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審決分類 審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F02B
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F02B
管理番号 1291518
審判番号 不服2012-26170  
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-19 
確定日 2014-09-05 
事件の表示 特願2012- 68488「無空気作動発動機の作動方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月 3日出願公開、特開2013-199872〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成24年3月24日の出願であって、平成24年6月22日付けで拒絶理由が通知され、同年7月29日及び30日に意見書が提出されたが、同年9月27日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年12月20日に拒絶査定不服審判が請求され、その後当審において平成25年9月3日付けで拒絶理由が通知され、同年10月25日付け(10月28日受付)で意見書が提出されるとともに同日付け(10月28日受付)で明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正がされ、平成26年1月7日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年3月12日付け(3月14日受付)で意見書(以下、「本件意見書」という。)が提出されるとともに同日付け(3月14日受付)で明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。


第2 当審拒絶理由
平成26年1月7日付けで通知した当審拒絶理由は、以下のようなものである。

「<理由1>
本件出願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


(中略)

なお、上記A.B.とも、仮に本願発明が実施可能であるとした場合について通知するものである。

<理由2>
本件出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。



(1)明細書、特許請求の範囲及び図面並びに請求人の意見書の記載を総合すると、本願発明の発動機においては、竹レキ1Lに対し水4Lの容量の割合の混合水をプラスチック容器(ポリカーボネート容器)に充填して密封し、該プラスチック容器を金属ケースに収納し、該混合水中のOH^(-)H^(+)イオンが、密閉して開口していない上記プラスチック容器から漏れて発散し、該OH^(-)H^(+)イオンが「イオン解離運動」なる作用によって金属ホース及びインテークマニホールドを経て発動機のエンジンの燃焼室に吸入され、該燃焼室内で無空気で燃料が燃焼して該発動機が作動し、燃費が向上し、排気ガスが清浄化するようなものと考えられるが、このような発動機が請求人の主張するように作動し、請求人が主張するような効果が得られるということは、自然法則及び技術常識に反しており、認めることができない。
すなわち、本願発明の発動機が実際に作動し、請求人が主張する効果が得られるという理由が明細書中で明確に説明されていない。

(2)「無空気で作動する・・・発動機」というのは、自然法則及び技術常識に反しており、実際に無空気で発動機が作動するとは考えられない
すなわち、明細書及び図面において、発動機が「無空気」で作動するための理論が明確に記載されていない。

(3)本願発明により、請求人が主張するような効果が得られるとは認められない。
平成25年10月25日付け意見書において請求人は「OH^(-)H^(+)の酸素原子・水素原子だから液は漏れなくとも、原子は漏れている。」と主張しているが、混合水中のOH^(-)H^(+)イオンが、密閉して開口していないプラスチック容器(ポリカーボネート容器)から漏れて発散する(すなわち、混合水中のOH^(-)H^(+)イオンが、プラスチック(ポリカーボネート)の壁を通過して外に漏れて発散するという意味に解される)という事象は、技術常識に反しており、実際にそのような事象が生じるとは認められない。
仮に、OH^(-)H^(+)イオンがプラスチック容器(ポリカーボネート容器)内から漏れて発散するという事象が生じるとしても、該OH^(-)H^(+)イオンが「イオン解離運動」なる作用によって金属ホース及びインテークマニホールドを経てエンジンの燃焼室に到達するとは考えられない。
また、仮に、多少のOH^(-)H^(+)イオンが「イオン解離運動」なる作用によって金属ホース及びインテークマニホールドを経てエンジンの燃焼室に到達したとしても、燃料がOH^(-)H^(+)イオンにより無空気で燃焼し、それによりエンジンの燃費が良くなるとは考えられない。
実際に請求人が主張するような効果があるというのであれば、公的機関による証明書を提出されたい。本願発明は技術常識に反するものであるから、公的機関による証明書が提出されなければ、請求人が主張するような作用効果があるとは認められない。

