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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 C02F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C02F
管理番号 1288101
審判番号 不服2013-5465  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-25 
確定日 2014-06-12 
事件の表示 特願2008-120601「蛇口直結型浄水器」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 9月18日出願公開、特開2008-212932、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年10月29日に出願された特許出願(特願2002-314227号)の一部を平成20年5月2日に新たに特許出願したものであって、手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
平成23年 4月 5日 拒絶理由通知(起案日)
同年 6月 6日 手続補正書及び意見書
平成24年 2月10日 拒絶理由通知(起案日)
同年 3月30日 手続補正書及び意見書
同年12月17日 拒絶査定(起案日)
平成25年 3月25日 拒絶査定不服審判請求及び手続補正書
同年 7月 8日 審尋(起案日)
同年 8月28日 回答書
同年 9月26日 拒絶理由通知(起案日)
同年11月22日 手続補正書及び意見書
平成26年 1月22日 拒絶理由通知(起案日)
同年 3月12日 手続補正書及び意見書
同年 3月25日 手続補正書(方式)

第2 本願発明
本願発明は、平成26年3月12日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、それぞれ、「本願発明1」?「本願発明5」といい、まとめて「本願発明」という。)。
「【請求項1】
浄水カートリッジと、窓部を有する交換時期表示部と蛇口接続部と該浄水カートリッジの接続部及び操作盤を有する浄水器本体とからなり、
該交換時期表示部は水作業場所付近から奥側に離れており、
該浄水カートリッジが、浄水器本体を蛇口に接続したときに、蛇口管に対して鉛直下側に来るように配置される蛇口直結型浄水器であって、前記浄水カートリッジが円筒形状であり、該浄水カートリッジの筒中心軸と前記蛇口管の水平方向の中心軸とが直交し、前記浄水カーリッジの接続部が筒状であり、該交換時期表示部の窓部が、前記浄水器本体の前記浄水カーリッジの接続部に、該接続部の筒中心軸方向から見た際に、窓部の中心と筒中心軸とを結ぶ線と、水平面とのなす角度が10?30°の範囲となるように目視可能に配置され、前記窓部の下に月表示部が位置しており、前記操作盤を回動させることにより、月表示部の選択したいずれか一つの月数字のみを窓部を通して表示する蛇口直結型浄水器。
【請求項2】
前記操作盤が、前記筒状部の端部に配置されている請求項1に記載の蛇口直結型浄水器。
【請求項3】
前記浄水器本体に対し、切換レバーが浄水器を蛇口に固定したときの使用者から向かって右側方に設けられ、前記交換時期表示部が、該切換レバーに対して左側に設けられている請求項1又は2に記載の蛇口直結型浄水器。
【請求項4】
前記操作盤の盤面に、コイン溝又は指をかける窪みが配されてなる請求項1?3いずれか一項に記載の蛇口直結型浄水器。
【請求項5】
前記コイン溝又は指をかける窪みは、使用者から向かって前記浄水器本体の左側面に位置している請求項4に記載の蛇口直結型浄水器。」

第3 拒絶理由の概要
1.本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用例に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物1:特開平11-114324号公報
刊行物2:特開平02-035985号公報
刊行物3:特開2002-102847号公報
刊行物4:実願昭63-079781号(実開平02-001295号)のマイクロフィルム
刊行物5:特開平11-169844号公報
刊行物6:特開2000-308882号公報
刊行物7:特開平07-299451号公報
刊行物8:特開2000-189951号公報
刊行物9:実願昭58-201272号(実開昭60-108321号)のマイクロフィルム

2.当審の拒絶理由の概要
(理由1)
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



「蛇口管の中心軸」とは、蛇口管のどの部分の中心軸なのか明確ではない。

(理由2)
本願発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物A:特開2002-210458号公報

