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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1284439
審判番号 訂正2013-390186  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-10-31 
確定日 2014-01-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4711670号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4711670号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4711670号(以下「本件特許」という。)は、平成16年12月21日に出願されたものであって、その請求項1?12に係る発明は、平成23年4月1日に特許権の設定登録がなされ、平成25年10月31日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判請求は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである(下線部は訂正箇所を意味する。)。

その訂正内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項2?3における
「前記数値データ更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、」
という記載を、
「前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、」
と訂正する。

(2)訂正事項2
本件特許明細書の段落【0012】、【0013】、における
「前記数値データ更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データ(例えばリーチ判定用乱数値R2)を取得する数値データ取得手段(例えばCPU103がステップS244の処理を実行する部分)と、」
という記載を、それぞれ
「前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データ(例えばリーチ判定用乱数値R2)を取得する数値データ取得手段(例えばCPU103がステップS244の処理を実行する部分)と、」
と訂正する。

3 当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1には「前記数値データ更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、」(以下、「訂正前の請求項1の記載A」という。)という記載があるが、訂正前の請求項1の記載Aの前に「数値更新手段」という記載はあるが、「数値データ更新手段」という記載がないため、「前記数値データ更新手段」が何を指すのか不明であるから、訂正前の請求項1の記載が不明瞭であった。

訂正事項1は、不明瞭な訂正前の請求項1の記載Aを、訂正前の請求項1に記載された「数値データを更新する数値更新手段と、」という記載に基づいて、
「前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、」という明瞭な記載に訂正するものであるから、
特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明に該当する。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、上記1.「(1)訂正事項1」の訂正により、本件訂正前の請求項1における明瞭でない記載の釈明の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0012】、【0013】の記載を、訂正後の請求項1記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(5)特許法第126条第5項に規定する要件について
訂正事項1?2は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1?2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1?2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(6)特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項1?2は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(7)特許法第126条第3項に規定する要件について
訂正後の請求項4、10、12は、訂正事項1を含む訂正後の請求項2?3を引用し、請求項5は請求項4を、請求項11は請求項10を引用しているから、訂正後の請求項2?5、10?12は、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、本件訂正審判の請求は、一群の請求項(請求項2?5、10?12)についてなされており、特許法第126条第3項の規定に適合する。

(8)特許法第126条第4項に規定する要件について
本件特許明細書の段落【0012】、【0013】中に記載されている訂正事項2は、請求項2?3に対応する【課題を解決するための手段】の記載であり、上記訂正事項1に係る一群の請求項(請求項2?5、10?12)は、当該訂正事項2と関係を有するから、
本件特許明細書の訂正である当該訂正事項2と関係する一群の請求項(請求項2?5、10?12)の全てが請求の対象とされている。
したがって、本件請求は、第126条第4項の規定に適合するものである。

4 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3?6項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下、LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで可変表示を行い、その組合せ結果である表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、始動入賞口を通過する遊技球の検出(可変表示の始動条件が成立したこと)に基づいて、表示図柄の更新表示(例えばスクロール表示など)を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となるか否かは、ランダムカウンタ等から読み出された乱数の値が所定の大当り判定値と一致するか否かによって、表示結果が表示される以前に決定される。そして、「大当り」となったときには、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
こうした遊技機において、「大当り」とするか否かを判定するために用いられる乱数(大当り判定用乱数)の生成方法としては、CPUが所定のアプリケーションプログラムを実行することにより生成する方法が知られている。しかしながらこのような乱数生成方法は、生成の際におけるCPUの処理負担が増大するといった問題点を有している。
【0005】
かかる問題点を解消するものとして、乱数回路を用いて大当り判定用乱数を生成する遊技機、例えば、クロックパルスから所定の範囲内で循環的に更新されたカウント値からなるカウント値列を生成し、所定のタイミング信号に基づいてサンプリングした後、乱数として出力する遊技機等、が開示されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平7-124296号公報(第3-4頁、第1図)
【0006】
その他、クロックパルス(又はこのクロックパルスを反転させた反転クロックパルス)の立ち上がりエッヂに応答して更新したカウント値を、反転クロックパルス(又はクロックパルス)の立ち上がりエッヂに同期したラッチ信号に基づいて、乱数値として記憶することにより、ハードウェアによる乱数の発生を可能とした遊技機等も提案されている(例えば特許文献2)。
【特許文献2】特開2003-190483号公報(第5-12頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機では、クロックパルスとタイミング信号とをそれぞれ別の構成物から出力しているため、タイミング信号の出力タイミングによっては、更新中のカウント値が乱数値として出力される可能性があり、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができないおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2に記載された遊技機では、クロックパルスの立ち下がりエッヂが緩やかな場合、反転クロックパルスの立ち上がりエッヂも緩やかになるため、この反転クロックパルスの立ち上がりエッヂに同期するラッチ信号の出力タイミングが不安定になり、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができないおそれがあった。
【0009】
加えて、これらの従来技術では、乱数値を出力するための構成において故障が発生したことを認識することが困難であり、遊技者が著しい不利益を蒙るおそれがあった。
【0010】
この発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができるとともに、乱数値を出力するための構成における故障の発生を推定することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成手段(例えばクロック信号生成回路175)とを含み、前記クロック信号生成手段は、前記基準クロック信号出力手段から前記基準クロック信号が入力されるクロック端子(例えばクロック信号生成回路175の入力端子CK)と、第1の信号が入力される入力端子(例えばクロック信号生成回路175の入力端子D)と、前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の前記所定の周期毎に変化するタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10、T11、…など)に同期させた信号を出力する第1の出力端子(例えばクロック信号生成回路175の正相出力端子Q)と、前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子(例えばクロック信号生成回路175の逆相出力端子Q(バー))とを含み、前記クロック信号生成手段は、該第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号(例えばカウント用クロック信号S2)と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号(例えばラッチ用クロック信号S3)と、を生成し、前記乱数発生手段は、前記クロック信号生成手段により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミング(例えばカウント用クロック信号S2がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10、T12、…など)において、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値データ更新手段(例えばカウンタ174)と、前記クロック信号生成手段により生成された第2のクロック信号が前記所定の態様で変化する第2のタイミング(例えばラッチ用クロック信号S3がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT11、T13、…など)において、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号(例えばラッチ信号SL)として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値データ更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記数値データ更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データ(例えばリーチ判定用乱数値R2)を取得する数値データ取得手段(例えばCPU103がステップS244の処理を実行する部分)と、前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データ(例えば「8」)と合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段(例えばCPU103がステップS245の処理を実行する部分)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。
【0012】
上記目的を達成するため、本願の請求項2に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT20、T30、…など)のうちの第1のタイミング(例えばタイミングT20、T21、…など)において、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値更新手段(例えばカウンタ174)と、前記複数のタイミングのうちの前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミング(例えばタイミングT30、T31、…など)において、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号(例えばラッチ信号SL)として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データ(例えばリーチ判定用乱数値R2)を取得する数値データ取得手段(例えばCPU103がステップS244の処理を実行する部分)と、前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データ(例えば「8」)と合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段(例えばCPU103がステップS245の処理を実行する部分)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。
【0013】
上記目的を達成するため、本願の請求項3に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号を前記所定の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて遅延クロック信号(例えば遅延クロック信号S7)を生成し、該生成した遅延クロック信号を出力するクロック信号遅延手段(例えば遅延回路178)と、前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT40、T41、…など)と前記クロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が該所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミング(例えば遅延クロック信号S7がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT50、T51、…など)とのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値更新手段(例えばカウンタ174)と、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとのうちの前記数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号(例えばラッチ信号SL)として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データ(例えばリーチ判定用乱数値R2)を取得する数値データ取得手段(例えばCPU103がステップS244の処理を実行する部分)と、前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データ(例えば「8」)と合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段(例えばCPU103がステップS245の処理を実行する部分)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。
【0014】
請求項4に記載の遊技機においては、前記演出決定手段により前記所定の演出を実行する旨の判定がなされた可変表示の開始条件が連続して成立した回数を計測する演出連続回数計測手段(例えばリーチ回数カウンタ124、及びCPU103がステップS250、S248の処理を実行する部分)と、前記演出決定手段により前記所定の演出を実行しない旨の判定がなされた可変表示の開始条件が連続して成立した回数を計測する演出回避回数計測手段(例えば通常ハズレ回数カウンタ125、及びCPU103がステップS247、S251の処理を実行する部分)と、前記演出連続回数計測手段により計測された回数が所定の演出連続上限回数を超えたとき(例えばステップS253にてYesと判定したとき)に、当該演出連続上限回数を超えた旨を報知する制御を行う演出連続報知制御手段(例えばCPU103がステップS254の処理を実行した後にステップS261にてNoと判定したことによりステップS266の処理を実行し、これに応じて演出制御用CPU105がステップS142の処理を実行する部分)と、前記演出回避回数計測手段により計測された回数が所定の演出回避上限回数を超えたとき(例えばステップS255にてYesと判定したとき)に、当該演出回避上限回数を超えた旨を報知する制御を行う演出回避報知制御手段(例えばCPU103がステップS256の処理を実行した後にステップS261にてNoと判定したことによりステップS266の処理を実行し、これに応じて演出制御用CPU105がステップS142の処理を実行する部分)とを備える。
【0015】
請求項5に記載の遊技機において、前記演出連続報知制御手段は、特定の演出を実行させること(例えば図26(A)に示すような画像を表示させること)により、前記演出連続上限回数を超えた旨を報知する制御を行い、前記演出回避報知制御手段は、前記特定の演出を実行させること(例えば図26(B)に示すような画像を表示させること)により、前記演出回避上限回数を超えた旨を報知する制御を行う。
【0016】
上記目的を達成するため、本願の請求項6に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成手段(例えばクロック信号生成回路175)とを含み、前記クロック信号生成手段は、前記基準クロック信号出力手段から前記基準クロック信号が入力されるクロック端子(例えばクロック信号生成回路175の入力端子CK)と、第1の信号が入力される入力端子(例えばクロック信号生成回路175の入力端子D)と、前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の前記所定の周期毎に変化するタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10、T11、…など)に同期させた信号を出力する第1の出力端子(例えばクロック信号生成回路175の正相出力端子Q)と、前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子(例えばクロック信号生成回路175の逆相出力端子Q(バー))とを含み、前記クロック信号生成手段は、該第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号(例えばカウント用クロック信号S2)と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号(例えばラッチ用クロック信号S3)と、を生成し、前記乱数発生手段は、前記クロック信号生成手段により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミング(例えばカウント用クロック信号S2がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10、T12、…など)において、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値データ更新手段(例えばカウンタ174)と、前記クロック信号生成手段により生成された第2のクロック信号が前記所定の態様で変化する第2のタイミング(例えばラッチ用クロック信号S3がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT11、T13、…など)において、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値データ更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段(例えば大当り判定用乱数値保持エリア130)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段(例えばCPU103がステップS301の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段(例えばCPU103がステップS303の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段(例えば一致回数カウンタ126)と、前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段(例えばCPU103がステップS305の処理を実行する部分)と、前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段(例えばCPU103がステップS305にてYesと判定したことによりステップS306の処理を実行する部分など)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。なお、遊技制御手段は、連続回数カウント手段、連続回数判定手段に代えて、保持乱数更新手段によって乱数値保持手段に保持させる乱数値が更新されてからの経過時間を計測する時間計測手段(例えば経過時間タイマ)と、乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定がなされたときに、時間計測手段により計測された経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する経過時間判定手段とを含み、故障検出手段は、経過時間判定手段によって所定期間に達している旨の判定がなされたときに、基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出するようにしてもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本願の請求項7に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT20、T30、…など)のうちの第1のタイミング(例えばタイミングT20、T21、…など)において、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値更新手段(例えばカウンタ174)と、前記複数のタイミングのうちの前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミング(例えばタイミングT30、T31、…など)において、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号(例えばラッチ信号SL)として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段(例えば大当り判定用乱数値保持エリア130)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段(例えばCPU103がステップS301の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段(例えばCPU103がステップS303の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段(例えば一致回数カウンタ126)と、前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段(例えばCPU103がステップS305の処理を実行する部分)と、前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段(例えばCPU103がステップS305にてYesと判定したことによりステップS306の処理を実行する部分など)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。