(4)平成25年10月25日付け手続補正書による補正により、明細書の段落【0002】の記載は、「プラスチックをポリカーボネートに変更」という記載に補正され、同様に、段落【0003】、【0006】、【0015】、【0016】、【0019】、【0020】、【0021】、【0027】、【0028】の記載も、意味不明なものとなっている。
このような記載では、本願発明の詳細な説明の内容が意味不明である。


<理由3>
本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(中略)

<理由4>
平成25年10月25日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。



(1)特許請求の範囲の請求項1において、「プラスチック容器」を「ポリカーボネート容器」とする補正は新規事項の追加に当たる。
本件出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には「ポリカーボネート容器」は記載されておらず、また、「プラスチック容器」を「ポリカーボネート容器」とすることが自明ともいえない。

(中略)

(5)明細書において、段落【0002】の記載を「プラスチックをポリカーボネートに変更」とする補正は、新規事項の追加に当たる。
当初明細書等には「プラスチックをポリカーボネートに変更」という事項は記載されておらず、「プラスチックをポリカーボネートに変更」が自明ともいえない。
明細書の段落【0003】、【0006】、【0015】、【0016】、【0019】、【0020】、【0021】、【0027】、【0028】の補正についても、同様に新規事項の追加に当たる。


<理由5>
この出願の下記の請求項に記載されたものは、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。



(1)プラスチック容器(ポリカーボネート容器)内に密封された竹レキ混合水から、H^(+)OH^(-)イオンが、密閉して開口していないプラスチック容器(ポリカーボネート容器)から漏れて発散する(すなわち、混合水中のOH^(-)H^(+)イオンが、プラスチック(ポリカーボネート)の壁を通過して外に漏れて発散する)ということは、自然法則及び技術常識に反している。

(2)プラスチック容器(ポリカーボネート容器)から漏れて発散したH^(+)OH^(-)イオンが、「イオン解離運動」なる作用によって、金属容器、金属ホース及びインテークマニホールド内を、波状的に押し出されてエンジンの燃焼室に(しかも燃料を燃焼させるほど大量に)到達するということは、自然法則及び技術常識に反している。

(3)エンジンの燃焼室内で、燃料が無空気で燃焼するということは、自然法則及び技術常識に反している。

したがって、請求項1に記載されたものは特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。」


第3 本件補正
本件補正(平成26年3月12日付け手続補正書による補正)は、明細書及び特許請求の範囲についてそれぞれ、以下のように補正するものである。

1.特許請求の範囲の補正
特許請求の範囲の請求項1を次のように補正するものである。
「【請求項1】
竹レキ1リットルに対し水4リットルの容量の割合の混合水を作りポリカーボネート容器に充填する、ポリカーボネート容器は、幅4mm?20mmで高さ、奥行、は収納する金属ケースの容量によって変わる。金属ケースは竹レキ混合水をを細分化して、ゆるく内蔵したポリカーボネート容器とセットになり竹レキ混合水から水素・酸素のイオンを取り出し燃料通路で合体させ燃料を酸化させる特徴を持った請求項1記載の発動機」
(下線は、請求人が付したものである。)
以下、上記請求項1に係る発明を、「本願発明」という。

2.明細書の補正
明細書における発明の名称並びに段落【0003】及び【0020】を、それぞれ以下の(ア)ないし(ウ)のように補正するとともに、段落【0006】及び【0015】を削除するものである。

(ア)発明の名称
「発明の名称 無空気作動発動機の作動方法」

(イ)0003
「【0003】」(審決注;段落番号のみが記載されている。)

(ウ)0020
「【0020】
竹レキ1リットルに対し水4リットルの割合の竹レキ混合水を作りポリカーボネートの容器に充填して栓で密封する、エンジンの排気量の50倍の容量のある金属ケースに格納、薄くしたポリカーボネートは隙間を確保して金属ケースに内蔵する。」


