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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1285267
審判番号 不服2013-7415  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-22 
確定日 2014-03-18 
事件の表示 特願2008-230895「撮像装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 3月25日出願公開、特開2010- 66378、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成20年9月9日の出願であって、平成24年8月24日付けで手続補正がなされ、平成25年1月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年4月22日付けで拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされ、当審において、平成26年1月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年2月4日付けで手続補正がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし22に係る発明は、平成26年2月4日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「 【請求項1】
フォーカスレンズを含む撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換して画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段より順次取得される画像の焦点評価値が高い方に前記フォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作と、所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作と、を行う焦点検出手段と、
前記画像を取得する際の撮影シーンの状態を検出する状態検出手段とを備え、
前記焦点検出手段は、
前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出していない場合には、前記第1の焦点検出動作を行い、
前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記第2の焦点検出動作を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像から合焦すべき被写体を検出する被写体検出手段を更に備え、
前記撮影シーンの確定が検出された場合に行われる合焦状態の検出は、前記被写体検出手段により被写体が検出されている場合は当該検出された被写体に応じた位置へ前記フォーカスレンズを移動させてから行い、被写体が検出されていない場合は前記移動開始位置から行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記状態検出手段は、前記撮像手段により取得される画像間の輝度の変化を検出することで前記撮影シーンの状態を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記状態検出手段は、前記画像間の輝度の変化が閾値よりも大きい場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記画像間の輝度の変化が閾値よりも小さい場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記状態検出手段は、前記画像間の輝度の変化が第1の値である場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記画像間の輝度の変化が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項6】
前記状態検出手段は、前記撮像手段により取得される画像間の色の変化を検出することで前記撮影シーンの状態を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記状態検出手段は、前記画像間の色の変化が閾値よりも大きい場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記画像間の色の変化が閾値よりも小さい場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記状態検出手段は、前記画像間の色の変化が第1の値である場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記画像間の色の変化が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項9】
前記状態検出手段は、前記撮像装置の加速度を検出することで前記撮影シーンの状態を検出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記状態検出手段は、前記加速度が閾値よりも大きい場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記加速度が閾値よりも小さい場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記状態検出手段は、前記加速度が第1の値である場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記加速度が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項12】
前記状態検出手段は、前記撮像装置の角速度を検出することで前記撮影シーンの状態を検出することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記状態検出手段は、前記角速度が閾値よりも大きい場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記角速度が閾値よりも小さい場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項14】
前記状態検出手段は、前記角速度が第1の値である場合に前記撮影シーンが変化していることを検出し、前記角速度が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合に前記撮影シーンが確定したことを検出することを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項15】
前記状態検出手段は、前記焦点検出手段による前記合焦状態の変化を検出することで、前記撮影シーンの状態を検出することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記焦点検出手段は、前記撮影シーンの確定が検出され、前記第2の焦点検出動作によって合焦状態を検出した後、合焦状態に基づき前記第1の焦点検出動作を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記状態検出手段にて、前記撮影シーンが変化したと判断する閾値と、前記撮影シーンが確定したと判断する閾値は異なることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記焦点検出手段は、前記撮影シーンが確定した後、確定した前記撮影シーンの情報に基づき、前記フォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する範囲を限定することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記フォーカスレンズの移動開始位置では、絞りを絞ることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項20】
フォーカスレンズを含む撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換して画像を取得する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより順次取得される画像の焦点評価値が高い方に前記フォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作と、所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作と、を行う焦点検出ステップと、
前記画像を取得する際の撮影シーンの状態を検出する状態検出ステップとを備え、
前記焦点検出ステップは、
前記状態検出ステップにより前記撮影シーンの変化を検出していない場合には、前記第1の焦点検出動作を行い、
前記状態検出ステップにより前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記第2の焦点検出動作を行うことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項21】
撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータで読み取り可能なプログラムにおいて、
前記撮像装置の制御方法は、
フォーカスレンズを含む撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換して画像を取得する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより順次取得される画像の焦点評価値が高い方に前記フォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作と、所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作と、を行う焦点検出ステップと、
前記画像を取得する際の撮影シーンの状態を検出する状態検出ステップとを備え、
前記焦点検出ステップは、
前記状態検出ステップにより前記撮影シーンの変化を検出していない場合には、前記第1の焦点検出動作を行い、
前記状態検出ステップにより前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記第2の焦点検出動作を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21記載のプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。」(以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明1」、本願の請求項2に係る発明を「本願発明2」・・・のようにいい、すべてをまとめて「本願発明」という。)

第3 原査定の理由の概要
本願発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特開2006-208558号公報
刊行物2:特開平5-336427号公報
刊行物3:特開2006-301378号公報
刊行物4:特開2005-286427号公報
刊行物5:特開2006-113293号公報

第4 当審の判断
1 刊行物の記載事項
刊行物1には、図とともに次の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。
(1)「【請求項1】
被写体までの距離を測定する測距手段と、
前記測距手段による測距時の撮影条件を記憶する記憶手段と、
撮影された画像信号から顔検出情報を抽出する顔検出情報抽出手段と、
前記顔検出情報と前記撮影条件に基づく判定を行う判定手段とを備え、
前記判定手段の判定結果に応じて、前回撮影時の撮影条件をそのまま用いて撮影する動作と新たに測距動作を行い撮影条件を再設定して撮影する動作とを切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記顔検出情報とは、顔の数、位置、大きさのうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮影条件とは、少なくともレンズのズーム位置を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置は連続して撮影が可能な連写モードを有し、撮影時に連写モードを含む所定の設定にあるときに、請求項1から3のいずれかに記載の動作をすることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記顔検出情報と前記撮影条件に基づき、以前に行われた撮影からシーンが変化したか否かを判定するものであって、前記判定手段により前回の撮影時からシーンが変化していないと判定された場合には前回撮影時の撮影条件をそのまま用いて撮影を行い、変化していると判定された場合には新たに測距動作を行い撮影条件を再設定して撮影を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。」

