• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1279924
審判番号 不服2012-15666  
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-10 
確定日 2013-10-02 
事件の表示 特願2008-220783「記録装置および記録方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 3月19日出願公開、特開2009- 60610〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.経緯
1.手続
本願は、特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成9年2月17日に出願した特願平9-32200号(優先日:平成8年4月17日、特願平8-95498号)の一部を、平成17年4月22日付で新たな特許出願とした特願2005-124421号の一部を、平成18年3月6日付で新たな特許出願とした特願2006-58848号の一部を、平成20年8月29日付で新たな特許出願としたものであって、その出願と同日の平成20年8月29日付で手続補正書が提出され、平成23年2月17日付で拒絶の理由が通知され、平成23年4月21日付で意見書・手続補正書が提出され、平成23年12月9日付で最後の拒絶理由として拒絶の理由が通知され、平成24年3月21日付で意見書・手続補正書が提出され、平成24年4月4日付で、平成24年3月21日付手続補正書による手続補正が却下されると共に拒絶査定がなされたものである。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成24年8月10日に請求された拒絶査定不服審判であって、その審判請求と同時に手続補正書が提出され、当審において、前置報告書の内容について審判請求人の意見を求めるために、平成24年10月31日付で審尋がなされ、平成25年2月6日付で回答書が提出されている。

2.査定
平成24年4月4日付の原査定の理由は、概略、以下のとおりである。

本願の請求項1?6に係る発明は、いずれも、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の各刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧
1.特開平7-184160号公報
2.特開平6-60620号公報
3.特開平7-168855号公報
4.特開平7-319660号公報

第2.補正の却下の決定
平成24年8月10日付の手続補正について次のとおり決定する。

《結論》
平成24年8月10日付の手続補正を却下する。

《理由》
1.補正の内容
平成24年8月10日付の手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の請求項1?6(平成23年4月21日手続補正書で補正されたもの。平成24年4月4日付で平成24年3月21日付手続補正書による手続補正は既に却下されている。)である、

『【請求項1】
被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
更に、前記映像データに対する所定の機能を表示する機能選択表示画面を前記表示手段に表示させるときに操作される機能スイッチ手段を有し、
前記制御手段は、前記機能選択表示画面において前記操作スイッチ手段により前記所定の機能が選択されると、前記表示手段の前記表示形態を切り替えるとともに、前記切り替えられた表示形態に応じて設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置であって、
更に、前記映像データに対する所定の機能を表示する機能選択表示画面を前記表示手段に表示させるときに操作される機能スイッチ手段を有し、
前記操作スイッチ手段は、
前記一覧表示された前記複数の映像データに関する情報の一つである縮小画から所望の縮小画を選択し、または、前記機能選択表示画面において前記所定の機能を選択するときにに操作される選択スイッチ手段と、
前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する映像データを再生し、または、前記選択スイッチ手段で選択された機能を実行するときに操作される再生スイッチ手段と、を有し、
前記制御手段は、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する映像データが再生されるのか、または、前記選択スイッチ手段で選択された機能が実行されるのかを、ガイド表示するように制御する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の撮像装置であって、
前記制御手段は、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する撮像データが再生される場合、前記操作スイッチ表示による処理内容が「再生」とガイド表示するように制御し、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された機能が実行される場合、前記操作スイッチ表示による処理内容が「決定」とガイド表示するように制御する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の撮像装置であって、
前記選択スイッチ手段は、前記映像データの再生中において、前記映像データを早送りまたは巻戻しするときに操作されること、
を特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載の撮像装置であって、
前記映像データの再生中に前記映像データの再生を停止するとき、または、前記機能選択表示画面の表示中に機能の選択を中止するときに操作される停止スイッチ手段と、
を備え、
前記制御手段は、該停止スイッチ手段の操作により、前記機能の選択を中止可能な状態である場合、その旨を前記表示手段がガイド表示するように制御すること、
を特徴とする撮像装置。』