なお、遊技制御手段は、連続回数カウント手段、連続回数判定手段に代えて、保持乱数更新手段によって乱数値保持手段に保持させる乱数値が更新されてからの経過時間を計測する時間計測手段(例えば経過時間タイマ)と、乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定がなされたときに、時間計測手段により計測された経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する経過時間判定手段とを含み、故障検出手段は、経過時間判定手段によって所定期間に達している旨の判定がなされたときに、基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出するようにしてもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本願の請求項8に記載の遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄や大当り組合せの確定図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、乱数を発生する乱数発生手段(例えば乱数発生回路17など)と、前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号(例えば始動入賞信号SS)を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段(例えば始動入賞口スイッチ70)とを備え、前記乱数発生手段は、所定の周期の基準クロック信号(例えば基準クロック信号S1)を生成して出力する基準クロック信号出力手段(例えば基準クロック信号出力回路171)と、前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号を前記所定の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて遅延クロック信号(例えば遅延クロック信号S7)を生成し、該生成した遅延クロック信号を出力するクロック信号遅延手段(例えば遅延回路178)と、前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミング(例えば基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT40、T41、…など)と前記クロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が該所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミング(例えば遅延クロック信号S7がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT50、T51、…など)とのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値データ(例えばカウント値C)を更新する数値更新手段(例えばカウンタ174)と、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとのうちの前記数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号(例えばラッチ信号SL)として出力するラッチ信号出力手段(例えばラッチ信号出力回路173)と、前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値(例えば乱数値R1)として記憶する乱数値記憶手段(例えば乱数値記憶回路179)とを含み、前記遊技制御手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データ(例えば「2001?2184」や「2001?3104」など)と合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えばCPU103がステップS15の始動入賞処理及びステップS111の大当り判定処理を実行する部分)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段(例えば大当り判定用乱数値保持エリア130)と、前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段(例えばCPU103がステップS301の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段(例えばCPU103がステップS303の処理を実行する部分)と、前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段(例えば一致回数カウンタ126)と、前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段(例えばCPU103がステップS305の処理を実行する部分)と、前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段(例えばCPU103がステップS305にてYesと判定したことによりステップS306の処理を実行する部分など)と、前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号(例えば出力制御信号SC)を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えばCPU103がステップS204、S207の処理を実行する部分)と、を含み、前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段(例えばAND回路201など)を含む。なお、遊技制御手段は、連続回数カウント手段、連続回数判定手段に代えて、保持乱数更新手段によって乱数値保持手段に保持させる乱数値が更新されてからの経過時間を計測する時間計測手段(例えば経過時間タイマ)と、乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定がなされたときに、時間計測手段により計測された経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する経過時間判定手段とを含み、故障検出手段は、経過時間判定手段によって所定期間に達している旨の判定がなされたときに、基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出するようにしてもよい。
【0019】
請求項9に記載の遊技機においては、前記故障検出手段により前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことが検出されたとき(例えばCPU103がステップS261にて故障検出フラグがオンであると判定したとき)に、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生した旨を報知する制御を行う故障発生報知制御手段(例えばCPU103がステップS266の処理を実行し、これに応じて演出制御用CPU105がステップS142の処理を実行することにより、例えば図31(A)に示すような画像や図31(B)に示すような文字画像60を画像表示装置5に表示させる部分)を備える。
【0020】
請求項10に記載の遊技機において、前記乱数発生手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されている時間を計測し、該計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、該始動信号を前記ラッチ信号出力手段に出力するタイマ手段(例えばタイマ回路172)を含む。
【0021】
請求項11に記載の遊技機において、前記遊技制御手段は、定期的(例えば2ms毎)に入力される割込要求信号に応答して、タイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段(例えばCPU103が遊技制御割込処理を実行する部分)を含み、前記表示結果決定手段は、前記タイマ割込処理実行手段により所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms間)、前記始動信号出力手段から始動信号が継続して入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出し、前記タイマ手段は、前記タイマ割込処理実行手段により所定回のタイマ割込処理が実行される時間よりも短い時間を前記所定の時間として設定する設定手段(例えばタイマ回路172が2回のタイマ割込処理の実行時間である4msよりも短い時間、3msを設定する部分など)を含み、前記計測した時間が前記設定手段により所定の時間として設定された時間になったとき、前記始動信号を前記ラッチ信号出力手段に出力する。
【0023】
請求項12に記載の遊技機において、前記乱数値記憶手段は、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段(例えばAND回路203など)を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以下に示す効果を有する。
【0026】
請求項1に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出される乱数値に同期して更新される数値データに基づいて所定の演出を実行するか否かを決定する。そのため、長期間にわたって所定の演出が実行されないとき、または、長期間にわたって所定の演出が実行されたときには乱数発生手段に故障が発生したと推定することができ、乱数発生手段に故障が発生した場合に遊技者が著しい不利益を蒙ることを防止できる。ここで、所定の演出が実行される確率を識別情報の可変表示結果が特定表示結果となる確率よりも高く設定しておくことで、長期間にわたって特定表示結果とならないときに乱数発生手段に故障が発生したと推定する場合に比べて短い期間のうちに、故障の発生を推定することができる。
また、乱数値記憶手段から読み出される乱数値を監視するための特別な構成が不要となるので、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、周期が同一で位相が異なる第1のクロック信号と第2のクロック信号とを生成し、第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新し、第2のクロック信号が所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、ラッチ信号を出力する。このように、乱数発生手段は、数値データの更新タイミングと、数値データのラッチタイミングと、を確実に異ならせることができるため、遊技制御手段は、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
また、第1の出力端子から出力される信号は、入力端子に入力される第1の信号の変化状態をクロック端子から入力された基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号となっている。そして、第2の出力端子から出力される信号は、第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号となっている。
これにより、数値データ更新手段が数値データを更新するタイミングを定める第1のクロック信号と、ラッチ信号出力手段がラッチ信号を出力するタイミングを定める第2のクロック信号における立ち上がりエッヂや立ち下がりエッヂは、たとえ基準クロック信号の立ち上がりエッヂや立ち下がりエッヂが緩やかな場合であっても、急峻なものとすることができるので、数値データの更新タイミングやラッチ信号の出力タイミングを安定させて、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0027】
請求項2に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出される乱数値に同期して更新される数値データに基づいて所定の演出を実行するか否かを決定する。そのため、長期間にわたって所定の演出が実行されないとき、または、長期間にわたって所定の演出が実行されたときには乱数発生手段に故障が発生したと推定することができ、乱数発生手段に故障が発生した場合に遊技者が著しい不利益を蒙ることを防止できる。ここで、所定の演出が実行される確率を識別情報の可変表示結果が特定表示結果となる確率よりも高く設定しておくことで、長期間にわたって特定表示結果とならないときに乱数発生手段に故障が発生したと推定する場合に比べて短い期間のうちに、故障の発生を推定することができる。
また、乱数値記憶手段から読み出される乱数値を監視するための特別な構成が不要となるので、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、基準クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミングのうちの第1のタイミングにおいて、数値更新手段による数値データの更新を行い、複数のタイミングのうちで第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにおいて、始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力することができる。このため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0028】
請求項3に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出される乱数値に同期して更新される数値データに基づいて所定の演出を実行するか否かを決定する。そのため、長期間にわたって所定の演出が実行されないとき、または、長期間にわたって所定の演出が実行されたときには乱数発生手段に故障が発生したと推定することができ、乱数発生手段に故障が発生した場合に遊技者が著しい不利益を蒙ることを防止できる。ここで、所定の演出が実行される確率を識別情報の可変表示結果が特定表示結果となる確率よりも高く設定しておくことで、長期間にわたって特定表示結果とならないときに乱数発生手段に故障が発生したと推定する場合に比べて短い期間のうちに、故障の発生を推定することができる。
また、乱数値記憶手段から読み出される乱数値を監視するための特別な構成が不要となるので、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、基準クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミングとクロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミングとのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値更新手段による数値データの更新を行い、第1のタイミングと第2のタイミングとのうちの数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力する。これにより、数値更新手段による数値データの更新タイミングと、ラッチ信号の出力タイミングとを、確実に異ならせることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0029】
請求項4に記載の構成においては、演出連続回数計測手段により計測された回数が演出連続上限回数を超えたときには、演出連続報知制御手段によりその旨を報知する制御を行い、演出回避回数計測手段により計測された回数が演出回避上限回数を超えたときには、演出回避報知制御手段によりその旨を報知する制御を行う。この報知により、遊技者は、乱数発生手段に故障が発生したことを容易に認識することができ、不利益を蒙ることを防止できる。
【0030】
請求項5に記載の構成においては、所定の演出手段に特定の演出を実行させることにより演出連続上限回数を超えた旨が報知され、特定の演出とは演出態様が異なる演出を実行させることにより演出回避上限回数を超えた旨が報知される。この報知により、遊技者は、乱数発生手段に故障が発生したことを容易に認識することができ、不利益を蒙ることを防止できる。
【0031】
請求項6に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出された乱数値が乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致する旨の判定が乱数値一致判定手段によって連続してなされた回数を、連続回数カウント手段によりカウントする。そして、連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えていると連続回数判定手段により判定されたときには、故障検出手段によって基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する。これにより、乱数発生手段が備える基準クロック信号出力手段に故障が発生した場合に、遊技者が著しい不利益を受けることを防止できる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、周期が同一で位相が異なる第1のクロック信号と第2のクロック信号とを生成し、第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新し、第2のクロック信号が所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、ラッチ信号を出力する。このように、乱数発生手段は、数値データの更新タイミングと、数値データのラッチタイミングと、を確実に異ならせることができるため、遊技制御手段は、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
また、第1の出力端子から出力される信号は、入力端子に入力される第1の信号の変化状態をクロック端子から入力された基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号となっている。そして、第2の出力端子から出力される信号は、第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号となっている。
これにより、数値データ更新手段が数値データを更新するタイミングを定める第1のクロック信号と、ラッチ信号出力手段がラッチ信号を出力するタイミングを定める第2のクロック信号における立ち上がりエッヂや立ち下がりエッヂは、たとえ基準クロック信号の立ち上がりエッヂや立ち下がりエッヂが緩やかな場合であっても、急峻なものとすることができるので、数値データの更新タイミングやラッチ信号の出力タイミングを安定させて、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0032】
請求項7に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出された乱数値が乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致する旨の判定が乱数値一致判定手段によって連続してなされた回数を、連続回数カウント手段によりカウントする。そして、連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えていると連続回数判定手段により判定されたときには、故障検出手段によって基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する。これにより、乱数発生手段が備える基準クロック信号出力手段に故障が発生した場合に、遊技者が著しい不利益を受けることを防止できる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、基準クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミングのうちの第1のタイミングにおいて、数値更新手段による数値データの更新を行い、複数のタイミングのうちで第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにおいて、始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力することができる。このため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0033】
請求項8に記載の構成によれば、乱数値記憶手段から読み出された乱数値が乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致する旨の判定が乱数値一致判定手段によって連続してなされた回数を、連続回数カウント手段によりカウントする。そして、連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えていると連続回数判定手段により判定されたときには、故障検出手段によって基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する。これにより、乱数発生手段が備える基準クロック信号出力手段に故障が発生した場合に、遊技者が著しい不利益を受けることを防止できる。
さらに、乱数発生手段は、基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号を反転させることなく、基準クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミングとクロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミングとのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値更新手段による数値データの更新を行い、第1のタイミングと第2のタイミングとのうちの数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力する。これにより、数値更新手段による数値データの更新タイミングと、ラッチ信号の出力タイミングとを、確実に異ならせることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。加えて、この構成によれば、遊技制御手段は、実行条件が成立したときのみ、乱数値記憶手段から乱数値を読み出すため、無駄な処理を省略することができる。
さらに、表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、乱数値記憶手段を読出可能状態にすることができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
そして、乱数発生手段は、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から乱数値を読み出しているときに、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されることを防止して、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0034】
請求項9に記載の構成においては、故障検出手段により基準クロック信号出力手段に故障が発生したことが検出されたときには、故障発生報知制御手段により故障が発生した旨を報知する制御が行われる。この報知により、遊技者は、乱数発生手段に故障が発生したことを容易に認識することができ、不利益を蒙ることを防止できる。
【0035】
