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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04W
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04W
管理番号 1287744
審判番号 訂正2013-390162  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-10-23 
確定日 2014-03-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4625123号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4625123号に係る特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第4625123号は、平成20年12月11日に出願され、平成22年11月12日に設定登録され、平成25年10月23日に本件訂正審判が請求されたものである。



第2.請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4625123号の特許請求の範囲を請求書に添付した特許請求の範囲のとおり請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。



第3.本件訂正の内容
本件訂正の内容は次のとおりである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続要求信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続要求信号とを別に送信する」とあるのを、「前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信する」に訂正する。

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号含む衝突確認信号」とあるのを、「前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突確認信号」に訂正する。

そして、上記訂正事項により、特許請求の範囲の記載は次のとおりのものとなる。
なお、下線部が訂正箇所であり、審判請求書に添付された特許請求の範囲の記載のとおりである。

「【請求項1】
移動局が、セル選択を行う工程Aと、
前記移動局が、選択したセルを管理する無線基地局に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程Bと、
前記無線基地局が、受信した前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信する工程Cと、
前記移動局が、前記ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、前記無線基地局に対して、RRC再接続要求信号を送信する工程Dと、
前記無線基地局が、受信した前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号を送信する工程Eと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、前記RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信する工程Fと、
前記移動局が、前記衝突解決信号及び前記RRC再接続信号を受信する工程Gとを有し、
前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
無線基地局であって、
移動局から、ランダムアクセスプリアンブルを受信するように構成されているランダムアクセスプリアンブル受信部と、
受信された前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信するように構成されているランダムアクセス応答送信部と、
前記移動局から、RRC再接続要求信号を受信するように構成されているRRC再接続要求信号受信部と、
前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号、及び、該RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記送信部は、前記RRC再接続信号を前記衝突解決信号に連結して送信するか、或いは、該RRC再接続信号を該衝突解決信号とは別個に送信するように構成されていることを特徴とする無線基地局。」



第4.当審の判断

本件訂正における訂正事項1及び訂正事項2が、訂正の要件(特許法第126条に規定する要件)を満たすかについて以下で検討する。

1.訂正事項1について
(1)訂正の目的
願書に添付された明細書には、
「【0061】
ここで、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、図10(a)に示すように、同一のTTI(Transmission Time Interval)において、「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを連結して送信してもよいし、図10(b)に示すように、「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを別に送信してもよい。」、
及び、
「【0086】
本実施形態の第2の特徴において、移動局UEから受信したランダムアクセスプリアンブルに応じて、移動局UEに対して、ランダムアクセス応答を送信し、ランダムアクセス応答によって指定したリソースを用いて移動局から受信した「RRC Connection Re-establishment Request」の受信に応じて、「Contention Resolution」を送信するように構成されているMAC処理部14を具備し、MAC処理部14は、移動局UEによる「RRC Connection Re-establishment Request」の送信の際に起動されたCRタイマが満了する前に、「RRC Connection Re-establishment Request」に対する応答信号である「RRC Connection Re-establishment」とは別に、「Contention Resolution」を送信するように構成されていてもよい。」
と記載されている。
これらの記載によると、「Contention Resolution」の、連結して又は別に、送信される信号は、「RRC Connection Re-establishment」であって、「RRC Connection Re-establishment Request」ではない。
してみると、「前記衝突解決信号に前記RRC再接続要求信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続要求信号とを別に送信する」との記載は、「前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信する」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項1のように訂正することは、特許法第126条第1項ただし書き第2号の誤記の訂正を目的とするものである。

(2)新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更
上記「1.」の「(1)」で摘示したとおり、願書に添付された明細書には、「「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを連結して送信してもよいし、図10(b)に示すように、「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを別に送信してもよい。」なる記載があり、「前記衝突解決信号に前記RRC再接続要求信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続要求信号とを別に送信する」との記載は、「前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信する」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項1のように訂正することは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてされるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件
ア.訂正発明
訂正後の請求項1に係る発明は、次のとおりの発明(以下、「訂正発明1」という。)である。
「移動局が、セル選択を行う工程Aと、
前記移動局が、選択したセルを管理する無線基地局に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程Bと、
前記無線基地局が、受信した前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信する工程Cと、
前記移動局が、前記ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、前記無線基地局に対して、RRC再接続要求信号を送信する工程Dと、
前記無線基地局が、受信した前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号を送信する工程Eと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、前記RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信する工程Fと、
前記移動局が、前記衝突解決信号及び前記RRC再接続信号を受信する工程Gとを有し、
前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信することを特徴とする移動通信方法。」

イ.参考発明
本件特許の特許公報に参考文献として記載された国際公開第2007/148935(以下、「参考文献1」という。)に、以下の事項が記載されている。
なお、当審訳として参考文献1に対応する特表2009-540731号公報(平成21年11月19日国内公表)を参考している。

「[54] FIG. 6 shows an exemplary RRC connection procedure according to the present disclosure when enough radio resource(s) are provided or allocated by the eNB.

[55] With reference to FIG. 6, a terminal (UE) may transmit a random access preamble for a RRC connection with a base station (eNB). (Sl) The base station may transmit a random access response to the terminal in response to the received random access preamble. (S2) Here, the random access response may include uplink radio resource(s) allocated information for transmitting a RRC CONNECTION REQUEST message by the terminal.