を、

『【請求項1】
被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段と、を有し、
データを削除する場合に、一時廃棄場所にデータ移動した後、一時廃棄場所に含まれるデータを削除する二段階削除とする
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
更に、前記映像データに対する所定の機能を表示する機能選択表示画面を前記表示手段に表示させるときに操作される機能スイッチ手段を有し、
前記制御手段は、前記機能選択表示画面において前記操作スイッチ手段により前記所定の機能が選択されると、前記表示手段の前記表示形態を切り替えるとともに、前記切り替えられた表示形態に応じて設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置であって、
更に、前記映像データに対する所定の機能を表示する機能選択表示画面を前記表示手段に表示させるときに操作される機能スイッチ手段を有し、
前記操作スイッチ手段は、
前記一覧表示された前記複数の映像データに関する情報の一つである縮小画から所望の縮小画を選択し、または、前記機能選択表示画面において前記所定の機能を選択するときに操作される選択スイッチ手段と、
前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する映像データを再生し、または、前記選択スイッチ手段で選択された機能を実行するときに操作される再生スイッチ手段と、を有し、
前記制御手段は、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する映像データが再生されるのか、または、前記選択スイッチ手段で選択された機能が実行されるのかを、ガイド表示するように制御する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の撮像装置であって、
前記制御手段は、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された縮小画に対応する撮像データが再生される場合、前記操作スイッチ表示による処理内容が「再生」とガイド表示するように制御し、前記再生スイッチ手段の操作により、前記選択スイッチ手段で選択された機能が実行される場合、前記操作スイッチ表示による処理内容が「決定」とガイド表示するように制御する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の撮像装置であって、
前記選択スイッチ手段は、前記映像データの再生中において、前記映像データを早送りまたは巻戻しするときに操作される
こと、を特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載の撮像装置であって、
前記映像データの再生中に前記映像データの再生を停止するとき、または、前記機能選択表示画面の表示中に機能の選択を中止するときに操作される停止スイッチ手段と、を備え、
前記制御手段は、該停止スイッチ手段の操作により、前記機能の選択を中止可能な状態である場合、その旨を前記表示手段がガイド表示するように制御する
こと、を特徴とする撮像装置。』

と補正するものであって、以下の補正事項を含むものである。

[補正事項1]
補正前の請求項1(平成23年4月21日手続補正書で補正されたもの)に、

「【請求項1】
被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置」

とあるのを、

「【請求項1】
被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段と、を有し、
データを削除する場合に、一時廃棄場所にデータ移動した後、一時廃棄場所に含まれるデータを削除する二段階削除とする
ことを特徴とする撮像装置。」

と補正する。

[補正事項2]
補正前の請求項3の「前記一覧表示された前記複数の映像データに関する情報の一つである縮小画から所望の縮小画を選択し、または、前記機能選択表示画面において前記所定の機能を選択するときにに操作される選択スイッチ手段」を「前記一覧表示された前記複数の映像データに関する情報の一つである縮小画から所望の縮小画を選択し、または、前記機能選択表示画面において前記所定の機能を選択するときに操作される選択スイッチ手段」と補正する。

2.本件補正の適合性
2.1.補正の目的
上記補正事項2は、誤記の訂正を目的とするものである。

これに対し、上記補正事項1は、補正前の請求項1に「データを削除する場合に、一時廃棄場所にデータ移動した後、一時廃棄場所に含まれるデータを削除する二段階削除とする」との発明特定事項を付加するものである。
そして、補正前の請求項1は、追加された発明特定事項の上位概念にあたる「データを削除」することについての発明特定事項を含んでいないので、上記「データを削除する場合に、一時廃棄場所にデータ移動した後、一時廃棄場所に含まれるデータを削除する二段階削除とする」との発明特定事項を付加することは、補正前の請求項1に記載された発明特定事項を限定するものとはいえない。
また、上記補正事項1は、請求項の削除、誤記の訂正、あるいは明りょうでない記載の釈明の、いずれを目的としたものとも認められない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項の規定に適合しないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明
上記のとおり、平成24年8月10日付の手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成20年8月29日付、平成23年4月21日手続補正書で補正された明細書、特許請求の範囲および図面の記載からみて、平成23年4月21日手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置」

