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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1283388
審判番号 訂正2013-390170  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-10-29 
確定日 2013-12-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4567766号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4567766号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第4567766号の請求項1-4に係る発明は、平成18年1月11日に出願した特願2006-4224号の特許出願の一部を平成20年5月2日に特願2008-120630号として出願した特許出願であって、平成22年8月13日にその特許権の設定の登録がなされたものである。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第4567766号の明細書(以下、「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものである。
その訂正内容は、次のとおりである。

<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の請求項1及び2において、
「前記一般表示結果」を、
「前記一般入賞表示結果」と訂正する。

<訂正事項2>
本件特許明細書の段落0010、0011において、
「前記一般表示結果」を、
「前記一般入賞表示結果」と訂正する。

<訂正事項3>
本件特許明細書の段落0041において、
「前記一般表示結果の導出を許容するか否かを決定する一般決定手段(ステップS1104?S1107)とを含むものとすることができる。」を、
「前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定する(ステップS1104?S1107)ことができる。」と訂正する。

<訂正事項4>
本件特許明細書の段落0048を削除する。

<訂正事項5>
本件特許明細書の段落0049において、
「この場合において、上記スロットマシンは、」を、
「上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
所定周波数のパルス信号を発生するパルス発生回路(パルス発生回路115a)と、
nビット(nは2以上の整数)配列のデータ信号を、前記パルス発生回路からパルス信号が入力されるごとに最下位ビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転するとともに、下位からm-1番目(mは2以上の整数:m≦n)のビットのレベルが第1レベルから第2レベルに反転されるごとに下位からm番目のビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転して出力するカウンタ回路(下位カウンタ115b、上位カウンタ115c)と、
遊技者の操作に起因する所定の抽出条件が成立することにより、前記カウンタ回路が出力しているnビット配列のデータ信号をラッチし、ラッチしたnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなく出力するラッチ回路(サンプリング回路116)と、
予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に、前記ラッチ回路が出力したnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなくnビットの数値データとして入力する入力手段(ステップS602)と、」と訂正する。

<訂正事項6>
本件特許明細書の段落0051及び0054において、
「この場合において、上記スロットマシンは、また、」を、
「上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
所定周波数のパルス信号を発生するパルス発生回路(パルス発生回路115a)と、
nビット(nは2以上の整数)配列のデータ信号を、前記パルス発生回路からパルス信号が入力されるごとに最下位ビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転するとともに、下位からm-1番目(mは2以上の整数:m≦n)のビットのレベルが第1レベルから第2レベルに反転されるごとに下位からm番目のビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転して出力するカウンタ回路(下位カウンタ115b、上位カウンタ115c)と、
遊技者の操作に起因する所定の抽出条件が成立することにより、前記カウンタ回路が出力しているnビット配列のデータ信号をラッチし、ラッチしたnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなく出力するラッチ回路(サンプリング回路116)と、
予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に、前記ラッチ回路が出力したnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなくnビットの第1の数値データとして入力する入力手段(ステップS602)と、」と訂正する。

<訂正事項7>
本件特許明細書の段落0054において、
「とをさらに備えをさらに備えるものとすることができる」を、
「とをさらに備えるものとすることができる」と訂正する。

<訂正事項8>
本件特許明細書の段落0078において、
「それぞれ接続されてており」を、
「それぞれ接続されており」と訂正する。

<訂正事項9>
本件特許明細書の段落0100において、
「設定変更モードなる。」を、
「設定変更モードとなる。」と訂正する。

<訂正事項10>
本件特許明細書の段落0188において、
「各ゲームのついて説明する。」を、
「各ゲームについて説明する。」と訂正する。

<訂正事項11>
本件特許明細書の段落0192において、
「計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過している」を、
「計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過している」と訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1において、「前記一般表示結果」より前に「一般表示結果」という記載は存在せず、「前記」を受ける構成がない不明瞭な記載であった。
また、訂正前の請求項1の「前記事前決定手段により前記特別表示結果と前記一般表示結果の両方の導出を許容する旨が決定される」なる記載から「一般表示結果」は「事前決定手段」によって決定される「結果」であることが読み取れる。
さらに、訂正前の請求項1において、「事前決定手段」は、「通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する」と定義されており、事前決定手段が決定しているものは、「一般表示結果」ではなく「一般入賞表示結果」であることは明かである。
とすれば、「前記一般表示結果」を「前記一般入賞表示結果」と訂正することによって、「前記」を受ける構成を明らかにする訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項1は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
特許請求の範囲における請求項1及び2を訂正事項1のとおりに訂正したことに伴い、整合性を取るために、関連する発明の詳細な説明の記載を訂正したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1と同じ理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3の、主たる訂正内容は「一般決定手段」という語句を削除することにあると認められる。
この語句は、明細書の当該箇所以外には存在しない語句であって、訂正前の段落【0041】にあっては、「事前決定手段」との関係が不明瞭であった。
そして、この「一般決定手段」が決定するとされる「一般表示結果の導出を許容するか否か」については、本来「事前決定手段」が決定していることは、段落【0041】の他の記載や、この段落が説明している請求項3及び4の記載から、自明である。
とすれば、具体的にどのような手段であったかが不明瞭であったにもかかわらず、「一般決定手段」が「一般表示結果の導出を許容するか否か」を決定しているかのように記載していた訂正前の不明瞭な記載を、「事前決定手段」が当該決定をおこなっていたことを明らかにする訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項3は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4-6について
訂正事項5-6は、訂正事項4の内容である段落【0048】の削除に関連した訂正であるため、併せて検討する。
訂正前の段落【0049】、段落【0051】及び段落【0054】の冒頭には、いずれも「この場合において、上記スロットマシンは、(また、)」と記載されている。
そして、この文章において「上記スロットマシン」が、明細書におけるどのスロットマシンを対象として「上記」としているのか不明瞭であった。
そして、その対象とする「スロットマシン」は、文脈上、段落【0048】に記載された「第1?第4の観点にかかるスロットマシン」であること、該「第1?第4の観点にかかるスロットマシン」が有する機能のうち、ここでは特に「判定用数値データ」に係る構成の説明がなされていることは明らかであるから、訂正前の段落【0049】、段落【0051】及び段落【0054】の冒頭の不明瞭な記載に代えて、段落【0048】の記載を個別に記載することで、段落【0049】、段落【0051】及び段落【0054】の記載を明瞭とし、結果として重複することになった段落【0048】を削除したものである。
また、訂正前の段落【0051】、段落【0054】においては、「数値更新手段(リフレッシュレジスタ111R)が所定のタイミングで更新する数値データ」を「第2の数値データ」と元々記載されており、該第2の数値データに対応する数値データとして、段落【0048】に記載されていた「予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に入力されたnビットの数値データ」を「第1の数値データ」とさらに訂正することで、両数値データの混同並びに「第2の数値データ」のみが存在する不自然さを解消したものである。
よって、訂正事項4-6は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項4-6は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項7-11について
訂正事項7-11は、いずれも日本語として不自然な記載を、各訂正事項によって、明瞭な記載としたものであるから、訂正事項7-11は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項7-11は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)付記
訂正事項1-11は、上述したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法第126条第1項ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条第7項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができたか否かを、あらためて検討することは、訂正許否の要件とはならない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第5項及び第6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スロットマシン
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関し、特に再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を通常遊技状態よりも高くする特定遊技状態の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートレバーを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示態様に従って入賞が発生する。
【0003】
入賞となる役の種類としては、小役、ボーナス、リプレイといった種類がある。ここで、小役の入賞では、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。ボーナスの入賞では、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。リプレイ入賞では、賭け数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
【0004】
このリプレイ入賞による賭け数の設定にメダルを消費しないで済むという利益を遊技者が得られることを利用して、予め定められた所定ゲーム数だけ通常の遊技状態とはリプレイ以外の役の当選確率を変えずにリプレイの当選確率を高くするRT(Replay Time)を、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナスと呼ばれる特別遊技状態以外の特定遊技状態として定めているスロットマシンがあった。このRTへの制御を含む遊技性とすることで、ボーナス以外にも遊技状態の移行を遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0005】
ここで、遊技状態をRTに移行させる契機として、ビッグボーナスの終了を適用していたスロットマシンがあった。ビッグボーナスの終了後にRTに移行する場合としない場合とがあるスロットマシンもあった。もっとも、ビッグボーナスの終了直後にRTに移行するものとすると、遊技者に有利な遊技状態が長く続きすぎることとなる。そこで、通常の遊技状態において「BAR-BAR-BAR」の組み合わせにより構成されるRT図柄が可変表示装置の表示結果として導出されることで、遊技状態をRTに移行させるものとしたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2005-131323号公報(段落0035、0086)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のスロットマシンを含む従来のスロットマシンでは、ビッグボーナスの終了か、RT図柄の導出かを二者択一的にRT制御のための条件として適用していたため、遊技状態がRTに制御される機会が単調なものとなっていた。また、抽選によりRTの終了を決めるスロットマシンもあったが、内部的な決定だけでRTのゲーム数に変化が生じるだけで、面白味のないものであった。
【0008】
また、RT図柄の導出によりRTに制御するものとしたスロットマシンにおいても、RT図柄が導出される確率に変化が生じる訳ではなく、遊技状態がRTに制御される機会が単調なものとなっていた。さらに、RTでは通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率を高くするものと言っても、一旦RTに制御された後は該RTが終了するまでリプレイ当選確率が変わることはなく、遊技性が単調なものとなってしまっていた。
【0009】
本発明は、再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を通常遊技状態よりも高くする特定遊技状態に制御される機会及び該特定遊技状態の内容に変化を与えることで、遊技の興趣を向上させることのできるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるスロットマシンは、
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データ(内部抽選用の乱数)として予め定められた判定領域(汎用レジスタ111GR)に入力する数値データ入力手段(ステップS503)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データに応じて(ステップS509、S510)、通常遊技状態(通常の遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果(リプレイA、リプレイB)を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段(ステップS403、図13、図21)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報(当選フラグ)を設定する決定結果情報設定手段(RAM112)と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶し、該複数の範囲特定データにより前記決定対象毎に導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする範囲特定データ記憶手段(図5、図6)と、
所定の設定操作手段の操作(設定キースイッチ92、設定スイッチ91)に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値(設定値)のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS404)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(ステップS808、S810、S812)と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(ステップS905(YES)→S906)と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(RT)に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段(ステップS907、S816)と、
前記設定値設定手段により設定された設定値を示す設定値データを含むゲームの進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶するデータ記憶手段(RAM112)と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常か否かを判定する記憶データ判定手段(ステップS105、S106)と、
前記記憶データ判定手段により前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常ではないと判定されたときに、ゲームの進行を不能化する不能化手段(ステップS106(NO)、ステップS301)と、
前記不能化手段により前記ゲームの進行が不能化された状態において、前記設定操作手段の操作に基づいて前記設定値設定手段により前記設定値が新たに設定されたことを条件に、前記ゲームの進行が不能化された状態を解除し、ゲームの進行を可能とする不能化解除手段(ステップS111、図11)とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして少なくとも、
前記事前決定手段により前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す重複範囲特定データ(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー)を含む該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される特別範囲を定めた特別範囲特定データと、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果(リプレイA)の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果(リプレイB)の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1))と、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1)、リプレイB)と、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データ(リプレイA(RT2))とを含む再遊技範囲特定データとを記憶する(図5(c)、図6)ものであって、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、JACIN、スイカ、ベル、リプレイA)と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、リプレイB)とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域(レギュラーボーナス、リプレイB)と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー)とを含み、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記範囲特定データ記憶手段に記憶された複数の範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データに加算する加算手段と、
前記加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該所定の範囲を越えたときに判定値の個数を示すデータを加算対象としていた範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する範囲判定手段とを含み、
前記範囲判定手段の判定結果に応じて前記複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するとともに、前記判定領域に入力された判定用数値データが前記重複範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると前記範囲判定手段により判定されたときには、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態(第1RT)に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段(ステップS907)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態(第2RT)に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段(ステップS816)とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるスロットマシンは、
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データ(内部抽選用の乱数)として予め定められた判定領域(汎用レジスタ111GR)に入力する数値データ入力手段(ステップS503)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データに応じて(ステップS509、S510)、通常遊技状態(通常の遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果(リプレイA、リプレイB)を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段(ステップS403、図13、図21)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報(当選フラグ)を設定する決定結果情報設定手段(RAM112)と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶し、該複数の範囲特定データにより前記決定対象毎に導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする範囲特定データ記憶手段(図5、図6)と、
所定の設定操作手段の操作(設定キースイッチ92、設定スイッチ91)に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値(設定値)のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS404)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(ステップS808、S810、S812)と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(ステップS905(YES)→S906)と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(RT)に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段(ステップS907、S816)と、
前記設定値設定手段により設定された設定値を示す設定値データを含むゲームの進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶するデータ記憶手段(RAM112)と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常か否かを判定する記憶データ判定手段(ステップS105、S106)と、
前記記憶データ判定手段により前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常ではないと判定されたときに、ゲームの進行を不能化する不能化手段(ステップS106(NO)、ステップS301)と、
前記不能化手段により前記ゲームの進行が不能化された状態において、前記設定操作手段の操作に基づいて前記設定値設定手段により前記設定値が新たに設定されたことを条件に、前記ゲームの進行が不能化された状態を解除し、ゲームの進行を可能とする不能化解除手段(ステップS111、図11)とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして少なくとも、
前記事前決定手段により前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す重複範囲特定データ(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー)を含む該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される特別範囲を定めた特別範囲特定データと、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果(リプレイA)の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果(リプレイB)の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1))と、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1)、リプレイB)と、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データ(リプレイA(RT2))とを含む再遊技範囲特定データとを記憶する(図5(c)、図6)ものであって、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、JACIN、スイカ、ベル、リプレイA)と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、リプレイB)とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域(レギュラーボーナス、リプレイB)と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー)とを含み、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記範囲特定データ記憶手段に記憶された複数の範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データから減算する減算手段と、
前記減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該所定の範囲を越えたときに判定値の個数を示すデータを減算対象としていた範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する範囲判定手段とを含み、
前記範囲判定手段の判定結果に応じて前記複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するとともに、前記判定領域に入力された判定用数値データが前記重複範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると前記範囲判定手段により判定されたときには、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態(第1RT)に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段(ステップS907)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態(第2RT)に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段(ステップS816)とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるスロットマシンは、
