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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1284886
審判番号 不服2013-12709  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-07-03 
確定日 2014-03-11 
事件の表示 特願2010- 29057「太陽電池」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 8月25日出願公開、特開2011-166017、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由
第1 手続の経緯
本願は、平成22年(2010年)2月12日の出願であって、平成25年1月24日付けで拒絶理由が通知され、同年3月22日付けで意見書が提出されたが、同年4月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月3日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、同時に手続補正がなされたものである(以下、平成25年7月3日になされた手続補正を「本件補正」という。)。

第2 本件補正の適否
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1につき、補正前(平成22年2月12日の出願時のもの。)の
「光電変換部と、前記光電変換部上に設けられた保護層と、を備え、
前記保護層は、樹脂、及び、前記樹脂内に配置された、前記樹脂とは屈折率の異なる平均粒径2?15μmのビーズを含み、
前記保護層の表面粗さRaが400?3000nmである太陽電池。」

「光電変換部と、前記光電変換部上に設けられた保護層と、を備え、
前記保護層は、樹脂、及び、前記樹脂内に配置された、前記樹脂とは屈折率の異なる平均粒径6?15μmの架橋アクリルビーズを含み、
前記保護層の表面粗さRaが681?3000nmである太陽電池。」
に補正するとともに、補正前の請求項3を削除し、請求項3の削除に合わせて請求項4、5を整合するよう補正するものである。

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1の「平均粒径2?15μmのビーズ」の平均粒径の範囲を限定しつつ、「架橋アクリル」との限定を付加して「平均粒径6?15μmの架橋アクリルビーズ」とし、また、「保護層の表面粗さRa」を「400?3000nm」から「681?3000nm」に限定するものである。
よって、本件補正による請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件補正は願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、特許法17条の2第3項に違反するところはなく、さらに、同条第4項に違反するところもない。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3 刊行物の記載及び引用発明
(1)本願の出願前に頒布された刊行物である実願昭61-107153号(実開昭63-15071号)のマイクロフィルム(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。
ア 「ポリイミド系樹脂の絶縁表面を持つ支持基板、該基板の絶縁表面に設けられ支持される膜状光電変換素子、該光電変換素子の受光面及び上記支持基板の絶縁表面を被覆するエポキシ系樹脂の透光性表面保護層、からなり、上記表面保護層は無機系微粒子を含有していることを特徴とした光起電力装置。」(実用新案登録請求の範囲)

イ 「(ホ)作用
上述の如くエポキシ系樹脂の透光性表面保護層は、無機系微粒子を含有することによって、ポリイミド系樹脂との親密性が向上する。
(ヘ)実施例
第1図は本考案光起電力装置の基本構造を示し、(1)はポリイミド系樹脂フイルム或いはステンレス等の金属フイルムの表面をポリイミド系樹脂によりコーテイングし絶縁表面を付与した支持基板、(2)は該支持基板(1)の絶縁表面に設けられ支持される膜状光電変換素子で、該光電変換素子(2)は絶縁表面側からアルミニウム等の金属製背面電極(3)、アモルフアスシリコン等のn型層、i型層及びp型層を重畳し半導体接合を備えた半導体膜(4)及びITO、SnO_(2)等の透光性導電酸化物の受光面電極(5)を順次積層した総合膜厚約1μm程度の膜状を呈す。(6)は上記光電変換素子(2)の受光面電極(5)を含み支持基板(1)の絶縁表面を被覆するエポキシ系樹脂の透光性表面保護層で、該表面保護層(6)はSiO_(2)パウダー等の如き粒径約0.5μm?数μm程度の無機系微粒子を含有することによってポリイミド系樹脂との親密性の向上が図られている。
本考案者の実験によれば上記SiO_(2)パウダーの含有率を変化させてポリイミド系樹脂との親密性を測定したところ、含有率0%ではところどころに被覆ヌケが発生していたのに対し、数%の混入では殆んど被覆ヌケの発生がなくなり、更に約10%を越えるころから全く被覆ヌケの発生は認められなくなった。また上述の如く約10%以上の含有率を持つエポキシ系樹脂を使用すると、表面状態が表面粗さにして約1μm?約10μm程度の粗面状態となった。この様に、表面保護層(6)の表面が僅かながらも粗面状態となると、受光面に対して垂直に入射する光のみならず斜め方向から入射してくる光をも光電変換素子(2)に導くことができる。
尚、以上の説明にあつては支持基板(1)上に一つの光電変換素子(2)が設けられていたが、通常一つの光電変換素子(2)の出力電圧は1ボルト以下と実用的でないので、例えば米国特許第4,281,208号に開示された如き複数の光電変換素子(2)が共通の支持基板上に於いて直列接続された集積型光起電力装置として実用化されており、本考案も斯る集積型光起電力装置に適用できることは自明である。
(ト)考案の効果
本考案光起電力装置は以上の説明から明らかな如く、エポキシ系樹脂の透光性保護層は、無機系微粒子を含有することによって、支持基板表面のポリイミド系樹脂との親密性が向上するので、表面保護層の被覆すべき絶縁表面を被覆ヌケなく確実に被覆することができるばかりか、表面保護層の表面が粗面状態を呈することにより、光電変換に寄与する入射光の有効入射角範囲が拡がり、より多くの光を光電変換素子に導くことができる。」