(理由3)
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



請求項1の記載では、「交換時期表示部」と「蛇口管」との位置関係が明確ではない。

第4 当審の判断
1.原査定の拒絶理由について
(1)刊行物1の記載事項
刊行物1には、「蛇口直結型浄水器」(発明の名称)について、次の記載がある。
ア 「【請求項1】 流路切換弁を具備する蛇口接続用ボディに対して浄水器本体を着脱自在に組み付けてなる蛇口直結型浄水器において、前記浄水器本体のハウジングの表面に、日付用の数字を書き込むための空欄を有する日付記入部が印刷されていることを特徴とする蛇口直結型浄水器。」
イ 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭等の水道の蛇口に取り付けて、水道水を簡単に濾過するための蛇口直結型浄水器に関する。」
ウ 「【0004】蛇口直結型浄水器は、原水入口、浄水器本体への送水口、原水出口、及び流路切換弁等を具備している蛇口接続用ボディに対して、活性炭等の吸着剤や多孔質中空糸膜を内蔵してあるカートリッジ式の浄水器本体を着脱自在に組み付けてなるものであり、切換レバー等の操作に連動させて前記流路切換弁を切り換えることにより、蛇口からの水道水を、浄水器本体を経由する浄水、原水のままのストレート、及び原水のシャワー等に切り換えるようにしてある。」
エ 「【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、浄水器本体のハウジングの表面に、この浄水器本体を利用する際に、該浄水器本体の交換予定日、あるいはこの浄水器本体の使用開始日を直接書き込めるようにしたことにより、ラベルの貼着の手間が省けるために使い勝手が良く、又特別にコスト高になるようなことがなく、しかも使用の途中で水がかかっても、浄水器本体の交換日の目安である日付の機能が果たされ得なくなることのない蛇口直結型浄水器を提供することにある。」
オ 「【0014】
【実施例】以下、本発明の蛇口直結型浄水器のより具体的な構成を、図1及び図2に基づいて説明する。
【0015】図1及び図2に示される蛇口直結型浄水器において、水流切換レバー4を回動して、該水流切換レバー4に連動する流路切換弁(図示を省略)を浄水側に切り換えると、蛇口9から流出する原水は、原水入口8、蛇口接続用ボディ2、浄水器本体6を通って浄水となり、浄水出口7から下方に吐出する。
【0016】本実施例では蛇口接続用ボディ2に内蔵してある水流切換弁について、及び浄水器本体6内に内蔵してある活性炭等の吸着剤や多孔質中空糸膜に関する詳細は図示していないが、これらは従来のものをそのまま使用できる。
【0017】浄水器本体6のハウジング表面には、使用者にとって見易い手前の位置に、「交換日」の文字と共に、日付用の数字を書き込むための空欄を有する日付記入部1としての「 年 月 日」が印刷されている。
【0018】これらの文字は、遠くからでも見やすいように3mm長以上に印刷されていることが好ましく、又色彩は目立ち易いように浄水器本体6のハウジングの色と対照色をなす色、つまり浄水器本体6のハウジングの彩色が白であれば、文字を黒色に印刷することが好ましい。
【0019】文字の印刷箇所は、見やすくて、しかも汚れ難い位置が好ましく、浄水器本体6の上部の頂部であって、しかも手前の位置が好ましい。文字はゴシック体、明朝体等の通常使用されるものでよい。」
カ 図1「


キ 図2「


(2)刊行物1に記載された発明の認定
上記アから、刊行物1に記載された「蛇口直結型浄水器」は、流路切換弁を具備する蛇口接続用ボディに対して浄水器本体を着脱自在に組み付けてなる蛇口直結型浄水器であって、前記浄水器本体のハウジングの表面に、日付用の数字を書き込むための空欄を有する日付記入部が印刷されているものである。
上記ウから、該蛇口直結型浄水器は、原水入口、浄水器本体への送水口、原水出口、及び流路切換弁等を具備している蛇口接続用ボディに対して、活性炭等の吸着剤や多孔質中空糸膜を内蔵してあるカートリッジ式の浄水器本体を着脱自在に組み付けてなるものであり、切換レバー等の操作に連動させて前記流路切換弁を切り換えることにより、蛇口からの水道水を、浄水器本体を経由する浄水、原水のままのストレート、及び原水のシャワー等に切り換えるものである。
上記オの【0017】及び上記カ、キの図1、2から、該蛇口直結型浄水器は、使用時には、浄水器本体6のハウジング表面には、使用者にとって見易い手前の位置には、日付記入部1が設けられ、カートリッジ式の浄水器本体を交換する日付が記入されているということができる。

そうすると、刊行物1には、「原水入口、浄水器本体への送水口、原水出口、及び流路切換弁等を具備している蛇口接続用ボディに対して、活性炭等の吸着剤や多孔質中空糸膜を内蔵してあるカートリッジ式の浄水器本体を着脱自在に組み付けてなるものであり、切換レバー等の操作に連動させて前記流路切換弁を切り換えることにより、蛇口からの水道水を、浄水器本体を経由する浄水、原水のままのストレート、及び原水のシャワー等に切り換えるようにしてある蛇口直結型浄水器において、前記浄水器本体のハウジングの表面の使用者にとって見易い手前の位置の日付記入部に、カートリッジ式の浄水器本体を交換する日付が記入された蛇口直結型浄水器」(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

