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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1287741
審判番号 訂正2014-390012  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-01-17 
確定日 2014-03-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5312561号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5312561号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第5312561号は、平成19年6月1日に出願された特願2007-147515号の一部を、平成23年11月16日に特願2011-251140号として出願した特許出願したものであり、平成25年7月12日にその特許権の設定の登録がなされ、平成26年1月17日に本件訂正審判の請求がなされた。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第5312561号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを求めるものである。(以下、特許第5312561号の明細書及び特許請求の範囲を、それぞれ「願書に添付した明細書」、「本件特許請求の範囲」という。)
その訂正内容は、次のとおりである。

<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の請求項1において、
「前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記演出図柄表示手段に実行させる演出制御手段と」を、
「前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記第1特別図柄表示手段及び前記第2特別図柄表示手段に実行させる特別図柄表示制御手段と」と訂正する。

<訂正事項2>
本件特許請求の範囲の請求項1において、
「前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行させるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときと」を、
「前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行されるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときと」と訂正する。

<訂正事項3>
本願の願書に添付した明細書の段落【0009】において、
「前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記演出図柄表示手段に実行させる演出制御手段と」を、
「前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記第1特別図柄表示手段及び前記第2特別図柄表示手段に実行させる特別図柄表示制御手段と」と訂正する。

<訂正事項4>
本願の願書に添付した明細書の段落【0009】において、
「前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行させるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときと」を、
「前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行されるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときと」と訂正する。

<訂正事項5>
本願の願書に添付した明細書の段落【0001】において、
「本発明は、本発明は、複数の入賞検知手段を備えた遊技機に関するものである。」を、
「本発明は、複数の入賞検知手段を備えた遊技機に関するものである。」と訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1における以下の記載から、それぞれ以下の事項が理解できる。
「複数種類の特別図柄を変動させて行う第1特別図柄変動ゲームを実行する第1特別図柄表示手段と、複数種類の特別図柄を変動させて行う第2特別図柄変動ゲームを実行する第2特別図柄表示手段」からは、第1及び第2特別図柄変動ゲームは第1及び第2特別図柄表示手段でおこなわれること。

「第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームに対応して演出図柄を変動表示する演出図柄変動ゲームを実行する演出図柄表示手段」からは、演出図柄変動ゲームは第1及び第2特別図柄変動ゲームとは異なるものであって、かつ、演出図柄表示手段でおこなわれること。

「第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記演出図柄表示手段に実行させる演出制御手段」からは、第1及び第2特別図柄変動ゲームは、演出制御手段に制御される演出図柄表示手段でおこなわれること。

しかしながら、1つ目の理解において「第1及び第2特別図柄変動ゲームは第1及び第2特別図柄表示手段」でおこなわれるものであるのに対して、3つ目の理解では「第1及び第2特別図柄変動ゲームは演出図柄表示手段」でおこなわれると、両者は矛盾する記載であり、請求項1の記載が明瞭でないものとなっていた。
ここで、願書に添付した明細書の記載を検討する。
「【0044】
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、第1始動口センサSE1と、第2始動口センサSE2と、カウントスイッチSE3等が接続されている。また、メインCPU30aには、第1特図表示器H0と、第2特図表示器H1と、第1保留表示器Rと、第2保留表示器Lが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。」
これから、主制御基板30のメインCPU30aには、第1特図表示器H0と、第2特図表示器H1が接続されていることがわかる。

「【0045】
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。」
これから、主制御基板30のROM30bには、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定するための複数種類の変動パターンが記憶されていることがわかる。

「【0067】
具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように第1特図表示器H0の表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器H0の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。」
「【0073】
具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように第2特図表示器H1の表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。」
これらから、第1特図表示器H0も第2特図表示器H1も、その表示内容はメインCPU30aが指定した変動パターンによって制御されていることがわかる。

そして、願書に添付した明細書の各段落の記載を総合すると、
「メインCPU30aは、変動パターンに基づき、第1特図表示器H0、及び第2特図表示器H1の各表示内容として図柄変動ゲームを実行させる」ことになる。

また、願書に添付した明細書につき、さらに以下の記載を検討する。
「【0021】
また、可変表示器H2には、第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、第1特図表示器H0又は第2特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、第1特図表示器H0又は第2特図表示器H1に[0]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、第1特図表示器H0又は第2特図表示領域H1に[-]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。」
これから、可変表示器H2では、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームの結果に対応した図柄組み合わせゲームが飾図による図柄組み合わせとして実行されることがわかる。

「【0055】
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。」
これから、表示制御基板32のサブCPU32aには可変表示器H2が接続され、表示制御基板32のROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されていることがわかる。

そして、願書に添付した明細書の各段落の記載のうち可変表示器H2に関連するものを総合すると、
「サブCPU32aは、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームの結果に対応した図柄組み合わせゲームが飾図による図柄組み合わせとして可変表示器H2に実行させる」ことになる。

そして、願書に添付した明細書の他の部分の記載や遊技機の技術分野の技術常識を参酌すれば、
請求項1の「第1、第2特別図柄変動ゲーム」は、願書に添付した明細書の「第1、第2の変動ゲーム」に基づくものであること、
同様に請求項1の「第1、第2特別図柄表示手段」は、願書に添付した明細書の「第1、第2特図表示器」に、
請求項1の「演出図柄変動ゲーム」は、願書に添付した明細書の「第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームの結果に対応した図柄組み合わせゲーム」に、
請求項1の「演出制御手段」は、願書に添付した明細書の「表示制御基板32のサブCPU32a」に基づくものであることは明らかである。
さらに、発明の実施例において、制御基板のCPUが実行する制御内容を請求項に記載する際に「?手段」と書き表すことは通常おこなわれていることを考え合わせると、「第1特別図柄表示手段及び第2特別図柄表示手段」に「第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲーム」を実行させる一連の制御を「?手段」とし、願書に添付した明細書や、本件特許請求の範囲の記載を参酌しつつ「特別図柄表示制御手段」とすることは、当業者にとって自明である。
とすれば、「第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲーム」を、どの手段がどの手段に対して実行させるのかを明瞭にする、つまり「特別図柄表示制御手段が特別図柄表示手段に対して実行させる」ことを明瞭にする訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項1は願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正前の請求項1において、訂正事項2に係る箇所には「第1特別図柄変動ゲームが実行させるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるとき」と、「第1特別図柄変動ゲーム」では「実行させる」、「第1特別図柄変動ゲーム」では「実行される」と、ほぼ同じ技術内容に対する記載であるにも関わらず、異なる記載が用いられ、不明瞭な記載であった。
上記「3.(1)訂正事項1について」で、検討したように、「図柄変動ゲーム」は、制御手段によって「実行される」ものであって、「実行させる」ものではないから「実行させる」とあった方を「実行される」に訂正する訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項2は願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項2は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3及び4について
本件特許請求の範囲における請求項1を訂正事項1及び2のとおりに訂正したことに伴い、訂正事項3は訂正事項1に、訂正事項4は訂正事項2に、整合性を取るために、関連する発明の詳細な説明の記載を訂正したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1及び2と同じ理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項5について
訂正前の【0001】において、訂正事項5に係る箇所には「本発明は、本発明は、複数の入賞検知手段を」と、「本発明は、」が二度繰り返されており、日本語として意味の通らない不明瞭な記載であった。
これを「本発明は、複数の入賞検知手段を」と、繰り返しを廃し、意味の通る日本語とする訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項5は願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項5は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)一群の請求項についての説明
訂正後の請求項3は、訂正事項1及び2を含む訂正後の請求項1、または、訂正事項1及び2を含む訂正後の請求項1を引用する請求項2を引用しているから、訂正後の請求項1?3は、特許法施行規則第46条の2第1号及び第2号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、本件請求は、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