ウ 第1図は、次のものである。


エ 引用発明
上記アないしウによれば、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。)。
「ポリイミド系樹脂の絶縁表面を持つ支持基板、該基板の絶縁表面に設けられ支持される膜状光電変換素子、該光電変換素子の受光面及び上記支持基板の絶縁表面を被覆するエポキシ系樹脂の透光性表面保護層、からなり、上記表面保護層は無機系微粒子を含有している光起電力装置において、
前記無機系微粒子は、粒径約0.5μm?数μm程度のSiO_(2)パウダーであり、
上記表面保護層に、上記SiO_(2)パウダーの含有率が約10%以上のエポキシ系樹脂を使用して、表面状態を表面粗さにして約1μm?約10μm程度の粗面状態とした光起電力装置。」

(2)本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-168365号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュールに関するものであり、特に太陽光発電に用いられる太陽電池モジュールに関するものである。」

イ 「【0009】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように構成される従来の太陽電池モジュールを屋根やビルの外壁に配列した場合、太陽と太陽電池モジュールとの角度によっては、太陽光が反射して隣接する家屋の中を照らしたりする等の光公害の問題が一部で指摘されていた。
【0010】そこで、このような問題を解決するため、前述したように基板の表面を光を散乱する型板ガラスにすることが検討されているが、こうしたガラスを用いた場合、型板ガラスのテクスチャ仕様の細かな検討あるいは特別なレーザ加工条件が必要となり、これに伴うコストの増加が発生するという問題があった。・・・
【0013】この発明の目的は、上述の問題点を解決し、光入射側における光の反射による光公害等が有効に防止され、かつ色調の統一された太陽電池モジュールを提供することにある。」

ウ 「【0054】一方、防眩膜10を構成する有機材粒子としては、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンワックス、またはこれらの少なくとも2種以上の混合物からなるもの、またはこれらの樹脂あるいは混合樹脂を主成分とするものが用いられる。具体的には、たとえば、φ8μmのPMMA(ポリメチルメタアクリレート)からなる積水化成製MBX-8、平均φ15μm、最大φ30μmのPE(ポリエチレン)からなる楠本化成製SE480-10T等が用いられる。
【0055】また、防眩膜10を構成する無機材粒子としては、シリカからなるものが用いられる。具体的には、たとえば、φ4μmのシリカからなるデグサジャパン製TS100、φ2μmのシリカからなるデグサジャパン製デグサOK-607、φ0.07?0.1μmのシリカゾルからなる日産化学工業株式会社製EG-ST-ZL等が用いられる。
【0056】また、有機材または無機材粒子の直径は、好ましくは0.05?200μm、より好ましくは0.5?100μm、特に好ましくは1?10μmであるとよい。粒子の直径がこの範囲にあれば、反射の程度を低下させることができる。」

(3)本願の出願前に頒布された刊行物である国際公開第95/12897号(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。
ア 「太陽電池(13)からの反射光を拡散して正面側への出射光量を減少させる遮蔽層(14)を太陽電池(13)の正面側に設ける。この遮蔽層(14)は、反射光が外部観察者に戻っていくのを防止する役目を担っており、この層の導入により裏面側に位置する太陽電池(13)を目視上認識できなくすることができる。次いで、この遮蔽層(14)の正面側に、正面側からの入射光に対しその任意の波長範囲を所定の透過率に制御する光学部材(15)を設け、さらに、この光学部材(15)の正面側に、光学部材(15)からの反射光を拡散して正面側に出射する拡散層(16)を設ける。拡散層(16)は、光学部材(15)での反射光を外部観察者に一様に強調して見せるために挿入される。この拡散層(16)により、光学部材からの反射光を指向性の無いやわらかい光とすることが可能となる。」(要約)