請求項10に記載の構成においては、始動信号出力手段から出力される始動信号をラッチ信号出力手段に直接入力するのではなく、その始動信号の入力時間をタイマ手段により計測し、その計測時間が予め設定された時間になったときに、始動信号をラッチ信号出力手段に入力する。このため、ラッチ信号出力手段がノイズの影響等により誤って乱数値記憶手段にラッチ信号を出力することを防止できる。
【0036】
請求項11に記載の構成においては、タイマ手段には、タイマ割込処理実行手段による所定回のタイマ割込処理の実行時間よりも短い時間が所定の時間として設定されるため、表示結果決定手段が乱数値記憶手段から読み出した乱数値が前回読み出した乱数値と同じ値になることを防止できる。
【0038】
請求項12に記載の構成においては、乱数値記憶手段に記憶されている乱数値が更新されているときに、表示結果決定手段により乱数値記憶手段から乱数値が読み出されることを防止して、乱数値の更新を確実且つ安定的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等からなる表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機等であればよい。
【0041】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域の中央位置上方には、各々が識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器4が設けられている。特別図柄表示器4の下方には、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示や所定の演出表示となる画像表示などを行うことができる画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5の下方には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、特別可変入賞球装置7や普通図柄表示器40が設けられている。
【0042】
特別図柄表示器4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示器4は、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞により始動条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」?「9」を示す数字等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。特別図柄表示器4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定図柄を停止表示(導出表示)する。
【0043】
画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5の表示画面では、例えば3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。具体的な一例として、画像表示装置5には、「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。そして、特別図柄表示器4における特別図柄の変動表示が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動表示を開始させ、その後、特別図柄表示器4における特別図柄の変動表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが導出表示される。
【0044】
例えば、「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、9種類の数字「1」?「9」を示す図柄が飾り図柄として変動可能に表示される。そして、「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、飾り図柄の変動表示が開始されると、図柄が示す番号の小さいものから大きいものへと切り替え表示やスクロール表示が行われ、飾り図柄「9」が表示されると、次に飾り図柄「1」が表示される。こうした画像表示装置5による飾り図柄の可変表示における表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示されて確定したときなど、特定の表示結果が導出表示されたときに、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態となる。「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、アルファベットを示す複数種類の図柄が飾り図柄として変動可能に表示されてもよいし、所定のモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を飾り図柄として可変表示してもよい。
【0045】
加えて、画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、始動入賞記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、通常青色であった表示を赤色表示に変化させる。この場合、飾り図柄の表示エリア(可変表示部)と特別図柄始動記憶表示エリアとを区分けして設けることで、飾り図柄の可変表示中も始動入賞球数が表示された状態とすることができる。なお、特別図柄始動記憶表示エリアを飾り図柄の表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。この場合には、飾り図柄の可変表示中には始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)が、画像表示装置5とは別個に設けられてもよい。
【0046】
この実施の形態では、図柄番号が偶数である飾り図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である飾り図柄を確変大当り図柄とする。すなわち、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始した後、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。また、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始した後、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が大当りとなる確率が向上する。また、確率向上状態では、普通可変入賞球装置6の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことである。
【0047】
普通図柄表示器40は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲートを遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0048】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド21(図2)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留記憶部121(図6)に記憶される。
【0049】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド22(図2)によって入賞領域を開成及び閉成制御する開閉板を備えて構成されている。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、閉成した状態にある。他方、特別図柄表示器4による特図ゲームでの変動表示結果や画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド22によって入賞領域を所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。特別可変入賞球装置7にて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、図示せぬ大入賞口スイッチによって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0050】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0051】
パチンコ遊技機1の背面には、主基板11や演出制御基板12の他にも、電源基板や払出制御基板、情報端子基板といった主用基板がそれぞれ適所に配設されている。
【0052】
図2は、主基板11及び演出制御基板12を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。なお、図2には、乱数発生回路17や始動入賞口スイッチ70なども示されている。
【0053】
始動入賞口スイッチ70は、始動入賞口である普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞等を検出したことに基づいて、始動入賞信号(ハイレベルの信号)SSを主基板11と乱数発生回路17とに出力する。
【0054】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、ソレノイド回路108等を搭載して構成されている。また、主基板11には、演出制御基板12への配線や、始動入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成及び閉成制御を行うためのソレノイド21、22への配線や、特別図柄表示器4及び普通図柄表示器40への配線も接続されている。
【0055】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103及びI/O(Input/Output)ポート104を含んでいる。この遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能や、演出制御基板12に対する指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、特別図柄表示器4の表示制御を行う機能、普通図柄表示器40の点灯/消灯制御を行う機能等を有するものである。
【0056】
主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば演出制御信号CD0?CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される演出制御コマンドである。図3は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0057】
図3に示す例において、コマンド80XX(h)は、特別図柄表示器4による特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XX(h)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示が開始されてから確定図柄が停止表示されるまでの時間である特別図柄の可変表示時間や、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるかハズレとなるか、可変表示中の飾り図柄をリーチとするか否か、などを示すEXTデータを含んでいる。
【0058】
ここで、リーチとは、導出表示した図柄(リーチ図柄)が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ可変表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の特別図柄が揃っている態様で可変表示が行われている表示態様)である。演出制御基板12の側では、例えば可変表示開始コマンドを受信したことに応答して画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始する。
【0059】
コマンド9000(h)は、特別図柄表示器4による特図ゲームにおける特別図柄の変動表示を終了するときに送信される可変表示終了コマンドである。コマンドA000(h)は、特別図柄表示器4による特図ゲーム及び画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて表示結果が大当りとなったことにより大当り遊技状態が開始されるときに送信される大当り開始コマンドである。コマンドA001(h)は、大当り遊技状態が終了するときに送信される大当り終了コマンドである。コマンドB000(h)は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の決定が所定回数(例えば10回)の可変表示にわたり連続して行われたときに、乱数発生回路17での故障が検出されたとして送信される故障検出コマンドである。コマンドB001(h)は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果をリーチとなることなくハズレとなる通常ハズレとする旨の決定が例えば所定回数(例えば50回)の可変表示にわたり連続して行われたときに、乱数発生回路17での故障が検出されたとして送信される故障検出コマンドである。
【0060】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。この判定テーブルには、特別図柄表示器4による特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルなどが含まれている。こうした大当り判定テーブルの一例として、この実施の形態では、図4(A)に示す通常時大当り判定テーブル111と、図4(B)に示す確変時大当り判定テーブル112とが、ROM101に記憶されている。
【0061】
通常時大当り判定テーブル111及び確変時大当り判定テーブル112はそれぞれ、特図ゲームの表示結果を大当りとするかハズレとするかを示す判定結果を、大当り判定用の乱数値R1と対応付ける設定データなどから構成されている。そして、確変時大当り判定テーブル112では、通常時大当り判定テーブル111に比べてより多くの乱数値R1が、「大当り」の判定結果に割り振られている。すなわち、確率向上状態では確変時大当り判定テーブル112を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常時大当り判定テーブル111を用いて特図ゲームの表示結果を決定する通常遊技状態のときよりも、大当り遊技状態となる確率が高められる。
【0062】
この実施の形態において、図4(A)に示す通常時大当り判定テーブル111では、乱数発生回路17にて大当り判定用の乱数値R1として発生する数値データ「0」?「65335」のうち「2001」?「2184」が「大当り」とする旨の判定結果と対応付けられている。一方、図4(B)に示す確変時大当り判定テーブル112では、乱数発生回路17にて大当り判定用の乱数値R1として発生する数値データ「0」?「65335」のうち「2001」?「3104」が「大当り」とする旨の判定結果と対応付けられている。
【0063】
その他の判定テーブルとしては、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどがある。図5は、この実施の形態において用いられるリーチ判定テーブル113の構成例を示している。リーチ判定テーブル113は、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを示す判定結果を、リーチ判定用の乱数値R2と対応付ける設定データなどから構成されている。図5に示すリーチ判定テーブル113では、リーチ判定用の乱数値R2としてリーチ判定用ランダムカウンタ122(図6)に記憶される数値データ「0」?「9」のうち「8」が「リーチ」とする旨の判定結果と対応付けられている。
【0064】
また、ROM101に記憶される決定テーブルには、特別図柄表示器4による特図ゲームや画像表示装置5による飾り図柄の可変表示にて使用される可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれている。可変表示パターン決定テーブルとしては、大当り時可変表示パターン決定テーブル、リーチ時可変表示パターン決定テーブル、通常ハズレ時可変表示パターン決定テーブルなどが、予め用意されていればよい。各可変表示パターン決定テーブルは、可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定用乱数の値に基づいて、特別図柄表示器4にて開始される特図ゲームや画像表示装置5において開始される飾り図柄の可変表示にて使用する可変表示パターンを決定するための決定用データから構成されていればよい。
【0065】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102には、特別図柄表示器4による特図ゲームの実行や画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を制御するために用いられる各種のデータを保持するために、図6に示すような可変表示用データ保持エリア120が設けられている。可変表示用データ保持エリア120は、特図保留記憶部121と、リーチ判定用ランダムカウンタ122と、始動入賞口スイッチタイマ123と、リーチ回数カウンタ124と、通常ハズレ回数カウンタ125とを備えている。
【0066】
特図保留記憶部121は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄表示器4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶する。特図保留記憶部121は、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞による始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数発生回路17から取得した大当り判定用の乱数値R1を、普通可変入賞球装置6への入賞順に従って、始動入賞記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。
【0067】
リーチ判定用ランダムカウンタ122は、CPU103が乱数発生回路17から取得する大当り判定用の乱数値R1に同期して更新されるリーチ判定用の乱数値R2を記憶する。始動入賞口スイッチタイマ123は、始動入賞口スイッチ70から入力される始動入賞信号SSがオン状態にあるか、あるいはオフ状態にあるかに応じて、加算又はクリアされるスイッチタイマ値を記憶する。
【0068】
リーチ回数カウンタ124は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の判定が連続してなされた回数をカウントする。通常ハズレ回数カウンタ125は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様をリーチとすることなくハズレの可変表示結果を導出表示する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする。
【0069】
また、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態や始動入賞口スイッチ70以外の各種のスイッチから伝送された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリアや、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値やタイマ値を示すデータを格納する遊技制御カウンタ/タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM102とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0070】
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば特別図柄プロセスフラグや、普通図柄プロセスフラグ、大当り状態フラグ、入力状態フラグ、故障検出フラグ、故障報知中フラグなどが設けられている。
【0071】
特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理(図20)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示器40の表示状態を所定の順序で制御するために、所定の普通図柄プロセス処理においてどの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0072】
大当り状態フラグは、特別図柄表示器4による特図ゲーム及び画像表示装置5における飾り図柄の可変表示での表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアさせる複数ビットからなるフラグである。故障検出フラグは、乱数発生回路17での故障が検出されたか否かを指示するフラグである。例えば、乱数発生回路17での故障が検出されていないときには、故障検出フラグの値が「0」に設定される。他方、リーチ回数カウンタ124におけるカウント値が所定のリーチ連続上限値(例えば「10」)を超えたときには、故障検出フラグの値が「1」に設定される。また、通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値が所定の通常ハズレ連続上限値(例えば「50」)を超えたときには、故障検出フラグの値が「2」に設定される。故障報知中フラグは、例えば画像表示装置5において表示される画像などにより、乱数発生回路17での故障が検出された旨の報知が行われているときにオン状態にセットされる。
【0073】
図2に示すスイッチ回路107は、始動入賞口スイッチ70からの始動入賞信号SSや、その他の入賞口スイッチからの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
【0074】
演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などの制御を行うものである。例えば、演出制御基板12は、主基板11から伝送される演出制御コマンドに基づいて画像表示装置5により画像の切換表示を実行させることなどにより、各種の演出表示を実行する制御を行う。また、演出制御基板12には、音声出力回路13やランプドライバ回路14への制御信号を伝送する配線などが接続されている。
【0075】
演出制御基板12には、演出制御用CPU105が搭載されている。演出制御用CPU105は、主基板11からの演出制御コマンドを受信すると、画像表示装置5の表示制御を行ったり、音声出力回路13に音声データを出力させるなどして音声出力制御を行ったり、ランプドライバ回路14にランプデータを出力させるなどしてランプ点灯制御を行ったりする。
【0076】
乱数発生回路17は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数を発生する。図7は、乱数発生回路17の一構成例を示すブロック図である。図7に示す構成例では、乱数発生回路17が、基準クロック信号出力回路171と、タイマ回路172と、ラッチ信号出力回路173と、カウンタ174と、クロック信号生成回路175と、乱数値記憶回路179とから構成されている。
【0077】
基準クロック信号出力回路171は、所定の周波数(例えば20MHz)の基準クロック信号S1を生成するものである。基準クロック信号出力回路171は、この生成した基準クロック信号S1を、タイマ回路172とクロック信号生成回路175とに出力する。
【0078】
タイマ回路172は、始動入賞口スイッチ70から始動入賞信号SSが入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路173に出力する。この実施の形態において、タイマ回路172は、例えばアップカウンタ又はダウンカウンタによって構成され、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して、起動する。タイマ回路172は、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号出力回路171から基準クロック信号S1が入力される毎に、所定のタイマ値をアップカウント又はダウンカウントして行く。そして、アップカウント又はダウンカウントしたタイマ値が、3msに対応する値となったとき、タイマ回路172は、入力された信号を始動入賞信号SSであると判定して、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路173に出力する。
