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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1291877
審判番号 不服2013-11901  
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-24 
確定日 2014-09-10 
事件の表示 特願2011-236473「マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月15日出願公開、特開2012- 50848〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成19年11月7日に出願した特願2009-515367号(優先権主張平成18年11月9日)の一部を平成23年10月27日に新たな特許出願としたものであって、平成24年5月31日及び平成25年1月15日に手続補正がなされたが、平成25年3月8日付けで、上記平成25年1月15日付けの手続補正についての補正の却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされた。
これに対し、平成25年6月24日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正がなされた。
その後、平成26年7月9日に、当審合議体による請求人との面接が行われた。

第2 平成25年6月24日付けの手続補正の補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成25年6月24日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の発明
平成25年6月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)前後の、本願の特許請求の範囲の請求項1は、以下のとおりのものである。

(本件補正前)
「X線を2次元平面センサに照射する複数のX線発生デバイスを有し該複数のX線発生デバイスのそれぞれについての前記2次元平面センサ上におけるX線の二次元の照射領域が一部重複するように配置されたマルチX線発生装置を制御する制御装置であって、
前記複数のX線発生デバイスの各々に対応したX線画像を得るための撮像領域には重複が存在しないように前記2次元平面センサから画像を取得し、少なくとも2以上の前記X線発生デバイスが同時にX線を発生している状態とし、かつ前記同時にX線を発生しているX線発生デバイスによりX線が照射された二次元の前記照射領域が重複しないように少なくとも隣り合う前記X線発生デバイスに同時にX線を発生させずに前記複数のX線発生デバイスに順次X線を発生させる制御をするコントローラを備えることを特徴とする制御装置。」

(本件補正後)
「X線を2次元X線センサに照射する複数のX線発生デバイスを有し、該複数のX線発生デバイスが、それぞれのX線発生デバイスで発生したX線の前記2次元X線センサ上に到達する2次元領域が一部重複するように配置されたマルチX線発生装置を制御する制御装置であって、
前記2次元X線センサの、前記複数のX線発生デバイスの各々に対応したX線画像を得るための互いに重複しない隣接した複数の撮像領域から該撮像領域に対応する投影画像を取得するコントローラであって、
少なくとも2以上の前記X線発生デバイスが同時にX線を発生している状態とし、かつ前記同時にX線を発生しているX線発生デバイスで発生したX線が到達する2次元領域が重複しないように少なくとも隣り合う前記X線発生デバイスに同時にX線を発生させずに前記複数のX線発生デバイスに順次X線を発生させる制御をするコントローラを備えることを特徴とする制御装置。」(以下「補正発明」という。)

2.補正事項
本件補正は、補正前の「2次元平面センサ」を「2次元X線センサ」と補正する補正事項を含む。

3.判断
上記補正事項について検討する。
上記補正事項によって、2次元センサが、補正前には「平面センサ」であったものが、補正後は平面に限らない、例えば曲面を含むものに補正された。
すなわち、上記補正事項によって、請求項1に含まれる「2次元センサ」の範囲が拡張された。
してみると上記補正事項は特許請求の範囲の減縮を目的としたものではない。また、上記補正事項が請求項の削除、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しないことは明らかである。

4.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成25年6月24日付けの手続補正は上記のとおり却下され、平成25年1月15日付けの手続補正は、上記のとおり、平成25年3月8日付けで補正の却下の決定がなされているので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成24年5月31日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのもの(以下「本願発明」という。)である(上記「第2」「1.」「(本件補正前)」参照)。

