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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1287325
審判番号 不服2013-12254  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-27 
確定日 2014-05-08 
事件の表示 特願2009- 38812「画像処理装置および画像処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 9月 9日出願公開、特開2010-199650〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本願は、平成21年2月23日の出願であって、平成24年11月9日付けで拒絶理由が通知され、これに対し、平成25年1月8日付けで意見書が提出されると同時に手続補正がなされ、平成25年3月27日付け(発送日同年4月2日)で拒絶査定がなされたものである。
本件は、本願についてなされた上記拒絶査定を不服として平成25年6月27日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、同時に手続補正がなされたものである。

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
請求項1、2、9、10に係る発明は、下記の刊行物に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特開2000-299874号公報
刊行物2:特開2002-112046号公報

第2 補正却下の決定
平成25年6月27日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成25年6月27日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成24年6月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正であり、請求項1及び請求項9における「第1線型関数を用いて色収差補正をする」、「第2線型関数を用いて色収差補正を行う」をそれぞれ、「第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」、「第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」にする補正である。

2 補正の適合性
(1)補正の目的
本件補正は、「第1線型関数を用いて色収差補正をする」、「第2線型関数を用いて色収差補正を行う」をそれぞれ、「第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」、「第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」にするものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。

(2)独立特許要件
上記のとおり本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後における発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを、以下に検討する。

(3)補正発明
補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)は、補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。

「撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段と、前記撮影光学系の色収差によるずれ量を線型関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段と、を備えた画像処理装置であって、
前記色収差補正手段は、前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うことを特徴とする画像処理装置。」

(4)刊行物の記載
ア 刊行物1
(ア)刊行物1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-299874号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は信号処理装置及び方法並びに撮像装置及び方法に関し、例えばビデオカメラに適用して好適なものである。」

「【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで一般的にレンズには、色によって焦点位置が異なるいわゆる色収差が発生する。これは物体の屈折率が波長の関数として表され、屈折率が同じでも波長が異なる光が違った角度に屈折されることに起因するものである。
【0004】そして従来のビデオカメラでは、レンズにこのような色収差があるために、図8に示すように、CCDの受光面1に結像される被写体2の光学像の赤色成分3R 、緑色成分3G 及び青色成分3B の大きさに違いが生じ、この結果被写体2が例えば白色である場合にエッジに緑色及び赤色の線が発生する問題があった。
【0005】従ってビデオカメラにおいて、レンズの色収差を何らかの方法により補正することができれば、カラー映像の画質を向上させることができるものと考えられる。
【0006】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、カラー映像の画質を格段的に向上させ得る信号処理装置及び方法並びに撮像装置及び方法を提案しようとするものである。」

「【0011】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】(1)原理
ビデオカメラでは、撮影により得られたカラー映像信号に基づくカラー映像の画面内に、図1のように画面中心からの距離をパラメータとする3次曲線で近似される大きさの色収差が発生する。なおこの図1では、緑色を基準とした赤色(R)及び青色(B)の収差量を表す。
【0013】従ってビデオカメラにおいて、各画素について、図2のように画面中心Oからの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR 、CAB を図1の対応する特性曲線(以下、これらをそれぞれ色収差特性曲線と呼ぶ)KR 、KB からそれぞれ求め、得られた赤色及び青色の各収差量CAR 、CAB に応じて赤色及び青色について所定の補正処理を行うことによって、色収差による画質劣化を防止できるものと考えられる。
【0014】しかしながらレンズの色収差特性は、同種でも個体毎に異なっており、また1つのレンズでもフォーカス位置毎に変化する。このため上述のような色収差特性曲線KR 、KB のデータを複数のビデオカメラで併用することができない。またこのような色収差特性曲線KR 、KB のデータを各ビデオカメラ毎に生成することは、非常に煩雑な作業となる。
【0015】そこでビデオカメラにおいて、撮像により得られたカラー映像信号に基づいて上述の色収差特性曲線KR 、KB のデータを各フォーカス位置毎にそれぞれ生成し、当該生成した各フォーカス位置毎のデータに基づいて色収差に対する補正処理を行うようにすることができれば、ビデオカメラの製造者による色収差特性曲線KR 、KB のデータの生成作業を省略させながら、ユーザに対して高品質のカラー映像を提供し得るようにすることができるものと考えられる。
【0016】この場合緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR 、CAB をそれぞれ検出する方法としては、図3に示すように、画面内の有効なエッジのある一点の緑色成分を表す第1の画素PCG と、これと対応する赤色成分又は青色成分をそれぞれ表す第2及び第3の画素PCR 、PCB との各距離lR 、lB をそれぞれ求め、これらをそれぞれ赤色及び青色の収差量CAR 、CAB とすれば良い。
【0017】ところがこのような第1及び第2の画素PCG 、PCR 間、並びに第1及び第3の画素PCG 、PCB 間の距離lR 、lB を求めるに際し、その前にまず第1画素PCG に対して第2及び第3の画素PCR 、PCB が対応することを所定の演算処理により確認する必要がある。そしてこのような演算処理は、ブロックマッチング法等により行うことができるものの、水平方向及び垂直方向のそれぞれについて演算を必要とするために莫大な演算量となる問題がある。
【0018】そこで本発明においては、このような第1の画素PCG と第2及び第3の画素PCR 、PCB との相関検出処理の煩雑化を回避すべく、図4において斜線で示すような画面中央の数走査ライン分のデータのみを利用して画面中心Oからの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR 、CAB を各フォーカス位置毎にそれぞれ検出するようにする。
【0019】そしてこのように画面中央の数走査ライン分のデータのみを利用することで、画面中央の数走査ライン分では垂直方向の色収差を無視できることから、図5のように対応する第1及び第2の画素PCG 、PCR 並びに第1及び第3の画素PCG 、PCB を同じ走査ライン上で探し出せば良く、その分垂直方向の相関計算を省略させて演算量を格段的に低減させ得る利点がある。
【0020】またこのように相関関係のある第1及び第2の画素PCG 、PCR 並びに第1及び第3の画素PCG 、PCB 画素を検出できれば、それらの間の距離lR 、lB が緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR 、CAB であることから、画面中心Oからの距離Lが異なる複数の赤色及び青色の収差量CAR 、CAB のサンプルに基づいて図1に示す色収差特性曲線KR 、KB を算出でき、当該算出した色収差特性曲線KR 、KB のデータに基づいて色収差に対する補正処理を行うようにすることができる。」