(6)願書に添付した明細書の訂正に係る請求項についての説明
願書に添付した明細書の段落【0001】中に記載されている訂正事項5は請求項1?3に対応する【技術分野】の記載であり、同段落【0009】中に記載されている訂正事項3及び4は、請求項1?3に対応する【課題を解決するための手段】の記載であり、上記訂正事項1及び2に係る一群の請求項(請求項1?3)は、当該訂正事項3?5と関係を有するから、願書に添付した明細書の訂正である当該訂正事項3?5と関係する全ての一群の請求項(請求項1?3)が請求の対象とされている。
したがって、本件請求は、第126条第4項の規定に適合するものである。

(7)付記
訂正事項1乃至5は、上述したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法第126条第1項ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条第7項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるということは、訂正認容の要件とされていない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第3項乃至第6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入賞検知手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われている。そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームで導出され、最終的に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。このようなパチンコ機の中には、大当り遊技の終了後に、該大当り遊技とは別の有利な遊技状態(特典)を付与する機能が搭載されたものがある。このような機能としては、例えば、確率変動(以下、「確変」と示す)機能が知られている。確変機能は、大当り遊技の終了後に大当りの当選確率(抽選確率)を低確率である通常確率から高確率に変動する確変状態(高確率状態)を遊技者に付与する機能である。
【0003】
このような遊技機において、遊技盤の遊技領域に始動入賞口を複数設け、それらの始動入賞口へ遊技球が入賞した場合に、図柄変動ゲームを1つの表示装置で行うようにしたものがある(特許文献1)。この遊技機においては、始動入賞口毎に始動保留球数を記憶する始動保留記憶部を設けている。そして、表示装置が図柄変動ゲームを開始する際、複数の始動保留記憶部にて始動保留球数がそれぞれ記憶されている場合、予め決められた始動保留記憶部に記憶された始動保留球数に基づく図柄変動ゲームを優先的に実行するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-304932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の遊技機は、各始動保留記憶部に優先度を設定しており、開閉羽根が備えられているために確変状態が付与されているときにのみ入賞可能な第2始動入賞口に入賞した遊技球に基づく図柄変動ゲームを優先的に実行している。このため、第2始動入賞口へ遊技球が入賞したときの図柄変動ゲームは、常時入賞させることができる第1始動入賞口へ遊技球が入賞したときと比較して大当りとなる確率を高くしている。さらに、第1始動入賞口への入賞に基づく図柄変動ゲームにて大当りとなったときには、大当り遊技の最大ラウンド遊技数が15回としている一方、第2始動入賞口への入賞に基づく図柄変動ゲームにて大当りとなったときには、大当り遊技の最大ラウンド遊技数が10回としている。
【0006】
しかしながら、このように構成することにより、確変大当りが連続して発生した場合において、最大ラウンド遊技数が少ない(すなわち、大当り遊技中に獲得できる遊技球数が少ない)大当り遊技が連続する可能性が高くなる。そして、遊技者は折角連続して確率変動が付与される大当り遊技となったのに、獲得する遊技球数に不満を抱いてしまい遊技意欲が低下してしまう虞があった。
【0007】
また、このようなことを防止するために確変大当りの割合を多くしてしまうと、遊技店に不利益となる場合がある。すなわち、確変大当りが連続してしまい、払い出さなくてはならない遊技球が多くなる場合がある。従って、このような遊技機では、多数の遊技球を獲得したいという遊技者側の思惑と、遊技球の獲得数を抑えたい遊技者側の思惑が存在し、そのバランスを取るのが困難となっていた。
【0008】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、特別遊技状態が付与される割合を変更することなく、遊技者に不利な遊技内容の大当り遊技が連続しないようにすることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の特別図柄を変動させて行う第1特別図柄変動ゲームを実行する第1特別図柄表示手段と、複数種類の特別図柄を変動させて行う第2特別図柄変動ゲームを実行する第2特別図柄表示手段と、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームに対応して演出図柄を変動表示する演出図柄変動ゲームを実行する演出図柄表示手段と、を備え、前記第1特別図柄変動ゲーム又は前記第2特別図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に大当り遊技が行われる遊技機において、遊技球が常時入球可能に構成されている第1入球口と、第1入球口に入球した遊技球を検知する第1検知手段を有する第1入賞検知手段と、開状態と閉状態を取り得る開閉部材と、前記開閉部材が開放しているときに遊技球が入球可能となる第2入球口と、第2入球口に入球した遊技球を検知する第2検知手段を有する第2入賞検知手段と、前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、前記第1入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段と、前記第2入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段と、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数の値と予め定めた大当り判定値とを比較し、大当りか又ははずれかを判定する大当り判定を行う大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームの演出時間を特定する変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記大当り判定において大当りと判定された場合、複数種類の前記大当り遊技の中から大当り遊技の種類を決定する大当り遊技決定手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記第1特別図柄表示手段及び前記第2特別図柄表示手段に実行させる特別図柄表示制御手段と、前記大当り判定において大当りと判定された場合、前記大当り遊技の終了後に、前記大当り遊技の種類に基づき、特別遊技状態としての確変状態又は時短状態を付与する特別遊技状態付与決定手段と、遊技球検知手段により遊技球が検知されることにより、予め定めた複数種類の普通図柄を変動表示すると共に、予め決められた当り表示結果を表示するときに前記開閉部材が開放される普通当り遊技が付与される普通図柄変動ゲームを実行する普通図柄表示手段と、前記大当り遊技が付与されたときに開放し、入球した遊技球を検知すると共に賞球の払出契機を付与する大入賞口と、を備え、前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行されるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときとで、変動パターンの振り分けは、異なるように設定されており、前記演出図柄表示手段は、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームにて表示された表示結果に対応する表示結果を演出図柄変動ゲームにて表示させ、前記大当り判定手段は、前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段が共に始動保留球を記憶している場合、前記特別遊技状態とは異なる通常状態、前記確変状態及び前記時短状態のうちいずれの遊技状態が付与されているときであっても、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を優先的に実行し、確変状態が付与されている場合、確変状態が付与されていない場合と比較して、大当り判定において高確率で大当りと判定し、時短状態が付与されている場合、確変状態と時短状態が付与されていない通常状態の大当り確率と同一の確率で大当り判定し、確変状態が付与されているときには、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合のいずれであっても、大当り判定において確変状態が付与されているときの確率で大当りと判定し、確変状態が付与されていないときには、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合のいずれであっても、大当り判定において確変状態が付与されていないときの確率で大当りと判定するように構成されており、前記開閉部材は、確変状態又は時短状態が付与されている場合、確変状態又は時短状態が付与されていない場合と比較して、開状態となる時間が長くなるように構成され、前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定される場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定される場合のいずれであっても、同じ確率で確変状態を付与することを決定し、前記特別遊技状態付与決定手段は、予め決められた非確変大当り遊技が付与された場合、当該非確変大当り遊技の終了後に確変状態を付与することなく時短状態を付与する一方、時短状態を付与した後、演出図柄変動ゲームが予め決められた上限回数分実行されるまで時短状態を付与することができるように構成され、前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定され、且つ前記特別遊技状態付与決定手段が確変状態を付与することを決定する場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定され、且つ前記特別遊技状態付与決定手段が確変状態を付与することを決定する場合と比較して、他の大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が長く構成され、獲得可能な賞球が多い大当り遊技を決定する割合を増やす一方、他の大当り遊技を決定する割合をその分減らした決定割合で大当り遊技を決定することにより、他の大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が長く構成され、獲得可能な賞球が多い大当り遊技を高確率で決定するように構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記大当り遊技には、大入賞口の開放時間が長い第1大当り遊技と、第1大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が短い第2大当り遊技が存在し、前記演出図柄表示手段は、前記第1大当り遊技と前記第2大当り遊技のいずれが付与される場合であっても、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームが大当りとなる場合、複数種類の大当り図柄の中から予め決められた特定大当り図柄を表示可能に構成され、前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1大当り遊技が付与された場合には、確変状態又は時短状態を付与することを決定する一方、前記第2大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを決定することを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に図柄乱数を取得する図柄乱数取得手段と、前記大当り判定手段が前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を実行したとき、第1特別図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を前記図柄乱数取得手段によって取得された図柄乱数に基づき決定する第1図柄判定手段と、前記大当り判定手段が前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を実行したとき、第2特別図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を前記図柄乱数取得手段によって取得された図柄乱数に基づき決定する第2図柄判定手段を備え、前記乱数取得手段は、前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のいずれが遊技球の入賞検知した場合であっても、共通の大当り判定用乱数を取得し、前記大当り判定手段は、第1始動保留球又は第2始動保留球のいずれかに記憶された大当り判定用乱数であっても、共通の大当り判定値を使用して大当り判定を行うように構成され、前記図柄乱数取得手段は、前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のいずれが遊技球を入賞検知した場合であっても、共通の図柄乱数を取得し、前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1図柄判定手段により決定された最終停止図柄又は前記第2図柄判定手段により決定された最終停止図柄に基づいて大当り遊技の終了後に付与する特別遊技状態の種類を決定することを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特別遊技状態が付与される割合を変更することなく、遊技者に不利な遊技内容の大当り遊技が連続しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】センター役物の正面図。