イ 「1.太陽電池の正面側に設けられ該太陽電池からの反射光を拡散して正面側への出射光量を減少させる遮蔽層と、この遮蔽層の正面側に設けられ正面側からの入射光に対しその任意の波長範囲を所定の透過率に制御する光学部材と、前記光学部材の正面側に設けられ該光学部材からの反射光を拡散して正面側に出射する拡散層とを備えたことを特徴とする太陽電池装置。・・・
8.前記拡散層は、無色透明なプラスチック材料中に、光散乱物質である白色粉体または該プラスチック材料の有する光の屈折率とは異なった屈折率を有する透明体粒子を分散混合してなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の太陽電池装置。
9.前記拡散層は、表面が粗面に形成された無色透明体からなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の太陽電池装置。
10.前記拡散層は、80パーセント以上の光の透過率を有していることを特徴とする請求の範囲第8または9項記載の太陽電池装置。」(請求の範囲)

ウ 「この発明の構成により、太陽電池として機能しつつ、外部からはその存在を全く遮蔽することが可能となり、外観品質に優れた多様な明るい外観色を表現できるので、従来に比してデザインの自由度が大幅に広がり、これまで以上に多用途への応用が可能となる。」(4頁18?21行)

エ 「拡散層は、高屈折率材料層と他の媒質との界面からの反射光を外部観察者に散乱光として一様に強調して見せるために挿入される。この拡散層が無いと反射光に指向性がありギラギラした見え方になりさらに透過光の戻り光も見えてしまうが、この層を導入することにより明るい色の外観を指向性無くやわらかく表現することが可能となる。なお、拡散層は上記のようにして反射色を表現することの他に、その下に位置する太陽電池を目視上認識できなくするための手段として挿入されるので、両目的を満足するように透過率範囲が設定される。
ここで、拡散層は、無色透明なプラスチック材料中に、光散乱物質である白色粉体または該プラスチック材料の有する光の屈折率とは異なった屈折率を有する透明体粒子を分散混合して構成することができる。
また、拡散層は、表面が粗面に形成された無色透明体で構成してもよい。
この発明の構成によっても太陽電池として機能しつつ、外部からはその存在を全く遮蔽することが可能となり、外観品質に優れた多様な明るい白色外観を表現できるので、従来に比してデザインの自由度が大幅に広がりこれまで以上に多用途への応用が可能となる。」(5頁11?30行)

オ 「実施例1
第1図は、この発明の太陽電池装置を腕時計に適用した場合の実施例1を説明するための外観模式図であり、文字板の内側に太陽電池が四分割に設置された状態が示されている。第2図は、第1図におけるA-A線断面のうち、太陽電池よりも正面側の構造を模式的に示した断面模式図である。
時計ケース11内には、ガラス基板12が固定されている。このガラス基板12の裏面には、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法で形成することにより、太陽電池13が作成してある。一方、ガラス基板12の正面には、太陽電池13からの反射光を拡散して正面側への出射光量を減少させる遮蔽層14が設けてある。さらに、遮蔽層14の正面側には、光学部材としての干渉フィルター層15、拡散層16が順次積層して設けてあり、拡散層16を文字板として兼用することにより太陽電池式腕時計が構成されている。
ここで、遮蔽層14および拡散層16としては、ガラスやプラスチックフィルムのような透明体の表面を機械的に荒らして粗面としたり、プラスチックの表面を変質させる等の手段で形成することができる。また、テフロンもしくはデルリンのように分子構造上白色外観を呈するものを遮蔽層14および拡散層16として使用してもよい。さらに、バインダー中に炭酸カルシウム粉末などを混ぜて透明体の表面に塗布したり、透明体中に散乱物質を混入させるなどの手段によっても、遮蔽層14および拡散層16を形成することができる。簡便な手段としては、紙や布などを遮蔽層14および拡散層16として使用することもできる。
この実施例1では、厚さ300ミクロンのガラス基板12の正面を120番相当のSiC粉末でホーニング処理して遮蔽層14を形成した。このときのホーニング面の平均粗さRaは1.4?1.6ミクロン、平均深さは7ミクロン程度、光の透過率は80パーセントであった。
また、300ミクロン厚のガラス板の片面を1000番相当のSiC粉末でホーニング処理したものを拡散層16として用いた。このときのホーニング面の平均粗さRaは0.7?0.9ミクロン、平均深さは2ミクロン、光の透過率は90パーセントであった。
なお、後述するように、材料およびホーニング処理条件を変えることにより、上述の遮蔽層14及び拡散層16の透過度合いを調整して適用可能範囲を調べた。
また、この実施例1では、高屈折率材料(H)であるTiO_(2)と、低屈折率材料(L)であるSiO_(2)を使用することにより、干渉フィルター層15を作成した。すなわち、高屈折率材料と低屈折率材料とを適宜5層積層して、例えば、光の制御波長がそれぞれ550nm、435nm、640nmとなる干渉フィルター層15を形成した。ここで、光の制御波長が550nmの場合は反射色が黄色、435nmの場合は反射色が青色、640nmの場合は反射色が赤色となる。・・・」(9頁3行?10頁17行)