(3)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「カートリッジ式の浄水器本体」、「蛇口接続用ボディ」及び「日付記入部」は、本願発明1の「浄水カートリッジ」、「浄水器本体」及び「交換時期表示部」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明では、蛇口直結型浄水器であるから、「蛇口接続用ボディ」は蛇口に接続されていて、蛇口との間に、蛇口接続部を備えていることは明らかである。
また、引用発明は、蛇口接続用ボディに、カートリッジ式の浄水器本体を着脱自在に組み付けてあるから、蛇口接続用ボディには、カートリッジ式の浄水器本体を接続する接続部を備えていることは明らかである。

そうすると、本願発明1と引用発明とは、
「浄水カートリッジと、交換時期表示部と、蛇口接続部と、該浄水カートリッジの接続部を有する浄水器本体とからなる蛇口直結型浄水器」である点で一致し、次の相違点1?4で相違する。

(相違点1)
交換時期表示部について、本願発明1は、窓部を有し、水作業場所付近から奥側に離れていて、交換時期表示部の窓部が、浄水器本体の浄水カーリッジの円筒形状の接続部に、該接続部の筒中心軸方向から見た際に、窓部の中心と筒中心軸とを結ぶ線と、水平面とのなす角度が10?30°の範囲となるように目視可能に配置されているのに対し、引用発明では、日付記入部は、窓部を有さず、使用者にとって見易い手前の位置に設けられている点。

(相違点2)
本願発明1は、操作盤を有していて、前記操作盤を回動させることにより、窓部の下の月表示部の選択したいずれか一つの月数字のみを窓部を通して表示するようになっているのに対し、引用発明では、操作盤は備えていない点。

(相違点3)
浄水カートリッジと蛇口管との位置関係が、本願発明1では、浄水カートリッジが、浄水器本体を蛇口に接続したときに、蛇口管に対して鉛直下側に来るように配置され、該浄水カートリッジの筒中心軸と前記蛇口管の水平方向の中心軸とが直交するのに対し、引用発明では、このような規定はない点。

(相違点4)
浄水カートリッジの接続部の形状について、本願発明1は、円筒形状であるのに対し、引用発明では、不明な点。

(4)相違点についての判断
事案にかんがみ、まず、相違点1及び3について合わせて判断する。
本願発明1は、浄水カートリッジが、浄水器本体を蛇口に接続したときに、蛇口管に対して鉛直下側に来るように配置され、該浄水カートリッジの筒中心軸と前記蛇口管の水平方向の中心軸とが直交するものにおいて、水作業場所付近から奥側に離れていて、交換時期表示部の窓部が、浄水器本体の浄水カーリッジの円筒形状の接続部に、該接続部の筒中心軸方向から見た際に、窓部の中心と筒中心軸とを結ぶ線と、水平面とのなす角度が10?30°の範囲となるように目視可能に配置することによって、本願明細書の【0042】に記載されているように、「飛散水は筒状部(51)の下面で遮られるため水が更にかかりにくい特徴を有する。よって飛散水が原因となるカビや雑菌が繁殖して表示が汚れて見えにくくなることや、また美観を著しく損ねることもなく、清掃メンテナンスが頻繁にならないという効果」を奏するものである。

これに対し、引用発明では、日付記入部は、使用者にとって見易い手前の位置に設けられており、「使用者にとって手前の位置」とは、水作業場所付近に近い箇所であることは明らかであるから、本願発明1のように、水作業場所付近から奥側に離れている場所に設けることは想定していないというべきである。
また、仮に、引用発明において、日付記入部を使用者にとって奥側に設けることが可能だったとしても、日付記入部は、浄水器本体のハウジングの表面に設けられているものである以上、本願発明1のように、「水平面とのなす角度が10?30°の範囲となるように目視可能に配置する」ためには、引用発明において、浄水器本体のハウジングの形状を「水平面とのなす角度が10?30°」となるように変形することが必要であるから、引用発明の日付記入部の配置を、本願発明1の「交換時期表示部」のようにすることには、阻害要因がある、というべきである。