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データ(内部抽選用の乱数)として予め定められた判定領域(汎用レジスタ111GR)に入力する数値データ入力手段(ステップS503)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データが予め定められた複数種類の判定値の範囲のいずれに含まれているかを判定する範囲判定手段(ステップS509、S510)を含み、該範囲判定手段の判定結果に応じて通常遊技状態(通常の遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))と前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果(リプレイA、リプレイB)を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段(ステップS403、図13、図21)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報(当選フラグ)を設定する決定結果情報設定手段(RAM112)と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶する範囲特定データ記憶手段(図5、図6)と、
所定の設定操作手段の操作(設定キースイッチ92、設定スイッチ91)に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値(設定値)のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS404)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(ステップS808、S810、S812)と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(ステップS905(YES)→S906)と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(RT)に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段(ステップS907、S816)とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す特別範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする特別範囲特定データ記憶手段(図20:ボーナステーブル)と、
前記事前決定手段により前記一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す一般範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする一般範囲特定データ記憶手段(図20:小役テーブル)とを含むとともに、
前記特別範囲特定データ記憶手段と前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして前記入賞表示結果の導出を許容しない旨が決定される判定値の個数を示す非入賞範囲特定データを少なくとも何れかが記憶し、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、JACIN、スイカ、ベル、リプレイA)と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、リプレイB)とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域(レギュラーボーナス、リプレイB)と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー)とを含み、
前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記一般範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果(リプレイA)の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果(リプレイB)の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1))と、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1)、リプレイB)と、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データ(リプレイA(RT2))とを含む再遊技範囲特定データを記憶し(図5(c)、図6)、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記特別範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データに加算する特別加算手段と、
前記特別範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを加算したときに前記特別加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該加算対象としていた特別範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する特別範囲判定手段と、
前記特別加算手段による加算に用いられるのと同一の判定用数値データに、該特別加算手段とは別に、前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記一般範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次加算する一般加算手段と、
前記一般範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを加算したときに前記一般加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定用数値データが、該加算対象としていた一般範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する一般範囲判定手段とを含み、
前記特別範囲判定手段の判定結果と前記一般範囲判定手段の判定結果に応じて前記特別表示結果の導出を許容するか否かと前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定するとともに、前記特別範囲判定手段と前記一般範囲判定手段の双方により各々に対応した判定値の範囲に前記判定用数値データが含まれると判定されたときに、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態(第1RT)に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段(ステップS907)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態(第2RT)に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段(ステップS816)とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるスロットマシンは、
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データ(内部抽選用の乱数)として予め定められた判定領域(汎用レジスタ111GR)に入力する数値データ入力手段(ステップS503)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データが予め定められた複数種類の判定値の範囲のいずれに含まれているかを判定する範囲判定手段(ステップS509、S510)を含み、該範囲判定手段の判定結果に応じて通常遊技状態(通常の遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))と前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果(リプレイA、リプレイB)を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段(ステップS403、図13、図21)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報(当選フラグ)を設定する決定結果情報設定手段(RAM112)と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶する範囲特定データ記憶手段(図5、図6)と、
所定の設定操作手段の操作(設定キースイッチ92、設定スイッチ91)に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値(設定値)のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS404)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(ステップS808、S810、S812)と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(ステップS905(YES)→S906)と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(RT)に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段(ステップS907、S816)とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す特別範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする特別範囲特定データ記憶手段と、
前記事前決定手段により前記一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す一般範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする一般範囲特定データ記憶手段とを含むとともに、
前記特別範囲特定データ記憶手段と前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして前記入賞表示結果の導出を許容しない旨が決定される判定値の個数を示す非入賞範囲特定データを少なくとも何れかが記憶し、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域(レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、JACIN、スイカ、ベル、リプレイA)と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、リプレイB)とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域(レギュラーボーナス、リプレイB)と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー)とを含み、
前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記一般範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果(リプレイA)の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果(リプレイB)の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1))と、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データ(リプレイA(通常、RT1)、リプレイB)と、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データ(リプレイA(RT2))とを含む再遊技範囲特定データを記憶し(図5(c)、図6)、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記特別範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データから減算する特別減算手段と、
前記特別範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを減算したときに前記特別減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該減算対象としていた特別範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する特別範囲判定手段と、
前記特別減算手段による減算に用いられるのと同一の判定用数値データから、該特別減算手段とは別に、前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記一般範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次減算する一般減算手段と、
前記一般範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを減算したときに前記一般減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定用数値データが、該減算対象としていた一般範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する一般範囲判定手段とを含み、
前記特別範囲判定手段の判定結果と前記一般範囲判定手段の判定結果に応じて前記特別表示結果の導出を許容するか否かと前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定するとともに、前記特別範囲判定手段と前記一般範囲判定手段の双方により各々に対応した判定値の範囲に前記判定用数値データが含まれると判定されたときに、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態(第1RT)に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段(ステップS907)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより(ステップS504、図5(b))、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態(第2RT)に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段(ステップS816)とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とする。
【0014】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンでは、特別遊技状態が終了した後に第1特定遊技状態に制御される。この第1特定遊技状態に制御されると、再遊技表示結果のうちで第2再遊技表示結果の導出を許容する旨の決定される確率が通常遊技状態よりも高くなるが、第2再遊技表示結果の導出によってさらに第2特定遊技状態に制御されるものとなる。このように第2特定遊技状態への制御を伴う第2再遊技表示結果の導出は、遊技状態の違いに応じて変化することとなるので、第2特定遊技状態に制御される機会が単調なものとならずに、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とは、いずれも通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態であるが、第1特定遊技状態において第2再遊技表示結果が導出されると、さらに遊技状態が第2特定遊技状態に制御される。第2特定遊技状態では、通常遊技状態よりも再遊技表示結果の導出を許容する旨の決定される確率が通常遊技状態よりも高くなる遊技状態であり、遊技者は、第1遊技状態において第2再遊技表示結果の導出に対して高い期待感を持つことができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前記通常遊技状態は、前記通常再遊技範囲特定データを前記事前決定手段の決定に用いることで、該事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値が前記賭数の設定に対して用いられる遊技用価値の数よりも小さくなる遊技状態である。
【0015】
また、範囲特定データ記憶手段は、第1範囲特定データを複数種類の設定値に共通して第1格納領域に格納しているので、設定値に応じて入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率が異なるものとなっても、範囲特定データの記憶に必要な記憶容量が少なくて済む。一方、設定値に応じて個別に第2範囲特定データを格納する第2格納領域は、設定値の種類に関わらずに同じ判定値の範囲を特定可能な範囲特定データを格納する領域と、設定値の種類に応じて異なる判定値の範囲を特定可能な範囲特定データを格納する領域とが含まれている。範囲特定データは、設定値に応じて事前決定手段が各々の入賞表示結果の導出を許容する旨を決定する確率を決定するものとなるが、開発用の機種においては、この範囲特定データを微妙に調整しながらシミュレーションを行っていくのが通常である(当初の範囲特定データを異なるものとしておく場合と、同じものとしておく場合とがあり得る)。そして、シミュレーションの結果で得られた適切な範囲特定データを量産用の機種に適用するものとしている。
ここで、設定値に応じて範囲特定データを変化させながらシミュレーションを行った結果として設定値に関わらずに同じ値となった範囲特定データがあったとしても、そのような範囲特定データは、そのまま設定値の種類に応じて個別に記憶させておけばよい。また、当初は設定値の種類に応じて異なる範囲特定データを記憶させておいた場合、シミュレーションの結果により当初登録しておいた範囲特定データのままでよければ、そのまま記憶させておくことができる。シミュレーションの結果として当初登録しておいた範囲特定データで問題があったときには、設定値に応じて範囲特定データを変化させて範囲特定データ記憶手段に記憶させることができる。このため、開発用の機種における範囲特定データの記憶態様を量産用の機種においてそのまま転用することができるので、最初の設計段階から量産用の機種に至るまでの開発を容易に行うことができる。
なお、範囲特定データを設定値の種類に応じて個別に記憶するとは、必ずしも設定値の種類の数だけ個別に範囲特定データを記憶するものだけを意味するものではなく、全ての設定値の種類に共通して範囲特定データを記憶するのでなければ、これに含まれるものとなる。例えば、設定値の種類が6種類(第1段階?第6段階)ある場合、第1?第3段階までは共通、第4?第6段階までは共通といった場合も、範囲特定データを設定値の種類に応じて個別に記憶するものとなる。
【0016】
ところで、従来、スロットマシンにおけるデータ記憶手段(RAM)に記憶されているデータが壊れていたことで遊技の進行が不能となった状態は、所定のリセット操作によりデータ記憶手段内のデータが初期化された上で解除され、遊技の進行を再開させるようになっていた。ここで、リセット操作によりデータ記憶手段内のデータを初期化した場合には、デフォルトの設定値(通常は、入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率が最も低い設定値)が自動的に選択されることとなっていた。このため、遊技店の側で意図していた確率で事前決定手段の決定が行われなくなってしまうことがあり、特に確率の最も低い設定値に自動選択された場合には、遊技者の不利益が大きくなってしまうという問題があった。
これに対して、上記第1、第2の観点にかかるスロットマシンでは、データ記憶手段のデータが正常ではないときには、適正なゲームの進行ができなくなるのでゲームの進行を不能化させる。ここでのゲームの進行が不能な状態を解除するためには、データ記憶手段に記憶されたデータを初期化することが必要であるが、この場合は、設定値を示す設定値データも初期化されてしまう。もっとも、上記第1、第2の観点にかかるスロットマシンでは、データ記憶手段のデータが正常でないことに基づいてゲームの進行が不能となった状態は、設定操作手段の操作に基づいて新たに設定値が設定されなければ解除されることがない。このため、新たに設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
さらに、上記第1、第2の観点にかかるスロットマシンでは、特別表示結果の導出を許容する旨を決定することと非特別表示結果の導出を許容する旨を決定することとを、判定領域に入力された判定用数値データが重複範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれるか否かの1回の判断だけで行えるようになる。
【0017】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンにおいて、前記第1特定遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態が終了した後に前記第1特定遊技状態に制御するのではなく、前記可変表示装置の表示結果として予め定められた特定表示結果(前記特別表示結果とは異なる)が導出されたときに、前記第1特定遊技状態に制御するものであってもよい。該特定表示結果は、前記再遊技表示結果とも異なる表示結果とすることもできるが、前記第1再遊技表示結果及び前記第2再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第3再遊技表示結果とすることもできる。また、前記第1特定遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態が終了した後に、さらに所定の条件が成立したことを条件として、前記第1特定遊技状態に制御するものとしてもよい。
ここで、前記事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値は、前記第1特定遊技状態よりも前記第2特定遊技状態で高くなるものとすることが好ましい。特に、前記第1特定遊技状態を、前記第1再遊技範囲特定データを前記事前決定手段の決定に用いることで、該事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値が前記賭数の設定に対して用いられる遊技用価値の数以下となる遊技状態とし、前記第2特定遊技状態は、前記第2再遊技範囲特定データを前記事前決定手段の決定に用いることで、該事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値が前記賭数の設定に対して用いられる遊技用価値の数よりも大きくなる遊技状態とすることが好ましい。
【0018】
この場合には、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行されるに従って、遊技者の得られる遊技用価値の数の期待値が多くなるので、第1特定遊技状態における第2再遊技表示結果の導出(を許容する旨の決定)に対する遊技者の期待感を大きくすることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。特に、前記事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値が、第1特定遊技状態では前記賭数の設定に対して用いられる遊技用価値の数よりも小さいが、第2特定遊技状態では前記賭数の設定に対して用いられる遊技用価値の数よりも大きいものとなる場合には、とりわけ第1特定遊技状態における第2再遊技表示結果の導出(を許容する旨の決定)に対する遊技者の期待感が大きくなり、遊技の興趣を著しく向上させることができる。また、同じ特定遊技状態でも遊技者が得られる利益の異なる2種類のものがあることで、遊技内容の変化が豊富なものとなり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、第1再遊技範囲特定データにおける再遊技範囲は、通常再遊技範囲特定データと同じ大きさに定められているものとし、前記事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値は、通常遊技状態と第1特定遊技状態とで同じであってもよい。この場合でも、同じ再遊技表示結果であっても第2特定遊技状態への遊技状態の移行を伴う第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される確率が、第1特定遊技状態では通常遊技状態よりも高くなるので、第1特定遊技状態における第2再遊技表示結果の導出(を許容する旨の決定)に対する遊技者の期待感を高めさせることができる。
【0019】
一方、第1再遊技範囲特定データにおける再遊技範囲は、第2再遊技範囲特定データと同じ大きさに定められているものとし、前記事前決定手段により前記入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率に基づいて算出される遊技用価値の払出数の期待値は、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とで同じであってもよい。ここでは、前記第2特定遊技状態の継続ゲーム数の期待値は、前記第2再遊技表示結果が導出されたときに該第2再遊技表示結果が導出されなかったとした場合の前記第1特定遊技状態の残りゲーム数の期待値よりも大きいものとすることができる。
また、第1再遊技範囲特定データにおける再遊技範囲と第2再遊技範囲特定データにおける再遊技範囲の関係に関わらず、前記第2特定遊技状態の継続ゲーム数の期待値は、前記第2再遊技表示結果が導出されたときに該第2再遊技表示結果が導出されなかったとした場合の前記第1特定遊技状態の残りゲーム数の期待値よりも大きいことが好ましい。
【0020】
このように第2特定遊技状態の継続ゲーム数の期待値を前記第1特定遊技状態の継続ゲーム数の期待値以上とすることで、第1特定遊技状態において第2再遊技表示結果が導出された場合には、第2再遊技表示結果が導出されなかった場合に比べて、特定遊技状態全体としての継続ゲーム数が少なくならないことを遊技者が期待できるようになる。このため、第1特定遊技状態における第2再遊技表示結果の導出(を許容する旨の決定)に対して遊技者の期待感を減退させることがない。
【0021】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンにおいて、
少なくとも前記第1再遊技範囲特定データのうちの前記第2範囲を特定するためのデータ(リプレイB)は、前記第2範囲特定データとして前記同数格納領域に格納されているものとすることができる(ADD+86、ADD+88、ADD+90、ADD+92、ADD+94、ADD+96)。
【0024】
特に第1再遊技範囲特定データのうちの第2範囲を特定するためのデータは、その値によって第1特定遊技状態において第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される確率、すなわち第2特定遊技状態に遊技状態を制御させる確率を決めるものとなる。この確率が同じとなるよう第1再遊技範囲特定データのうちの第2範囲を特定するためのデータを第2範囲特定データとして同数格納領域に格納したスロットマシンを構成しても、設定値に応じて第2特定遊技状態に遊技状態を制御させる確率を異なるものとした別の仕様のスロットマシンを容易に設計することが可能となる。
【0026】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたか否かに関わらずに、前記第2特定遊技状態制御手段により第2特定遊技状態に制御された後に消化したゲーム数が予め定められた所定ゲーム数(50ゲーム)となったときに、該第2特定遊技状態を終了させる第2特定遊技状態終了手段(ステップS816、S915)と、
前記特別表示結果の導出を許容する旨の決定に基づいて該特別表示結果が導出されるまで、前記決定結果情報設定手段に設定された該特別表示結果に対応する特別決定結果情報を持ち越させる特別決定持越手段(ステップS916(レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグは消去しない))と、
前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されている旨を示す特別報知(ボーナス告知)を行う特別報知手段(液晶表示器4)と、
前記第2特定遊技状態に制御されているときにおいて前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに、該第2特定遊技状態の終了を待って前記特別表示結果の導出の許容が決定されている旨を示す特別報知を前記特別報知手段に行わせる特別報知制御手段(ステップS1021(YES)→S1022)とをさらに備えるものとすることができる。
【0027】
この場合には、第2特定遊技状態に制御されているときに特別表示結果の導出を許容する旨が決定されても、第2特定遊技状態に制御された後に消化したゲーム数が所定ゲーム数となるまで第2特定遊技状態が終了することはないので、遊技者は、事前決定手段の決定結果に関わらず、最初に与えられた第2特定遊技状態の利益を失うことがない。また、第2特定遊技状態の終了時において特別表示結果の導出を許容する旨の決定が持ち越されていれば、ここで特別表示結果の導出の許容が決定されている旨を示す特定報知が行われるので、最初に与えられたゲーム数を消化して第2特定遊技状態が終了する際に、特別表示結果の導出の許容が決定されていることに対する期待感を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような特別報知は、第2特定遊技状態における遊技用価値の払出数の期待値を賭数の設定に用いられる遊技用価値の数よりも多いものとした場合に好適である。
【0028】
なお、前記第2特定遊技状態終了手段は、前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されただけでは前記第2特定遊技状態を終了させないが、前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出された場合には前記特別遊技状態に遊技状態が移行されるので、ここで前記第2特定遊技状態が終了させられる(ステップS808、S810、S812)。
