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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G01N
管理番号 1282467
審判番号 訂正2013-390160  
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-10-18 
確定日 2013-11-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4342715号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第4342715号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1 請求の要旨
本件審判の請求の要旨は,特許第4342715号(平成12年10月13日特許出願,平成21年7月17日設定登録)の明細書(以下「本件特許明細書」という。)を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり,すなわち,下記(1)?(3)のとおり訂正することを求めるものである。なお,以下において,訂正した箇所に下線を付した。

(1)訂正事項a
本件特許明細書における特許請求の範囲の請求項8について,
「【請求項8】
請求項1から7までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、電流電位曲線測定装置に接続した測定制御装置における測定およびデータ処理方法の入力工程として、測定前に電位掃引方法および電気化学的特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定測定終了を通知するステップと、電流電位曲線測定後改めて電気化学特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、得られた電気化学特性値の出力を促すステップとを有することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。」を

「【請求項8】
請求項1から7までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、電流電位曲線測定装置に接続した測定制御装置における測定およびデータ処理方法の入力工程として、測定前に電位掃引方法および電気化学的特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定終了を通知するステップと、電流電位曲線測定後改めて電気化学特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、得られた電気化学特性値の出力を促すステップとを有することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。」と訂正する。

(2)訂正事項b
本件特許明細書における段落【0012】,【0021】,【0023】,【0025】,【0027】及び【0028】を以下のとおりに訂正し,かつ,新たな段落【0014】,【0017】及び【0019】を以下のとおりに追加する訂正を行う。
「【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、酸に有機インヒビターとしてチオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))を添加した電解液を被計測部に接触させ、被計測部を陽極として電位を制御しつつ単一あるいは複数の方向に掃引して被計測部の電流電位曲線の測定を行い、この曲線から得られる電気化学的特性値を指標として被計測部の粒界腐食性を診断することを特徴とする。」

「【0014】
請求項2に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、電解液中のチオアセトアミド濃度が1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲であることを特徴とする。」

「【0017】
請求項3に記載のニッケル基の合金粒界腐食性診断方法は、チオアセトアミドの代りに有機インヒビターとしてチオ尿素(CS(NH_(2))_(2))を電解液中に1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲内の濃度で添加することを特徴とする。」

「【0019】
請求項4に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、酸として濃度が1.0×10^(-3)mol/l以上5.0mol/l以下の範囲内の硫酸を用いることを特徴とする。」

「【0021】
請求項5に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、電位を腐食電位から貴方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引したときに得られるアノード電流密度ピーク値Iaあるいは電気量Qaと、特定の電位に到達後、一定時間電位を保持したのち電位を卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引して得られる電流密度ピーク値Irあるいはクーロン量Qrとの、それぞれの比(Ir/Ia),(Qr/Qa)であることを特徴とする。」

「【0023】
請求項6に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、被測定部の電位を不動態化電位以上の電位に一定時間保持した後、卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の速度で電位掃引した時に得られる電流密度ピークIrあるいは電気量Qrであることを特徴とする。」

「【0025】
請求項7に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、被測定部に支持アームと遠隔あるいは手動の位置決め機構と照合電極、対極、リード線、薬液輸出入管、薬液輸出入装置からなる電解セルを直接被計測部に押し付けて電流電位曲線を測定することを特徴とする。」

「【0027】
請求項8に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、電流電位曲線測定装置に接続した測定制御装置における測定およびデータ処理方法の入力工程として、測定前に電位掃引方法および電気化学的特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定終了を通知するステップと、電流電位曲線測定後改めて電気化学特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、得られた電気化学特性値の出力を促すステップとを有することを特徴とする。」

