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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1286731
審判番号 訂正2014-390008  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-01-10 
確定日 2014-02-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5073780号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5073780号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5073780号(以下「本件特許」という。)は、平成22年5月6日の特許出願であって、その請求項1に係る発明は、平成24年8月31日に特許権の設定登録がなされ、平成26年1月10日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判請求は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである(下線部は訂正箇所を意味する。)。

その訂正内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における
「外部操作可能な操作手段(12)と、所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作演出を制御する操作演出制御手段(83)と、前記操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段(84a)とを備えた」
という記載を、
「外部操作可能な操作手段(12)と、操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段(84a)と、前記操作演出抽選手段(84a)による抽選結果に基づいて前記操作演出を実行する操作演出制御手段(83)とを備え、前記操作演出制御手段(83)は、所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段(87)を備えた」
と訂正する。

(2)訂正事項2
本件特許明細書の段落【0006】における
「外部操作可能な操作手段12と、所定の操作有効期間中に前記操作手段12が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作演出を制御する操作演出制御手段83と、前記操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段84aとを備えた」
という記載を、
「外部操作可能な操作手段12と、操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段84aと、前記操作演出抽選手段84aによる抽選結果に基づいて前記操作演出を実行する操作演出制御手段83とを備え、前記操作演出制御手段83は、所定の操作有効期間中に前記操作手段12が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段87を備えた」
と訂正する。


3 当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1には「外部操作可能な操作手段(12)と、所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作演出を制御する操作演出制御手段(83)と、前記操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段(84a)とを備えた」(以下、「記載A」という。)と記載されているが、
「所定の操作時演出処理を実行する操作演出を制御する」とはどのようなことなのか、
「所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する」手段はどの手段なのか、
操作演出が操作演出抽選手段(84a)の抽選結果に基づくものなのか、不明瞭な記載となっていた。

しかしながら、本件特許明細書の段落【0041】には「操作演出制御手段83は、遊技者による操作ボタン12の操作を伴う操作演出を制御するもので、操作演出決定手段84、操作演出管理手段85、操作入力管理手段86、操作時演出制御手段87等を備えている。」(以下、「記載B」という。)と、
本件特許明細書の段落【0043】には「この操作演出決定処理(図6)では、まず操作演出抽選手段84aにより、操作演出を行うか否か、及び操作演出を行う場合には操作時演出処理(ここでは回転灯作動処理)を行うか否か等が抽選により決定される(S1)。」(以下、「記載C」という。)と、
本件特許明細書の段落【0064】には「操作時演出制御手段87は、操作有効期間中に操作ボタン12が操作された場合の操作時演出処理を制御するもので、図10に示す操作時演出制御処理を、例えば定期割り込みにより所定時間間隔で実行するようになっている。」(以下、「記載D」という。)と記載されているから、
本件特許明細書に記載された遊技機は、操作演出抽選手段(84a)による抽選結果に基づいて操作演出を実行する操作演出制御手段(83)を備えているといえる共に、
操作演出制御手段(83)は、所定の操作有効期間中に操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段(87)を備えているといえる。

よって、訂正事項1は、訂正前の上記記載Aを、上記記載B?Dに基づき、
「外部操作可能な操作手段(12)と、操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段(84a)と、前記操作演出抽選手段(84a)による抽選結果に基づいて前記操作演出を実行する操作演出制御手段(83)とを備え、前記操作演出制御手段(83)は、所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段(87)を備えた」
と訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明に該当する。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、上記2「(1)訂正事項1」の訂正により、本件訂正前の請求項1における明瞭でない記載の釈明の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0006】の記載を、訂正後の請求項1記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)特許法第126条第5項に規定する要件について
当該訂正事項1?2は、上記(1)?(2)において検討したように、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1?2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1?2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(4)特許法第126条第6項に規定する要件について
当該訂正事項1?2は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5?6項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機等の遊技機では、遊技者の遊技への関与意識を高めて興趣を増大させるため、発射ハンドル等とは別に押しボタンその他の操作手段を設け、図柄変動中等の操作有効期間中に遊技者がその操作手段を操作することに基づいて所定の操作時演出処理を実行する、操作演出の機能を搭載したものが多くなっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-229104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような操作演出の機能を搭載した遊技機では、操作有効期間が開始されると液晶画面等に操作手段の操作を促す画像が表示されるようになっている場合が多いが、操作演出の発生に関する演出はそれだけであり、遊技者の期待感を十分に喚起できているとは言い難い。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、操作演出の発生に関して遊技者の期待感を十分に喚起することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、図柄制御手段82の制御により図柄を変動表示する図柄表示手段34と、前記図柄表示手段34による変動後の停止図柄を選択する停止図柄選択手段82aと、前記図柄表示手段34による変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段59と、外部操作可能な操作手段12と、操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段84aと、前記操作演出抽選手段84aによる抽選結果に基づいて前記操作演出を実行する操作演出制御手段83とを備え、前記操作演出制御手段83は、所定の操作有効期間中に前記操作手段12が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段87を備えた遊技機において、前記図柄制御手段82は、前記操作演出抽選手段84aによって前記操作演出を行う旨の抽選結果が得られることを条件に、前記図柄表示手段34による図柄変動中に前記図柄を所定の操作演出当選態様で仮停止させた後、前記停止図柄選択手段82aによって選択された停止図柄で最終停止させるように構成されており、前記仮停止後の前記操作有効期間中に前記操作手段12が操作されることに基づいて前記最終停止までに前記操作時演出処理を実行させるように構成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作演出の発生に関して遊技者の期待感を十分に喚起することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機の全体正面図である。
【図2】同じく演出あり/なし等の抽選における変動パターン毎の振分率の設定の一例を示す図である。
【図3】同じく操作演出落選態様及び操作演出当選態様の一例を示す図である
【図4】同じく演出画像表示手段に表示される操作誘導画像の一例を示す図である。
【図5】同じく制御系のブロック図である。
【図6】同じく操作演出決定処理のフローチャートである。
【図7】同じく操作演出管理処理のフローチャートである。
【図8】同じく操作誘導報知開始処理のフローチャートである。
【図9】同じく操作入力管理処理のフローチャートである。
【図10】同じく操作時演出制御処理のフローチャートである。
【図11】同じく操作演出における演出図柄、各フラグ、タイマ等の履歴の一例である。
【図12】同じく操作演出における演出図柄の変動履歴の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1?図12は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
【0010】
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるために操作する発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に操作ボタン(操作手段)12が配置されている。もちろん、操作ボタン12の配置位置はこれに限らず、遊技者が容易に操作可能な位置であればよい。
【0011】
