなければならない。」(第14ページ第12?15行)

(1g)「水性アルコールゲル組成物に関する本発明に従って使用される界面活性剤及び/又は乳化剤(…)は,…好ましくは非イオン性またはカチオン性自己乳化ワックスであって,アルコールに周囲温度で可溶性である,Incroquat Behenyl TMS,Incroquat Behenyl TMS-50,Polawax,ステアリルアルコール,及びセテアリルアルコールである。これらの乳化剤は,0.05?3.0%の間の濃度で含まれる。この発明の乳化剤として,好ましくは,穏やかな陽イオン性乳化剤だけでなく,優れた調整剤でもあるIncroquat Behenyl TMS及び非イオン性自己乳化ワックスであるPolawaxであって,独立して0.05?0.5%の間の濃度…のものである。」(第14ページ第30行?第15ページ第9行)

(1h)「

」(第23ページ第19?30行)

(1i)「実施例15:抗菌活性の広いスペクトル
抗菌活性スペクトルを確認するため,別の水性アルコールゲル組成物(サンプル8)を,次の方法で調製した。…
サンプル8の上記で特定された成分の量は,以下に表18で記載される。



上記で示されたデータは,サンプル8の適用によって,表皮ブドウ球菌,黄色ブドウ球菌,大腸菌に対して,PrevacareとAvagardによる従来例の結果に基づいて予想されていたものよりも,更に効果的な抗菌作用をもたらしていることを示す。また,表19のデータは,広範な試験生物へのサンプル8の有効な抗菌活性を示す。」(第46ページ第7行?第48ページ第11行)

イ 刊行物に記載された発明
(ア)引用発明
刊行物1は,「オクトキシグリセリン,第四級アンモニウム化合物,そしてビグアナイド化合物,…フェノキシエタノール,…からなる群から選択される抗菌剤,を含む抗菌性組成物」(摘記1a)について記載するものである,
そして,「約0.3?2%の間の濃度」の,上記「フェノキシエタノール」(摘記1c),
任意含有成分として,最も好ましい脂肪族アルコールとして「エタノール,イソプロピルアルコール,そしてn-プロピルアルコール,及びそれらの混合物であって,約20?85%,好ましくは40?70%の間の濃度のもの」(摘記1d),そして,好ましい陽イオン性乳化剤として,「0.05?0.5%の間の濃度」の「Incroquat Behenyl TMS」,
さらに,水を,「15?70%の間」(摘記1f)で含有させることが記載されている。
そして,「水」,「エタノール」,「Incroquat behenyl TMS」,「フェノキシエタノール」すべての組合せを実際に含有する具体例として,「実施例15」(摘記1i)が記載されており,「広範な試験生物へのサンプル8の有効な抗菌活性を示す。」(摘記1i)ことが記載されている。

以上のことから,刊行物1には,
「オクトキシグリセリン,第四級アンモニウム化合物,
約20?85%のエタノール,
約0.3?2%のフェノキシエタノール,
0.05?0.5%の「Incroquat Behenyl TMS」,及び
15?70%の水,を含む抗菌性組成物」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

ウ 本件補正発明と引用発明との対比・判断
(ア)対比
引用発明の「Incroquat Behenyl TMS」は,ベヘントリモニウムメトサルフェートとセテアリルアルコールとの混合物であることから,本件補正発明のカチオン性基質結合活性増強物質である,ベヘントリモニウムメトサルフェートに相当し,「エタノール」は,その構造から,炭素数が1?8である脂肪族アルコールに相当する。

よって,両者は,
「抗菌性を有する組成物であって,
30?60部未満の炭素数が1?8である脂肪族アルコール,
0.5?約2部のフェノキシエタノール,
0.05?0.5部のベヘントリモニウムメトサルフェート,及び
33?65部の水と,を含んでなる前記組成物。」である点で一致し,次の点で相違する。

相違点1:本件補正発明は,「カチオン性セルロースポリマーを含有しない」ことを発明特定事項にする一方,引用発明においては,この点に関して,特定されず,かつ本件補正発明においては,含有しない「オクトキシグリセリン,第四級アンモニウム化合物」を含むものである点