【0029】
また、上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたか否かに関わらずに、前記第1特定遊技状態制御手段により第1特定遊技状態に制御された後に消化したゲーム数が予め定められた所定ゲーム数(50ゲーム)となったときに、該第1特定遊技状態を終了させる第1特定遊技状態終了手段をさらに備えるものとすることもできる。
もっとも、前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出された場合には前記特別遊技状態に遊技状態が移行されるので、ここで前記第1特定遊技状態が終了させられる(ステップS808、S810、S812)。この場合において、
前記特別報知制御手段は、前記第1特定遊技状態に制御されているときにおいて前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに、該第1特定遊技状態の終了を待たずに前記特別表示結果の導出の許容が決定されている旨を示す特別報知を前記特別報知手段に行わせるものとしてもよい(ステップS1006)。
或いは、前記特別報知制御手段は、前記第1特定遊技状態に制御されているときにおいて前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに、該第1特定遊技状態の終了を待って前記特別表示結果の導出の許容が決定されている旨を示す特別報知を前記特別報知手段に行わせるものとしてもよい(ステップS1021(YES)→S1022の変形)。
【0030】
この場合には、第1特定遊技状態に制御されているときに特別表示結果の導出を許容する旨が決定されても、第1特定遊技状態に制御された後に消化したゲーム数が所定ゲーム数となるまで第1特定遊技状態が終了することはないので、遊技者は、事前決定手段の決定結果に関わらず、最初に与えられた第1特定遊技状態の利益を失うことがない。
【0031】
ここで、前者のような特別報知は、第1特定遊技状態における遊技用価値の払出数の期待値を賭数の設定に用いられる遊技用価値の数よりも少ないものとした場合に好適である。早期に特別表示結果を導出させて特別遊技状態に移行させるよう遊技を進めることができるようになるからである。ここで、さらに第2特定遊技状態における遊技用価値の払出数の期待値を賭数の設定に用いられる遊技用価値の数よりも多いものとした場合には、特別報知がされていても、特別表示結果を敢えて導出させずに第2特定遊技状態への移行を伴う第2再遊技表示結果の導出を待つというように、遊技者にとって遊技の進行に関する選択肢が多くなる。これにより、遊技の戦略性が高くなり、さらに遊技の興趣を向上させることができるようになる。
【0032】
一方、後者のような特別報知は、第2再遊技表示結果が導出されないまま最初に与えられたゲーム数を消化して第1特定遊技状態が終了する際にも、特別表示結果の導出の許容が決定されていることに対する期待感を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。このような特定報知は、第1特定遊技状態における遊技用価値の払出数の期待値を賭数の設定に用いられる遊技用価値の数よりも多いものとした場合に好適である。
【0033】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置は、各々が識別可能な複数種類の識別情報が配置された表示帯(リール3L、3C、3R)をステッピングモータ(リールモータ3ML、3MC、3MR)の駆動により回動させることで変動表示可能な複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させることが可能なものであってもよい。この場合、上記スロットマシンは、
前記複数の可変表示部に表示結果を導出させる際にそれぞれ操作される導出操作手段(停止ボタン12L、12C、12R)をさらに備えるものとすることができる。
【0034】
ここで、前記導出制御手段は、
前記複数の可変表示部のいずれにも未だ表示結果が導出されていない状況において、未だ表示結果が導出されていない可変表示部について、該可変表示部に対応する導出操作手段が操作された時点の前記ステッピングモータのステップ数に対して導出される表示結果を一意的に特定する複数の制御パターン(図10:停止制御テーブル)から、前記決定結果情報設定手段に設定された決定結果情報に対応する制御パターンを一意的に特定する制御パターン選択手段(ステップS704)を含み、
未だ表示結果が導出されていない可変表示部に対応する導出操作手段が操作されたときに、前記制御パターン選択手段により該可変表示部について選択された制御パターンが該導出操作手段の操作時点のステップ数に対して一意的に特定する表示結果を、該可変表示部における表示結果として導出させるものとすることができる(ステップS714)。
【0035】
この場合おいては、複数の可変表示領域全てに未だ表示結果が導出されていない状況において、未だ表示結果が導出されていない可変表示領域について、導出操作手段が操作された時点のステッピングモータのステップ数に対して導出される表示結果を一意的に特定する複数の制御パターンから、当該ゲームの遊技状態及び決定結果情報設定手段に設定された決定結果情報の組み合わせに対応する制御パターンが一意的に選択され、該当する可変表示領域に表示結果を導出させる制御が行われる。すなわち事前決定手段の一の決定結果に対して適用される制御パターンが1つしかない。このため、従来のように事前決定手段の一の決定結果に対して複数の制御パターンからいずれか1つの制御パターンを事前決定手段とは異なる抽選などによりさらに選択する必要がなく、可変表示装置の表示結果を導出させる際の制御を複雑化することがない。
【0036】
また、前記導出制御手段は、
前記複数の可変表示部の少なくとも1つに表示結果が導出され、且つ他の可変表示部に表示結果が導出されていない状況において、未だ表示結果が導出されていない可変表示部について、該可変表示部に対応する導出操作手段が操作された時点の前記ステッピングモータのステップ数に対して導出される表示結果を一意的に特定する複数の制御パターン(図10:停止制御テーブル)から、前記決定結果情報設定手段に設定された決定結果情報及び既に表示結果が導出された可変表示部において対応する導出操作手段が操作されたときのステップ数に対応する制御パターンを一意的に特定する制御パターン選択手段(ステップS804)を含み、
未だ表示結果が導出されていない可変表示部に対応する導出操作手段が操作されたときに、前記制御パターン選択手段により該可変表示部について選択された制御パターンが該導出操作手段の操作時点のステップ数に対して一意的に特定する表示結果を、該可変表示部における表示結果として導出させるものとすることができる(ステップS814)。
【0037】
或いは、前記導出制御手段は、
前記複数の可変表示部の少なくとも1つに表示結果が導出され、且つ他の可変表示部に表示結果が導出されていない状況において、未だ表示結果が導出されていない可変表示部について、該可変表示部に対応する導出操作手段が操作された時点の前記ステッピングモータのステップ数に対して導出される表示結果を一意的に特定する複数の制御パターン(図10:停止制御テーブル)から、前記決定結果情報設定手段に設定された決定結果情報及び既に表示結果が導出された可変表示部における表示結果の組み合わせに対応する制御パターンを一意的に特定する制御パターン選択手段(ステップS804)を含み、
未だ表示結果が導出されていない可変表示部に対応する導出操作手段が操作されたときに、前記制御パターン選択手段により該可変表示部について選択された制御パターンが該導出操作手段の操作時点のステップ数に対して一意的に特定する表示結果を、該可変表示部における表示結果として導出させるものとすることもできる(ステップS814)。
【0038】
これらの場合においては、複数の可変表示領域のうちいずれか1つの可変表示領域に既に表示結果が導出されており、他の可変表示領域に未だ表示結果が導出されていない状況において、未だ表示結果が導出されていない可変表示領域について、導出操作手段が操作された時点のステッピングモータのステップ数に対して導出される表示結果を一意に特定する複数の制御パターンから、決定結果情報設定手段に設定された決定結果情報及び既に表示結果が導出された可変表示領域の表示結果の組み合わせ(或いは、既に表示結果が導出された可変表示部において対応する導出操作手段が操作されたときのステップ数)に対応する制御パターンが一意的に選択され、該当する可変表示領域に表示結果を導出させる制御が行われる。すなわち一の決定結果情報及び既に表示結果が導出された可変表示領域の表示結果の組み合わせ(或いは、既に表示結果が導出された可変表示部において対応する導出操作手段が操作されたときのステップ数)に対して適用される制御パターンが1つしかない。このため、複数の制御パターンからいずれか1つの制御パターンをさらに選択する必要がなく、可変表示装置の表示結果を導出させる際の制御を複雑化することがない。
【0041】
上記第3、第4の観点にかかるスロットマシンは、
前記特別表示結果の導出を許容する旨の決定に基づいて該特別表示結果が導出されるまで、前記決定結果情報設定手段に設定された該特別表示結果に対応する特別決定結果情報を持ち越させる特別決定持越手段(ステップS916(レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグは消去しない))をさらに備えるものとしてもよい。ここで、
前記事前決定手段は、
前記特別決定持越手段により前記特別決定結果情報が前記決定結果情報設定手段に持ち越されていないことを条件として(ステップS1109(NO))、前記判定用数値データが前記特別範囲特定データ記憶手段に記憶された特別範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれるか否かを判定することにより、前記特別表示結果の導出を許容するか否かを決定し(ステップS1110?S1113)、
前記特別決定持越手段により前記特別決定結果情報が前記決定結果情報設定手段に持ち越されているか否かに関わらず(ステップS1109のような判定ステップはなし)、前記判定用数値データが前記一般範囲特定データ記憶手段に記憶された一般範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれるか否かを判定することにより、前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定する(ステップS1104?S1107)ことができる。
【0042】
この場合には、特別表示結果の導出を許容する旨の決定が持ち越されているかどうかによって事前決定手段が決定を行う際の処理を基本的に変える必要がなく、入賞表示結果の導出を許容するか否かの決定を効率よく行うことができる。また、特別表示結果の導出を許容する旨の決定が持ち越されているときには、特別決定手段による決定を行わなくても済むので、処理が簡便化されることとなる。
【0043】
上記第3、第4の観点にかかるスロットマシンも、
前記設定値設定手段により設定された設定値を示す設定値データを含むゲームの進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶するデータ記憶手段(RAM112)と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常か否かを判定する記憶データ判定手段(ステップS105、S106)と、
前記記憶データ判定手段により前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常ではないと判定されたときに、ゲームの進行を不能化する不能化手段(ステップS106(NO)、ステップS301)と、
前記不能化手段により前記ゲームの進行が不能化された状態において、前記設定操作手段の操作に基づいて前記設定値設定手段により前記設定値が新たに設定されたことを条件に、前記ゲームの進行が不能化された状態を解除し、ゲームの進行を可能とする不能化解除手段(ステップS111、図11)とをさらに備えるものとすることができる。
【0046】
この場合、或いは、上記第1、第2の観点にかかるスロットマシンにおいて、
前記事前決定手段は、前記入賞表示結果の導出を許容するか否かの決定を行う際に、前記データ記憶手段に記憶されている設定値データを読み出し、該読み出した設定値データが示す設定値が前記設定値設定手段により設定可能な設定値の範囲内にあるか否かを判定する設定値データ判定手段(ステップS501、S502、S1101、S1102)を含んでいてもよい。ここで、
前記不能化手段は、前記設定値データ判定手段により前記データ記憶手段から読み出した設定値データが示す設定値が設定可能な設定値の範囲内にないと判定されたときにも、ゲームの進行を不能化することができる(ステップS502(NO)、S1102(NO)、ステップS301)。
【0047】
ここでは、事前決定手段により決定を行う際にもデータ記憶手段に記憶された設定値データを読み出し、設定値が適正であるかどうかを判定する。設定値が適正でなければ、適正なゲームの進行ができなくなるのでゲームの進行を不能化させる。ここで、データ記憶手段に記憶された設定値が適正な範囲にないことに基づいてゲームの進行が不能となった状態は、設定操作手段の操作に基づいて新たに設定値が設定されなければ解除されることがない。このため、新たに設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
【0049】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
所定周波数のパルス信号を発生するパルス発生回路(パルス発生回路115a)と、
nビット(nは2以上の整数)配列のデータ信号を、前記パルス発生回路からパルス信号が入力されるごとに最下位ビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転するとともに、下位からm-1番目(mは2以上の整数:m≦n)のビットのレベルが第1レベルから第2レベルに反転されるごとに下位からm番目のビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転して出力するカウンタ回路(下位カウンタ115b、上位カウンタ115c)と、
遊技者の操作に起因する所定の抽出条件が成立することにより、前記カウンタ回路が出力しているnビット配列のデータ信号をラッチし、ラッチしたnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなく出力するラッチ回路(サンプリング回路116)と、
予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に、前記ラッチ回路が出力したnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなくnビットの数値データとして入力する入力手段(ステップS602)と、
前記特定領域に入力されたnビットの数値データのうちの特定のビットのデータと、該数値データのうちの他のビットのデータを入れ替えて、該入れ替えを行ったnビットの入替数値データを、判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段(ステップS603?S605)とをさらに備えるものとすることができる。
【0050】
ここでは、カウンタ回路から抽出したnビット配列のデータ信号に対応した数値データに対して、入替手段によって特定のビットのデータと他のビットのデータを入れ替えた入替数値データを、判定用数値データとして入力するものとしている。このため、入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するために用いる判定値をバラつかせなくても、その判定に用いる判定用数値データの周期性を失わせることができる。これにより、入賞表示結果の種類毎に判定値の数を示す判定値データを用いることで入賞表示結果の種類毎に判定値が固まってしまっても、遊技者による狙い打ちの防止を図ることができるようになる。また、特定のビットの入れ替えだけで、入力手段が入力した数値データの周期性を失わせることができ、特別な回路を設けることなく、処理負荷がそれほど大きくならない。
【0051】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
所定周波数のパルス信号を発生するパルス発生回路(パルス発生回路115a)と、
nビット(nは2以上の整数)配列のデータ信号を、前記パルス発生回路からパルス信号が入力されるごとに最下位ビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転するとともに、下位からm-1番目(mは2以上の整数:m≦n)のビットのレベルが第1レベルから第2レベルに反転されるごとに下位からm番目のビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転して出力するカウンタ回路(下位カウンタ115b、上位カウンタ115c)と、
遊技者の操作に起因する所定の抽出条件が成立することにより、前記カウンタ回路が出力しているnビット配列のデータ信号をラッチし、ラッチしたnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなく出力するラッチ回路(サンプリング回路116)と、
予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に、前記ラッチ回路が出力したnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなくnビットの第1の数値データとして入力する入力手段(ステップS602)と、
所定のタイミングで第2の数値データを更新する数値更新手段(リフレッシュレジスタ111R)と、
前記所定の抽出条件が成立することにより、前記数値更新手段が更新する第2の数値データを抽出する数値抽出手段(図22)と、
上位kビット(kは自然数:k<n)と下位jビット(j=n-k)の第1の数値データにおける上位kビットに対して前記数値抽出手段が抽出した第2の数値データを用いて所定の演算を行う演算手段(図22)と、
前記演算手段による演算後の上位kビットと前記下位jビットからなる演算結果数値データを、判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段(図22)とをさらに備えるものとすることもできる。
【0052】
ここでは、カウンタ回路から抽出したnビット配列のデータ信号に対応した第1の数値データの上位kビットに対して、数値抽出手段により数値更新手段から抽出した第2の数値データを用いて所定の演算を行った演算結果数値データを、判定用数値データとして入力するものとしている。第2の数値データを用いて第1の数値データに対してそのまま演算を行うのではなく、第1の数値データの上位kビットに対して演算を行うことにより演算結果数値データが示す数値のバラツキが大きくなる。
【0053】
このため、入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するために用いる判定値をバラつかせなくても、その判定に用いる判定用数値データの周期性を失わせることができる。これにより、入賞表示結果の種類毎に判定値の数を示す判定値データを用いることで入賞表示結果の種類毎に判定値が固まってしまっても、遊技者による狙い打ちの防止を図ることができるようになる。また、数値更新手段からの第2の数値データの抽出と上位kビットに対する演算だけで、入力手段が入力した第1の数値データの周期性を失わせることができ、特別な回路を設けることなく、処理負荷がそれほど大きくならない。
【0054】
上記第1?第4の観点にかかるスロットマシンは、
所定周波数のパルス信号を発生するパルス発生回路(パルス発生回路115a)と、
nビット(nは2以上の整数)配列のデータ信号を、前記パルス発生回路からパルス信号が入力されるごとに最下位ビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転するとともに、下位からm-1番目(mは2以上の整数:m≦n)のビットのレベルが第1レベルから第2レベルに反転されるごとに下位からm番目のビットのレベルを第1レベルと第2レベルとで交互に反転して出力するカウンタ回路(下位カウンタ115b、上位カウンタ115c)と、
遊技者の操作に起因する所定の抽出条件が成立することにより、前記カウンタ回路が出力しているnビット配列のデータ信号をラッチし、ラッチしたnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなく出力するラッチ回路(サンプリング回路116)と、
予め定められた特定領域(汎用レジスタ111GR)に、前記ラッチ回路が出力したnビット配列のデータ信号をビット配列順を変えることなくnビットの第1の数値データとして入力する入力手段(ステップS602)と、
所定のタイミングで第2の数値データを更新する第1の数値更新手段(リフレッシュレジスタ111R)と、
所定のタイミングで前記第2の数値データとは異なる第3の数値データを更新する第2の数値更新手段(リフレッシュレジスタ111R)と、
予め定められた抽出条件が成立することにより、前記第1の数値更新手段から第2の数値データを抽出する第1の数値抽出手段(図23)と、
所定の抽出条件が成立することにより、前記第2の数値更新手段から第3の数値データを抽出する第2の数値抽出手段(図23)と、
上位kビット(kは自然数:k<n)と下位jビット(j=n-k)の第1の数値データにおける上位kビットに対して前記第1の数値抽出手段が抽出した第2の数値データを用いて所定の演算を行い、下位jビットに対して前記第2の数値抽出手段が抽出した第3の数値データを用いて所定の演算を行う演算手段(図23)と、
前記演算手段による演算後の上位kビットと該演算後の下位jビットからなる演算結果数値データを、判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段(図23)とをさらに備えるものとすることができる。
【0055】
ここでは、カウンタ回路から抽出したnビット配列のデータ信号に対応した第1の数値データの上位kビットと下位jビットに対して、それぞれ第1、第2の数値抽出手段により第1、第2の数値更新手段から抽出した第2、第3の数値データを用いて所定の演算を行った演算結果数値データを、判定用数値データとして入力するものとしている。第2の数値データを用いて第1の数値データに対してそのまま演算を行うのではなく、第1の数値データの上位kビットに対しても演算を行うことにより演算結果数値データが示す数値のバラツキが大きくなる。下位jビットに対しても演算を行うことによりバラツキがさらに大きくなる。
【0056】
このため、入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するために用いる判定値をバラつかせなくても、その判定に用いる判定用数値データの周期性を失わせることができる。これにより、入賞表示結果の種類毎に判定値の数を示す判定値データを用いることで入賞表示結果の種類毎に判定値が固まってしまっても、遊技者による狙い打ちの防止を図ることができるようになる。また、第1、第2の数値更新手段からの第2、第3の数値データの抽出と上位kビット及び下位jビットに対する演算だけで、入力手段が入力した第1の数値データの周期性を失わせることができ、特別な回路を設けることなく、処理負荷がそれほど大きくならない。
【0057】
なお、前記演算手段は、前記第1の数値データの上位kビットに対して、第2の数値データを加算、減算、論理演算(論理和、論理積など)を行うことなどにより、前記所定の演算を行うことができる。また、下位jビットに対して第3の数値データを用いて、加算、減算、論理演算(論理和、論理積など)を行うことなどにより、前記所定の演算を行うことができる。演算の結果によって生じたオーバーフローやアンダーフローは、上位kビット及び下位jビットのそれぞれの範囲で調整するものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0059】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
【0060】
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「7」、「BAR」、「JAC」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。ここで、「リプレイ」及び「ベル」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。中のリール3Cについて「スイカ」は最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。右のリール3Rについて「JAC」は最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
【0061】
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の入賞ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。
【0062】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、後述するRAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
【0063】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0064】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24?28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54?58(図3参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける入賞ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24?28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54?58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した入賞ラインを遊技者に示す。
【0065】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0066】
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出で、後述するボーナス告知及びボーナス予告が行われる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
【0067】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
【0068】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0069】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
【0070】
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
【0071】
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0072】
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0073】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
【0074】
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、スタートレバー11が操作された時のスタート音の出力や、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0075】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A?75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A?5Mが設けられている。遊技効果表示部5A?5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A?5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0076】
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
【0077】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91?94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
【0078】
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1?設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91?94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
【0079】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
【0080】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
【0081】
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0082】
RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
【0083】
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
【0084】
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、後述する電断割込処理を実行する。
【0085】
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