[56] After receiving the random access response, the terminal may check the uplink radio resource(s) included in the random access response, then may calculate or determine a necessary or needed bit number(s) for transmitting the RRC CONNECTION REQUEST message. In other words, after calculating or determining an amount of allocated radio resource(s) from the base station with a number of bit(s) which needed to be transmitted, if necessary information for transmitting the RRC CONNECTION REQUEST message can be possibly transmitted through the allocated radio resource(s), the terminal may generate the RRC CONNECTION REQUEST message including with all necessary information. (S3) In this case, the RRC CONNECTION REQUEST message may include necessary information for a connection (i.e., Sl connection) between the base station and MME (Mobility Management Entity) as well as necessary information for a connection between the terminal and base station. In some cases, the calculation of the allocated radio resource(s) amount may not be necessary. That is, if the necessary or needed bit number(s) for transmitting the RRC CONNECTION REQUEST message is below than a certain threshold value, such message may directly transmit using the radio resource(s), which were allocated by the Message 2, without having a step of calculation. Here, the threshold value may provide from the base station to the terminal via system information or a paging message.

[57] After the generation of the RRC CONNECTION REQUEST message, the terminal may transmit the RRC CONNECTION REQUEST message to the base station. (S4) In order to provide quick resolution for a collision between the different terminals that having same preamble (signature) simultaneously, the base station may transmit a RRC CONTENTION RESOLUTION message to the terminal. (S5) The RRC CONTENTION RESOLUTION message may include a unique identity of the terminal.

[58] After receiving the RRC CONNECTION REQUEST message from the terminal, the base station may also transmit a CONNECTION REQUEST message to a MME (Mobility Management Entity) for a connection between the base station and MME. (S6) The MME may transmit a CONNECTHON SETUP message to the base station in response to the received CONNECTION REQUEST message. (S7) The base station may transmit RRC CONNECTION SETUP message to the terminal after receiving the CONNECTION SETUP message from the MME. (S8) After receiving the RRC CONNECTION SETUP message by the terminal, the terminal may transmit a RRC CONNECTION COMPLETE message to the base station in order to notify that the RRC connection has been complete. (S9)」

(当審訳:
[54] 図6は、前記eNBによる無線リソースの提供又は割り当てが十分な場合のRRC接続手順を示す。

[55] 図6を参照すると、端末(UE)は、基地局(eNB)とのRRC接続のためにランダムアクセスプリアンブルを送信することもできる(S1)。前記基地局は、前記送信されたランダムアクセスプリアンブルに対する応答として、ランダムアクセス応答を前記端末に送信することもできる(S2)。ここで、前記ランダムアクセス応答は、前記端末によるRRC CONNECTION REQUESTメッセージ送信のためのアップリンク無線リソース割り当て情報を含むこともできる。

[56] 前記端末は、前記ランダムアクセス応答を受信した後、前記ランダムアクセス応答に含まれる前記アップリンク無線リソースを確認し、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージ送信のために必要なビット数を計算又は判断することもできる。すなわち、送信される必要のあるビットの数で前記基地局から割り当てられた無線リソースの量を計算又は判断した後、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージの送信のために必要な情報が前記割り当てられた無線リソースにより送信できる場合、前記端末は、全ての必要な情報を含む前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを生成することもできる(S3)。この場合、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージは、前記端末と基地局間の接続に必要な情報だけでなく、前記基地局とMME(Mobility Management Entity)間の接続(すなわち、S1接続)に必要な情報を含むこともできる。また、前記割り当てられた無線リソースの量を計算する必要がない場合もある。すなわち、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージ送信に必要なビット数が所定の閾値以下である場合、そのメッセージは、計算段階を経ずに、メッセージ2により割り当てられた無線リソースを利用して直ちに送信できる。ここで、前記閾値は、システム情報又は呼び出しメッセージにより前記基地局から前記端末に提供できる。

[57] 前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージの生成後に、前記端末は、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを前記基地局に送信することもできる(S4)。同時に、同一のプリアンブル(シグネチャ)を有する異なる端末間の衝突を迅速に解消するために、前記基地局は、RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージを前記端末に送信することもできる(S5)。前記RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージは、前記端末の固有アイデンティティを含むこともできる。

[58] 前記端末から前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを受信した後、前記基地局は、MMEとの接続のためにCONNECTION REQUESTメッセージを前記MMEに送信することもできる(S6)。前記MMEは、前記送信されたCONNECTION REQUESTメッセージに対する応答としてCONNECTION SETUPメッセージを前記基地局に送信することもできる(S7)。前記基地局は、前記MMEから前記CONNECTIO SETUPメッセージを受信した後、RRC CONNECTION SETUPメッセージを前記端末に送信することもできる(S8)。前記端末は、前記RRC CONNECTION SETUPメッセージを受信した後、前記RRC接続の完了を通知するためにRRC CONNECTION COMPLETEメッセージを前記基地局に送信することもできる(S9)。)

上記摘示した事項により、下記の発明(以下、「参考発明1」という。)が記載されているといえる。

「端末(UE)は、基地局(eNB)とのRRC接続のためにランダムアクセスプリアンブルを送信し、
前記基地局は、前記送信されたランダムアクセスプリアンブルに対する応答として、ランダムアクセス応答を前記端末に送信し、
前記ランダムアクセス応答は、前記端末によるRRC CONNECTION REQUESTメッセージ送信のためのアップリンク無線リソース割り当て情報を含み、
前記端末は、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを前記基地局に送信し、
同一のプリアンブル(シグネチャ)を有する異なる端末間の衝突を迅速に解消するために、前記基地局は、RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージを前記端末に送信し、
前記端末から前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを受信した後、前記基地局は、MMEとの接続のためにCONNECTION REQUESTメッセージを前記MMEに送信し、
前記MMEは、前記送信されたCONNECTION REQUESTメッセージに対する応答としてCONNECTION SETUPメッセージを前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記MMEから前記CONNECTIO SETUPメッセージを受信した後、RRC CONNECTION SETUPメッセージを前記端末に送信する
RRC接続手順。」

