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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01T
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01T
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01T
管理番号 1282746
審判番号 不服2012-21748  
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-02 
確定日 2013-12-18 
事件の表示 特願2009-504489号「スパークプラグ」拒絶査定不服審判事件〔平成19年10月18日国際公開、WO2007/118190、平成21年9月17日国内公表、特表2009-533803号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は平成19年4月6日(パリ条約による優先権主張2006年4月7日 アメリカ合衆国、2007年4月5日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成24年1月31日付けで拒絶の理由が通知され、その指定期間内である平成24年5月2日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成24年6月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成24年11月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同時に特許請求の範囲についての手続補正がなされたものである。

II.平成24年11月2日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年11月2日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「中心電極と接地電極とを有するスパークプラグであって、前記中心電極および前記接地電極のうちの少なくとも1つは、イリジウムを含むベース材料と、保護材料とを含み、
前記保護材料は、
前記保護材料の50質量%を超える量のニッケルと、
銅、およびクロミウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素を備える、スパーク部を備える、スパークプラグ。」と補正された。

2.補正の目的及び新規事項の追加の有無
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、「保護材料の50質量%を超える量のニッケル」とともに保護材料に備えられる「要素」について、「プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、銅、クロミウム、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、オスミウム、金、鉄、およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素」を「銅、およびクロミウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素」と補正し、その択一的記載の要素を削除することで減縮するものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明とは、その産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。

3.独立特許要件
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3-1.刊行物の記載事項
(引用文献1)
原査定の拒絶の理由に引用した刊行物である、特開2004-31300号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【請求項1】
中心電極(3)と、該中心電極(3)の先端面と自身の側面とが火花放電ギャップ(g)を形成するように配置された接地電極(4)とを備え、前記中心電極(3)と接地電極(4)には、火花放電ギャップ(g)に対応する位置の少なくとも一方に、発火部(31)が配設してあるスパークプラグ(100)において、
前記発火部(31)のうちで、前記発火部(31)の表面から内部に80μmまでの領域を表層部領域(21)とし、前記発火部(31)の前記表層部領域(21)よりも内部の領域を内層部領域(20)として、
該内層部領域(20)は、Ir又はIr合金からなるとともに、前記発火部(31)の少なくとも径方向外側にある前記表層部領域(21)内には、Ni、Re、Ag及びAuから選ばれる1種以上にて構成される異常消耗抑制成分の質量%における含有量が、前記内層部領域(20)よりも多い異常消耗抑制層(24)を備えることを特徴とするスパークプラグ(100)。
【請求項2】
前記異常消耗抑制層は、前記発火部の前記径方向外側及び前記発火部の先端側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
【請求項3】
前記異常消耗抑制層は前記発火部の最表面に形成されるものであって、
該異常消耗抑制層は、前記異常消耗抑制成分又はその合金からなる金属被膜層と、前記異常消耗抑制成分の濃度が径方向外側に向かって漸次増加する拡散層との少なくともいずれかにて構成されていることを特徴とする請求項1ないし2に記載のスパークプラグ。
【請求項4】
前記異常消耗抑制層は、前記金属被膜層と前記拡散層とを有し、
前記拡散層の前記径方向の厚さが、前記金属被膜層の前記径方向の厚さより大きくなることを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグ。
【請求項5】
前記金属被膜層は、メッキ層であることを特徴とする請求項4に記載のスパークプラグ。
・・・
【請求項7】
前記異常消耗抑制層は、前記異常消耗抑制成分を主成分とし、B、W、P、Feのうち少なくとも一種以上を含有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
・・・」(【特許請求の範囲】)

(イ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】
昨今では、さらなる内燃機関の性能向上に際して、発火部の火花消耗に加えて、スパークプラグ使用中に、発火部側面における異常消耗も起こり易い。この異常消耗は、図13に示すように、発火部31の側面を径方向内部に向かって抉る形で進行し、火花消耗とは発生形態が異なるため、耐火花消耗性の向上を目的とするIrを主体とする発火部31では、十分にその発生を抑制できなかった。
【0004】
本発明は、発火部に貴金属チップを用いたスパークプラグにおいて、発火部側面に生じる抉れを抑制できるスパークプラグを提供することを課題とする。」(段落【0003】?【0004】)