【0086】
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
【0087】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0088】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0089】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
【0090】
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
【0091】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
【0092】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0093】
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A?75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0094】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
【0095】
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
【0096】
次に、遊技制御基板101のRAM112の構成について説明する。図4は、RAM112の記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM112には、重要ワーク112-1、一般ワーク112-2、特別ワーク112-3、設定値ワーク112-4、非保存ワーク112-5、スタック領域112-6、及びパリティ格納領域112-7を含む複数の記憶領域が設けられている。
【0097】
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク112-4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域であり、パリティ格納領域112-7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。後述する役の当選フラグの設定領域は、一般ワーク112-2に設けられている。また、RAM112は、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0098】
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。メダルの払出率は、遊技者が賭け数の設定のために投入するメダルの数に対する、後述する内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の期待値の割合で算出される。実際に入賞する小役に対して払い出されることとなるメダルの数に基づいて計算されるのではない。後述するように遊技状態が異なると、メダルの払出率も変わることとなる。
【0099】
ここで、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ92をOFF状態としてメインスイッチ94により電源をONすればよい。
【0100】
設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードとなる。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値が設定値ワーク112-4に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0101】
遊技の進行が可能な状態であるときには、スロットマシン1におけるゲームが1ゲームずつ順次進行するが、各ゲームで行われる内部抽選において設定値ワーク112-4に格納された設定値が正常範囲(1?6)にあるかどうかを判定する。設定値が正常範囲にない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0102】
また、遊技制御基板101のCPU111が電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、RAM112のパリティ格納領域112-7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112-7に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
【0103】
そして、遊技制御基板101の制御部110の起動時において、RAM112に記憶されているデータのうちのパリティ格納領域112-7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112-7に格納されているRAMパリティと比較する。この比較結果が一致した場合には、RAM112に記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。
【0104】
一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。RAM異常エラー状態は、他のエラー状態とは異なり、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作しても解除されないようになっており、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。
【0105】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
【0106】
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRT(後述する第1RTまたは第2RT)において入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR-BAR-BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
【0107】
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「7-7-7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR-7-7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。また、ビッグボーナスの終了後は、第1RTに遊技状態が制御される。
【0108】
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、「7」と「BAR」のいずれもがリール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されているわけではないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが適正なタイミングでなければ、これらの役に入賞することはない。
【0109】
JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ-リプレイ-JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、小役ゲーム以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJACIN入賞とならない。JACIN入賞すると、ビッグボーナスの中で前述したレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもRAM112に設定される。左と中のリール3L、3Cについての「リプレイ」、右のリール3Rについての「JAC」は、いずれも5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてJACIN当選したときには、必ずJACIN入賞するものとなっている。
【0110】
スイカは、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)においても入賞ライン(1本)に「ベル-スイカ-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。左と右のリール3L、3Rに付いての「ベル」と中のリール3Cについての「スイカ」は必ず5コマ以内の間隔で配置されているため、後述する内部抽選においてスイカに当選していれば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに、スイカに入賞させることができる。後述するようにベルまたはチェリーと重複当選しているときであっても、スイカの方が払出メダル枚数が多いため、優先して導出されることとなる。
【0111】
ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ライン(5本または1本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。レギュラーボーナス以外の遊技状態に置いて左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。
【0112】
リプレイAは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイBは、第1RTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ-リプレイ-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスやビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)では、これらの組み合わせが揃ったとしてもリプレイA入賞ともリプレイB入賞ともならない。左と中のリール3L、3Cについての「リプレイ」、右のリール3Rについての「リプレイ」または「ベル」は、いずれも5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてリプレイAまたはリプレイBに当選したときには、それぞれ必ずリプレイAまたはリプレイBに入賞するものとなっている。
【0113】
リプレイAまたはリプレイBに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。第1RTにおいてリプレイBに入賞したときには、さらに遊技状態が第1RTから第2RTに制御されることとなる。第1RTまたは第2RTの詳細については、後述する。
【0114】
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0?16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
【0115】
図5(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。各ゲームにおける遊技状態において抽選対象となる役が参照される。ここで、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
【0116】
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、ベル+スイカ、チェリー+スイカ、スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がビッグボーナス中の小役ゲームにあるときには、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、JACIN、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。通常の遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイA(通常、RT1)が内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0117】
遊技状態が第1RT(図中、RT1と示す)にあるときには、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイA(通常、RT1)、リプレイBが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態が第2RT(図中、RT2と示す)にあるときには、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイA(RT2)が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、リプレイA(通常、RT1)とリプレイA(RT2)は、後述する判定値数の格納領域が異なるので当選確率が異なるものとなるが、他の点については共通している。
【0118】
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(c)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。各抽選対象役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
【0119】
レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーは、小役ゲーム、通常の遊技状態、第1RTまたは第2RTで内部抽選の対象となる役である。これらの役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態、第1RTまたは第2RTで内部抽選の対象となる役である。これらの役については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
【0120】
ベル及びチェリーは、レギュラーボーナス以外のいずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役である。ベルについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。チェリーについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
【0121】
ベル+スイカ、チェリー+スイカ、スイカは、レギュラーボーナスで内部抽選の対象となる役である。ベル+スイカについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。チェリー+スイカ、及びスイカについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
【0122】
リプレイA(通常、RT1)は、通常の遊技状態または第1RTで内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。リプレイBは、第1RTでのみ内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグは0であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。リプレイA(RT2)は、第2RTでのみ内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
【0123】
図6は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM112に、量産機種ではROM113に割り当てられたアドレス領域に設けられている。
【0124】
例えば、アドレスADD+0は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナス+チェリーであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+14は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)+チェリーであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+28は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)+チェリーであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。
【0125】
アドレスADD+2は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である11が判定値数として取得される。アドレスADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10、ADD+12は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2?6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。レギュラーボーナス+チェリーは、設定値1?6に共通した判定値数となっているので、チェリーとの重複当選の場合を含めても、レギュラーボーナスの当選確率は設定値に関わらず同じとなる。
【0126】
また、アドレスADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22、ADD+24、ADD+26は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+30、ADD+32、ADD+34、ADD+36、ADD+38、ADD+40は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)、(2)の当選確率が異なることとなる。
【0127】
また、アドレスADD+42は、内部抽選の対象役がJACINであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ4431が判定値数として取得される。アドレスADD+44は、内部抽選の対象役がベルであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+46は、内部抽選の対象役がベル+スイカであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。
【0128】
アドレスADD+48、ADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58は、内部抽選の対象役がチェリーであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+60、ADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70は、内部抽選の対象役がチェリー+スイカであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+72、ADD+74、ADD+76、ADD+78、ADD+80、ADD+82は、内部抽選の対象役がスイカであって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。
【0129】
設定値が1?6のいずれの場合においても、ベル+スイカ、チェリー+スイカ、及びスイカの判定値数を加算すると16384となる。従って、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、ベルまたはチェリーと重複当選する場合も含めれば、必ずスイカに当選することとなる。
【0130】
アドレスADD+84は、内部抽選の対象役がリプレイA(通常、RT1)であって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+86、ADD+88、ADD+90、ADD+92、ADD+94、ADD+96は、内部抽選の対象役がリプレイBであってそれぞれ設定値が1?6のときに参照されるアドレスであるが、いずれも同じ値が登録されているので、第1RTにおけるリプレイBの当選確率(他の遊技状態では0)は、設定値に関わらずに同じとなる。アドレスADD+98は、内部抽選の対象役がリプレイA(RT2)であって設定値が1?6のときに参照されるアドレスである。
【0131】
第1RTでは、リプレイA(通常、第1RT)に加えてリプレイBの抽選も行われるので、リプレイAとリプレイBを合わせた全体としてのリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くなる。もっとも、第1RTのリプレイ当選確率ででは、通常の遊技状態よりもメダルの払出率を高くするものの、メダルの払出率が1を越える(すなわち、賭け数の設定に用いるメダルの数よりも内部抽選の当選確率に基づいて算出されるメダルの払出数の期待値が大きくなる)ことはない。第2RTでは、第1RTでの全体としてのリプレイ当選確率よりもリプレイAの当選確率が高くなり、メダルの払出率が1を越えるものとなる。
【0132】
なお、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスにおけるメダルの払出率は、1を越えるものであることは言うまでもなく、しかも第2RTにおけるメダルの払出率よりも高くなっている。つまり、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが遊技者にとって最も有利な遊技状態であり、第2RTが次に有利な遊技状態ということとなる。第1RTは、リプレイBの入賞による第2RTへの移行を考えなければ、遊技者にとって有利な遊技状態とは言えないが、通常の遊技状態よりもメダルの払出率の高い遊技者にとって有利な遊技状態ということとなる。なお、ここで説明した遊技状態に応じたメダルの払出率の関係は、設定値が1?6のいずれとなっている場合も同じである。
【0133】
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図7を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路115から乱数を抽出し、これをCPU111がソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路115の発生する乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
【0134】
図7(a)は、乱数発生回路115の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路115は、パルス発生回路115aと、下位カウンタ115bと、上位カウンタ115cとから構成されている。下位カウンタ115b及び上位カウンタ115cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ115bが第0ビット?第7ビット、上位カウンタ115cが第8ビット?第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
【0135】
パルス発生回路115aは、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路115aの出力するパルス信号が下位カウンタ115bにクロック入力される。
【0136】
下位カウンタ115bは、パルス発生回路115aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
【0137】
同様に、第m-1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m-1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ115bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ115cにクロック入力される。
【0138】
上位カウンタ115cは、下位カウンタ115bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m-1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
【0139】
下位カウンタ115bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ115cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路115aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路115から出力されるものとなる。
【0140】
サンプリング回路116は、ラッチ回路から構成され、CPU111からのサンプリング指令(スタートレバー11の操作時)に基づいて、乱数発生回路115からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路115が発生する乱数として抽出するものとなる。なお、以下では、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
【0141】
図7(b)は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
【0142】
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、他の汎用レジスタまたはRAM112の作業領域を用いて、汎用レジスタ111GRの下位バイト(下位カウンタ115bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)とを入れ替える。
【0143】
次に、CPU111は、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理積演算をする。CPU111の処理ワードは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理積演算を行うものとなる。この論理積演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット?第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
【0144】
CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM112の所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0?16383の値をとるものとなる。
【0145】
なお、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU111に対する割り込みが禁止される。CPU111に対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
【0146】
次に、第1RT及び第2RTについて詳細に説明する。第1RTには、ビッグボーナスの遊技状態が終了した後に必ず移行されるものとなる。第1RTは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはリプレイBに入賞するか、第1RTの開始から50ゲームを消化することによって終了する。第1RTにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはリプレイBに入賞した場合は、それぞれの役に対応した遊技状態に制御されるものとなるが、これらの役に入賞せずに第1RTの50ゲームを消化すれば、通常の遊技状態に制御されることとなる。
【0147】
また、第2RTには、リプレイB入賞することによって移行される。第1RTも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するか、第2RTの開始から50ゲームを消化することによって終了する。第2RTにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した場合は、それぞれの役に対応した遊技状態に制御されるものとなるが、これらの役に入賞せずに第2RTの50ゲームを消化すれば、通常の遊技状態に制御されることとなる。なお、遊技制御基板101のRAM112には、遊技状態がそれぞれ第1RT、第2RTの残りゲーム数を示す第1RTカウンタ、第2RTカウンタが設けられている。
【0148】
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。CPU111は、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM113に格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作された停止ボタン12L、12C、12Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止させる制御を行う。
【0149】
図9は、ROM113に格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
【0150】
このように内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
【0151】
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているか、左リール3Lのみ停止しているか、中リール3Cのみ停止しているか、右リール3Rのみ停止しているか、左、中リール3L、3Cが停止しているか、左、右リール3L、3Rが停止しているか、中、右リール3C、3Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール3L、3C、3Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
【0152】
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
【0153】