「【0021】(2)本実施の形態によるビデオカメラの構成
ここで図6は、本実施の形態によるビデオカメラ10を示し、被写体の光学像をレンズ11を介してプリズム12に取り込み、当該プリズム12において被写体の光学像を赤色成分、緑色成分及び青色成分に分離した後、これらをそれぞれ第1?第3のCCD13R、13G、13Bの受光面に結像する。
【0022】第1?第3のCCD13R、13G、13Bは、撮影モード時、それぞれ受光面に結像された被写体の光学像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ光電変換し、得られた赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをそれぞれ第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bに送出する。
【0023】第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bは、それぞれ供給される赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをディジタル変換し、得られた赤色映像データD1R、緑色映像データD1G又は青色映像データD1Bを画面中央抜取り部15及び水平方向補正処理部16に送出する。
【0024】画面中央抜取り部15は、供給される赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bからそれぞれ画面中央の数走査ライン分のデータを抜き取り、これらをそれぞれ抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bとして相関検出部17に送出する。
【0025】相関検出部17は、供給される抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づいて、これら抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づく部分的なカラー映像内の有効なエッジを検出する。
【0026】また相関検出部17は、この検出結果に基づいて、走査ライン毎に有効なエッジ上の緑色成分を表す第1の画素PCG (図5)と、この第1の画素PCG に対応する当該エッジの赤色成分及び青色成分をそれぞれ表す第2及び第3の画素PCR 、PCB とをそれぞれ検出し、検出結果を抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bと共に相関検出信号S2として収差量検出部18に送出する。
【0027】なお上述のようなエッジ検出は、抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づいて走査ライン毎に各画素の位置を変数xとするカラー映像の輝度信号f(x)を生成すると共に、これをxについてラプラシアン演算(2階微分)処理を施すことにより行うことができる。
【0028】また上述のような画素間の相関検出は、走査ライン毎にエッジ前後の数画素について、次式
【0029】
【数1】
TGR=(Gi-Ri)+(Gi+1-Ri+1)+・・・+(Gi+n-Ri+n) ・・・(1)
【0030】及び次式
【0031】
【数2】
TGB=(Gi-Bi)+(Gi+1-Bi+1)+・・・+(Gi+n-Bi+n) ・・・(2)
【0032】のように、抜取り緑色映像データD2Gと、抜取り赤色映像データD2R又は抜取り青色映像データD2Bとの差分を全て加算する演算処理を、抜取り緑色映像データD2Gに対する抜取り赤色映像データD2R又は抜取り青色映像データD2Bを1画素ずつ順次ずらしながら行い、加算値TGR、TGBが最も小さい場合に相関があると判断することにより行うことができる。なお(1)式及び(2)式においてGi 、Rj 、Bj は抜取り緑色映像データD2G、抜取り赤色映像データD2R及び抜取り青色映像データD2Bにおけるi又はj番目の画素のデータ値を表わす。
【0033】収差量検出部18は、供給される相関検出信号S2に基づいて、相関関係のあるエッジの緑色成分を表す第1の画素PCG (図5)と、それぞれエッジの赤色成分又は青色成分を表す第2及び第3の画素PCR 、PCB (図5)との距離lR 、lB (図5)を求めることにより、画面中心O(図5)からの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR 、CAB をそれぞれ検出し、検出結果を収差量検出信号S3として近似式生成部19に送出する。
【0034】近似式生成部19は、供給される収差量検出信号S3に基づいて、赤色及び青色について、次式
【0035】
【数3】
Y=a×X^(3)+b×X+c ・・・(3)
【0036】のa、b、cの値を最小2乗法で求めることにより図1の色収差特性曲線KR 、KB の近似式をそれぞれ算出し、算出結果を近似式信号S4としてCPU(Central Processing Unit )20に送出する。なおこの(3)式においてYは収差量CAR 、CAB を表し、Xは画面中心Oからの位置を表す。
【0037】CPU20は、供給される近似式信号S4に基づき得られる緑色に対する赤色及び青色の色収差特性曲線KR 、KB の近似式のデータを、レンズ駆動部21から与えられるフォーカス位置信号S5に基づき得られるこのときのレンズ11のフォーカス位置と対応させてメモリ22に格納する。
【0038】またCPU20は、この後撮影モード時には、レンズ駆動部21から供給されるフォーカス位置信号S5に基づき得られるそのときのレンズ11のフォーカス位置に応じた色収差特性曲線KR 、KB の近似式のデータをメモリ22から読み出す。
【0039】そしてCPU20は、このデータに基づいて各画素毎に、図7に示すように、緑色に対する赤色及び青色の収差量CAR 、CAB を算出すると共に、当該収差量CAR 、CAB に基づいて赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHと、垂直方向の収差量CARV、CABVとをそれぞれ算出し、緑色に対する赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHを水平収差量信号S6Hとして水平方向補正処理部16に送出すると共に、緑色に対する赤色及び青色の垂直方向の収差量CARV、CABVを垂直収差量信号S6Vとして垂直方向補正処理部23に送出する。
【0040】水平方向補正処理部16は、供給される水平収差量信号S6Hに基づいて、第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bから与えられる赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bのうちの赤色映像データD1R及び青色映像データD1Bについて、色収差に対する所定の補正処理を施す。
【0041】実際上このような補正処理は、各画素毎に行われ、例えば緑色に対して赤色が画素間距離の1/3だけ左側にずれている(すなわち水平方向の赤色の収差量CARHがプラス方向に画素間距離の1/3の大きさである)場合には、対象画素の周囲の画素の赤色の画素データに基づいて当該対象画素から水平方向右側に画素間距離の1/3だけずれた位置における赤色の画素データ値を一般的な補間処理の手法を用いて算出し、当該算出結果を対象画素の赤色の画素データと置き換えることにより行うことができる。
【0042】そして水平方向補間処理部16は、このような補正処理により得られた赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ垂直方向補正処理部23に送出する。
【0043】また垂直方向補正処理部23は、CPU20から供給される垂直収差量信号S6Vに基づいて、水平方向補正処理部16から与えられる赤色映像データD3R、緑色映像データD1G及び青色映像データD3Bのうちの赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bに対し、上述の水平方向の場合と同様にして色収差に対する補正処理を施す。
【0044】そして垂直方向補正処理部23は、このような補正処理により得られた赤色映像データD4R及び青色映像データD4Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ信号処理部24に送出する。
【0045】信号処理部24は、供給される赤色映像データD4R、緑色映像データD1G及び青色映像データD4Bに対してホワイトバランス補正処理及びγ補正処理等の所定の信号処理を施し、得られた記録データD5を回転ドラム(図示せず)に搭載された第1及び第2の磁気ヘッド25A、25Bに所定のタイミングで切り換えながら順次交互に送出する。
【0046】この結果この記録データD5は、第1及び第2の磁気ヘッド25A、25Bを介してビデオテープ26に記録される。このようにしてこのビデオカメラ10においては、撮影により得られた被写体の映像データを、色収差の補正処理を施してからビデオテープ26に記録する。
【0047】なおこの実施の形態の場合、垂直方向補正処理部23から出力される赤色映像データD4R、緑色映像データD1G及び青色映像データD4Bは近似式生成部19にも与えられる。
【0048】このとき近似式生成部19は、供給される赤色映像データD4R、緑色映像データD1G及び青色映像データD4Bに基づいて、被写体のエッジがある信号レベル以上あるか、赤色映像データD4Rに対する緑色映像データD1Gの比及び青色映像データG4Bに対する緑色映像データD1Gの比がある値以上あるか、S/N比がある値以上かなどを判断することにより水平方向補正処理部16及び垂直方向補正処理部23における色収差補正処理に対する評価を行う。
【0049】そして近似式生成部19は、評価として色収差補正処理が不十分であると判断した場合には、この後再び収差量検出部18から与えられる収差量検出信号S3に基づいて、赤色及び青色について、(3)式のa、b、cの値を最小2乗法によって求めることにより図1の色収差特性曲線KR 、KB の近似式を再度算出し、算出結果を近似式信号S4としてCPU20に送出する。
【0050】またこのときCPU20は、メモリ22に格納された対応する色収差特性曲線KR 、KB の近似式のデータを、この近似式信号S4に基づき得られる赤色及び青色の各色収差特性曲線KR 、KB の近似式のデータに更新し、この後上述のような各画素の赤色及び青色についての水平方向及び垂直方向の収差量CARH、CARV、CABH、CABVの演算処理をこの更新したデータに基づいて行う。
【0051】このようにしてこのビデオカメラ10では、メモリ22に格納された色収差特性曲線KR 、KB の近似式のデータを必要に応じて更新するようになされ、かくして常に高品位な映像をビデオテープ26に記録することができるようになされている。」