また、本件特許の特許公報に参考文献として記載された特開平3-013132号公報(以下、「参考文献2」という。)に、以下の事項が記載されている。

「 複数の端末が使用チャネルを共用する場合、複数の端末が同時にチャネルにアクセスすると信号が衝突する。従って、この競合を制御する必要があるが、このチャネルの競合を防止する方法としては2つの考え方がある。
一つは、チャネルの使用状態を検出し、使用中は情報の送出をしない方法(以下、「前者」という)であり、他の一つは送出した情報のエコーバックを取り、送出したものと異なる情報を受信した場合は、他の端末の情報送出と競合したと判断し送出を中断する方法(以下、「後者」という)がある。 」(第2頁右上欄第2-13行目)

上記摘示した事項に、技術常識を参酌すると、参考文献2には、
「エコーバックを行うことで、端末が受信した情報が自身が送信した信号の衝突の判断を行うこと」(以下、「参考発明2」という。)
が記載されているといえる。

ウ.対比
参考発明1では、「端末(UE)は、基地局(eNB)とのRRC接続のためにランダムアクセスプリアンブルを送信し」ている。
してみると、参考発明1は、「前記移動局が、選択したセルを管理する無線基地局に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程B」を有しているといえる。

参考発明1では、「前記基地局は、前記送信されたランダムアクセスプリアンブルに対する応答として、ランダムアクセス応答を前記端末に送信し」ている。
してみると、参考発明1は、「前記無線基地局が、受信した前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信する工程C」を有しているといえる。

参考発明1では、「前記ランダムアクセス応答は、前記端末によるRRC CONNECTION REQUESTメッセージ送信のためのアップリンク無線リソース割り当て情報を含み、前記端末は、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを前記基地局に送信し」ている。
してみると、参考発明1は、「前記移動局が、前記ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、前記無線基地局に対して、RRC再接続要求信号を送信する工程D」を有しているといえる。

参考発明1では、「前記端末は、前記RRC CONNECTION REQUESTメッセージを前記基地局に送信し」ている。
してみると、参考発明1は、「前記無線基地局が、受信した前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号を送信する工程E」を有しているといえる。

参考発明1では、「前記基地局は、前記MMEから前記CONNECTIO SETUPメッセージを受信した後、RRC CONNECTION SETUPメッセージを前記端末に送信する」。
してみると、参考発明1は、「前記無線基地局が、前記移動局に対して、前記RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信する工程F」を有しているといえる。

参考発明1では、「前記基地局は、RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージを前記端末に送信し、前記基地局は、前記MMEから前記CONNECTIO SETUPメッセージを受信した後、RRC CONNECTION SETUPメッセージを前記端末に送信する」ものであるから、端末は、「RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージ」及び「RRC CONNECTION SETUPメッセージ」を受信しているといえる。
してみると、参考発明1は、「前記移動局が、前記衝突解決信号及び前記RRC再接続信号を受信する工程G」を有しているといえる。

参考発明1は、「RRC接続手順」であるから、「移動通信方法」であるといい得る。

以上から、訂正発明1と参考発明1とは、以下の点で一致、相違する。

<一致点>
「移動局が、選択したセルを管理する無線基地局に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程Bと、
前記無線基地局が、受信した前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信する工程Cと、
前記移動局が、前記ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、前記無線基地局に対して、RRC再接続要求信号を送信する工程Dと、
前記無線基地局が、受信した前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号を送信する工程Eと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、前記RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信する工程Fと、
前記移動局が、前記衝突解決信号及び前記RRC再接続信号を受信する工程Gとを有することを特徴とする移動通信方法。」

<相違点1>
訂正発明1は、「移動局が、セル選択を行う工程A」を有しているのに対して、参考発明1は、該工程を有していない点。

<相違点2>
訂正発明1は、「前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信する」のに対して、参考発明1は、このような動作を行っていない点。

エ.判断
相違点1については、セル選択を移動局で行うことも網側で行うことも周知な事項であることから、参考発明1において、移動局がセル選択を行うように構成し、該工程を有するようにすることは、当業者であれば必要に応じて適宜なし得る事項である。

相違点2については、参考発明1では、無線基地局による、衝突解決信号を送信する工程とRRC再接続信号を送信する工程との間には、無線基地局とMMEとで、「CONNECTION REQUESTメッセージ」と「CONNECTION SETUPメッセージ」を送受信する工程を有している。
そして、衝突は迅速に解消される一方で、RRCの再接続が行われるまでには端末とMMEとの間で信号のやりとり、特に、MMEからの「CONNECTION SETUPメッセージ」の受信を必要とし、RRC接続を示す「RRC再接続信号」を端末へ送信するまでに時間を要することから、「衝突」が解消されたことを示す「衝突解決信号」とRRCの再接続を示す「RRC再接続信号」とを連結させることを想定しているといえない。
このため、当業者が、参考発明1をみた場合、「RRC CONTENTION RESOLUTIONメッセージ」と「RRC CONNECTION SETUPメッセージ」とを連結して送信するとのケースを想定することを容易になし得るとはいえない、即ち、衝突解決信号とRRC再接続信号とを連結して送信する或いは別に送信するという、2つの送信方法を想定することは、当業者が容易になし得たとはいえない。
このため、参考発明1に、参考発明2の「エコーバックを行うことで、端末が受信した情報が自身が送信した信号の衝突の判断を行うこと」を仮に適用したとしても、参考発明1で、「前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信する」ようにすることが、当業者にとって容易になし得たとはいえない。

