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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1290478
審判番号 不服2013-17829  
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-09-17 
確定日 2014-08-07 
事件の表示 特願2009-180332「中継光コネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 2月17日出願公開、特開2011- 33849〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 本願発明
本願は、平成21年8月3日の出願であって、その請求項に係る発明は、平成25年9月17日に補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認められる。

「光結合をするための一方の光ファイバが露出する一方のフェルールの端面、及び、他方の光ファイバが露出する他方のフェルールの端面のうち、前記一方の端面又は前記他方の端面のいずれかを光軸に対して直角な面に沿うように平面研磨し、前記他方の端面又は前記一方の端面を前記直角な面に対して所定の角度で傾くように斜め平面研磨し、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前部をスリーブ内に挿入し、前記一方又は他方いずれかのフェルールをホルダで移動しないように保持し、前記他方又は一方いずれかのフェルールの当接する方向に付勢部材によって付勢することにより突き当て、
前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの中心軸位置における端面同士間の間隔をXとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前記前部の直径をYとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールのいずれか一方を他方に向けて前記付勢し、前記一方のフェルールの一部及び前記他方のフェルールの一部同士を突き当てた際の前記斜め平面研磨の研磨角度をθとしたとき、
前記一方の光ファイバと、前記他方の光ファイバとの間において、光損失を抑え、前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの端面の損傷を防止するのに十分な前記間隔Xを保持し、前記付勢により前記他方のフェルールの一部が前記一方のフェルールの一部を押圧して潰れることのない角度を保持させて、
X=(Y/2)*Tanθ
の関係が成り立つように前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバ同士が非接触状態を保持して配置する
ことを特徴とする中継光コネクタ。」(以下「本願発明」という。)

2 引用文献の記載内容
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開昭61-267708号公報(以下「引用文献」という。)には、以下の記載がある。

ア「光ファイバを円筒状のフェルールの中心軸に沿って固定し、一対のフェルールを互いに突合わせ光ファイバを接続するようにした光ファイバ端末構造であって、結合されるべき光の波長λと、前記一対のフェルールの中心軸に直交する方向の当該フェルールの断面径Dと、フェルール中心軸に直交する面に対するフェルール先端面の傾きθとの間に、0≦θ<tan^(-1)(λ/2D)の関係を満足するように設定したことを特徴とする光ファイバ端末構造。」

イ「本発明は光ファイバの端末構造に関し、特に光ファイバ通信に用いられる光コネクタにおけるフェルールの先端構造に関する。」(1頁左下欄18行?20行)

ウ「従来、光コネクタフェルールにおいては、フェルール先端における光の反射が生じ易く、コーヒレント光源から発射される光出力が光コネクタ付近で安定しないという現象が発生することが多い。かかる現象をなくすために、近時においては、第5図?第7図に示す如き構造がとられている。これ等図において、1及び2は互いに結合されるべき光ファイバであり、3及び4はこれ等光ファイバ1及び2を夫々中心軸に沿って保持するためのフェルールであり、
5は整列用スリーブである。」(1頁右下欄2行?12行)

エ「第6図及び第7図の例の様にフェルール先端部を凸面状とすることによって、反射による光の干渉を防止しているが、一対の光ファイバ1及び2をコネクタ接続した場合には、材料がガラスであるコア部同士が突当たるのでコア部に傷がつきやすいという欠点がある。」(1頁右下欄17行?2頁左上欄2行)

オ「本発明の目的は、容易にかつ確実に反射による光の干渉を防止すると共に光ファイバ同士が互いに傷つくことのない光ファイバ端末構造を提供することである。」(2頁左上欄15行?18行)

カ「第1図は本発明の実施例の縦断面図であり、第5図?第7図と同等部分は同一符号により示している。図において、光ファイバ1及び2を夫々中心軸上に沿って取付けた一対のフェルール3及び4が、整列スリーブ5の内側において整列して固定されており、互いのフェルールの先端は平面状に整形されている。そして、フェルールの中心軸に直角な方向の面6に対して両フェルールの先端面は夫々図示する様に角度θ_(1)及びθ_(2)だけ傾けて取付けられている。
かかる構成において、フェルールの先端部の中心軸に直角な断面の直径をDとし、光ファイバ1及び2の先端と中心面6との間の離間距離を夫々e_(1),e_(2)とした場合に、
0≦θ_(1)<tan^(-1)(λ/2D)
0≦θ_(2)<tan^(-1)(λ/2D)
なる条件式が満足されると、tanθ_(1)=2e_(1)/D、tanθ_(2)=2e_(2)/Dであるが故に、
e_(1)<λ/4
e_(2)<λ/4
となる。
ここで、e_(l)+e_(2)=e(eは光ファイバ同士の離間距離を示す)であるので、e<λ/2となり、フェルール内のコア同士の間隔がλ/2未満となる。このλ/2未満の間隔であれば、フェルール端面での光の反射による光の干渉が発生せず、安定した接続が可能となるのである。」(2頁右上欄9行?左下欄15行)

