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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C08G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08G
管理番号 1283630
審判番号 不服2013-11146  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-13 
確定日 2014-01-06 
事件の表示 特願2009-117360「イソシアヌル環含有末端ハイドロジェンポリシロキサン」拒絶査定不服審判事件〔平成22年11月25日出願公開、特開2010-265374〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成21年5月14日を出願日とする特許出願であって、平成24年12月11日付けで拒絶理由が通知され、平成25年2月14日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年3月4日付けで拒絶査定がなされ、同年6月13日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年同月18日に手続補正書(方式)が提出され、同年7月16日付けで前置報告がなされ、当審で同年7月22日付けで審尋がなされ、同年9月27日に回答書が提出されたものである。


第2.平成25年6月13日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[結論]
平成25年6月13日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.手続補正の内容
平成25年6月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求と同時にされた補正であり、平成25年2月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲をさらに補正するものであって、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の内容について、
「 【請求項1】
式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し、少なくとも2個の末端ハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン。
【化1】

(Xは互いに独立に、炭素数1?4のアルキル基であり、Rは互いに独立にメチル基またはフェニル基、nは1?50の整数、mは0?5の整数、およびPは1?10の整数である。)」
を、
「 【請求項1】
式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し、少なくとも2個の末端ハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン。
【化1】

(Xは互いに独立に、炭素数1?4のアルキル基であり、Rは互いに独立にメチル基またはフェニル基、nは1?50の整数、およびPは1?10の整数である。)」
とする、補正事項を含むものである。

2.本件補正の目的について
上記した特許請求の範囲についての本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項(以下、「発明特定事項」という。)である【化1】において「m=0」に限定する補正であり、請求項1についてする本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決すべき課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件について
そこで、本件補正により補正された特許請求の範囲及び明細書(以下、「本願明細書」という場合がある。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものである。

「式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し、少なくとも2個の末端ハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン。
【化1】

(Xは互いに独立に、炭素数1?4のアルキル基であり、Rは互いに独立にメチル基またはフェニル基、nは1?50の整数、およびPは1?10の整数である。)」

(2)刊行物及びその記載事項
以下、特開2003-268251号公報(平成24年12月11日付け拒絶理由通知で引用した引用文献1。)を「刊行物A」という。

本願の出願日前に頒布された刊行物Aには、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付した。

A1「【請求項1】
(A)SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分として含有することを特徴とする封止剤であって、封止剤を硬化させて得られる硬化物の引張破断伸びが2%以上である封止剤。

・・・

【請求項3】(B)成分が、SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であって、(α)成分がSiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物、あるいは/およびSiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に2個含有する有機化合物である化合物を含み、かつ、その化合物の(B)成分中の含有量が(B)成分全体の重量を基準として30重量%以上であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の封止剤。」

A2「【0042】(A)成分としては、耐熱性および透明性が高いという観点からは、下記一般式(I)
【0043】
【化10】

(式中R^(1)は炭素数1?50の一価の有機基を表し、それぞれのR^(1)は異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物が好ましい。

・・・

【0061】以上のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
【0062】
【化20】

等が挙げられる。」
(なお、以下、上記【化20】で表される化合物を「【化20】」とのみ記載する。)

A3「【0096】
また、同様に引張破断伸びがより高くなりやすいという点において、(B)成分が、SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であって、(β)成分が1分子中に2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである化合物を含むことが好ましく、
(B)成分全体の重量を基準として30重量%以上含むことがより好ましく、50重量%以上含むことがさらに好ましい。
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A)成分である、SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高く信頼性の高い封止剤となりやすい。」

A4「【0126】引張破断伸びがより高くなりやすいという点においては、(β)成分としては、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンであることが好ましい。」