第4.引用例、および、引用発明
1.引用例1
平成24年4月4日付の原査定で引用された引用例1(特開平7-184160号公報)には、図面と共に以下の記載がある。

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像及び音声の処理して、記録再生を行なう装置に関するものである。」
「【0002】
【従来の技術】従来、画像及び音声データを処理し、記録する規格としてスチルビデオフォーマット方式が知られている。この従来のスチルビデオフォーマットは、画像データと音声データは夫々別のトラックにFM記録される。また、音声トラックは関連する画像トラックのトラック番号を記録するためのフィールドをコントロールコードに設けられており、特定の画像についての注釈(識別情報)を記録できるようにしたものである。」
「【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記のような従来のデジタル電子カメラにおいては、以下のような問題がある。
即ち、スチルビデオフォーマット方式では、音声トラックからの参照したい画像トラックの指定はできるが、画像トラックからは関連する音声トラックを指定できない。従って、音声データと画像データとの関連を確定するためには記録媒体であるスチルビデオフロッピー上の全てのトラックを検索して全ての音声トラックを再生し、参照したい画像トラックを見つけ出さなければならず必然的に多大な時間を必要とするため無駄が多く現実的ではないという欠点があった。」
「【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施例のデジタル電子カメラ本体のシステム構成を示すブロック図である。図1において、記録媒体101は、例えばPCMCIA規格に準拠したメモリカ-ドやハードディスクなどである。音声入力回路20及び音声出力部22は、例えばオーディオジャックあるいはスピーカである。A/D変換器24は、音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する装置で、D/A変換器25は、信号処理制御用CPU13から送られるデジタルの音声信号をアナログに変換する装置である。スイッチ21は音声出力部22への音声信号の送信を選択する選択回路である。メモリバスコントローラ102は、撮像信号処理部19、信号処理制御用DSP13、画像表示用バッファメモリ12、記録媒体I/F回路104の間での画像データ、音声データなどの転送を行う。」
「【0014】D/A変換機26は画像表示用バッファメモリ12からのデジタル画像データをアナログ映像信号に変換する装置であり、映像出力部23はアナログに変換された映像信号を映像として表示する映像表示装置である。1は撮影レンズであり、2は絞り機能とシャッター機能を兼ねる絞り兼用シャッター、3はストロボ、メカ及び操作部制御用CPU4は機械的な操作を行なう各操作部を制御し、駆動回路5はメカ系各部の駆動させる回路である。」
『【0015】撮像素子6は被写体からの反射光を電気信号に変換するCCDで、タイミング信号発生回路7は撮像素子6を動作させるために必要なタイミング信号を発生する(以下、「TG」と称する)。撮像素子駆動回路8はタイミング信号発生回路7からの信号を撮像信号の駆動可能なレベルに増幅する駆動回路で、前置処理回路9は撮像素子6で発生する出力ノイズ除去のためのCDS回路及びA/D変換前に行う非線形増幅回路を備える。A/D変換器10は前置処理後のデータをデジタルに変換する。信号処理制御用CPU13は信号処理部を制御する信号処理制御用DSP(DIGTAL SIGNAL PROCESSOR)であり、操作表示部14は操作補助のための表示やカメラの状態を表わす表示部で、操作部15はカメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である。記録媒体I/F104は本実施例に基づくデジタル電子カメラと記録媒体101とを接続するための記録媒体I/F用回路である。そして、本実施例のカメラの記録媒体への記録ファイルフォーマットは、例えばMSーDOSのようなファイルフォーマットを使用することができる。』
