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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 D06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 D06F
管理番号 1279143
審判番号 不服2012-23678  
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-12 
確定日 2013-09-06 
事件の表示 特願2010-118791号「女性下着専用乾燥器」拒絶査定不服審判事件〔平成23年11月24日出願公開、特開2011-235050号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成22年5月6日の出願であって、平成24年8月29日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成24年11月8日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同時に同日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成24年11月8日付け手続補正についての補正却下の決定
【補正却下の決定の結論】
平成24年11月8日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

【理由】
2-1.本件補正
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に、
「洗濯物を入れる容器を、ステンレス材質等で制作し乾燥容器内低部に熱湯を入れる為の熱湯入れ容器を設け、外部から出し入れ出来る熱湯注入口を設けて、洗濯物が熱湯入れ容器に直接触れないように、ネット状の物で洗濯物を置く網台を乾燥容器内の中段に設け、乾燥容器内の蓋は密閉式にし、上からの押え蓋タイプとし、押え蓋の適所に内側から外に突き出た電気掃除機の吸い込み対応タイプ吸引口を設け、乾燥容器内に熱湯を入れると2?3分位で気圧が上がり、温度も上昇状態の熱励起エネルギーが発生し、これを吸引口より電気掃除機で吸引すると、気圧と沸騰点が下がり、熱放射が起こり、洗濯物が急速に乾燥することを特徴とする女性専用乾燥器。」
とあるのを、
「洗濯物を入れる「乾燥容器(1)」を、ステンレス製で製作し「乾燥容器(1)」内底部に熱湯を入れる為の容器を装着し、外部から熱湯を、出し入れできるバルブを、取り付ける、「乾燥容器(1)」内底部の熱湯容器に、洗濯物が直接触れないように、ネット状のアミ台を、製作し「乾燥容器(1)」内の中段に、取り付ける、この上部に洗濯物を置く、「乾燥容器(1)」の扉は上開きとし、密閉式にして上部分中央に「掃除機対応吸い口(7)」を取り付けて置く、「乾燥容器(1)」内取り付けてあるバルブを開く、ココから熱湯を入れてバルブを閉じると2分?3分で、放射熱励起が発生し熱励起エネルギーが起こることで「乾燥容器(1)」内部の温度と気圧が上がり、洗濯物を乾燥させる状態の昇華現象が「乾燥容器(1)」器内にできる、これを上部取り付けてある「掃除機対応吸い口(7)」より電気掃除機で吸引すると「乾燥機(1)」内に、熱放射が起こり、気圧と温度沸騰点 湿度が下がり熱放射が起こり、昇華現象で洗濯物が急速に乾燥する。
以上を特徴とする熱励起 熱放射を利用した、下着急速乾燥器である。」
とする補正を含むものである。

2-2.判断
上記補正は、「外部から熱湯を、出し入れできるバルブを、取り付ける」ことを追加する事項(以下「補正事項a」という。)及び「昇華現象で洗濯物が急速に乾燥する」ことを追加する事項(以下「補正事項b」という。)を含むものである。
しかし、補正事項aについては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、「外部から出し入れ出来る熱湯注入口(4)と熱湯排出口(5)」及び「(ロ)熱湯注入口(4)より熱湯を入れる。」(段落【0007】参照)と記載されているのみであり、熱湯注入口(4)等に、バルブを設けることは記載されていなく、また、当初明細書等から自明な事項でもない。
また、補正事項bについては、当初明細書等には、洗濯物の乾燥において「昇華現象」が起きることは記載されていなく、また、当初明細書等から自明な事項でもない。
よって、上記各補正事項を含む本件補正は、出願当初明細書等のすべての記載を統合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。

したがって、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでない。

2-3.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成24年11月8日付け手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年6月25日付けで補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1の記載において「制作」は「製作」の誤記と認められるので、次のとおりのものと認める。
「洗濯物を入れる容器を、ステンレス材質等で製作し乾燥容器内低部に熱湯を入れる為の熱湯入れ容器を設け、外部から出し入れ出来る熱湯注入口を設けて、洗濯物が熱湯入れ容器に直接触れないように、ネット状の物で洗濯物を置く網台を乾燥容器内の中段に設け、乾燥容器内の蓋は密閉式にし、上からの押え蓋タイプとし、押え蓋の適所に内側から外に突き出た電気掃除機の吸い込み対応タイプ吸引口を設け、乾燥容器内に熱湯を入れると2?3分位で気圧が上がり、温度も上昇状態の熱励起エネルギーが発生し、これを吸引口より電気掃除機で吸引すると、気圧と沸騰点が下がり、熱放射が起こり、洗濯物が急速に乾燥することを特徴とする女性専用乾燥器。」