第4 本件意見書
本件意見書の内容は以下のとおりである。
「【意見の内容】
(1)平成26年1月14日付の拒絶理由通知知書により指摘された箇所については、平成26年3月12日に補正の手続きを行っており、よって本拒絶理由は解消されていると思われます。
(2)すなわち、拒絶理由通知書により指摘されたように、なるほど自然法則及び技術常識に反しおり、実際に無空気で発動機が作動するとは考えられないので公的機関による証明書を提出されたいとの指摘をされましたので添付いたします。
(3)竹を焼いて樹液を抽出し水と混合すると水素と酸素のイオンが発生する方法は発明、特許請求の範囲の記載の構成は出願時の図面のような方法になる。
【証拠方法】
50LのAL容器に内径8ミリ*500ミリのビニールチュウブに竹レキ混合水を入れ550本をランダムに詰め込み草刈り機(BK23AL、BIGM,MARUYAMA)で作動試験をした。試験結果については草刈り機23ccエンジンは作動したがエンジンポンプ118ccエンジンは作動しなっかた、県としては証明書は書けないと言うことです。」


第5 当審の判断
そこで、本件補正により補正された明細書及び特許請求の範囲の記載に基づいて、当審拒絶理由で通知した拒絶の理由が解消しているかどうかについて以下に判断する。

1.当審拒絶理由の<理由2>(特許法第36条第4項第1号)について
(1)本件明細書の記載
平成25年10月28日付け及び平成26年3月12日付け手続補正書により補正された明細書の記載は、以下のようになっている。

「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の竹レキの語句の定義は、孟宗竹を切断して焼くと切り口から点滴状に抽出する樹液のことである。
【0002】
プラスチックをポリカーボネートに変更
【0003】

【0004】
普通の水はORPメータで計測すると+200mV?+700mVだが竹レキ混合水
は-420mVの抗酸化水である。
【0005】
水は0℃で氷結するが竹レキ混合水は-5℃でも氷結しない。
【0006】
(削除)
【0007】
上記の金属ケースを住宅の部屋に置いて餅をネットに吊るして置くと、カビ菌を殺菌してカビが発生しない。
【0008】
上記の部屋に住んでおるとインフルエンザに罹病したことがない、ウイルスを殺菌している、又ゴキブリも見かけない。
【0009】
請求項1に記載した装置を部屋に置いて金属ホースの入り口で空気イオン計で計測すると金属ケースの容量14L、部屋の湿度60%で万単位個/CC、70%で10万
単位個/CC、90%で計測不能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4454033号公報
【0011】
【非特許文献1】オーム社、1993年10月発刊、久保田昌治著、知っておきたい新しい水の基礎知識。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の先に提案の技術においては、エンジンの空気吸入経路に挿入するには大きすぎる欠点があった、そこで生産コストの削減化や構造のシンプル化と進歩性を求めた。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1の構造の装置をエンジンの気化器かインテークマニホールドに接続すると-イオンと+イオンと燃料が混合して燃焼する、又請求項1で呼吸をすることもできる、又軽トラックのエンジンに請求項1の装置を付けてヘアピンカーブの急坂を変速せずに4速で登坂を、することが出来る。
【0014】
航空機の高高度飛行にターボフアンが無くても飛行が可能になる、又搭乗員も酸素ボンベの補助に利用が出来る
【0015】
(削除)
【発明の効果】
【0016】
希薄空気を無空気に変更、少ないをないに変更
【0017】
農業用トラクター20HPのディーゼルエンジンに請求項1の金属ケース容量70Lの装
置を付け作業に使用したら、始動は瞬時、黒鉛は出ない、燃費は少ない、等。
【0018】
燃費は表1・表2、のとおり、負荷の状態で力を出す、排気ガスは表3の、とおり1/2?1/10と少ない、等。
【表1】(略)
【表2】(略)
【表3】(略)
【0019】
【図1】プラスチックをポリカーボネートに変更
【図2】プラスチックをポリカーボネートに変更
(審決注;出願当初に段落【0019】に記載されていた【図1】及び【図2】の内容は、平成25年10月25日付け手続補正書により削除された。)
【発明を実施するための形態】
【0020】
竹レキ1リットルに対し水4リットルの割合の竹レキ混合水を作りポリカーボネートの容器に充填して栓で密封する、エンジンの排気量の50倍の容量のある金属ケースに格納、薄くしたポリカーボネートは隙間を確保して金属ケースに内蔵する。
【0021】
プラスチックをポリカーボネートに変更、長さを奥行の面に変更、キャブレータをインテークマニホールドに変更。
【0022】
水に竹レキを混合すると水は水素結合したクラスターを切り、水を単分子にする、単分子になるとHとOHのイオン解離が10の-12乗になる、(久保田昌治著 オーム社。)
【0023】
空冷ガソリンエンジンの動力噴霧機作業にイオン装置付きは0.472L/60分、揚水用空冷ガソリンエンジンの商品カタログでは1.25L/60分、水冷ディーゼルエンジンのコンバイン作業でイオン装置なしでは1.87L/60分、イオン装置を付けると0.7598L/60分になる、コンバインエンジンはメーカー緒元表参照、排気ガス比較では車検時のイオン装置を付けた22年8月11日CO0.21%HC150PPM、購入車検時のイオン装置のない場合は20年8月8日、CO2.01%HC320PPMである、車検時の整備記録簿参照、尚、燃費率で言えば、燃焼室に流入する油量を変えずに測定したが油量を絞ることが出来るので、更に燃費率を向上させる事が出来る。
【0024】
□□【表4】(略)
□□【表5】(略)