「【0016】画像表示用バッファメモリ12は信号処理制御用DSP13から画素単位でアクセスすることが可能であり、また撮影する画像を表示しながら任意の操作手段パネルを描画することができる。操作部15にトラックボールなどを実装すれば、近年におけるパ-ソナルコンピュ-タにおけるポインティングデバイスを用いたGUI(Graphical User Interface)と同様のユーザーI/Fを実現できるようになっている。つまり信号処理制御用DSP13が画像表示用バッファに様々なコントロールパネルを描画して、ユーザーがそのコントロールパネルに対してポインティングデバイス(この場合トラックボール)によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる。また信号処理制御用DSP13によって、画像やテキストや様々な図形を画像表示部に描画することでユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示が行われる。本実施例では以下操作部15と上記GUIによるユーザーI/F操作を操作部15による操作と称することとする。またポインティングデバイスによるクリックあるいはダブルクリック操作などを起動操作と称することとする。」
「【0032】以上の説明により明らかなように本実施例のデジタル電子カメラは記録媒体に画像データ、音声データ、テキストデータの3種類のファイルを保持できる。
<ファイルの一覧表示>図5は、記録されたファイルの一覧を表示する表示形式を示す図である。3種のファイルをカメラの表示部に映像としてディレクトリ表示するときは信号処理制御用DSP13が記録媒体上に記録されているファイルを読み出し、ファイルデータの種類に応じて図5に示すように画像については画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する。これらの表示は記録時間順に表示したり、また画像だけ、音声だけ、テキストだけの表示を行うこともできる。またユーザーは索引画像、音声、テキストを表すアイコンをポインティングデバイスで選択したのち、消去ボタン509をクリックするとカメラは選択されたファイルの消去を行う。」
「【0033】索引画像501の下部にある音声、テキストの夫々のアイコン511、512はその画像ファイルにリンクされたテキストや音声が存在するかどうかを示すためのものである。テキスト及び音声は後述する<画像ファイルへの音声、テキストのリンク>に従ってリンクされる。例えば、511、512のようにアイコンをグレーレベルにすることでデータが存在することを表現する。これらのアイコンをポインティングデバイスを用いて選択して起動させ、後述する<音声の再生>又は<テキストの再生>が行われる。」
「【0034】図5において、画面の一部510は表示する索引画像やアイコンなどのオブジェクトが画面に入りきらないときにそれらを検索できるように上下にスクロールするためのスクロールバーである。これは近年のパ-ソナルコンピュ-タやワークステーションで用いられるウィンドウ表示のためのツールと同様に機能する。
<画像の拡大及び再生>図7は、拡大された画像の表示形式を示す図である。図7において一つの画像について拡大再生したい場合、ユーザーは操作部のポインティングデバイスを用いて一つの索引画像を選択して拡大命令(例えばボタンのダブルクリック)を行う。信号処理制御用DSP13は上記操作を検知すると選択された画像ファイルから圧縮画像データを読み出し、伸長して画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。このときの表示は、例えば図7に示すように拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、更にリンクされた複数の音声、テキストのアイコンとして夫々705、706などが表示される。」
「【0035】ポインティングデバイスでボタン702を起動すると図7に表示された画像のパネルは閉じられて前述の図5の表示に戻る。
<音声の再生>次に、図5において、音声を再生したい場合、ユーザーは操作部のポインティングデバイスを用いて音声アイコンを選択して起動する。」
「【0036】信号処理制御用DSP13はスイッチ回路21を制御してD/A変換器25からの出力を音声出力部22の入力に接続する。信号処理制御用DSP13は記録媒体I/F104、メモリバスコントローラ102を制御して音声データを読み出しD/A変換器に記録時の標本化周期で出力し音声出力部22から音声が出力される。」
「【0037】<テキストの再生>更に、テキストを表示したい場合、ユーザは操作部のポインティングデバイスを用いてテキストアイコンを選択して起動する。図7は、テキストデータの表示形式を示す図である。信号処理制御用DSP13は記録媒体I/F104、メモリバスコントローラ102を制御してテキストデータを読み出しキャラクタビットパターン展開して例えば図6に示すようなテキストデータを画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。」
「【図1】