「【0028】
上記構成の測定制御方法を用いることにより、システムデータ採取から蓄積までを容易に行うことができる。」

(3)訂正事項c
本件特許明細書における段落【0013】及び【0015】を以下のとおりに訂正する。
「【0013】
上記構成のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法においては、酸に腐食からの保護作用を有する有機インヒビター:チオアセトアミド(CSCH3NH2)を添加した電解液を用いて再活性化率の測定を行うことで、結晶粒内の腐食量を抑制しつつ結晶粒界の腐食性をより高感度で診断でき、溶接金属の腐食性をより適切に評価できる。」

「【0015】
チオアセトアミド濃度が低い場合、インヒビター添加による被計測面の保護作用が弱くなり、測定過程において腐食ピットが多数発生し、電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映できない可能性がある。」


2 当審の判断
(1)訂正事項aについて
請求項8の「電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定測定終了を通知するステップ」との記載について,前者は,「電流電位曲線」の測定を開始することを促すステップということで技術的に明瞭であるが,後者は,「電流電位曲線測定」の測定を終了することを通知するステップとなり,前者の関係で,何の測定の終了を通知するステップであるのか明瞭でない。それに対し,「電流電位曲線測定測定終了」を「電流電位曲線測定終了」と訂正することにより,「電流電位曲線」の測定終了を通知するステップということになり,技術的に明瞭となるものである。
よって,訂正事項aは,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

また,願書に添付した明細書の段落【0068】及び【0069】には,
「【0068】
第一のステップ(S1)では、電位掃引方法48について、ダブルループ式あるいはシングルループ式のいずれかを選択し、掃引開始電位49、貴方向、卑方向への電位掃引速度50、電流電位曲線測定後の特性値算出方法51について選択/入力を行う。
【0069】
第二のステップ(S2)では、測定開始および終了をコンピュータを用いた制御52を行なう。」
と記載されており,訂正された「電流電位曲線測定終了」は,電流電位曲線の測定終了のことであるから,上記訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。さらに,上記訂正によって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
よって,訂正事項aは,特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(2)訂正事項bについて
本件特許明細書の見出し【課題を解決するための手段】に相当する部分の記載(段落【0012】?【0028】の記載)は,本件特許明細書の特許請求の範囲の記載と整合しないものである。そこで,訂正事項bは,本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1?7及び上記訂正事項aによって訂正された請求項8の記載との整合性をとるために訂正されたものであるから,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また,上記訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであることは明らかであるから,特許法第126条第5項に適合するものであり,上記訂正によって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないことから,同条第6項に適合するものである。

(3)訂正事項cについて
本件特許明細書の段落【0013】の「上記構成のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法おいて」を「上記構成のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法において」と訂正することにより,「上記構成のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法」を前提とすることが明瞭となり,また,同段落【0015】の「電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映で反映できない」を「電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映できない」と訂正することにより,電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映できないという技術的事項が明瞭となるものであるから,両者とも,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また,上記訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであることは明らかであるから,特許法第126条第5項に適合するものであり,上記訂正によって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないことから,同条第6項に適合するものである。