【0025】
水と竹レキの比率を変えてイオン発生量を調べた、発生するイオン量は、水4と竹レキ1の割合の場合が最も多く、また最も濃度の濃い、水1と竹レキ1の割合の場合がイオンの発生量が最も少なかった、水と竹レキ混合水の特性の違いは表5に示す。

【0026】
竹レキを充填したプラスチック容器を納めたアルミケースを室内に置いて、室内湿度50%でイオン量を測定した値と水を、スプレイで吹いて湿度を高くした時点でイオン量を測定すると10倍以上多くなる。
【0027】
プラスチックをポリカーボネートに変更。
【0028】
2プラスチック容器をポリカーボネート容器に変更。
【0029】
発動機の潤滑油の黒化はディーゼル発動機は黒化が早いが本装置を付けるとガソリン発動機とあまり変わらない。
【0030】
冬季のビニールハウス内の加温機に省燃費目的に本装置を付けておくとミナミキイロアザミウマ、オンシツコナジラミ、褐斑病のような難病虫害が見えなくなった。」

(2)請求人が意図したと考えられる明細書
例えば、平成25年10月25日付け手続補正書の段落【0002】における「プラスチックをポリカーボネートに変更」という記載は、出願当初の明細書における「プラスチック」という記載を、「ポリカーボネート」という記載に変更しようとしたものと考えられる。
また、上記手続補正書の段落【0016】における「希薄空気を無空気に変更、少ないをないに変更」という記載は、出願当初の明細書における「希薄空気」という記載を、「無空気」という記載に変更し、出願当初の明細書における「少ない」という記載を「ない」という記載に変更しようとしたものと考えられる。
これらのことを踏まえて総合的に考えると、請求人が、平成25年10月25日付け及び平成26年3月12日付け手続補正書により補正することを意図した明細書は、次のようなものであると考えられる。

