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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C12N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
管理番号 1288339
審判番号 不服2011-352  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-07 
確定日 2014-06-03 
事件の表示 特願2004-554414「腫瘍において示差的に発現する遺伝子産物およびその利用」拒絶査定不服審判事件〔平成16年6月10日国際公開、WO2004/047863、平成18年6月29日国内公表、特表2006-516190〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2003年11月21日(パリ条約による優先権主張 2002年11月22日、ドイツ)を国際出願日とする出願であって、平成21年8月12日付けで拒絶理由が通知され、平成22年1月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年2月24日付けで最後の拒絶理由が通知された後、平成22年6月24日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月27日付けで、平成22年6月24日付け手続補正書でした補正を却下する決定及び拒絶査定がされたところ、平成23年1月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものである。

第2 補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成23年1月7日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成23年1月7日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)は、拒絶査定不服審判の請求と同時にしたものであって、本件補正前の請求項24(平成22年1月14日付け手続補正書により補正された請求項24)と本件補正後の請求項12の記載は次のとおりである。

本件補正前:
「【請求項24】
以下を含む腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾患を検査する方法:
(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出、および/または、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の検出、および/または、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に対する抗体の検出、および/または、
(iv)患者から単離された生物学的サンプルにおける腫瘍関連抗原またはその部分に特異的な細胞障害性またはヘルパーTリンパ球の検出、
ここで該腫瘍関連抗原は以下からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列番号7または8の核酸配列を含む核酸、その一部または誘導体、
(b)(a)の核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および、
(d)(a)、(b)または(c)の核酸に相補的な核酸。」

本件補正後:
「【請求項12】
以下を含む腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる肺腫瘍、膵臓腫瘍、食道腫瘍、またはENT腫瘍を検査する方法:
(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出、および/または、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の検出、および/または、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に対する抗体の検出、および/または、
(iv)患者から単離された生物学的サンプルにおける腫瘍関連抗原またはその部分に特異的な細胞障害性またはヘルパーTリンパ球の検出、
ここで該腫瘍関連抗原は以下からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列番号7または8の核酸配列を含む核酸、その一部または誘導体、
(b)(a)の核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および、
(d)(a)、(b)または(c)の核酸に相補的な核酸。」
(下線部は補正箇所である。)

2.補正の適否
本件補正は、補正前の請求項24の「疾患」を「肺腫瘍、膵臓腫瘍、食道腫瘍、またはENT腫瘍」に限定するものであるから、本件補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものであり、また、補正前の請求項24と補正後の請求項12に記載された発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題を同一とするから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項12に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記1.に「本件補正後」として記載したとおりのものである。

(2)引用例の記載事項
原査定の拒絶理由において引用文献1として引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である国際公開第01/54708号(以下「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている(英語で記載されているため、日本語訳で摘記する。また、下線は当審で付与した。)。

ア.「(本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド)
(遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴)
特定の実施形態において、オープンリーディングフレーム上流の推定シグナルペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドが本発明によって意図される。具体的には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、あるいはこれからなる:GTSLSCGSVSTLCATMAVTACQGLGFVVSLIGIAGIIAATCMDQWSTQDLYNNPVTAVFNYQGLWRSCVRESSGFTECRGYFTLLGLPAMLQAVRALMIVGIVLGAIGLLVSIFALKCIRIGSMEDSAKANMTLTSGIMFIVSGLCAIAGVSVFANMLVTNFWMSTANMYTGMGGMVQTVQTRYTFGAALFVGWVAGGLTLIGGVMMCIACRGLAPEETNYKAVSYHASGHSVAYKPGGFKASTGFGSNTKNKKRYDGGARTEDEVQSYPSKHDYV(配列番号123)。このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた本発明によって含まれる。さらに、これらのポリペプチドのフラグメントおよび改変体(例えば、本明細書中に記載のフラグメント、これらのポリペプチドに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるポリペプチドおよびストリンジェントな条件下でこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、またはその相補体)は、本発明によって包含される。本発明のポリペプチドに結合する抗体はまた、本発明によって包含される。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明によって包含される。
この遺伝子に対応する翻訳産物は、ヒトClaudin-18タンパク質(Genbank登録番号AAF26448を参照のこと)(細胞間の硬い接合に局在化する主要な完全膜タンパク質のファミリーであるclaudinファミリーのメンバー)と配列相同性を共有する。配列類似性に基づいて、このクローンの翻訳産物は、claudinタンパク質と少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予期される。このような活性は、当該分野で公知であり、そのいくつかが、本明細書中の他の箇所に記載される。
この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1に参照されるアミノ酸配列のおよそアミノ酸82?98位、123?139位、および180?196位の推定膜貫通ドメインを有することが決定された。これらの特徴に基づいて、この遺伝子のタンパク質産物は、IIIa型膜タンパク質に対して構造的特徴を共有すると考えられている。
・・・(中略)・・・
この遺伝子は、主に成人および胎児の肺組織において、そしてより少ない程度に膵臓腫瘍および精巣腫瘍において発現される。
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに肺、膵臓、および精巣の疾患および障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に呼吸系の多数の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いか、またはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくはサンプルの中で、慣用的に検出され得る。本発明の好ましいポリペプチドは、残基:Asp-28?Asn-37、Cys-53?Gly-59、Pro-201?Tyr-206、Phe-231?Val-261として配列番号68に示される1つ以上の免疫原性エピトープを含むか、またはこれらからなる。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明によって含まれる。
・・・中略・・・
膵臓に由来する組織におけるこの遺伝子の発現は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチド(ならびに/またはこれらのポリペプチドに対して惹起された抗体)が、以下を含むがこれらに限定されない膵臓の疾患および障害の検出、診断および処置において有用であることを示す:膵臓癌、膵炎、および糖尿病。さらに、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチド(ならびに/またはこれらのポリペプチドに対して惹起された抗体)は、胆石および嚢胞性線維症の検出、診断および処置において臨床的有用性を有し得る。」(第8頁第4行?第10頁下から5行)