したがって、訂正発明1は、参考発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、他に拒絶の理由を発見しないから、訂正発明1は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。


2.訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正前(及び訂正後)の請求項1には、「該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号」なる事項が記載されている。
また、願書に添付した明細書の段落【0062】には、
「なお、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、図10(a)及び図10(b)の「Contention Resolution」のフィールドには、受信した「RRC Connection Re-establishment Request」をコピーするように構成されている。」
なる事項が記載されており、該記載中の「Contention Resolution」、「RRC Connection Re-establishment Request」は、「衝突解決信号」、「RRC再接続要求信号」に相当することは明らかである。
してみると、これらの記載に鑑みると、訂正前の請求項2の「該RRC再接続要求信号含む」なる記載は、「該RRC再接続要求信号を含む」の誤記であることは明らかなである。
したがって、訂正事項2のように訂正することは、特許法第126条第1項ただし書き第2号の誤記の訂正を目的とするものである。

(2)新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更
上記「2.」の「(1)」で摘示したとおり、願書に添付した明細書の段落【0062】には、
「なお、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、図10(a)及び図10(b)の「Contention Resolution」のフィールドには、受信した「RRC Connection Re-establishment Request」をコピーするように構成されている。」
なる事項が記載されており、該記載中の「Contention Resolution」、「RRC Connection Re-establishment Request」は、「衝突解決信号」、「RRC再接続要求信号」に相当することは明らかであるから、訂正前の請求項2の「該RRC再接続要求信号含む」との記載は、「該RRC再接続要求信号を含む」の誤記であることは明らかであって、訂正事項2のように訂正することは、願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされるものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件
ア.訂正発明
訂正後の請求項2に係る発明は、次のとおりの発明(以下、「訂正発明2」という。)である。
「無線基地局であって、
移動局から、ランダムアクセスプリアンブルを受信するように構成されているランダムアクセスプリアンブル受信部と、
受信された前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信するように構成されているランダムアクセス応答送信部と、
前記移動局から、RRC再接続要求信号を受信するように構成されているRRC再接続要求信号受信部と、
前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号、及び、該RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記送信部は、前記RRC再接続信号を前記衝突解決信号に連結して送信するか、或いは、該RRC再接続信号を該衝突解決信号とは別個に送信するように構成されていることを特徴とする無線基地局。」

イ.参考発明
本件特許の特許公報に参考文献として記載された国際公開第2007/148935(以下、「参考文献1」という。)に、上記「1.」の「(3)」で記載した参考発明1が記載されている。
また、本件特許の特許公報に参考文献として記載された特開平3-013132号公報(以下、「参考文献2」という。)に、上記「1.」の「(3)」で記載した参考発明2が記載されている。

ウ.対比・判断
上記「1.」の「(3)」で記載した理由と同様な理由により、訂正発明2は、参考発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、他に拒絶の理由を発見しないから、訂正発明2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。