相違点2:引用発明と本件補正発明の各成分の含有量の範囲は,それぞれ,の一部で重複するものであるが,その上限値及び下限値に関して異なる成分が存在する点

(イ)判断
a 相違点1について検討する。
本件補正発明は,抗菌性組成物であって,特定事項である各成分を「含んでなる前記組成物」とする発明である。すると,特定事項とされていない成分について含有することを何ら排除するものとはいえない。
また,「カチオン性セルロースポリマーを含有しない」点については,具体例として,当該物質を含有しない「13.」の組成物(摘記1h)が記載されている。
よって,相違点1は,実質的な相違点ではない。

b 相違点2について検討する。
それぞれの有効成分の下限値の相違に関して検討する。
そこで,本件補正発明及び引用発明では,各有効成分を含有させた残部を水とするものであるから,各成分の添加目的の所期の効果が発揮される最低限の添加量を設定することに,当業者の格別の困難性は認められない。

次に,上限値に関し,炭素数が1?8である脂肪族アルコールについてのみ,引用発明の含有量の上限値が,本件補正発明の上限値を超えるものであるから,まず,その点について検討する。
刊行物1には,「アルコールベースの消毒剤に関連して2つの一般的な問題がある。第一に,通常,エタノールまたはその同等品で約60重量%を超える(…)と認識されるアルコールの有効濃度は,皮膚に対して刺激性があり,乾燥やそれに伴う皮剥けやひび割れを起こす。第二に,アルコールは有効な消毒剤であるが,一度蒸発すると,その抗菌活性が失われることである。」(摘記1b)と記載されていることから,エタノールまたはその同等品の濃度が60%を超える場合には,皮膚へ悪影響を起こす課題が認識されており,また,刊行物1には,「エタノール,イソプロピルアルコール,そしてn-プロピルアルコール,及びそれらの混合物」の濃度に関し,「約20?85%,好ましくは40?70%の間の濃度のものである。」(摘記1d)として,60%未満のものも含み,好ましい範囲として記載するものである。そこで,引用発明において,脂肪族アルコールの濃度の上限を60部未満に設定することは,皮膚に対する影響の観点から,当業者が検討すべきことであって,抗菌性組成物としての活性を確認しつつ,当業者が適宜設定しうることといえる。

加えて,引用発明のその他の有効成分の上限値については,本件補正発明の同成分の上限値と同じか,それ以下のものであるから,実質的な相違点とはいえない。

エ 本件補正発明の効果について
本件補正発明の効果は,本願の明細書の段落【0008】に記載される,「皮膚を刺激しないように」しつつ,「様々な微生物に対してより高いまたはより持続的な活性を示す」ことと認められる。
しかしながら,皮膚を刺激しないようにすることは,引用発明においても課題とされるものであり(摘記1b参照),「様々な微生物に対してより高いまたはより持続的な活性を示す」ことは,刊行物1の実施例15において,「様々な微生物に対してより高いまたはより持続的な活性を示す」(摘記1i参照)とされていることからも,引用発明から当業者が当然に予想する効果である。
よって,本件補正発明の効果が,刊行物1に記載された事項及び技術常識から予測できず格段に優れているものとは認められない。

オ 小括
以上のとおり,本件補正発明は,刊行物1から当業者が容易に発明をすることができたものであって特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

(3)独立特許要件についてのまとめ
よって,本件補正発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから,請求項1についての補正は,平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反する。

4 補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおりであるから,本件補正は,平成18年改正前特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
平成23年12月21日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の発明は,平成22年12月22日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,次のとおりのものである。

「【請求項1】抗菌性を有しかつカチオン性セルロースポリマーを含有しない組成物であって,前記組成物の100重量部に基づいて,
30?60部未満の炭素数が1?8である脂肪族アルコール,
0.5?5.0部の,少なくとも1つのフェニル基と,該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコール,
0.0125?0.5部のカチオン性基質結合活性増強物質,ここで前記カチオン性基質結合活性増強物質が,ベヘントリモニウムメトサルフェート,ベヘナルコニウムクロライド,ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド,ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド,ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド,またはこれらの組み合わせである,および
33?65部の水と,
を含んでなる前記組成物。」

第4 原査定の理由
原査定の理由である平成22年9月22日付けの拒絶理由通知における拒絶の理由は,「1.(略)
2.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
3.(略)
4.この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」というものである。

上記拒絶の理由に対応し,それぞれの拒絶の理由に対応する「下記の請求項」及び「下記の刊行物」として,
「理由1,2:請求項1-9 :引用文献1
理由 2:請求項10-14:引用文献1」,及び
「理由3,4:請求項1-14」との指摘がなされており,
「引用文献1」とは,以下の刊行物である。
1.国際公開第03/034994号