2.引用刊行物及び該刊行物に記載の発明
原審の平成24年3月28日付けの拒絶理由通知書に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特表2006-503629号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(1)「【0018】
本発明は、様々な構成要素および構成要素のアレンジメント、ならびに様々な処理動作および処理動作のアレンジメントの形態を取ることができる。図面は、好ましい実施例を例示することだけを目的としており、本発明を限定するものと解釈してはならない。
【0019】
図1を参照すると、コンピュータ断層撮影 (CT) 画像化スキャナ10は、被験者支持部16上にアレンジされた画像化される被験者(図示せず)を含んだ検査領域14に向けられる扇形、円錐形、くさび形、または他の形状のX線ビームを作り出すX線供給源12を含んでいる。心臓画像化の場合、患者は、対象である心臓が実質的に検査領域14内にセンタリングされた状態で位置付けられている。被験者支持部16はZ方向に線形に移動可能であり、X線供給源12は、Z軸周りを回転する回動ガントリ18上にマウントされている。
【0020】
機械的なコンピュータ断層撮影画像化の一実施例の場合、回動ガントリ18は被験者支持部16が線形に前進することと同時に回転して、X線供給源12の全体的に螺旋軌道を検査領域14の周りに作り出す。電子的に動作する一実施例の場合、ガントリ回転時、被験者支持部16は固定されたままで、X線供給源12は、検査領域14全体に渡りX線ビームを電子的に軸方向に掃引させる。X線供給源12は、画像化平面内とZ方向に発散するくさび形または円錐形のX線ビームを作り出すことが好ましい。
【0021】
X線検出器20は、X線供給源12と対向するようにガントリ18上に配置されている。X線検出器20は、各投影ビュー内のZ方向部分に沿った画像化データを同時に取得するための、Z方向に沿った数行の検出器を含んでいることが好ましい。X線検出器20は、X線供給源12と対向するように回動ガントリ18上にアレンジされており、回動ガントリ18と共に回転するので、X線検出器20は、回転ガントリ18が回転すると検査領域14を横切るX線を受信する。図1に示すアレンジメントの代わりに、X線供給源の回転時に、放射線検出器の連続的にシフトする角度部分にX線が連続的に突き当たるように、回動ガントリを取り囲む固定ガントリ上にX線検出器をアレンジすることも考案されている。
【0022】
コンピュータ断層撮影画像化データ取得制御器22はスキャナ10を制御して、被験者に対して螺旋形のX線供給源12の軌道を用いて選択的な画像化動作を行う。この螺旋軌道は、ガントリの回転が、X線管12と被験者支持部16との軸方向の機械的な相対運動と協働すること、またはガントリの回転が、X線ビームの電子的な軸方向の運動と協働することにより達成可能である。ユーザ・インタフェース・デバイス24は、通常はパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータ・デバイスであり、取得制御器22と通信することにより、ユーザは選択された画像化セッションを構築、選択、始動、モニタ、または他の方法で管理することができるようになる。ユーザ・インタフェース・デバイス24には、グラフィカル表示装置26が含まれていることが好ましい。」
(2)「【0059】
図5Aと5Bを参照すると、電子的な一実施例の場合、X線供給源12には、回転94する軸方向、つまり、Z方向に沿って位置合わせされた円筒状陽極92を含めることが好ましい。軸方向に延在させた他の陽極の構成を用いることもできる。1つ以上の電子加速器961, 962により、静電ビーム偏向器を通過する全体的にコリメートされた1つ以上の電子ビームが作り出される。このビーム偏向器には、電子加速器961, 962に各々結合された静電電極素子98, 100が含まれている。静電電極素子98, 100は、電子ビームを軸方向に選択的に偏向させる。静電ビーム偏向器の代わりに、電磁ビーム偏向器が使用可能である。
【0060】
スイッチ/掃引電子制御器102は、幾つかの選択された電子ビーム軌道110, 112, 114, 116間を選択的にスイッチする。電子ビーム軌道110, 112, 114, 116の各々は、既定の軸方向場所で円筒状陽極92に当たって、軸方向に間隔を置いた幾つかの円錐形またはくさび形のX線ビーム120, 122, 124, 126の内1つを選択的に作り出す。スイッチ/掃引電子制御器102は、電子ビーム軌道110, 112, 114, 116を陽極全体の軸方向に追加的に掃引またはシフトする(図5Aと5Bでは水平な実線矢印により示されている)。この軸方向の掃引は、従来のコンピュータ断層撮影画像化で使用されている被験者支持部16の軸方向の運動の代わりとなる。この掃引は、双方向にする(つまり、往復させる)ことができる。これに代えて、(水平な実線矢印により示されている)一方向への掃引に続いて、引き返しが速く行われる(図5Aと5Bでは水平な点線矢印で示されている)。
【0061】
回転94により、陽極92の表面全体に熱生成が分布する。水または別の冷却流体を用いて円筒状陽極92を積極的に冷やすことが好ましい。冷却流体を円筒状陽極92内に送出したり(この内部が冷却されるアレンジメントは中空である)、または中空の冷却剤の線、構造体、または近くに配置された他の覆いにより、円筒状陽極92に熱結合させる。例えば、冷却剤を受ける覆い128は、電子ビームが当たる側の反対側の陽極に隣接してはいるがこの陽極から変位された状態で配置され、円筒状陽極周りに部分的に延在している。電子ビーム110, 112, 114, 116は、陽極92の表面垂線に対して約45°の角度で円筒状陽極92に当たることが好ましい。ビーム110, 112, 114, 116で陽極92全体を掃引することにより、熱管理は更に高められる。
【0062】
勿論、電子ビームのスポット・サイズ、円筒状陽極92の軸長などが限定された、4本よりも多いまたは少ないX線ビームを円筒状陽極92に沿って生成することもできる。くさび形のX線ビーム120, 122, 124, 126は、X線検出器20で重なり合わないような幅を持つ必要があるが、このことはビーム数を更に限定してしまう。X線管12は、スイッチ/掃引電子制御器102を選択的に構成することにより、数と軸方向間隔が異なるX線ビーム、および異なるビーム掃引レートを作り出せることが好ましい。好ましい一実施例の場合、円筒状陽極92の軸長は約15センチメートルで、これは、典型的な心臓の軸方向に円錐ビーム扇を加えた長さに対応する。
【0063】
適切な例示的なアレンジメントの1つの場合、図5Aと図5Bに示す4つのX線ビーム120, 122, 124, 126が生成される。X線ビーム120, 122は、第一電子加速器961により生成される。X線ビーム124、126は、第二電子加速器962により生成される。X線ビーム120, 124は、図5Bに示すように共に生成される。コリメータ130は、X線ビーム120, 124を制限して検出器20で重なり合わないようにする。同様に、X線ビーム122, 126は、図5Bの幻像で示すように共に生成される。コリメータ130はX線ビーム122, 126を制限して、検出器20で重なり合わないようにする。したがって、X線管12はコリメータ130と協働してX線ビーム120, 124とX線ビーム122, 126を交互させて交互の投影ビューを得ることができるので、インターレースされた2つの螺旋に沿った投影データをガントリ回転時に取得することが可能となる。」
(3)「【図1】