「【図1】



「【図6】



(イ)刊行物1に記載された発明
刊行物1には、
「ビデオカメラでは、撮影により得られたカラー映像信号に基づくカラー映像の画面内に、・・・画面中心からの距離をパラメータとする3次曲線で近似される大きさの色収差が発生」(段落【0012】)し、「従ってビデオカメラにおいて、各画素について、・・・画面中心Oからの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR、CAB を・・・特性曲線(以下、これらをそれぞれ色収差特性曲線と呼ぶ)KR、KBからそれぞれ求め、得られた赤色及び青色の各収差量CAR、CABに応じて赤色及び青色について所定の補正処理を行うことによって、色収差による画質劣化を防止できる」(段落【0013】)という原理が記載され、
ビデオカメラの構成として、
「被写体の光学像をレンズ11を介してプリズム12に取り込み、当該プリズム12において被写体の光学像を赤色成分、緑色成分及び青色成分に分離した後、これらをそれぞれ第1?第3のCCD13R、13G、13Bの受光面に結像」(段落【0021】)し、
「第1?第3のCCD13R、13G、13Bは、撮影モード時、それぞれ受光面に結像された被写体の光学像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ光電変換し、得られた赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをそれぞれ第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bに送出」(段落【0022】)し、
「第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bは、それぞれ供給される赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをディジタル変換し、得られた赤色映像データD1R、緑色映像データD1G又は青色映像データD1Bを画面中央抜取り部15及び水平方向補正処理部16に送出」(段落【0023】)し、
「画面中央抜取り部15は、供給される赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bからそれぞれ画面中央の数走査ライン分のデータを抜き取り、これらをそれぞれ抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bとして相関検出部17に送出」(段落【0024】)し、
「相関検出部17は、供給される抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づいて、これら抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づく部分的なカラー映像内の有効なエッジを検出」(段落【0025】)し、
「また相関検出部17は、この検出結果に基づいて、走査ライン毎に有効なエッジ上の緑色成分を表す第1の画素PCG・・・と、この第1の画素PCGに対応する当該エッジの赤色成分及び青色成分をそれぞれ表す第2及び第3の画素PCR、PCBとをそれぞれ検出し、検出結果を抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bと共に相関検出信号S2として収差量検出部18に送出」(段落【0026】)し、
「収差量検出部18は、供給される相関検出信号S2に基づいて、相関関係のあるエッジの緑色成分を表す第1の画素PCG・・・と、それぞれエッジの赤色成分又は青色成分を表す第2及び第3の画素PCR、PCB・・・との距離lR、lB・・・を求めることにより、画面中心O・・・からの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR、CABをそれぞれ検出し、検出結果を収差量検出信号S3として近似式生成部19に送出」(段落【0033】)し、
「近似式生成部19は、供給される収差量検出信号S3に基づいて、赤色及び青色について、次式
Y=a×X^(3)+b×X+c ・・・(3)
のa、b、cの値を最小2乗法で求めることにより・・・色収差特性曲線KR、KBの近似式をそれぞれ算出し、算出結果を近似式信号S4としてCPU・・・20に送出」し、「この(3)式においてYは収差量CAR 、CAB を表し、Xは画面中心Oからの位置を表」(段落【0034】?【0036】)し、
「CPU20は、供給される近似式信号S4に基づき得られる緑色に対する赤色及び青色の色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータを、・・・メモリ22に格納」(段落【0037】)し、
「またCPU20は、この後撮影モード時には、・・・色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータをメモリ22から読み出」(段落【0038】)し、
「そしてCPU20は、このデータに基づいて各画素毎に、・・・緑色に対する赤色及び青色の収差量CAR、CABを算出すると共に、当該収差量CAR、CABに基づいて赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHと、垂直方向の収差量CARV、CABVとをそれぞれ算出し、緑色に対する赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHを水平収差量信号S6Hとして水平方向補正処理部16に送出すると共に、緑色に対する赤色及び青色の垂直方向の収差量CARV、CABVを垂直収差量信号S6Vとして垂直方向補正処理部23に送出」(段落【0039】)し、
「水平方向補正処理部16は、供給される水平収差量信号S6Hに基づいて、第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bから与えられる赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bのうちの赤色映像データD1R及び青色映像データD1Bについて、色収差に対する所定の補正処理を施」(段落【0040】)し、
「そして水平方向補間処理部16は、このような補正処理により得られた赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ垂直方向補正処理部23に送出」(段落【0042】)し、
「また垂直方向補正処理部23は、CPU20から供給される垂直収差量信号S6Vに基づいて、水平方向補正処理部16から与えられる赤色映像データD3R、緑色映像データD1G及び青色映像データD3Bのうちの赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bに対し、上述の水平方向の場合と同様にして色収差に対する補正処理を施」(段落【0043】)し、