【0079】
ラッチ信号出力回路173は、D型フリップフロップ回路などによって構成されている。ラッチ信号出力回路173の入力端子Dは、タイマ回路172の出力端子に接続され、クロック端子CKは、クロック信号生成回路175の逆相出力端子Q(バー)に接続されている。また、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qは、乱数値記憶回路179に接続されている。ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される始動入賞信号SSを、クロック端子CKから入力されるラッチ用クロック信号S3の立ち上がりエッジに同期させて、ラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
【0080】
カウンタ174は、クロック信号生成回路175の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S2の立ち上がりエッジに応答して、出力するカウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで循環的に更新する。この実施の形態において、カウンタ174は、16ビットのバイナリカウンタであり、カウント用クロック信号S2の立ち上がりエッジが入力される毎に、カウント値Cを「0」から「65535」まで1ずつカウントアップして行く。そして、カウント値Cを「65535」までカウントアップすると、「0」に戻して、再び「65535」までカウントアップして行く。即ち、カウント値Cは、カウンタ174にカウント用クロック信号S2の立ち上がりエッジが入力される毎に、「0」→「1」→…→「65535」→「0」→…と循環的に更新される。
【0081】
クロック信号生成回路175は、D型フリップフロップ回路などによって構成されている。クロック信号生成回路175のクロック端子CKは、基準クロック信号出力回路171の出力端子に接続され、正相出力端子Qは、カウンタ174に接続されている。また、クロック信号生成回路175の逆相出力端子(反転出力端子)Q(バー)は、その入力端子Dとラッチ信号出力回路173のクロック端子CKとに接続されている。
【0082】
クロック信号生成回路175は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされる信号を、基準クロック信号出力回路171からクロック端子CKへと入力される基準クロック信号S1が立ち上がるタイミングに同期させて、正相出力端子Qから出力すると共に、この正相出力端子Qから出力される信号の逆相信号(反転信号)を逆相出力端子Q(バー)から出力する。このようにして、クロック信号生成回路175は、周期が同一で位相が異なる2つのクロック信号(カウント用クロック信号S2及びラッチ用クロック信号S3)を生成して、カウント用クロック信号S2を正相出力端子Qから、ラッチ用クロック信号S3を逆相出力端子Q(バー)から出力することができる。
【0083】
具体的には、正相出力端子Qからは、周波数10MHzのカウント用クロック信号S2が出力され、逆相出力端子Q(バー)からは、このカウント用クロック信号S2の逆相信号、即ち、カウント用クロック信号S2と同じく周波数が10MHzで、カウント用クロック信号S2とは位相がπ(=180°)だけ異なるラッチ用クロック信号S3が出力される。
【0084】
乱数値記憶回路179は、16ビットレジスタであり、後述するステップS25の始動入賞処理において読み出される乱数値R1を記憶する。乱数値記憶回路179は、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qから入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、カウンタ174から入力されるカウント値Cを、乱数値R1としてラッチして記憶することにより、乱数発生回路17に始動入賞信号SSが入力される毎に、記憶する乱数値R1を順次更新する。
【0085】
図8は、乱数値記憶回路179の構成例を示す回路図である。乱数値記憶回路179は、2個のAND回路201,203と、2個のNOT回路202,204と、16個のフリップフロップ回路210?225と、16個のOR回路230?245と、から構成されている。
【0086】
AND回路201の入力端子は、ラッチ信号出力回路173の出力端子QとNOT回路204の出力端子とに接続され、出力端子は、NOT回路202の入力端子とフリップフロップ回路210?225のクロック端子CK0?CK15とに接続されている。NOT回路202の入力端子は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路203の一方の入力端子に接続されている。
【0087】
AND回路203の入力端子は、NOT回路202の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104とに接続され、出力端子は、NOT回路204の入力端子に接続されている。NOT回路204の入力端子は、AND回路203の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路201の一方の入力端子とOR回路230?245の各々の一方の入力端子とに接続されている。
【0088】
フリップフロップ回路210?225の入力端子D0?D15は、カウンタ174の出力端子に接続されている。フリップフロップ回路210?225のクロック端子CK0?CK15は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子Q0?Q15は、OR回路230?245の各々の他方の入力端子に接続されている。
【0089】
OR回路230?245の入力端子は、NOT回路204の出力端子とフリップフロップ回路210?225の出力端子の各々とに接続され、出力端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104に接続されている。図9は、OR回路230?245の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104との接続の詳細を説明するための図である。この実施の形態において、OR回路230?245の出力端子と、I/Oポート104に含まれる大当り判定用乱数の入力ポートの各ビットは、図9に示すように、入れ替えて接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される乱数のランダム性を高めることができる。
【0090】
上記構成を備える乱数値記憶回路179の動作を図10に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0091】
遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SC(ハイレベルの信号)が入力されていない場合に(AND回路203の一方の入力がローレベルの場合に)、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qから入力されるラッチ信号SLがローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミング(図10に示す例では、タイミングT1,T2,T7)に、AND回路201の入力は、共にハイレベルとなり、その出力端子から出力される信号SRは、ハイレベルとなる。そして、AND回路201から出力された信号SRは、フリップフロップ回路210?225のクロック端子CK0?CK15に入力される。
【0092】
フリップフロップ回路210?225は、クロック端子CK0?CK15から入力される信号SRの立ち上がりエッヂに応答して、カウンタ174から入力端子D0?D15を介して入力されるカウント値CのビットデータC0?C15を乱数値のビットデータR0?R15としてラッチして格納し、格納した乱数値R1のビットデータRA0?RA15を出力端子Q0?Q15から出力する。
【0093】
出力制御信号SCが入力されていない場合(図10に示す例では、タイミングT3までの期間、タイミングT6以降の期間)、AND回路203の一方の入力がローレベルとなるため、その出力端子から出力される信号SGは、ローレベルとなる。信号SGは、NOT回路204において反転され、OR回路230?245の一方の入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。
【0094】
このようにOR回路230?245の一方の入力がハイレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、即ち、入力される乱数値R1のビットデータRA0?RA15の値が「0」であるか「1」であるかに関わらず、OR回路230?245から出力される信号SO0?SO15は、全てハイレベル(「1」)となる。これにより、乱数値記憶回路179から出力される値は、常に「635535(=1111h)」となるため、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出すことはできなくなる。即ち、出力制御信号SCが入力されていない場合、乱数値記憶回路179は、読出不能(ディセイブル)状態となる。
【0095】
そして、ラッチ信号出力回路173から入力されるラッチ信号SLがローレベルのときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されると(図10に示す例では、タイミングT4からタイミングT6までの期間)、AND回路203の入力が共にハイレベルとなるため、その出力端子から出力される信号SGは、ハイレベルとなる。信号SGは、NOT回路204において反転され、OR回路230?245の一方の入力端子には、ローレベルの信号が入力される。
【0096】
このようにOR回路230?245の一方の入力がローレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルのときは、その出力端子からハイレベルの信号が出力され、ローレベルのときは、ローレベルの信号が出力される。即ち、OR回路230?245の他方の入力端子に入力される乱数値R1のビットデータRA0?RA15の値は、OR回路230?245の出力端子からそのまま(ビットデータRA0?RA15の値が「1」のときは「1」が、「0」のときは「0」が、)出力される。これにより、乱数値記憶回路179からの乱数値R1の読出が可能となる。即ち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路179は、読出可能(イネイブル)状態となる。
【0097】
但し、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力される前に、ラッチ信号出力回路173からラッチ信号SLが入力されている場合、AND回路203の一方の入力がローレベルとなるため、その後、ラッチ信号SLが入力されている状態のままの状態で、出力制御信号SCが入力されても(図10に示す例では、タイミングT3からタイミングT4の期間)、その出力端子から出力される信号SGは、ローレベルのままとなる。そして、信号SGは、NOT回路204において反転され、OR回路230?245の一方の入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。
【0098】
このようにOR回路230?245の一方の入力がハイレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路230?245から出力される信号SO0?SO15は、全てハイレベルとなり、出力制御信号SCが入力されているにも関わらず、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出すことができない状態のままとなる。即ち、ラッチ信号SLが入力されているとき、乱数値記憶回路179は、出力制御信号SCに対して受信不能状態となる。
【0099】
また、ラッチ信号出力回路173から入力されるラッチ信号SLがハイレベルになる前に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されている場合、AND回路201の一方の入力がローレベルとなるため、その後、出力制御信号SCが入力されているままの状態で、入力されるラッチ信号SLがハイレベルになっても(図10に示す例では、タイミングT5)、その出力端子から出力される信号SRは、ローレベルのままとなる。このため、フリップフロップ回路210?225のクロック端子CK0?CK15に入力される信号SRは、ローレベルからハイレベルに立ち上がらず、フリップフロップ回路210?225に格納されている乱数値R1のビットデータRA0?RA15は、ラッチ信号出力回路173から入力されるラッチ信号SLが立ち上がっても、更新されない。即ち、出力制御信号SCが入力されているとき、乱数値記憶回路179は、ラッチ信号SLに対して受信不能状態となる。
【0100】
図11は、図7に示す乱数発生回路17の構成例における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0101】
図11(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT10、T11、T12、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる周波数20MHzの基準クロック信号S1を生成して、タイマ回路172と、クロック信号生成回路175のクロック端子CKとに出力する。
【0102】
クロック信号生成回路175は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S3を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、ラッチして正相出力端子Qから出力する。これにより、正相出力端子Qからは、図11(B)に示すように、タイミングT10、T12、…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのカウント用クロック信号S2が出力される。
【0103】
また、クロック信号生成回路175は、正相出力端子Qから出力するカウント用クロック信号S2を反転して逆相出力端子Q(バー)から出力する。これにより、逆相出力端子Q(バー)からは、図11(D)に示すように、タイミングT11、T13、…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのラッチ用クロック信号S3が出力される。
【0104】
そして、カウンタ174は、図11(C)に示すように、クロック信号生成回路175の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S2の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値Cを更新して出力する。一方、ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される図11(E)に示す始動入賞信号SSを、クロック信号生成回路175の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S3の立ち上がりエッヂに同期させて、図11(F)に示すラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
【0105】
乱数値記憶回路179は、カウンタ174から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値R1としてラッチして記憶することにより、図11(G)に示すように、記憶する乱数値R1を更新する。このようにして、図7に示す構成を有する乱数発生回路17は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
【0106】
図12は、乱数発生回路17における別の構成例を示すブロック図である。なお、図12に示す乱数発生回路17において図7に示す構成と同一の構成には、同一の符号が付されている。図12に示す構成例では、乱数発生回路17が、基準クロック信号出力回路171と、タイマ回路172と、ラッチ信号出力回路173と、カウンタ174と、分周回路176と、セレクタ177と、乱数値記憶回路179とから構成されている。
【0107】
図12に示す構成例では、基準クロック信号出力回路171により生成した基準クロック信号S1が、タイマ回路172、分周回路176及びセレクタ177に出力される。分周回路176は、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を2分周して、分周クロック信号S4を生成する。分周回路176は、生成した分周クロック信号S4をセレクタ177に出力する。
【0108】
セレクタ177は、例えば差動ペアを形成する2つのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等から構成されている。セレクタ177は、分周回路176から入力される分周クロック信号S4のレベルに応じて、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を、第1及び第2の出力端子O1、O2のうちのいずれか一方から出力する。この実施の形態において、分周回路176から入力される分周クロック信号S4がハイレベルのとき、セレクタ177は、第1の出力端子O1をオンすると共に第2の出力端子O2をオフし、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を第1の出力端子O1から出力する。一方、分周回路176から入力される分周クロック信号S4がローレベルのとき、セレクタ177は、第1の出力端子O1をオフすると共に第2の出力端子O2をオンし、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を第2の出力端子O2から出力する。
【0109】
図12に示す構成例では、ラッチ信号出力回路173の入力端子Dがタイマ回路172の出力端子に、クロック端子Clkがセレクタ177の第2の出力端子O2に、それぞれ接続されている。ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される始動入賞信号SSを、クロック端子Clkから入力される第2の出力クロック信号S6の立ち上がりエッヂに同期させ、ラッチ信号(ハイレベルの信号)SLとして出力端子Qから出力する。
【0110】
また、図12に示す構成例では、カウンタ174が、セレクタ177の第1の出力端子O1から出力される第1の出力クロック信号S5の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで循環的に更新する。
【0111】
図13は、図12に示す乱数発生回路17の構成例における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0112】
図13(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT20、T30、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる基準クロック信号S1を生成して、タイマ回路172、分周回路176及びセレクタ177に出力する。
【0113】
分周回路176は、基準クロック信号出力回路171から入力された基準クロック信号S1を2分周して、T20からT30までの期間、T21からT31までの期間、…においてハイレベルとなり、T30からT21までの期間、T31からT22までの期間、…においてローレベルとなる、図13(B)に示す分周クロック信号S4を生成して、セレクタ177に出力する。
【0114】
セレクタ177は、分周回路176から入力される分周クロック信号S4がハイレベルのとき、即ち、T20からT30までの期間、T21からT31までの期間、…において、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を第1の出力端子O1から出力する。これにより、セレクタ177の第1の出力端子O1からは、タイミングT20、T21、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる、図13(C)に示す第1の出力クロック信号S5が出力され、この第1の出力クロック信号S5は、カウンタ174に供給される。そして、カウンタ174は、図13(D)に示すように、セレクタ177から供給される第1の出力クロック信号S5の立ち上がりエッヂが入力される毎に、カウント値Cを更新して乱数値記憶回路179に出力する。
【0115】
一方、セレクタ177は、分周回路176から入力される分周クロック信号S4がローレベルのとき、即ち、T30からT21までの期間、T31からT22までの期間、…において、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を第2の出力端子O2から出力する。これにより、セレクタ177の第2の出力端子O2からは、タイミングT30、T31、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる、図13(E)に示す第2の出力クロック信号S6が出力され、この第2の出力クロック信号S6は、ラッチ信号出力回路173に供給される。ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される図13(F)に示す始動入賞信号SSを、セレクタ177から供給される第2の出力クロック信号S6の立ち上がりエッヂに同期させ、図13(G)に示すラッチ信号SLを出力する。
【0116】
乱数値記憶回路179は、カウンタ174から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値R1としてラッチして記憶することにより、図13(H)に示すように、記憶する乱数値R1を更新する。このようにして、図12に示す構成を有する乱数発生回路17は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
【0117】
図14は、乱数発生回路17における更に別の構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す乱数発生回路17において図7及び図12に示す構成と同一の構成には、同一の符号が付されている。図14に示す構成例では、乱数発生回路17が、基準クロック信号出力回路171と、タイマ回路172と、ラッチ信号出力回路173と、カウンタ174と、遅延回路178と、乱数値記憶回路179とから構成されている。
【0118】
図14に示す構成例では、基準クロック信号出力回路171により生成した基準クロック信号S1が、タイマ回路172、カウンタ174及び遅延回路178に出力される。遅延回路178は、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を、この基準クロック信号S1の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて、遅延クロック信号S7を生成する。遅延回路178は、生成した遅延クロック信号S7をラッチ信号出力回路173に出力する。
【0119】
図14に示す構成例では、ラッチ信号出力回路173の入力端子Dがタイマ回路172の出力端子に、クロック端子Clkが遅延回路178の出力端子に、それぞれ接続されている。ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される始動入賞信号SSを、クロック端子Clkから入力される遅延クロック信号S7の立ち上がりエッヂに同期させ、ラッチ信号(ハイレベルの信号)SLとして出力端子Qから出力する。
【0120】
また、図14に示す構成例では、カウンタ174が基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで循環的に更新する。
【0121】
図15は、図14に示す乱数発生回路17の構成例における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0122】