【図3】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図4】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
【図5】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
【図6】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1?図6に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
【0015】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の表示手段としての第1特図表示器H0と、7セグメント型の表示手段としての第2特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、第1特図表示器H0はセンター役物20の右下部に設けられ、第2特図表示器H1はセンター役物20の左下部に設けられている。また、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、第1特図表示器H0又は第2特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
【0016】
そして、図柄変動ゲームにおいて第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特図表示器H0で行われる図柄変動ゲームを「第1の変動ゲーム」と示し、第2特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームを「第2の変動ゲーム」と示す場合がある。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
【0017】
そして、第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、第1特図表示器H0と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。同様に、第2特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。その一方、第1特図表示器H0と、第2特図表示器H1では、並行して図柄変動ゲームが行われることがない。すなわち、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームのうち、どちらか一方のみが実行されるようになっている。
【0018】
本実施形態において第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1には、[0][1][2]の数字と、[-]の図柄が特図として表示されるようになっている。第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[0][1][2]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図における大当り図柄(大当り表示結果)となる。一方、第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1に確定表示された図柄が[-]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図におけるはずれ図柄となる。
【0019】
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、第1特図表示器H0及び特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
【0020】
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
【0021】
また、可変表示器H2には、第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、第1特図表示器H0又は第2特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、第1特図表示器H0又は第2特図表示器H1に[0]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、第1特図表示器H0又は第2特図表示領域H1に[-]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0022】
以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
【0023】
また、遊技盤13の左端(センター役物20の左側)には、7セグメント型の普通図柄表示器H10が配設されており、普通図柄表示器H10では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて普図を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態では、普図ゲームで1つの普図を導出し、該普図の種類を「0」「1」の2種類としている。
【0024】
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示器H10に表示された普図が「1」の場合には、当りを認識できる。この当りを認識できる普図が当りの表示結果となる。当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普図当り遊技状態が付与される。また、普通図柄表示器H10に表示された普図が「0」である場合には、その普図からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
【0025】
また、図2に示すように、センター役物20の下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動用入球口25aを有する第1入賞検知手段としての第1始動入賞口25が配設されている。第1始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する第1始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。第1始動入賞口25は、遊技球の入球を契機に、第1の変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、第1始動入賞口25の下方には、遊技球が入球可能な第2始動用入球口27aと、普通電動役物ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)26とを備えた第2入賞検知手段としての第2始動入賞口27が配設されている。図2では、開状態とされた開閉羽根26を実線で示し、閉状態とされた開閉羽根26を2点破線で示す。従って、本実施形態では、開閉羽根26が開閉部材となる。
【0026】
第2始動入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知する第2始動口センサSE2(図3に示す)が設けられている。第2始動入賞口27は、遊技球の入球を契機に、第2の変動ゲームの始動条件を付与し得る。第2始動入賞口27の第2始動用入球口27aは、常には開閉羽根26が閉状態とされて閉鎖されている。第2始動用入球口27aが閉鎖されている状態において第2始動入賞口27は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、第2始動用入球口27aは、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。第2始動用入球口27aが開放されている状態において第2始動入賞口27は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。
【0027】
第1始動入賞口25と第2始動入賞口27は、遊技盤13の遊技領域13aに発射される遊技球の流下方向(上下方向)に沿って並設されており、本実施形態の遊技盤13には始動条件を付与し得る始動条件装置(入賞検知手段)が複数設けられていることとなる。
【0028】
また、図1に示すように、第2始動入賞口27の下方には、大入賞口ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口装置29が配設されている。大入賞口装置29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE3が設けられている。そして、大当り遊技状態が生起されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口装置29が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0029】
また、図2に示すように、センター役物20において第1特図表示器H0の右側には、第1保留表示器Rが配設されている。第1保留表示器Rは、第1始動入賞口25に入球し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「第1始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、第1保留表示器Rの表示内容によって保留されている第1の変動ゲームの回数が報知される。
【0030】
第1始動保留記憶数は、第1始動入賞口25へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、第1の変動ゲームが開始されることにより1減算(-1)される。そして、第1の変動ゲーム(又は第2の変動ゲーム)中に第1始動入賞口25へ遊技球が入球すると第1始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、第1保留表示器Rは、保留1ランプR1、保留2ランプR2、保留3ランプR3及び保留4ランプR4からなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプR1のみが点灯している場合には1回の第1の変動ゲームが保留中であることを報知している。
【0031】
また、図2に示すように、センター役物20において第2特図表示器H1の左側には、第2保留表示器Lが配設されている。第2保留表示器Lは、第2始動入賞口27に入球し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「第2始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、第2保留表示器Lの表示内容によって保留されている第2の変動ゲームの回数が報知される。第2始動保留記憶数は、第2始動入賞口27へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、第2の変動ゲームが開始されることにより1減算(-1)される。そして、第2の変動ゲーム(又は第1の変動ゲーム)中に第2始動入賞口27へ遊技球が入球すると第2始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、第2保留表示器Lは、保留1ランプL1、保留2ランプL2、保留3ランプL3及び保留4ランプL4からなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプL1と保留2ランプL2とが点灯している場合には2回の第2の変動ゲームが保留中であることを報知している。
【0032】