(2)「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の顔検出技術を用いた自動焦点調整に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラでは、撮像素子に結像した被写体像の輝度信号の高周波成分が最大となるレンズ位置を合焦位置として、焦点調節を行うコントラスト検出方式(スキャン方式あるいは山登り方式とも言う)の焦点調整装置が採用されることが多いが、高倍率、高画素化に伴いAF精度とスピードの両立が困難になってきている。
【0003】
そこで、現在の撮影と前回の撮影の条件が同じであるかどうかを判定し、同じであると判定された場合には、前回撮影時の合焦フォーカスレンズ位置を含む狭い範囲をスキャンすることで合焦動作時間の短縮を図る方法がある。この方法は、同一距離の被写体を繰り返し撮影する場合や、被写体を追尾しながら合焦動作を行うなどした場合に特に有効である。
【特許文献1】特開2004-102135
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に示した特許文献における発明では、現在の撮影条件が、前回の撮影条件と同じであった場合にはスキャン範囲を狭く設定するため、合焦動作時間は短縮されるが、それでも再度スキャンを行う時間が必須となっている。したがって、例えば連続して撮影を行う連写モードにおいては、連写1枚目のフォーカスレンズ位置のままでの撮影となるか、または合焦動作時間よりも長い連写間隔の撮影となる。
【0005】
また、前回撮影時と全く同一シーンで被写体距離の変化もなければ、前回撮影時のフォーカスレンズ位置のままでスキャンによる合焦動作を省略してもフォーカスに問題はないが、撮影時の明るさや撮影モード設定などの各種撮影条件のみでは、スキャンの省略が可能かどうかの判定が困難であるため、スキャン動作省略による高速化に対しては不十分である。
【0006】
さらに、異なる撮影対象が前回撮影時と同一の焦点調節エリアに存在した場合は、前回撮影時と主被写体が異なるにも関わらず、同一の主被写体として判定してしまうおそれもある。撮影条件の判定の精度を高めようとすれば、必然的に撮影条件の変化に対する条件を厳しくすることが求められる。しかしながら、ちょっとした被写界の変化ですら撮影条件が変化したと判断してしまうようであれば、合焦動作時間の短縮という効果を達成することは困難であり、実用的とは言い難い。
【0007】
そこで本発明では、撮影画像に対して顔検出を行い、前回の撮影と今回の撮影における顔検出情報により同一シーンであるかを判定することで、同一シーンと判定された場合にはフォーカスレンズ位置を前回撮影位置へ制御してスキャン動作を省略し、シーンが変化してスキャンが必要な場合にはスキャン動作を行うことにより、不必要なスキャン動作を省略し、レリーズタイムラグの短縮を図った自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し目的を達成する為に本発明の撮像装置は、被写体までの距離を測定する測距手段と、前記測距手段による測距時の撮影条件を記憶する記憶手段と、撮影された画像信号から顔検出情報を抽出する顔検出情報抽出手段と、前記顔検出情報と前記撮影条件に基づく判定を行う判定手段とを備え、 前記判定手段の判定結果に応じて、前回撮影時の撮影条件をそのまま用いて撮影する動作と新たに測距動作を行い撮影条件を再設定して撮影する動作とを切り替えることを特徴とする撮像装置。
【0009】
また、上記課題を解決し目的を達成する為に本発明の撮像装置の制御方法は、被写体までの距離を測定する測距行程と、前記測距行程による測距時の撮影条件を記憶する記憶行程と、撮影された画像信号から顔検出情報を抽出する顔検出情報抽出行程と、前記顔検出情報と前記撮影条件に基づく判定を行う判定行程とを備え、前記判定行程の判定結果に応じて、前回撮影時の撮影条件をそのまま用いて撮影する動作と新たに測距動作を行い撮影条件を再設定して撮影する動作とを切り替えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子カメラによれば、顔検出情報と撮影条件により同一シーンであるかを判定し、同一シーンと判定された場合にはフォーカスレンズ位置を前回撮影位置へ制御して測距動作を省略し、シーンが変化して測距が必要な場合には測距動作を行うことにより、不必要な測距動作を省略し、レリーズタイムラグの短縮を図ることが可能となる。
【0011】
特に連写時においては、連写1枚目のフォーカスレンズ位置のままでよい同一シーンの場合には連写間隔を短くでき、シーンが変化した場合には測距動作を行い合焦状態を保つことが可能となる。」

(3)「【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施例を適用した電子カメラの構成を示すブロック図である。
【0014】
101はズーム機構を含む撮影レンズ、102は光量を制御する絞り及びシャッター、103は自動露出(これよりAEという)処理を行うAE処理部、104は後述する撮像素子上に焦点をあわせるためのフォーカスレンズである。105は自動合焦(これよりAFという)処理を行うAF処理部、106はストロボ、107はストロボ106の発光制御を行うEF処理部である。108は光電変換機能を有するCCDやCMOS等の撮像素子、109は撮像素子108の出力ノイズを除去するCDS回路やA/D変換前に行う非線形増幅回路を含むA/D変換部、110はA/D変換部でデジタルに変換された画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部、111は画像データに対してホワイトバランス(これよりWBという)処理を行うWB処理部、112は画像処理部110で処理を施された画像のフォーマットを変換するフォーマット変換部、113は例えばランダムアクセスメモリ等の高速な内蔵メモリであるDRAM、114はメモリーカードなどの記録媒体とそのインターフェースからなる画像記録部である。115は撮影シーケンスなどシステムを制御するシステム制御部、116は画像表示用メモリであるビデオRAM(これよりVRAMという)、117は画像表示の他、操作補助のための表示やカメラ状態の表示に加え、撮影時には撮影画面と測距領域を表示する操作表示部、118はカメラを外部から操作するための操作部、119はカメラの姿勢を検出する検出手段としての姿勢検出センサ、120はシステムに電源を投入するためのメインスイッチ、121はプログラム、風景、ポートレート、パンフォーカスなどの撮影モードを設定する撮影モードスイッチ、122はAFやAE等の撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチ(これよりSW1という)、123はSW1の操作後、撮影を行う撮影スイッチ(これよりSW2という)、124は1枚撮影・連続撮影・セルフタイマーなどの設定を行うドライブモードスイッチ、125は顔検出処理部である。
【0015】
DRAM113は一時的な画像記憶手段としての高速バッファメモリとして、あるいは画像の圧縮伸張における作業用メモリなどに使用される。操作部118は、例えば、撮像装置の撮影機能や画像再生時の設定などの各種設定を行うメニュースイッチ、撮影レンズのズーム動作を指示するズームレバー、撮影モードと再生モードの動作モード切替スイッチ、などのことをいう。」