第5.むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
移動通信方法及び無線基地局
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
図12を参照して、3GPPで規定されている「LTE(Long Term Evolution)」方式の移動通信システムにおいて、セル#1においてRRCコネクション#1を設定している移動局UEが、RLF(無線リンク障害、Radio Link Failure)を検出した際の動作について説明する。
【0003】
図12に示すように、移動局UEと無線基地局eNB#1との間でRRCコネクション#1が設定されており、無線基地局eNB#1と交換局MMEとの間でS1コネクション#1が設定されている状態で、移動局UEが、ステップS5001において、RLF(無線リンク障害、Radio Link Failure)を検出すると、ステップS5002において、セル選択処理(Cell Selection)を行う。
【0004】
ステップS5003において、移動局UEは、セル選択処理によって選択されたセル#2を管理する無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信する。
【0005】
無線基地局eNB#2は、ステップS5004において、受信した「RRC Connection Re-establishment Request」に含まれる「Physical Cell Identy」、「C-RNTI」及び「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報(UEコンテキスト)を記憶している場合、ステップS5005において、移動局UEに対して、「RRC Connection Re-establishment」を送信する。
【0006】
ステップS5006において、移動局UEは、無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Complete」を送信する。
【0007】
無線基地局eNB#2は、ステップS5007において、交換局MMEに対して、「S1 Path Switch」を送信し、ステップS5008において、移動局UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0008】
ステップS5009において、移動局UEは、無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信し、ステップS5010において、交換局MMEは、無線基地局eNB#2に対して、「S1 Path Switch Ack」を送信する。
【0009】
この結果、RRCコネクション#1のRRCコネクション#2への切り替え、及び、S1コネクション#1のS1コネクション#2への切り替えが完了する。ここで、RRCコネクション#2は、移動局UEと無線基地局eNB#2との間で設定されているRRCコネクションであり、S1コネクション#2は、無線基地局eNB#2と交換局MMEとの間で設定されているS1コネクションである。
【非特許文献1】3GPP TS36.331 v8.3.0
【非特許文献2】3GPP TS36.321 v8.3.0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、かかる移動通信システムでは、移動局UEは、移動局UEのコンテキスト情報(UEコンテキスト)を記憶している無線基地局eNB配下のセルに対してのみハンドオーバを行うことができるように構成されている。
【0011】
したがって、上述の無線基地局eNB#2が、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していない場合には、上述の「RRC Connection Re-establishment」が拒否されてしまい、移動局UEは、セル選択処理によって選択されたセル#2を管理する無線基地局eNB#2との間でRRCコネクション#2を設定することができないという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、移動局のコンテキスト情報を記憶していない無線基地局に対するコネクション再設定(再接続)を可能とする移動通信方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、第1セルにおいて第1コネクションを設定している移動局が、該第1コネクションにおける障害を検出した際に、セル選択処理を行う工程Aと、前記移動局が、前記セル選択処理によって選択した第2セルに対して、コネクション再設定要求信号を送信する工程Bと、前記第2セルを管理する無線基地局が、前記コネクション再設定要求信号に応じて、前記移動局のコンテキスト情報を記憶しているか否かについて判定する工程Cと、前記第2セルを管理する無線基地局が、前記移動局のコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合に、前記第1セルを管理する無線基地局から、該移動局のコンテキスト情報を取得する工程Dと、前記移動局のコンテキスト情報に基づいて、前記第2セルを管理する無線基地局及び前記移動局が、該移動局用の該第2セルにおける第2コネクションを設定する工程Eとを有することを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴は、第2セルを管理する無線基地局であって、第1セルにおいて第1コネクションを設定している移動局から受信した前記第2セル宛てのコネクション再設定要求信号に応じて、該移動局のコンテキスト情報を記憶しているか否かについて判定するように構成されている判定部と、前記判定部によって前記移動局のコンテキスト情報を記憶していないと判定された場合に、前記第1セルを管理する無線基地局から、該移動局のコンテキスト情報を取得するように構成されている取得部と、前記移動局のコンテキスト情報に基づいて、前記移動局と協働して、該移動局用の前記第2セルにおける第2コネクションを設定するように構成されている設定部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、移動局のコンテキスト情報を記憶していない無線基地局に対するコネクション再設定(再接続)を可能とする移動通信方法及び無線基地局を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、交換局MMEと、セル#1を管理する無線基地局eNB#1と、セル#2を管理する無線基地局eNB#2とを具備している。
【0018】
かかる移動通信システムでは、移動局UEが、移動局UEのコンテキスト情報を記憶している無線基地局eNB配下のセルに対してのみハンドオーバを行うことができるように構成されている、すなわち、「Backward Handover」が適用されている。
【0019】
なお、本発明は、LTE方式の移動通信システムだけでなく、「Backward Handover」が適用されている任意の移動通信システムに対して適用可能である。
【0020】
図2に示すように、無線基地局eNBは、UEコンテキスト記憶部11と、RRC(Radio Resource Control)処理部12と、判定部13と、MAC(Media Access Control)処理部14と、X2処理部15と、S1処理部16とを具備している。以下、無線基地局eNBを代表して、セル#2(第2セル)を管理する無線基地局eNB#2の構成について説明する。
【0021】
UEコンテキスト記憶部11は、移動局UEを一意に特定可能な「shortMAC-I」と移動局UEのコンテキスト情報とを対応付けて記憶するように構成されている。
【0022】
ここで、「shortMAC-I」は、図3に示すように、「セルID」と「PCI(Physical Cell ID)」と「C-RNTI」とからなる「VarShortMAC-Input」を用いて生成された16ビットのセキュリティパラメータである。
【0023】
具体的には、「shortMAC-I」は、「VarShortMAC-Input」に対して、現在移動局UEが用いているセキュリティ鍵とセキュリティアルゴリズムを用いて計算される改竄チェックコード「MAC-I」の下位16ビットを抽出したものである。
【0024】
また、移動局UEのコンテキスト情報は、例えば、図4に示すような「ue-RadioAccessCapabilityInfo」や「ue-SecurityCapabilityInfo」や「reestablishmentInfo」を含む「AS-Context」等を含む。
【0025】
RRC処理部12は、移動局UEのRRC機能と協働して、RRC処理を行うように構成されている。
【0026】
例えば、RRC処理部12は、移動局UEから、配下のセル(例えば、セル#2)宛ての「RRC Connection Re-establishment Request(コネクション再設定要求信号)」や「RRC Connection Re-establishment Complete(コネクション再設定完了信号)」や「RRC Connection Reconfiguration Complete(コネクション再構成完了信号)」を受信するように構成されている。
【0027】
また、RRC処理部12は、移動局UEに対して、「RRC Connection Re-establishment(コネクション再設定信号)」や「RRC Connection Reconfiguration(コネクション再構成信号)」を送信するように構成されている。
【0028】