(ウ)「【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明のスパークプラグは、中心電極と、該中心電極の先端面と自身の側面とが火花放電ギャップを形成するように配置された接地電極とを備え、中心電極と接地電極には、火花放電ギャップに対応する位置の少なくとも一方に、発火部を有するスパークプラグにおいて、前記発火部のうちで、前記発火部の表面から内部に80μmまでの領域を表層部領域とし、発火部の表層部領域よりも内部の領域を内層部領域として、該内層部領域は、Ir又はIr合金からなるとともに、発火部の少なくとも径方向外側にある表層部領域内には、Ni、Re、Ag及びAuから選ばれる1種以上にて構成される異常消耗抑制成分の質量%における含有量が、内層部領域よりも多い異常消耗抑制層を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明者等は、異常消耗が進行した発火部において、その先端面周辺がほとんど異常消耗していないことに着目した。そして、該先端面周辺において、成分分析をおこない、該先端面周辺にNiが含有されていることを見出した。なお、異常消耗が生じている部分(図13に示す発火部31の側面)には、Niは殆ど含有されていなかった。つまり、この先端面周辺に存在するNiは、発火部に作成当初から含有されていたものではなく、スパークプラグの使用過程において含有されたものである。すなわち、火花放電の繰り返しによりNi系耐熱合金等にて構成される接地電極からNi成分が飛び出し、その後該Ni成分が発火部の先端面周辺に注入されたものと考えられる。いずれにしても、本発明者らは、異常消耗が観察される放電部において、異常消耗の起こりにくい部分(先端面周辺)にNiが含有されているという知見を得た。」(段落【0005】?【0006】)

(エ)「【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明のスパークプラグ100の一例を示した縦断面図である。本発明の一例たる抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部25が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに、他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3に形成された発火部31と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には発火部31に対向する発火部32が形成されており、発火部31と発火部32とに挟まれた隙間に火花放電ギャップgが形成されている。なお、発火部31及び対向する発火部32のいずれか一方を省略する構成としてもよい。この場合には、発火部31又は対向する発火部32及び接地電極4又は中心電極3との間で火花放電ギャップgが形成される。
・・・
【0018】
発火部31は、軸線方向に対して直交する断面形状が円形となる貴金属チップ31’、例えば円柱状や円板状の貴金属チップ31’を、例えばINCONEL600(英国INCO社の商標)等のNi系耐熱合金、又はFe系耐熱合金で構成される中心電極3の先端部に重ねあわせ、レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部W1を形成してこれを固着するようにして形成される。・・・」(段落【0016】?【0018】)

(オ)「【0019】
図2は、本発明に係るスパークプラグ100の、中心電極3に固着される発火部31周辺における縦断面図の一例を示すものである。該縦断面図は、発火部31の中心軸線Oを含む形で形成されている。図2においては、発火部31表面から80μm内部までの領域を表層部領域21として、該表層部領域21よりも内部の領域を内層部領域20とし、表層部領域内21に、貴金属チップ31’の最表層を含む形で、Ni、Re、Ag及びAuから選ばれる1種以上にて構成される異常消耗抑制成分を含有する金属被膜層23が形成されている。金属被膜層23は、例えばメッキ層として形成することができる。なお、内層部領域20は、Ir単体あるいは金属被膜層23よりも異常消耗抑制成分の含有量が少ないIr合金にて構成されている。そして、内層部領域20を構成する構成成分と、異常消耗抑制成分とが固溶する拡散層22が、表層部領域21内に形成されている。本実施の形態においては、この金属被膜層23と拡散層22とが異常消耗抑制層24を構成している。」(段落【0019】)