3 むすび
以上のとおり,本件審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5項及び第6項の規定にも適合する。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ニッケル基合金の粒界腐食性診断方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル基合金の粒界腐食性を診断する方法において、酸に有機インヒビターとしてチオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))を添加した電解液を被計測部に接触させ、被計測部を陽極として電位を制御しつつ単一あるいは複数の方向に掃引して被計測部の電流電位曲線の測定を行い、この曲線から得られる電気化学的特性値を指標として被計測部の粒界腐食性を診断することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項2】
請求項1記載の粒界腐食性診断方法において、電解液中のチオアセトアミド濃度が1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲であることを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項3】
請求項1記載の粒界腐食性診断方法において、チオアセトアミドの代りに有機インヒビターとしてチオ尿素(CS(NH_(2))_(2))を電解液中に1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲内の濃度で添加することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法において、酸として濃度が1.0×10^(-3)mol/l以上5.0mol/l以下の範囲内の硫酸を用いることを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、電位を腐食電位から貴方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引したときに得られるアノード電流密度ピーク値Iaあるいは電気量Qaと、特定の電位に到達後、一定時間電位を保持したのち電位を卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引して得られる電流密度ピーク値Irあるいはクーロン量Qrとの、それぞれの比(Ir/Ia),(Qr/Qa)であることを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、被測定部の電位を不動態化電位以上の電位に一定時間保持した後、卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の速度で電位掃引した時に得られる電流密度ピークIrあるいは電気量Qrであることを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、被測定部に支持アームと遠隔あるいは手動の位置決め機構と照合電極、対極、リード線、薬液輸出入管、薬液輸出入装置からなる電解セルを直接被計測部に押し付けて電流電位曲線を測定することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれかに記載の粒界腐食性診断方法において、電流電位曲線測定装置に接続した測定制御装置における測定およびデータ処理方法の入力工程として、測定前に電位掃引方法および電気化学的特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定終了を通知するステップと、電流電位曲線測定後改めて電気化学特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、得られた電気化学特性値の出力を促すステップとを有することを特徴とするニッケル基合金の粒界腐食性診断方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば沸騰水型原子炉の炉底部やノズルの溶接部に使用されているNi基合金溶接金属の粒界腐食性を非破壊的に診断する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種プラントの構造部材に用いられているステンレス鋼や、Ni基合金の耐腐食性を検出・評価する方法としては、10%シュウ酸試験、5%硫酸浸漬試験、Strauss試験、Streicher試験、Huey試験、Coriou試験、再活性化率(EPR)測定などが従来から開発されてきている。
【0003】
いずれの試験方法も、材料の結晶粒界化学組成変化を検出する手法であり、特に環境助長割れ(EAC)感受性に関連するCr含有量変化やP/Si偏析の検出が可能である。また既に、これら手法のうち一部についてはJIS規格にその試験方法が規定されている。