そして,理由2について,「(備考)」には,次の指摘がなされている。
「引用文献1は,殺菌剤組成物に関し,エタノール等のアルコールを20?85%,0.05?3.0%のベヘニルTMS,フェノキシエタノール等のフェノール誘導体を0.3?2%を含有すること,ヒドロキシプロピルセルロース等のゲル化剤を用いて粘度を4000センチポイズ以下とすることが記載されており(第8頁第6-22行,第9頁第12-21行,第13頁第9-32行,第15頁第3-11行),実施例15には上記組成物の殺菌効果が具体的に示されている。
よって,本願請求項1-9に係る発明は引用文献1に記載された発明である。 また,組成物の製造方法において,混合順序は当業者が検討し最適化しうるものであるし,本願発明におけるその効果が,当業者の予測を超えるものであることは,発明の詳細な説明において示されていない。」

また,理由3について,次の指摘がなされている。
「本願請求項1に係る発明の,「水酸基が非芳香環炭素原子と結合している芳香族アルコール」は発明の詳細な説明に記載されたものでない。
発明の詳細な説明には,芳香族アルコールとして「少なくとも1つのフェニル基と,例えば脂肪族結合またはエーテル結合によってフェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含んでなる」ことは記載されているものの,芳香族アルコールとして水酸基が非芳香環炭素原子と結合しているものとまでは記載されていないし,上記記載から芳香族アルコールとして水酸基が非芳香環炭素原子と結合しているものが記載されていると同視することもできない。
また,本願発明において発明の詳細な説明において具体的に開示されているのは,芳香族アルコールとして水酸基が非芳香環炭素原子と結合しているものとしてフェノキシエタノールを用いたもののみであり,その他の芳香族アルコールを用いた場合については開示されていない。
フェノキシエタノールを用いた例をもって他の水酸基が非芳香環炭素原子と結合している芳香族アルコールすべてについても同様の効果を得られることが一般化できることは,発明の詳細な説明において合理的に説明されていないし,殺菌剤における有効成分の相乗効果は実際に試してみなければ予測が困難である。
そうすると,本願発明のうち,フェノキシエタノールを用いたもの以外については,発明の詳細な説明に実質的に記載されていないし,発明の詳細な説明は,本願発明を実施し得る程度に明確かつ十分に記載されていない。

本願発明のうち,カチオン性基質結合活性増強物質として具体的に開示されているのは,ベヘントリモニウムメトサルフェート又はベヘナルコニウムクロライドのみであって,その他のカチオン性基質結合活性増強物質を用いた場合については具体的に開示されていない。
発明の詳細な説明には,本願発明の組成物において,「ごく少数の第4級アンモニウム化合物が大幅な活性増強を実現できたのに対し,大多数の第4級アンモニウム化合物は,抗菌活性に対してほとんど効果が無いどころか,悪影響さえ及ぼすことが試験によって分かった」ことが記載されているから,本願発明において優れた抗菌活性を示す第4級アンモニウム塩は限定されることが理解でき,実施例で効果が確認された上記2成分以外の,PGを有するものやジモニウム化合物についても,上記2成分と同様の効果を奏するものと直ちに認めることはできない。
そして,発明の詳細な説明には,請求項1に記載されたカチオン性基質結合活性増強物質のすべてが同じ効果を奏することが合理的に説明されているものでもない。
よって,本願発明のうち,カチオン性基質結合活性増強物質としてベヘントリモニウムメトサルフェート又はベヘナルコニウムクロライドを含有する組成物以外の組成物については,発明の詳細な説明に実質的に記載されているとはいえないし,発明の詳細な説明は,本願発明を実施し得る程度に明確かつ十分に記載されたものでない。」

そして,拒絶査定は,「この出願については,平成22年 9月22日付け拒絶理由通知書に記載した理由2-4によって,拒絶をすべきものです。」としている。


第5 当審の判断
当審は,原査定の拒絶の理由のとおり,本願発明は,本願の発明の詳細な説明に記載されているとはいえず,特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく,特許法第36条第6項の規定により特許を受けることができないし,また,本願発明は,刊行物1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,と判断する。

1 特許法第36条第6項(原査定の理由4)について
(1)本願発明と本件補正発明の包含関係について
本願発明は,「少なくとも1つのフェニル基と、該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコール」及び「前記カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、ベヘノイルPG-ジモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせである」という事項を発明特定事項として含むものである。
そこで,「少なくとも1つのフェニル基と、該フェニル環に間接的に結合しているアルコール官能基とを含む芳香族アルコール」という発明特定事項に関して検討すると,「フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール」はいずれも,フェニル環と水酸基の間に,アルキレン基が介在するため,本願発明は,アルキレン基を介して「該フェニル環に間接的に結合している」とする場合を含むといえる。
よって,本願発明は,「芳香族アルコールは、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシ-2-プロパノール、またはこれらの混合物」及び「カチオン性基質結合活性増強物質が、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナルコニウムクロライド、ベヘノイルPG-トリモニウムクロライド、またはこれらの組み合わせである」という事項を発明特定事項としている本件補正発明を包含するものである。