4.引用例
これに対して、当審で通知した拒絶理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開平11-192397号公報(以下「引用例1」という。)、実願平5-18852号(実開平6-72596号)のCD-ROM(以下「引用例2」という。)、特開平10-113499号公報(以下「引用例3」という。)、特開昭62-28000号公報(以下「引用例4」という。)及び特開昭57-34898号公報(以下「引用例5」という。)には、それぞれ以下の各事項が記載されている。

[引用例1について]
(1a)「【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明の衣類乾燥機においては,ドアにガスケットを取り付け内部を密閉可能とした耐圧容器にして,内部の大気圧760〔mmHg〕を4.4〔mmHg〕から340〔mmHg〕の間の範囲まで真空ポンプを使い減圧し,内部に取り付けたヒータによって,内部の温度を0〔℃〕から80〔℃〕の間の範囲に加熱して使用するものである。」

(1b)「【0007】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1において,1の衣類乾燥機内部の大気圧760〔mmHg〕は5の圧力スイッチで3の真空ポンプを機動,停止させる事により4.4〔mmHg〕から340〔mmHg〕の間の範囲まで減圧し調整する。1の衣類乾燥機内部の温度は6の温度スイッチにより4のヒータに流す電流を調節し0〔℃〕から80〔℃〕の間の範囲に加熱する。1の衣類乾燥機内部に発生した飽和蒸気は,3の真空ポンプを使い内部より吸い出す。3の真空ポンプは,9の耐圧ホースを使って,7の逆止弁を介して1の衣類乾燥機に接続している。・・・
【0008】図2に示される実施例では,1の衣類乾燥機に衣類を入れる方法を説明している。・・・12の衣類棚に,衣類を置く。12の衣類棚は網目状になっていて内部に発生する飽和蒸気の動きを邪魔しない。」

(1c)「【0009】
【発明の効果】本発明は,以上説明したように構成されているので,以下に記載されるような効果を奏する。
【0010】本発明は.衣類乾燥機内部を減圧することによって水の飽和温度が下がり,水を蒸発させるための加熱に使う熱量が少なくて済みエネルギーを節約できる。
【0011】又,本発明の衣類乾燥機内部を減圧することに使うエネルギーは,従来の衣類乾燥機が水を蒸発させるための加熱に使うエネルギー量に対して少ない。」

(1d)図1には、「ヒータ4」は、衣類乾燥機内の底部に取り付けてあることが示されている。

以上の記載によると、引用例1には、
「衣類乾燥機は、ドアにガスケットを取り付け内部を密閉可能とした耐圧容器にして、内部を真空ポンプを使い減圧し、衣類乾燥機内の底部に取り付けたヒータによって、内部の温度を加熱して使用するものであり、
真空ポンプは、耐圧ホースを使って衣類乾燥機に接続し、
衣類乾燥機の内部には、衣類を置く網目状になっている衣類棚が設けられている衣類乾燥機。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用例2について]
(2a)「【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は畳や布団、衣類等の乾燥に使用する真空除湿装置に関するものである。」

(2b)「【0011】
図1および図2はこの考案の真空除湿装置の1実施例を説明するものである。
図1および図2において、1は畳や布団、衣類等の対象物を収納する密封可能なハウジングである。このハウジング1はステンレス等の金属で匡体を構成されており、その1側面を開口して、開閉自在の扉2が取り付けられている。この扉2は観音開きになっており、閉鎖時には上記ハウジング1の開口3にゴムパッキング等を介して密着し、ハウジング1内を密閉できるように構成されている。4はロック機構を付設された把手である。なお上記ハウジング1内は、畳や布団、衣類等の対象物に応じた棚や篭、仕切り壁等を内蔵している。」

[引用例3について]
(3a)「【請求項1】 ハウジング(1)の内部に、衣類を収容すべきドラム(2)が回転駆動可能に設置されると共に、ドラム(2)を含む空気循環路が形成され、該空気循環路の途中から空気排気路が分岐し、該空気排気路の先端部に継手部材(7)が接続され、該継手部材(7)には、掃除機(8)のホース(81)の先端部を接続することが可能であって、掃除機(8)の空気吸引によってドラム(2)の内部を負圧に維持しつつ乾燥を施すことを特徴とする衣類乾燥機。」

(3b)「【0014】
【発明の効果】本発明に係る衣類乾燥機及びシステムによれば、家庭で使用されている一般的な掃除機を用いてドラム内を負圧に維持することが出来るので、従来の如き真空ポンプの装備は不要であり、これによって衣類乾燥機を小型且つ安価に実現することが可能である。」