また、センター役物20の左方には、作動ゲート23が配設されている。作動ゲート23の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図3に示す)が設けられている。作動ゲート23は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。本実施形態では、作動ゲート23及びゲートセンサSE4によって遊技球検知手段が構成されている。普図ゲームは、第2始動入賞口27を開状態とするか否か(第2始動入賞口27に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。第2始動入賞口27は、開閉羽根26により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、第2始動入賞口27は、普図当り遊技状態が付与されると、開閉羽根26が開放されることにより第2始動入賞口27が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技状態が付与されると、開閉羽根26の開放によって第2始動入賞口27に遊技球を入賞させることができるため、第2始動入賞口27に遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、第2の変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。なお、第1始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
【0033】
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では2/631)から高確率(本実施形態では10/631)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、確変図柄を特図[1][2]の2種類と定めている。一方で、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた非確変図柄である場合、大当り遊技の終了後、大当りの抽選確率が変動せずに通常確率を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を特図[0]の1種類と定めている。
【0034】
また、確変状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。また、入球率向上状態において、開閉羽根26は、確変状態である場合と、通常状態(非確変状態)である場合とでは、普図ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
【0035】
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、確変状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、開放してから規定時間経過する前であっても、規定入球数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、規定入球数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26は閉鎖するようになっている。
【0036】
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。本実施形態において、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームで、特図[1][2]及び飾図[111][333][555][777]が表示されたとき、大当り遊技の終了後、確変状態が付与されるようになっている。
【0037】
そして、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
【0038】
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態を付与する時短機能を備えている。時短状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26は、時短状態である場合と、通常状態である場合とでは、普図ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
【0039】
通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、時短状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根26は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
【0040】
また、時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態において、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームで、特図[0]及び飾図[222][444][666][888]が表示されたとき、大当り遊技の終了後、時短状態が付与されるようになっている。
【0041】
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H0?H2に大当り図柄(及び大当りの図柄組み合わせ)が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口装置29(の大入賞口扉28)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口装置29が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では規定ラウンド数が15回では25秒又は規定ラウンド数が2回では0.3秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0042】
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15Rと、規定ラウンド数を2回と定める大当り2Rとが設けられている。なお、本実施形態では、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が特図[0][2]である場合には大当り遊技中の規定ラウンド数は15回となり、確定停止表示された大当り図柄の種類が特図[1]である場合には大当り遊技中の規定ラウンド数は2回となっている。大当り15Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を15回と定める大当り遊技が付与され、大当り2Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技が付与される。また、大当り15Rには、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される。一方、大当り2Rには、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される確変大当りのみがある。すなわち、大当り2Rの大当り遊技の終了後には、必ず確変状態が付与されるようになっている。
【0043】
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態では、主制御基板30がメイン制御手段となる。また、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34がサブ制御手段となる。また、表示制御基板32が演出制御手段となる。また、統括制御基板31が、統括制御手段となる。
【0044】
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、第1始動口センサSE1と、第2始動口センサSE2と、カウントスイッチSE3等が接続されている。また、メインCPU30aには、第1特図表示器H0と、第2特図表示器H1と、第1保留表示器Rと、第2保留表示器Lが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0045】
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
【0046】
また、変動パターンは、大きく分けて、大当り演出用の変動パターンP3と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2と、はずれ演出用の変動パターンP1に分類することができる。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、センター役物20の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0047】
そして、大当り演出用の変動パターンP3に基づき第1の変動ゲームが行われた場合、第1特図表示器H0及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当り図柄(例えば[2])及び大当りの図柄組み合わせ(例えば[111]など)が最終的に表示されるようになっている。また、大当り演出用の変動パターンP3に基づき第2の変動ゲームが行われた場合、第2特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に確変図柄による大当りを認識できる大当り図柄(例えば[2])及び大当りの図柄組み合わせ(例えば[111]など)が最終的に表示されるようになっている。例えば、大当り演出用の変動パターンP3に基づき第1の変動ゲームが行われると、可変表示器H2でリーチ演出が行われた後、飾図による大当りの図柄組み合わせが表示されると同時に、第1特図表示器H0において特図による大当り図柄が表示されるようになっている。
【0048】
そして、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づき第1の変動ゲームが行われると、第1特図表示器H0及び可変表示器H2において、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。同様に、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づき第2の変動ゲームが行われると、第2特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。例えば、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づき第1の変動ゲームが行われた場合、可変表示器H2でリーチ演出が行われた後、飾図によるはずれの図柄組み合わせが表示されると同時に、第1特図表示器H0において特図によるはずれ図柄が表示されるようになっている。
【0049】
そして、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき第1の変動ゲームが行われると、第1特図表示器H0及び可変表示器H2において、通常変動後、夫々にはずれ図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。はずれ演出用の変動パターンP1に基づき第2の変動ゲームが行われると、第2特図表示器H1及び可変表示器H2において、通常変動後、夫々にはずれ図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。例えば、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき第1の変動ゲームが行われると、図柄変動ゲーム開始後、通常変動が行われ、当該開始から15秒後、可変表示器H2において飾図によるはずれの図柄組み合わせが表示されると共に、第1特図表示器H0において特図によるはずれ図柄が表示されるようになっている。
【0050】
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0?630までの全631通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では10個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、大当り判定用乱数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する大当り判定用乱数は、第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得する大当り判定用乱数と同一のものである。また、大当り判定値も、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値は、第2特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値と同じものである。
【0051】