「そして垂直方向補正処理部23は、このような補正処理により得られた赤色映像データD4R及び青色映像データD4Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ信号処理部24に送出」(段落【0044】)することが記載されている。

以上のとおり、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

「ビデオカメラでは、撮影により得られたカラー映像信号に基づくカラー映像の画面内に、画面中心からの距離をパラメータとする3次曲線で近似される大きさの色収差が発生し、従ってビデオカメラにおいて、各画素について、画面中心Oからの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR、CAB を特性曲線(以下、これらをそれぞれ色収差特性曲線と呼ぶ)KR、KBからそれぞれ求め、得られた赤色及び青色の各収差量CAR、CABに応じて赤色及び青色について所定の補正処理を行うことによって、色収差による画質劣化を防止できるという原理のもと、
被写体の光学像をレンズ11を介してプリズム12に取り込み、当該プリズム12において被写体の光学像を赤色成分、緑色成分及び青色成分に分離した後、これらをそれぞれ第1?第3のCCD13R、13G、13Bの受光面に結像し、
第1?第3のCCD13R、13G、13Bは、撮影モード時、それぞれ受光面に結像された被写体の光学像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ光電変換し、得られた赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをそれぞれ第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bに送出し、
第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bは、それぞれ供給される赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをディジタル変換し、得られた赤色映像データD1R、緑色映像データD1G又は青色映像データD1Bを画面中央抜取り部15及び水平方向補正処理部16に送出し、
画面中央抜取り部15は、供給される赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bからそれぞれ画面中央の数走査ライン分のデータを抜き取り、これらをそれぞれ抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bとして相関検出部17に送出し、
相関検出部17は、供給される抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づいて、これら抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づく部分的なカラー映像内の有効なエッジを検出し、
また相関検出部17は、この検出結果に基づいて、走査ライン毎に有効なエッジ上の緑色成分を表す第1の画素PCGと、この第1の画素PCGに対応する当該エッジの赤色成分及び青色成分をそれぞれ表す第2及び第3の画素PCR、PCBとをそれぞれ検出し、検出結果を抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bと共に相関検出信号S2として収差量検出部18に送出し、
収差量検出部18は、供給される相関検出信号S2に基づいて、相関関係のあるエッジの緑色成分を表す第1の画素PCGと、それぞれエッジの赤色成分又は青色成分を表す第2及び第3の画素PCR、PCBとの距離lR、lBを求めることにより、画面中心Oからの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR、CABをそれぞれ検出し、検出結果を収差量検出信号S3として近似式生成部19に送出し、
近似式生成部19は、供給される収差量検出信号S3に基づいて、赤色及び青色について、次式
Y=a×X^(3)+b×X+c ・・・(3)
のa、b、cの値を最小2乗法で求めることにより色収差特性曲線KR、KBの近似式をそれぞれ算出し、算出結果を近似式信号S4としてCPU20に送出し、
この(3)式においてYは収差量CAR、CABを表し、Xは画面中心Oからの位置を表し、
CPU20は、供給される近似式信号S4に基づき得られる緑色に対する赤色及び青色の色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータを、メモリ22に格納し、
またCPU20は、この後撮影モード時には、色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータをメモリ22から読み出し、
そしてCPU20は、このデータに基づいて各画素毎に、緑色に対する赤色及び青色の収差量CAR、CABを算出すると共に、当該収差量CAR、CABに基づいて赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHと、垂直方向の収差量CARV、CABVとをそれぞれ算出し、緑色に対する赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHを水平収差量信号S6Hとして水平方向補正処理部16に送出すると共に、緑色に対する赤色及び青色の垂直方向の収差量CARV、CABVを垂直収差量信号S6Vとして垂直方向補正処理部23に送出し、
水平方向補正処理部16は、供給される水平収差量信号S6Hに基づいて、第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bから与えられる赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bのうちの赤色映像データD1R及び青色映像データD1Bについて、色収差に対する所定の補正処理を施し、
そして水平方向補間処理部16は、このような補正処理により得られた赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ垂直方向補正処理部23に送出し、
また垂直方向補正処理部23は、CPU20から供給される垂直収差量信号S6Vに基づいて、水平方向補正処理部16から与えられる赤色映像データD3R、緑色映像データD1G及び青色映像データD3Bのうちの赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bに対し、上述の水平方向の場合と同様にして色収差に対する補正処理を施し、
そして垂直方向補正処理部23は、このような補正処理により得られた赤色映像データD4R及び青色映像データD4Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ信号処理部24に送出する
ビデオカメラ。」