キ 第1図は、次のものである。


(2)上記(1)イによれば、引用文献には、同アに記載される光ファイバ端末構造、具体的には、同オに記載される光ファイバ端末構造を備える光コネクタが記載されているものと解される。
したがって、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「光ファイバを円筒状のフェルールの中心軸に沿って固定し、一対のフェルールを互いに突合わせ光ファイバを接続するようにした光ファイバ端末構造であって、光ファイバ1及び2を夫々中心軸上に沿って取付けた一対のフェルール3及び4が、整列スリーブ5の内側において整列して固定されており、互いのフェルールの先端は平面状に整形され、両フェルールの先端面は、フェルールの中心軸に直角な方向の面6に対してそれぞれ、角度θ_(1)及びθ_(2)だけ傾けて取り付けられており、
フェルールの先端部の中心軸に直角な断面の直径をDとし、光ファイバ1及び2の先端と中心面6との間の離間距離をそれぞれe_(1),e_(2)とした場合に、
0≦θ_(1)<tan^(-1)(λ/2D)
0≦θ_(2)<tan^(-1)(λ/2D)
なる条件式が満足され、
このとき、tanθ_(1)=2e_(1)/D、tanθ_(2)=2e_(2)/Dであるが故に、
e_(1)<λ/4
e_(2)<λ/4
となり、e_(l)+e_(2)=e(eは光ファイバ同士の離間距離を示す)であるので、e<λ/2となり、フェルール内のコア同士の間隔がλ/2未満となっている光ファイバ端末構造を備える光コネクタ。」

3 対比
本願発明と引用発明を対比する。

(1)引用発明の「光ファイバ1」、「光ファイバ2」、「フェルール3」及び「フェルール4」は、例えば、本願発明の「一方の光ファイバ」、「他方の光ファイバ」、「一方のフェルール」及び「他方のフェルール」のそれぞれに相当する。

(2)引用発明の「整列スリーブ5」及び「光コネクタ」は、それぞれ、本願発明の「スリーブ」及び「中継光コネクタ」に相当する。

(3)本願発明は、「前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前部をスリーブ内に挿入し、前記一方又は他方いずれかのフェルールをホルダで移動しないように保持し、前記他方又は一方いずれかのフェルールの当接する方向に付勢部材によって付勢することにより突き当て」、「前記一方のフェルールの一部及び前記他方のフェルールの一部同士を突き当てた際」、「前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバ同士が非接触状態を保持して配置する」ものであるから「前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前部をスリーブ内に挿入し、前記一方のフェルールの一部及び前記他方のフェルールの一部同士を突き当て、前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバ同士が非接触状態を保持して配置する」ものといえる。
他方、引用発明は、「(互いのフェルールの先端は平面状に整形され、両フェルールの先端面は、フェルールの中心軸に直角な方向の面6に対してそれぞれ、角度θ_(1)及びθ_(2)だけ傾けて取り付けられている)一対のフェルール3及び4が、整列スリーブ5の内側において整列して固定されており」、「一対のフェルールを互いに突合わせ光ファイバを接続するようにした」ものであるから、「フェルール3」と「フェルール4」は、「整列スリーブ5」内でその一部同士が突き当てられるものといえ、そのとき、「光ファイバ1」と「光ファイバ2」は、e_(l)+e_(2)=eの距離だけ離間しているから、引用発明は、本願発明と同様に「前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前部をスリーブ内に挿入し、前記一方のフェルールの一部及び前記他方のフェルールの一部同士を突き当て、前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバ同士が非接触状態を保持して配置する」ものであるといえる。

(4)以上によれば、両者は、
「光結合をするための一方の光ファイバが露出する一方のフェルール及び前記他方の光ファイバが露出する他方のフェルールの前部をスリーブ内に挿入し、前記一方のフェルールの一部及び前記他方のフェルールの一部同士を突き当て、前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバ同士が非接触状態を保持して配置する中継光コネクタ。」
である点で一致し、以下のアないしウの点で相違するものと認められる。