操作ボタン12は、遊技者による外部操作が可能な押しボタン式の操作手段で、例えばドーム型の透明な操作ボタン部13を有し、この操作ボタン部13の内側に例えば回転灯14(図5)が配置されている。この操作ボタン12は、後述する操作演出で用いられるもので、操作演出が開始されて操作ボタン12の操作を促す操作誘導報知が行われ、所定の操作有効期間中にこの操作ボタン12が押圧操作されることを条件に所定の操作時演出処理が実行されるようになっている。
【0012】
また前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
【0013】
センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、可動体30、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。画像表示手段29は、演出図柄表示手段34、特別保留個数表示手段35、演出画像表示手段36等を構成している。
【0014】
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0015】
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0016】
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段38とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段38により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段38が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0017】
特別図柄表示手段32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0018】
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段35が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0019】
演出図柄表示手段(図柄表示手段)34は、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、画像表示手段29の表示画面29a上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の変動表示部を備え、それら各変動表示部で演出図柄(図柄)を例えば各種の演出画像と共に変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に、例えば複数の変動表示部に跨って設定される1本又は複数本、例えば一本の判定ライン上に大当たり態様又は外れ態様で最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0020】
本実施形態では、演出図柄表示手段34による図柄変動で用いられる変動パターンとして、通常変動パターンと操作演出報知用変動パターンとが設けられているものとする。通常変動パターンには、例えばリーチ状態を経ることなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターン、リーチ状態を経て外れ態様となるリーチ外れ変動パターン、リーチ状態を経て大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターン等があり、本実施形態では、例えば図2に示すように、リーチなし外れ変動パターンとしてリーチなし外れ1、リーチなし外れ2の2種類が、リーチ外れ変動パターンとしてノーマルリーチ外れ1、ノーマルリーチ外れ2、スーパーリーチ外れ1、スーパーリーチ外れ2の4種類が、リーチ大当たり変動パターンとしてノーマルリーチ大当たり1、ノーマルリーチ大当たり2、スーパーリーチ大当たり1、スーパーリーチ大当たり2の4種類が夫々設けられているものとする。
【0021】
また、操作演出報知用変動パターンは、変動途中で操作演出報知用の仮停止が行われるもので、通常変動パターンのうち、全ての大当たり変動パターンを含む複数種類、例えば図2に示すように全てのリーチ変動パターンに対応して設けられており、その変動時間は対応する通常変動パターンと同じ長さに設定されている。この操作演出報知用変動パターンでは、図柄変動開始から最終停止までの間に、演出図柄が「操作演出当選態様」又は「操作演出落選態様」で仮停止されるようになっている。
【0022】
演出図柄には、複数種類、例えば「0」?「9」の10種類の数字図柄よりなる遊技図柄と、1又は複数種類、例えば操作ボタン12の外観を表す絵柄(操作手段を示す画像の一例)よりなる1種類の報知図柄(以下、明細書中では「B」で示す)とがあり、大当たり態様及び外れ態様は遊技図柄のみで構成されている。本実施形態では、判定ライン上の3つの演出図柄が全て同じ遊技図柄で揃った「6・6・6」「7・7・7」等が大当たり態様、3つの演出図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「7・6・7」「5・6・7」等が外れ態様となっている。また、判定ライン上の3つの演出図柄が全て報知図柄で揃った「B・B・B」(図3(b))が操作演出当選態様、判定ライン上の3つの演出図柄の少なくとも1つが報知図柄以外の図柄となる「7・B・7」(図3(a))等が操作演出落選態様となっている。
【0023】
なお、本実施形態では特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様で最終停止し、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様で最終停止するものとする。また、演出図柄表示手段34は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0024】