A5「【0129】(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。」

(3)刊行物Aに記載された発明
刊行物Aには、下記の刊行物A発明1および刊行物A発明2が記載されていると認められる。

(3-1)刊行物A発明1について
摘示A1の記載からみて、刊行物Aには以下の刊行物A発明1が記載されているといえる。

刊行物A発明1:
「(A)SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分として含有する封止剤に用いる(B)成分であって、
該(B)成分が、SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であって、(α)成分がSiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物、あるいは/およびSiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に2個含有する有機化合物である化合物を含む、
化合物。」

(3-2)刊行物A発明2について
また、刊行物Aには、(A)成分として、耐熱性および透明性が高いという観点からイソシアヌレート化合物が好ましいとの記載(摘示A2)があり、その具体的化合物として【化20】が記載(摘示A2)されている。そして、(B)成分における(α)成分が(A)成分であるとの記載(摘示A3)があることから、(B)成分における(α)成分は【化20】で示される化合物であるといえる。さらに、引っ張り破断伸びの観点から、(B)成分における(β)成分は1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンであることが好ましいとの記載(摘示A4)がある。そして、「(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2」との記載(摘示A5)をふまえ、摘示A1の記載から、刊行物Aには以下の刊行物A発明2が記載されているといえる。

刊行物A発明2:
「(A)SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分として含有する封止剤に用いる(B)成分であって、
該(B)成分が、【化20】で表される(α)成分と、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(β)成分を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物である化合物を含み、
(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2である、
化合物。」

(4)対比・判断
(4-1)本願補正発明と刊行物A発明2との対比・判断
刊行物A発明2における(B)成分は、原料である(β)成分として、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンシロキサンを用いていることからシロキサン構造を有することが明らかであり、刊行物A発明2における「(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物」は、本願補正発明における「少なくとも2個のハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン」に相当する。

刊行物A発明2における「【化20】で表される(α)成分」は、イソシアヌル環を有している化合物であり、ジアリルメチルイソシアヌレートまたはジアリルブチルイソシアヌレートを含むことから、本願補正発明における「式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し」「X」が「炭素数1」または「4」の場合に相当する。

刊行物A発明2における「1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(β)成分」は、本願補正発明の【化1】における「n=1」「R=メチル基」の場合の「式(1)で表わされる、ハイドロジェンシロキシ」構造に相当する。そして、刊行物A発明2は、「(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2」(以下、「【Y/X≧2】」とのみ記す。)であることから、(β)成分が両末端となる。そうすると、(α)成分と(β)成分とから得られた(B)成分の両末端はSiH基を有する(β)成分となることが明らかであるから、刊行物A発明2は、本願補正発明における「少なくとも2個の末端ハイドロジェンシロキシ基を有する」との規定を有している。

そして、上記のとおり、 (α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素-炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることから、本願補正発明における「Pは1?10の整数である」と重複一致している。

以上のことから、本願補正発明は刊行物A発明2と差異はない。

よって、本願補正発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

(4-2)本願補正発明と刊行物A発明1との対比・判断
刊行物A発明1における(B)成分は、シロキサン構造を有することが明らかであるから、刊行物A発明1における「(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物」は、本願補正発明における「少なくとも2個のハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン」に相当する。

以上をまとめると、本願補正発明と刊行物A発明1との一致点及び相違点は次のとおりである。

〔一致点〕
少なくとも2個のハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン。

〔相違点1〕
本願補正発明において、ハイドロジェンシロキシ基が「末端」と特定しているのに対し、刊行物A発明1においてそのような特定がない点。

〔相違点2〕
本願補正発明において、「式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し【化1】

(Xは互いに独立に、炭素数1?4のアルキル基であり、Rは互いに独立にメチル基またはフェニル基、nは1?50の整数、およびPは1?10の整数である。)」と特定しているのに対し、刊行物A発明1においてそのような特定がない点。

上記相違点について検討する。

〔相違点1〕について
刊行物Aには、引っ張り破断伸びの観点から(B)成分における(β)成分は1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンであることが好ましいとの記載(摘示A4)があることからすると、この化合物を選択することは、当該技術分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)において適宜選択しうる事項である。また、刊行物Aには、(B)成分に関して、【Y/X≧2】であるとの記載(摘示A5)があることから、(B)成分における(β)成分が1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンである場合、(B)成分における末端はハイドロジェンシロキシ基となることから、この点は当業者において容易になし得る事項である。また、その効果も格段優れたものとは認められない。