ア 本願発明では、「光結合をするための一方の光ファイバが露出する一方のフェルールの端面、及び、他方の光ファイバが露出する他方のフェルールの端面のうち、前記一方の端面又は前記他方の端面のいずれかを光軸に対して直角な面に沿うように平面研磨し、前記他方の端面又は前記一方の端面を前記直角な面に対して所定の角度で傾くように斜め平面研磨し」とされているのに対し、引用発明では、互いのフェルールの先端は平面状に整形され、両フェルールの先端面は、フェルールの中心軸に直角な方向の面6に対してそれぞれ、
「フェルールの先端部の中心軸に直角な断面の直径をDとし、光ファイバ1及び2の先端と中心面6との間の離間距離をそれぞれe_(1),e_(2)とした場合に、
0≦θ_(1)<tan^(-1)(λ/2D)
0≦θ_(2)<tan^(-1)(λ/2D)
なる条件式が満足される」
角度θ_(1)及びθ_(2)だけ傾けて取り付けられている点(以下「相違点1」という。)。

イ 本願発明は、「前記一方又は他方いずれかのフェルールをホルダで移動しないように保持し、前記他方又は一方いずれかのフェルールの当接する方向に付勢部材によって付勢することにより突き当て」るものであるのに対し、引用発明は、このようなものであるか不明である点(以下「相違点2」という。)。

ウ 本願発明は、
「前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの中心軸位置における端面同士間の間隔をXとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前記前部の直径をYとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールのいずれか一方を他方に向けて前記付勢した際の前記斜め平面研磨の研磨角度をθとしたとき、
前記一方の光ファイバと、前記他方の光ファイバとの間において、光損失を抑え、前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの端面の損傷を防止するのに十分な前記間隔Xを保持し、前記付勢により前記他方のフェルールの一部が前記一方のフェルールの一部を押圧して潰れることのない角度を保持させて、
X=(Y/2)*Tanθ
の関係が成り立つように」されるものであるのに対し、引用発明は、このようなものであるか不明である点(以下「相違点3」という。)。

4 判断
(1)相違点1について
ア まず、引用発明において、「互いのフェルールの先端」は「平面状に整形され」ているところ、引用文献に「光コネクタは一般に光ファイバ端面を平滑にするために研磨を行う必要がある」(2頁左上欄9行?10行)と記載されること、また、原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-50214号公報(【0003】)に、従来の技術として「垂直な平面に研磨されたフラット研磨型」、「斜め平面に研磨された斜め研磨型」と記載されることに照らせば、引用発明の各フェルールの各端面を、本願発明と同様に「平面研磨」したものとすることは、当業者が適宜なし得たことである。

イ 次に、引用発明において、各フェルールの先端面の「フェルールの中心軸に直角な方向の面6」に対する角度θ_(1)及びθ_(2)は、それぞれ、0≦θ_(1)、0≦θ_(2)とされているから、例えば、θ_(1)=0、0<θ_(2)とすることも想定されるところであり、また、前記特開平8-50214号公報(【0005】)には、従来の技術として「先端面Eの形状が異なるフェルール同士の突合わせ接続例」が記載され、「フラット研磨型と斜め研磨型」との突合わせ接続も例示されていることに照らせば、引用発明において、本願発明のように「前記一方の端面又は前記他方の端面のいずれかを光軸に対して直角な面に沿うように平面研磨し、前記他方の端面又は前記一方の端面を前記直角な面に対して所定の角度で傾くように斜め平面研磨」したものとすることに格別の困難性は認められない。

ウ したがって、引用発明において、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。

(2)相違点2について
一対のフェルールを互いに突合わせるための構成として、一方のフェルールをホルダで移動しないように保持し、他方のフェルールを当接する方向に付勢部材によって付勢するものは、本願出願当時において周知である(例えば、特開2000-241666号公報の1頁【要約】欄「一方のフェルール4をプラグ8で保持し、他方のフェルール5をレセプタクル6内にスプリング7を介して後退移動可能に設ける」との記載や、特開2000-39537号公報の【0012】ないし【0013】の、一方のフェルール5は、その鍔部5bが係止爪1gに係止され、他方のフェルール5は、押圧ばね3により押圧されている旨の記載を参照。)から、引用発明において、一対のフェルールを互いに突合わせるための構成として、相違点2に係る本願発明の構成である「前記一方又は他方いずれかのフェルールをホルダで移動しないように保持し、前記他方又は一方いずれかのフェルールの当接する方向に付勢部材によって付勢することにより突き当て」るものとすることは、当業者が適宜採用し得る程度のことである。