(2)サポート要件に関する検討
本願発明は,本件補正発明を包含するから,上記「第2 3(1)」において検討した,本件補正発明の場合と同様の理由により,本願発明は,本願の発明の詳細な説明に記載されているとはいえない。

2 特許法第29条第2項(原査定の理由2)について
(1)刊行物,刊行物の記載事項,刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1,その記載事項及び刊行物1に記載された発明は,上記「第2 3(2)ア及びイ」に記載したとおりである。

(2)引用発明との対比・判断
本願発明は,上記「第5 1(1)」に記載したように,本件補正発明を包含するものである。
してみると,本願発明は,上記「第2 3(2)」において検討した,本件補正発明の場合と同様の理由により,刊行物1に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 請求人の主張
(1)請求人は,回答書において,以下の主張をしている。

主張1:「引用文献1には組成物は皮膚にやさしい(gentle)ことが記載されている(第1頁第12-14行)との認定がなされています。しかしながら引用文献1には、「skin-friendly」と記載されています。「skin-friendly」な組成物は、必ずしも「gentle」ではありません。」

主張2:「引用文献1には、約60重量%を超える濃度のエタノールは皮膚炎や乾燥及び皮剥けやひび割れを引き起こすと記載されているにも拘わらず、この問題点は前置報告で引用されています実施例15では解決されていません。実施例15では65重量%のエタノールが用いられています。
これに対し本願発明では、60重量%未満のアルコール濃度で、抗菌性を発揮することができます。」

主張3:「実施例15では、カチオン性ヒドロキシセルロース(U-ケアポリマー)を用います(引用文献1の第13頁第23行)。本願発明者は、本願発明の組成物においては、カチオン性ヒドロキシセルロースは抗菌剤として不活性であることを見つけ、カチオン性ヒドロキシセルロースは含有していません(本願の段落0023)。実施例15では、オクトキシグリセリンを用いることにより、微生物への浸透性の向上によって予想外の抗菌性が達成されることが記載されています(引用文献1の第6頁第5-15行)。これに対し本願発明の組成物は、オクトキシグリセリンなどの他の成分を必要とはしません。」

(2)主張の検討
上記主張1については,本願発明がどのように「gentle」な効果を示し,引用文献1(審決注:この審決の刊行物1)における「skin-friendly」な効果とどのように相違するのか,請求人の当該主張,本願の明細書,刊行物1及び技術常識を参酌しても,客観的に不明であるから,採用できるものではない。
次に,上記主張2について,脂肪族アルコールの濃度を60重量%未満にすることについては,上記「第2 3(2)ウ(イ)b」で述べたように,刊行物1から当業者が容易に設定しうることであるから,採用できるものではない。
最後に,上記主張3について,カチオン性ヒドロキシセルロースについては,引用発明において必須の成分でもなく,この点は,刊行物1の「13.」(摘記1h参照)の組成物が,カチオン性ヒドロキシセルロースを含有しないこと,及び刊行物1において,カチオン性ヒドロキシセルロースの含有が最も好ましいとしながらも,その他のハイドロゲル成分を列記していること(摘記1e参照)からも明らかである。よって,この主張3は採用できない。
したがって,請求人の上記主張1?3は,いずれも採用することができない。

6 小括
したがって,本願発明は,本願の発明の詳細な説明に記載されているとはいえず,特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく,本願は,特許法第36条第6項の規定する要件を満たしていない。
また,本願発明は,本願の出願前に頒布された刊行物1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第6 むすび
以上のとおり,本願は,特許法第36条第6項の規定する要件を満たしておらず,また,本願発明は,同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の点について検討するまでもなく,本願は,拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-04-02 
結審通知日 2013-04-03 
審決日 2013-05-02 
出願番号 特願2007-527875(P2007-527875)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A01N)
P 1 8・ 121- Z (A01N)
P 1 8・ 537- Z (A01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今井 周一郎  
特許庁審判長 中田 とし子
特許庁審判官 大畑 通隆
齋藤 恵
発明の名称 活性増強アルコール系抗菌性組成物  
代理人 大島 正孝  

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