(4)「【0048】
次に、図2のフローチャートにおけるステップS205のAF動作について、図7のフローチャートを基に説明する。なお、AF動作は撮像素子から得られる信号の高域成分(以下、焦点評価値と記す)のピーク検出により行われる。
【0049】
ステップS601にて、前回撮影時と今回の撮影における顔検出結果、及び撮影条件情報を、DRAM113より取得する。なお、ここでの撮影条件情報とは少なくともズーム位置情報を含む。
【0050】
ステップS602では、ステップS601にて取得した顔検出結果、及び撮影条件情報により、前回撮影時と同一シーンであるかどうかを判定する。なお、ここで行われる前回撮影と同一シーンであるかどうかの判定は、顔の数に関する情報、顔の位置に関する情報、顔の大きさに関する情報のうち少なくとも一つ以上を含む情報と、ズーム位置情報により判定される。
【0051】
前回撮影時と同一シーンであると判例され、かつ前回撮影時の測距結果が合焦であった場合には、ステップS603へ進み、そうでなければステップS604へ進む。
【0052】
ステップS603では、フォーカスレンズ104を前回撮影時と同じ位置に設定する。そして設定後、AF動作処理ステップを終了する。
【0053】
ステップS604では、フォーカスレンズ104の駆動に関する設定を行う。具体的には、スキャン開始位置、スキャン終了位置、スキャン方向、サンプリング時のレンズ移動量などの設定を行う。
【0054】
ステップS605では、ステップS604で設定したスキャン開始位置にフォーカスレンズ104を移動する。
【0055】
ステップS606では、焦点評価値とフォーカスレンズ104の位置を、DRAM113に記憶する。なお、フォーカスレンズ104の位置の検出はステッピングモータにより駆動している場合には、図示しないフォトインタラプタによってリセット位置からの相対位置として検出される。
【0056】
ステップS607では、レンズ位置がスキャン終了位置にあるかどうかを調べ、終了位置であればステップS609へ、そうでなければステップS608へ進む。
【0057】
ステップS608では、フォーカスレンズ104をステップS604で設定した所定方向へ、所定量移動し、再びステップS606へと進む。
【0058】
ステップS609ではステップS606で記憶した焦点評価値において、所定値以上の焦点評価値のものがあれば、すなわち合焦しているものがあれば、その中から合焦率が最も高い最大値を示す値を求め、その時のフォーカスレンズ104の位置を抽出する。また、ステップS606で記憶した焦点評価値において、所定値以上の焦点評価値がない場合、すなわち非合焦の場合は、定点と呼ばれる予め設定された位置へフォーカスレンズ104を移動する。
【0059】
ステップS610では、ステップS609で求まった焦点評価値が最大値を示した位置へフォーカスレンズ104を移動する。
【0060】
ステップS611では、今回のAF動作における合焦/非合焦の結果やカメラの設定情報、被写体情報などの撮影条件情報を、DRAM113に記憶する。
【0061】
次に、図2のフローチャートにおけるステップS207の撮影動作について、図8のフローチャートを基に説明する。
【0062】
ステップS701では測光動作すなわち、被写体輝度の測定を行う。
【0063】
ステップS702では、ステップS701での測光結果に応じて、撮像素子108への露光を行う。
【0064】
ステップS703では、ステップS702にて、撮像素子面上に結像された像は光電変換されてアナログ信号となり、A/D変換部109で出力ノイズ除去や非線形処理などの前処理の後にデジタル信号に変換される。
【0065】
ステップS704では、A/D変換部109からの出力信号をWB処理部111に送りWB処理を行い(審決注:原文は「WB処理処理を行い」となっているが、明らかな誤記と認められるので、訂正して摘記した。)、処理された信号に対して画像処理部110で調整を行い、適正な出力画像信号とする。
【0066】
ステップS705ではステップS704で得られた出力画像信号をフォーマット変換部112でJPEGフォーマット等への画像フォーマット変換を行い、DRAM113に一時的に記憶する。
【0067】
ステップS706では、ステップS705にてDRAM113に一時的に記憶された画像データを画像記録部114にてカメラ内のメモリ、またはカメラに装着されたメモリーカード等の外部記憶媒体へと転送し記憶する。」

(5)「【0075】
(第2の実施形態)
本実施の形態の動作を図12のフローチャート図を用いて説明する。第1の実施形態と同じ処理を行うステップには図2と同じ番号が割り当てられる。
【0076】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態が単写時の撮影処理であるのに対して、本実施形態では、連写時の撮影処理であるという点である。
【0077】
フローチャートにおいてはステップS207までは同じであるので、図12のステップS308以降の処理についての説明を行う。
【0078】
ステップS308では、ドライブモードスイッチ124による設定が連続撮影を行う連写モードであるか調べ、連写モードであればステップS309へ進み、そうでなければそのまま撮影を終了する。
【0079】
ステップS309では、SW2が押され続けているか判定を行う。もしSW2が押され続けていれば、ステップS203へ戻り処理を繰り返す。また、ステップS309にてSW2が押し続けていなければ、撮影を終了する。
【0080】
以上のように本実施形態では、撮影モードが連写モードかそうでないかの判別を行い、連写モードであった場合には、再び第1の実施形態の処理を繰り返すことによって、同一シーンであった場合は一枚の撮影ごとに画像をスキャンする手間を省きレリーズタイムラグの短縮を可能にする。」