また、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]?[2])の種類を決定する際に用いる特図振分乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分乱数が所定個数ずつ振り分けられており、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分乱数に基づき大当り図柄([0]?[2]のうちいずれか)を決定する。この特図振分乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」?「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、メインCPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、メインCPU30aは、更新後の値を特図振分乱数の値としてRAM30cに記憶し、既に記憶されている特図振分乱数の値を書き換えることで特図振分乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分乱数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数は、第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数と同一のものである。
【0052】
そして、特図振分乱数の振り分けは、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームのいずれの図柄変動ゲームを実行させるかにより異なっている。具体的には、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームのいずれの図柄変動ゲームを実行させることを示す特別図柄変動処理フラグに、第1の変動ゲームを行うことを示す[0]が設定されている場合、特図[0]には40個、特図[1]には20個、特図[2]には40個の特図振分乱数が振り分けられている。すなわち、第1の変動ゲームで大当りとなる場合、大当り図柄として特図[0]は40/100の確率で表示され、特図[1]は20/100の確率で表示され、特図[2]は40/100の確率で表示されることとなる。
【0053】
また、特別図柄変動処理フラグに、第2の変動ゲームを行うことを示す[1]が設定されている場合、特図[0]には40個、特図[1]には7個、特図[2]には53個の特図振分乱数が振り分けられている。すなわち、第2の変動ゲームで大当りとなる場合、大当り図柄として特図[0]は40/100の確率で表示され、特図[1]は7/100の確率で表示され、特図[2]は53/100の確率で表示されることとなる。他方、はずれの決定時(大当り判定が否定となった場合)、はずれ図柄([-])を決定する。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
【0054】
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
【0055】
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0056】
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を図4に従って説明する。
【0057】
メインCPU30aは、第1始動入賞口25に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1においてメインCPU30aは、第1始動口センサSE1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、ステップS5へ移行する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている第1特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(第1特図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、ステップ5へ移行する。
【0058】
ステップS2の判定結果が肯定(第1特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、第1特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値と特図振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を第1特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。
【0059】
次に、メインCPU30aは、第2始動入賞口27に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、ステップS5においてメインCPU30aは、第2始動口センサSE2が遊技球を検知した時に出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS5の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS5の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている第2特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定結果が否定(第2特図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0060】
ステップS6の判定結果が肯定(第2特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、第2特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS7)。続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値と特図振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を第2特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS8)。その後、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0061】
次に、特別図柄開始処理について図5及び図6に基づき説明する。メインCPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
メインCPU30aは、まず、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か及び大当り遊技中であるか否か判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲーム中である又は大当り遊技中である場合)、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中でなく、大当り遊技中でない場合)、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS12)、第2特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS13)。
【0062】
ステップS13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留記憶数=0の場合)、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS14)、第1特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留記憶数=0の場合)、メインCPU30aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が否定の場合(デモンストレーション指定コマンドを出力していない場合)、メインCPU30aは、デモンストレーション指定コマンドを出力する(ステップS17)。そして、特別図柄開始処理を終了する。また、ステップS16の判定結果が肯定の場合(デモンストレーション指定コマンドを出力していた場合)、メインCPU30aは、そのまま特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS15の判定結果が肯定の場合(第1特図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1の変動ゲームを実行することを示す値[0]を設定する(ステップS18)。次に、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数の数を「1」減算(-1)し(ステップS19)、当該第1特図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数及び特図振分乱数の値を取得する(ステップS20)。
【0064】
次に、メインCPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS21)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2/631としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、10/631としている。
【0065】
ステップS21の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する(ステップS22)。そして、メインCPU30aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から第1特図表示器H0にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS23)。なお、特図による大当り図柄は、[0]?[2]のいずれかであり、メインCPU30aは、これらの中から特図を決定する。また、このとき、特別図柄変動処理フラグに[0]が設定されていることから、第1の変動ゲームにおける各特図の特図振分乱数の振り分けに基づき、メインCPU30aは、ステップS23において、40/100の確率で特図[0]を決定し、20/100の確率で特図[1]を決定し、40/100の確率で特図[2]を決定する。
【0066】
その後、メインCPU30aは、大当り演出用の変動パターンP3を決定する(ステップS24)。変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1の変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS25)。
【0067】
具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように第1特図表示器H0の表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器H0の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
一方、ステップS21の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、メインCPU30aは、メインCPU30aは、はずれを示す特図[-]を最終停止図柄として決定する(ステップS26)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP2及びはずれ演出用の変動パターンP1の中から変動パターンを決定する(ステップS27)。そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、ステップS25の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1の変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0069】
一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合(第2特図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2の変動ゲームを実行することを示す値[1]を設定する(ステップS28)。次に、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数の数を「1」減算(-1)し(ステップS29)、当該第2特図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数及び特図振分乱数の値を取得する(ステップS30)。
【0070】
次に、メインCPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS31)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2/631としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、10/631としている。
【0071】
ステップS31の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する(ステップS32)。そして、メインCPU30aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から第2特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS33)。なお、特図による大当り図柄は、[0]?[2]のいずれかであり、メインCPU30aは、これらの中から特図を決定する。また、このとき、特別図柄変動処理フラグに[1]が設定されていることから、第2の変動ゲームにおける各特図の特図振分乱数の振り分けに基づき、メインCPU30aは、ステップS33において、40/100の確率で特図[0]を決定し、7/100の確率で特図[1]を決定し、53/100の確率で特図[2]を決定する。