演出画像表示手段36は、操作演出中における操作誘導報知等を行うもので、例えば画像表示手段29の表示画面29a上の所定位置に設けられており、操作演出中の操作有効期間中に、例えば操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる操作誘導画像(図4)を表示するように構成されている。
【0025】
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板39を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板39が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0026】
図5は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図5において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0027】
主制御基板41は、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通利益状態抽選手段51、普通停止図柄選択手段52、変動時間選択手段53、普通利益状態発生手段54、普通図柄表示制御手段55、特別利益状態抽選手段56、特別停止図柄選択手段57、変動パターン選択手段58、特別利益状態発生手段59、特別図柄表示制御手段60、制御コマンド送信手段61等を備えている。
【0028】
普通利益状態抽選手段51は、普通利益状態を発生させるか否かを乱数抽選により決定するもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出する毎に、所定の乱数生成手段から当たり判定乱数値を取得して予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶すると共に、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、その時点で記憶されている中で最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0029】
普通停止図柄選択手段52は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段53は、普通図柄の変動時間を選択するものである。
【0030】
普通利益状態発生手段54は、普通利益状態抽選手段51による当たり/外れの抽選結果が当たりとなり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口26bの開閉手段38を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0031】
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通保留個数が1以上であることを条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段53で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段52で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0032】
特別利益状態抽選手段56は、特別利益状態を発生させるか否かを乱数抽選により決定するもので、特別図柄始動手段26に遊技球が入賞する毎に、所定の乱数生成手段から大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得して予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として記憶すると共に、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、その時点で記憶されている中で最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0033】
特別停止図柄選択手段57は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、例えば特別利益状態抽選手段56による抽選結果が大当たりであった場合には、大当たり判定乱数値と共に記憶されていた大当たり図柄乱数値に基づいて複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、特別利益状態抽選手段56による抽選結果が外れであった場合には、所定の乱数生成手段から取得した外れ図柄乱数値に基づいて複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
【0034】
変動パターン選択手段58は、演出図柄の変動パターンを複数種類の通常変動パターン(図2)の中から選択するもので、例えば特別利益状態抽選手段56による抽選結果が大当たりであった場合には1又は複数種類(ここでは4種類)のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、特別利益状態抽選手段56による抽選結果が外れであった場合には特別停止図柄選択手段57により選択された停止図柄がリーチ態様であるか否かに応じて1又は複数種類(ここでは4種類)のリーチ外れ変動パターン又は1又は複数種類(ここでは2種類)のリーチなし外れ変動パターンの何れかを、所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて選択するように構成されている。
【0035】
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)59は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別利益状態抽選手段56による抽選結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
【0036】