上記(1)ないし(5)から、刊行物1には、
「デジタルカメラ、デジタルビデオカメラで採用されることが多い、コントラスト検出方式、スキャン方式あるいは山登り方式とも呼ばれる、撮像素子に結像した被写体像の輝度信号の高周波成分が最大となるレンズ位置を合焦位置として焦点調節を行う方式の焦点調整装置においては、高倍率、高画素化に伴いAF精度とスピードの両立が困難になってきており、
そこで、現在の撮影と前回の撮影の条件が同じであるかどうかを判定し、同じであると判定された場合には、前回撮影時の合焦フォーカスレンズ位置を含む狭い範囲をスキャンすることで合焦動作時間の短縮を図る方法が開発されたが、
前記狭い範囲をスキャンする方法では、
現在の撮影条件が前回の撮影条件と同じであった場合には合焦動作時間は短縮されるが、それでも再度スキャンを行う時間が必須となるため、例えば連続して撮影を行う連写モードにおいては、連写1枚目のフォーカスレンズ位置のままでの撮影か、または合焦動作時間よりも長い連写間隔の撮影となってしまい、
また、前回撮影時と全く同一シーンで被写体距離の変化もなければスキャンによる合焦動作を省略して前回撮影時のフォーカスレンズ位置のままでもフォーカスに問題はないが、撮影時の明るさや撮影モード設定などの各種撮影条件のみでは前回撮影時と全く同一シーンかどうかの判定が困難で、必ずしもスキャンの省略ができないため不十分な高速化しかできず、
さらに、異なる撮影対象が前回撮影時と同一の焦点調節エリアに存在すると前回撮影時と主被写体が異なるにも関わらず同一の主被写体として判定してしまうおそれがあるので、これを避けるために撮影条件の変化に対する条件を厳しくして判定の精度を高めようとすれば、ちょっとした被写界の変化ですら撮影条件が変化したと判断してしまって、合焦動作時間の短縮という効果を達成することが困難になるので、
これらの課題を解決するため、
前記デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置を、
被写体までの距離を測定する測距手段と、前記測距手段による測距時の撮影条件を記憶する記憶手段と、撮影された画像信号から顔検出情報を抽出する顔検出情報抽出手段と、前記顔検出情報と前記撮影条件に基づく判定を行う判定手段とを備え、
前記判定手段の判定結果に応じて、前回撮影時の撮影条件をそのまま用いて撮影する動作と新たに測距動作を行い撮影条件を再設定して撮影する動作とを切り替えるように構成し、
具体的には、前記撮像装置を、例えば、ズーム機構を含む撮影レンズ、絞り及びシャッター、AE処理部、撮像素子上に焦点をあわせるためのフォーカスレンズ、自動合焦処理を行うAF処理部、ストロボ、EF処理部、光電変換機能を有するCCDやCMOS等の撮像素子、A/D変換部、画像処理部、WB処理部、フォーマット変換部、DRAM、画像記録部、システム制御部、VRAM、操作表示部、操作部、姿勢検出センサ、メインスイッチ、撮影モードスイッチ、AFやAE等の撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチ、撮影スイッチ、1枚撮影・連続撮影等の設定を行うドライブモードスイッチ、顔検出処理部から構成される電子カメラとし、
前記撮像素子面上に結像された像を光電変換してアナログ信号とし、前記A/D変換部で出力ノイズ除去や非線形処理などの前処理の後にデジタル信号に変換し、前記A/D変換部からの出力信号を前記WB処理部でWB処理し、処理された信号に対して前記画像処理部で調整を行い、適正な出力画像信号とし、
ドライブモードが1枚撮影モード及び連続撮影モードのいずれの場合においても、
AF動作は前記撮像素子から得られる信号の高域成分である焦点評価値のピーク検出により行い、
前回撮影時と今回の撮影における顔検出結果、及び、少なくともズーム位置情報を含む撮影条件情報を前記DRAMより取得し、
取得した顔検出結果及び撮影条件情報を用い、顔の数に関する情報、顔の位置に関する情報、顔の大きさに関する情報のうち少なくとも一つ以上を含む情報とズーム位置情報とにより、前回撮影時と同一シーンであり、かつ前回撮影時の測距結果が合焦であったかどうかを判定し、
前回撮影時と同一シーンであると判定された場合には、前記フォーカスレンズを前回撮影時と同じ位置に設定し、設定後AF動作を終了し、
前回撮影時と同一シーンであると判定されなかった場合には、フォーカスレンズのスキャン開始位置、スキャン終了位置、スキャン方向、レンズ移動量などを設定し、フォーカスレンズを設定したスキャン開始位置に移動し、設定したスキャン方向へ設定した移動量ずつ移動しながら焦点評価値とフォーカスレンズの位置を前記DRAMに記憶し、レンズ位置が設定したスキャン終了位置に達し、かつ前記記憶した焦点評価値において所定値以上のもの、すなわち合焦しているものがあれば、その中から合焦率が最も高い最大値を求め、その時のフォーカスレンズの位置を抽出し、求まった焦点評価値が最大値を示した位置へフォーカスレンズを移動し、今回のAF動作における合焦/非合焦の結果やカメラの設定情報、被写体情報などの撮影条件情報を、DRAMに記憶するようにし、
このようにして不必要な測距動作を省略したことにより、レリーズタイムラグの短縮を図ることを可能とし、特に連写時においては、連写1枚目のフォーカスレンズ位置のままでよい同一シーンの場合には連写間隔を短くでき、シーンが変化した場合には測距動作を行い合焦状態を保つことを可能とした、
撮像装置。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

2 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「フォーカスレンズ」、「『ズーム機構を含む撮影レンズ』及び『フォーカスレンズ』」、「結像された像」、「出力画像信号」、「撮像素子」、「焦点評価値」、「『合焦動作』、『AF動作』」、「スキャン」、「シーン」、「顔検出情報と撮影条件に基づく判定を行う判定手段」、「スキャン開始位置」及び「撮像装置」は、それぞれ、本願発明1の「フォーカスレンズ」、「フォーカスレンズを含む撮影レンズ」、「結像された被写体像」、「画像」、「撮像手段」、「焦点評価値」、「焦点検出動作」、「『フォーカスレンズ』の『光軸方向』への『移動』」「撮影シーン」、「状態検出手段」、「移動開始位置」及び「撮像装置」に相当する。

(2)本願発明の「焦点検出手段」は、「撮像手段より順次取得される画像の焦点評価値が高い方にフォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作と、所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作と、を行う」ものであり、焦点調節又は合焦処理を行う手段であるので、引用発明の「『焦点調整装置』、『自動合焦処理を行うAF処理部』」は、本願発明の「焦点検出手段」に相当する。