カ 「実施例4
この実施例4?後述する実施例8において、干渉フィルター層や高屈折率材料層などの光学部材からの反射光を散乱制御するための拡散層の満たすべき条件について検討を行ない、最適化を図った。
外観品質に優れた太陽電池装置を得るために拡散層の満たすべき条件は、散乱性能の確保と高透過率の両立である。すなわち、外部より入射する光は白色拡散層を透過し、光学部材によって一部は反射し残りは透過する。反射光は拡散層によって散乱され結果として散乱光が外部観察者に戻り一様な色が認識される。
一方、透過光は太陽電池に到達し発電に寄与する。この際、拡散層の透過率が減少すると反射光、透過光とも減少してしまい、結果としてきれいな外観色表現ができず発電特性も低下してしまうため、拡散層の透過率は80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上が望ましい。
このような特性を有する拡散層を得るための条件を種々検討し、無色透明なプラスチック材料中に光散乱物質として白色粉体を分散するように混入するか、もしくはプラスチック材料の持つ屈折率とは異なった屈折率を有する透明体粒子を分散混入することにより80パーセント以上の高透過率を有する白色の拡散層が得られることが判った。
一方、散乱性能についても検討を行ない高透過率を示す条件範囲との両立範囲の見積を行なった。ここで、拡散層を透過する光の割合を全透過率とし、一定距離を隔てて同一サイズの投射光ファイバーと受光ファイバーを配置し、その間に拡散層を挿入したときの受光ファイバーに到達する光の割合を直進透過率として、拡散係数=(全透過率-直進透過率)/全透過率を定義し、散乱性能との相関を調査した。
この結果、拡散係数≧0.3を満足する拡散層であれば外観品質を満足し得る散乱性能が得られることが判った。合わせてこれらの検討結果から80パーセント以上の高透過率と拡散係数≧0.3を両立する白色拡散層が得られることが示された。
以下、具体的な実施例を図面を参照して説明する。
第7図は、この発明の太陽電池装置を腕時計に適用した場合の実施例4を説明するためのもので、太陽電池よりも正面側の構造を模式的に示した断面模式図である。
時計ケース41内にはガラス等の光透過性を有する基板42が固定されている。基板42の裏面には、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法で形成することにより太陽電池43が形成してある。
基板42の正面には、光学部材44および拡散層としての白色拡散層45が順次積層して配置してある。そして、白色拡散層45の正面を文字板として兼用することにより、太陽電池式腕時計が構成されている。
ここで、光学部材44としては高屈折率材料層を使用している。具体的には、光の屈折率2.3を有する酸化チタン薄膜を基板42上に膜厚60nm程度蒸発することにより、ほぼ25%の光の反射率を有する高屈折材料層を形成した。
第8図は、白色拡散層45の断面模式図である。白色拡散層45は、無色透明なプラスチック材料451、例えば、PMMA(メタクリル酸メチル)樹脂を使用し、その中に光散乱物質452、例えば、20ミクロン程度の粒径を有するPS(ポリスチレン)粒子を10重量%程度分散混入した後、0.25mmの厚さに成形することにより製作した。
ここで、PMMA、PSとも材料自身は透明であるため高い光の透過性を示し、さらに光の屈折率がPMMAは1.49、PSは1.59と異なることから、屈折率差による散乱が生じる。その結果、上記構造において透過率≒91%、拡散係数≒0.6の性能が得られ、拡散層として十分使用可能であった。
上記のようにして作成された太陽電池装置は、太陽電池43へのエネルギー供給と太陽電池43の遮蔽効果に加え、優れた外観品質を示すことが確認された。