【0072】
その後、メインCPU30aは、大当り演出用の変動パターンP3を決定する(ステップS34)。変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2の変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS35)。
【0073】
具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように第2特図表示器H1の表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS31の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[-]を最終停止図柄として決定する(ステップS36)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP2及びはずれ演出用の変動パターンP1の中から変動パターンを決定する(ステップS37)。そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、ステップS35の処理に移行して、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2の変動ゲームに関する各種処理を実行する。
【0075】
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当りとなったときの大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンドコマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉28を開閉させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
【0076】
その際、メインCPU30aは、図柄変動ゲーム終了時に表示した特図(最終停止図柄)に基づき、各種フラグを設定する。具体的には、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[1][2]を表示した場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを設定する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[0]を表示した場合、遊技状態が通常状態であることを示すために、確変フラグをクリアする。また、そして、メインCPU30aは、大当りフラグに[0]を設定する(クリアする)。なお、各フラグは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
【0077】
以上のように、本実施形態のメインCPU30aは、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。RAM30cは、第1特図始動保留記憶数に対応付けられた所定の領域に大当り判定用乱数を記憶する第1保留記憶手段となる。RAM30cは、第2特図始動保留記憶数に対応付けられた所定の領域に大当り判定用乱数を記憶する第2保留記憶手段となる。また、メインCPU30aは、確変状態(特別遊技状態)を大当り遊技の終了後に付与するか否かを決定する特別遊技状態付与判定手段となる。また、メインCPU30aは、大当り遊技の遊技内容(規定ラウンド遊技数)を決定する大当り遊技決定手段となる。また、メインCPU30aは、遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数を取得する乱数取得手段となる。また、メインCPU30aは、遊技球の入賞検知を契機に特図振分乱数(図柄乱数)を取得する図柄乱数取得手段となる。また、メインCPU30aは、特図振分乱数に基づき、第1の変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を決定する第1図柄判定手段となる。また、メインCPU30aは、特図振分乱数に基づき、第2の変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を決定する第2図柄判定手段となる。
【0078】
このような特別図柄開始処理を実行することにより、第1特図始動保留記憶数と、第2特図始動保留記憶数とがいずれも記憶されているとき、メインCPU30aは、第2の変動ゲームを優先的に実行する。そして、第2始動入賞口27は、確変状態又は時短状態が付与されているとき、開閉羽根26が開状態となり遊技球が入賞しやすくなっているので、結果的に確変状態又は時短状態においては第2の変動ゲームが連続して実行されやすくなっている。そして、第2の変動ゲームで大当りとなる場合、確変状態が付与されるか否かの割合は第1の変動ゲームとは異ならないが、確変状態が付与されるときには、大当り15Rとなるか否かの割合は異なっている。すなわち、特図振分乱数の振り分けが異なっている。このため、第2の変動ゲームにて確変大当りとなる場合、第1の変動ゲームと比較して規定ラウンド遊技数が15ラウンドになる確率が高くなっている。つまり、大当り2Rと比較して多くの遊技球を獲得することが期待できる大当り15Rが遊技者に有利な遊技内容の大当り遊技であり、第2の変動ゲームが確変大当りとなる場合、この大当り15Rとなる確率が第1の変動ゲームと比較して高くなっている。
【0079】
このように、確変状態においては第2の変動ゲームが連続実行されやすくなっており、第2の変動ゲームにて確変大当りとなる場合、第1の変動ゲームと比較して大当り15Rになる確率が高くなっていることから、確変状態又は時短状態において確変大当りが連続するときには、規定ラウンド遊技数が15ラウンドになる確率が高くなっている。
【0080】
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32?34に出力する。同様に、統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを各制御基板32?34にそれぞれ出力する。
【0081】
また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、当該特別図柄指定コマンドに基づき、可変表示器H2に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU31aは、決定した各列の飾り図柄を指定する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、メインCPU30aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0082】
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器H2に表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器H2では図柄変動ゲームが行われる。
【0083】
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2では、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出がそれぞれ実行される。
【0084】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数と、第2特図始動保留記憶数が共に1以上の場合、第2特図始動保留球数に対応付けられてRAM30cの所定領域に記憶された大当り判定用乱数(すなわち、第2特図始動保留球として記憶された大当り判定用乱数)に基づき大当り判定を優先的に実行する。また、最終停止図柄が確変図柄となった場合において、メインCPU30aは、第2特図始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定が肯定になった場合、第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定が肯定になった場合と比較して、遊技者に有利な遊技内容の大当り遊技を高確率で決定する。具体的には、確変大当りとなる場合、第2始動入賞口27への入賞検知を契機に行われた第2の変動ゲームは、第1始動入賞口25への入賞検知を契機に行われた第1の変動ゲームと比較して大当り15Rとなる確率が高い。そして、第2始動入賞口27は、確変状態が付与されているとき、入球率向上状態が特典として付与されているので、第1始動入賞口25と比較して遊技球を入賞検知しやすくなるように構成されている。
【0085】
このため、確変状態が付与され、第2始動入賞口27に遊技球が入賞しやすくなっているとき、第2始動入賞口27に入賞した遊技球に基づく図柄変動ゲーム(第2の変動ゲーム)が優先的に実行されやすくなっている。そして、第2始動入賞口27に遊技球が入賞して、大当りとなったときには、遊技者に有利な遊技内容の大当り遊技(大当り15R)を高確率で決定する。このため、確変状態が付与されている場合に、連続して確変大当りとなったときには、遊技者に有利な遊技内容の大当り遊技(大当り15R)が連続する可能性が高くなる。その一方、確変状態が付与される確率は変化しない。すなわち、確変大当りが連続する確率を抑えることができ、遊技店側に大きく不利となることはない。従って、確変状態が付与される割合を変更することなく、遊技者に不利な遊技内容の大当り遊技(大当り2R)が連続しないようにすることができ、多数の遊技球を獲得したいという遊技者側の思惑と、遊技球の獲得数を抑えたい遊技者側の思惑のバランスを取ることができる。
【0086】
(2)第1始動入賞口25への遊技球の入賞検知を契機に取得する大当り判定用乱数と、第2始動入賞口27への遊技球の入賞検知を契機に取得する大当り判定用乱数は、共通の乱数を使用する。また、大当り判定時においても、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り判定値を使用する。このように、大当り判定用乱数及び大当り判定値を共通使用しているため、制御プログラムを簡単にすることができ、また、制御負担やROM30bの記憶容量を少なくすることができる。
【0087】
(3)第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームにかかわらず、大当り図柄を決定する際に使用する特図振分乱数は同一の乱数を使用した。これにより、制御プログラムを簡単にすることができ、制御負担やROM30bの記憶容量を少なくすることができる。また、特図の種類によって確変状態が付与されるか否か、及び規定ラウンド遊技数を決定するようになっている。このため、メインCPU30aは、大当りの特図を決定するだけで、確変状態を付与するか否か及び規定ラウンド遊技数を決定することができ、簡単な制御プログラムで処理することができる。
【0088】
(4)第1特図表示器H0及び第2特図表示器H1に表示させる特図の種類を同一種類としたため、第1の変動ゲームか否かによって確変状態付与の判定や大当り遊技の遊技内容決定のための処理を変更する必要が無くなり、簡単な制御プログラムで処理することができる。
【0089】
(5)第2の変動ゲームにおいて、確変状態が付与される確変大当りとなる場合、1回当たりの大当り遊技の規定ラウンド遊技数の平均は、10.7Rである。また、第1の変動ゲームにおいて、確変状態が付与される確変大当りとなる場合、1回当たりの大当り遊技の規定ラウンド遊技数の平均は、13.5Rである。一方、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームにおいて、非確変大当りとなる場合には、1回当たりの大当り遊技の規定ラウンド遊技数の平均は変わらない(すなわち、15ラウンドである)。従って、総合的にみて、第2の変動ゲームの方が第1の変動ゲームより遊技者にとって有利な遊技内容の大当り遊技が付与される確率が高いこととなり、遊技者は、第2の変動ゲームを実行されるときには、大当りへの期待を一層高く持ち、遊技の興趣が向上する。
【0090】
なお、第2の変動ゲームにおいて、確変状態が付与される確変大当りとなる場合、1回当たりの大当り遊技の規定ラウンド遊技数の平均は加重平均によって求められ、具体的には、2R×(確変大当り2Rとなる確率(7/60))+15R×(確変大当り15Rとなる確率(53/60))という式で求められる。同様に、第1の変動ゲームにおいて、確変状態が付与される確変大当りとなる場合、1回当たりの大当り遊技の規定ラウンド遊技数の平均は、2R×(確変大当り2Rとなる確率(20/60))+15R×(確変大当り15Rとなる確率(40/60))という式で求められる。
【0091】