(3)引用発明の「撮像装置(撮像装置)」は、例えば、「フォーカスレンズを含む撮影レンズ(ズーム機構を含む撮影レンズ及びフォーカスレンズ)」、「撮像手段(撮像素子)」等から構成される電子カメラであり、前記「撮像手段(撮像素子)」面上に「結像された被写体像(結像された像)」を光電変換してアナログ信号とし、A/D変換部で出力ノイズ除去や非線形処理などの前処理の後にデジタル信号に変換し、前記A/D変換部からの出力信号をWB処理部でWB処理処理し、処理された信号に対して画像処理部で調整を行い、適正な「画像(出力画像信号)」としており、前記「結像された被写体像(結像された像)」が「フォーカスレンズを含む撮像レンズ(ズーム機構を含む撮影レンズ及びフォーカスレンズ)」により「撮像手段(撮像素子)」面上に結像されたものであることは当業者には明らかであるから、引用発明の「撮像手段」と、本願発明1の「撮像手段」とは、「フォーカスレンズを含む撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換して画像を取得する」点で一致する。

(4)引用発明の「焦点検出動作(AF動作)」は、「撮像手段(撮像素子)」から得られる信号の高域成分である「焦点評価値(焦点評価値)」のピーク検出により行うものであり、具体的には、「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の「移動開始位置(スキャン開始位置)」、「移動(スキャン)」終了位置、「移動(スキャン)」方向、レンズ移動量などを設定し、「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」を設定した「移動開始位置(スキャン開始位置)」に移動し、設定した「移動(スキャン)」方向へ設定した移動量ずつ移動しながら「焦点評価値(焦点評価値)」と「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の位置をDRAMに記憶し、レンズ位置が設定した「移動(スキャン)」終了位置に達し、かつ前記記憶した「焦点評価値(焦点評価値)」において所定値以上のもの、すなわち合焦しているものがあれば、その中から合焦率が最も高い最大値を求め、その時の「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の位置を抽出し、求まった「焦点評価値(焦点評価値)」が最大値を示した位置へ「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」を移動し、今回の「焦点検出動作(AF動作)」における合焦/非合焦の結果やカメラの設定情報、被写体情報などの撮影条件情報を、DRAMに記憶するようにすることを含むものである。
また、前記「焦点検出動作(AF動作)」が「焦点検出手段(焦点調整装置又は自動合焦処理を行うAF処理部)」により行われることは当業者には明らかである。
よって、引用発明の「焦点検出手段」と本願発明1の「焦点検出手段」とは、「所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら焦点評価値を取得し合焦状態を検出する焦点検出動作を行う」点で一致する。

(5)引用発明の「状態検出手段(顔検出情報と撮影条件に基づく判定を行う判定手段)」は、前回撮影時と今回の撮影における顔検出結果、及び、少なくともズーム位置情報を含む撮影条件情報をDRAMより取得し、取得した顔検出結果及び撮影条件情報を用い、顔の数に関する情報、顔の位置に関する情報、顔の大きさに関する情報のうち少なくとも一つ以上を含む情報とズーム位置情報とにより、前回撮影時と同一「撮影シーン(シーン)」であり、かつ前回撮影時の測距結果が合焦であったかどうかを判定するから、本願発明1の「状態検出手段」と、「画像を取得する際の撮影シーンの状態を検出する」点で一致する。

(6)引用発明の「焦点検出手段(『焦点調整装置』、『自動合焦処理を行うAF処理部』)」は、「状態検出手段(顔検出情報と撮影条件に基づく判定を行う判定手段)」により、前回撮影時と今回の撮影における顔検出結果、及び、少なくともズーム位置情報を含む撮影条件情報をDRAMより取得し、取得した顔検出結果及び撮影条件情報を用い、顔の数に関する情報、顔の位置に関する情報、顔の大きさに関する情報のうち少なくとも一つ以上を含む情報とズーム位置情報とにより、前回撮影時と同一「撮影シーン(シーン)」であり、かつ前回撮影時の測距結果が合焦であったかどうかを判定し、前回撮影時と同一「撮影シーン(シーン)」であると判定されなかった場合には、「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の「移動開始位置(スキャン開始位置)」、「移動(スキャン)」終了位置、「移動(スキャン)」方向、レンズ移動量などを設定し、「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」を設定した「移動開始位置(スキャン開始位置)」に移動し、設定したスキャン方向へ設定した移動量ずつ移動しながら「焦点評価値(焦点評価値)」と「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の位置を前記DRAMに記憶し、レンズ位置が設定した「移動(スキャン)」終了位置に達し、かつ前記記憶した「焦点評価値(焦点評価値)」において所定値以上のもの、すなわち合焦しているものがあれば、その中から合焦率が最も高い最大値を求め、その時の「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」の位置を抽出し、求まった「焦点評価値(焦点評価値)」が最大値を示した位置へ「フォーカスレンズ(フォーカスレンズ)」を移動し、今回の「焦点検出動作(AF動作)」における合焦/非合焦の結果やカメラの設定情報、被写体情報などの撮影条件情報を、DRAMに記憶するようにすることを含むものであるから、本願発明1の「焦点検出手段」と、「状態検出手段により撮影シーンの変化を検出した場合に、フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記焦点検出動作を行う」点で一致する。

(7)上記(1)ないし(6)からみて、本願発明1と引用発明とは、
「フォーカスレンズを含む撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換して画像を取得する撮像手段と、
所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記撮像手段より取得される焦点評価値を取得し合焦状態を検出する焦点検出動作を行う焦点検出手段と、
前記画像を取得する際の撮影シーンの状態を検出する状態検出手段とを備え、
前記焦点検出手段は、
前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記焦点検出動作を行う撮像装置。」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点1:
前記「焦点検出手段」が、
本願発明1では、「前記撮像手段より順次取得される画像の焦点評価値が高い方に前記フォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作と、所定のスキャン範囲で前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら前記焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作と、を行う」のに対して、
引用発明では、前記「第1の焦点検出動作」は行わない点。

相違点2:
前記「焦点検出手段」が、
本願発明1では、「前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出していない場合には、前記第1の焦点検出動作を行い、前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから前記フォーカスレンズの移動を開始して、前記第2の焦点検出動作を行う」のに対して、
引用発明では、前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出していない場合には、前記フォーカスレンズを前回撮影時と同じ位置に設定してスキャン動作を省略し、さらに、前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、その後、前記撮影シーンが確定したことの検出は行わずに、前記フォーカスレンズの移動を開始して、焦点検出動作を行う点。