この実施例4において、白色拡散層45は、光学部材44からの反射光を効率よく散乱させ、一様な外観色として外部から観察できるようにすることを主な目的としている。実際に、上記の構成により、可視域に波長依存性を有しないグレー色が外観色として認識され、腕時計の文字板として違和感なく使用できた。
なお、光学部材44と太陽電池43と間に、太陽電池43を遮蔽する機能を有した部材を追加挿入することにより、太陽電池43を一層効果的に遮蔽することができる。
また、上記の実施例4では、白色拡散層45を形成するプラスチック材料451としてPMMAを、光散乱物質452としてPSを選択したが、他の材料との組み合わせも勿論可能である。
例えば、PMMA中に分散混入する光散乱物質としては光の屈折率1.63のポリサルフォン、光の屈折率1.58のPET(ポリエチレンテレフタレート)などが使用できる。
また、上記実施例4とは逆に、光の屈折率が高い物質中に光の屈折率の低い物質を分散混入しても同様な効果は得られる。例えば、光の屈折率1.55?1.61のエポキシ樹脂の中に、光の屈折率1.46のPVAC(ポリ酢酸ビニル)を分散混入してもよい。
さらに、プラスチック材料中の光散乱物質の濃度、粒径などによって光の透過率,拡散係数は大きく変化する。この実施例4では、PMMAの中に分散混入するPSの濃度,粒径について検討し、濃度範囲を5?40重量%、粒径の範囲を5?50ミクロンに調整することによって、80%以上の光の透過率で、かつ0.3以上の拡散係数を同時に満足する白色拡散層45が得られた。このように光の透過率、拡散係数を変化させることにより、散乱性の強い白っぽいグレーから透明感の強いグレーまで広い範囲で外観表現が可能となる。
また、第7図において、光学部材44として高屈折率材料層の代わりに干渉フィルター層を形成した場合には、白色拡散層45の性能の違いが外観品質の違いとして一層明確に表現される。
すなわち、高屈折率材料層を用いた場合には、可視域に波長依存性のない反射光が白色拡散層45で散乱されて外部に出射されるため、白色拡散層45の透過特性が若干劣って白濁成分が重畳していても、結果としてあまり差がでない。これに対し、干渉フィルター層によって特定の色成分が反射される場合には、白色拡散層45の白濁成分があると濁ったきたない色となって観察されてしまう。
このために、カラー外観を表現する場合は、理想として散乱性能を有しながらほぼ100%近い光を透過する白色拡散層45が望ましいが、現実には界面反射などがあるため光を100パーセント透過することは不可能である。そこで、白色拡散層45は、可能な範囲でできるだけ高い透過率を示すことが望ましい。
実施例5
白色拡散層45に分散混入する光散乱物質452として白色粉体を用いた以外は、実施例1と同様にして太陽電池装置を構成した。
PMMAの中に白色粉体として10ミクロン程度の粒径を有する炭酸カルシウム粉末を0.5重量%混入した後、0.25mmの厚さに白色拡散層45を成形した。
この白色拡散層45を形成するプラスチック材料451は両面とも鏡面状態となっているが、分散混入した炭酸カルシウム粉末が白色で散乱性を有することから、全体としては白色外観を呈し、光の透過率≒85%,拡散係数≒0.5の特性が得られた。
この場合においても白色粉体の濃度,粒径,分散状態などを調整することにより、白色拡散層45としての特性を変更することができ、目的に合わせた白色拡散層45を製作できる。
上 記の参考例実施例4,5においては太陽電池装置を太陽電池式腕時計に適用した例を示したが、白色拡散層45の透過率,拡散係数を変化させることにより外観品質を任意に変えられるため、電卓、ラジオを始め太陽電池を駆動源とする種々の装置に応用することも可能である。」(18頁3行?22頁3行)