(6)第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームのいずれが行われても、可変表示器H2では、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームに対応して図柄組み合わせゲームを実行する。そして、可変表示器H2で行われる図柄組み合わせゲームは、特図表示器H0,H1で行われる第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームと比較して表示領域が大きいため、遊技者は現在行われている図柄変動ゲームが、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームのいずれかを意識することがない。このため、可変表示器H2にて図柄組み合わせゲームが実行されたとき、遊技者は第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲームのいずれかであるか意識しないために、規定ラウンド遊技数が15ラウンドの確変大当りとなる確率が高い図柄変動ゲームなのではないかと期待させることができる。
【0092】
(7)第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームのいずれが行われても、可変表示器H2における図柄組み合わせゲームは、同じ変動パターンに基づき実行させた。このため、変動パターンの数を減らすことができ、ROM30bの記憶量を減らすことができる。
【0093】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態にて確変状態が付与される場合、規定ラウンド遊技数を変更できるようにしたが、非確変状態が付与される場合に、規定ラウンド遊技数を変更することができるようにしても良い。例えば、第1の変動ゲームにおいては、大当り15Rとなる確率を低くし、第2の変動ゲームにおいては大当り15Rとなる確率を高くしても良い。すなわち、第2の変動ゲームが非確変大当りとなったとき、第1の変動ゲームが非確変大当りとなった場合と比較して大当り15Rとなる確率を高くしても良い。
【0094】
具体的には、特図を[0]?[3]の4種類用意し、特図[0]が表示された場合には非確変大当り15R、特図[1]が表示された場合には確変大当り2R、特図[2]が表示された場合には確変大当り15R、特図[3]が表示された場合には非確変大当り2Rとなるように構成する。そして、第1の変動ゲームにおいては、非確変大当り15R(特図[0])となる確率を10/100、確変大当り2R(特図[1])となる確率を20/100、確変大当り15R(特図[2])となる確率を40/100、非確変大当り2R(特図[3])となる確率を30/100とする。そして、第2の変動ゲームにおいては、非確変大当り15R(特図[0])となる確率を30/100、確変大当り2R(特図[1])となる確率を7/100、確変大当り15R(特図[2])となる確率を53/100、非確変大当り2R(特図[3])となる確率を10/100とする。
【0095】
これにより、確変状態が付与されて第2の変動ゲームが実行され易いときに、第2の変動ゲームにおいて確変状態が付与されない非確変大当りとなった場合であっても、規定ラウンド数の多い大当り遊技が付与される確率が高くなり、確変状態が終了しても遊技者を失望させることが少なくなる。
【0096】
・上記実施形態では、第1始動入賞口25及び第2始動入賞口27をそれぞれ1つずつ設けたが、複数設けても良い。
・上記実施形態では、大当り特図の種類によって規定ラウンド遊技数が異なるようにしたが、各ラウンド遊技における大入賞口扉28の開放時間が異なるようにしても良い。すなわち、第2の変動ゲームにて確変大当りとなった場合には、第1の変動ゲームにて確変大当りとなった場合と比較して高確率で各ラウンド遊技における大入賞口扉28の開放時間が長い大当り遊技が付与されるようにしてもよい。
【0097】
・上記実施形態では、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームとでは、付与される大当り遊技の規定ラウンド遊技数を同じように構成されていたが、確変状態が付与される割合を変更しなければ、任意に変更しても良い。例えば、第2の変動ゲームにおいて、非確変大当り15Rとなる確率を40/100とし、確変大当り15Rとなる確率を60/100としてもよい。この場合、第2始動入賞口27への遊技球の入賞を契機に取得される特図振分乱数は、特図[0]に40個振り分けられ、特図[1]に0個振り分けられ、特図[2]に60個振り分けられることなる。
【0098】
・上記実施形態において、確変状態が付与される割合を変更しなければ、規定ラウンド遊技数が異なる大当り遊技の種類を増やしても良い。例えば、第2の変動ゲームにおいて、非確変大当り15Rとなる確率を40/100とし、規定ラウンド遊技数が10ラウンドの確変大当り10Rとなる確率を30/100とし、確変大当り2Rとなる確率を5/100とし、確変大当り15Rとなる確率を25/100としてもよい。
【0099】
・上記実施形態では、特図表示器として第1特図表示器H0と第2特図表示器H1を設け、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームを別の表示領域で行ったが、特図表示器を1つだけにして、同じ表示領域で特図の図柄変動ゲームを行っても良い。このようにすれば、現在行われている図柄変動ゲームが第1の変動ゲームであるか否かを分からなくすることができる。また、特図表示器を1つだけ設ければ良く、コストを減らすことができる。
【0100】
・上記実施形態では、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームの何れが行われても、同じ変動パターンにて可変表示器H2における図柄組み合わせゲームを実行させたが、別の変動パターンにて可変表示器H2における図柄組み合わせゲームを実行させても良い。このようにすれば、遊技者は、現在可変表示器H2で実行されている図柄組み合わせゲームが第2の変動ゲームであるか否かを容易に判断することができ、規定ラウンド遊技数が多い大当り遊技が期待できるか否かを容易に識別することができる。
【0101】
・上記実施形態では、大当り演出用の変動パターン、はずれリーチ演出用の変動パターン、はずれ演出用の変動パターンをそれぞれ1つずつ設けたが、それぞれ複数ずつ設けても良い。また、その際、第1の変動ゲームが行われるときと、第2の変動ゲームが行われるときとで、変動パターンの振り分けを異ならせるようにしても良い。このようにすれば、可変表示器H2における図柄組み合わせゲームの演出内容から第2の変動ゲームであるか否かを示唆することができ、可変表示器H2における図柄組み合わせゲームにて第2の変動ゲームであるか否かを判別できなくても、遊技者は、第2の変動ゲームである可能性が高いか否かを演出内容から判別することができる。このため、遊技者に可変表示器H2における図柄組み合わせゲームを注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0102】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)遊技球検知手段が遊技球を検知したことを契機に、複数種類の普通図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームを実行する普通図柄表示手段を備え、前記第2入賞検知手段は、普通図柄変動ゲームにて当りの表示結果が表示された場合に所定時間開状態となり、閉状態の場合よりも遊技球を入賞検知する確率を高くする開閉部材を備えており、前記普通図柄表示手段は、前記特別遊技状態が付与されている場合、普通図柄変動ゲームの変動時間を短縮する又は当りとなる確率を高くして、開閉部材を開状態にさせやすくすることを特徴とする請求項1?請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0103】
(ロ)前記大当り遊技の遊技内容は、規定ラウンド遊技数及びラウンド遊技における大入賞口装置の開放時間によって特定され、前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定になった場合であって、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が肯定判定した場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定になった場合であって、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が肯定判定した場合と比較して高確率で規定ラウンド遊技数が多い又は大入賞口装置の開放時間が長い大当り遊技を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1?請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0104】
(ハ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを実行する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に大当り遊技が行われる遊技機において、遊技状態にかかわらず、常に同一確率にて遊技球が入賞し、当該遊技球を入賞検知する第1入賞検知手段と、前記大当り遊技の終了後に前記大当り遊技とは別の遊技者に有利な特別遊技状態が付与された場合、通常状態よりも高い確率にて遊技球が入賞し、当該遊技球を入賞検知する第2入賞検知手段と、前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、前記第1入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段と、前記第2入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段と、図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数の値と予め定めた大当り判定値とを比較し、大当りか又ははずれかを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間を特定する変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき図柄変動ゲームを表示手段に実行させる演出制御手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合、前記大当り遊技とは別の遊技者に有利な特別遊技状態を大当り遊技の終了後に付与するか否かを決定する特別遊技状態付与判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合、前記大当り遊技の遊技内容を決定する大当り遊技決定手段と、を備え、前記大当り判定手段は、前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段が共に始動保留球を記憶している場合、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を優先的に実行するように構成されており、前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定となり、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が否定判定した場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定となり、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が否定判定した場合と比較して高確率で遊技者にとって有利な遊技内容の大当り遊技を決定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0105】
(ニ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを実行する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に大当り遊技が行われる遊技機において、遊技状態にかかわらず、常に同一確率にて遊技球が入賞し、当該遊技球を入賞検知する第1入賞検知手段と、前記大当り遊技とは別の遊技者に有利な特別遊技状態が付与された場合、通常状態よりも高い確率にて遊技球が入賞し、当該遊技球を入賞検知する第2入賞検知手段と、前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、前記第1入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段と、前記第2入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段と、図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数の値と予め定めた大当り判定値とを比較し、大当りか又ははずれかを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間を特定する変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき図柄変動ゲームを表示手段に実行させる演出制御手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合、前記大当り遊技とは別の遊技者に有利な特別遊技状態を大当り遊技の終了後に付与するか否かを決定する特別遊技状態付与判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合、前記大当り遊技の遊技内容を決定する大当り遊技決定手段と、を備え、前記大当り判定手段は、前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段が共に始動保留球を記憶している場合、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を優先的に実行するように構成されており、前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定になった場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定になった場合と比較して有利な遊技内容の大当り遊技を決定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0106】