なお、RRC処理部12は、移動局UEのコンテキスト情報に基づいて、移動局UEと協働して、すなわち、移動局UEとの間で、上述のRRCメッセージをやり取りすることによって、移動局UE用のセル#2におけるRRCコネクション#2を設定するように構成されている。
【0029】
ここで、図5に、かかる「RRC Connection Re-establishment Request」のフォーマットの例を示す。
【0030】
判定部13は、RRC処理部12によって受信された「RRC Connection Re-establishment Request」に応じて、UEコンテキスト記憶部11に移動局UEのコンテキスト情報が記憶されているか否かについて判定するように構成されている。
【0031】
具体的には、判定部13は、UEコンテキスト記憶部11に、RRC処理部12によって受信された「RRC Connection Re-establishment Request」に含まれている「Physical Cell Identity」、「C-RNTI」及び「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報が記憶されているか否かについて判定するように構成されている。
【0032】
MAC処理部12は、移動局UEのMAC機能と協働して、MAC処理を行うように構成されている。
【0033】
X2処理部15は、他の無線基地局(例えば、無線基地局eNB#1)との間のインターフェース機能を果たすように構成されている。
【0034】
例えば、X2処理部15は、判定部13によって移動局UEのコンテキスト情報が記憶されていないと判定された場合に、セル#1を管理する無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得するように構成されている。
【0035】
具体的には、X2処理部15は、判定部13によって移動局UEのコンテキスト情報が記憶されていないと判定された場合に、無線基地局eNB#1に対して、「Forward HO Request(フォワードハンドオーバ要求信号)」を送信することによって、「X2 HO Prepartion(ハンドオーバ準備信号)」を介して、移動局UEのコンテキスト情報を取得するように構成されている。
【0036】
ここで、図6及び図7に、かかる「X2 HO Prepartion」のフォーマットの例を示す。
【0037】
S1処理部16は、交換局MMEとの間のインターフェース機能を果たすように構成されている。なお、S1処理部16は、交換局MMEとの間のS1コネクションの設定管理を行うように構成されている。
【0038】
例えば、S1処理部16は、交換局MMEに対して「S1 Path Switch」を送信し、交換局MMEから「S1 Path Switch Ack」を受信するように構成されている。
【0039】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0040】
図8に示すように、移動局UEと無線基地局eNB#1との間でRRCコネクション#1が設定されており、無線基地局eNB#1と交換局MMEとの間でS1コネクション#1が設定されている状態で、移動局UEが、ステップS1001において、RLF(RRCコネクション#1における障害)を検出すると、ステップS1002において、セル選択処理を行う。
【0041】
例えば、移動局UEは、N310回、RRCコネクション#1における同期外れ状態を検出し、その後、タイマT310を起動して、タイマT310が満了するまでに、かかる同期外れ状態が解消されない場合に、RLFを検出する。
【0042】
ステップS1003において、移動局UEは、セル選択処理によって選択されたセル#2を管理する無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信する。
【0043】
無線基地局eNB#2は、ステップS1004において、受信した「RRC Connection Re-establishment Request」に含まれる「Physical Cell Identity」、「C-RNTI」及び「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合、ステップS1005において、上述の「Physical Cell Identity」に基づいて、無線基地局eNB#1を特定し、無線基地局eNB#1に対して、上述の「C-RNTI」及び「shortMAC-I」を含む「Forward HO Request」(「UE Context Request」等、他の名前で呼ばれてもよい)を送信する。
【0044】
無線基地局eNB#1は、ステップS1006において、受信した「Forward HO Request」に含まれる「C-RNTI」及び「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報を記憶していると判定した場合、ステップS1007において、無線基地局eNB#2に対して、当該移動局UEのコンテキスト情報を含む「X2 HO Prepartion」を送信する(移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合、「X2 HO Preparation」の代わりに「Forward HO Reject」を送信する)。
【0045】
ステップS1008において、無線基地局eNB#2は、移動局UEに対して、「RRC Connection Re-establishment」を送信する。
【0046】
ここで、無線基地局eNB#1から「Forward HO Reject」が返ってきた場合は、「RRC Connection Re-establishment Reject」を代わりに送信する。これにより、コネクション再設定は失敗に終わり、移動局UEはRRCコネクションを解放して、「RRC_IDLE状態」となる。
【0047】
ステップS1009において、移動局UEは、無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Complete」を送信する。
【0048】
無線基地局eNB#2は、ステップS1010において、無線基地局eNB#1に対して、「X2 HO Prepartion Ack」を送信し、ステップS1011において、交換局MMEに対して、「S1 Path Switch」を送信し、ステップ1012において、移動局UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0049】
ステップS1013において、移動局UEは、無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信し、ステップS1014において、交換局MMEは、無線基地局eNB#2に対して、「S1 Path Switch Ack」を送信する。
【0050】
この結果、RRCコネクション#1のRRCコネクション#2への切り替え、及び、S1コネクション#1のS1コネクション#2への切り替えが完了する。ここで、RRCコネクション#2は、移動局UEと無線基地局eNB#2との間で設定されているRRCコネクションであり、S1コネクション#2は、無線基地局eNB#2と交換局MMEとの間で設定されているS1コネクションである。
【0051】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる移動局UEによれば、無線基地局eNB#2が、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していない場合であっても、無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得することができるため、移動局UEは、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していない無線基地局eNB#2に対してコネクション再設定(再接続)を行うことができる。
【0052】
(本発明の変更例1)
図9乃至図11を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて説明する。以下、本変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0053】
本変更例1に係る移動通信システムでは、移動局UEは、ランダムアクセス手順を用いて、セル選択処理によって選択された無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信するように構成されている。
【0054】
ここで、図9及び図10を参照して、かかる動作について説明する。
【0055】
図9に示すように、ステップS3001において、移動局UEは、無線基地局eNB#2に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0056】
ステップS3002において、無線基地局eNB#2は、受信したランダムアクセスプリアンブルに応じて、移動局UEに対して、ランダムアクセス応答を送信する。ここで、無線基地局eNB#2は、RA-RNTIを含むPDCCHを介して、移動局UEに対して、ランダムアクセス応答を送信する。
【0057】
ステップS3003において、移動局UEは、ランダムアクセス応答によって指定された上り無線リソース(UL Grant)を用いて、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信する。かかる「RRC Connection Re-establishment Request」の送信には、HARQ(Hybrid ARQ)処理が適用される。
【0058】
ステップS3004において、無線基地局eNB#2は、「RRC Connection Re-establishment Request」の受信に応じて、「Contention Resolution」を送信する。