「【発明の名称】無空気作動発動機の作動方法
【技術分野】
【0001】
本発明の竹レキの語句の定義は、孟宗竹を切断して焼くと切り口から点滴状に抽出する樹液のことである。
【0002】
竹レキ1Lに対し水3L?5Lの割合で混合した混合水を作り厚さ4mm高さ長さはエンジンの排気量によって変化する、ポリカーボネート容器に充填して栓で密封する、ポリカーボネート容器の高さ長さは、これを収納する金属ケースの容量の15%?30%になるように複数個収納する、金属ケースの長い方を立て又は横にして開口して金属ホースを付けエンジンのインテークマニホールドに接続する。
【0003】
水と竹レキ混合水の物性とポリカーボネートに充填した容器が外に与える違いを比較すると、下記の違いがある、竹レキ混合水は強力な抗酸化水になるがポリカーボネート容器外に大きい影響をあたえる。
【0004】
普通の水はORPメータで計測すると+200mV?+700mVだが竹レキ混合水は-420mVの抗酸化水である。
【0005】
水は0℃で氷結するが竹レキ混合水は-5℃でも氷結しない。
【0006】
竹レキ混合水を充填したポリカーボネート容器から発散する-イオンと+イオンを採集する密閉した金属ケースの奥行の面に開口して金属ホースを付け人の口に合うようなホースを接続し吸気は口から、鼻は指で詰まんで、吐息は口を閉めて鼻から吐く、を何回でも繰り返すことが出来る。
【0007】
上記の金属ケースを住宅の部屋に置いて餅をネットに吊るして置くと、カビ菌を殺菌してカビが発生しない。
【0008】
上記の部屋に住んでおるとインフルエンザに罹病したことがない、ウイルスを殺菌している、又ゴキブリも見かけない。
【0009】
請求項1に記載した装置を部屋に置いて金属ホースの入り口で空気イオン計で計測すると金属ケースの容量14L、部屋の湿度60%で万単位個/CC、70%で10万単位個/CC、90%で計測不能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4454033号公報
【0011】
【非特許文献1】オーム社、1993年10月発刊、久保田昌治著、知っておきたい新しい水の基礎知識。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の先に提案の技術においては、エンジンの空気吸入経路に挿入するには大きすぎる欠点があった、そこで生産コストの削減化や構造のシンプル化と進歩性を求めた。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1の構造の装置をエンジンの気化器かインテークマニホールドに接続すると-イオンと+イオンと燃料が混合して燃焼する、又請求項1で呼吸をすることもできる、又軽トラックのエンジンに請求項1の装置を付けてヘアピンカーブの急坂を変速せずに4速で登坂を、することが出来る。
【0014】
航空機の高高度飛行にターボフアンが無くても飛行が可能になる、又搭乗員も酸素ボンベの補助に利用が出来る
【0015】
軽トラックに請求項1の装置をインテークマニホールドに付けて走行が出来る、無空気で、パワーが上昇する、等、
【発明の効果】
【0016】
無空気でエンジンが可動をするからディーゼルエンジンに使用したら窒素酸化物の発生がないディーゼルエンジンになる。
【0017】
農業用トラクター20HPのディーゼルエンジンに請求項1の金属ケース容量70Lの装置を付け作業に使用したら、始動は瞬時、黒鉛は出ない、燃費は少ない、等。
【0018】
燃費は表1・表2、のとおり、負荷の状態で力を出す、排気ガスは表3の、とおり1/2?1/10と少ない、等。
【表1】(略)
【表2】(略)
【表3】(略)
【0019】
(図1)金属ケースとポリカーボネート容器の配列の平面図
(図2)金属ケースとポリカーボネート容器の配列の正面断面図
【図1】正面(略)
【図2】上面(略)
【発明を実施するための形態】
【0020】
竹レキ1リットルに対し水4リットルの割合の竹レキ混合水を作りポリカーボネート容器に充填して栓で密封する、エンジンの排気量の50倍の容量のある金属ケースに格納、薄くしたポリカーボネートは隙間を確保して金属ケースに内蔵する。
【0021】
図1と図2の金属ケースにポリカーボネート容器を格納する方法を説明した、金属ケースの奥行の面に開口して金属ホースを付けた上記装置をエンジンのインテークマニホールドに接続する、エンジンの可動の際の石油燃焼によって発生した水の吹き戻りで金属ケースに水滴が出来るのをスポンジに吸着させたり、車の走行時の振動のクッションの作用にスポンジを入れたり、又低温時の過湿による金属ケース内の結露の防止にヒーターを作動さす。
【0022】
水に竹レキを混合すると水は水素結合したクラスターを切り、水を単分子にする、単分子になるとHとOHのイオン解離が10の-12乗になる、(久保田昌治著 オーム社。)
【0023】
空冷ガソリンエンジンの動力噴霧機作業にイオン装置付きは0.472L/60分、揚水用空冷ガソリンエンジンの商品カタログでは1.25L/60分、水冷ディーゼルエンジンのコンバイン作業でイオン装置なしでは1.87L/60分、イオン装置を付けると0.7598L/60分になる、コンバインエンジンはメーカー緒元表参照、排気ガス比較では車検時のイオン装置を付けた22年8月11日CO0.21%HC150PPM、購入車検時のイオン装置のない場合は20年8月8日、CO2.01%HC320PPMである、車検時の整備記録簿参照、尚、燃費率で言えば、燃焼室に流入する油量を変えずに測定したが油量を絞ることが出来るので、更に燃費率を向上させる事が出来る。
【0024】
□□【表4】(略)
□□【表5】(略)