また、引込コマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ3ML、3MC、3MRには、168ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ3ML、3MC、3MRを168ステップ駆動させることでリール3L、3C、3Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1?21の領域番号が割り当てられている(図10参照)。
【0154】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1?21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1?21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
【0155】
図10は、停止制御テーブルの例を示す図である。停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、図10に示すように、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)で停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
【0156】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール3L、3C、3Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール3L、3C、3Rについて停止制御テーブルを作成する。
【0157】
また、リール3L、3C、3Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0158】
次に、CPU111が停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
【0159】
停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(図の停止操作ポイント)から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(図の停止ポイント)が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0160】
また、テーブルインデックスには、一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0161】
また、引込コマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0162】
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、ハズレの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。一方、ハズレの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
【0163】
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
【0164】
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても5コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者による停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
【0165】
また、テーブルインデックスには、複数種類の小役に同時に当選している(レギュラーボーナスにおいてスイカ+ベルなど)場合には、当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役(メダルの払出枚数が多いスイカ)を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、最も有利な小役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、他の種類の小役(ベル)を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で最も有利な小役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している他の種類の小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、最も有利な小役の図柄を引き込めない場合にのみ、他の種類の小役に入賞させることが可能となる。
【0166】
次に、遊技制御基板101のCPU111が演出制御基板102に送信するコマンドについて説明する。CPU111は、各回のゲームの進行状況に応じて各種のコマンドを送っているが、この実施の形態で説明する演出を行うために必要なコマンドとして、内部抽選が行われた後に送られる当選状況通知コマンド、可変表示装置2に表示結果が導出された後に送られる入賞情報コマンド、1ゲームの終了後で次のゲームに移行する前に送られる遊技状態コマンドがある。
【0167】
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すものである。入賞情報コマンドは、入賞の有無及び入賞の種類を示すものである。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態(通常、第1RT、第2RT、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中の小役ゲームかそうでないかの別まで)、ビッグボーナス中の小役ゲーム)を示すものである。
【0168】
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の告知及び予告がある。
【0169】
ここで、ボーナス告知とは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している旨の確定的な報知であり、これらの役に当選しているときにのみ行われる。ボーナス予告とは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性がある旨を示す報知であり、これらの役に当選しているときにも当選していないときにも行われるが、これらの役に当選しているときの方が行われる確率が高い。
【0170】
遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することはないので、ボーナス告知やボーナス予告が行われることはない。通常の遊技状態またはRTでも、既にボーナス告知が行われているときには、さらにボーナス告知やボーナス予告を行うことはない。通常の遊技状態またはRTにおいて未だボーナス告知が行われていないときに、ボーナス告知またはボーナス予告を行うかを決定する告知/予告決定抽選が行われる。
【0171】
告知決定抽選に当選すると、RAM122に告知フラグが設定されるともに、液晶表示器4においてボーナス告知が行われる。ボーナス告知は、いずれかのゲームの開始時において一旦行われると、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで継続して行われる。予告決定抽選に当選すると、RAM122に予告フラグが設定されるともに、液晶表示器4においてボーナス予告が行われる。ボーナス予告は、ゲームの開始時において行われた後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したかどうかに関わらず、当該ゲーム限りで終了させられる。
【0172】
なお、第2RTでは、告知決定抽選は行われず、予告決定抽選のみが行われる。すなわち、第1RTでボーナス告知が行われた状態でリプレイB入賞して第2RTに移行した場合を除いて、遊技状態が第2RTにある間にボーナス告知が行われることはない。第2RTにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、当該第2RTが終了したゲームにおいてボーナス告知が行われるものとなる。
【0173】
なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)は、ベルまたはリプレイと同時に当選することはない。ベルまたはリプレイに入賞したときに前回のゲームでハズレであったような場合には、ボーナス予告がされてもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないことが予測されてしまう。従って、ボーナス予告を行う旨は、ベルまたはリプレイに当選していないことを条件として決定するものとしてもよい。また、ボーナス予告を行う旨は、特にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)よりも優先して導出されるリプレイに当選していないことを条件として決定するものとしてもよい。
【0174】
なお、ボーナス告知、或いはボーナス予告が行われていることを演出制御基板102のCPU121が判断可能なものとするため、RAM122には、ボーナス告知が行われていることを示す告知フラグ、及びボーナス予告が行われていることを示す予告フラグを設定する領域が設けられている。また、RAM122には、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンドが示す各役の当選状況、入賞情報コマンドが示す入賞情報を保存するための領域、遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域(2ゲーム分)もそれぞれ設けられている。
【0175】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU111を含む制御部110が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク112-4に格納されており、RAM112に格納されたデータに異常がないことが条件となる。
【0176】
図10は、遊技制御基板101のCPU111が実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板101のリセット回路からリセット信号が入力されて制御部110が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部110の起動時及び制御部110の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
【0177】
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM112へのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ92がONでなければ、RAM112に記憶されているデータのうちパリティ格納領域112-7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
【0178】
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域112-7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM112が正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
【0179】
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、図12に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM112に格納されているデータが正常であるので、スタック領域112-6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
【0180】
また、ステップS103において設定キースイッチ92がONの状態であれば、スタック領域112-6のうち使用中の領域を除いてRAM112に格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク112-4以外は0、設定値ワーク112-4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図11に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
【0181】
図11は、CPU111がステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM112の所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク112-4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク112-4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
【0182】
その後、設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203において設定スイッチ91の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が7でなければ、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が7であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。
【0183】
ステップS204においてスタートスイッチ41の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク112-4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ92がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ92がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS210)。そして、図10のフローチャートに復帰すると、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
【0184】
図12は、遊技制御基板101のCPU111が実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ゲーム回数表示器51を制御してRAM異常エラーコードをゲーム回数表示部21に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行わないループ処理に移行する。
【0185】
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ92がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM112に記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをゲーム回数表示部21に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
【0186】
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部110が起動しても設定キースイッチ92がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部110を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
【0187】
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、設定変更処理が行われて設定スイッチ91の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、設定スイッチ91の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
【0188】
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
【0189】
図13は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS401)。
【0190】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS402)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたを含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
【0191】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS403)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0192】
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS404)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
【0193】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS402のBET処理で設定した賭け数に応じた入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS405)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
【0194】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS406)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0195】
次に、上記したステップS403の抽選処理について詳しく説明する。図14は、CPU111がステップS403で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112の設定値ワーク112-4に記憶されている設定値を読み出し(ステップS501)、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上6以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS502)。読み出した設定値が1以上6以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図12に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。
【0196】
読み出した設定値が1以上6以下の範囲にあれば、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、抽出された乱数を内部抽選用の乱数に加工して、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる(ステップS503)。なお、乱数取得処理の詳細については後述する。
【0197】
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS504)。次に、読み出した抽選対象の役について図5(c)の役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を取得する(ステップS505)。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS506)。
【0198】
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について図5(c)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS507)。そして、ステップS509の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM112に設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS508)。そして、ステップS509の処理に進む。
【0199】
ステップS509では、ステップS507またはS508で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS510)。
【0200】
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS511)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS504の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS520の処理に進む。
【0201】
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS504で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS512)。レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかである場合には、少なくとも今回のゲームにおける遊技状態は、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)ではない。
【0202】
ここでは、まず、現在の遊技状態が小役ゲーム中であるかどうかを判定する(ステップS513)。小役ゲーム中でなければ、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS514)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、読み出した抽選対象役に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグをRAM112に設定するとともに、チェリー当選フラグをRAM112に設定する(ステップS515)。そして、ステップS520の処理に進む。
【0203】
ステップS513で現在の遊技状態が小役ゲーム中であった場合、またはステップS514でRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていた場合には、チェリー当選フラグのみをRAM112に設定する(ステップS516)。そして、ステップS520の処理に進む。
【0204】
ステップS512で抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー及びビッグボーナス(2)+チェリーのいずれでもなかった場合には、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS517)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS518)。
【0205】
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、そのままステップS520の処理に進む。ステップS517で抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもないか、ステップS518でレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。
【0206】
ここで抽選対象役がベル+スイカであれば、ベル当選フラグとスイカ当選フラグを重複して設定し、チェリー+スイカであれば、チェリー当選フラグとスイカ当選フラグを重複して設定する。また、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する(ステップS519)。そして、ステップS520の処理に進む。
【0207】
ステップS520では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
【0208】
次に、ステップS503の乱数取得処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS503で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU111に対する割り込みを禁止する(ステップS601)。次に、サンプリング回路116にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路115が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート114から入力して、これを抽出する。乱数発生回路115から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ111GRに格納される(ステップS602)。
【0209】
次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM112の作業領域を用いて互いに入れ替える(ステップS603)。次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の値を8080hと論理積演算する(ステップS604)。さらに上位バイト(第15?第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ111GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM112の所定の領域に保存される(ステップS605)。そして、ステップS601で禁止した割り込みを許可してから(ステップS606)、乱数取得処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
【0210】
次に、ステップS404のリール回転処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS404で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(例えば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS701)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(ステップS702)。
【0211】
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS703)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS704)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS705)。これにより、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が有効となる。
【0212】
次に、停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS706)。いずれの停止ボタンの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ3SL、3SC、3SRによりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS707)。リール回転エラーが発生していなければ、さらに投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS708、S709)。ステップS707?ステップS709においていずれのエラーの発生も判定されなければ、ステップS706に戻る。
【0213】
また、ステップS708において投入エラーの発生が判定された場合、またはステップS709において払出エラーの発生が判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS710)、所定のエラー処理に移行する(ステップS711)。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS706に戻る。
【0214】
また、ステップS707においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS712)、所定のエラー処理に移行する(ステップS713)。これに伴い、リール3L、3C、3Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS703に戻り、リール3L、3C、3Rの回転が再開する。
【0215】
ステップS706において停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合には、操作された停止ボタンに対応するリールモータ(3ML、3MC、3MRのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定する(ステップS714)。その後、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS715)。
【0216】
そして、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止すると、リール3L、3C、3Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS716)、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していなければ、ステップS704に戻る。全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
【0217】
以上のようにリール回転処理では、リール3L、3C、3Rの回転が開始した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。また、RAM112のデータが破壊されていて元の状態に復帰できない場合は、この限りではない。
【0218】