(3)相違点3について
ア 上記(1)イで検討したとおり、引用発明においては、θ_(1)=0で0<θ_(2)とすることも想定されるところであり、このとき、引用発明のe_(l)=0であり、光ファイバ同士の離間距離e=e_(2)となる。
ここで、引用発明において、tanθ_(2)=2e_(2)/Dであるから、e_(2)=(D/2)*tanθ_(2)となるところ、前記のようにθ_(1)=0、0<θ_(2)の場合、引用発明の「θ_(2)」が本願発明の「θ」に相当し、引用発明の「e=e_(2)」が本願発明の「X」に相当し、また、引用発明の「D」が本願発明の「Y」に相当するから、結局、引用発明は、本願発明と同様に
「前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの中心軸位置における端面同士間の間隔をXとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールの前記前部の直径をYとし、
前記一方のフェルール及び前記他方のフェルールのいずれか一方を他方に向けて前記付勢した際の前記斜め平面研磨の研磨角度をθとしたとき、
X=(Y/2)*Tanθ
の関係が成り立つように」されているものとなる。

イ また、引用発明において、前記離間距離e=e_(2)は、e<λ/2であり、本願明細書に記載される間隔X(【0026】に記載される0.0175mmや0.035mm)より十分に小さいから、本願発明と同様に「前記一方の光ファイバと、前記他方の光ファイバとの間において、光損失を抑え」る間隔であると解される。さらに、引用発明は、前記2(1)エのとおり、「一対の光ファイバ1及び2をコネクタ接続した場合には、材料がガラスであるコア部同士が突当たるのでコア部に傷がつきやすいという欠点がある」ことに鑑み、同オのとおり、「光ファイバ同士が互いに傷つくことのない光ファイバ端末構造を提供すること」を目的として、光ファイバ同士の離間距離eを確保するようにしたものと認められるから、前記離間距離e=e_(2)は、本願発明と同様に「前記一方の光ファイバ及び前記他方の光ファイバの端面の損傷を防止するのに十分な前記間隔X」であると解され、引用発明は、このような間隔を保持するものと認められる。

ウ 次に、本願発明の「前記付勢により前記他方のフェルールの一部が前記一方のフェルールの一部を押圧して潰れることのない角度を保持させて」の点について検討するに、潰れに関する本願明細書における唯一の記載である段落【0026】の「尚、研磨角度θを小さく設定すれば、フェルール端面15の一部17における肉厚が十分確保されることから、一部17が突き当てによって潰れるようなことはない。」との記載によれば、結局、前記の点は、研磨角度θが小さいということに外ならないものと解される。しかるところ、引用発明は、前記離間距離e=e_(2)がe<λ/2であることから明らかなように、そのθ_(2)は、本願明細書に記載される研磨角度θ(【0026】に記載される1°や2°)より十分に小さいから、本願発明と同様に「前記付勢により前記他方のフェルールの一部が前記一方のフェルールの一部を押圧して潰れることのない角度」であると解され、引用発明は、このような角度を保持するものと認められる。

エ 上記(1)によれば、引用発明においてθ_(1)=0、0<θ_(2)とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことであるところ、上記アないしウの検討によれば、引用発明においてθ_(1)=0、0<θ_(2)としたものについてみると、相違点3は、実質的な相違とはいえない。
してみると、引用発明において、相違点3に係る本願発明の構成を備えるようにすることも、当業者が適宜なし得る程度のことである。

(4)効果について
本願発明の奏する効果が、格別顕著なものとも認められない。

(5)まとめ
以上の検討によれば、本願発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものと認められる。

(6)補正の提案について
なお、請求人は、平成26年1月28日提出の回答書において、「前記一方のフェルールの端面と前記他方のフェルールの端面とのなす前記研磨角度θで前記他方のフェルールの端面の一部を斜め平面研磨し、前記付勢部材による付勢によって前記他方のフェルールの一部が前記一方のフェルールの一部を押圧しても潰れない程度の肉厚に形成して前記研磨角度θを保持し、」との内容を含む特許請求の範囲とする補正の用意がある旨の表明するが、「フェルールの端面の一部を斜め平面研磨」し、「潰れない程度の肉厚に形成」するといった事項は、本願明細書に記載されていないから、かかる補正を受け入れることはできない。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-13 
結審通知日 2014-06-17 
審決日 2014-06-24 
出願番号 特願2009-180332(P2009-180332)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 奥村 政人  
特許庁審判長 小松 徹三
特許庁審判官 服部 秀男
松川 直樹
発明の名称 中継光コネクタ  
代理人 小林 保  

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