【0059】
ステップS3005において、無線基地局eNB#2は、「RRC Connection Re-establishment Request」に対する応答信号である「RRC Connection Re-establishment」を送信する。かかる「RRC Connection Re-establishment」の送信には、HARQ処理が適用される。
【0060】
なお、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、移動局UEによる「RRC Connection Re-establishment Request」の送信の際に起動されたCR(Contention Resolution)タイマ(所定タイマ)が満了する前に、「Contention Resolution」を送信するように構成されている。
【0061】
ここで、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、図10(a)に示すように、同一のTTI(Transmission Time Interval)において、「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを連結して送信してもよいし、図10(b)に示すように、「Contention Resolution」と「RRC Connection Re-establishment」とを別に送信してもよい。
【0062】
なお、無線基地局eNB#2のMAC処理部14は、図10(a)及び図10(b)の「Contention Resolution」のフィールドには、受信した「RRC Connection Re-establishment Request」をコピーするように構成されている。
【0063】
また、移動局UEは、ランダムアクセス手順によって、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信した後、最初に、Temp-C-RNTIを含むPDCCHを介して送信される制御情報において、「Contention Resolution」が含まれているか否かについて判定するように構成されている。
【0064】
Temp-C-RNTIは、ランダムアクセス応答によって割り当てられたテンポラリーなC-RNRI(セル内の移動局UEの識別子)である。
【0065】
具体的には、移動局UEは、かかる制御情報において、図10(a)示すように、3又は4バイト目から、「Contention Resolution」のフィールドが始まるものとして、MACヘッダ及びMAC拡張ヘッダを解析することなく、「Contention Resolution」が含まれているか否かについて判定するように構成されていてもよいし、図10(b)示すように、2バイト目から、「Contention Resolution」のフィールドが始まるものとして、MACヘッダを解析することなく、「Contention Resolution」が含まれているか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0066】
「Contention Resolution」に対しては、HARQが適用されるが、複数の移動局UEが、ランダムアクセスを同時に行い、衝突している可能性があるため、通常のHARQのMAC処理とは異なり、移動局UEは、自身が送信した「RRC Connection Re-establishment Request」が「Contention Resolution」によってエコーバックされたことが確認された場合にのみ、HARQ Ackのフィードバックを送信する。
【0067】
その他の場合(デコードに失敗してHARQ Nackの場合及び「Contention Resolution」のエコーバック内容が一致しない場合)は、移動局UEは、HARQのAck/Nackフィードバックは送信しない。
【0068】
ところが、HARQのフィードバックは、HARQが動作するRTT(round trip time)を満たすようなタイミングで送信する必要がある。よって、処理速度に対する要求が厳しく、MACヘッダを解析する処理時間を取ることができない。
【0069】
したがって、移動局UEは、MACヘッダを解析することなく、「Contention Resolution」のバイト位置を決めて、エコーバック内容のビットストリングの比較が直接行えるように構成されていることが望ましい。
【0070】
以下、図11を参照して、本変更例1に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0071】
図11に示すように、移動局UEと無線基地局eNB#1との間でRRCコネクション#1が設定されており、無線基地局eNB#1と交換局MMEとの間でS1コネクション#1が設定されている状態で、移動局UEが、ステップS2001において、RLF(RRCコネクション#1における障害)を検出すると、ステップS2002において、セル選択処理を行う。
【0072】
ステップS2003において、移動局UEは、セル選択処理によって選択されたセル#2を管理する無線基地局eNB#2に対して、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信する。
【0073】
この際、ステップS2003Aにおいて、無線基地局eNB#2は、CRタイマが満了する前の任意のタイミングで、移動局UEに対して、「Contention Resolution」を送信する。
【0074】
ステップS2004乃至S2014の動作は、図8に示すステップS1004乃至S1014の動作と同一である。
【0075】
なお、ステップS2008における「RRC Connection Re-establishment」が、タイマT301が満了するまでに移動局UEに到達しない場合、移動局UEは、セル#2におけるRRCコネクション#2の設定に失敗したものと判断する。かかる場合、移動局UEは、RRCコネクションを解放し、「RRC_IDLE状態」となる。
【0076】
以下、本変更例1に係る移動通信システムの作用・効果について説明する。
【0077】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムでは、無線基地局eNB#2が、移動局UEから「RRC Connection Re-establishment Request」を受信した場合で、かつ、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していない場合には、無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得する必要がある。
【0078】
したがって、無線基地局eNB#2が、同一のTTIにおいて「RRC Connection Re-establishment」と「Contention Resolution」とを連結して送信すると、「Contention Resolution」が、CRタイマが満了するまでに移動局UEに到達せず、「RRC Connection Re-establishment Request」が無線基地局eNB#2に正常に到達している場合であっても、ランダムアクセス手順が繰り返し行われてしまう場合がある。
【0079】
そのため、本変更例1に係る移動通信システムのように、無線基地局eNB#2が、CRタイマが満了する前の任意のタイミングで、移動局UEに対して、「Contention Resolution」を送信することによって、かかる不具合を解消することができる。
【0080】
特に、無線基地局eNB#2は、移動局UEから「RRC Connection Re-establishment Request」を受信した場合で、かつ、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していない場合には、CRタイマが満了する前の任意のタイミングで、移動局UEに対して、「Contention Resolution」を送信することが好ましい。
【0081】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0082】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、セル#1(第1セル)においてRRCコネクション#1(第1コネクション)を設定している移動局UEが、RRCコネクション#1における障害(RLF)を検出した際に、セル選択処理を行う工程Aと、移動局UEが、セル選択処理によって選択したセル#2(第2セル)に対して、「RRC Connection Re-establishment Request(コネクション再設定要求信号)」を送信する工程Bと、セル#2を管理する無線基地局eNB#2が、「RRC Connection Re-establishment Request」に応じて、移動局UEのコンテキスト情報を記憶しているか否かについて判定する工程Cと、無線基地局eNB#2が、移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合に、セル#1を管理する無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得する工程Dと、移動局UEのコンテキスト情報に基づいて、無線基地局eNB#2及び移動局UEが、移動局UE用のセル#2におけるRRCコネクション#2(第2コネクション)を設定する工程Eとを有することを要旨とする。
【0083】