3 判断
上記相違点2について検討する。
(1)刊行物2に記載された技術的事項及び当該技術的事項に基づく容易想到性
刊行物2には、次のアないしエの事項が記載されている。
ア この発明は、カメラ一体型VTR等の焦点調節装置に関し、現在、カメラ一体型VTR等に用いられている焦点調節装置は、映像信号のうち輝度信号の中高域成分の量が合焦の度合いに対応していることを利用し、この量が常に最大となるように焦点調節用のレンズ(以下、「フォーカスレンズ」という)をモーターで位置制御する、いわゆる山登りオートフォーカス方式が主流となっているが、この方式は、簡便で高精度である反面、焦点情報を映像信号から得ていることにまつわる様々な問題点を有しており、その内の一つに、合焦状態からシーン変化を検出して再び合焦動作を行なう、いわゆる再起動に係わる問題があり、この発明はこの再起動動作を的確に行なって、新たな合焦位置に誤りなく速やかにフォーカスレンズを移動可能な焦点調節装置を得んとするものであること(【0001】、【0002】)。
イ 山登り方式によるオートフォーカス動作を説明すると、ズームレンズ1によって撮影された被写体像は、絞りによって明るさが調整され、CCDによって光量の多少が電圧の高低に変換されてカメラ信号処理回路に送られ、カメラ信号処理回路は、この電圧信号を輝度信号と色信号とからなる映像信号と成して出力し、輝度信号は焦点検出回路に導かれ、まずHPFによって合焦の度合に対応する中高域の周波数成分信号が抽出され、次に、増幅回路により所定の振幅に増幅されるとともに、半波整流により正の半波のみが取り出され、次に、LPFにより不要な高域周波数成分が除かれ、検波回路により包絡線検波されてなだらかな波形の信号となり、次に、この信号はA/Dコンバータによりデジタル信号とされ、加算回路によって1画面の中央に設定されたフォーカス検出領域の範囲にわたって累積加算され、この累積加算値は焦点の合具合いを示す指標となるので焦点評価値と呼ばれ、このように、焦点評価値は輝度信号の中高域周波数成分の積分値であり、この中高域周波数成分は撮影像のコントラストと対応しているので、コントラスト最大、すなわち焦点評価値が最大のとき合焦状態にあり、不合焦となるに従い小さな値となり、したがって焦点評価値は、フォーカスレンズ位置をパラメータとすると、合焦位置を頂点とする山形の特性を示すこと(【0007】ないし【0009】)。
ウ 焦点評価値がフォーカス制御回路に送られ、フォーカス制御回路は、まず最初に、パルスモータドライバに指令してパルスモータを駆動しフォーカスレンズを光軸方向の前後いずれかに進退させ、焦点評価値が増加すれば最初の駆動方向を維持し、減少すれば反転させることで合焦の方向を判断し、更に焦点評価値が増加する方向にフォーカスレンズの駆動を保持し、減少に転じた状態をもって合焦位置を行き過ぎたことを検知して停止し、駆動方向を反転し、そして焦点評価値が最大を示した位置にフォーカスレンズを移動させ停止することにより山登り方式の基本動作が達成されること、そしてシーン変化により焦点評価値が増減するのを検知して、上記山登り動作を繰り返すことで常に被写体に合焦させておくことが可能となり、オートフォーカス動作が達成されること、及び、再起動動作とは、山登りオートフォーカス動作による合焦1から、シーン変化による被写体の変化を検知して再び山登りオートフォーカス動作を実行し合焦2を得るものであること(【0010】、【0011】)。
エ 焦点検出回路によって検出された焦点評価値はフィールド間での値のばらつきを含んでいるので、まず平均回路で各フレーム毎に、そのフレーム内の2フィールドの平均値を得、この平均化された焦点評価値をe’とし、次に差分回路で隣合うフレーム間のe’の差分を計算し、この差分値をfとし(すなわち、e’=(e_(2m)+e_(2m+1))/2、f = e’_(n)-e’_(n-1)、ここでm、nは整数)、e’の差分値を得ることはe’を時間で微分することであり、e’にHPF処理を施すことと等価であるから、差分値fは焦点評価値の比較的速い変動成分に対応し、次に、fを大小判別回路で手振れ等の外乱による焦点評価値の振動を考慮して予め設定しておいた第1のしきい値と比較し、ここで、大小判別回路はfがしきい値より大きかった場合“H”、小さかった場合“L”となる判別信号gを出力し、別に、再起動判定回路は合焦時点での焦点評価値をメモリに記憶しておき、現時点の焦点評価値と合焦時点の焦点評価値との差が予め定めた第2のしきい値(Δe)より大きければ時間の計測を始め、この時間は予め定めた第3のしきい値まで計測されるが、判別信号gが“H”のままであれば、インバータによって論理が反転されて“L”となるので、ANDによって変化が打ち消され、すなわち、焦点評価値がまだ大きく変化している最中ということで、再起動動作を行なわず、判別信号gが“H”から“L”に変化するタイミングまで再起動の指令を遅らせる、すなわち、信号lは既に“H”となっているので、判別信号gが“L”(反転されるので“H”)になればANDの出力が“H”となって、再起動信号が“H”となって再起動動作が行われるが、判別信号gが“L”であることは、差分値fが小さく、シーン変化による焦点評価値の変動が収まり定常状態にあることを意味するので、山登り方式による合焦動作を開始しても変動分に迷わされて方向判断等を誤ることはないと判断されること(【0025】ないし【0028】)。