特別図柄表示制御手段60は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別保留個数が1以上であることを条件に特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段58で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段57で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0037】
制御コマンド送信手段61は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、変動パターン選択手段58で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄の停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板42に送信する機能、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板42に送信する機能等を備えている。
【0038】
演出制御基板42は、演出図柄表示手段34、特別保留個数表示手段35、演出画像表示手段36、回転灯14、音声出力手段71、ランプ手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段81、演出図柄制御手段82、操作演出制御手段83等を備えている。
【0039】
特別保留個数表示制御手段81は、特別保留個数表示手段35の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29の表示画面29a上の所定位置にシンボルXを1個追加的に表示し、また例えば主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したときに、表示中の1番目のシンボルXを消去すると共に、2番目以降のシンボルXが表示されている場合にはそれらを1つずつ前側にシフトするようになっている。
【0040】
演出図柄制御手段82は、演出図柄表示手段34の表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、ランプ手段72の制御を行うもので、最終停止図柄選択手段(停止図柄選択手段)82a等を備えており、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、最終停止図柄選択手段82aにより、その変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンに応じた最終停止図柄を選択すると共に、その通常変動パターンに基づいて演出図柄表示手段34による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力、ランプ発光を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに、最終停止図柄選択手段82aで選択された停止図柄で演出図柄の変動を停止、確定させ、またそれに伴う音声出力、ランプ発光を行わせるようになっている。なお、後述する操作演出制御手段83による操作演出決定処理において操作演出報知用変動パターンを用いる旨の決定がされた場合には、変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンに代えて対応する操作演出報知用変動パターンが用いられるようになっている。
【0041】
操作演出制御手段83は、遊技者による操作ボタン12の操作を伴う操作演出を制御するもので、操作演出決定手段84、操作演出管理手段85、操作入力管理手段86、操作時演出制御手段87等を備えている。操作演出は、例えば特別図柄及び演出図柄の図柄変動期間を単位演出期間として、その図柄変動(単位演出期間)毎に所定の確率で実行され、その操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者によって操作ボタン12が操作された場合に、例えばその図柄変動における変動パターンに対応する所定の確率で所定の操作時演出処理、例えば回転灯14を作動させる回転灯作動処理が実行されるようになっている。
【0042】
操作演出決定手段84は、操作演出を行うか否か等の決定を単位演出期間毎、即ち特別図柄及び演出図柄の図柄変動毎に行うもので、操作演出抽選手段84a、操作演出報知抽選手段84b、仮停止図柄選択手段84c等を備えており、例えば主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信することを条件に図6に示す操作演出決定処理を実行するようになっている。即ち、操作演出決定手段84による操作演出決定処理は、特別図柄及び演出図柄の変動開始毎に実行される。
【0043】
この操作演出決定処理(図6)では、まず操作演出抽選手段84aにより、操作演出を行うか否か、及び操作演出を行う場合には操作時演出処理(ここでは回転灯作動処理)を行うか否か等が抽選により決定される(S1)。なお、操作時演出処理が複数種類存在する場合にはその種類についてもここで決定される。このS1における抽選では、例えば0?99の間で繰り返し生成される操作演出判定乱数値が1個取得され、その乱数値に応じて「演出なし」、「演出あり:操作時演出なし」、「演出あり:操作時演出あり」の3種類の何れかが選択される。
【0044】
ここで、それら「演出なし」、「演出あり:操作時演出なし」、「演出あり:操作時演出あり」に対する振分率は、図2に示すように変動パターンに応じて予め定められており、例えばリーチなし外れ1変動パターンの場合には100:0:0、ノーマルリーチ外れ2の場合には90:10:0、スーパーリーチ大当たり2の場合には0:0:100などとなっている。
【0045】
次に、操作演出報知抽選手段84bにより、演出図柄表示手段34による演出図柄の変動表示において通常変動パターンに代えて操作演出報知用変動パターンを用いるか否かが決定される(S2)。ここで、操作演出報知用変動パターンを用いる旨の決定がされる確率は、S1において操作演出を行う旨の決定がされた場合には100%、それ以外の場合には0%より大きな所定の値、例えば20%に設定されている。