【0004】
しかし、EPR測定を除く上記試験は、いずれも供試体から試験片を採取する必要があるため、プラント構造部材の粒界腐食性を非破壊的に診断するには適していない。
【0005】
一方、EPR試験はサンプルを採取せずに測定が可能であるうえ、試験中に電流計、電圧計、レコーダ等によって定量値を得ることができるため、準非破壊的にその場測定を行う目的には、EPR法に代表される電気化学的手法が適している。
【0006】
Ni基合金は、その高温においても比較的高い強度と耐腐食性を有することから火力発電プラント、原子力発電プラントをはじめ、各種高温機器に広く用いられている。これらNi基合金どうし、あるいはNi基合金と低合金鋼、ステンレス鋼との溶接には、Ni基合金製の溶接金属が広く用いられている。
【0007】
近年、これらNi基合金からなる溶接金属の中には溶接まま、あるいは応力除去焼きなまし熱処理後の状態で高温高圧水に接して使用した場合、粒界型の応力腐食割れ感受性を示す場合があることが報告されてきている。その要因の一つとして、ステンレス鋼の応力腐食割れと同様に結晶粒界におけるCr濃度の減少が指摘され、EPR測定などの手法によってこのような結晶粒界のCr欠乏を検出および評価できる手法の開発が求められている。
【0008】
一方、JISに規格化されたEPR測定法は、SUS304、SUS316などのオーステナイトステンレス鋼に対して開発されたものであるため、以下の理由によりNi基合金への適用は難しいと考えられる。例えば、代表的なNi基溶接金属であるインコネル182を用いてJISに規格化されたEPR測定を行った場合、測定液中におけるインコネル182の耐食性がオーステナイト系ステンレスと比較して低いため、EPR測定時に結晶粒界とともに粒内のデンドライト組織が同時に腐食され、その結果復路掃引時の電流ピーク値が結晶粒界、粒内双方の腐食量を反映した値となるため、粒界のみの腐食性を評価することが難しい。
【0009】
よって溶接金属のように、結晶内部の耐食性が低い材料の粒界腐食性を再活性化率測定によって検出および評価できる手法はいまだ提案されておらず、プラントの健全性を評価する上で課題となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来のJIS規格化された再活性化率測定法においては、Ni基溶接金属の粒界腐食性を検出および評価することは困難であった。
【0011】
本発明はこのような従来の事情に対処するためになされたものであり、その目的は、Ni基合金製溶接金属を対象に、電流電位曲線を測定してそこから得た電気化学的特性値によって材料の粒界腐食性を診断する手法において、硫酸に有機インヒビターを添加した電解液を用いて結晶粒内の腐食を抑制しつつ、結晶粒界の腐食量を診断できる再活性化率測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、酸に有機インヒビターとしてチオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))を添加した電解液を被計測部に接触させ、被計測部を陽極として電位を制御しつつ単一あるいは複数の方向に掃引して被計測部の電流電位曲線の測定を行い、この曲線から得られる電気化学的特性値を指標として被計測部の粒界腐食性を診断することを特徴とする。
【0013】
上記構成のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法においては、酸に腐食からの保護作用を有する有機インヒビター:チオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))を添加した電解液を用いて再活性化率の測定を行うことで、結晶粒内の腐食量を抑制しつつ結晶粒界の腐食性をより高感度で診断でき、溶接金属の腐食性をより適切に評価できる。
【0014】
請求項2に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、電解液中のチオアセトアミド濃度が1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲であることを特徴とする。
【0015】
チオアセトアミド濃度が低い場合、インヒビター添加による被計測面の保護作用が弱くなり、測定過程において腐食ピットが多数発生し、電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映できない可能性がある。
【0016】
逆に、チオアセトアミド濃度が高い場合、電解液の腐食性が抑制され検出感度が低くなる。このように、チオアセトアミドは濃度によってその表面保護効果が異なるため、対象材料ごとに添加濃度の最適化を行うことによって、測定感度を向上させ、適切な粒界腐食性評価を行うことができる。
【0017】