上記アないしエのように、刊行物2には、「シーン変化による焦点評価値の変動」を検出するまでは「山登り方式による合焦動作」の再起動を行わず、「シーン変化による焦点評価値の変動」を検出し、その後「シーン変化による焦点評価値の変動」の収まりを検出してから「山登り方式による合焦動作」を再起動することが記載されている。ここで、刊行物2の「『シーン変化による焦点評価値の変動』の『検出』」、「山登り方式による合焦動作」、「『シーン変化による焦点評価値の変動』の『収まり』の『検出』」は、それぞれ本願発明1の「『撮影シーンの変化』の『検出』」、「撮像手段より順次取得される画像の焦点評価値が高い方にフォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作」、「『撮影シーン』の『確定』の『検出』」に相当すると認められるから、刊行物2には、「撮影シーンの変化を検出していない場合には焦点検出動作を行わず、撮影シーンの変化を検出した場合に、その後、撮影シーンが確定したことが検出されてから、撮像手段より順次取得される画像の焦点評価値が高い方にフォーカスレンズを移動させながら合焦状態を検出する第1の焦点検出動作を行う」こと(以下「刊行物2に記載された技術的事項」という。)が記載されているといえる。
してみれば、引用発明に刊行物2に記載された技術的事項を適合させたとしても、せいぜい、引用発明が「状態検出手段により撮影シーンの変化を検出していない場合には、フォーカスレンズを前回撮影時と同じ位置に設定してスキャン動作を省略し、前記状態検出手段により前記撮影シーンの変化を検出した場合に、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから、前記フォーカスレンズの移動を開始して、第1の焦点検出動作を行う」という構成を備えたものとなるに止まり、相違点2に係る本願発明1の構成を備えたものとはならない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到することができたことであるということはできない。

(2)刊行物3に記載された技術的事項及び当該技術的事項に基づく容易想到性
刊行物3には、次のアないしエの事項が記載されている。
ア 「本発明の実施例2である撮像装置の動作フローは、実施例1とは、合焦度が『低い』と判定された場合の処理が異なるが、他の処理は、実施例1で同じ番号が付されたステップの処理と同じであり、また、本実施例の撮像装置の構成は、基本的には実施例1の撮像装置の構成と同様であるが、但し、本実施例は、撮像装置の振れを検出する、加速度センサ、角速度センサ等の振れ検出センサを備えた場合にも適用する」ことができること(【0080】)。
イ 「合焦度が『低い』と判定した場合、シーン変化判定を行い、その結果、シーン変化があったと認められた場合は、静止画記録用のスキャンAF処理におけるスキャン範囲と同じ無限遠端から至近端の全域でのフォーカスレンズユニットのスキャン駆動(全域スキャン)を行う、すなわち、無限遠端に相当する位置からそのときに設定されている撮影モードでの至近端に相当する位置までフォーカスレンズユニットを移動させながら所定のスキャン間隔でAF評価値を取得し、その結果から合焦位置を求めるが、但し、単純に全域スキャンを行うのではなく、スキャン駆動の途中で合焦位置を確定できたと判定した場合は、その時点でスキャン駆動を終了する」こと(【0081】、【0082】)。
ウ 「シーン変化判定は、第1ストロークスイッチがオン状態になる直前の振れ検出センサの出力の演算値(振れ検出値)、被写体のホワイトバランス係数および被写体輝度を記録しておき、シーン変化判定時にこれらの値を再度取得し、比較することにより行い、該比較により、
1)振れ検出値から、撮像装置1が所定量以上変位した(例えば、撮影レンズの画像記録時における焦点距離に対応する画角の2倍以上の角度振れが生じた)と判定できた場合、
2)被写体のホワイトバランス係数が所定値(例えば、30%)以上変化した場合、
3)被写体輝度が所定値(例えば、2段)以上変化した場合、
は撮影シーンが変化したと判定する」こと(【0083】、【0084】)。
エ 「また、本実施例では、ローコントラスト(非合焦)と判定した場合もシーン変化判定を行い、その結果、シーン変化があったと判定した場合には、全域スキャンを行う」こと(【0085】)。

上記アないしエのように、刊行物3には、合焦度が「低い」と判定した場合、振れ検出値、被写体のホワイトバランス係数および被写体輝度をシーン変化判定前の値と比較することによりシーン変化判定を行い、また、ローコントラスト(非合焦)と判定した場合もシーン変化判定を行い、その結果、シーン変化があったと認められた場合は、無限遠端に相当する位置からそのときに設定されている撮影モードでの至近端に相当する位置までフォーカスレンズユニットを移動させながら所定のスキャン間隔でAF評価値を取得(全域スキャン)し、その結果から合焦位置を求めるが、但し、スキャン駆動の途中で合焦位置を確定できたと判定した場合は、その時点でスキャン駆動を終了することが記載されている。ここで、刊行物3の「『シーン変化判定を行い』、『シーン変化があったと認められた』」、「無限遠端に相当する位置からそのときに設定されている撮影モードでの至近端に相当する位置までフォーカスレンズユニットを移動させながら所定のスキャン間隔でAF評価値を取得(全域スキャン)」は、それぞれ本願発明1の「『撮影シーンの変化』の『検出』」、「所定のスキャン範囲でフォーカスレンズを光軸方向に移動させながら焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作」に相当すると認められるから、刊行物3には、「合焦度が低く撮影シーンの変化を検出した場合又は非合焦の場合に、所定のスキャン範囲でフォーカスレンズを光軸方向に移動させながら焦点評価値を取得し合焦状態を検出する第2の焦点検出動作を行う」こと(以下「刊行物3に記載された技術的事項」という。)が記載されているといえる。
してみれば、引用発明に刊行物3に記載された技術的事項を適合させたとしても、せいぜい、引用発明が「状態検出手段により撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、前記フォーカスレンズの移動を開始して、第2の焦点検出動作を行う」という構成を備えたものとなるに止まり、相違点2に係る本願発明1の構成を備えたものとはならない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到することができたことであるということはできない。

(3)刊行物4に記載された技術的事項及び当該技術的事項に基づく想到容易性
刊行物4には、次のアの事項が記載されている。
ア 「合焦動作に関して、初回は精度(審決注:原文は「制度」と記載されているが、明らかな誤記であるので、訂正して摘記した。)をあげるためにフォーカスレンズの稼動範囲を所定のステップ幅ですべてサーチし、再起動時(再度合焦動作を行うとき)は所要時間を短縮するために、前回の合焦動作における合焦位置の近辺(周囲)をサーチするようにしてもよく、一度合焦動作が完了した後、断続的に合焦動作を行うCAFの場合、前回の合焦動作からあまり時間が経過していない状態で合焦動作が行われることとなるから、この場合には、被写体が移動していることは少なく、フォーカスレンズを無限遠位置から至近位置まで移動させて合焦動作を行わなくても、前回の合焦位置近傍のみで合焦動作を行うことによって、合焦状態を作り出すことが可能になる場合が多く、また、合焦動作中は、焦点が合っていない状態であり、この状態で撮影を行うと、ボケた画像が得られることになるから、最小限の合焦動作で合焦状態を作り出すことがより好ましい」こと(【0074】)。