キ 第1、7、8図は、次のものである。


(4)本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-356206号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載がある。
ア 「【請求項1】バインダー中にビーズが分散した光拡散層と基材層とを備えた光拡散シートであって、
上記バインダーを構成する主ポリマーとしてシリコーン系樹脂が用いられており、
上記ビーズとして弾性シリコーンビーズが用いられていることを特徴とする光拡散シート。
【請求項2】上記ビーズとしてさらにフッ素架橋アクリルビーズが用いられている請求項1に記載の光拡散シート。」(特許請求の範囲)

イ 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に組み込まれるバックライトユニットに用いられる光拡散シート及びこの光拡散シートを用いた用いたバックライトユニットに関するものである。」

ウ 「【0006】【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の光拡散シート23は、光学性能が要求されるため、バインダー27、30を構成するポリマーにアクリル系樹脂や光拡散性の高いスチレン系樹脂が一般的に使用されており、ビーズ28、31としてアクリルビーズが一般的に使用されている。
【0007】かかるアクリル系樹脂やスチレン系樹脂が使用されたスティキング防止層29のバインダー30は硬度があまり高くないので、製造、運搬、保存等の際に上記光拡散シート23を複数枚重ねた場合やバックライトユニット20の組込時に凹凸を有するプリズムシート24等の上に重ねた場合、光拡散シート23表面に突出したビーズ28やプリズムシート24のプリズム部24aによって、光拡散シート23の裏面に傷が付きやく、取扱いが困難であった。
【0008】また、光拡散シート23の表面及び裏面に突出したビーズ28に用いるアクリルビーズが比較的硬いので、バックライトユニット20において、光拡散シート23の表面側及び裏面側に配設されるプリズムシート24の裏面及び導光板22の表面に傷を付けてしまうおそれがある。
【0009】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、重ねた場合でも相互に傷付け合うことがなく、かつ、表面側への出光率を増大させることができる光拡散シート及びこれを用いて輝度を高めたバックライトユニットの提供を目的とするものである。」

エ 「【0025】ビーズ6は、略球形であり、主に弾性シリコーンビーズが用いられており、拡散性に合わせてフッ素架橋アクリルビーズが配合される。ビーズ6は光拡散シート1を透過する光線量を多くするため透明とするのが好ましく、特に無色透明とするのが好ましい。
【0026】ビーズ6の粒径は、0.1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下が特に好ましい。これはビーズ6の粒径が上記範囲未満であると、光拡散効果が不十分となってしまい、逆に、粒径が上記範囲を越えると、光拡散層3を形成する樹脂組成物の塗工が困難となってしまうことからである。・・・
【0029】このビーズ8の平均粒子直径は、スティッキング防止の観点から、1μm以上30μm以下が好ましく、1μm以上15μm以下が特に好ましい。またビーズ8の配合量は比較的少量とし、ビーズ8は互いに離間してバインダー7中に分散し、ビーズ8の多くはその上端がバインダー7から突出している。スティッキング防止層4の厚み(ビーズ8を除いたバインダー7部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上10μm以下程度とされる。」

オ 図1は、次のものである。


(5)本願の出願前に頒布された刊行物である特開2000-193804号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の記載がある。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT,EL等の画像表示体等に好適に用いられ、特に、画像のギラツキ防止、コントラストの向上等の優れた防眩性を有し、かつ、耐薬品性、耐磨耗性に優れた防眩材料及びそれを使用した偏光フィルムに関するものである。」

イ 「【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術における上記した実情に鑑みてなされたもので、即ち、本発明の目的はディスプレイへの太陽光及び蛍光灯等の外部光の映り込みを防止した、優れた反射防止性や画像コントラストを低下させることなく、ギラツキ等のない鮮明な画像を得ることができる優れた防眩性を有し、かつ、優れた耐磨耗性、耐薬品性を示す、ディスプレイ、特に、フルカラー液晶ディスプレイに好適な防眩材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記防眩材料を使用した偏光フィルムを提供することにある。」