図15(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT40、T41、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる基準クロック信号S1を生成して、タイマ回路172、カウンタ174及び遅延回路178に出力する。
【0123】
カウンタ174は、図15(C)に示すように、基準クロック信号出力回路171から供給される基準クロック信号S1の立ち上がりエッヂが入力される毎に、カウント値Cを更新して乱数値記憶回路179に出力する。一方、遅延回路178は、入力された基準クロック信号S1をΔT(≠nT:nは整数)だけ遅延させて、タイミングT50、T51、…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる周期Tの、図15(B)に示す遅延クロック信号S7を生成して、ラッチ信号出力回路173のクロック端子Clkに出力する。
【0124】
そして、ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力される図15(D)に示す始動入賞信号SSを、クロック端子Clkから入力される遅延クロック信号S7の立ち上がりエッヂに同期させ、図15(E)に示すラッチ信号SLを出力する。
【0125】
乱数値記憶回路179は、カウンタ174から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値R1としてラッチして記憶することにより、図15(F)に示すように、記憶する乱数値R1を更新する。このようにして、図14に示す構成を有する乱数発生回路17は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
【0126】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図16は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が、まず、図16のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒ごと)ごとにCTCから割込要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込を許可した後(ステップS13)、ループ処理に入る。
【0127】
図16に示す遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図17のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。
【0128】
遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS21)。スイッチ処理では、スイッチ回路107を介して始動入賞口スイッチ70から入力される始動入賞信号SSなどの各種の検出信号がオン状態となっているか否かを判別する。始動入賞信号SSがオン状態である場合には、始動入賞口スイッチタイマ123におけるタイマ値を「1」加算する。一方、始動入賞信号SSがオフ状態である場合には、始動入賞口スイッチタイマ123におけるタイマ値をクリアする。
【0129】
続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の判定用乱数を更新する判定用乱数更新処理(ステップS23)と、リーチ判定用乱数(乱数値R2)を除く所定の表示用乱数を更新する表示用乱数更新処理(ステップS24)と、を順次実行する。
【0130】
次に、CPU103は、始動入賞処理を実行する(ステップS25)。始動入賞処理では、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞が検出されたときに、大当り判定用乱数となる乱数値R1を示す数値データを乱数発生回路17から取得して特図保留記憶部121に記憶させる処理などを実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器40を所定の順序で制御するために、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
【0131】
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた演出動作等の動作制御を指示する(ステップS28)。例えば、CPU103が所定のコマンド送信テーブルに設定された制御データに基づいてI/Oポート104からの信号出力動作を制御することなどにより、演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して、遊技の進行を制御する制御信号を送信させる。このコマンド制御処理により主基板11から送出された演出制御コマンドを演出制御基板12の演出制御用CPU105が受け取り、その表示制御コマンドに従って画像表示装置5の表示制御などが行われる。
【0132】
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS29)。この情報出力処理では、主基板11から所定の情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0133】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS30)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、始動入賞口スイッチ70から入力された始動入賞信号SSに基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS31)。
【0134】
図18は、始動入賞処理として、図17に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、始動入賞口スイッチタイマ123におけるタイマ値をチェックすることにより、判別する(ステップS201)。ステップS201において、CPU103は、始動入賞口スイッチタイマ123におけるタイマ値をロードし、ロードしたタイマ値を所定のスイッチオン判定値(例えば「2」)と比較する。ここで、スイッチオン判定値は、タイマ割込処理の実行回数(例えば「2」)に対応して予め定められている。これにより、CPU103は、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、始動入賞口スイッチ70から始動入賞信号SSが継続して入力されたが否かを判別することができる。
【0135】
そして、この比較結果に基づいて、CPU103は、タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上であるか否かを判別する。タイマ値がスイッチオン判定値「2」未満である場合には、そのまま始動入賞処理が終了する一方で、タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上である場合には、遊技球が入賞しているものと判断して(ステップS201;Yes)、始動入賞口スイッチタイマ123におけるタイマ値をクリアする(ステップS202)。このときには、特図保留記憶部121における始動入賞記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS203)。ここで、特図保留記憶部121において保留番号の最大値に対応付けて乱数値R1が記憶されている場合には、始動入賞記憶数が上限値に達していると判断される。
【0136】
始動入賞記憶数が上限値に達しているときには(ステップS203;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が上限値未満であるときには(ステップS203;No)、乱数発生回路17が備える乱数値記憶回路179に出力制御信号SCを送出して、乱数値記憶回路179を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS204)。
【0137】
続いて、CPU103は、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出して取得し(ステップS205)、この取得した乱数値R1を、例えばRAM102に設けられた所定のバッファ領域に格納した後(ステップS206)、乱数値記憶回路179への出力制御信号SCの送出を停止して、乱数値記憶回路179を読出不能(ディセイブル)状態に制御する(ステップS207)。そして、CPU103は、始動入賞記憶数を「1」加算し(ステップS208)、所定のバッファ領域に格納した乱数値R1を特図保留記憶部121の空エントリの先頭にセットして記憶させる(ステップS209)。
【0138】
ステップS209の処理を実行した後には、ステップS205にて取得した乱数値R1に対応するリーチ判定用の乱数値を、乱数値R2としてリーチ判定用ランダムカウンタ122にセットする(ステップS210)。例えば図19に示すように、CPU103は、ステップS205にて取得した乱数値R1に応じて、リーチ判定用の乱数値R2を「0」?「9」のいずれかに設定して、リーチ判定用ランダムカウンタ122にセットする。これにより、リーチ判定用ランダムカウンタ122では、乱数値記憶回路179から読み出される乱数値R1に同期して、リーチ判定用の乱数値R2が更新されることになる。
【0139】
図20は、特別図柄プロセス処理として、図17のステップS26にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄プロセス処理では、RAM102等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110?S118の各処理を実行する。
【0140】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、特図保留記憶部121における始動入賞記憶数が「0」であるか否かを判別する。ここで、特図保留記憶部121において、保留番号「1」に対応した乱数値R1等の各種データが記憶されていない場合には、始動入賞記憶数が「0」であると判別される。始動入賞記憶数が「0」であれば、演出制御基板12を介して画像表示装置5によりデモンストレーション画面を表示させるなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、始動入賞記憶数が「0」ではないと判別すると、特別図柄プロセスフラグの値を大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
【0141】
ステップS111の大当り判定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図21に示すように、まず、特図保留記憶部121から保留番号「1」に対応して格納されている乱数値R1を読み出す(ステップS221)。この際、始動入賞記憶数を「1」減算し、且つ、特図保留記憶部121における下位の4エントリ(保留番号「2」?「4」に対応した第2?第4エントリ)に格納された乱数値R1を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS222)。
【0142】
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS223)、確変中であれば(ステップS223;Yes)、特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図4(B)に示すような確変時大当り判定テーブル112を設定する(ステップS224)。これに対して、確変中ではなければ(ステップS223;No)、通常遊技状態であると判断し、図4(A)に示すような通常時大当り判定テーブル111を設定する(ステップS225)。
【0143】
CPU103は、ステップS221にて読み出した乱数値R1に基づき、ステップS224又はS225にて設定した大当り判定テーブル111又は112を用いて特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS226)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS226;Yes)、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた大当り状態フラグをオン状態にセットし(ステップS227)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS226;No)、大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS228)。この後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS229)。
【0144】
図20に示すステップS112の特別図柄停止図柄決定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する。そして、この判別結果に従って、特別図柄表示器4による特図ゲームにおける最終的な確定図柄が設定される。その後、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新する。
【0145】
ステップS113の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図22に示すように、まず、大当り状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS241)。そして、大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS241;Yes)、可変表示パターンを決定するために用いるテーブルとして、大当り時可変表示パターン決定テーブルを設定する(ステップS242)。このときには、リーチ回数カウンタ124及び通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値をクリアして「0」に設定する(ステップS243)。
【0146】
また、ステップS241にて大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS241;No)、リーチ判定用ランダムカウンタ122に記憶されているリーチ判定用の乱数値R2を取得する(ステップS244)。そして、図5に示すリーチ判定テーブル113を参照して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定する(ステップS245)。
【0147】
ステップS245にてリーチとする旨の判定がなされたときには(ステップS245;Yes)、可変表示パターンを決定するために用いるテーブルとして、リーチ時可変表示パターン決定テーブルを設定する(ステップS246)。このときには、通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値をクリアして「0」に設定するとともに(ステップS247)、リーチ回数カウンタ124におけるカウント値を「1」加算する(ステップS248)。
【0148】
ステップS245にてリーチとしない旨の判定がなされたときには(ステップS245;No)、可変表示パターンを決定するために用いるテーブルとして、通常ハズレ時可変表示パターン決定テーブルを設定する(ステップS249)。このときには、リーチ回数カウンタ124におけるカウント値をクリアして「0」に設定するとともに(ステップS250)、通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値を「1」加算する(ステップS251)。
【0149】
ステップS243、S248及びS251のいずれかの処理を実行した後には、例えば所定のランダムカウンタから取得した可変表示パターン決定用乱数の値に基づき、ステップS242、S246及びS249のいずれかにて設定した可変表示パターン決定テーブルを参照するなどして、開始条件が成立した特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示にて使用する可変表示パターンを決定する(ステップS252)。
【0150】
続いて、CPU103は、リーチ回数カウンタ124におけるカウント値が所定のリーチ連続上限値(例えば「10」)を超えているか否かを判定する(ステップS253)。そして、リーチ回数カウンタ124におけるカウント値がリーチ連続上限値を超えているときには(ステップS253;Yes)、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断して、故障検出フラグの値を「1」に更新する(ステップS254)。
【0151】
ステップS253にてリーチ回数カウンタ124におけるカウント値がリーチ連続上限値以下であると判定したときには(ステップS253;No)、通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値が所定の通常ハズレ連続上限値(例えば「50」)を超えているか否かを判定する(ステップS255)。そして、通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値が通常ハズレ連続上限値を超えているときには(ステップS255;Yes)、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断して、故障検出フラグの値を「2」に更新する(ステップS256)。
【0152】
ステップS255にて通常ハズレ回数カウンタ125におけるカウント値が通常ハズレ連続上限値以下であると判定したときや(ステップS255;No)、ステップS254及びS256のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始制御処理に対応した値である「4」に更新する(ステップS257)。
【0153】
ステップS114の可変表示開始制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。図23は、可変表示開始制御処理として実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す処理において、CPU103は、まず、故障検出フラグの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS261)。そして、故障検出フラグの値が「0」であるときには(ステップS261;Yes)、例えば上述したステップS113の可変表示パターン設定処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS262)。
【0154】
続いて、CPU103は、例えば可変表示パターンに対応する特別図柄の可変表示時間を遊技制御カウンタ/タイマ設定エリアに設けられた所定の可変表示時間タイマに設定してカウントダウンを開始させるとともに、特別図柄表示器4における各セグメントの点灯/消灯動作を開始させるなど、特別図柄表示器4による特別図柄の可変表示を開始するための設定を行う(ステップS263)。この後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示中処理に対応した値である「5」に更新する(ステップS264)。
【0155】
また、ステップS261にて故障検出フラグの値が「0」以外である旨の判定がなされたときには(ステップS261;No)、故障報知中フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS265)、オフである場合には(ステップS265;No)、例えば故障検出フラグの値に対応した制御データをコマンド送信テーブルに設定するなどして、故障検出コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS266)。このときには、故障報知中フラグをオン状態にセットする(ステップS267)。
【0156】
こうして故障報知中フラグがオン状態にセットされた後に、更に図23に示す可変表示開始制御処理が実行されたときには、ステップS265にて故障報知中フラグがオンであると判定され(ステップS265;Yes)、パチンコ遊技機1に備えられた所定のリセットスイッチがオン操作(例えば押下操作)されたか否かを判定する(ステップS268)。そして、リセットスイッチがオン操作されていない場合には(ステップS268;No)、そのまま可変表示開始制御処理が終了する。これにより、故障検出コマンドが演出制御基板12に送出されて故障が検出された旨の報知が開始された後には、リセットスイッチがオン操作されるまで、特別図柄表示器4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の実行が停止され、パチンコ遊技機1における遊技の進行が停止される。なお、このようにパチンコ遊技機1における遊技の進行が停止された場合でも、例えば始動入賞口スイッチ70などにより普通可変入賞球装置6などの入賞口に遊技球が入賞したことが検出されたときには、払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力して賞球の払出を行わせて、パチンコ遊技機1での遊技の進行が停止したことによる不利益を遊技者に与えないようにしてもよい。
【0157】
ステップS268にてリセットスイッチがオン操作された旨の判定がなされたときには(ステップS268;Yes)、故障報知中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS269)、故障検出フラグの値を「0」に更新する(ステップS270)。
【0158】
また、ステップS114の可変表示開始制御処理としては、図24に示すような処理が実行されてもよい。図24に示す処理では、ステップS261にて故障検出フラグの値が「0」以外である旨の判定がなされたときに(ステップS261)、故障検出コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定するとともに(ステップS271)、故障検出フラグをクリアしてその値を「0」に設定した後(ステップS272)、ステップS262の処理に進み、特別図柄表示器4による特別図柄の可変表示や画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う。
【0159】
図24に示す可変表示開始制御処理では、乱数発生回路17での故障が検出されたときにも、特別図柄表示器4による特図ゲームや画像表示装置5による飾り図柄の可変表示は実行可能であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行は停止されない。この場合には、演出制御基板12の側にて主基板11からの故障検出コマンドを受信したことに応答して、後述するように通常時(通常遊技状態や確率向上状態、大当り遊技状態を含めて乱数発生回路17での故障が検出されていないパチンコ遊技機1における遊技状態時)とは異なる特定の演出を実行することにより、乱数発生回路17での故障が検出された旨を特定可能に報知することで、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
【0160】
ステップS115の特別図柄可変表示中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理には、可変表示時間タイマがタイムアウトするまで繰り返し実行され、タイムアウトしたときには、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示終了コマンドを送出するための設定を行う。具体的には、可変表示終了コマンド対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示終了コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する。また、パチンコ遊技機1が確率向上状態となっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、パチンコ遊技機1における遊技状態を確率向上状態から通常遊技状態に移行させる。そして、可変表示の表示結果が大当りになるときは、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「6」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0161】
ステップS116の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