「【図5】


「【図6】


「【図7】



ここで、上記記載について検討する。

第一に、上記段落【0003】の「しかしながら、上記のような従来のデジタル電子カメラにおいては、以下のような問題がある。」、段落【0013】の「図1は、本実施例のデジタル電子カメラ本体のシステム構成を示すブロック図である。」との記載からみて、引用例1記載の発明は「デジタル電子カメラ」である。
第二に、上記段落【0013】?【0016】の記載からみて、引用例1記載の発明の「デジタル電子カメラ」は「被写体からの反射光を電気信号に変換する撮像素子6、撮像素子6を動作させるために必要なタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路7、タイミング信号発生回路7からの信号を撮像信号の駆動可能なレベルに増幅する撮像素子駆動回路8、撮像素子6で発生する出力ノイズ除去のためのCDS回路及びA/D変換前に行う非線形増幅回路を備える前置処理回路9、前置処理後のデータをデジタルに変換するA/D変換器10、信号処理制御用DSP13から画素単位でアクセスすることが可能であり、また撮影する画像を表示しながら任意の操作手段パネルを描画することができる画像表示用バッファメモリ12、信号処理部を制御する信号処理制御用DSP(DIGTAL SIGNAL PROCESSOR)である信号処理制御用DSP13、操作補助のための表示やカメラの状態を表わす操作表示部14、カメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である操作部15、PCMCIA規格に準拠したメモリカ-ドやハードディスクなどである記録媒体101、デジタル電子カメラと記録媒体101とを接続するための記録媒体I/F用回路である記録媒体I/F104」を有している。
第三に、上記段落【0016】の「操作部15にトラックボールなどを実装すれば、近年におけるパ-ソナルコンピュ-タにおけるポインティングデバイスを用いたGUI(Graphical User Interface)と同様のユーザーI/Fを実現できるようになっている。つまり信号処理制御用DSP13が画像表示用バッファに様々なコントロールパネルを描画して、ユーザーがそのコントロールパネルに対してポインティングデバイス(この場合トラックボール)によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる。また信号処理制御用DSP13によって、画像やテキストや様々な図形を画像表示部に描画することでユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示が行われる。」との記載、上記段落【0032】の「図5は、記録されたファイルの一覧を表示する表示形式を示す図である。3種のファイルをカメラの表示部に映像としてディレクトリ表示するときは信号処理制御用DSP13が記録媒体上に記録されているファイルを読み出し、ファイルデータの種類に応じて図5に示すように画像については画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する。これらの表示は記録時間順に表示したり、また画像だけ、音声だけ、テキストだけの表示を行うこともできる。またユーザーは索引画像、音声、テキストを表すアイコンをポインティングデバイスで選択したのち、消去ボタン509をクリックするとカメラは選択されたファイルの消去を行う。」との記載、上記段落【0034】の「図7において一つの画像について拡大再生したい場合、ユーザーは操作部のポインティングデバイスを用いて一つの索引画像を選択して拡大命令(例えばボタンのダブルクリック)を行う。信号処理制御用DSP13は上記操作を検知すると選択された画像ファイルから圧縮画像データを読み出し、伸長して画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。このときの表示は、例えば図7に示すように拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、更にリンクされた複数の音声、テキストのアイコンとして夫々705、706などが表示される。」、上記段落【0037】の「<テキストの再生>更に、テキストを表示したい場合、ユーザは操作部のポインティングデバイスを用いてテキストアイコンを選択して起動する。図7は、テキストデータの表示形式を示す図である。信号処理制御用DSP13は記録媒体I/F104、メモリバスコントローラ102を制御してテキストデータを読み出しキャラクタビットパターン展開して例えば図6に示すようなテキストデータを画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。」との記載、および、【図5】【図6】【図7】の記載からみて、引用例1記載の発明の「信号処理制御用DSP13」は「画像表示用バッファメモリ12にユーザーがそのコントロールパネルに対して操作部15によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる様々なコントロールパネルを描画し、また、ユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示するために、画像やテキストや様々な図形を描画することで、操作表示部14に表示を行うものであって、ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧、拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、テキストデータの表示部601と制御用ボタン602を表示することができる」ものである。
第四に、上記段落【0016】の「本実施例では以下操作部15と上記GUIによるユーザーI/F操作を操作部15による操作と称することとする。」、上記段落【0032】の「図5は、記録されたファイルの一覧を表示する表示形式を示す図である。3種のファイルをカメラの表示部に映像としてディレクトリ表示するときは信号処理制御用DSP13が記録媒体上に記録されているファイルを読み出し、ファイルデータの種類に応じて図5に示すように画像については画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する。これらの表示は記録時間順に表示したり、また画像だけ、音声だけ、テキストだけの表示を行うこともできる。またユーザーは索引画像、音声、テキストを表すアイコンをポインティングデバイスで選択したのち、消去ボタン509をクリックするとカメラは選択されたファイルの消去を行う。」との記載、上記段落【0034】の「図7において一つの画像について拡大再生したい場合、ユーザーは操作部のポインティングデバイスを用いて一つの索引画像を選択して拡大命令(例えばボタンのダブルクリック)を行う。信号処理制御用DSP13は上記操作を検知すると選択された画像ファイルから圧縮画像データを読み出し、伸長して画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。このときの表示は、例えば図7に示すように拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、更にリンクされた複数の音声、テキストのアイコンとして夫々705、706などが表示される。」、上記段落【0035】の「<音声の再生>次に、図5において、音声を再生したい場合、ユーザーは操作部のポインティングデバイスを用いて音声アイコンを選択して起動する。」、上記段落【0036】の「信号処理制御用DSP13はスイッチ回路21を制御してD/A変換器25からの出力を音声出力部22の入力に接続する。信号処理制御用DSP13は記録媒体I/F104、メモリバスコントローラ102を制御して音声データを読み出しD/A変換器に記録時の標本化周期で出力し音声出力部22から音声が出力される。」、上記段落【0037】の「<テキストの再生>更に、テキストを表示したい場合、ユーザは操作部のポインティングデバイスを用いてテキストアイコンを選択して起動する。図7は、テキストデータの表示形式を示す図である。信号処理制御用DSP13は記録媒体I/F104、メモリバスコントローラ102を制御してテキストデータを読み出しキャラクタビットパターン展開して例えば図6に示すようなテキストデータを画像表示用バッファメモリに転送し画像表示部に表示する。」との記載、および、【図5】【図6】【図7】の記載からみて、引用例1記載の発明の「操作部15」は「操作表示部14に表示されたファイルの一覧から一つを選択し起動することによって、ファイルの消去、画像の表示、音声の再生、テキストの表示を行う」ものである。