したがって、相違点2、4について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

なお、念のため、刊行物2?8の記載について、検討する。
刊行物2には、「濾過装置」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「1、不純な液体を濾過する装置であって、
二部片構造体、
ここで、第1の部片は濾過されていない流体源に結合するのに適した弁ハウジングから成り、
第2の部片は永久的に密封された有限寿命の濾過材料を有する濾過器ハウジングから成り;及び
該弁ハウジングからの流体流入ポートと該濾過器ハウジングへの流体流出ポートを、液体密封関係において、迅速旦つ容易に取り外し可能に結合し、そして濾過材料が消耗されたとき、濾過器ハウジングの廃棄のために濾過器ハウジングを迅速旦つ容易に分離するのに適合した継手手段、を有する装置。」

刊行物3には、「浄水器付水洗」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「【請求項1】 吐水口の先端部に水道水を浄化して流出する浄水器を備えた浄水器付水栓であって、
前記浄水器における浄化カートリッジ等の浄化機能部の上流部に、流入して来た浄化前の水道水である原水が湯であるか水であるかを検知する湯検知手段と、原水が湯であるときに該湯検知手段による検知に基づいて、原水の流れを前記浄化機能部を通過する浄水流路から該浄化機能部を通過しない原水流路に自動的に切り替える湯切替弁とを設けてあることを特徴とする浄水器付水栓。」

刊行物4には、「検知器付き浄水器」(考案の名称)について、実用新案登録請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「(1)水の処理量を数値又はグラフで表すことができる検知器を付けたことを特徴とする検知器付き浄水器。」

刊行物5には、「浄水器」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「濾材を内蔵するカートリッジと、
前記カートリッジを覆い、浄水器の外筐となる外ケースと、
年度を順次表記したものと、月度の数字、文字を順次表記したものとを並べた二つの数字車と、を備え、
前記カートリッジの交換予定年月を、前記二つの数字車を回転させて選択し、選択された数字、文字を前記外ケースに設けた窓から視認可能に表示することを特徴とする浄水器。」

刊行物6「交換時期を表示する浄水器」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「水道水を濾過して浄水する浄水器の水路中に備えた水車と、この水車の回転を減速回転伝達する減速機構と、該減速機構の最終段に形成される表示部と、前記減速機構を収容する収容部の外壁に前記表示部の表示を外部から覗ける窓とを備え、前記水車が所定回転をしたことにより前記表示部が前記窓内に現れるようにしたことを特徴とする交換時期を表示する浄水器。」

刊行物7には、「浄水器及び浄水システム」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「浄水ユニットと、前記浄水ユニットに連結されるとともに複数の浄水吐出口を設けた浄水ターミナルを備えており、前記浄水吐出口の少なくとも1つ以上が配管接続部を有していることを特徴とする浄水器。」

刊行物8には、「浄水器」(発明の名称)について、特許請求の範囲の請求項1には、次の記載がある。
「浄水器本体部にろ過カートリッジを接続・結合する構成の浄水器であって、浄水器本体部側の連結継手にろ過カートリッジ側の円筒形のカートリッジ継手を螺合する構成とし、前記ろ過カートリッジにおける円筒形のカートリッジ継手の後端部に溝を形成し、ろ材等を格納する空間を区切る天面仕切板に突起を設け、前記天面仕切板を装備した耐圧ケースに前記カートリッジ継手をねじ込み、前記突起と溝を嵌合させてろ過カートリッジの内部構成部材を一体化させたことを特徴とする浄水器。」

そして、刊行物2?8には、相違点1及び3に係る本願発明1の構成は、記載も示唆もされていない。
したがって、刊行物2?8の記載を参照しても、本願発明1は、引用発明及び刊行物2?8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

(5)本願発明2?5について
本願発明2?5は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、本願発明1と同様な理由から、引用発明及び刊行物2?8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

3.当審拒絶理由について
(理由1について)
「蛇口管の水平方向の中心軸」と特定されたので、理由1は解消した。
(理由2について)
刊行物Aには、上記「2.」の相違点1及び3に係る本願発明1の構成は、記載も示唆もされていない。
したがって、本願発明1は、刊行物Aに記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。
(理由3について)
「交換時期表示部は水作業場所付近から奥側に離れており」と特定されたので、「交換時期表示部」と「蛇口管」との位置関係が明確となり、理由3は解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2014-06-02 
出願番号 特願2008-120601(P2008-120601)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C02F)
P 1 8・ 537- WY (C02F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川島 明子  
特許庁審判長 川端 修
特許庁審判官 真々田 忠博
吉水 純子
発明の名称 蛇口直結型浄水器  

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