【0025】
水と竹レキの比率を変えてイオン発生量を調べた、発生するイオン量は、水4と竹レキ1の割合の場合が最も多く、また最も濃度の濃い、水1と竹レキ1の割合の場合がイオンの発生量が最も少なかった、水と竹レキ混合水の特性の違いは表5に示す。

【0026】
竹レキを充填したポリカーボネート容器を納めたアルミケースを室内に置いて、室内湿度50%でイオン量を測定した値と水を、スプレイで吹いて湿度を高くした時点でイオン量を測定すると10倍以上多くなる。
【0027】
1アルミケース
2ポリカーボネート容器
3イオン
4竹レキ混合水
5蓋
6パッキン
7栓
8スポンジ9ヒーター

【0028】
本装置を付けた発動機の点火栓は赤茶けた色になっており普通の点火栓のカーボンの付着した黒っぽい色と識別できる。
【0029】
発動機の潤滑油の黒化はディーゼル発動機は黒化が早いが本装置を付けるとガソリン発動機とあまり変わらない。
【0030】
冬季のビニールハウス内の加温機に省燃費目的に本装置を付けておくとミナミキイロアザミウマ、オンシツコナジラミ、褐斑病のような難病虫害が見えなくなった。」(下線部は補正箇所を示す。)

(3)判断
明細書、特許請求の範囲及び図面並びに請求人の意見書の記載(特に、平成25年10月25日付け意見書の【意見の内容】<理由2>(2)「エンジンの省エネはポリカーボネート容器から逃げた水素・酸素原子が燃焼効率を向上させて燃費を良くしている。」、(5)「OH^(-)H^(+)の酸素原子・水素原子だから液は漏れなくとも、原子は漏れている」、(9)「金属ホース入口は空気は流れていない、イオン解離運動によって波状的に押し出されている。」、(10)「エンジンに接続すれば負圧で吸引されるが負圧が無くてもイオン解離運動で波状的に道が開いている方向に飛んでいく、金属ホースに吸着されない。」、(24)「イオン解離が早くなれば(H^(+)OH^(-))の発生が増加して水素・酸素の気体だけでエンジンが可動するので空気を取り入れて燃焼さす従来のエンジンより格段とよくなる。」、及び(29)「ポリカーボネート内に充填した竹レキ混合水は10^(-12)の速度でイオン解離しているので波状的に押し出している。」等の記載を参照。)を総合すると、本願発明の発動機(エンジン)においては、竹レキ1Lに対し水4Lの容量の割合の混合水をポリカーボネートの容器に充填して栓で密封し(段落【0020】を参照。)、該ポリカーボネート容器を金属ケースに内蔵し、該混合水中の水素・酸素のイオン(審決注;OH^(-)イオン及びH^(+)イオンを意味すると考えられる。)の「イオン解離運動」なる作用によって、水素・酸素のイオンの酸素原子・水素原子が、密封したポリカーボネート容器から漏れて逃げ、該酸素原子・水素原子が水素・酸素の気体となり、金属ホースを通ってエンジンの燃焼室に吸入され、エンジンの燃焼室内で、上記水素・酸素の気体だけで燃料が燃焼して該発動機が作動し、燃費が向上し、排気ガスが清浄化するものと考えられる。
しかしながら、技術常識からみて、竹レキ混合水中の水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)の「イオン解離運動」なる作用によって、水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)が酸素原子・水素原子となって、密封したポリカーボネート容器から漏れて逃げるというようなことが実際に起こるとは考えられない。