イ 刊行物2
(ア)刊行物2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-112046号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば対象物の画像情報に対応する画像データを得る画像読取装置およびその画像読取装置により読み取られた画像情報に対応する画像を形成可能な画像形成装置に関する。」

「【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今日、原稿の画像情報をフルカラーで読み取るために、カラーCCDセンサを用いたカラー画像読取装置が実用化されている。
【0008】しかしながら、カラーCCDセンサとして3ラインCCDセンサを用いる場合、縮小レンズにより、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3つのラインセンサに投影される原稿の画像情報は、縮小レンズの光軸上に位置されるラインセンサと縮小レンズの光軸と直交する面内で縮小レンズの光軸に対して所定の距離に位置される2つのラインセンサとに照射されることになる。
【0009】このため、3ラインCCDセンサに投影される原稿の画像を光電変換すると、縮小レンズの倍率色収差(横色収差)により、色成分毎に異なる大きさ(幅)が与えられることになる。これにより、出力される画像信号には、色ずれが含まれることになる。横色収差に伴う色ずれの程度は、縮小レンズを最適に設計することで緩和されるが、レンズ性能の限界点やコストの上昇から、色ずれを完全に除去することはできない。また、画像形成装置の解像力が向上しているため、僅かな横色収差が残った場合にも、画像の色ずれは、顕著になる。」

「【0033】3ラインCCDセンサ17は、加法混色に従って、原稿Oの画像を、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3つの色成分画像に分解するための、3本のラインセンサ17a、17bおよび17cが互いに平行に配列されている受光面を有し、中央に位置するラインセンサ17bが縮小レンズ16の光軸と交わるように、固定されている。従って、3本のラインセンサ17a(R)、17b(G)および17c(B)のそれぞれにおいて、同一時刻に読み取られる原稿Oの読み取り位置は、各ラインセンサが配置される間隔毎に異なる。なお、CCDセンサ17におけるRラインセンサ17aとGラインセンサ17bとの間の間隔(中心間距離)およびGラインセンサ17bとBラインセンサ17cとの間の間隔(中心間距離)は、それぞれ例えば64μmに設定される。従って、Rラインセンサ17aとBラインセンサ17cとの間の間隔(中心間距離)は、128μmである。また、それぞれのラインセンサ17a(R)、17b(G)および17c(B)は、原色系フィルタである赤色(R)フィルタ、緑色(G)フィルタおよび青色(B)フィルタが設けられているもので、それぞれ、R、GおよびBの色成分毎の画像信号を出力する。」

「【0034】図4は、図2および図3に示した3ラインCCDセンサから出力された得られた画像信号を処理して、図1に示した画像形成装置における画像形成のための出力画像信号を生成する画像処理回路の一例を説明する概略ブロック図である。
【0035】3ラインCCDセンサ17のR用ラインセンサ17a、G用ラインセンサ17bおよびB用ラインセンサ17cのそれぞれから出力された画像信号(ラインセンサの出力)は、それぞれ、画像信号処理部50の増幅器51a、51bおよび51cに入力され、スキャナCPU57の制御により、所定のレベルまで増幅される。
【0036】個々の増幅器51a、51bおよび51cで増幅された各ラインセンサ17a、17bおよび17cからの出力は、(スキャナCPU57の制御により、それぞれに)対応するA/D変換器52a、52bおよび52cによりデジタル信号に変換され、(スキャナCPU57の制御により、それぞれに)対応するシェーディング補正回路53a、53bおよび53cに入力されて、予め白色基準板19からの反射光に基づいて設定されたスレショルドレベルに従って、白レベルと黒レベルの基準値が補正されて、次段の副走査位置補正回路54に、入力される。
【0037】副走査位置補正回路54に入力された画像信号は、スキャナCPU57の制御により、各ラインセンサ17a、17bおよび17cにより読み込んだ際の副走査方向の(同一時刻の)原稿の読み取り位置のずれが補正されて、次段の倍率色収差補正回路55に出力される。
【0038】倍率色収差補正回路55に入力された画像信号は、スキャナCPU57の制御により、CCDセンサ17の各ラインセンサ(17a、17bおよび17c)の配列と縮小レンズ16により、色成分に応じて与えられる倍率色収差(横色収差)の影響が補正され、次段の画像処理回路56に入力される。詳細には、倍率色収差補正回路55は、センサ17a(R画像信号)、センサ17b(G画像信号)およびセンサ17c(B画像信号)のそれぞれに、所定の遅延を与える遅延メモリ55-1、ラインCCDセンサ17において中央に位置されているセンサ17b(G)の出力を基準にセンサ17aとセンサ17cとから出力されて前に増幅されている画像信号(複)に所定の補正を与える倍率色収差補正部55-2および補正データメモリ(ROM)55-3を含み、以下に説明する補正係数パラメータ発生ユニット131により、調整作業者からの入力に基づいて任意に変更可能で、調整エンジニアの操作により設定される補正係数パラーメタを受け取って、例えばG画像信号に対するR画像信号とB画像信号の位置ずれを補正して、画像処理回路56に出力する。」