したがって、引用例1には以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「被写体からの反射光を電気信号に変換する撮像素子6、撮像素子6を動作させるために必要なタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路7、タイミング信号発生回路7からの信号を撮像信号の駆動可能なレベルに増幅する撮像素子駆動回路8、撮像素子6で発生する出力ノイズ除去のためのCDS回路及びA/D変換前に行う非線形増幅回路を備える前置処理回路9、前置処理後のデータをデジタルに変換するA/D変換器10、信号処理制御用DSP13から画素単位でアクセスすることが可能であり、また撮影する画像を表示しながら任意の操作手段パネルを描画することができる画像表示用バッファメモリ12、信号処理部を制御する信号処理制御用DSP(DIGTAL SIGNAL PROCESSOR)である信号処理制御用DSP13、操作補助のための表示やカメラの状態を表わす操作表示部14、カメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である操作部15、PCMCIA規格に準拠したメモリカ-ドやハードディスクなどである記録媒体101、デジタル電子カメラと記録媒体101とを接続するための記録媒体I/F用回路である記録媒体I/F104を有し、
上記信号処理制御用DSP13は、画像表示用バッファメモリ12にユーザーがそのコントロールパネルに対して操作部15によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる様々なコントロールパネルを描画し、また、ユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示するために、画像やテキストや様々な図形を描画することで、操作表示部14に表示を行うものであって、ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧、拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、テキストデータの表示部601と制御用ボタン602を表示することができ、
上記操作部15は、操作表示部14に表示されたファイルの一覧から一つを選択し起動することによって、ファイルの消去、画像の表示、音声の再生、テキストの表示を行うことができる、
デジタル電子カメラ。」