【0162】
ステップS117の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0163】
ステップS118の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、演出制御基板12に対して所定の大当り終了コマンドを送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる。また、CPU103は、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0164】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、演出制御用CPU105が、所定のタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判定することにより、例えば33ミリ秒毎のタイマ割込発生を検出するなどして、演出制御基板12に搭載された所定のROM等に演出制御用として予め格納された各種のタイマ割込処理プログラムを実行する。また、演出制御用CPU105では、33ミリ秒毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU105は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0165】
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより演出制御用CPU105にて割込みが発生することで、例えば所定のコマンド受信割込処理が実行され、主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから読み込んだ演出制御コマンドを、受信コマンドバッファに格納する。例えば、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して受信コマンドバッファに格納した後、割込許可に設定する。
【0166】
図25は、演出制御用CPU105がタイマ割込発生を検出するごとに実行される表示制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す表示制御プロセス処理を開始すると、まず、主基板11からの故障検出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS141)。そして、故障検出コマンドを受信したと判別したときには(ステップS141;Yes)、受信した故障検出コマンドに応じて乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知するための設定を行う(ステップS142)。
【0167】
例えば、主基板11からの故障検出コマンドが、リーチとする旨の決定を連続して行った回数がリーチ連続上限値を超えたときに送信されるコマンドB000(h)であるときには、演出制御用CPU105が画像表示装置5における表示動作を制御することにより、図26(A)に示すような文字情報を表示させるなどして、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する特定の演出を実行させる。他方、主基板11からの故障検出コマンドが、通常ハズレとする旨の決定を連続して行った回数が通常ハズレ連続上限値を超えたときに送信されるコマンドB001(h)であるときには、演出制御用CPU105が画像表示装置5における表示動作を制御することにより、図26(B)に示すような文字情報を表示させるなどして、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する特定の演出を実行させる。
【0168】
また、ステップS114の可変表示開始制御処理として図24に示すような処理が実行されるときには、乱数発生回路17での故障が検出されたときでも、画像表示装置5による飾り図柄の可変表示が実行されることがある。この場合、演出制御用CPU105は、主基板11からの故障検出コマンドを受信したときに、画像表示装置5の表示により通常時(通常遊技状態や確率向上状態、大当り遊技状態を含めて乱数発生回路17での故障が検出されていないパチンコ遊技機1における遊技状態時)とは異なる特定の演出を実行することにより、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する。具体的な一例として、画像表示装置5に表示される画像の背景色が通常遊技状態では白色であり、確率向上状態では橙色である場合に、主基板11からの故障検出コマンドを受信したときには、背景色を緑色に変更させるなど、通常時とは異なる画像表示を行わせるようにすればよい。あるいは、故障検出コマンドを受信したときに飾り図柄の可変表示を開始する場合には、飾り図柄を通常時よりも縮小して表示させ、その縮小表示により生じた表示領域に、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する文字情報などを表示させるようにしてもよい。
【0169】
ステップS141にて故障検出コマンドを受信していないと判別したときや(ステップS141;No)、ステップS142の処理を実行した後には、所定の表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図25に示すステップS150?S155の6個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS150?S155の各処理について説明する。
【0170】
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示開始処理に対応した値である「1」に更新する。
【0171】
ステップS151の飾り図柄可変表示開始処理は、表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、画像表示装置5において飾り図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。例えば、演出制御用CPU105は、上述したステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理で受信した可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンなどに基づいて、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて最終的な表示結果として導出表示する飾り図柄の確定図柄を設定する。そして、画像表示装置5の表示制御を行って、飾り図柄の可変表示を開始させた後、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である「2」に更新する。
【0172】
ステップS152の飾り図柄可変表示中処理は、表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、飾り図柄の可変表示中における画像表示装置5の表示制御を行う。例えば、演出制御用CPU105は、上述したステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理にて受信した可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンや、飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間などに対応して、演出制御基板12に搭載された所定のCGROMに予め記憶されている画像データを所定のVDP(Video Display Processor)などに読み出させて、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の進行状況に応じた画像の表示による演出などを実行させる。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間が可変表示パターンに対応する可変表示時間に達したときには、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄停止待ち処理に対応した値である「3」に更新する。
【0173】
ステップS153の飾り図柄停止待ち処理は、表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、主基板11からの可変表示終了コマンドを受信したか否かを判別し、受信したと判別したときには、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて表示結果となる確定図柄を導出表示させ、飾り図柄の可変表示を終了させる。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるときには、表示制御プロセスフラグの値を大当り中表示処理に対応した値である「4」に更新し、ハズレとなるときには、表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する。
【0174】
ステップS154の大当り中表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、画像表示装置5の表示制御を行って、大当り遊技状態に応じた画像を表示させる。例えば、主基板11から送信された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、画像表示装置5において表示させることにより、遊技者に対して大当り遊技状態において実行中のラウンド数を特定可能に報知することができる。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンドが最終ラウンド(例えば16回目)になると、表示制御プロセスフラグの値を大当り終了時表示処理に対応した値である「5」に更新する。
【0175】
ステップS155の大当り終了時表示処理は、表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU105は、画像表示装置5において大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示を実行させるための制御などを行う。
【0176】
以上説明したように、この実施の形態によれば、図7に示すような構成を有する乱数発生回路17において、クロック信号生成回路175は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S3を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S1の立ち上がりエッジに応答して、ラッチすることにより、カウント用クロック信号S2を生成して正相出力端子Qから出力する。また、クロック信号生成回路175は、生成したカウント用クロック信号S2を反転してラッチ用クロック信号S3を逆相出力端子Q(バー)から出力する。
【0177】
カウンタ174は、クロック信号生成回路175の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S2がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10、T12、…において、カウント値Cを順次更新して行く。
【0178】
そして、始動入賞口である普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞すると、始動入賞口スイッチ70は、始動入賞信号SSを主基板11と乱数発生回路17とに対して送出し、乱数発生回路17に対して送出された始動入賞信号SSは、タイマ回路172を介してラッチ信号出力回路173の入力端子Dへと入力される。ラッチ信号出力回路173は、この入力端子Dに入力される始動入賞信号SSを、クロック信号生成回路175の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S3に同期させ、ラッチ用クロック信号S3がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT11において、ラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
【0179】
乱数値記憶回路179は、カウンタ174から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路173の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値R1としてラッチして記憶する。
【0180】
このようにして、図7に示すような構成を有する乱数発生回路17は、基準クロック信号出力回路171から出力される基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングT10、T11、…のうち、タイミングT10、T12、…においてカウント値Cを更新し、タイミングT11、T13、…においてラッチ信号SLを出力することができる。これにより、カウンタ174によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路173によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路17は、基準クロック信号S1を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S1の立ち下がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0181】
また、図12に示すような構成を有する乱数発生回路17において、セレクタ177は、分周回路176から入力される分周クロック信号S4がハイレベルのとき、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S1を第1の出力端子O1から出力することにより、タイミングT20、T21、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる第1の出力クロック信号S5をカウンタ174に供給する。一方、分周クロック信号S4がローレベルのとき、基準クロック信号S1を第2の出力端子から出力して、タイミングT30、T31、…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる第2の出力クロック信号S6をラッチ信号出力回路173に供給する。
【0182】
カウンタ174は、セレクタ177における第1の出力端子O1から入力される第1の出力クロック信号S5がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT20、T21、…において、カウント値Cを順次更新して行く。ラッチ信号出力回路173は、始動入賞口スイッチ70から入力される始動入賞信号SSを、セレクタ177における第2の出力端子O2からクロック端子CKへと入力される第2の出力クロック信号S6に同期させ、第2の出力クロック信号S6がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT31において、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路179に出力する。
【0183】
このようにして、図12に示すような構成を有する乱数発生回路17は、基準クロック信号出力回路171から出力される基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングT20、T30、T21、T31、…のうち、タイミングT20、T21、…においてカウント値Cを更新し、タイミングT30、T31、…においてラッチ信号SLを出力することができる。これにより、カウンタ174によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路173によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路17は、基準クロック信号S1を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S1の立ち下がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0184】
図14に示すような構成を有する乱数発生回路17において、カウンタ174は、基準クロック信号出力回路171から入力される周期Tの基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングT40、T41、…において、カウント値Cを更新し、ラッチ信号出力回路173は、始動入賞口スイッチ70から入力される始動入賞信号SSを、遅延回路178が基準クロック信号S1をΔT(≠nT)だけ遅延させることにより生成した遅延クロック信号S7に同期させ、遅延クロック信号S7がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT51において、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路179に出力する。
【0185】
このようにして、図14に示すような構成を有する乱数発生回路17は、基準クロック信号出力回路171から出力される基準クロック信号S1がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングT40、T41、…においてカウント値Cを更新し、タイミングT40、T41、…とは異なるタイミングT50、T51、…においてラッチ信号SLを出力することができる。これにより、カウンタ174によるカウント値の更新タイミングと、ラッチ信号出力回路173によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路17は、基準クロック信号S1を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S1の立ち上がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0186】
一方、主基板11の側では、CPU103は、始動入賞口スイッチ70からの始動入賞信号SSが、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、継続して入力されたことを検出すると、図18に示すステップS202以降の処理を実行して、乱数発生回路17からの乱数値R1の取得を可能にする。この処理において、CPU103は、乱数値記憶回路179に出力制御信号SCを送出して乱数値記憶回路179を読出可能(イネイブル)状態に制御した後、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出す。そして、CPU103は、乱数値記憶回路179への出力制御信号SCの送出を停止して乱数値記憶回路179を読出不能(ディセイブル)状態に制御した後、読み出した乱数値R1が所定の判定値「2001?2184」などと一致するか否かを判定することにより、特別図柄表示器4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。
【0187】
このように、CPU103が乱数値R1を読み出すときのみ、乱数値記憶回路179を読出可能状態に制御することにより、パチンコ遊技機1は、乱数値の取得をより一層、確実且つ安定的に行うことができる。また、CPU103は、始動入賞口である普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したときのみ、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出すため、パチンコ遊技機1は、無駄な処理を省略することができる。
【0188】
また、乱数発生回路17は、始動入賞口スイッチ70から出力された始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路173に直接入力するのではなく、一旦タイマ回路172に入力して、始動入賞信号SSの入力時間を計測し、計測した時間が予め設定された時間(3ms)になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路173に入力する。このため、パチンコ遊技機1は、ラッチ信号出力回路173がノイズの影響等により誤って乱数値記憶回路179にラッチ信号SLを出力することを防止することができる。また、タイマ回路172には、2回のタイマ割込処理の実行間「4ms」よりも短い「3ms」が設定されているため、CPU103が乱数値記憶回路179から読み出した乱数値R1が前回の入賞時に読み出した乱数値R1の値と同じ値となることを防止することができる。
【0189】
乱数値記憶回路179は、ラッチ信号出力回路173からラッチ信号SLが入力されているとき、遊技制御用マイクロコンピュータ100から入力される出力制御信号(ハイレベルの信号)SCをローレベルの信号に変換することにより、出力制御信号SCに対して受信不能状態に制御する。これにより、乱数値記憶回路179に記憶されている乱数値R1が更新されているときに、CPU103により乱数値記憶回路179から乱数値R1が読み出されることを防止することができるため、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の更新を確実且つ安定的に行うことができる。
【0190】
さらに、乱数値記憶回路179は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されているとき、ラッチ信号出力回路173から入力されるラッチ信号(ハイレベルの信号)SLをローレベルの信号に変換することにより、ラッチ信号SLに対して受信不能状態に制御する。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100が乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出しているときに、乱数値記憶回路179に記憶されている乱数値R1が更新されることを防止することができるため、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0191】
CPU103は、図18のステップS205にて乱数値記憶回路179から大当り判定用の乱数値R1を取得するごとに、取得した乱数値R1に対応するリーチ判定用の乱数値R2を、ステップS210にてリーチ判定用ランダムカウンタ122にセットする。これにより、リーチ判定用ランダムカウンタ122に記憶されるリーチ判定用の乱数値R2は、乱数発生回路17の乱数値記憶回路179から読み出される大当り判定用の乱数値R1に同期して更新されることになる。リーチ判定用ランダムカウンタ122にセットされたリーチ判定用の乱数値R2は、図22に示すステップS244にてCPU103により読み出され、ステップS245にてリーチとするか否かの判定を行うために使用される。そのため、乱数発生回路17に故障が発生して乱数値R1の更新が行われていないときには、リーチ判定用の乱数値R2も更新されないことになり、画像表示装置5における複数回の飾り図柄の可変表示において、その可変表示態様が連続してリーチとなったり、あるいは長期間にわたりリーチとなることなく通常ハズレの表示結果となる。
【0192】
こうした飾り図柄の可変表示態様により、遊技者は、乱数発生回路17に故障が発生したか否かを推定することができ、故障が発生した場合に著しい不利益を蒙ることを防止できる。一般に、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる確率は、可変表示結果が大当りとなる確率よりも高くなるように設定されていることから、長期間にわたり可変表示結果が大当りとならないことにより乱数発生回路17に故障が発生したと推定する場合に比べて短い期間のうちに、故障の発生を推定することができる。
【0193】