なぜならば、密封したポリカーボネート容器に充填された竹レキ混合水中の水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)が密封したポリカーボネート容器の壁を透過するという事象が生じることは、技術常識からみて考えられないからである。
仮に、請求人が主張するように、竹レキ混合水中の水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)が酸素原子・水素原子となって密封したポリカーボネート容器から漏れて逃げるという事象が生じるとしても、該水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)の「イオン解離運動」なる作用によって酸素原子・水素原子が水素・酸素の気体となり、金属ホース及びインテークマニホールドを経てエンジンの燃焼室に到達するということが実際に起こるとは、技術常識からみて考えられない。
また、仮に、多少の水素・酸素のイオン(OH^(-)イオン及びH^(+)イオン)又は酸素原子・水素原子又は水素・酸素の気体が「イオン解離運動」なる作用によって金属ホース及びインテークマニホールドを経てエンジンの燃焼室に到達したとしても、その水素・酸素の気体だけで燃料が燃焼してエンジンが可動する(平成25年10月25日付け意見書の【意見の内容】<理由2>(24)「イオン解離が早くなれば(H^(+)OH^(-))の発生が増加して水素・酸素の気体だけでエンジンが可動するので空気を取り入れて燃焼さす従来のエンジンより格段とよくなる。」、及び(29)「ポリカーボネート内に充填した竹レキ混合水は10^(-12)の速度でイオン解離しているので波状的に押し出している。」等の記載を参照。)ということが実際に起こるとは、技術常識からみて考えられない。また、それによりエンジンの燃費が良くなるということも、技術常識からみて、実際に起こるとは考えられない。
これらのことは技術常識(及び自然法則)に反するものであるから、審判合議体は当審拒絶理由において、実際に請求人が主張するような効果があるというのであれば、公的機関による証明書を提出することを求めたが、請求人は、本件意見書において、「50LのAL容器に内径8ミリ*500ミリのビニールチュウブに竹レキ混合水を入れ550本をランダムに詰め込み草刈り機(BK23AL、BIGM,MARUYAMA)で作動試験をした。試験結果については草刈り機23ccエンジンは作動したがエンジンポンプ118ccエンジンは作動しなっかた、県としては証明書は書けないと言うことです。」と記載するのみで、公的機関による証明書は提出されなかった。また、請求人が本件意見書に記載した試験は、「50LのAL容器に内径8ミリ*500ミリのビニールチュウブに竹レキ混合水を入れ550本をランダムに詰め込み」作動試験をしたものであるから、ポリカーボネート容器を用いる本願発明とは異なるものである。
したがって、依然として、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本願発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。