次に、上記したステップS405の入賞判定処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS405で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS801)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2の5本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS802)。
【0219】
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS803)、ステップS804の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS804の処理に進む。なお、通常の遊技状態でRT図柄が揃っていれば、RAM112にRT入賞フラグが設定されることとなるが、RT図柄が揃っていても他の遊技状態であれば、RT入賞フラグが設定されることはない。
【0220】
ステップS804では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS801の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
【0221】
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイAの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイA入賞したかどうかを判定する(ステップS805)。リプレイA入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS806)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS818の処理に進む。
【0222】
リプレイA入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS807)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS808)。そして、ステップS818の処理に進む。
【0223】
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS809)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS810)。そして、ステップS818の処理に進む。
【0224】
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS811)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS812)。そして、ステップS818の処理に進む。
【0225】
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM112にJACINの入賞フラグが設定されているかどうかにより、JACIN入賞したかどうかを判定する(ステップS813)。JACIN入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているJACIN当選フラグを消去する(ステップS814)。そして、ステップS818の処理に進む。
【0226】
JACIN入賞もしていなければ、RAM112にRTの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイB入賞したかどうかを判定する(ステップS815)。リプレイB入賞していれば、RAM112の第2RTカウンタの初期値として51をセットする。ここで、初期値として51をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS915(後述)で第2RTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味して第2RTのゲーム数として50ゲームを確保するためである。また、リプレイBの入賞により第1RTが終了するので、RAM112の第1RTカウンタの値を0に初期化する(ステップS816)。さらに、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS817)。そして、ステップS818の処理に進む。リプレイB入賞もしていなければ、そのままステップS818の処理に進む。
【0227】
ステップS818では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
【0228】
次に、上記したステップS406の払出処理について詳しく説明する。図18は、CPU111がステップS406で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS901)。小役入賞していなければ、そのままステップS903の処理に進む。
【0229】
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS902)。そして、ステップS903の処理に進む。
【0230】
ステップS903では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、ステップS908の処理に進む。
【0231】
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS904)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS905)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS908の処理に進む。
【0232】
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS906)。また、ビッグボーナスの終了後は第1RTに遊技状態が制御されるため、RAM112の第1RTカウンタの初期値として50をセットする(ステップS907)。ステップS816と異なり初期値として50をセットするのは、このステップが実行されたゲームでは後述するステップS913の処理が行われることはないからである。そして、ステップS911の処理に進む。
【0233】
ステップS908では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含む)であったかどうかを判定する。但し、レギュラーボーナスまたはJACINの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞またはJACIN入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。
【0234】
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする(ステップS909)。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS910)。
【0235】
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS911の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS916の処理に進む。ステップS911では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS916の処理に進む。
【0236】
ステップS908で当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでなかった場合には、RAM112の第1RTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS912)。第1RTカウンタの値が0でなければ、第1RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS913)、ステップS916の処理に進む。第1RTカウンタの値が0であれば、さらにRAM112の第2RTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS914)。第2RTカウンタの値が0でなければ、第2RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS913)、ステップS916の処理に進む。第2RTカウンタの値が0であれば、そのままステップS916の処理に進む。
【0237】
ステップS916では、RAM112にスイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグ、JACIN当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS803においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
【0238】
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びにRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS917)。そして、払出処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。ここで図13のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
【0239】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、第1RT、第2RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、ボーナス告知及びボーナス予告を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
【0240】
図19は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1001)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1002)。
【0241】
受信したコマンドの種類がステップS520で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、さらに、受信した当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS1003)。次に、前回のゲームでRAM122に保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームにおける遊技状態)がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあることを示しているかどうかを判定する(ステップS1004)。
【0242】
ビッグボーナス及びレギュラーボーナスのいずれにもない場合には、RAM122に告知フラグが設定されているかどうかにより、既にボーナス告知が行われているかどうかを判定する(ステップS1005)。ボーナス告知が行われていれば、そのままステップS1001の処理に戻る。ステップS1004でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあったときも、そのままステップS1001の処理に戻る。
【0243】
ステップS1005でボーナス告知が行われていなければ、例えばソフトウェア乱数機能により抽選した乱数により、ボーナス告知を行うか否か、及びボーナス予告を行うか否かを決定する告知/予告決定抽選を行う。ボーナス告知を行うものと決定するのは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選していることが大前提となるが、遊技状態が第2RTに制御されている場合には、いずれにしてもボーナス告知を行わない。すなわち、遊技状態が第2RTに制御されている場合には、ボーナス予告を行うか否かを決定する予告決定抽選のみが行われる(ステップS1006)。
【0244】
次に、この告知/予告決定抽選においてボーナス告知を行うこと、またはボーナス予告を行うことが決定されたかどうかを判定する(ステップS1007)。ボーナス告知もボーナス予告も行わないことが決定された場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。ボーナス告知またはボーナス予告を行うことが決定された場合には、該抽選にて決定された態様で液晶表示器4においてボーナス告知またはボーナス予告を行う(ステップS1008)。
【0245】
次に、ここで行ったのがボーナス告知であったかボーナス予告であったかを判定する(ステップS1009)。ボーナス告知であった場合には、RAM122に告知フラグを設定して(ステップS1010)、ステップS1001の処理に戻る。ボーナス予告であった場合には、RAM122に予告フラグを設定して(ステップS1011)、ステップS1001の処理に戻る。
【0246】
受信したコマンドの種類がステップS818で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報をRAM122に保存する(ステップS1012)。ここで、何らかの役の入賞が発生していた場合には、当該入賞した役の種類に応じた態様で晶表示器4に画像を表示し、スピーカ7L、7R、7Uから音声を出力させ、遊技効果LED75A?75Mを点灯させ、リールランプ3LPを点灯させるなど、入賞した役の種類に応じて定められた演出を実行する(ステップS1013)。
【0247】
次に、RAM122に告知フラグが設定されているかどうかにより、液晶表示器4にてボーナス告知を行っているかどうかを判定する(ステップS1014)。ボーナス告知を行っていれば、受信した入賞情報コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS1015)。
【0248】
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示していれば、ここで当該ボーナス告知を終了させ、RAM122に設定されている告知フラグを消去する(ステップS1016)。そして、ステップS1001の処理に戻る。ステップS1015でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していなかった場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。
【0249】
ステップS1014でボーナス告知を行っていなかった場合には、RAM122に予告フラグが設定されているかどうかにより、液晶表示器4においてボーナス予告を行っているかどうかを判定する(ステップS1017)。ボーナス予告を行っていれば、ここで当該ボーナス予告を終了させ、RAM122に設定されている予告フラグを消去する(ステップS1018)。そして、ステップS1001の処理に戻る。ボーナス予告を行っていなければ、そのままステップS1001の処理に戻る。
【0250】
受信したコマンドの種類がステップS917で送信された遊技状態コマンドであった場合には、まず、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態をRAM122に保存する。ここで、RAM122には過去2回分の遊技状態を保存する領域があるため、前回の遊技状態をシフトして、今回受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存する(ステップS1019)。
【0251】
次に、今回のゲームで保存した遊技状態と前回のゲームで保存した遊技状態とを比較して、今回のゲーム限りで第2RTが終了となったかどうかを判定する(ステップS1020)。今回のゲーム限りで第2RTが終了となったのでない場合、すなわち前回以前のゲームから既に第2RTとなっていなかったか、次のゲームでも第2RTが継続する場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。
【0252】
今回のゲーム限りで第2RTが終了となっていた場合には、ステップS1003で保存した当選状況がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を示しているかどうかを判定する(ステップS1021)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれの当選も示していなければ、そのままステップS1001の処理に戻る。
【0253】
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選を示していれば、液晶表示器4においてボーナス告知を行う。また、既にボーナス告知を行った旨を示す告知フラグをRAM122に設定する(ステップS1022)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
【0254】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1023)。その後、ステップS1001の処理に戻る。
【0255】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、ビッグボーナスが終了した後に第1RTに制御される。この第1RTに制御されると、再遊技の付与を伴うリプレイの全体としての当選確率が高くなる。これは、通常の遊技状態では当選し得ない第2RTへの遊技状態の制御も伴うリプレイBの当選機会を与えていることに基づくものである。そして、リプレイBの導出によって第1RTから第2RTに遊技状態が制御されるものとなる。つまり、通常の遊技状態であるか第1RTであるかの違いによって第2RTに制御される機会の有無に差が生じるので、第2RTに制御される機会が単調なものとならずに、遊技の興趣を向上させることができる。
【0256】
また、第1RTと第2RTとは、いずれも通常遊技状態よりもリプレイ全体としての当選確率を高くするRTということでは共通しているが、第1RTにおけるメダルの払出率は1以下であるが、第2RTにおけるメダルの払出率は1を越えるものとなっている。このように、同じRTでも遊技者が得られる利益の異なる2種類のものがあることで、遊技内容の変化が豊富なものとなり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、第1RTに制御されたときには、リプレイBに入賞(当選)する確率が高くなるが、リプレイBに入賞すると、第2RTに遊技状態が制御されることとなる。第2RTでは、第1RTとは異なりメダルの払出率も1を越えることとなるので、第1RTにおけるリプレイBの入賞(当選)に対する遊技者の期待感を大きくすることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0257】
また、ビッグボーナスの終了後に制御される第1RTは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)、若しくはリプレイBに入賞しない限り50ゲームの間継続するが、リプレイBの入賞によって制御される第2RTも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない限り50ゲームの間継続する。このように第2RTの継続ゲーム数は、第1RTの継続ゲーム数よりも少なくないので、リプレイBの入賞によって却ってRTが早く終了してしまうということがなく、第1RTにおけるリプレイBの入賞(当選)に対して遊技者の期待感を減退させることがない。
【0258】
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、液晶表示器4に表示される画像による演出として、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している旨を確定的に報知するボーナス告知や、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性がある旨を報知するボーナス予告が行われている。このボーナス告知やボーナス予告により、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0259】
また、ビッグボーナスが終了した後は、遊技状態が第1RTに制御される。第1RTでは、リプレイAだけではなくリプレイBにも当選することがあるので、リプレイ当選確率が高くなってメダルの払出率が通常の遊技状態よりも高くなる。第1RTは、50ゲームの間継続するが、第1RTの開始から50ゲームを消化するよりも前にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはリプレイBに入賞すると、第1RTが終了して、それぞれの役に応じた遊技状態に制御される。特にリプレイBに入賞した場合は、さらにリプレイ当選確率が高くなり、メダルの払出率も1を越えることとなる第2RTに制御される。
【0260】
遊技状態が第2RTにあるときは、第1RTのうちにボーナス告知がされてしまった場合を除いて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても第2RTの終了までボーナス告知が行われることはない。第1RTでは、比較的高い確率でリプレイAまたはリプレイBに当選するが、いずれも取りこぼしのない役であり、図柄の組み合わせも右のリール3Rにおいて異なるのみであるので、リプレイAではなくリプレイBに入賞したことを、遊技者が見逃してしまう場合が多い。第2RTに制御されるとリプレイAの当選確率が第1RTにおけるリプレイ全体としての当選確率よりもさらに高くなるので、ある程度のゲーム数を消化すれば、遊技者は、第2RTに制御されているものと見当がつく。しかし、リプレイBの入賞を見逃していれば、第2RTがどのタイミングで終了するのか遊技者に分からない。
【0261】
このため、第2RTの継続に対する期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。もっとも、第2RTは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない限り、50ゲームの間継続する。すなわち、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しただけでは、第2RTが終了することはないので、50ゲームの継続期間という第2RTの利益を遊技者が失わないで済む。
【0262】
また、遊技状態が第2RTにあるときには、第1RTで既にボーナス告知されていた場合を除いて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても新たにボーナス告知が行われることはない。これにより、遊技者に余計な情報を与えずに、第2RTにおける50ゲームの利益を遊技者に与えることが可能となる。一方、第2RTで50ゲームを消化したときにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していれば、必ずボーナス告知が行われるものとなる。これにより、第2RTの終了するゲームでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への当選の期待感を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0263】
なお、遊技状態が第1RTにあるときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、第2RTの場合と違ってボーナス告知がされることがある。第1RTは、リプレイ当選確率が通常の遊技状態よりも高くなると言ってもメダルの払出率が1を越えるものではないので、ボーナス告知に基づいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に早期に入賞させて、遊技者がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの利益を得るという遊技の選択をすることができる。もっとも、第1RTでボーナス告知がされても、敢えてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞させずに、第2RTに制御されるリプレイBへの入賞を待ち、第2RTの利益を得た後にさらにレギュラーボーナスやビッグボーナスの利益を得るという選択も可能となる。このように遊技の戦略性が高まるものとなるので、非常に遊技の興趣を向上させるものとなる。
【0264】
ところで、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、メダルの払い出し枚数が465枚を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイAもリプレイBも内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル枚数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
【0265】
また、ビッグボーナスにおいて小役ゲームからレギュラーボーナスに遊技状態を移行させるためのJACINの表示態様は、「リプレイ-リプレイ-JAC」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。このため、可変表示装置2に導出された表示態様と入賞となる役との関係が明確になり、遊技者にとっては遊技性が分かりやすいものとなる。
【0266】
リール3L、3C、3Rの回転は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作がストップスイッチ42L、42C、42Rで検出されてから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止されることとなるが、この間に4コマを引き込むことができるので、停止すべき図柄は5コマの範囲から選ぶことができる。JACIN、ベル、スイカ、リプレイA、またはリプレイBに当選しているときには、これを取りこぼすことがない。
【0267】
特に遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている場合には、ベルまたはチェリーに重複当選する場合を含めると、100%の確率でスイカに当選することとなる。スイカは、取りこぼしの生じ得ない役であり、しかも、ベルまたはチェリーとの重複当選の場合にも優先して導出される役である。さらに、スイカは、ベルやチェリーよりも入賞時におけるメダルの払出枚数の多い役であり、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているとき(ビッグボーナス中でレギュラーボーナスに制御されているときを含む)にしか当選しない、すなわち入賞することがあり得ない役である。
【0268】
これにより、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、遊技者が全く目押しをしなくても済むようになり、簡単に遊技を進められるようになる。レギュラーボーナスで入賞しないゲームはないので、賭け数の設定に用いるメダルの量を最小限に抑えることができる。さらにスイカ以外の役に入賞してレギュラーボーナスの終了条件となる入賞ゲーム数がカウントされることもないので、1回のレギュラーボーナスで払い出されるメダルの枚数が、計算上の最大枚数(15×8=120枚)よりも少なくなってしまうことがなく、遊技者は、レギュラーボーナス毎に必ず120枚のメダルの払い出し((15-1)×8=112枚のメダルの純増)を受けることができる。
【0269】
また、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、可変表示装置2の表示結果として常にスイカが導出されているので、可変表示装置2の表示結果によってもレギュラーボーナスに制御されていることが遊技者にとって分かり易いものとなる。一方、レギュラーボーナス以外の通常遊技状態や小役ゲームではスイカに入賞することはなく、1回の小役入賞による遊技者の手持ちのメダルの増加幅が大きくならないので、レギュラーボーナス以外の遊技状態では、いわゆる出玉の変化が大きくなり過ぎることがない。
【0270】
また、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われる。一方、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。このため、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(例えばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
【0271】
上記したように遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
【0272】
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
【0273】
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM113に記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
【0274】
特に第1RTにおけるリプレイBの判定値数は、設定値に応じて異なるアドレスに格納されているが、いずれの設定値に応じたアドレスにも同じ値が登録されている。このため、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、設定値に関わらずに第1RTにおけるリプレイ当選確率、すなわち第2RTの突入確率を同じにしていたが、リプレイBの判定値数を設定値毎に異なる値に変更するという簡単な仕様変更で、第2RTの当選確率も設定値毎に異なるものとした新たなスロットマシンの開発も、容易に行えるようになる。
【0275】
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
【0276】
また、通常遊技状態、第1RTまたは第2RTにおける判定値数には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、チェリーとの両方を抽選対象とするものが登録されている。ここで、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも持ち越されていなければ、内部抽選用の乱数の値によっては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、チェリーの両方に当選となる。