2.引用例2
平成24年4月4日付の原査定で引用された引用例2(特開平6-60620号公報)には、図面と共に以下の記載がある。

「【0010】バーコード18が貼られたカセット1が挿入された状態でタイマ予約録画を実行するには、まず、予約の設定を行なわなければならない。図4はキー入力装置16を構成するキーを表す図であり、使用者が予約キー42を押すと図5に示す予約設定画面がモニタ16にOSD表示される。同図51は設定項目が選択された状態を表し、52は使用者にキー入力装置16の操作方法を分かりやすくするための操作ガイド表示を表す。使用者はキー入力装置16に設けられた左キー44または右キー46によって設定項目を選択する。選択項目としては予約録画の日付け、開始終了の時刻などと共に、後で検索する場合に便利なようにその番組がどの分野に属するかを表すキーワード(以下、ジャンルと称する。)とそれを表す記号などがある。前記ジャンルと記号の例として図3に示すものが考えられ、その中の映画では同図31が映画を表現するための記号である。記号31はそれ自体で映画を連想でき得るものであり、ジャンルと記号の両方、あるいはジャンルか記号のいずれか一方が表示されれば、検索する場合にその番組がいずれの分野に属するものなのかが判別できる。図5のモニタ13への表示において、使用者が選択項目例えばジャンルと記号を選択し、上キー43または下キー45を操作すると図3に示すジャンルと記号が順次表示され、実行キー47を押すことにより、番組のジャンルと記号が決定すると同時にタイマ予約の設定が完了する。」
「【図3】


「【図4】


「【図5】



ここで、【図3】に表示される「操作ガイド32」と【図5】に表示される「操作ガイド52」を比較すると、表示される操作ガイドが画面毎に異なるものであって、その画面での操作に対応するものであることが見てとれる。

したがって、引用例2には「キー入力装置16の操作方法を分かりやすくするために、キー入力装置16に対応し、画面毎に異なり、その画面での操作に対応する操作ガイド表示32,52を表示すること」(以下「引用発明2」という。)が記載されている。

第5.対比
本願発明と引用発明1を対比する。

1.「被写体映像を電気信号に変換する撮像手段」
引用発明1は「被写体からの反射光を電気信号に変換する撮像素子6」を有しているから、引用発明1の「被写体からの反射光を電気信号に変換する撮像素子6」と本願発明の「被写体映像を電気信号に変換する撮像手段」が一致する。

2.「前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段」
引用発明1は「PCMCIA規格に準拠したメモリカ-ドやハードディスクなどである記録媒体101、デジタル電子カメラと記録媒体101とを接続するための記録媒体I/F用回路である記録媒体I/F104」を有しているから、引用発明1の「PCMCIA規格に準拠したメモリカ-ドやハードディスクなどである記録媒体101、デジタル電子カメラと記録媒体101とを接続するための記録媒体I/F用回路である記録媒体I/F104」と本願発明の「前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段」が一致する。

3.「前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段」
引用発明1は「信号処理制御用DSP13から画素単位でアクセスすることが可能であり、また撮影する画像を表示しながら任意の操作手段パネルを描画することができる画像表示用バッファメモリ12、信号処理部を制御する信号処理制御用DSP(DIGTAL SIGNAL PROCESSOR)である信号処理制御用DSP13、操作補助のための表示やカメラの状態を表わす操作表示部14、カメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である操作部15」を有し「上記信号処理制御用DSP13は、画像表示用バッファメモリ12にユーザーがそのコントロールパネルに対して操作部15によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる様々なコントロールパネルを描画し、また、ユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示するために、画像やテキストや様々な図形を描画することで、操作表示部14に表示を行うものであって、ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧、拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、テキストデータの表示部601と制御用ボタン602を表示することができ」るものであり、かつ、「上記操作部15は、操作表示部14に表示されたファイルの一覧から一つを選択し起動することによって、ファイルの消去、画像の表示、音声の再生、テキストの表示を行うことができる」ものである。
ここで、これら「操作表示部14」に表示される「ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧」「拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704」「テキストデータの表示部601と制御用ボタン602」は「操作部15」の操作によって切り換えられているから、引用発明1の「ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧」と本願発明の「前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示」、引用発明1の「拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704」「テキストデータの表示部601と制御用ボタン602」と本願発明の「所定の処理を実行させるために画面の表示形態」が対応する。
したがって、引用発明1の「操作補助のための表示やカメラの状態を表わす操作表示部14」と本願発明の「前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段」が一致する。