「【0057】ところで、(1)式および(2)式から容易に理解されるが、各ラインセンサから出力された画像信号の位置ずれを高い精度で補正するためには、隣接画素間の重みづけが必要であり、従って、最少の1画素のサイズより小さな位置ずれ量を測定しなければならない。また、横色収差は、像高(主走査位置)によっても変化するため、位置ずれ量を測定する際には、主走査方向の全域についても、測定する必要がある。例えば図9に示すような、一般的なカラー画像読取装置での主走査方向の横色収差に起因するR、GおよびB間の最大読み取り位置ずれ量は、横軸が主走査方向の位置(単位は画素数/10)を表し、縦軸がR、GおよびB間の読み取り位置の最大ずれ量(単位は画素数)を表すとき、主走査方向の全域に関して、概ね0.35画素に相当する大きなうねりを含み、主走査方向の個々の位置において、0.1画素程度の幅を含むことが認められる。」

「【0066】ところで、主走査方向に対する位置ずれ量の分布は、同じ設計基準で作られた画像読取装置相互では、類似した形状を示すので、関数で近似することができる。この場合、任意の位置における位置ずれ量を、実測データから得られる近似式により求めることができるので、近似式を表す数個のパラメータのみを格納するだけでよく、全画素における位置ずれ量を全て格納しておく必要が無くなり、位置ずれ量を記憶するための格納メモリの容量を大幅に削減できる。
【0067】例えば、図9に示すようなパターンの位置ずれ量の分布を有する画像読取装置においては、図13(a)に示すような1次式、図13(b)に示すような3次式、または図13(c)に示すような3つの直線等のいずれかの形式で近似することができる。
【0068】例えば、図13(a)に示す1次式を用いるならば、各画素位置iにおけるG信号から見たR信号およびB信号の位置ずれ量(DRおよびDB)を、
DR=KR×i+LR、
DB=KB×i+LB
で表すことができるので、僅か4個のパラメータ(KR、LR、KBおよびLB)だけを格納できるメモリを用意すればよい。また、位置ずれ量の分布形状が既に確認できているならば、全ての画素位置に関して位置ずれ量を求める必要はなく、特徴的な位置(極大値、極小値、両端および中央またはそれぞれの近傍等)のみでデータを取得すればよい。
【0069】なお、上述したようにさまざまな画素位置での位置ずれ量を求めることおよび求められた位置ずれ量を用いて1画素の満たない画素間の位置ずれ量を補間することは、図4を用いて前に説明した補正係数パラメータ発生ユニット131から倍率色収差補正回路55に供給される補正係数パラメータを用いて達成される。補正係数パラメータ発生ユニット131は、図4に示した通り、ラインメモリ133にストアされた3ラインCCDセンサ17の各センサ17a、17bおよび17cからの出力信号に、GUI137からの入力に応じてデータ処理部135で所定の処理(演算)を施して補正係数パラメータを発生し、倍率色収差補正回路55の補正データメモリ55-3に供給する。倍率色収差補正部55-2は、補正データメモリ55-3に入力された補正係数パラメータを用い、遅延メモリ55-1により少なくともR画像信号とB画像信号に所定の遅延が与えられた結果を、位置ずれがなくなるように補正する。」

「【0114】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のカラー画像読取装置は、位置ずれ量の分布を一次式で近似し、一次式を表すパラメータのみをメモリに格納し、そのパラメータを利用して、主走査方向の全画素位置における色ずれを補正できる。なお、一次式の代わりに、多項式で近似し、多項式を表すパラメータのみをメモリに格納し、そのパラメータを利用して、主走査方向の全画素位置における色ずれを補正することもできる。このとき、位置ずれ量の分布を複数の区間に分けて、それぞれの区間で分布を一次式で近似し、それぞれの直線を表すパラメータのみをメモリに格納し、そのパラメータを利用して、主走査方向の全画素位置における色ずれを補正してもよい。」