〔相違点2〕について
刊行物Aには、(B)成分における(α)成分は(A)成分であるとの記載(摘示A3)があり、そこで例示されている【化20】の化合物は耐熱性および透明性の点から好ましいとの記載(摘示A2)があることからすると、【化20】で例示されている化合物の一つである「ジアリルメチルイソシアヌレート」または「ジアリルブチルイソシアヌレート」を選択することは、当業者において、適宜選択しうる事項である。
また、(B)成分中の(α)成分と(β)成分との量比に関して、【Y/X≧2】であるとの記載(摘示A5)があることから、上記のとおり(B)成分における(β)成分が1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンである場合、刊行物A発明1は本願補正発明における「Pは1?10の整数である」との規定を有していることからすると、上記「ジアリルメチルイソシアヌレート」と「1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン」との組み合わせにすることで、本願補正発明における「式(1)におけるXが炭素数1のアルキル基であり、Rはメチル基、n=1およびPは1?10の整数で表されるイソシアヌル環を有」するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとなることからこの点は当業者において容易になし得る事項である。また、その効果も格段優れたものとは認められない。

よって、本願補正発明は、刊行物A発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(5)請求人の主張について
請求人は、平成25年9月27日提出の回答書において、刊行物Aに記載の原料成分である(β)に関して、「段落0121においては、上から2番目の式において、m=0かつn=0とすれば、形式的には線形化合物を与えるが、m=0かつn=0がこの式の意図であるとは通常理解しない。第3番目および第4番目の式においてn=0とすれば、形式的には線形化合物を与えるが、n=0としたのでは、これら式をことさらに記載した意味がありません。」と主張しているが、刊行物Aの段落【0126】には、上記「段落0121においては、上から2番目の式において、m=0かつn=0」である、「1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン」が好ましいとの記載(摘示A4)があることからすると、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。

(6)まとめ
したがって、本願補正発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、刊行物Aに記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。よって、本件補正は特許法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成25年2月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「式(1)で表わされる、イソシアヌル環を有し、少なくとも2個の末端ハイドロジェンシロキシ基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン。
【化1】

(Xは互いに独立に、炭素数1?4のアルキル基であり、Rは互いに独立にメチル基またはフェニル基、nは1?50の整数、mは0?5の整数、およびPは1?10の整数である。)」

2.原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由とされた平成24年12月11日付け拒絶理由通知書に記載した理由1及び2の概要は、

1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用例1:特開2003-268251号公報

というものである。

3.当審の判断
(1)引用例の記載事項
引用例1は、前記第2.3(2)の刊行物Aと同じであるから、引用例1には、前記2.3(2)に記載した事項が記載されている。

(2)引用例に記載された発明
引用例1は、前記第2.3(2)の刊行物Aと同じであるから、引用例1には、前記2.3(3)に記載したとおりの発明が記載されている。

(3)対比・判断
本願補正発明は、本願発明における、【化1】において「m=0」に限定したものである。
そうすると、本願発明をさらに限定した本願補正発明が前記第2.3で述べたとおり、刊行物Aに記載された発明であるか、または、刊行物Aに記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明もまた引用例1(刊行物Aと同じ)に記載された発明であるか、または、引用例1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、特特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないという原査定の理由は妥当なものであり、本願はこの理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-10-31 
結審通知日 2013-11-08 
審決日 2013-11-20 
出願番号 特願2009-117360(P2009-117360)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C08G)
P 1 8・ 121- Z (C08G)
P 1 8・ 113- Z (C08G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡▲崎▼ 忠  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 須藤 康洋
加賀 直人
発明の名称 イソシアヌル環含有末端ハイドロジェンポリシロキサン  
代理人 松井 光夫  

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