4.「前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段」
引用発明1の「カメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である操作部15」を有し「上記操作部15は、操作表示部14に表示されたファイルの一覧から一つを選択し起動することによって、ファイルの消去、画像の表示、音声の再生、テキストの表示を行うことができる」ものであるから、引用発明1の「カメラを外部から制御するためのキーボード等の入力装置である操作部15」と本願発明の「前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段」が一致する。

5.「前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段」
引用発明1の「上記信号処理制御用DSP13は、画像表示用バッファメモリ12にユーザーがそのコントロールパネルに対して操作部15によって操作することでカメラのあらゆる操作が可能となる様々なコントロールパネルを描画し、また、ユーザーに対して撮影された画像、カメラの現在の状態、記録媒体上のファイル管理情報など多種多様な情報の提示するために、画像やテキストや様々な図形を描画することで、操作表示部14に表示を行うものであって、ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧、拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704、テキストデータの表示部601と制御用ボタン602を表示することができ」るものであって、これら「操作表示部14」に表示される「ファイルデータの種類に応じて画像ファイルを表現する索引画像501、音声、テキストは夫々502、504のようなアイコンとして表示する記録されたファイルの一覧」「拡大された画像の表示部701と各制御用ボタン702?704」「テキストデータの表示部601と制御用ボタン602」は、本願発明の「前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々」と一致する。
しかしながら、引用発明1は、なんら「操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示する」ものではないから、本願発明の「制御手段」は「前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する」のに対し、引用発明1はこの「制御手段」に対応する構成を有さない点で相違する。

6.「撮像装置」
引用発明1は「デジタル電子カメラ」であるから、引用発明1と本願発明は、いずれも「撮像装置」である点で一致している。

第6.一致点・相違点
上記「第5.対比」で述べたことをまとめると、本願発明と引用発明1は、

[一致点]
「被写体映像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された映像データを記録媒体に記録再生する記録再生手段と、
前記記録媒体に記録された複数の映像データに関する情報を一覧表示し、所定の処理を実行させるために画面の表示形態を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の画面に表示された複数の映像データに関する情報を処理するときに操作される操作スイッチ手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。」

という点で一致し、

[相違点]
本願発明の「制御手段」は「前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する」のに対し、引用発明1はこの「制御手段」に対応する構成を有さない点。

という点で相違する。

第7.当審の判断
上記「第4.引用例、および、引用発明」「2.引用例2」で述べたように、引用発明2は「キー入力装置16の操作方法を分かりやすくするために、キー入力装置16に対応し、画面毎に異なり、その画面での操作に対応する操作ガイド表示32,52を表示すること」である。

ここで、一般のユーザが用いる電子機器において、操作性を向上させることは周知の課題であるといえ、その解決手段としてなんらかのガイド表示を行うことも極めて良く行われているということができるから、引用発明1においてもなんらかのガイド表示を行おうとすることは当業者が自然に思いつくことにすぎず、上記引用発明2に基づき、引用発明1に「前記表示手段により切り替えて表示される所定の処理を実行させるための複数の表示形態の画面各々において実行可能な処理の操作スイッチ表示を前記操作スイッチ手段の操作スイッチに対応させて一覧表示するとともに、前記複数の表示形態に応じて異なって設定された前記操作スイッチ表示による処理内容をガイド表示するように制御する制御手段」を付加したことは、当業者が容易に想到し得たことにすぎない。
また、本願発明の効果は、その構成から当業者が容易に予測し得るものであり、格別顕著なものがあるとは認められない。

したがって、本願発明は引用発明1,2記載の発明に基づき当業者が容易に発明できたものである。

第8.むすび
以上のように、本願の請求項1に係る発明は、引用例1,2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、残る請求項2?6に係る発明について検討をするまでもなく、本件出願は拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-04-25 
結審通知日 2013-05-07 
審決日 2013-05-20 
出願番号 特願2008-220783(P2008-220783)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 572- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 秀彦佐藤 直樹  
特許庁審判長 松尾 淳一
特許庁審判官 渡辺 努
奥村 元宏
発明の名称 記録装置および記録方法  
代理人 実広 信哉  
代理人 渡邊 隆  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