請求項3に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、チオアセトアミドの代りに有機インヒビターとしてチオ尿素(CS(NH_(2))_(2))を電解液中に1.0×10^(-4)mol/l以上1.0mol/l以下の範囲内の濃度で添加することを特徴とする
【0018】
チオ尿素もチオアセトアミド同様電解液中において保護作用を有するため、チオ尿素を添加した電解液を用いて再活性化率の測定を行うことで、結晶粒内の腐食量を抑制しつつ結晶粒界の腐食性をより高感度で検出でき、溶接金属の腐食性をより適切に評価できる。この場合、チオ尿素の濃度についても、その表面保護効果が異なるため、対象材料ごとに添加濃度の最適化を行うことによって、測定感度を向上させ、適切な粒界腐食性評価を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、酸として濃度が1.0×10^(-3)mol/l以上5.0mol/l以下の範囲内の硫酸を用いることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、電位を腐食電位から貴方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引したときに得られるアノード電流密度ピーク値Iaあるいは電気量Qaと、特定の電位に到達後、一定時間電位を保持したのち電位を卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の範囲内の速度で掃引して得られる電流密度ピーク値Irあるいはクーロン量Qrとの、それぞれの比(Ir/Ia),(Qr/Qa)であることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、粒界腐食性の指標である電気化学的特性値が、被測定部の電位を不動態化電位以上の電位に一定時間保持した後、卑方向に0.1mV/sec以上10mV/sec以下の速度で電位掃引した時に得られる電流密度ピークIrあるいは電気量Qrであることを特徴とする。
【0024】
本発明では、上記のように単一方向掃引によって得た電流電位曲線から電気化学的特性値を抽出する方法を規定しておくことにより、電流電位曲線測定後速やかに特性値を決定することができ、多鋼種の測定値との比較を容易に行うことができる。
【0025】
請求項7に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、被測定部に支持アームと遠隔あるいは手動の位置決め機構と照合電極、対極、リード線、薬液輸出入管、薬液輸出入装置からなる電解セルを直接被計測部に押し付けて電流電位曲線を測定することを特徴とする。
【0026】
上記構成の測定プローブを用いることにより、評価サンプルを切取って採取することが困難なプラントの構造物などにおいても、その場測定によりNi基合金の粒界腐食性を評価することができる。
【0027】
請求項8に記載のニッケル基合金の粒界腐食性診断方法は、電流電位曲線測定装置に接続した測定制御装置における測定およびデータ処理方法の入力工程として、測定前に電位掃引方法および電気化学的特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、電流電位曲線の測定開始を促すステップと、電流電位曲線測定終了を通知するステップと、電流電位曲線測定後改めて電気化学特性値の算出方法の選択あるいは入力を促すステップと、得られた電気化学特性値の出力を促すステップとを有することを特徴とする。
【0028】
上記構成の測定制御方法を用いることにより、システムデータ採取から蓄積までを容易に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るNi基合金の粒界腐食性診断方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
第1実施形態(図1、図2)
図1は本発明の診断方法に使用される診断装置の一例を示している。
【0031】
電解セル1内部は電解液2によって満たされ、Ni基合金の被計測サンプル3、白金の対極4および照合電極5が設けられている。被計測サンプル3、対極4および照合電極5はリード線により電流/電圧計付のポテンショスタット6に接続され、ポテンショスタット6には電位掃引のための関数発生器7が接続される。
【0032】
負荷電位および腐食電流は対数変換器8を介して記録計9および計測制御用コンピュータ10に記録される。また、関数発生器7およびポテンショスタット6は計測制御用コンピュータ10に接続され、掃引速度の設定などを計測制御用コンピュータ10によって行うことができる。
【0033】
例として代表的なNi基合金製溶接金属であるAlloy182の粒界腐食性を評価する場合について説明する。
【0034】