(4)「【図5A】


(5)「【図5B】


(6)図5Bからは、隣り合うX線ビームが検出器20上で一部重なり合っているのが見てとれる。

これらの記載事項を含む引用文献1全体の記載及び当業者の技術常識を総合すれば、引用文献1には、以下の発明が記載されている。

「被験者支持部(16)がZ方向に線形に移動可能であり、X線供給源(12)が、Z軸周りを回転する回動ガントリ(18)上にマウントされており、
X線供給源は、画像化平面内とZ方向に発散するくさび形のX線ビームを作り出し、検査領域(14)全体に渡りX線ビームを電子的に軸方向に掃引させ、
X線検出器(20)が、X線供給源と対向するようにガントリ上に配置され、各投影ビュー内のZ方向部分に沿った画像化データを同時に取得するための、Z方向に沿った数行の検出器を含んでおり、
複数の電子加速器(961, 962)により、静電ビーム偏向器を通過する全体的にコリメートされた複数の電子ビームが作り出され、
スイッチ/掃引電子制御器(102)が、幾つかの選択された電子ビーム軌道(110, 112, 114, 116)間を選択的にスイッチし、各電子ビーム軌道(110, 112, 114, 116)の各々は、既定の軸方向場所で円筒状陽極(92)に当たって、軸方向に間隔を置いた幾つかのくさび形のX線ビーム(120, 122, 124, 126)の内1つを選択的に作り出し、
これらのX線ビームの隣り合うX線ビームは検出器上で一部重なり合っており、
一群のX線ビームは共に生成され、コリメータ(130)は一群のX線ビームを制限してX線検出器で重なり合わないようにし、
同様に、他群のX線ビームは共に生成され、コリメータは他群のX線ビームを制限して、X線検出器で重なり合わないようにし、
したがって、X線管はコリメータと協働して一群のX線ビームと他群のX線ビームを交互させて交互の投影ビューを得ることができ、
コンピュータ断層撮影画像化データ取得制御器(22)はスキャナ(10)を制御して、被験者に対して螺旋形のX線供給源の軌道を用いて選択的な画像化動作を行う装置。」(以下「引用発明」という。)