本実施形態の第1の特徴において、前記工程Bは、移動局UEが、無線基地局eNB#2に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程B1と、無線基地局eNB#2が、受信したランダムアクセスプリアンブルに応じて、移動局UEに対して、ランダムアクセス応答を送信する工程B2と、移動局UEが、ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、「RRC Connection Re-establishment Request」を送信する工程B3と、無線基地局eNB#2が、「RRC Connection Re-establishment Request」の受信に応じて、「Contention Resolution(衝突解決信号)」を送信する工程B4とを有し、工程B4において、無線基地局eNB#2は、工程B1において起動されたCRタイマ(所定タイマ)が満了する前に、「RRC Connection Re-establishment Request」に対する応答信号である「RRC Connection Re-establishment」とは別に、「Contention Resolution」を送信してもよい。
【0084】
本実施形態の第1の特徴において、無線基地局eNB#2は、移動局UEを一意に特定可能な「shortMAC-I(セキュリティパラメータ)」と移動局UEのコンテキスト情報とを対応付けて記憶しており、工程Dにおいて、無線基地局eNB#2は、「RRC Connection Re-establishment Request」に含まれる「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合に、無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得してもよい。
【0085】
本実施形態の第2の特徴は、セル#2を管理する無線基地局eNB#2であって、セル#1においてRRCコネクション#1を設定している移動局UEから受信したセル#2宛ての「RRC Connection Re-establishment Request」に応じて、移動局UEのコンテキスト情報を記憶しているか否かについて判定するように構成されている判定部13と、判定部13によって移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定された場合に、セル#1を管理する無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得するように構成されているX2処理部16と、移動局UEのコンテキスト情報に基づいて、移動局UEと協働して、移動局UE用のセル#2におけるRRCコネクション#2を設定するように構成されているRRC処理部12とを具備することを要旨とする。
【0086】
本実施形態の第2の特徴において、移動局UEから受信したランダムアクセスプリアンブルに応じて、移動局UEに対して、ランダムアクセス応答を送信し、ランダムアクセス応答によって指定したリソースを用いて移動局から受信した「RRC Connection Re-establishment Request」の受信に応じて、「Contention Resolution」を送信するように構成されているMAC処理部14を具備し、MAC処理部14は、移動局UEによる「RRC Connection Re-establishment Request」の送信の際に起動されたCRタイマが満了する前に、「RRC Connection Re-establishment Request」に対する応答信号である「RRC Connection Re-establishment」とは別に、「Contention Resolution」を送信するように構成されていてもよい。
【0087】
本実施形態の第2の特徴において、移動局UEを一意に特定可能な「shortMAC-I」と移動局UEのコンテキスト情報とを対応付けて記憶するように構成されているUEコンテキスト記憶部11を具備し、RRC処理部12は、「RRC Connection Re-establishment Request」に含まれる「shortMAC-I」に対応する移動局UEのコンテキスト情報を記憶していないと判定した場合に、無線基地局eNB#1から、移動局UEのコンテキスト情報を取得するように構成されていてもよい。
【0088】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2や交換局MMEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0089】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0090】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2や交換局MME内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2や交換局MME内に設けられていてもよい。
【0091】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「shortMAC-I」について説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「AS-Context」について説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「RRC Connection Re-establishment Request」について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「X2 HO Prepaartion」について説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「X2 HO Prepaartion」に含まれる「AS-Configuration」について説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図12】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0093】
eNB…無線基地局
11…UEコンテキスト記憶部
12…RRC処理部
13…判定部
14…MAC処理部
15…X2処理部
16…S1処理部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、セル選択を行う工程Aと、
前記移動局が、選択したセルを管理する無線基地局に対して、ランダムアクセスプリアンブルを送信する工程Bと、
前記無線基地局が、受信した前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信する工程Cと、
前記移動局が、前記ランダムアクセス応答によって指定されたリソースを用いて、前記無線基地局に対して、RRC再接続要求信号を送信する工程Dと、
前記無線基地局が、受信した前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号を送信する工程Eと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、前記RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信する工程Fと、
前記移動局が、前記衝突解決信号及び前記RRC再接続信号を受信する工程Gとを有し、
前記工程E及び前記工程Fにおいて、前記無線基地局は、前記衝突解決信号に前記RRC再接続信号を連結して送信するか、或いは、該衝突解決信号と該RRC再接続信号とを別に送信することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
無線基地局であって、
移動局から、ランダムアクセスプリアンブルを受信するように構成されているランダムアクセスプリアンブル受信部と、
受信された前記ランダムアクセスプリアンブルに応じて、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答を送信するように構成されているランダムアクセス応答送信部と、
前記移動局から、RRC再接続要求信号を受信するように構成されているRRC再接続要求信号受信部と、
前記RRC再接続要求信号に応じて、前記移動局に対して、該RRC再接続要求信号を含む衝突解決信号、及び、該RRC再接続要求信号に対する応答メッセージであるRRC再接続信号を送信するように構成されている送信部とを具備し、
前記送信部は、前記RRC再接続信号を前記衝突解決信号に連結して送信するか、或いは、該RRC再接続信号を該衝突解決信号とは別個に送信するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-03-19 
出願番号 特願2008-316122(P2008-316122)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (H04W)
P 1 41・ 852- Y (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 寛人  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 吉田 隆之
佐藤 聡史
登録日 2010-11-12 
登録番号 特許第4625123号(P4625123)
発明の名称 移動通信方法及び無線基地局  
代理人 伊藤 市太郎  
代理人 三好 秀和  
代理人 三好 秀和  
代理人 伊藤 市太郎  

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