【0277】
ここで、抽選対象の一方の役であるチェリーの当選に基づいて設定されたチェリー当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果により「チェリー」の小役に入賞したとしても、依然としてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されているという可能性もある。このため、「チェリー」の小役に入賞したときであっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)の当選も遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0278】
また、乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路115は、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
【0279】
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
【0280】
しかも、乱数発生回路115のカウンタ115b、115cの値を更新させるためにパルス発生回路115aが発生するパルス信号の周波数は、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路115が発生する乱数の更新が、CPU111が行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路115が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
【0281】
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけでよい。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
【0282】
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、RAM112に記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM112に記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
【0283】
また、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク112-4に格納されている設定値が適正な値(1?6の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(例えば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行うことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
【0284】
また、RAM112に記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時や制御部110が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧して制御部110が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行うようになっているので、RAM112に記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわち、RAM112に記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、制御部110の負荷を軽減させることができる。
【0285】
また、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM112に記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域112-7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域112-7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM112のデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM112のデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確且つ簡便に行うことができる。
【0286】
また、RAM112のデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM112に記憶されているデータが初期化される。このため、RAM112のデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行うことができるので、無駄な処理を省くことができる。
【0287】
さらに、制御部110の起動時には、RAM112のデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ92がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ92がONの状態であると判定した場合には、RAM112のデータが正常であるか否かの判定は行わずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM112のデータが正常であるか否かの判定を行わずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
【0288】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0289】
上記の実施の形態では、ビッグボーナスが終了した後には、必ず第1RTに制御されるものとなっていた。もっとも、ビッグボーナスが終了した後に必ずしも第1RTに制御するものとせず、所定のRT抽選に当選したときに第1RTに制御するものとし、抽選に外れた場合には通常の遊技状態に制御するものとしてもよい。また、例えば、ビッグボーナス(1)の入賞に基づいて制御されたビッグボーナスが終了したときには第1RTに制御するものとするが、ビッグボーナス(2)の入賞に基づいて制御されたビッグボーナスが終了したときには第1RTに制御せずに通常の遊技状態に制御するものとしてもよい。レギュラーボーナスの終了後に第1RTに制御するものとしてもよい。
【0290】
また、少なくともビッグボーナスやレギュラーボーナスの終了が、第1RTに制御するための条件となるのではなく、他の条件が成立したときに第1RTに制御するものとしてもよい。例えば、通常の遊技状態において可変表示装置2の表示結果として特定の表示結果(RT図柄)が導出されたことを条件として、第1RTに制御するものとしてもよい。このRT図柄は、チェリーなどの小役の表示態様を適用してもよく、または、チェリーなどの小役を取りこぼしたときに限って導出される出目を適用してもよい。リプレイAともリプレイBとも異なる第3のリプレイ図柄をRT図柄として適用してもよい。
【0291】
上記の実施の形態では、第2RTへの制御を伴うリプレイBは、遊技状態が第1RTに制御されているときのみ内部抽選の対象となる役であり、第1RTからでしか第2RTに制御されることはなかった。これに対して、通常の遊技状態でも第2RTへの制御を伴うリプレイBに当選することがあってもよい。リプレイ全体の当選確率として、通常の遊技状態では第1RT以下とするが、ここでは、通常の遊技状態におけるリプレイBの当選確率を第1RTにおけるリプレイBの当選確率よりも低くする必要があり、通常の遊技状態におけるリプレイBの当選確率は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の当選確率よりもさらに低いものとすることが好ましい。
【0292】
さらに、遊技状態が第2RTに制御されているときにもリプレイBを内部抽選の対象役としてもよい。第2RTにおけるリプレイBの当選確率は、第1RTより低い、第1RTと同じ、第1RTより高いのいずれであってもよい。ここで、第2RTにおいてリプレイBに当選、入賞した場合には、リプレイゲーム中フラグのみを設定し、第2RTカウンタの値をそのままとすることができる。もっとも、そのときの第2RTカウンタの値に関わらずに改めて51を第2RTカウンタの初期値としてセットすることができる。すなわち、第2RTにおけるリプレイB入賞は、第2RTの継続ゲーム数を延長するものとしての意味を有することとなる。
【0293】
上記の実施の形態では、第1RTの継続ゲーム数は50ゲーム(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはリプレイBに入賞するまで)であり、第2RTの継続ゲーム数も50ゲーム(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで)であった。もっとも、第1RT、第2RTの継続ゲーム数は、いずれも50ゲームに限るものではない。第1RTの継続ゲーム数と第2RTの継続ゲーム数は、互いに異なるゲーム数であってもよい。第1RTの継続ゲーム数、第2RTの継続ゲーム数ともに、予め固定されたゲーム数とするのではなく、例えば、抽選により決定される可変のゲーム数としてもよい。この場合において、抽選により決定される第2RTのゲーム数の期待値は、抽選により決定される第1RTのゲーム数の期待値以上のものとすることが好ましい。
【0294】
上記の実施の形態では、第1RTでは、全体としてリプレイ当選確率が高くなることで通常の遊技状態よりもメダルの払出率が高くなるものの、メダルの払出率は1を越えないものとなっていた。一方、第2RTでは、第1RTよりも全体としてリプレイ当選確率が高くなり、メダルの払出率が1を越えるものとなっていた。もっとも、第1RTでのリプレイ当選確率を通常の遊技状態よりも高くして通常の遊技状態よりもメダルの払出率を高くし、第2RTでのリプレイ当選確率を通常の遊技状態よりも高くしてメダルの払出率を高くするのであれば、第1RTにおけるメダルの払出率が1以上となるものにも、第2RTにおけるメダルの払出率が1以下となるものにも、本発明を適用することができる。
【0295】
第1RTと第2RTは、リプレイAとリプレイBを合わせたリプレイ当選確率が同じ、すなわちメダルの払出率が同じものであってもよいが、ここでは第2RTの継続ゲーム数(抽選により第2RTの継続ゲーム数を決定する場合は、決定される継続ゲーム数の期待値)を第1RTの残りゲーム数よりも多いものとすればよい。この場合には、第1RTでのリプレイBの入賞は、RTのゲーム数を延長するものとしての意味が生じることとなり、第1RTにおけるリプレイB入賞の期待感を遊技者に与えることができる。また、通常の遊技状態よりも第1RTにおけるリプレイBの当選確率が高くするのであれば、通常の遊技状態と第1RTは、リプレイAとリプレイBを合わせたリプレイ当選確率が同じ、すなわちメダルの払出率が同じであってもよい。この場合、第1RTは、メダルの払出率の観点では通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態とならないが、第2RTへの移行を伴うリプレイBに当選する確率が高い分だけ、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
【0296】
本発明は、少なくとも第1RTにおけるリプレイB当選確率を通常の遊技状態におけるリプレイB当選確率よりも高くし、第2RTにおけるリプレイAとリプレイBを合わせたリプレイ当選確率を通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くする限り、リプレイA及びリプレイBの当選確率を、通常の遊技状態、第1RT、第2RTのそれぞれで如何なる確率に定めたスロットマシンにも適用することができる。
【0297】
上記の実施の形態では、第1RTにおけるリプレイBの判定値数は、設定値に応じて個別に同じ値が記憶されるものとなっていたが、第2RTにおけるリプレイAの判定値数は、設定値に関わらずに共通して記憶されるものとなっていた。もっとも、第2RTにおけるリプレイAの判定値数も、設定値に応じて個別に記憶されるものとしてもよい。第2RTにおけるリプレイAの判定値数は、いずれの設定値数についても同じ値を記憶してもよいが、異なる値を記憶してもよい。このように第2RTにおけるリプレイAの判定値数を設定値に応じて個別に記憶するものとすることで、メダルの払出率が設定値毎に異なる第2RTを実現したスロットマシンを容易に設計することが可能となる。
【0298】
上記の実施の形態では、他の小役よりも多い15枚のメダルの払い出しを伴うスイカは、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときのみ内部抽選の対象となり、他の小役との重複当選の場合を含めて必ず当選するものとなっていた。また、メダルの払出枚数が最大となる小役は、スイカ1種類であった。しかしながら、レギュラーボーナス以外の遊技状態であっても、メダルの払出枚数が最大となる小役も抽選対象となるものとしてもよい。レギュラーボーナス以外の遊技状態で抽選対象となる小役には、レギュラーボーナスで抽選対象となるメダルの払出枚数が最大となる種類の小役が含まれていても、含まれていなくてもよい。
【0299】
上記の実施の形態では、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているゲームでは、ベルまたはチェリーと同時に当選する場合を含めて、必ずスイカに当選するものとしていた。しかしながら、上記のように入賞したゲーム数をレギュラーボーナスの終了条件として規定した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているゲームにおいてスイカ以外の役に単独で当選することがないのであれば、スイカにも当選せずにハズレとなることがあってもよい。この場合には必ずしもレギュラーボーナスにおいて賭け数の設定に消費されるメダルの数を最小とすることはできないが、払出メダル枚数はレギュラーボーナス毎に常に最大とすることができるので、遊技者の得られる利益を小さくしてしまうことがない。
【0300】
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と、チェリーとを同時に抽選対象としていた。これを含めて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)といった特別役の抽選と、非特別役(小役、リプレイA、リプレイB)の抽選は、同じ流れの中で行うものとしていた。これに対して、特別役の抽選と非特別役の抽選とは、別々に行うものとしてもよい。
【0301】
図20は、この変形例において適用される当選判定用テーブルを模式的に示す図である。図21は、この変形例において適用される抽選処理を詳細に示すフローチャートである。これ以外の構成及び処理については、上記の実施の形態にかかるスロットマシン1と同一であるものとする。
【0302】
図20に示すように、当選判定用テーブルとしては、遊技状態別の小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルがあり、ROM113に予め格納されている。小役当選判定用テーブル及びボーナス当選判定用テーブルは、いずれも設定値に応じて用意され、抽選処理においては設定値に応じたものが用いられるものとなっているが、ここでは、図示を省略している。なお、小役ゲームにおけるJACINは、特別役であるが、通常の遊技状態またはRTにおけるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のように当選フラグの持ち越しがないので、小役当選判定用テーブルに判定値の範囲が登録されるものとなっている。
【0303】
ここで、図20(a)に示すように、通常の遊技状態にあって前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていないときには、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)とボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて、内部抽選が行われる。なお、図20(a)において、斜線を付している範囲は、内部抽選用の乱数の値がこの範囲の値であれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とチェリーに重複して当選となる範囲である。
【0304】
一方、通常の遊技状態にある場合であっても、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、図20(b)に示すように、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
【0305】
なお、遊技状態が第1RTまたは第2RTにあるときにも、通常の遊技状態の場合と同じ手法により内部抽選が行われるが、第1RTにおいて用いられる小役テーブルでは、通常の遊技状態の小役テーブルでハズレとなっている範囲であってボーナステーブルでハズレとなっている範囲に重複する範囲に、リプレイBに当選となる判定値の範囲が含まれる。第2RTにおいて用いられる小役テーブルでは、リプレイAに当選となる判定値の範囲は、通常の遊技状態の通常の遊技状態の小役テーブルでハズレとなっている範囲であってボーナステーブルでハズレとなっている範囲に重複する範囲まで広がっている。ボーナステーブルは、通常の遊技状態、第1RT、第2RTで共通して用いられる。
【0306】
遊技状態が小役ゲームにあるとき、或いはレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の抽選を行わないので、図20(c)、(d)にそれぞれ示すように、小役ゲームに対応した小役テーブル(2)のみ、或いはレギュラーボーナスに対応した小役テーブル(3)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
【0307】
図21に示す抽選処理において、ステップS1101?S1103の処理と、ステップS1102で設定値が1以上6以下の範囲にないと判定されたときにRAM異常エラー処理に移行する点については、上記の実施の形態における抽選処理(図14のステップS501?S503)と同じである。また、当該ゲームにおける当選フラグの設定状況が確定した後に当選状況通知コマンドを送信する処理(ステップS1114)の処理についても、図14のステップS520の処理と同じである。
【0308】
ステップS1103において内部抽選用の乱数を取得した後、現在の遊技状態(通常、第1RT、第2RT、小役ゲーム、またはレギュラーボーナス)と設定値に応じて用意された小役当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1104)。次に、設定した小役当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1103で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1105)、設定した小役当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1106)。
【0309】
いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM112に設定するここで、ベル+スイカに当選した場合にはベル当選フラグとスイカ当選フラグを重複して設定し、チェリー+スイカに当選した場合にはチェリー当選フラグとスイカ当選フラグを重複して設定する(ステップS1107)。そして、ステップS1108の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1108の処理に進む。
【0310】
ステップS1108では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナス(小役ゲーム)であるかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、そのままステップS1114の処理に進む。
【0311】
現在の遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、通常の遊技状態、第1RT、第2RTのいずれかであるが、この場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが前回以前のゲームで既に設定されていて、入賞せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS1109)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていれば、そのままステップS1114の処理に進む。
【0312】
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、設定値に応じたボーナス当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1110)。次に、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1103で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1111)、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1112)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM112に設定し(ステップS1113)、ステップS1114の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1114の処理に進む。
【0313】
このように特別役と非特別役とで別個の当選判定用テーブルを用意しておき、通常の遊技状態、第1RTまたは第2RTにおいて内部抽選用の乱数の値が特別役に当選となる値に対応するとともに非特別役にも当選となる値に対応するときには、特別役と非特別役とに同時に当選することとなる。この場合、小役やリプレイなどの非特別役の当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果が小役やリプレイの入賞となったとしても、なおも特別役にも当選していたという可能性がある。これにより、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0314】
また、内部抽選の結果として特別役に当選しなくても、小役やリプレイ(この変形例では、チェリー)には当選しているという可能性があるので、遊技者の期待感の維持を図ることができる。さらに、通常の遊技状態、第1RTまたは第2RTにおいて特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていなければ、小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて内部抽選を行うが、特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていれば、小役当選判定用テーブルのみを用いて内部抽選を行えばよいこととなる。これにより、通常の遊技状態、第1RT及び第2RTにおける内部抽選を簡単な処理で行うことができるようになる。
【0315】
この変形例では、特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も非特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も同一のものであったが、互いに別々の乱数を用いるものとしてもよい。また、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されてるか否かに関わらず、通常の遊技状態、第1RTまたは第2RTにおいては小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの両方を用いて抽選を行うようにし、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、その当選を無効とするものとしてもよい。
【0316】
上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
【0317】
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
【0318】
上記の実施の形態では、3つのリール3L、3C、3Rのうち一部が既に停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるために停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
【0319】
上記の実施の形態では、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路115から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであってもよい。また、乱数発生回路115から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしてもよい。さらに、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしてもよい。
【0320】
図22は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS503、S1103)の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
【0321】
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)は、そのままにしておく。
【0322】
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット?第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
【0323】
図23は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS503、S1103)の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
【0324】
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
【0325】
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット?第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
【0326】
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、さらに下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
【0327】
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ111Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ111Rの値は、CPU111の命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
【0328】
なお、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ111R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタ111Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ111Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行ってもよい。
【0329】
また、上記の実施の形態で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしてもよい。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU111に対する割り込みが禁止されるものとなる。
【0330】
また、第2の変形例においては、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ111Rから異なるタイミングで別々に抽出してもよい。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしてもよい。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ111Rによって構成するものとすることができる。
【0331】
なお、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のいずれにおいても、第7、第15ビットがマスクされて、内部抽選用の乱数が生成されるものとしていた。すなわち、内部抽選用の乱数の値は、14ビットにより表されるもので、0?16383の範囲をとるものであった。もっとも、第7ビット、第15ビットのマスクを行うことなく、16ビットにより表される値をそのまま内部抽選用の乱数として適用することもできる。この場合、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲に応じて、内部抽選の対象役毎の判定値数をROM113に登録しておくものとすればよい。
【0332】
一方、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のように第7、第15ビットをマスクして内部抽選用の乱数を生成するものとした場合には、当該マスクした2ビットにより表される数値を、内部抽選とは別の決定(例えば、演出の種類の選択など)を行うための乱数として適用することができる。これにより、乱数発生回路115から抽出した乱数の全てのビットを有効に用いることができる。