そこで、ステップS245にてリーチとする旨の判定がなされたときには、リーチとする旨の判定が複数回の可変表示にわたり連続してなされた回数を、ステップS248にてリーチ回数カウンタ124のカウント値を「1」加算することによりカウントする。また、ステップS245にてリーチとしない旨の判定がなされたときには、通常ハズレとする旨の判定が複数回の可変表示にわたり連続してなされた回数を、ステップS251にて通常ハズレ回数カウンタ125のカウント値を「1」加算することによりカウントする。そして、ステップS253にてリーチ回数カウンタ124のカウント値が所定のリーチ連続上限値を超えている旨の判定がなされたときや、ステップS255にて通常ハズレ回数カウンタ125のカウント値が所定の通常ハズレ連続上限値を超えている旨の判定がなされたときには、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断して、図23に示すステップS266や図24に示すステップS271にて、故障検出フラグの値に応じた故障検出コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送出可能とする設定を行う。
【0194】
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU105が主基板11からの故障検出コマンドに応じて、図25のステップS142にて故障が検出された旨を報知するための設定を行い、例えば図26(A)及び(B)に示すように、通常時とは異なる画像表示装置5における表示による特定の演出を実行させて、故障が検出された旨を報知することができる。この報知により、遊技者は、乱数発生回路17に故障が発生したことを容易に認識することができ、不利益を蒙ることを防止できる。
【0195】
なお、リーチ判定用の乱数値R2を大当り判定用の乱数値R1と同期して更新するものとしては、大当り判定用の乱数値R1そのものをリーチ判定用の乱数値R2として用いるものであってもよい。この場合、リーチ判定テーブル113は、図27に示すように、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを示す判定結果を、大当り判定用の乱数値R1と対応付ける設定データから構成される。そして、図18のステップS210では、乱数発生回路17から取得した大当り判定用の乱数値R1そのものを、リーチ判定用の乱数値R2としてリーチ判定用ランダムカウンタ122にセットすればよい。
【0196】
大当り判定用の乱数値R1と同期して更新する数値データは、リーチ判定用の乱数値R2に限定されるものではなく、例えば予告演出における演出態様を決定するために用いられる予告決定用の乱数値や、飾り図柄の可変表示態様などを定める可変表示パターンを決定するために用いられる可変表示パターン決定用の乱数値を、大当り判定用の乱数値R1と同期して更新するようにしてもよい。この場合には、上記実施の形態におけるリーチ判定用の乱数値R2と同様に、例えば図18のステップS210にて、大当り判定用の乱数値R1と各々の乱数値とを対応付けるテーブルを参照するなどして、乱数発生回路17から取得した大当り判定用の乱数値R1に応じた乱数値に更新すればよい。また、大当り判定用の乱数値R1そのものを、各種の乱数値として用いるようにしてもよい。そして、例えば予告決定用の乱数値を大当り判定用の乱数値R1と同期して更新する場合には、乱数発生回路17に故障が発生して乱数値R1の更新が行われていないときに、予告決定用の乱数値も更新されないことになるので、複数回の特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、同一の演出態様となる予告演出が連続して実行されたり、あるいは長期間にわたり予告演出が実行されないことになる。こうした予告演出の実行態様により、遊技者は、乱数発生回路17に故障が発生したか否かを推定することができ、故障が発生した場合に著しい不利益を蒙ることを防止できる。
【0197】
上記実施の形態では、リーチ判定用の乱数値R2が乱数発生回路17の乱数値記憶回路179から読み出される大当り判定用の乱数値R1に同期して更新されるように構成することで、飾り図柄の可変表示態様が連続してリーチとなったり、あるいは長期間にわたりリーチとなることなく通常ハズレの表示結果となったときに、乱数発生回路17における故障の発生を推定できるようにしていた。これに対して、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて乱数発生回路17から取得した大当り判定用の乱数値R1を保持しておき、所定回数にわたり乱数発生回路17から取得した乱数値R1が同一の値となっているときに、乱数発生回路17における故障の発生を推定できるようにしてもよい。以下に、乱数発生回路17から取得した乱数値R1を保持することで乱数発生回路17における故障の発生を推定可能としたパチンコ遊技機1の一例について説明する。
【0198】
この実施の形態では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102に、図28に示すような大当り判定用乱数値保持エリア130を設けておく。大当り判定用乱数値保持エリア130には、乱数発生回路17から取得した大当り判定用の乱数値R1がセットされて保持される。また、可変表示用データ保持エリア120には、一致回数カウンタ126を設けておく。一致回数カウンタ126は、大当り判定用乱数値保持エリア130に保持されている乱数値R1と乱数発生回路17から取得した乱数値R1とが連続して一致した回数をカウントするためのものである。
【0199】
図29は、この実施の形態における始動入賞処理として、図17のステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すステップS201?S209の処理は、図18に示すステップS201?S209の処理と同一である。図29に示す始動入賞処理では、ステップS209の処理を実行した後に、図30に示すような故障検出処理を実行する(ステップS211)。
【0200】
図30に示す故障検出処理において、CPU103は、まず、大当り判定用乱数値保持エリア130に保持されている乱数値R1が、図29のステップS205にて乱数発生回路17から取得した乱数値R1と一致するか否かを判定する(ステップS301)。そして、保持されている乱数値と取得した乱数値とが異なるときには(ステップS301;No)、一致回数カウンタ126をクリアしてカウント値を「0」に設定するとともに(ステップS302)、図29のステップS205にて乱数発生回路17から取得した乱数値R1を大当り判定用乱数値保持エリア130にセットして保持させる(ステップS303)。
【0201】
また、ステップS301にて保持されている乱数値と取得した乱数値とが一致する旨の判定がなされたときには(ステップS301;Yes)、一致回数カウンタ126のカウント値を「1」加算する(ステップS304)。そして、ステップS304にて「1」加算された一致回数カウンタ126のカウント値が所定の一致回数上限値(例えば「10」)を超えているか否かを判定する(ステップS305)。このとき、一致回数カウンタ126のカウント値が一致回数上限値以下であれば(ステップS305;No)、そのまま故障検出処理が終了する。
【0202】
これに対して、ステップS305にて一致回数カウンタ126のカウント値が一致回数上限値を超えているときには(ステップS305;Yes)、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた故障検出フラグをオン状態にセットする。そして、図20に示す特別図柄プロセス処理におけるステップS114の可変表示制御処理として図23に示すような処理が実行される場合には、ステップS261にて故障検出フラグがオンであるか否かを判定して、オフであるときにはステップS262?S264の処理を実行し、オンであるときにはステップS265?S270の処理を実行する。また、ステップS114の可変表示制御処理として図24に示すような処理が実行される場合には、ステップS261にて故障検出フラグがオンであるか否かを判定し、オンであるときにはステップS271及びS272の処理を実行し、オフであるときにはそれらの処理をスキップして、ステップS262?S264の処理を実行する。
【0203】
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU105が図25に示す表示制御プロセス処理を実行し、ステップS141にて故障検出コマンドを受信したと判別したときには(ステップS141;Yes)、ステップS142にて乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知するための設定を行う。
【0204】
例えば、ステップS114の可変表示処理として図23に示すような処理が実行される場合には、故障検出フラグがオン状態にセットされた後に所定のリセットスイッチがオン操作されるまでは画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の実行が停止される。そこで、演出制御用CPU105は、画像表示装置5における表示動作を制御することにより、例えば図31(A)に示すような文字情報を表示させるなどして、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する特定の演出を実行させればよい。他方、ステップS114の可変表示制御処理として図24に示すような処理が実行される場合には、乱数発生回路17での故障が検出されたときでも、画像表示装置5による飾り図柄の可変表示が実行されることがある。そこで、演出制御用CPU105は、例えば図31(B)に示すように、飾り図柄の可変表示中においても文字情報60を表示させることなどにより、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知する特定の演出を実行させればよい。また、画像表示装置5に表示される画像の背景色が通常遊技状態では白色であり、確率向上状態では橙色である場合に、演出制御用CPU105は、主基板11から故障検出コマンドを受信したときに、背景色を緑色に変更させるなど、通常時とは異なる画像表示を画像表示装置5により実行させてもよい。
【0205】
以上説明したように、この実施の形態によれば、図29のステップS205にて乱数発生回路17から乱数値R1が読み出されるごとに、読み出された乱数値と大当り判定用乱数値保持エリア130に保持されている乱数値とが一致するか否かを、図30のステップS301にて判定する。そして、一致しないと判定されたときには、乱数発生回路17から取得した乱数値R1を大当り判定用乱数値保持エリア130にセットして保持させる一方で、一致すると判定されたときには、一致回数カウンタ126のカウント値を「1」加算することで、一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする。この後、ステップS305にて一致回数カウンタ126のカウント値が所定の一致回数上限値を超えている旨の判定がなされたときには、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断して、図23に示すステップS266や図24に示すステップS271にて故障検出コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送出可能とする設定を行う。
【0206】
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU105が主基板11からの故障検出コマンドに応答して、図25のステップS142にて故障が検出された旨を報知するための設定を行い、例えば図31(A)及び(B)に示すように、通常時とは異なる画像表示装置5における表示による特定の演出を実行させて、故障が検出された旨を報知することができる。この報知により、遊技者は、乱数発生回路17に故障が発生したことを容易に認識することができ、不利益を蒙ることを防止できる。
【0207】
なお、大当り判定用乱数値保持エリア130に保持されている乱数値が更新されずに所定期間が経過したときに、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断するようにしてもよい。この場合には、例えば、大当り判定用乱数値保持エリア130に乱数発生回路17から取得した乱数値R1がセットされてからの経過時間を計測する経過時間タイマを設けておく。そして、図29のステップS205にて乱数発生回路17から乱数値R1を取得したときには、図30のステップS301と同様にして取得した乱数値と保持されている乱数値とが一致しているか否かを判定し、一致しないと判定したときには、取得した乱数値を大当り判定用乱数値保持エリア130にセットするとともに、経過時間タイマによる経過時間の計測を開始させる。
【0208】
他方、取得した乱数値と保持されている乱数値とが一致しないと判定したときには、経過時間タイマによって計測された経過時間が予め定めた故障検出基準時間に達しているか否かを判定する。そして、故障検出基準時間に達していると判定したときには、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断すればよい。なお、遊技者がパチンコ遊技機1での遊技を終了した時点で、経過時間タイマによる経過時間の計測も終了させるようにしてもよい。例えばパチンコ遊技機1が備える打玉操作ハンドルの操作がなされているか否かをタッチセンサなどによって検出し、ハンドル操作が行われていないときには経過時間タイマをクリアして経過時間の計測を終了させるようにすればよい。これにより、パチンコ遊技機1での遊技が行われないために乱数発生回路17から乱数値R1が読み出されず、それに伴って大当り判定用乱数値保持エリア130に保持されている乱数値の更新も行われないために、経過時間タイマにより計測される経過時間が故障検出基準時間に達してしまい、乱数発生回路17に故障が発生したと誤って検出されてしまうことを防止できる。
【0209】
その他にも、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。例えば、始動入賞口スイッチ70は、始動入賞信号SSを主基板11に対してのみ出力し、主基板11に搭載されているCPU103は、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms間)、始動入賞口スイッチ70から始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、ラッチ用始動入賞信号を乱数発生回路17のラッチ信号出力回路173に送出するようにしてもよい。
【0210】
例えば図7に示すような構成の乱数発生回路17において、タイマ回路172を取り払い、ラッチ信号出力回路173の入力端子DをI/Oポート104にてラッチ用始動入賞信号を出力するための出力端子に接続する。これにより、ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力されるラッチ用始動入賞信号を、クロック端子CKから入力されるラッチ用クロック信号S3に同期させ、ラッチ用クロック信号S3の立ち上がりエッヂにてローレベルからハイレベルへと立ち上がるラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
【0211】
また、図12に示すような構成の乱数発生回路17において、タイマ回路172を取り払い、ラッチ信号出力回路173の入力端子DをI/Oポート104にてラッチ用始動入賞信号を出力するための出力端子に接続する。これにより、ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力されるラッチ用始動入賞信号を、クロック端子CKから入力される第2の出力クロック信号S6に同期させ、第2の出力クロック信号S6の立ち上がりエッヂにてローレベルからハイレベルへと立ち上がるラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
【0212】
さらに、図14に示すような構成の乱数発生回路17において、タイマ回路172を取り払い、ラッチ信号出力回路173の入力端子DをI/Oポート104にてラッチ用始動入賞信号を出力するための出力端子に接続する。これにより、ラッチ信号出力回路173は、入力端子Dから入力されるラッチ用始動入賞信号を、クロック端子CKから入力される遅延クロック信号S7に同期させ、遅延クロック信号S7の立ち上がりエッヂにてローレベルからハイレベルへと立ち上がるラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
【0213】
このようにしても、乱数発生回路17は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
【0214】
こうした場合、図17のステップS25にて実行される始動入賞処理では、まず、遊技制御フラグ設定エリアに設けた所定の乱数値読出フラグがオンとなっているか否かを判定する。この乱数値読出フラグは、ラッチ用始動入賞信号がラッチ信号出力回路173へ送出されたときにオン状態にセットされ、乱数値記憶回路179から乱数値R1が読み出されるとクリアされてオフ状態となる。
【0215】
乱数値読出フラグがオフであるときには、図18に示すステップS201?S204と同様の処理を実行する。そして、ステップS204にて始動入賞記憶数が所定の上限値未満であるときには、ラッチ用始動入賞信号をラッチ信号出力回路173に送出するとともに、乱数値読出フラグをオン状態にセットする。
【0216】
また、始動入賞処理を開始したときに乱数値読出フラグがオンであるときには、乱数値記憶回路179に出力制御信号SCを送出して、乱数値記憶回路179を読出可能(イネイブル)状態に制御する。続いて、CPU103は、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出し、この読み出した乱数値R1を、例えばRAM102に設けられた所定のバッファ領域に格納した後、乱数値記憶回路179への出力制御信号SCの送出を停止して、乱数値記憶回路179を読出不能(ディセイブル)状態に制御する。この後、CPU103は、始動入賞記憶数を「1」加算し、所定のバッファ領域に格納した乱数値R1を特図保留記憶部121の空エントリの先頭にセットするとともに、乱数値読出フラグをクリアしてオフ状態とする。
【0217】
以上のような構成によれば、主基板11のCPU103は、始動入賞口スイッチ70から始動入賞信号SSが、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、継続して入力されたことに基づいて、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別して、乱数発生回路17に対してラッチ用始動入賞信号を送出する。このため、パチンコ遊技機1には、始動入賞口スイッチ70から乱数発生回路17へ始動入賞信号SSを供給するための経路を設ける必要がなく、そのハードウェア構成を簡素化することができる。
【0218】
乱数発生回路17へと送出されたラッチ用始動入賞信号は、ラッチ信号出力回路173の入力端子Dに入力されることで、ラッチ信号SLとして出力端子Qから出力される。これにより、乱数発生回路17では、カウンタ174によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路173によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路17は、基準クロック信号S1を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S1の立ち下がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値R1の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0219】
また、CPU103は、2回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別するため、パチンコ遊技機1は、ノイズの影響等により誤って乱数発生回路17にラッチ用始動入賞信号が出力されることを防止できる。
【0220】
CPU103は、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したと判別したとき、この後、最初に行われるタイマ割込処理において、乱数値記憶回路179から乱数値R1を読み出すため、この読み出した乱数値R1が前回読み出した乱数値R1と同じ値になることを防止することができる。
【0221】
また、上記実施の形態では、図22に示すステップS253にてリーチ回数カウンタ124のカウント値が所定のリーチ連続上限値を超えているか否かの判定を行うとともに、ステップS255にて通常ハズレ回数カウンタ125のカウント値が所定の通常ハズレ連続上限値を超えているか否かの判定を行うことにより、複数回の飾り図柄の可変表示において可変表示態様が連続してリーチとなる場合と、長期間にわたりリーチとなることなく通常ハズレの表示結果となる場合の両方において、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、複数回の飾り図柄の可変表示において可変表示態様が連続してリーチとなる場合と、長期間にわたりリーチとなることなく通常ハズレの表示結果となる場合の少なくともいずれか一方において、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断するものであってもよい。例えば通常ハズレ回数カウンタ125を取り払い、リーチ回数カウンタ124により連続してリーチとなる回数のみをカウントすることにより、複数回の飾り図柄の可変表示において可変表示態様が連続してリーチとなるときに、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断することができる。また、例えばリーチ回数カウンタ124を取り払い、通常ハズレ回数カウンタ125により連続して通常ハズレとなる回数のみをカウントすることにより、長期間にわたりリーチとなることなく通常ハズレの表示結果となるときに、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断することができる。
【0222】
乱数発生回路17での故障が検出された旨の報知は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の終了後や、大当り遊技状態の終了後に、画像表示装置5における表示による特定の演出として実行されてもよい。さらには、例えば図22に示すステップS253にてリーチ回数カウンタ124のカウント値がリーチ連続上限値を超えていたり、ステップS255にて通常ハズレ回数カウンタ125のカウント値が通常ハズレ連続上限値を超えていたり、あるいは、図30のステップS305にて一致回数カウンタ126のカウント値が一致回数上限値を超えていたりすることなどにより、乱数発生回路17での故障が検出されたと判断したときには、故障が検出された旨を所定のバックアップ可能なRAMや不揮発性メモリ(例えばEEPROM)などに格納しておき、一旦パチンコ遊技機1の電源が切断された後、次の電源投入時に、故障が検出された旨を報知するようにしてもよい。また、乱数発生回路17での故障が検出されたときには、画像表示装置5による表示動作のみならず、所定のエラーランプを点灯させたり、スピーカ8L、8Rから警告音を発生させたりするといった動作を加えてもよく、また、エラーランプの点灯や、警告音の発生のみによって、乱数発生回路17での故障が検出された旨を報知するようにしてもよい。
【0223】
図7に示す構成の乱数発生回路17において、クロック信号生成回路175の正相出力端子Qをラッチ信号出力回路173のクロック端子CKに、逆相出力端子Q(バー)をカウンタ174の入力端子に、それぞれ接続してもよい。カウンタ174は、アップカウンタに限定されず、ダウンカウンタであってもよい。さらに、数値更新手段はカウンタ174によるものに限定されず、疑似乱数発生回路であってもよい。また、カウンタ174のカウント値CのビットデータC0?C15の出力端子と、乱数値記憶回路179のカウント値CのビットデータC0?C15の入力端子との接続を組み替えてもよい。これにより、乱数値記憶回路179に入力されるカウント値Cのランダム性を高めることができる。
【0224】
また、上記実施の形態において、乱数値記憶回路179は、AND回路201、203やOR回路230?245などの論理回路を用いてラッチ信号SL及び出力制御信号SCの受信制御、乱数値R1の出力制御などのイネイブル/ディセイブル制御を行っていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、乱数値記憶回路179は、I/Oポート104やラッチ信号出力回路173との間にFET(Field Effect Transistor)などのスイッチング素子を設け、ラッチ信号SLや出力制御信号SCの入力に応答して、I/Oポート104やラッチ信号出力回路173との経路を導通、遮断することにより、ラッチ信号SLや出力制御信号SCのイネイブル/ディセイブル制御を行ってもよい。