2.当審拒絶理由の<理由5>(特許法第29条柱書)について
(1)本願発明
本願発明は、上記第3 本件補正 1.特許請求の範囲について 【請求項1】に記載されたものであるが、請求項1の記載中、「竹レキ混合水をを」という記載は「竹レキ混合水を」の明らかな誤記であり、「請求項1記載の」という記載は誤って引用をした明らかな誤記と認められる。
したがって、本願発明は、
「【請求項1】
竹レキ1リットルに対し水4リットルの容量の割合の混合水を作りポリカーボネート容器に充填する、ポリカーボネート容器は、幅4mm?20mmで高さ、奥行、は収納する金属ケースの容量によって変わる。金属ケースは竹レキ混合水を細分化して、ゆるく内蔵したポリカーボネート容器とセットになり竹レキ混合水から水素・酸素のイオンを取り出し燃料通路で合体させ燃料を酸化させる特徴を持った発動機。」
というものであると認められる。

(2)検討
本願発明の発明特定事項の特に「ポリカーボネート容器に充填する」及び「竹レキ混合水から水素・酸素のイオンを取り出し燃料通路で合体させ燃料を酸化させる」について検討すると、請求人は、上記第5.1.(3)で摘記したような主張をしている。
しかしながら、以下のとおり、請求人の主張は、自然法則を利用するものとはいえない。

(a)ポリカーボネート容器内に密封された竹レキ混合水から、水素・酸素のイオン(H^(+)OH^(-)イオン)が漏れて発散するということは、自然法則及び技術常識に反している。
また、ポリカーボネート容器に密封された竹レキ混合水から、特別な道具を用いることなく、水素及び酸素のイオンを選択的に取り出すということは、自然法則に反している。

(b)ポリカーボネート容器から漏れて発散した水素・酸素のイオン(H^(+)OH^(-)イオン)が、「イオン解離運動」なる作用によって、金属容器、金属ホース及びインテークマニホールド内を、波状的に押し出されてエンジンの燃焼室に(しかも燃料を燃焼させるほど大量に)到達するということは、自然法則に反している。

(c)竹レキ混合水から取り出された水素・酸素のイオンを使って、燃料通路で合体させ燃料を酸化させるということは、自然法則に反している。
竹レキ混合水から取り出された水素・酸素のイオンを燃料通路で合体させると、自然法則によれば、水が生じるはずであるが、それが燃料を酸化させるということは、自然法則に反している。

(d)明細書を参酌すると、水素・酸素のイオンは、水素・酸素の原子となり、水素・酸素の原子は水素・酸素の気体となるとしているが、このような反応が格別の操作なく起こるということも、自然法則に反している。

したがって、請求項1に記載されたものは特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。

(3)まとめ
以上のように、請求項1に記載されたものは、自然法則に反するものであるから、特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。


3.当審拒絶理由の<理由4>(特許法第17条の2第3項)について
平成25年10月25日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。



特許請求の範囲の請求項1において、「プラスチック容器」を「ポリカーボネート容器」とした補正は新規事項の追加に当たる。
本件出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には「ポリカーボネート容器」は記載されておらず、また、「プラスチック容器」を「ポリカーボネート容器」とすることが自明ともいえない。

なお、請求人は、上記の点について、意見書等において何ら反論をしていない。


第6 むすび
以上のとおり、本件意見書等における主張、及び技術常識を参酌しても、本件出願の明細書、特許請求の範囲及び図面は、本願発明について、当業者が実施ができる程度に明確に記載されているものとはいえないので、本願は特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
また、請求項1に記載されたものは、自然法則に反するものであるから、特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。
また、特許請求の範囲の請求項1において、「プラスチック容器」を「ポリカーボネート容器」とする補正は新規事項の追加に当たるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-26 
結審通知日 2014-07-01 
審決日 2014-07-14 
出願番号 特願2012-68488(P2012-68488)
審決分類 P 1 8・ 1- WZ (F02B)
P 1 8・ 536- WZ (F02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 出口 昌哉  
特許庁審判長 伊藤 元人
特許庁審判官 金澤 俊郎
藤原 直欣
発明の名称 無空気作動発動機の作動方法  

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