【0046】
このS2において操作演出報知用変動パターンを用いない旨の決定がされた場合には(S3:No)ここで操作演出決定処理は終了する。S2において操作演出報知用変動パターンを用いる旨の決定がされた場合には(S3:Yes)、続いて仮停止図柄選択手段84cによって操作演出報知用変動パターンにおける仮停止図柄が選択される。即ち、まずS1の抽選で操作演出を行う旨の決定がされたか否かが判定され(S4)、操作演出を行う旨の決定がされた場合(S4:Yes)には仮停止図柄として操作演出当選態様(図3(b))が選択され(S6)、操作演出を行わない旨の決定がされた場合(S4:No)には仮停止図柄として操作演出落選態様(図3(a))が選択される(S5)。
【0047】
操作演出を行わない旨の決定がされた場合(S4:No)にはS5の処理後に操作演出決定処理は終了するが、操作演出を行う旨の決定がされた場合(S4:Yes)にはS6の処理に続いて更に以下の処理が実行される。即ち、図11のP1に示すように、操作演出を実行するか否かを示す操作演出実行フラグF1がONに切り換えられ(S7)、操作誘導報知を実行するまでの時間を計時するための管理タイマT1に初期値が設定される(S8)。例えば特別図柄及び演出図柄の変動開始から5秒後に操作誘導報知を実行する場合には、5秒に対応する計数値が初期値として管理タイマT1にセットされる。
【0048】
ここで、操作誘導報知を実行するまでの時間は、例えば操作演出報知用変動パターン毎に、その操作演出報知用変動パターンにおける変動開始から仮停止までの時間と同じかそれよりも若干長い時間に設定されている。なお、管理タイマT1の値は、所定の減算手段により、所定時間経過毎にその経過時間に対応する値が逐次減算されるようになっている。
【0049】
そして、操作時演出実行フラグF2に、S1における操作時演出処理を実行するか否かの抽選結果に応じた値、例えば操作時演出処理を実行しない場合には0が、実行する場合には1がセットされ(S9?S11)、操作演出決定処理は終了する。
【0050】
以上の操作演出決定処理の結果を受けて、演出図柄制御手段82の制御により演出図柄表示手段34による図柄変動が開始される。即ち、操作演出決定処理のS2において操作演出報知用変動パターンを用いない旨の決定がされた場合には(S3:No)、図12に示すように、変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンに従って演出図柄表示手段34による図柄変動が開始され、最終停止図柄選択手段82aで選択された停止図柄で最終停止される。
【0051】
一方、操作演出決定処理のS2において操作演出報知用変動パターンを用いる旨の決定がされた場合には(S3:Yes)、図11の最上段に示すように、変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンに代えてそれに対応する操作演出報知用変動パターンに従って演出図柄表示手段34による図柄変動が開始されると共に、その操作演出報知用変動パターンによる図柄変動中の所定のタイミングで(図11のP2)、操作演出決定処理のS5又はS6で選択された仮停止図柄、即ち操作演出落選態様又は操作演出当選態様で仮停止され(図3)、その後の再変動を経て、最終停止図柄選択手段82aで選択された停止図柄、即ち「7・7・7」等の大当たり態様又は「7・6・7」等の外れ態様で最終停止される。図11の例では、P1のタイミングで操作演出報知用変動パターンに従って演出図柄の変動が開始された後、P2のタイミングで操作演出当選態様「B・B・B」で仮停止され、その後のP3のタイミングで再変動が開始された後、P5のタイミングで大当たり態様「7・7・7」で最終停止されている。
【0052】
操作演出管理手段85は、操作演出における操作誘導報知の開始タイミング等を管理するもので、操作誘導報知を行わせる操作誘導報知制御手段85a等を備え、図7に示す操作演出管理処理を、例えば定期割り込みにより所定時間間隔で実行するようになっている。
【0053】
この操作演出管理処理(図7)では、まず操作演出実行フラグF1の値が判定される(S21)。このS21において操作演出実行フラグF1がONである、即ち操作演出を実行する旨の抽選結果が得られたと判定された場合には(S21:ON)、管理タイマT1の値が0であるか否か、即ち特別図柄及び演出図柄の変動開始から所定時間が経過して操作誘導報知を開始するタイミングに到達したか否かが判定される(S22)。
【0054】
S22において管理タイマT1の値が0、即ち特別図柄及び演出図柄の変動開始から所定時間が経過して操作誘導報知を開始するタイミングに到達したと判定された場合には(S22:Yes)、図11のP3に示すように、操作演出実行フラグF1がOFFに切り換えられる(S23)と共に、操作誘導報知制御手段85aにより、図8に示す操作誘導報知開始処理(S24)が実行され、操作演出管理処理は終了する。
【0055】
この操作誘導報知開始処理(図8)では、操作ボタン12の操作が有効な操作有効期間中であることを示す操作有効フラグF3がONに切り換えられ(S31)、また操作有効期間終了までの時間を計時するための有効タイマT2に初期値が設定され(S32)、操作誘導報知が開始される(S33)。このように本実施形態では、操作演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には、操作演出報知用変動パターンでの演出図柄変動における操作演出当選態様での仮停止と同時又はその後の所定のタイミングで、操作有効期間が開始されると共に操作誘導報知が開始されるようになっている。図11の例では、演出図柄が仮停止した後、再変動を開始する時点(P3)で操作有効期間及び操作誘導報知が開始されている。
【0056】