[引用例4について]
(4a)「この発明は、洗濯物を乾燥させる乾燥機に関する発明である。」(第1頁左下欄9?10行参照)

(4b)「以上のように数多の特長があるが、以下この発明の実施例を第1図について説明する。
図に於て2は密閉した容器を表す。1はこの容器のフタである。このフタを閉めたら密閉できるようフタにはパッキン等がついている。容器内の気圧を下げるため、それに耐えられるようこの容器は堅牢な材質で作られることが必要である。6は吸引モーターであり、7の弁で空気が逆流しないようになっている。4は網目状になっており、5に空隙をつくり、空気の吸引を容易ならしめる。」(第2頁左上欄9?17行参照)

(4c)第1図には、「フタ1」は、「容器2」の上部に配置されていることが示されている。

[引用例5について]
(5a)「本発明は循環給湯機等から供給される熱湯を本体内に設けた熱交換器で熱交換し、得られた温風を回転ドラム内に送風し、乾燥物を前記温風により乾燥するようにした温水循環型放熱器を備えた衣類乾燥機に係り、使用勝手の良い衣類乾燥機を提供せんとするものである。」(第1頁右下欄6?11行参照)

(5b)「以上の構成において動作を説明すると、温風運転を行なう場合は先ず熱交換器2のパイプには循環給湯機からの熱湯が供給される。・・・このとき熱交換器2の熱湯によって加熱されており、・・・モータ22が回転し且つドラム6、フアン13が同時に回転を始めると共に熱交換器2内に冷風が吸気されるため熱交換され、温風風胴20より温風はドラム6に導かれて被乾燥物に触れて水分を蒸発し、温風は排気風胴14を経て機外に排気される。」(第3頁左上欄13行?同右上欄5行参照)

5.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、
引用発明の「衣類」は、本願発明の「洗濯物」に相当し、
引用発明の「衣類乾燥機」と本願発明の「女性専用乾燥器」とは、「乾燥器(機)」である限りでは一致し、また、引用発明の「衣類乾燥機」は、耐圧容器とされていることから、引用発明は、本願発明でいう「容器」または「乾燥容器」を備え、
引用発明の「ヒータ」と本願発明の「熱湯を入れる為の熱湯入れ容器」とは、「加熱手段」である限りでは一致し、また、引用発明の「衣類乾燥機内の底部」は、本願発明の「乾燥容器内低部」といえ、
引用発明の「真空ポンプ」と本願発明の「電気掃除機」とは、「吸引手段」である限りでは一致し、また、引用発明の真空ポンプの衣類乾燥機への接続部には、本願発明でいう「吸引口」が設けられていることは明らかであり、
引用発明の「衣類を置く網目状になっている衣類棚」は、本願発明の「ネット状の物で洗濯物を置く網台」に相当し、また、衣類が置かれるものであることから、衣類がヒータに直接触れないようにされていることは明らかであり、さらに、衣類乾燥機内の中段に設けられていることも明らかであり、
引用発明の「ドア」は、本願発明の「蓋」に相当し、ガスケットを取り付け内部を密閉可能としていることから、本願発明の「密閉式」であるといえることから、両者は、
「洗濯物を入れる容器を、製作し乾燥容器内低部に加熱手段を設け、洗濯物が加熱手段に直接触れないように、ネット状の物で洗濯物を置く網台を乾燥容器内の中段に設け、乾燥容器内の蓋は密閉式にし、吸引口を設け、乾燥容器内を加熱手段により加熱し、吸引口より吸引手段で吸引する洗濯物が乾燥する乾燥器(機)。」
である点で一致し、以下の各点で相違する。

相違点1;本願発明では、容器は、ステンレス材質等で製作したものであるのに対し、引用発明では、耐圧容器は、そのような特定がない点。

相違点2;本願発明では、加熱手段が、熱湯を入れる為の熱湯入れ容器であり、外部から出し入れ出来る熱湯注入口を設けてあるのに対し、引用発明では、ヒータである点。

相違点3;本願発明では、蓋は、上からの押え蓋タイプとされているのに対し、引用発明では、ドアは、そのような特定がない点。

相違点4;本願発明では、吸引手段は、電気掃除機であり、押え蓋の適所に内側から外に突き出た電気掃除機の吸い込み対応タイプ吸引口を設けられているのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。

相違点5;本願発明では、乾燥容器内に熱湯を入れると2?3分位で気圧が上がり、温度も上昇状態の熱励起エネルギーが発生し、これを吸引口より電気掃除機で吸引すると、気圧と沸騰点が下がり、熱放射が起こり、洗濯物が急速に乾燥するものであるのに対し、引用発明では、内部を真空ポンプを使い減圧し、ヒータによって内部の温度を加熱して使用するものであるが、減圧及び加熱の時間的な関係は特定がない点。