【0333】
上記の実施の形態では、乱数発生回路115が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用してもよい。例えば、制御部110を構成するマイクロコンピュータとは第1のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU111が第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート114を介してCPU111に入力して、汎用レジスタ111GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、制御部110を構成するマイクロコンピュータに含まれていてもよい。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
【0334】
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
【0335】
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1?6の全体に共通して記憶されているか、設定値1?6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1?6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1?3については判定値数が共通、設定値4?6については判定値数が共通のものとすることもできる。
【0336】
上記の実施の形態では、小役ゲーム、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、小役ゲーム、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
【0337】
小役ゲーム、通常の遊技状態並びにRT(第1RT及び第2RT)で賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。また、小役ゲーム、通常の遊技状態及びRTにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1?6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1?3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
【0338】
上記の実施の形態では、1ゲーム毎に実行される内部抽選処理においても設定値が1?6の範囲にあるかどうかを判定し、設定値が1?6の範囲にないと判定された場合には、RAM異常エラー処理に移行させるものとしていた。内部抽選処理においては、設定値が適正であるかどうかを判定するだけではなく、さらに賭け数が適正であるかどうか(遊技状態に応じて定められた賭け数となっているかどうか)を判定し、賭け数が適正でないと判定した場合も、RAM異常エラー処理に移行させるものとしてもよい。
【0339】
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにある場合において、まず小役ゲームに制御し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスに制御するものとしていた。もっとも、ビッグボーナス)における遊技状態をレギュラーボーナスに制御する条件はこれに限るものではない。例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときにまずRAM112にビッグボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中フラグが設定されているゲームではスタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定し、レギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいことになる。
【0340】
また、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときにRAM112にビッグボーナス中フラグとともにレギュラーボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中でレギュラーボーナスの終了条件が成立したときには該レギュラーボーナス中フラグを消去する。ここで、レギュラーボーナス中フラグが消去されたときにおいて、ビッグボーナスの終了条件が成立していないと判定されてビッグボーナス中フラグがRAM112に設定されている状態となっていれば、再びレギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定して、そのまま新たなレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞によりビッグボーナスが制御されたときに同時にレギュラーボーナスに制御することができ、また、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに即座にレギュラーボーナスに復帰できることとなる。
【0341】
これらの手法によりビッグボーナスを制御するものとすると、ビッグボーナスは、払出メダル枚数が規定枚数に達するまで、レギュラーボーナスの繰り返しにより提供されるものとすることができる。この場合には、払出メダル枚数が規定枚数を越えることで終了するビッグボーナスでも、全てのゲームで15枚のメダルが払い出されるスイカに入賞することで、賭け数の設定に用いるメダルの枚数を最小限に抑えることができ、計算上求められる最大のメダルの純増を得ることができる。
【0342】
なお、レギュラーボーナスの終了条件を入賞ゲーム数や消化ゲーム数が所定ゲーム数に達したこととするのではなく、払出メダル枚数が所定枚数に達したこととする場合にも、全てのゲームで15枚のメダルが払い出されるスイカに入賞することで、賭け数の設定に用いるメダルの枚数を最小限に抑えることができ、計算上求められる最大のメダルの純増を得ることができる。レギュラーボーナスの繰り返しにより提供されるビッグボーナスではなく、レギュラーボーナス入賞やJACIN入賞に基づいて提供されるレギュラーボーナスで、特に効果を生じさせるものとなる。
【0343】
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
【0344】
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
【0345】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0346】
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0347】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。
【図3】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図4】遊技制御基板内のRAMの格納領域を示す図である。
【図5】(a)は、入賞となる役の図柄組み合わせを示す図であり、(b)は、遊技状態別当選役テーブルの例を示す図であり、(c)は、役別テーブルの例を示す図である。
【図6】判定値数の記憶領域の例を示す図である。
【図7】(a)は、乱数発生回路の構成を示すブロック図であり、(b)は、乱数発生回路から抽出した乱数をソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。
【図8】遊技制御基板内のROMに格納されたテーブルインデックスの構成を示す図である。
【図9】停止制御テーブルの一例を示す図である。
【図10】遊技制御基板内の制御部が実行する起動処理を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御基板内の制御部が実行する設定変更処理を示すフローチャートである。
【図12】遊技制御基板内の制御部が実行するRAM異常エラー処理を示すフローチャートである。
【図13】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行するゲーム制御処理を示すフローチャートである。
【図14】図13の抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図15】図14の乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。
【図16】図13のリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。
【図17】図13の入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【図18】図13の払出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図19】演出制御基板内の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態の変形例において用いられる当選判定用テーブルを模式的に示す図である。
【図21】本発明の実施の形態の変形例における抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図22】乱数発生回路から抽出した乱数をソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの第1変形例の説明図である。
【図23】乱数発生回路から抽出した乱数をソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの第2変形例の説明図である。
【符号の説明】
【0348】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
101 遊技制御基板
111 CPU
111R リフレッシュレジスタ
111GR 汎用レジスタ
112 RAM
113 ROM
115 乱数発生回路
116 サンプリング回路
120 遊技制御基板
121 CPU
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データに応じて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報を設定する決定結果情報設定手段と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶し、該複数の範囲特定データにより前記決定対象毎に導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする範囲特定データ記憶手段と、
所定の設定操作手段の操作に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段と、
前記設定値設定手段により設定された設定値を示す設定値データを含むゲームの進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常か否かを判定する記憶データ判定手段と、
前記記憶データ判定手段により前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常ではないと判定されたときに、ゲームの進行を不能化する不能化手段と、
前記不能化手段により前記ゲームの進行が不能化された状態において、前記設定操作手段の操作に基づいて前記設定値設定手段により前記設定値が新たに設定されたことを条件に、前記ゲームの進行が不能化された状態を解除し、ゲームの進行を可能とする不能化解除手段とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す重複範囲特定データを含む該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される特別範囲を定めた特別範囲特定データと、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データと、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データと、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データとを含む再遊技範囲特定データとを記憶するものであって、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域とを含み、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記範囲特定データ記憶手段に記憶された複数の範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データに加算する加算手段と、
前記加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該所定の範囲を越えたときに判定値の個数を示すデータを加算対象としていた範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する範囲判定手段とを含み、
前記範囲判定手段の判定結果に応じて前記複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するとともに、前記判定領域に入力された判定用数値データが前記重複範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると前記範囲判定手段により判定されたときには、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データに応じて、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報を設定する決定結果情報設定手段と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶し、該複数の範囲特定データにより前記決定対象毎に導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする範囲特定データ記憶手段と、
所定の設定操作手段の操作に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段と、
前記設定値設定手段により設定された設定値を示す設定値データを含むゲームの進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常か否かを判定する記憶データ判定手段と、
前記記憶データ判定手段により前記データ記憶手段に記憶されているデータが正常ではないと判定されたときに、ゲームの進行を不能化する不能化手段と、
前記不能化手段により前記ゲームの進行が不能化された状態において、前記設定操作手段の操作に基づいて前記設定値設定手段により前記設定値が新たに設定されたことを条件に、前記ゲームの進行が不能化された状態を解除し、ゲームの進行を可能とする不能化解除手段とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す重複範囲特定データを含む該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される特別範囲を定めた特別範囲特定データと、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データと、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データと、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データとを含む再遊技範囲特定データとを記憶するものであって、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域とを含み、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記範囲特定データ記憶手段に記憶された複数の範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データから減算する減算手段と、
前記減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該所定の範囲を越えたときに判定値の個数を示すデータを減算対象としていた範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する範囲判定手段とを含み、
前記範囲判定手段の判定結果に応じて前記複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定するとともに、前記判定領域に入力された判定用数値データが前記重複範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると前記範囲判定手段により判定されたときには、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データが予め定められた複数種類の判定値の範囲のいずれに含まれているかを判定する範囲判定手段を含み、該範囲判定手段の判定結果に応じて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報を設定する決定結果情報設定手段と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶する範囲特定データ記憶手段と、
所定の設定操作手段の操作に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す特別範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする特別範囲特定データ記憶手段と、
前記事前決定手段により前記一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す一般範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする一般範囲特定データ記憶手段とを含むとともに、
前記特別範囲特定データ記憶手段と前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして前記入賞表示結果の導出を許容しない旨が決定される判定値の個数を示す非入賞範囲特定データを少なくとも何れかが記憶し、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域とを含み、
前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記一般範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データと、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データと、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データとを含む再遊技範囲特定データを記憶し、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記特別範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データに加算する特別加算手段と、
前記特別範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを加算したときに前記特別加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該加算対象としていた特別範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する特別範囲判定手段と、
前記特別加算手段による加算に用いられるのと同一の判定用数値データに、該特別加算手段とは別に、前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記一般範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次加算する一般加算手段と、
前記一般範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを加算したときに前記一般加算手段の加算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定用数値データが、該加算対象としていた一般範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する一般範囲判定手段とを含み、
前記特別範囲判定手段の判定結果と前記一般範囲判定手段の判定結果に応じて前記特別表示結果の導出を許容するか否かと前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定するとともに、前記特別範囲判定手段と前記一般範囲判定手段の双方により各々に対応した判定値の範囲に前記判定用数値データが含まれると判定されたときに、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
所定の範囲内において更新される数値データを、ゲーム毎に所定のタイミングで判定用数値データとして予め定められた判定領域に入力する数値データ入力手段と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、前記判定領域に入力された判定用数値データが予め定められた複数種類の判定値の範囲のいずれに含まれているかを判定する範囲判定手段を含み、該範囲判定手段の判定結果に応じて通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果と、前記賭数の設定に遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能となる再遊技の付与を伴う再遊技表示結果を含む該特別表示結果以外の一般入賞表示結果とを含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じた決定結果情報を設定する決定結果情報設定手段と、
前記事前決定手段の決定対象となる入賞表示結果の種類毎に定められ、各々が該事前決定手段により導出を許容する旨が決定されることとなる判定値の個数を示す複数の範囲特定データを記憶する範囲特定データ記憶手段と、
所定の設定操作手段の操作に基づいて、前記事前決定手段の決定に用いる範囲特定データが定める判定値の範囲の違いにより該事前決定手段により入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を設定値毎に異ならせる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
前記決定結果情報設定手段に設定されている決定結果情報に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御された後に予め定められた終了条件が成立したときに、該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、
前記特別遊技状態とは異なる前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段とを備え、
前記判定領域に入力される判定用数値データは、前記設定値設定手段により設定された設定値の種類に関わらずに同一の範囲内で更新され、
前記範囲特定データ記憶手段は、
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す特別範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該特別表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする特別範囲特定データ記憶手段と、
前記事前決定手段により前記一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の個数を示す一般範囲特定データを前記範囲特定データとして記憶し、該記憶されている範囲特定データにより該一般入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される判定値の範囲を特定可能とする一般範囲特定データ記憶手段とを含むとともに、
前記特別範囲特定データ記憶手段と前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記範囲特定データとして前記入賞表示結果の導出を許容しない旨が決定される判定値の個数を示す非入賞範囲特定データを少なくとも何れかが記憶し、
前記複数の範囲特定データのうち第1の範囲特定データを前記複数種類の設定値に共通して格納する第1格納領域と、該複数の範囲特定データのうち前記第1の範囲特定データと異なる第2の範囲特定データを前記設定値の種類毎に個別に格納する第2格納領域とを含み、
前記第2格納領域は、前記設定値の種類に関わらずに同じ判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する同数格納領域と、前記設定値の種類に応じて異なる判定値の個数を示す範囲特定データを個別に格納する異数格納領域とを含み、
前記一般範囲特定データ記憶手段は、前記一般範囲特定データとして少なくとも、前記事前決定手段により前記再遊技表示結果のうちの第1再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第1範囲と、前記第1再遊技表示結果とは異なる再遊技表示結果である第2再遊技表示結果の導出を許容する旨が決定される第2範囲とを特定可能な再遊技範囲特定データであって、前記通常遊技状態において用いられ前記第1範囲と前記第2範囲をそれぞれ所定の大きさに定めた通常再遊技範囲特定データと、前記第2範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める第2範囲よりも大きく定めた第1再遊技範囲特定データと、前記第1範囲と第2範囲とを合計した再遊技範囲を前記通常再遊技範囲特定データの定める再遊技範囲よりも大きく定めた第2再遊技範囲特定データとを含む再遊技範囲特定データを記憶し、
前記事前決定手段は、
前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記特別範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次、前記判定領域に入力された判定用数値データから減算する特別減算手段と、
前記特別範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを減算したときに前記特別減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定領域に入力された判定用数値データが、該減算対象としていた特別範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する特別範囲判定手段と、
前記特別減算手段による減算に用いられるのと同一の判定用数値データから、該特別減算手段とは別に、前記設定値設定手段により設定された種類の設定値に対応して前記一般範囲特定データ記憶手段に記憶された範囲特定データによりそれぞれ示される判定値の個数を示すデータを、順次減算する一般減算手段と、
前記一般範囲特定データが示す判定値の個数を示すデータを減算したときに前記一般減算手段の減算結果が所定の範囲を越えたときに、前記判定用数値データが、該減算対象としていた一般範囲特定データにより特定される判定値の範囲に含まれると判定する一般範囲判定手段とを含み、
前記特別範囲判定手段の判定結果と前記一般範囲判定手段の判定結果に応じて前記特別表示結果の導出を許容するか否かと前記一般入賞表示結果の導出を許容するか否かをそれぞれ決定するとともに、前記特別範囲判定手段と前記一般範囲判定手段の双方により各々に対応した判定値の範囲に前記判定用数値データが含まれると判定されたときに、前記特別表示結果と前記一般入賞表示結果の両方の導出を許容する旨を決定し、
前記特定遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態が終了した後に、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第1再遊技範囲特定データに変更することにより、前記特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態に遊技状態を制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2再遊技表示結果が導出されたときに、前記再遊技表示結果の導出を許容するか否かの決定に用いる再遊技範囲特定データを前記第2再遊技範囲特定データに変更することにより、前記第1特定遊技状態とは異なる特定遊技状態である第2特定遊技状態に遊技状態を制御する第2特定遊技状態制御手段とを含み、
前記通常再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、該通常再遊技範囲特定データにより定められる第1範囲よりも小さく、且つ前記特別範囲よりも小さく、
前記第1再遊技範囲特定データにより定められる第2範囲は、前記特別範囲よりも大きい
ことを特徴とするスロットマシン。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2013-12-05 
出願番号 特願2008-120630(P2008-120630)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柴田 和雄酒井 保  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 吉村 尚
瀬津 太朗
登録日 2010-08-13 
登録番号 特許第4567766号(P4567766)
発明の名称 スロットマシン  
代理人 古溝 聡  
代理人 古溝 聡  

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