図2は、溶接まま:AW(As Welded)材11および615℃×10hのSR(Stress Relief)熱処理材12より得られた電流電位曲線を示すグラフである。電解液として0.05mol/lの硫酸と0.001mol/lのチオアセトアミド(CH_(3)SCNH_(2))混合水溶液を用いて、試験温度30℃、掃引速度1mV/secで、自然電位から折り返し電位を500mVSCEとしてダブルループ式の電流電位曲線を計測した。
【0035】
本測定において得た貴方向掃引時の電流密度ピーク値Ia13と卑方向掃引時の電流密度ピーク値Ir14のと比から、電気化学特性値として再活性化率15(EPR=Ir/Ia×100(%))を求めた。測定の結果AW材11と比較してSR熱処理材12の方が高い再活性化率が得られ、測定後の被計測面からは、デンドライト組織の顕著な腐食が抑制され、かつ明瞭な粒界腐食痕が観察された。また、その粒界腐食幅はAW材11よりSR熱処理材12の方が広く再活性化率と同様の傾向を示していた。
【0036】
また、分析電子顕微鏡を用いた結晶粒界の元素濃度分析結果によれば、粒界のCr濃度はAW材11よりSR熱処理材12の方が低い。以上から本手法を用いて検出された再活性化率は、Ni基合金の粒界腐食感受性を反映しているものと考えられる。
【0037】
以上のように、本実施形態においては、酸に有機インヒビターとしてチオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))を添加した電解液を用いて電流電位曲線を測定することにより、結晶粒内の腐食を抑制しつつ結晶粒界の腐食性をより高感度で検出し、溶接金属の腐食性を適切に評価することができる。
【0038】
また、粒界腐食性診断を診断する対象材の耐食性が高く、本測定溶液による粒界腐食性診断が困難な場合には、1.0×10^(-4)mol/lから1.0mol/l程度のチオアシアン酸カリウムを本実施形態の測定液に添加してもよい。
【0039】
本実施例においては粒界Cr濃度を反映した電気化学的特性値によりニッケル基合金の粒界腐食性を診断する方法を説明したが、さらに粒界Cr濃度と応力腐食割れ感受性との間に相関が見られるとの報告があることから、粒界腐食性を診断することにより、応力腐食割れ感受性についても診断することができると考えられる。
【0040】
第2実施形態(図3)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態で使用する測定装置は、第一実施形態において使用したものと同一である。
【0041】
図3は、硫酸濃度を0.05mol/lに固定し、チオアセトアミドの添加濃度を変えてAlloy182溶接金属の溶接まま材(AW材)16およびSR(615℃×10h)熱処理材17についてEPR値を測定した結果を示すグラフである。
【0042】
チオアセトアミド濃度が低い場合、インヒビター添加による被計測面の保護作用が弱くなり、測定過程において腐食ピットが多数発生し、電流密度ピーク値が結晶粒界の腐食量を反映で反映できない可能性がある。
【0043】
逆に、チオアセトアミド濃度が高い場合、電解液の腐食性が抑制され検出感度が低くなる。よって本実施形態のようにチオアセトアミド濃度を1.0×10^(-4)mol/lから1.0mol/lまでの間から適切に選択することにより、Ni基合金の粒界腐食性を適切に評価することができる。
【0044】
第3実施形態(図4)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態で使用する測定装置は、第一実施形態において使用したものと同一である。
【0045】
図4は、添加する有機インヒビターをチオ尿素に変えてAlloy182溶接金属の溶接まま材(AW材)およびSR(615℃×10h)熱処理材についてNi基合金の粒界腐食性を評価した結果18について、添加剤にチオアセトアミドを用いた結果19と比較したグラフである。
【0046】
有機インヒビターとしてチオ尿素(CS(NH_(2))_(2))を電解液中に濃度0.01mol/l添加した場合も、チオアセトアミドを添加した場合と再活性化率の傾向は変わらない。よって、チオ尿素を用いた場合もニッケル基合金の粒界腐食性を適切に評価することが可能である。
【0047】
したがって、本実施形態のように、酸に有機インヒビターとしてチオ尿素を添加した場合においても、Ni基合金の粒界腐食性を評価することができる。
【0048】
第4実施形態(図5)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態で使用する測定装置は、第一実施形態において使用したものと同一である。
【0049】
図5は、硫酸濃度を0.5mol/l21、0.05mol/l22、0.005mol/l23、と変えてAlloy182溶接金属SR(615℃×10h)熱処理材の粒界腐食感受性を診断した結果を示すグラフである。
【0050】
なお、有機インヒビターにはチオアセトアミドを0.01mol/l添加している。硫酸濃度が比較的高い場合、電流電位曲線が全体的に上方へシフトし、測定過程における被計測面からの金属溶出量が増加する。