(ホ)前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定となり、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が肯定判定した場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき前記大当り判定手段の判定結果が肯定となり、且つ前記特別遊技状態付与判定手段が肯定判定した場合と比較して1回当りの大当り遊技の規定遊技ラウンド数の平均が多くなるように構成されていることを特徴とする請求項1?請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。【符号の説明】
【0107】
H0…第1特図表示器(第1特別図柄表示手段、表示手段)、H1…第2特図表示器(第2特別図柄表示手段、表示手段)、H2…可変表示器(演出図柄表示手段、表示手段)、SE1…第1始動口センサ(第1入賞検知手段)、SE2…第2始動口センサ(第2入賞検知手段)、10…パチンコ機、20…センター役物、25…第1始動入賞口(第1入賞検知手段)、27…第2始動入賞口(第2入賞検知手段)、30…主制御基板、30a…メインCPU(大当り判定手段、変動パターン決定手段、特別遊技状態付与決定手段)、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU、31b…ROM、31c…RAM、32…表示制御基板(演出制御手段)、32a…サブCPU。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の特別図柄を変動させて行う第1特別図柄変動ゲームを実行する第1特別図柄表示手段と、複数種類の特別図柄を変動させて行う第2特別図柄変動ゲームを実行する第2特別図柄表示手段と、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームに対応して演出図柄を変動表示する演出図柄変動ゲームを実行する演出図柄表示手段と、を備え、前記第1特別図柄変動ゲーム又は前記第2特別図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合に大当り遊技が行われる遊技機において、
遊技球が常時入球可能に構成されている第1入球口と、第1入球口に入球した遊技球を検知する第1検知手段を有する第1入賞検知手段と、
開状態と閉状態を取り得る開閉部材と、前記開閉部材が開放しているときに遊技球が入球可能となる第2入球口と、第2入球口に入球した遊技球を検知する第2検知手段を有する第2入賞検知手段と、
前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に大当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、
前記第1入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2入賞検知手段が遊技球を入賞検知したとき、当該入賞検知したときに前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段と、
第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームの開始時に、前記乱数取得手段が取得した大当り判定用乱数の値と予め定めた大当り判定値とを比較し、大当りか又ははずれかを判定する大当り判定を行う大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果に基づき、第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームの演出時間を特定する変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記大当り判定において大当りと判定された場合、複数種類の前記大当り遊技の中から大当り遊技の種類を決定する大当り遊技決定手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づき第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームを前記第1特別図柄表示手段及び前記第2特別図柄表示手段に実行させる特別図柄表示制御手段と、
前記大当り判定において大当りと判定された場合、前記大当り遊技の終了後に、前記大当り遊技の種類に基づき、特別遊技状態としての確変状態又は時短状態を付与する特別遊技状態付与決定手段と、
遊技球検知手段により遊技球が検知されることにより、予め定めた複数種類の普通図柄を変動表示すると共に、予め決められた当り表示結果を表示するときに前記開閉部材が開放される普通当り遊技が付与される普通図柄変動ゲームを実行する普通図柄表示手段と、
前記大当り遊技が付与されたときに開放し、入球した遊技球を検知すると共に賞球の払出契機を付与する大入賞口と、を備え、
前記変動パターン決定手段が変動パターンを決定する際、第1特別図柄変動ゲームが実行されるときと、第2特別図柄変動ゲームが実行されるときとで、変動パターンの振り分けは、異なるように設定されており、
前記演出図柄表示手段は、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームにて表示された表示結果に対応する表示結果を演出図柄変動ゲームにて表示させ、
前記大当り判定手段は、
前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段が共に始動保留球を記憶している場合、前記特別遊技状態とは異なる通常状態、前記確変状態及び前記時短状態のうちいずれの遊技状態が付与されているときであっても、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を優先的に実行し、
確変状態が付与されている場合、確変状態が付与されていない場合と比較して、大当り判定において高確率で大当りと判定し、
時短状態が付与されている場合、確変状態と時短状態が付与されていない通常状態の大当り確率と同一の確率で大当り判定し、
確変状態が付与されているときには、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合のいずれであっても、大当り判定において確変状態が付与されているときの確率で大当りと判定し、
確変状態が付与されていないときには、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定を行う場合のいずれであっても、大当り判定において確変状態が付与されていないときの確率で大当りと判定するように構成されており、
前記開閉部材は、確変状態又は時短状態が付与されている場合、確変状態又は時短状態が付与されていない場合と比較して、開状態となる時間が長くなるように構成され、
前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定される場合と、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定される場合のいずれであっても、同じ確率で確変状態を付与することを決定し、
前記特別遊技状態付与決定手段は、予め決められた非確変大当り遊技が付与された場合、当該非確変大当り遊技の終了後に確変状態を付与することなく時短状態を付与する一方、時短状態を付与した後、演出図柄変動ゲームが予め決められた上限回数分実行されるまで時短状態を付与することができるように構成され、
前記大当り遊技決定手段は、前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定され、且つ前記特別遊技状態付与決定手段が確変状態を付与することを決定する場合、前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づく大当り判定において大当りと判定され、且つ前記特別遊技状態付与決定手段が確変状態を付与することを決定する場合と比較して、他の大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が長く構成され、獲得可能な賞球が多い大当り遊技を決定する割合を増やす一方、他の大当り遊技を決定する割合をその分減らした決定割合で大当り遊技を決定することにより、他の大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が長く構成され、獲得可能な賞球が多い大当り遊技を高確率で決定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記大当り遊技には、大入賞口の開放時間が長い第1大当り遊技と、第1大当り遊技よりも大入賞口の開放時間が短い第2大当り遊技が存在し、
前記演出図柄表示手段は、前記第1大当り遊技と前記第2大当り遊技のいずれが付与される場合であっても、第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームが大当りとなる場合、複数種類の大当り図柄の中から予め決められた特定大当り図柄を表示可能に構成され、
前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1大当り遊技が付与された場合には、確変状態又は時短状態を付与することを決定する一方、前記第2大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1入賞検知手段又は前記第2入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に図柄乱数を取得する図柄乱数取得手段と、
前記大当り判定手段が前記第1始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を実行したとき、第1特別図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を前記図柄乱数取得手段によって取得された図柄乱数に基づき決定する第1図柄判定手段と、
前記大当り判定手段が前記第2始動保留球として記憶された大当り判定用乱数に基づき大当り判定を実行したとき、第2特別図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示される最終停止図柄を前記図柄乱数取得手段によって取得された図柄乱数に基づき決定する第2図柄判定手段を備え、
前記乱数取得手段は、前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のいずれが遊技球の入賞検知した場合であっても、共通の大当り判定用乱数を取得し、
前記大当り判定手段は、第1始動保留球又は第2始動保留球のいずれかに記憶された大当り判定用乱数であっても、共通の大当り判定値を使用して大当り判定を行うように構成され、
前記図柄乱数取得手段は、前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のいずれが遊技球を入賞検知した場合であっても、共通の図柄乱数を取得し、
前記特別遊技状態付与決定手段は、前記第1図柄判定手段により決定された最終停止図柄又は前記第2図柄判定手段により決定された最終停止図柄に基づいて大当り遊技の終了後に付与する特別遊技状態の種類を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-03-05 
出願番号 特願2011-251140(P2011-251140)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柴田 和雄  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 長崎 洋一
吉村 尚
登録日 2013-07-12 
登録番号 特許第5312561号(P5312561)
発明の名称 遊技機  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  

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