(カ)「【0037】
さらに、本発明のスパークプラグ100においては、異常消耗抑制層24は異常消耗抑制成分を主成分とし、B、W、P、Feを少なくとも一種以上含有することも可能である。例えば、異常消耗抑制層24をNi-B合金にて形成すれば、耐久性を更に向上することになる。この場合、異常消耗抑制層は、例えば無電解メッキ処理により形成することができる。また、これらのメッキ層を2種以上適宜組み合わせて2層以上形成することも可能である。例えば、本体チップからの剥離防止効果に優れたBまたはPを含んだ第1Ni層を形成し、その上に耐火花消耗性乃至耐蝕性に優れたFeまたはWを含んだ第2Ni層を形成した2層構造のNi層としてもよい。このような構造にすることにより、本体チップからの剥離を効果的に防止しつつ、耐火花消耗性・耐蝕性に優れた発火部を有するスパークプラグを得ることが可能となる。」(段落【0037】)

(キ)「【0039】
【実施例】
本発明の効果を調べるために、以下の実験を行った。まず、表1に示すような組成の貴金属チップ31’を形成する。貴金属チップ31’の寸法としては、チップ径Dが0.6mm、チップ厚さtが0.8mmとする。なお、それぞれ異常消耗抑制成分を含有する金属層を無電解メッキ処理により形成し、形成されるメッキ層(金属層)における異常消耗抑制成分の含有量が95質量%以上とし、さらに、メッキ層の膜厚を10μmとする。このような金属層が形成された貴金属チップ31’に対しては、950℃にて8時間熱処理することにより、拡散層を形成する。なお、このときの拡散層の膜厚は、20μmとなる。また、金属被膜層の膜厚は2μmとなる。
・・・
【0042】
続いて、本体チップの組成をIr-1質量%Rhに固定して、発火部31の径方向外側及び発火部31の先端側にB、W、Fe、Pを含有したNiメッキ層を有した場合に、発火部31の異常消耗の程度を比較した。表4は、比較に使用するメッキ層が形成されていない発火部31と、本発明であるNiのみを含有したメッキ層を形成された発火部31と、Niを主成分とし、B、W、Fe、Pが含有されたメッキ層を形成する発火部31との組成を示すものである。本体チップの寸法としては、チップ径Dが0.6mm、チップ厚さtが0.8mmとし、メッキ層の厚みは10μmである。また、B、W、Fe、Pの含有量は1質量%である。なお、本試験は、図12と同様の試験である、全開耐久試験にて行った。試験終了後の異常消耗の程度を、図13に規定する抉れ消耗量により比較した。結果を図14に示す。
【0043】
【表2】


【0044】
図14のように、Niを主成分とし、B、W、Fe、Pが含有されたメッキ層を形成した発火部31(NO.3、4、5、6、7、8)は、Niのみが含有したメッキ層を形成する発火部31(NO.2)と同様に、メッキ層が形成されていない発火部31(NO.1)よりも、抉れ消耗が抑制されていることがわかる。」(段落【0039】?【0044】)

上記(ア)?(キ)の記載事項、及び、図面から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「中心電極3と設置電極4とを有するスパークプラグ100であって、中心電極3は、Irを主成分とするチップ本体と、メッキ層とを含み、前記メッキ層は、Niを主成分とし、W(タングステン)またはFe(鉄)を含有し、WまたはFeの含有量が1質量%である発火部31を備える、スパークプラグ100。」

3-2.対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、その機能・構造からみて、後者の「中心電極3」は、前者の「中心電極」に相当する。以下同様に、「設置電極4」は「設置電極」に、「スパークプラグ100」は「スパークプラグ」に、「Irを主成分とするチップ本体」は「イリジウムを含むベース材料」に、「メッキ層」は「保護材料」に、「発火部31」は「スパーク部」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「中心電極3が発火部31を備える」構成は、本願補正発明の「中心電極及び設置電極のうちの少なくとも1つは、スパーク部を備える」ことを充足する。
さらに、引用発明の「メッキ層は、Niを主成分とし、W(タングステン)またはFe(鉄)を含有し、WまたはFeの含有量が1質量%である」という構成は、メッキ層のNi含有量が99質量%であるから、本願補正発明の「保護材料の50質量%を越える量のニッケル」を充足するものである。
したがって、両者は次の点で一致する。

(一致点)
「中心電極と接地電極とを有するスパークプラグであって、前記中心電極および前記接地電極のうちの少なくとも1つは、イリジウムを含むベース材料と、保護材料とを含み、前記保護材料は、前記保護材料の50質量%を超える量のニッケルを備える、スパーク部を備える、スパークプラグ。」