S32においては、操作有効期間の継続時間が例えば5秒である場合にはその5秒に対応する計数値が初期値として有効タイマT2にセットされる。操作有効期間は、少なくとも演出図柄が最終停止するまでには終了するように、例えば予め操作演出報知用変動パターン毎にその継続時間が設定されている。なお、有効タイマT2の値は、所定の減算手段により、所定時間経過毎にその経過時間に対応する値が逐次減算されるようになっている。
【0057】
また、S33の操作誘導報知は、遊技者に操作ボタン12の操作を促すためのもので、例えば図4に示すように操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる操作誘導画像が演出画像表示手段36上に表示されると共に、それに合わせて所定の効果音や所定パターンでのランプ発光等が行われるようになっている。
【0058】
操作演出管理処理(図7)のS21において操作演出実行フラグF1がOFFであると判定された場合(S21:OFF)、及びS22において管理タイマT1の値が0でない、即ち演出誘導報知を開始するタイミングには未だ到達していないと判定された場合(S22:No)には、上記S23,S24の処理をスキップして操作演出管理処理は終了する。
【0059】
操作入力管理手段86は、操作有効期間中における操作ボタン12の操作状況等を管理するもので、図9に示す操作入力管理処理を、例えば定期割り込みにより所定時間間隔で実行するようになっている。
【0060】
この操作入力管理処理(図9)では、まず操作有効フラグF3の値が判定される(S41)。このS41において操作有効フラグF3がOFFである、即ち操作有効期間中でないと判定された場合には(S41:OFF)、ここで操作入力管理処理は終了する。S41において操作有効フラグF3がONである、即ち操作有効期間中であると判定された場合には(S41:ON)、有効タイマT2の値が0であるか否か、即ち操作有効期間の開始から所定時間が経過してその終了時期に到達したか否かが判定される(S42)。
【0061】
S42において有効タイマT2の値が0でない、即ち未だ操作有効期間の終了時期には到達していないと判定された場合には(S42:≠0)、操作ボタン12の操作が検出されたか否かが判定される(S43)。そして、操作ボタン12の操作が検出されなかったと判定された場合には(S43:No)、ここで操作入力管理処理は終了する。
【0062】
S43において操作ボタン12の操作が検出されたと判定された場合には(S43:Yes)、図11のP4に示すように、操作有効期間中に操作ボタン12が操作されたことを示す操作フラグF4がONに切り換えられる(S44)と共に、操作有効フラグF3がOFFに切り換えられ(S45)、有効タイマT2の値がクリアされ(S46)、操作誘導報知が停止され(S47)、操作入力管理処理は終了する。即ち、操作有効期間中に操作ボタン12が操作された場合には、その時点で操作有効期間は終了し、操作誘導報知も終了する。
【0063】
一方、図11のP4aに示すように、S42において有効タイマT2の値が0である、即ち操作有効期間の開始から所定時間が経過してその終了時期に到達したと判定された場合には(S42:=0)、S43,S44はスキップされてS45?S47の処理が実行される。即ち、操作ボタン12が操作されることなく操作有効期間が経過した場合には、その操作有効期間の終了と同時に操作誘導報知が停止され、操作時演出処理(回転灯作動処理)が実行されることなくそのまま操作演出は終了する。
【0064】
操作時演出制御手段87は、操作有効期間中に操作ボタン12が操作された場合の操作時演出処理を制御するもので、図10に示す操作時演出制御処理を、例えば定期割り込みにより所定時間間隔で実行するようになっている。
【0065】
この操作時演出制御処理(図10)では、まず操作フラグF4の判定が行われる(S51)。このS51において操作フラグF4がOFFである、即ち操作ボタン12の操作が検出されていないと判定された場合には(S51:OFF)、ここで操作時演出制御処理は終了する。S51において操作フラグF4がONである、即ち操作有効期間中に操作ボタン12が操作されたと判定された場合には(S51:ON)、図11のP4に示すように、操作フラグF4がOFFに切り換えられ(S52)、例えば操作時演出実行フラグF2の値が1であることを条件に、操作時演出処理の一例としての回転灯作動処理が実行され(S53,S54)、操作時演出制御処理は終了する。なお、操作時演出実行フラグF2の値が0の場合には、操作有効期間中に操作ボタン12が操作された場合でも回転灯作動処理等の操作時演出処理は実行されない。
【0066】
回転灯作動処理では、例えば操作ボタン12内の回転灯14が作動(発光及び回転)すると共に、演出画像表示手段36上に回転灯の作動状態を示すアニメーション画像が表示され、それらに合わせて所定の効果音や所定パターンでのランプ発光等が行われるようになっている。なお本実施形態では、図2に示すように、操作演出決定処理のS1において「演出あり:操作時演出あり」が選択される確率は、ノーマルリーチ大当たり2変動パターンとスーパーリーチ大当たり2変動パターンが100%、その他の全ての変動パターンが0%となっているため、操作有効期間中に遊技者が操作ボタン12を操作し、それによって回転灯14が作動した場合には、図11のP5に示すように最終停止図柄は必ず大当たり態様となる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、操作演出抽選手段84aによって操作演出を行う旨の抽選結果が得られることを条件に、演出図柄表示手段34による図柄変動中に演出図柄を操作演出当選態様で仮停止させた後、最終停止図柄選択手段82aによって選択された停止図柄で最終停止させるように構成され、仮停止後の操作有効期間中に操作ボタン12が操作されることに基づいて最終停止までに操作時演出処理を実行させるように構成されているため、操作演出の発生に関して遊技者の期待感を十分に喚起することが可能である。
【0068】