上記アのように、刊行物4には、CAF(審決注:本願発明の「コンティニュアスAF」と同じ。)の場合に、初回はフォーカスレンズの稼動範囲(本願発明1の「スキャン範囲」に相当。)をすべてサーチする(本願発明1の「第2の焦点検出動作を行う」ことに相当。)が、一度合焦動作が完了した後は、前回の合焦位置の付近のみをサーチすることが記載されているに止まり、刊行物4に相違点2に係る本願発明の構成が記載されているとはいえない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到することができたことであるということはできない。

(4)刊行物5に記載された技術的事項及び当該技術的事項に基づく想到容易性
刊行物5には、次のアないしエの事項が記載されている。
ア 「AE検出部では、被写体の明るさが検出され、検出された明るさの情報に基づき、所定のプログラム線図に従って、シャッタスピードと絞り値とが選択され、選択された絞り値はアイリス用モータドライバに伝えられ、アイリスの絞り径が選択された絞り値に応じた大きさに調整され、続いて、合焦位置検出のための、フォーカスレンズの駆動範囲が取得される」こと(【0042】ないし【0046】)。
イ 「レンズが、遠くの被写体に焦点を合わせるFar位置から近くの被写体に焦点を合わせるNear位置までの駆動可能範囲内で移動されて、各移動ステップごとに撮影信号のコントラストが取得される」こと(【0047】、【0048】)
ウ 「レンズ位置が合焦位置に近づくほど、コントラストは大きくなるため、フォーカスレンズを光軸方向に移動させていくと、通常は、コントラストは山なりに変化していくが、アイリスが開放されたときには、被写体のコントラストのピーク(レンズ位置)がFar側に現れ、アイリスが絞られたときには、コントラストのピーク(レンズ位置)がNear側にずれるので、アイリスが開放されたときには、Far位置からNear位置までのフォーカスレンズ駆動可能範囲のうちのNear側を省いた駆動範囲内(Far側よりの範囲)で合焦位置を検出すればよく、逆に、アイリスが絞られたときには、アイリスが開放されたときの駆動範囲よりもNear側にずれた駆動範囲内で合焦位置を検出すればよいので、本実施形態のデジタルカメラでは、メモリに絞り値とフォーカスレンズの駆動範囲との対応関係を予め記憶しておく」こと(【0049】)。
エ 「例えば、フォーカスレンズを光軸方向に0ステップから120ステップまで駆動可能であり、絞り値がF2.8のときには、駆動可能範囲のうちのNear側を省いた範囲(5ステップから100ステップまで)、絞り値がF8のときには、絞り値F2.8における範囲よりもNear側にずれた範囲(22ステップから118ステップまで)を駆動範囲として設定し、CPUは、メモリに記憶されている対応関係において、選択した絞り値に対応する駆動範囲を取得し、駆動範囲が取得されると、合焦位置検出処理が開始され、まず、CPUからフォーカス用モータドライバに駆動範囲を伝え、フォーカス用モータドライバは、フォーカスレンズに取り付けられたモータを駆動して、フォーカスレンズを駆動範囲のうちの最もFar側(CCDに近い側)のスタート位置(例えば、絞り値がF2.8のときには、レンズ位置が5ステップ目、絞り値がF8のときには、レンズ位置が22ステップ目)に移動される」こと(【0050】ないし【0055】)。

上記アないしエのように、刊行物5には、フォーカスレンズを遠くの被写体に焦点を合わせるFar位置から近くの被写体に焦点を合わせるNear位置まで移動しながら各移動ステップごとに撮影信号のコントラストを取得する合焦動作(本願発明1の「第2の焦点検出動作」に相当。)において、絞り値に応じてフォーカスレンズの駆動範囲(本願発明1の「スキャン範囲」に相当。)を変えることが記載されているに止まり、刊行物5に相違点2に係る本願発明の構成が記載されているとはいえない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到することができたことであるということはできない。

(5)刊行物2及び刊行物3に記載された技術的事項に基づく想到容易性
仮に、刊行物2及び刊行物3から適当な技術的事項を抽出して(例えば、刊行物2から、「状態検出手段により撮影シーンの変化を検出した場合に、その後、前記撮影シーンが確定したことが検出されてから、フォーカスレンズの移動を開始する」ことのみを抽出し、これを刊行物3の「状態検出手段により撮影シーンの変化を検出した場合に、前記フォーカスレンズを移動開始位置へ移動させ、前記フォーカスレンズの移動を開始して、第2の焦点検出動作を行う」ことに適合させる等)、それらを引用発明に適用すれば、あるいは相違点2に係る本願発明1の構成となすことができるかも知れないが、当業者が各刊行物からそのような適当な技術的事項のみを抽出して引用発明に適用する合理的理由又は動機はない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物2及び刊行物3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到することができたことであるということはできない。

(6)まとめ
上記(1)ないし(5)のとおりであって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成となすことが、刊行物2ないし刊行物5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到できたことであるということはできない。
そして、本願発明1は、相違点1及び相違点2に係る構成を具備することによって、「短いタイムラグでピントの合った撮影を行うことができる」という、引用発明にはない効果を奏するものと認められる。
また、本願発明2ないし19は、本願発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、上記と同様の理由により、引用発明及び刊行物2ないし刊行物5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明20は、撮像装置(物)の発明である本願発明1の「・・・手段」と記載された各発明特定事項を「・・・ステップ」との記載に替えることにより撮像装置の制御方法の発明として表現し直したものと認められるから、上記と同様の理由により、引用発明及び刊行物2ないし刊行物5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
さらに、本願発明21は、本願発明20の制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータで読み取り可能なプログラムの発明であり、本願発明22は、上記プログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体の発明であるから、上記と同様の理由により、引用発明及び刊行物2ないし刊行物5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び刊行物2ないし5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2014-02-28 
出願番号 特願2008-230895(P2008-230895)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 居島 一仁鉄 豊郎  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 清水 康司
西村 仁志
発明の名称 撮像装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体  
代理人 別役 重尚  
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