【0225】
さらに、上記実施の形態において、タイマ回路172は、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して起動し、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号出力回路171からの基準クロック信号S1の入力に応答して、タイマ値をアップカウント又はダウンカウントしていき、タイマ値が所定の時間に対応する値となったとき、入力された信号をハイレベルの信号であると判定してラッチ信号出力回路173に出力するものであった。しかしながら、本発明は、これに限定されず、タイマ回路172は、始動入賞口スイッチ70から始動入賞信号SSが入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路173に出力するものであれば任意である。
【0226】
また、上記実施の形態において、タイマ回路172は、基準クロック信号出力回路171から順次入力される基準クロック信号S1を用いて信号の入力時間を計測していたが、本発明は、これに限定されず、タイマ回路172は、基準クロック信号S1を分周したクロック信号や、基準クロック信号出力回路171とは異なるクロック信号出力回路から出力されるクロック信号を用いてもよい。また、上記実施の形態において、タイマ回路172には、所定の時間として3msが設定されていたが、本発明は、これに限定されず、2回のタイマ割込処理の実行時間である4msよりも短い時間であれば任意に設定可能である。
【0227】
さらに、上記実施の形態において、CPU103は、2回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、図18に示すステップS202以降の処理を実行していた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述したタイマ割込処理の実行回数は、任意であり、例えば、CPU103は、3回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、図18に示すステップS202以降の処理を実行してもよい。この場合、タイマ回路172には、3回のタイマ割込処理の実行時間である6msよりも短い時間を設定すればよい。
【0228】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数発生回路17を内蔵するものであってもよい。このように乱数発生回路17を遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵させた場合には、基板スペースを確保することが可能になるとともに、不正基板の設置等によって乱数発生回路17で発生させた乱数値を示す数値データを外部から書き換えることが困難になり、偽造の防止を図ることができる。
【0229】
上記実施の形態において、遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば特別図柄表示器4による前回の特図ゲーム及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば特別図柄表示器4や画像表示装置5)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御するパチンコ遊技機1であるものとして説明した。
【0230】
しかしながら、本発明は、これに限定されず、遊技機は、遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器)の検出により、遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動動作(例えば開放動作)を行う可変入賞装置(例えば可変入賞球装置)を有し、可変入賞装置に設けられた特定領域にて遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器)の検出により、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定の態様で可変入賞装置を第1の状態に制御する特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるパチンコ遊技機であってもよい。
【0231】
また、本発明の遊技機は、特別領域(例えば特別装置作動領域)に設けられた特別検出手段(例えば特定球検出スイッチや特別領域スイッチ)で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば作動入賞口や始動入賞装置における始動口)に設けられた始動検出手段(例えば作動球検出スイッチや始動口スイッチ)により遊技球が検出されたことに基づいて、特別可変入賞装置(例えば大入賞口)を遊技者にとって不利な状態(例えば閉鎖状態)から遊技者にとって有利な状態(例えば開放状態)に変化させる制御を行うことが可能なパチンコ遊技機であってもよい。
【0232】
本発明の遊技機は、図32に示すように、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(例えば可変表示装置1002)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシン(例えばスロットマシン1000)であってもよい。図32に示すスロットマシン1000は、本発明の始動入賞信号出力手段として、遊技者によりスタートレバー1011が操作されたことに基づいて所定の始動信号を遊技制御手段(例えば主基板)や乱数発生回路(例えば乱数発生回路)に出力する図示しないスタートスイッチを備えている。なお、図32に示す液晶表示器1001は、演出手段として機能するものであり、例えば上記実施の形態における画像表示装置5と同様にして、液晶表示器1001の表示により特定の演出を実行させることで、乱数発生回路での故障が検出された旨を報知するようにしてもよい。
【0233】
本発明の遊技機は、画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0234】
さらに、図1及び図32に示した装置構成、図2、図7、図9、図12及び図14に示すブロック構成、図3に示すコマンド構成、図4、図5、図27に示すテーブル構成、図6、図28に示すメモリ構成、図8に示す回路構成、図10、図11、図13及び図15に示すタイミングチャート構成、図16、図17、図18、図20、図21、図22、図23、図24、図25、図29及び図30に示すフローチャート構成、図19に示す乱数値構成、図26及び図31に示す表示例は、いずれも発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
【0235】
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0236】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0237】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】主基板における回路構成等を示すブロック図である。
【図3】演出制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図4】大当り判定テーブルの構成例を示す図である。
【図5】リーチ判定テーブルの構成例を示す図である。
【図6】可変表示用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。
【図7】乱数発生回路の構成例を示すブロック図である。
【図8】乱数値記憶回路の構成例を示す回路図である。
【図9】乱数値記憶回路のOR回路の出力端子とI/Oポートとの接続を説明するための図である。
【図10】乱数値記憶回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】図7の乱数発生回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】乱数発生回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の乱数発生回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】乱数発生回路の更に他の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の乱数発生回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】リーチ判定用の乱数値を設定する一例を示す図である。
【図20】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】可変表示開始制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】可変表示開始制御処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図25】表示制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】画像表示装置における表示例を示す図である。
【図27】リーチ判定テーブルの他の構成例を示す図である。
【図28】可変表示用データ保持エリアにおける他の構成例を示すブロック図である。
【図29】始動入賞処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図30】故障検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図31】画像表示装置における他の表示例を示す図である。
【図32】スロットマシンの正面図である。
【符号の説明】
【0239】
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技機用枠
4…特別図柄表示器
5…画像表示装置
6…普通可変入賞球装置
7…特別可変入賞球装置
8L、8R…スピーカ
9…遊技効果ランプ
11…主基板
12…演出制御基板
13…音声出力回路
14…ランプドライバ回路
17…乱数発生回路
21、22…ソレノイド
40…普通図柄表示器
70…始動入賞口スイッチ
100…遊技制御用マイクロコンピュータ
101…ROM
102…RAM
103…CPU
104…I/Oポート
105…演出制御用CPU
107…スイッチ回路
108…ソレノイド回路
111…通常時大当り判定テーブル
112…確変時大当り判定テーブル
113…リーチ判定テーブル
120…可変表示用データ保持エリア
121…特図保留記憶部
122…リーチ判定用ランダムカウンタ
123…始動入賞口スイッチタイマ
124…リーチ回数カウンタ
125…通常ハズレ回数カウンタ
126…一致回数カウンタ
130…大当り判定用乱数値保持エリア
171…基準クロック信号出力回路
172…タイマ回路
173…ラッチ信号出力回路
174…カウンタ
175…クロック信号生成回路
176…分周回路
177…セレクタ
178…遅延回路
179…乱数値記憶回路
201、203…AND回路
202、204…NOT回路
210?225…フリップフロップ回路
230?245…OR回路
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成手段とを含み、
前記クロック信号生成手段は、
前記基準クロック信号出力手段から前記基準クロック信号が入力されるクロック端子と、
第1の信号が入力される入力端子と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の前記所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子とを含み、
前記クロック信号生成手段は、
該第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号と、を生成し、
前記乱数発生手段は、
前記クロック信号生成手段により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新する数値データ更新手段と、
前記クロック信号生成手段により生成された第2のクロック信号が前記所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値データ更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記数値データ更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、
前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データと合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミングのうちの第1のタイミングにおいて、数値データを更新する数値更新手段と、
前記複数のタイミングのうちの前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、
前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データと合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号を前記所定の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて遅延クロック信号を生成し、該生成した遅延クロック信号を出力するクロック信号遅延手段と、
前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミングと前記クロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が該所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミングとのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値データを更新する数値更新手段と、
前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとのうちの前記数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記数値更新手段によって更新される数値データに同期して更新される数値データを取得する数値データ取得手段と、
前記数値データ取得手段によって取得した数値データが所定の演出判定値データと合致するか否かを判定することにより、所定の演出を実行するか否かを決定する演出決定手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記演出決定手段により前記所定の演出を実行する旨の判定がなされた可変表示の開始条件が連続して成立した回数を計測する演出連続回数計測手段と、
前記演出決定手段により前記所定の演出を実行しない旨の判定がなされた可変表示の開始条件が連続して成立した回数を計測する演出回避回数計測手段と、
前記演出連続回数計測手段により計測された回数が所定の演出連続上限回数を超えたときに、当該演出連続上限回数を超えた旨を報知する制御を行う演出連続報知制御手段と、
前記演出回避回数計測手段により計測された回数が所定の演出回避上限回数を超えたときに、当該演出回避上限回数を超えた旨を報知する制御を行う演出回避報知制御手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記演出連続報知制御手段は、特定の演出を実行させることにより、前記演出連続上限回数を超えた旨を報知する制御を行い、
前記演出回避報知制御手段は、前記特定の演出を実行させることにより、前記演出回避上限回数を超えた旨を報知する制御を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成手段とを含み、
前記クロック信号生成手段は、
前記基準クロック信号出力手段から前記基準クロック信号が入力されるクロック端子と、
第1の信号が入力される入力端子と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の前記所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子とを含み、
前記クロック信号生成手段は、
該第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号と、を生成し、
前記乱数発生手段は、
前記クロック信号生成手段により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新する数値データ更新手段と、
前記クロック信号生成手段により生成された第2のクロック信号が前記所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値データ更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段と、
前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段と、
前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項7】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号出力手段から出力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する複数のタイミングのうちの第1のタイミングにおいて、数値データを更新する数値更新手段と、
前記複数のタイミングのうちの前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段と、
前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段と、
前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項8】
可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
乱数を発生する乱数発生手段と、
前記実行条件が成立したことに基づいて、始動信号を前記遊技制御手段と前記乱数発生手段とに出力する始動信号出力手段とを備え、
前記乱数発生手段は、
所定の周期の基準クロック信号を生成して出力する基準クロック信号出力手段と、
前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号を前記所定の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて遅延クロック信号を生成し、該生成した遅延クロック信号を出力するクロック信号遅延手段と、
前記基準クロック信号出力手段から入力される基準クロック信号が前記所定の周期毎に所定の態様で変化する第1のタイミングと前記クロック信号遅延手段から入力される遅延クロック信号が該所定の周期毎に所定の態様で変化する第2のタイミングとのうちのいずれか一方のタイミングにおいて、数値データを更新する数値更新手段と、
前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとのうちの前記数値更新手段により数値データが更新されたタイミングとは異なるタイミングにおいて、前記始動信号出力手段から入力される始動信号をラッチ信号として出力するラッチ信号出力手段と、
前記ラッチ信号出力手段から入力されるラッチ信号に応答して、前記数値更新手段により更新された数値データを乱数値として記憶する乱数値記憶手段とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記始動信号出力手段から始動信号が入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出して、該読み出した乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、前記可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値を保持する乱数値保持手段と、
前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値が前記乱数値保持手段に保持されている乱数値と一致するか否かを判定する乱数値一致判定手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致しない旨の判定がなされたときに、前記乱数値保持手段に保持させる乱数値を新たに前記乱数値記憶手段から読み出された乱数値に更新する保持乱数値更新手段と、
前記乱数値一致判定手段によって一致する旨の判定が連続してなされた回数をカウントする連続回数カウント手段と、
前記連続回数カウント手段によりカウントされた連続回数が所定の連続上限値を超えているか否かを判定する連続回数判定手段と、
前記連続回数判定手段によって前記連続上限値を超えている旨の判定がなされたことによって、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことを検出する故障検出手段と、
前記表示結果決定手段が前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出す前に、該乱数値記憶手段に出力制御信号を出力して該乱数値記憶手段を読出可能状態に制御し、該表示結果決定手段が該乱数値記憶手段から乱数値を読み出した後、該乱数値記憶手段への出力制御信号の出力を停止して該乱数値記憶手段を読出不能状態に制御する読出制御手段と、
を含み、
前記乱数値記憶手段は、前記読出制御手段から出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が出力されても記憶している乱数値の更新を禁止する読出優先手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
前記故障検出手段により前記基準クロック信号出力手段に故障が発生したことが検出されたときに、前記基準クロック信号出力手段に故障が発生した旨を報知する制御を行う故障発生報知制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項6、7または8に記載の遊技機。
【請求項10】
前記乱数発生手段は、前記始動信号出力手段から始動信号が入力されている時間を計測し、該計測した時間が所定の時間になったとき、該始動信号を前記ラッチ信号出力手段に出力するタイマ手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記遊技制御手段は、定期的に入力される割込要求信号に応答して、タイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段を含み、
前記表示結果決定手段は、前記タイマ割込処理実行手段により所定回のタイマ割込処理が実行されている間、前記始動信号出力手段から始動信号が継続して入力されたことに基づいて、前記乱数値記憶手段から乱数値を読み出し、
前記タイマ手段は、
前記タイマ割込処理実行手段により所定回のタイマ割込処理が実行される時間よりも短い時間を前記所定の時間として設定する設定手段を含み、
前記計測した時間が前記設定手段により所定の時間として設定された時間になったとき、前記始動信号を前記ラッチ信号出力手段に出力する、
ことを特徴とする請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記乱数値記憶手段は、前記ラッチ信号出力手段からラッチ信号が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2013-12-24 
出願番号 特願2004-369086(P2004-369086)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 吉村 尚
瀬津 太朗
登録日 2011-04-01 
登録番号 特許第4711670号(P4711670)
発明の名称 遊技機  
代理人 雨宮 康仁  
代理人 木村 満  
代理人 雨宮 康仁  
代理人 木村 満  

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