イ.「

」(表1)

ウ.「

」(配列番号11)

エ.「本発明において、「分泌」タンパク質とは、ER、分泌小胞、または細胞外間隙にシグナル配列の結果として指向され得るタンパク質、ならびにシグナル配列を必ずしも含まないが細胞外間隙に放出されるタンパク質をいう。」(第3頁第3行?6行)

記載事項ア.及びイ.から、引用例には、以下の発明が記載されていると認められる。

「膵臓に由来する組織に発現する遺伝子(遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11))、当該遺伝子に対応するポリペプチド(配列番号68)、または当該ポリペプチドに対して惹起された抗体による膵臓の疾患および障害の検出、診断方法。」(以下、「引用発明」という。)

(3)対比
本願補正発明(以下、「前者」という。)と引用発明(以下、「後者」という。)とを対比する。
上記(2)の記載事項イ.、ウ.によれば、後者における「遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)」のORFは、前者における「配列番号7の核酸配列を含む核酸」と全長786塩基のうち1塩基が相違するのみであるから、後者における「遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)」は「(b)配列番号7の核酸配列を含む核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸」に相当する。
上記(2)の記載事項ア.によれば、後者における「遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)」によりコードされるポリペプチド(配列番号68)は、IIIa型膜タンパク質の構造的特徴を有し、膵臓に由来する組織に発現し、そして、膵臓の疾患および障害の検出、診断方法に用いられるものであるから、後者における遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)によりコードされるポリペプチドは、前者における「抗原」に相当する。
また、後者における「膵臓の疾患および障害の検出、診断方法」は、膵臓の疾患および障害を検査する方法に相当する。
そうすると、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

一致点:
「以下を含む抗原の発現によって特徴づけられる膵臓の疾患および障害を検査する方法:
(i)抗原をコードする核酸の検出、および/または、
(ii)抗原の検出、および/または、
(iii)抗原に対する抗体の検出、
ここで該抗原は以下の核酸によってコードされる配列を有する:
(b)配列番号7の核酸配列を含む核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸。」

相違点:
検査対象が、後者においては、膵臓の疾患および障害であるのに対し、前者においては、膵臓腫瘍に特定されている点。

(4)相違点についての検討
引用例には、膵臓の疾患および障害として「膵臓癌」が記載されており、また、遺伝子番号1に対応する遺伝子が、膵臓腫瘍において発現することも記載されている(上記(2)の記載事項ア.)。更に、遺伝子番号1に対応する遺伝子の発現が、ヒトの膵臓腫瘍で見られることが表3および表4に記載、示唆されている。
してみれば、遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)によりコードされるポリペプチドを腫瘍に関連した抗原として捉え、当該遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体を検出対象として、膵臓腫瘍を検査することは、当業者が容易に想到することである。
そして、本願明細書をみても、本願補正発明が、引用例から当業者が予想できる程度を超える顕著な効果を奏すると認めることはできない。

したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(5)審判請求人の主張について
審判請求人は、平成23年1月7日付けの審判請求書において、「引用文献1は、細胞から外側に放出される「分泌タンパク」について開示するものであることを強調いたします。引用文献1が示すようにクローディン18A2が分泌タンパクであるならば、クローディン18A2を発現した細胞の細胞膜に結合しておらず、その細胞外に分泌されることとなり、タンパクの発現に基づいていずれの組織において腫瘍細胞が存在するのかについて判断を行う腫瘍マーカーとして使用することができないものです。
このことから、引用文献1に記載の分泌タンパクとして得られた遺伝子番号1を標的腫瘍細胞のマーカーとして使用することには技術的阻害要因があり、引用文献1からクローディン18A2を腫瘍マーカーとして使用する動機づけがあったとはいえません。よって、当業者が引用文献1から本願発明を容易に想到し得たとはいえません。
一方、本願は、クローディン18A2は分泌タンパクではなく、抗体が結合可能な細胞外領域を持つ細胞表面タンパクであることを明らかにするものです(明細書段落0264?0266)。
さらに、引用文献1は、当該遺伝子番号1は、主に成人および胎児の肺組織において、そしてより少ない程度に膵臓および精巣腫瘍で発現することが記載されております(9頁、38行目?39行目)。
この教示から当業者であれば、腫瘍組織と比較して健康な組織である肺においてより強力に発現する遺伝子を腫瘍マーカーとして用いることは差し控えるものと思料いたします。
当業者であれば、健康な組織で強力に発現しているにも関わらず、腫瘍組織での発現が弱いことから、そのような弱い発現を検出することは困難と考えるものと思料いたします。また、当業者は、健康組織でみられる発現を参考に、遺伝子治療によって当該遺伝子の発現を増大させる方法を試すことを考えるものと思料いたします。
このことからも、引用文献1から当業者が遺伝子番号1に係る遺伝子を腫瘍マーカーとして使用する動機づけがあったとはいえません。よって、当業者が引用文献1から本願発明を容易に想到し得たとはいえません。」 と主張する。

しかし、上記(2)の記載事項エ.によれば、引用例の分泌タンパク質は、ERや分泌小胞に指向され得るタンパク質も包含するものであり、必ずしも、審判請求人が主張するように細胞から外側に放出される「分泌タンパク」のみを意味するものではない。また、上記(2)の記載事項ア.によれば、遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)によりコードされるポリペプチドはIIIa型膜タンパク質に対して構造的特徴を共有することが明記されている。更に、本願補正発明及び引用発明共に、検出対象として、腫瘍関連抗原以外に、腫瘍関連抗原をコードする核酸も含むものであり、腫瘍関連抗原をコードする核酸を検出対象とする場合は、両発明の検出対象である核酸は共に、細胞内に存在するものであるから、引用発明の遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)によりコードされるポリペプチドが分泌タンパク質であるか否かは何ら問題とならない。よって、引用文献1に記載の分泌タンパクとして得られた遺伝子番号1を標的腫瘍細胞のマーカーとして使用することには技術的阻害要因があるとの審判請求人の主張は採用できない。
また、上記(2)の記載事項ア.には、膵臓に由来する組織における遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)の発現は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチド(ならびに/またはこれらのポリペプチドに対して惹起された抗体)が、膵臓癌の検出、診断および処置において有用であることを示すと記載されている以上、膵臓腫瘍での遺伝子番号1に対応するポリヌクレオチド(配列番号11)の発現がより少ない程度であることが記載されているとしても、そのことにより、遺伝子番号1に係る遺伝子を腫瘍マーカーとして用いることは差し控えるとの審判請求人の主張も採用できない。

(6)むすび
以上検討したところによれば、本願補正発明は、引用例に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成23年1月7日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成22年1月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?58に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項24に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2 1.に「本件補正前」として記載したとおりのものである。

2.引用例
原査定の拒絶理由で引用された引用例、及びそれらの記載事項は、前記第2 2.(2)に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記第2 2.で検討した本願補正発明が、疾患を肺腫瘍、膵臓腫瘍、食道腫瘍、またはENT腫瘍に特定するものであるのに対し、疾患が具体的に特定されていないものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項にて限定したものに相当する本願補正発明が、前記第2 2.に記載したとおり、引用例に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上検討したところによれば、本願発明は、引用例に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第4.まとめ
以上のとおり、本願の請求項24に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-11-11 
結審通知日 2013-12-03 
審決日 2013-12-16 
出願番号 特願2004-554414(P2004-554414)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C12N)
P 1 8・ 121- Z (C12N)
P 1 8・ 575- Z (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池上 文緒  
特許庁審判長 今村 玲英子
特許庁審判官 植原 克典
高堀 栄二
発明の名称 腫瘍において示差的に発現する遺伝子産物およびその利用  
代理人 江崎 光史  
代理人 庄司 隆  
代理人 虎山 一郎  
代理人 鍛冶澤 實  
代理人 上西 克礼  

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