相違点6;本願発明では、乾燥器は、女性専用であるのに対し、引用発明では、衣類乾燥機は、そのような限定がない点。

6.判断
上記各相違点について検討すると、
・相違点1について
引用例2に、衣類等の乾燥に使用する真空除湿装置において、ハウジングとしてステンレス等の金属で匡体を構成することが記載されているように、ステンレスは衣類乾燥機において普通に用いられている材質であり、また、引用発明の衣類乾燥機は、水分を含んだ衣類を扱い、また内部を減圧することから、その材質として、錆びにくく、強度を備えたものを選択することは当業者なら当然に考慮すべき事項であり、そうした材質としてステンレスは周知の材質である。
よって、引用発明において、耐熱容器をステンレス等により作製し、上記相違点1の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

・相違点2について
引用例5には、乾燥機の加熱手段として熱湯を用いることが記載され、また、湯を容器(タンク)等に入れて乾燥に用いることは、本願出願前周知の技術であり(例えば、実願昭55-91385号(実開昭57-18070号)のマイクロフィルムの「貯湯タンク3」、特開2003-90679号公報の「貯湯槽1a」参照)、さらに、容器(タンク)等に熱湯注入口を設けることは、湯を出し入れする必要があることから当然の事項である。
よって、引用発明において、引用例5の記載事項及び上記周知の技術を参酌し、加熱手段であるヒータに代えて熱湯入れ容器を用いることにより、上記相違点2の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

・相違点3について
引用例4には、内部の気圧が下げられる乾燥機の容器において、フタを該容器の上部に配置することが記載され、また、乾燥機の蓋を側部に配置するか上部に配置するかは、乾燥機の形状、大きさ等を考慮して設計上適宜に選択し得る事項と認められる。
よって、引用発明において、ドアを圧力容器の上部に配置し、上記相違点3の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

・相違点4について
引用例3には、衣類乾燥機において、安価なものとするために家庭で使用される一般的な掃除機の空気吸引によってドラムの内部を負圧に維持する技術が記載され、また、衣類乾燥機においてコストを抑えることは一般的な技術課題であり、引用発明の衣類乾燥機は家庭での使用が想定されものである。さらに、吸引口の配置は、設計上適宜に決めうる事項と認められる。
よって、引用発明において、コストを抑えるために引用例3に記載された技術を適用し、また、吸引口をドアに配置することにより、上記相違点4の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

・相違点5について
衣類が収納された容器内を加熱し減圧することにより衣類の乾燥を行う乾燥機において、容器内を減圧する前にヒータ等で予め衣類を暖めておくことは、本願出願前周知の技術(例えば、特開2005-198796号公報の段落【0027】、特開平11-44484号公報の段落【0032】、【0033】及び【0039】参照)であり、また、ヒータ等により予め加熱しておく時間は、ヒータ等の能力、衣類を入れている容器の大きさ等を考慮して設計上適宜に決める程度のことと認められる。そして、そのようにヒータ等により予め加熱し、その後容器内を減圧すれば、上記相違点5の本願発明と同様に、先ず容器内の気圧が上がり、温度も上昇状態の熱励起エネルギーが発生し、その後容器内を減圧すると、気圧と沸騰点が下がり、熱放射が起こり、洗濯物が急速に乾燥することは、明らかである。
よって、引用発明において、衣類乾燥機内の加熱及び減圧を上記周知の技術に従って行い、上記相違点5の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

・相違点6について
引用発明の衣類乾燥機においては、乾燥する衣類の種類を限定していないが、女性の衣類の乾燥も行えることは明らかであり、また、本願明細書の段落【0001】及び【0003】に記載されている女性の洗濯物特有の技術課題は、ごく一般的な周知の技術課題であり、引用発明の衣類乾燥機を使用すれば、そのような技術課題が解決できることは、当業者が容易に想到しうる事項である。
よって、引用発明の衣類乾燥機の用途を、女性用と限定することは、当業者が容易になし得たことである。

したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2?5に記載された発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、拒絶をすべきものである。
よって、原査定は妥当であり、結論のとおり審決する
 
審理終結日 2013-06-27 
結審通知日 2013-07-02 
審決日 2013-07-16 
出願番号 特願2010-118791(P2010-118791)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (D06F)
P 1 8・ 121- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木戸 優華  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 竹之内 秀明
山崎 勝司
発明の名称 女性下着専用乾燥器  

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