そして、両者は次の点で相違する。

(相違点)
保護材料の50質量%を超える量のニッケルとともに、保護材料に備えられるものが、本願補正発明においては「銅、およびクロミウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素」であるのに対し、引用発明においては「W(タングステン)またはFe(鉄)」である点。

3-3.相違点の判断
以下、上記相違点について検討する。
引用発明のメッキ層(本願補正発明の「保護材料」に相当。)において、その主成分であるNiに、W(タングステン)やFe(鉄)を含ませることは、耐火花消耗性乃至耐食性を向上させるためであるが(引用文献1の上記記載事項(カ)参照。)、スパークプラグの技術分野において、Ni合金の耐食性を向上させるためCr(クロム)(本願補正発明の「クロミウム」に相当。)を含有させることは周知の事項であり(例えば、特開昭60-41785号公報 第2頁右上欄第14?20行、特開2002-260818号公報 段落【0020】等参照。)、引用文献1に接した当業者であれば、Niを主成分とするメッキ層に、耐食性を向上させるために添加されているWやFeに代えて、同じくNi合金の耐食性向上のために添加されることが周知であるCr(クロム)を採用して、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願補正発明による効果も、引用発明及び周知の事項から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものは認められない。

したがって、本願補正発明は引用発明及び周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3-4.むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

III.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、拒絶査定時の特許請求の範囲の請求項1(平成24年5月2日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1)に記載された、次のとおりのものである(以下、「本願発明1」という。)。
「中心電極と接地電極とを有するスパークプラグであって、前記中心電極および前記接地電極のうちの少なくとも1つは、イリジウムを含むベース材料と、保護材料とを含み、
前記保護材料は、
前記保護材料の50質量%を超える量のニッケルと、
プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、銅、クロミウム、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、オスミウム、金、鉄、およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素を備える、スパーク部を備える、スパークプラグ。」

IV.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用した引用文献1(特開2004-31300号公報)の記載事項は、上記II.3-1に記載したとおりである。

V.対比・判断
そこで、本願発明1と引用発明とを対比すると、その機能・構造からみて、後者の「中心電極3」は、前者の「中心電極」に相当する。以下同様に、「設置電極4」は「設置電極」に、「スパークプラグ100」は「スパークプラグ」に、「Irを主成分とするチップ本体」は「イリジウムを含むベース材料」に、「メッキ層」は「保護材料」に、「発火部31」は「スパーク部」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「中心電極3が発火部31を備える」構成は、本願補正発明の「中心電極及び設置電極のうちの少なくとも1つは、スパーク部を備える」ことを充足する。
さらに、引用発明の「メッキ層は、Niを主成分とし、W(タングステン)またはFe(鉄)を含有し、WまたはFeの含有量が1質量%である」という構成は、メッキ層のNi含有量が99質量%であるから、本願補正発明の「保護材料の50質量%を越える量のニッケル」を充足するものである。
そして、引用発明のメッキ層が、W(タングステン)またはFe(鉄)を含有する点は、本願発明1の「プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、銅、クロミウム、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、オスミウム、金、鉄、およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つの要素を備える」という構成において、その選択される少なくとも1つの要素に、「タングステン」と「鉄」が含まれていることから、引用発明もその構成を充足するものである。
してみると、引用発明は本願発明1の構成を全て備えており、両者に相違点はない。
したがって、本願発明1と引用発明とは同一であるから、本願発明1は引用文献1に記載された発明である。

VI.むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
そして、本願の請求項1に係る発明が特許を受けることができないものである以上、本願の請求項2?20に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-07-10 
結審通知日 2013-07-16 
審決日 2013-07-29 
出願番号 特願2009-504489(P2009-504489)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01T)
P 1 8・ 575- Z (H01T)
P 1 8・ 113- Z (H01T)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森本 哲也段 吉享  
特許庁審判長 山口 直
特許庁審判官 大熊 雄治
平田 信勝
発明の名称 スパークプラグ  
代理人 野田 久登  
代理人 森田 俊雄  
代理人 荒川 伸夫  
代理人 深見 久郎  
代理人 堀井 豊  
代理人 仲村 義平  
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