「【図9】



「【図13】



(イ)刊行物2に記載された発明
刊行物2は、縮小レンズの光軸上に位置される3ラインCCDラインセンサを用いた画像読み取り装置が記載され(段落【0007】【0008】、【0038】)、主走査方向の横色収差(倍率色収差)に起因する位置ずれ量を補正することが記載されている(段落【0057】)。位置ずれ量は、図9のようになり(段落【0057】)、関数で近似することができ(段落【0066】)、図13(a)に示すような1次式、図13(b)に示すような3次式、または図13(c)に示すような3つの直線等のいずれかの形式で近似することができる(段落【0067】)ことが記載されている。 また、位置ずれ量の分布を複数の区間に分けて、それぞれの区間で分布を一次式で近似し、それぞれの直線を表すパラメータのみをメモリに格納し、そのパラメータを利用して、主走査方向の全画素位置における色ずれを補正してもよい(段落【0114】)ことが記載されている。
また、段落【0057】には、「横色収差は、像高(主走査位置)によっても変化するため、位置ずれ量を測定する際には、主走査方向の全域についても、測定する必要がある。例えば図9に示すような、一般的なカラー画像読取装置での主走査方向の横色収差に起因するR、GおよびB間の最大読み取り位置ずれ量は、横軸が主走査方向の位置(単位は画素数/10)を表し、縦軸がR、GおよびB間の読み取り位置の最大ずれ量(単位は画素数)を表すとき、主走査方向の全域に関して、概ね0.35画素に相当する大きなうねりを含み、主走査方向の個々の位置において、0.1画素程度の幅を含むことが認められる。」と記載されており、図9は、主走査方向の全域についてのものと認められ、縮小レンズの光軸の中心は、横軸の真ん中にあると考えることが自然である。
以上より、刊行物2には、横色収差(倍率色収差)に起因する位置ずれ量を1次式、3次式または、位置ずれ量の分布を複数の区間に分けて、それぞれの区間の分布を一次式で近似する発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されている。

(5)対比
ア 補正発明と刊行物1発明との対比
補正発明と刊行物1発明とを対比する。

(ア)「撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段と、前記撮影光学系の色収差によるずれ量を線型関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段と、を備えた画像処理装置」

a 撮像手段
刊行物1発明は、
「被写体の光学像をレンズ11を介してプリズム12に取り込み、当該プリズム12において被写体の光学像を赤色成分、緑色成分及び青色成分に分離した後、これらをそれぞれ第1?第3のCCD13R、13G、13Bの受光面に結像し、
第1?第3のCCD13R、13G、13Bは、撮影モード時、それぞれ受光面に結像された被写体の光学像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ光電変換し、得られた赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをそれぞれ第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bに送出し、
第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bは、それぞれ供給される赤色映像信号S1R、緑色映像信号S1G又は青色映像信号S1Bをディジタル変換し、得られた赤色映像データD1R、緑色映像データD1G又は青色映像データD1Bを画面中央抜取り部15及び水平方向補正処理部16に送出」するものであり、「撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段」を備えているといえる。

b 色収差補正手段
刊行物1発明は、
「画面中央抜取り部15は、供給される赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bからそれぞれ画面中央の数走査ライン分のデータを抜き取り、これらをそれぞれ抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bとして相関検出部17に送出し、
相関検出部17は、供給される抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づいて、これら抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bに基づく部分的なカラー映像内の有効なエッジを検出し、
また相関検出部17は、この検出結果に基づいて、走査ライン毎に有効なエッジ上の緑色成分を表す第1の画素PCGと、この第1の画素PCGに対応する当該エッジの赤色成分及び青色成分をそれぞれ表す第2及び第3の画素PCR、PCBとをそれぞれ検出し、検出結果を抜取り赤色映像データD2R、抜取り緑色映像データD2G及び抜取り青色映像データD2Bと共に相関検出信号S2として収差量検出部18に送出し、
収差量検出部18は、供給される相関検出信号S2に基づいて、相関関係のあるエッジの緑色成分を表す第1の画素PCGと、それぞれエッジの赤色成分又は青色成分を表す第2及び第3の画素PCR、PCBとの距離lR、lBを求めることにより、画面中心O・・・からの距離Lに応じた緑色を基準とする赤色及び青色の収差量CAR、CABをそれぞれ検出し、検出結果を収差量検出信号S3として近似式生成部19に送出し、
近似式生成部19は、供給される収差量検出信号S3に基づいて、赤色及び青色について、次式
Y=a×X^(3)+b×X+c ・・・(3)
のa、b、cの値を最小2乗法で求めることにより色収差特性曲線KR、KBの近似式をそれぞれ算出し、算出結果を近似式信号S4としてCPU20に送出し、
この(3)式においてYは収差量CAR、CABを表し、Xは画面中心Oからの位置を表し、
CPU20は、供給される近似式信号S4に基づき得られる緑色に対する赤色及び青色の色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータを、メモリ22に格納し、
またCPU20は、この後撮影モード時には、色収差特性曲線KR、KBの近似式のデータをメモリ22から読み出し、
そしてCPU20は、このデータに基づいて各画素毎に、緑色に対する赤色及び青色の収差量CAR、CABを算出すると共に、当該収差量CAR、CABに基づいて赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHと、垂直方向の収差量CARV、CABVとをそれぞれ算出し、緑色に対する赤色及び青色の水平方向の収差量CARH、CABHを水平収差量信号S6Hとして水平方向補正処理部16に送出すると共に、緑色に対する赤色及び青色の垂直方向の収差量CARV、CABVを垂直収差量信号S6Vとして垂直方向補正処理部23に送出し、
水平方向補正処理部16は、供給される水平収差量信号S6Hに基づいて、第1?第3のアナログ/ディジタル変換回路14R、14G、14Bから与えられる赤色映像データD1R、緑色映像データD1G及び青色映像データD1Bのうちの赤色映像データD1R及び青色映像データD1Bについて、色収差に対する所定の補正処理を施し、
そして水平方向補間処理部16は、このような補正処理により得られた赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ垂直方向補正処理部23に送出し、
また垂直方向補正処理部23は、CPU20から供給される垂直収差量信号S6Vに基づいて、水平方向補正処理部16から与えられる赤色映像データD3R、緑色映像データD1G及び青色映像データD3Bのうちの赤色映像データD3R及び青色映像データD3Bに対し、上述の水平方向の場合と同様にして色収差に対する補正処理を施し、
そして垂直方向補正処理部23は、このような補正処理により得られた赤色映像データD4R及び青色映像データD4Bと、補正処理が施されていない緑色映像データD1Gとをそれぞれ信号処理部24に送出する」
ものであり、色収差を補正するものであって、色収差補正手段を備えているものといえる。
刊行物1発明は、近似式として3次関数である式(3)を用いており、関数に基づいて撮影光学系の色収差によるずれ量を算出して、ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行っているといえる。
したがって、刊行物1発明は、「前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段」を備えているといえる。
しかしながら、刊行物1発明は、3次関数に基づいてずれ量を算出しており、線型関数に基づいているとはいえないから、補正発明と相違する。