【0051】
このように被計測面からの溶出量が過度に大きい場合、被計測面からの全面的な溶解電流の増加によって試料ごとの粒界腐食性の差を検出することが困難となる。また、硫酸濃度が低い場合、金属溶出は低く押さえられるもののピーク電流密度も小さくなるため、不動態化電流密度とのS/N比が小さくなり、粒界腐食に起因する電流密度ピークを適切に把握できない。
【0052】
したがって、本実施形態のように対象とする鋼種によって適切な硫酸濃度を選択することにより、材料の履歴に起因する粒界腐食性の変化を感度よく検出することができる。
【0053】
第5実施形態(図6)
本発明の第5実施形態について説明する。
【0054】
本実施形態では、第1実施形態において求めた電流電位曲線より、電気化学特性値を以下の方法で抽出する。図6は、ダブルループ式電位掃引によって得られる電流電位曲線を示すグラフである。
【0055】
貴方向掃引時のアノード電流密度ピーク値Ia23および腐食電気量Qa24あるいは卑方向掃引時のアノード電流密度ピーク値Ir25および腐食電気量Qr26あるいはこれらそれぞれの比、すなわちIr/Ia27あるいはQr/Qa28を、電気化学的特性値とする。これらの特性値を用いることにより、ニッケル基合金の粒界腐食性を定量的に比較することができる。
【0056】
以上の本実施形態によれば、電位を腐食電位から貴方向に掃引したときに得られるアノード電流密度ピーク値Iaあるいは電気量Qaと、特定の電位に到達後、0秒以上の一定時間電位を保持したのち電位を卑方向に0.1?10mV/secの間のいずれかの速度で掃引して得られる電流密度ピーク値Irあるいは電気量Qrとのそれぞれの比、すなわちIr/IaあるいはQr/Qaを電気化学的特性値に用いることができる。
【0057】
第6実施形態(図7)
本発明の第6実施形態について説明する。
【0058】
図7は、シングルループ式電位掃引によって得られる電流電位曲線を示すグラフである。本実施形態では、電位を卑方向に掃引したときに得られるアノード電流密度ピーク値Ipあるいは電気量Qpを電気化学的特性値とした。
【0059】
すなわち、卑方向掃引時のアノード電流密度ピーク値Ip29、および腐食電気量Qp30を電気化学的特性値とする。これらの特性値を用いることにより、ニッケル基合金の粒界腐食性を定量的に比較することができる。
【0060】
第7実施形態(図8、図9)
本発明の第7実施形態について説明する。
【0061】
図8(A)、(B)は、沸騰水型原子炉の炉底部分の腐食性を診断する装置の概略を示す系統図および側面図である。本実施形態は電解セルを用いることによって、実構造物の電気化学的特性値を非破壊的に得る方法についてのものである。
【0062】
実構造物の電流電位曲線を測定するには、その場測定用の電解セル31を用いる。電解セルには開口部32が設けてあり、この開口部32を通じて測定用電解液33は被計測部34に接触する。なお開口部32には絶縁材料からなるOリング35が使用されており、被計測部との絶縁および開口部32の気密が保たれている。
【0063】
測定時には、電界セル31内に電解液導入管36を通じて電解液を導入する。また、電解液の排出は、電解液排出管37を通じて行う。対極38、参照電極39、試料極(被計測部)40からの出力信号はリード線41によって引き出され、ポテンショスタット42および対数変換器43を経由してレコーダ44または制御用コンピュータ45に出力される。
【0064】
図9は電流電位曲線の測定時に電解セル31を固定する装置の概略を示している。電流電位曲線の計測中、セルは遠隔自動あるいは手動によって制御された支持アーム46および位置決め機構47によって被計測部に固定される。
【0065】
以上、本実施形態では上記のような電解セル31を用いることによって、実構造物の電気化学的特性値を非破壊的に得ることができる。
【0066】
第8実施形態(図10)
本発明の第8実施形態について説明する。
【0067】
図10は、Ni基合金の粒界腐食性を診断するシステムの実行手順についてのフローチャートを示している。
【0068】
第一のステップ(S1)では、電位掃引方法48について、ダブルループ式あるいはシングルループ式のいずれかを選択し、掃引開始電位49、貴方向、卑方向への電位掃引速度50、電流電位曲線測定後の特性値算出方法51について選択/入力を行う。
【0069】
第二のステップ(S2)では、測定開始および終了をコンピュータを用いた制御52を行なう。
【0070】
測定開始の指示を行うと、第一のステップ(S1)にて入力した手順に従い電位掃引を開始する。また、場合により電位掃引を一時停止あるいは逆掃引させることもできる。測定終了時にコンピュータの画面にて測定の終了が報告される。
【0071】
第三のステップ(S2)では、電流電位曲線測定後、改めて電気化学特性値の算出方法について選択/入力53を行う。第4のステップでは、得られた電気化学特性値54について、出力およびデータ保存を行う。
【0072】