ウ 「【0027】上記の有機系顔料としては、屈折率が前述の範囲内にあるフィラーとして、架橋アクリルビーズが特に良好である。架橋アクリルビーズとしては、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリル系モノマーと過硫酸等の重合開始剤、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋剤を用い、懸濁重合法等により重合して得られる重合体及び共重合体からなる架橋アクリル系ビーズが好適に使用できる。特にアクリル系のモノマー成分として、メチルメタクリレートを使用した重合体が好ましい。この様にして得られた架橋アクリルビーズは球状で、給油性を示さないことから、粗面化層に使用した場合、優れた耐汚染性を発現できる。上記フィラーが透明マトリックス中で、凝集すると内部散乱により透明性が悪くなる。透明マトリックス中でのフィラーの分散性を良くするため、フィラーの表面をシリケート化合物やチタネート化合物等により表面処理したり、プラズマ処理等による表面改質を行ったり、更には、電子移動錯体等の分散剤を添加したりすることが望ましい。
【0028】また、フィラーの粒径及び粒度分布は、粗面化層表面の凹凸を緻密にコントロールする上で重要である。フィラーの粒子径D(JIS B9921)としては15.0μm以下が望ましく、粒度分布としては、0.5≦D≦6.0μmの範囲のものが60重量%以上、6.0<D≦10.0μmの範囲のものが30重量%未満、更に、10<D≦15.0μmの範囲のものが5重量%以下であることが望ましい。特に0.5≦D≦6.0μmの範囲のものが80重量%以上、6.0<D≦10.0μmの範囲のものが10重量%未満、10<D≦15.0μmの範囲のものは全く含まないことが好ましい。0.5≦D≦6.0μmの範囲にあるフィラーの重量%が60%未満の場合は、0.5μm未満の粒子が多くなるとディスプレイの防眩効果が悪くなり、逆に15μm以上のものが多くなるとギラツキを生じるおそれがある。また、6.0<D≦10.0μmの範囲にあるフィラーが30重量%以上もしくは、10<D≦15.0μmの範囲にあるフィラーが5重量%以上の場合は、ディスプレイの画像にギラツキが発生し易くなる。フィラーの配合量については、粗面化層における全固形分比で、0.5?30重量%の範囲が良い。特に1?15重量%の範囲が好ましい。配合量が0.5重量%未満では、防眩効果が不十分となり、30重量%を越えると、耐磨耗性や耐環境性等の耐久性が悪くなる。
【0029】本発明の粗面化層を形成する方法としては、例えば、上記で述べた紫外線、電子線、熱の何れか、もしくはこれらの組み合わせにより硬化する樹脂中に、架橋アクリルビーズ等のフィラーを入れ、水或は有機溶剤と共に、ペイントシェーカー、サンドミル、パールミル、ボールミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、超音波分散機等によって分散した塗料またはインキを、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、フレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷により透明基材の片面もしくは両面上に、直接或いは他の層を介し、単層もしくは多層に分けて設け、溶媒を含んでいる場合は、熱乾燥工程を経て、紫外線(紫外線の場合、光開始剤が必要)又は電子線照射により塗工層もしくは印刷層を硬化させることによって形成する方法等あげられる。尚、電子線による場合は、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50?1000KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線の場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。塗料、インクの塗工適性または印刷適性を向上させるために、必要に応じ、前記の樹脂マトリックスへの各種添加剤を適宜使用することができる。」

(6)本願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-340490号公報(以下「引用文献6」という。)には、以下の記載がある。
ア 「【請求項1】入射光を電気に変換する光電変換部を有する太陽電池モジュールの受光面であって、
前記光電変換部はシリコンを有し、
前記光電変換部以外の部位に絶縁性着色膜を有し、この絶縁性着色膜は光電変換部との色差を減少させている太陽電池モジュ-ル。
【請求項2】前記絶縁性着色膜は、バインダー中に顔料粒子が分散されている請求項1の太陽電池モジュ-ル。
【請求項3】前記絶縁性着色膜に分散されている顔料粒子として白色微粒子顔料を有する請求項1または2の太陽電池モジュール。
【請求項4】前記光電変換部は、非単結晶シリコン膜である請求項1?3のいずれかの太陽電池モジュール。
【請求項5】前記太陽電池モジュールの受光面の上層には拡散透過層を有する請求項1?4のいずれかの太陽電池モジュール。」(特許請求の範囲)

イ 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池を搭載した電子機器用途に代表される携帯型等の太陽電池モジュールに関し、より詳しくは、光起電力ディバイスとしての太陽電池モジュールが一体化された機器において、色調、特にデザイン上の調和を保ち、太陽電池搭載の違和感を感じさせない様な色調の太陽電池モジュールに関する。
【0002】【従来の技術】太陽電池は、乾電池等に代わる電源として種々の電子機器に利用されている。特に、電子卓上計算機、時計、携帯型電子機器(カメラ、携帯電話、民生用レーダー探知機)等といった低消費電力の電子機器では、太陽電池の起電力で十分駆動することができ、電池の交換を不要とし、半永久的に動作させることができると共に、環境面に対してもクリーンであるため、注目されている。」