また、演出図柄は、大当たり態様を形成し得る遊技図柄とそれ以外の報知図柄とを含み、操作演出当選態様は演出図柄表示手段34上の判定ライン上の複数の図柄が全て報知図柄となる態様となっており、また操作演出抽選手段84aによって操作演出を行う旨の抽選結果が得られない場合には、所定の確率で演出図柄表示手段34による図柄変動中に演出図柄を操作演出落選態様で仮停止させるように構成されており、更に報知図柄は操作ボタン12を示す画像により構成されているため、操作演出が開始されることを演出図柄による大当たり/外れの報知と同様の方法で遊技者に分かりやすく且つ効果的に報知することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、操作ボタン12等の操作手段とそれに対応する操作演出及び報知画像を複数組設け、操作演出抽選手段84aにより複数の操作演出の少なくとも1つに当選した場合には、図柄表示手段34による図柄変動中に図柄を当選した操作演出に対応する報知画像よりなる操作演出当選態様で仮停止させるように構成してもよい。
【0070】
この場合、複数の操作演出に重複して当選できる場合と、複数の操作演出のうちの1つにのみ当選可能な場合とが考えられるが、前者の場合、重複して当選した場合の操作演出当選態様は、「B/C・B/C・B/C」等、当選した複数の操作演出に対応する複数の画像を組み合わせた報知図柄で構成してもよいし、「D・D・D」等、重複した場合に対応する報知図柄「D」を個々の操作演出に対応する報知図柄「B」「C」等とは別に設けてこれにより構成してもよい。
【0071】
またこのように報知画像が複数種類存在する場合には、例えば判定ライン上の複数の図柄が全て同一の報知図柄となる態様を操作演出当選態様、判定ライン上の複数の図柄のうちの少なくとも1つが異なる報知図柄又は遊技図柄となる態様を操作演出落選態様とすればよい。但し、操作演出当選態様と操作演出当選態様はこれらに限られるものではなく、例えば判定ライン上の少なくとも1つの図柄が報知図柄となる態様を操作演出当選態様、それ以外を操作演出落選態様としてもよい。
【0072】
図柄を操作演出当選態様又は操作演出落選態様で仮停止させる場合、複数の図柄の全てを仮停止させる必要はなく、少なくとも1個の図柄を仮停止させて、他の図柄は仮停止させずに変動状態を継続させてもよい。この場合の操作演出当選態様、操作演出落選態様はその仮停止させる図柄の数に対応したものとなる。
【0073】
1つの通常変動パターンに対応して2以上の操作演出報知用変動パターンを設けてもよい。また、通常変動パターンは仮停止(操作演出報知用以外)を含むものであってもよい。
【0074】
操作手段は、遊技者が操作可能で且つその遊技者による操作を検出可能なものであればよく、ジョイスティック、非接触センサ、タッチパネル等でもよい。なお、非接触センサの場合、遊技者が身体の一部を動かす動作が「操作」に該当する。また、操作有効期間中に操作手段の操作が所定回数検出されることを条件に操作時演出処理を実行させるように構成してもよい。
【0075】
実施形態のように、操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる操作誘導画像を表示する場合、遊技者がこれを操作時演出処理であると誤認することのないよう、操作時演出処理と異なる状態を示す画像、例えば回転灯14が作動(発光及び回転)していない状態の操作ボタン12の画像を用いることが望ましい。
【0076】
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
12 操作ボタン(操作手段)
34 演出図柄表示手段(図柄表示手段)
59 特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)
82 演出図柄制御手段(図柄制御手段)
82a 最終停止図柄選択手段(停止図柄選択手段)
83 操作演出制御手段
84a 操作演出抽選手段
85a 操作誘導報知制御手段
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄制御手段(82)の制御により図柄を変動表示する図柄表示手段(34)と、前記図柄表示手段(34)による変動後の停止図柄を選択する停止図柄選択手段(82a)と、前記図柄表示手段(34)による変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段(59)と、外部操作可能な操作手段(12)と、操作演出を行うか否かを抽選する操作演出抽選手段(84a)と、前記操作演出抽選手段(84a)による抽選結果に基づいて前記操作演出を実行する操作演出制御手段(83)とを備え、前記操作演出制御手段(83)は、所定の操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行する操作時演出制御手段(87)を備えた遊技機において、前記図柄制御手段(82)は、前記操作演出抽選手段(84a)によって前記操作演出を行う旨の抽選結果が得られることを条件に、前記図柄表示手段(34)による図柄変動中に前記図柄を所定の操作演出当選態様で仮停止させた後、前記停止図柄選択手段(82a)によって選択された停止図柄で最終停止させるように構成されており、前記仮停止後の前記操作有効期間中に前記操作手段(12)が操作されることに基づいて前記最終停止までに前記操作時演出処理を実行させるように構成されていることを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-02-18 
出願番号 特願2010-106285(P2010-106285)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 河本 明彦  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 吉村 尚
瀬津 太朗
登録日 2012-08-31 
登録番号 特許第5073780号(P5073780)
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人谷藤特許事務所  
代理人 特許業務法人谷藤特許事務所  

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