このような本実施形態のシステムによれば、上記のデータ採取から保存までを容易に行うことができる。
【0073】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明に係るNi基合金の粒界腐食性診断方法によれば、酸に有機インヒビターとしてチオアセトアミド(CSCH_(3)NH_(2))またはチオ尿素(CS(NH_(2))_(2))を添加した電解液を用いて被計測部の電流電位曲線の測定を行うことにより、結晶粒界の腐食性に起因した電気化学的特性値を得ることが可能になる。したがって本発明によれば、この電気化学的特性値を指標として、被計測部の粒界腐食性を直接かつ非破壊的に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、ニッケル基合金の粒界腐食性診断装置の説明図。
【図2】本発明の第1実施形態による電流電位曲線を示すグラフ。
【図3】本発明の第2実施形態によるチオアセトアミド濃度と再活性化率の関係を示すグラフ。
【図4】本発明の第3実施形態による添加材の種類がEPR値に及ぼす影響を示すグラフ。
【図5】本発明の第4実施形態による硫酸濃度が電流電位曲線に与える影響の例を示すグラフ。
【図6】(A)(B)は、本発明の第5実施形態によるダブルループ電流電位曲線より電気化学的特性値を得る方法を示すグラフ。
【図7】本発明の第6実施形態によるシングルループ電流電位曲線より電気化学的特性値を得る方法を示すグラフ。
【図8】(A)(B)は、本発明の第7実施形態による原子炉炉底部の粒界腐食性診断装置を示す構成図。
【図9】本発明の第8実施形態による電解セル固定方法の例を示す図。
【図10】本発明の第9実施形態による電気化学特性値を得るためのフローチャート。
【符号の説明】
1 電解液
2 被計測サンプル
3 対極(白金)
4 照合電極
5 ポテンショスタット
6 関数発生器
7 対数変換機
8 記録計
9 計測制御用コンピュータ
10 AW材から得られた電流電位曲線
11 SR(615℃×10h)熱処理材から得られた電流電位曲線
12 貴方向掃引時の電流密度ピーク値Ia
13 卑方向掃引時の電流密度ピーク値Ir
14 再活性化率EPR(%)=Ir/Ia×100
15 AW材から得られたチオアセトアミドとEPRとの関係
16 SR(615℃×10h)熱処理材(B材)から得られたチオアセトアミドとEPRとの関係
17 添加剤の種類がEPR測定結果に及ぼす影響(AW材の測定結果)
18 添加剤の種類がEPR測定結果に及ぼす影響(SR熱処理材の測定結果)
19 硫酸濃度を0.5mol/lとした場合の電流電位曲線
20 硫酸濃度を0.05mol/lとした場合の電流電位曲線
21 硫酸濃度を0.005mol/lとした場合の電流電位曲線
22 貴方向掃引時の電流密度ピーク値
23 貴方向掃引時の活性帯における腐食電気量
24 卑方向掃引時の電流密度ピーク値
25 卑方向掃引時の活性帯における腐食電気量
26 電流密度ピーク値から求めた再活性化率
27 電気量から求めた再活性化率
28 電流密度ピーク値
29 活性帯における腐食電気量
30 その場測定用電解セル
31 開口部
32 測定用電解液
33 被計測部
34 Oリング
35 電解液導入管
36 電解液排出管
37 対極
38 参照電極
39 試料極
40 リード線
41 ポテンショスタット
42 対数変換器
43 レコーダ
44 制御用コンピュータ
45 支持アーム
46 位置決め機構
47 電位掃引方法
48 掃引開始電位入力
49 貴方向、卑方向への電位掃引速度
50 電気化学的特性値算出方法の入力
51 測定開始、中断、逆掃引および終了を制御
52 特性値の算出方法を選択/入力
53 電気化学特性値の保存/出力
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2013-11-21 
出願番号 特願2000-314401(P2000-314401)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G01N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 黒田 浩一榎本 吉孝  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 三崎 仁
岡田 孝博
登録日 2009-07-17 
登録番号 特許第4342715号(P4342715)
発明の名称 ニッケル基合金の粒界腐食性診断方法  
代理人 塩澤 克利  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 塩澤 克利  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 鹿股 俊雄  

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