ウ 「【0009】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高効率の発電能力を有し、しかもデザイン的に調和が保たれ、違和感がなく、デザイン設計の自由度を備え、屋外や屋内での温度、湿度等の環境の変化に対して安定であり、しかも寸法精度の高い太陽電池モジュールを提供することである。」

エ 「【0118】【発明の効果】以上のように本発明によれば、高効率の発電能力を有し、しかもデザイン的に調和が保たれ、違和感がなく、デザイン設計の自由度を備えた太陽電池モジュールを提供することができる。」

4 対比・判断
(1)引用発明と本願補正発明を対比する。
ア 引用発明の「光電変換素子」、「(光電変換素子の受光面を被覆する)表面保護層」、「エポキシ系樹脂」及び「光起電力装置」は、本願補正発明の「光電変換部」、「(光電変換部上に設けられた)保護層」、「樹脂」及び「太陽電池」にそれぞれ相当する。

イ 上記アによれば、本願補正発明と引用発明とは、
「光電変換部と、前記光電変換部上に設けられた保護層と、を備え、
前記保護層は、樹脂を含む太陽電池。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

本願補正発明の「保護層」は、「樹脂とは屈折率の異なる平均粒径6?15μmの架橋アクリルビーズ」を含み、「表面粗さRaが681?3000nm」であるのに対して、引用発明の「表面保護層」は、「無機系微粒子を含有し」、「前記無機系微粒子は、粒径約0.5μm?数μm程度のSiO_(2)パウダーであり」、「上記表面保護層に、上記SiO_(2)パウダーの含有率が約10%以上のエポキシ系樹脂を使用して、表面状態を表面粗さにして約1μm?約10μm程度の粗面状態とした」ものである点(以下「相違点」という。)

(2)判断
上記相違点について検討する。
ア 引用発明の「保護層」は、「ポリイミド系樹脂との親密性の向上」を図るために(上記3(1)イ)、エポキシ系樹脂に、「粒径約0.5μm?数μm程度のSiO_(2)パウダー」を含有するものであることに照らして、粒径約0.5μm?数μm程度のSiO_(2)パウダーに代えて、「樹脂とは屈折率の異なる平均粒径6?15μmの架橋アクリルビーズ」を採用することを想定できない。
また、「粒径約0.5μm?数μm程度のSiO_(2)パウダー」とは粒径の相違する「平均粒径6?15μmの架橋アクリルビーズ」を採用した上で、表面保護層の表面粗さRaを「681?3000nm」とすることも想定できない。
また、このように構成することが、当業者にとって容易に想到し得ると認めるに足る証拠は、引用文献1?6を通じてみても見いだすことができない。

イ そして、引用発明は、「光電変換に寄与する入射光の有効入射角範囲が拡がり、より多くの光を光電変換素子に導くことができる」(上記3(1)イ)ものであるが、本願補正発明は、上記相違点の構成とすることにより、「保護層の粒子により光を散乱させることによって光電変換部のパターンを外部から視認しにくくなるようにして美観を向上させたいという要望がある一方、この場合でも散乱によって変換効率が低下することは抑制したいという要望」(本願明細書 段落【0005】の【発明が解決しようとする課題】)を解決して「美観に優れ、かつ、変換効率が十分高い太陽電池が提供」(本願明細書 段落【0013】の【発明の効果】)するとの顕著な効果を奏するものであると認められる。
してみると、本願補正発明は、当業者が引用文献1?6の記載に基づいて、容易に発明をすることができたものということはできない。

したがって、本願補正発明は、特許法17条の2第6項の規定に適合する。

5 結び
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。

第3 本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1ないし4に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2014-02-25 
出願番号 特願2010-29057(P2010-29057)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
P 1 8・ 575- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 井上 徹  
特許庁審判長 江成 克己
特許庁審判官 畑井 順一
松川 直樹
発明の名称 太陽電池  
代理人 石坂 泰紀  
代理人 黒木 義樹  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 三上 敬史  

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