c 画像処理装置
上記bのとおり、刊行物1発明は、色収差補正手段を有しており、画像を処理しているといえるから、「画像処理装置」といえる。

d まとめ
以上のとおり、刊行物1発明は、
「撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段と、前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段と、を備えた画像処理装置」
といえる。
しかしながら、「色収差補正手段」における「前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出」する「関数」が補正発明においては、「線型」関数であるのに対し、引用発明1においては「3次」関数である点で相違する。

(イ)「前記色収差補正手段は、前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うことを特徴とする画像処理装置」

上記(ア)bのとおり、色収差補正手段は、「前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う」ものといえ、関数である式(3)のXは、「画面中心Oからの位置を表」すものであるから、「前記色収差補正手段は、画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心からの距離をパラメータとする、関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」ものといえる。
しかしながら、刊行物1発明は、「前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」ものではなく、補正発明と相違する。

イ 一致点、相違点
補正発明と刊行物1発明の一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段と、前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段と、を備えた画像処理装置であって、
前記色収差補正手段は、画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心からの距離をパラメータとする、関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うことを特徴とする画像処理装置。

(相違点)
「色収差補正手段」における「前記撮影光学系の色収差によるずれ量を関数に基づき算出」する「関数」が補正発明においては、「線型」関数であるのに対し、引用発明1においては「3次」関数であり、
補正発明における「色収差補正手段」が、「前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」のに対し、引用発明においては、そうではない点。

(6)相違点の判断
ア 相違点について
刊行物1発明は、色収差(倍率色収差)によるずれ量を3次関数に基づき算出するものであり、刊行物2発明は、倍率色収差に起因する位置ずれを、1次式、3次式または位置ずれ量の分布を複数の区間に分けて、それぞれの区間の分布を一次式で近似する(上記(4)イ(イ))ものであり、刊行物1発明及び刊行物2発明は倍率色収差によるずれ量を算出するものであるから、刊行物1発明において倍率色収差によるずれ量を3次関数に基づいて算出するのに代えて、刊行物2発明における、位置ずれ量の分布を複数の区間に分けて、それぞれの区間の分布を1次関数で近似するようにすることは、当業者が容易に着想することである。
そして、刊行物2の図9においては、縮小レンズの光軸の中心は,横軸の真ん中にあると考えることが自然であり、刊行物2の図13(c)においても、横軸と直線が交わる点が光学中心であると考えられるから、刊行物1発明に刊行物2発明を適用して、光学中心を含む領域における注目画素については、光学中心からの距離をパラメータとする線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正をするようにし、光学中心を含む領域ではない領域における注目画素については、光学中心からの距離をパラメータとする、光学中心を含む領域における線型関数とは異なる線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正をするようにすることは、当業者が容易に想到することである。
光学中心を含む領域は第1領域といえ、光学中心を含む領域ではない領域は第2領域といえ、光学中心を含む領域における線型関数は第1線型関数といえ、光学中心を含む領域における線型関数とは異なる線型関数は第2線型関数といえる。
したがって、刊行物1発明に刊行物2発明を適用して、刊行物1発明において、3次関数を線型関数とし、「前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行うとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて倍率色収差の色収差補正を行う」ようにすることは、当業者が容易に想到することである。

イ 効果等
以上のように、相違点に係る構成は当業者が容易に想到できたものである。そして、補正発明の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到することができたものであるところ、補正発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

したがって、補正発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成25年6月27日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?10に係る発明は、平成25年1月8日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。

「撮像光学系による光像を光電変換する撮像手段と、前記撮影光学系の色収差によるずれ量を線型関数に基づき算出し、該ずれ量に応じて撮像画像データに対する色収差補正を行う色収差補正手段と、を備えた画像処理装置であって、
前記色収差補正手段は、前記撮像画像データの画像面のうち、該画像面内で前記撮像光学系の光軸に対応する位置である光学中心を含む第1領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする第1線型関数を用いて色収差補正するとともに、該光学中心が含まれない、前記第1の領域とは異なる第2領域における注目画素については、該光学中心からの距離をパラメータとする、前記第1線型関数とは異なる第2線型関数を用いて色収差補正を行うことを特徴とする画像処理装置。」

2 刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、2の記載事項は、上記第2の2(4)に記載したとおりである。

3 対比・判断
(1)対比
本願発明は、補正発明における「倍率色収差の色収差補正を行う」を「色収差補正を行う(する)」としたものである。
そうすると、本願発明と刊行物1発明との一致点は、上記第2の2(5)イの一致点の「倍率色収差の色収差補正」を「色収差補正」としたものであり、相違点は上記第2の2(5)イの相違点を同じである。

(2)判断等
相違点は、上記第2の2(5)イの相違点と同じであるので、上記第2の2(6)アの判断を援用する。
したがって、本願発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、請求項2?10に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-03-05 
結審通知日 2014-03-11 
審決日 2014-03-25 
出願番号 特願2009-38812(P2009-38812)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 勝久  
特許庁審判長 奥村 元宏
特許庁審判官 小池 正彦
渡邊 聡
発明の名称 画像処理装置および画像処理方法  
代理人 ▲徳▼永 民雄  
代理人 大菅 義之  
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