3.対比
本願発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明のX線検出器が2次元の検出器であることは、該検出器がZ方向に沿った数行の検出器を含んでいること、図1の記載及び当業者の技術常識等に照らして明らかである。してみると、引用発明の「X線検出器」と本願発明の「2次元平面センサ」は、ともに「2次元センサ」である点で共通する。
(2)引用発明は複数のX線を発生するから、本願発明の「複数のX線発生デバイス」に相当する構成を有する。
そして、引用発明の「これらのX線ビームの隣り合うX線ビームは検出器上で一部重なり合って」いる構成は、本願発明の「該複数のX線発生デバイスのそれぞれについての前記2次元センサ上におけるX線の二次元の照射領域が一部重複する」構成に相当する。
したがって、引用発明の「X線供給源」は、本願発明の「マルチX線発生装置」に相当する。よって、引用発明の「装置」が本願発明の「制御装置」に相当する。
(3)引用発明の「一群のX線ビームは共に生成され」る構成、及び「他群のX線ビームは共に生成され」る構成は、ともに本願発明の「少なくとも2以上の前記X線発生デバイスが同時にX線を発生している状態と」する構成に相当する。
(4)引用発明の「コリメータは一群のX線ビームを制限してX線検出器で重なり合わないようにし」、「コリメータは他群のX線ビームを制限して、X線検出器で重なり合わないようにし」、「X線管はコリメータと協働して一群のX線ビームと他群のX線ビームを交互させて交互の投影ビューを得ること」は、本願発明の「前記同時にX線を発生しているX線発生デバイスによりX線が照射された二次元の前記照射領域が重複しないように少なくとも隣り合う前記X線発生デバイスに同時にX線を発生させずに前記複数のX線発生デバイスに順次X線を発生させる制御」に相当する。したがって、引用発明は本願発明の「コントローラ」に相当する構成を有する。

以上のことから、両者は、
「X線を2次元センサに照射する複数のX線発生デバイスを有し該複数のX線発生デバイスのそれぞれについての前記2次元ンサ上におけるX線の二次元の照射領域が一部重複するように配置されたマルチX線発生装置を制御する制御装置であって、
少なくとも2以上の前記X線発生デバイスが同時にX線を発生している状態とし、かつ前記同時にX線を発生しているX線発生デバイスによりX線が照射された二次元の前記照射領域が重複しないように少なくとも隣り合う前記X線発生デバイスに同時にX線を発生させずに前記複数のX線発生デバイスに順次X線を発生させる制御をするコントローラを備えることを特徴とする制御装置。」
の点で一致し、次の各点で相違している。

(相違点1)
2次元センサが、本願発明では平面センサであるのに対して、引用発明では平面センサと特定されていない点。

(相違点2)
本願発明が、複数のX線発生デバイスの各々に対応したX線画像を得るための撮像領域には重複が存在しないように2次元センサから画像を取得しているのに対して、引用発明が2次元センサからどのように画像を取得しているのか不明な点。

4.検討・判断
(1)相違点1に関する検討
X線供給源が軸周りを回転する回動ガントリ上にマウントされており、2次元センサが、X線供給源と対向するようにガントリ上に配置される構成の装置において、2次元センサを平面センサで構成することは、本願の優先日当時、周知技術である。
引用発明の2次元センサを当該周知の平面センサで構成する点に、格別の技術的困難性も阻害要因もない。
してみると、引用発明に当該周知技術を適用することにより、相違点1に係る構成を採用することは当業者が容易になしうる事項である。
(2)相違点2に関する検討
「複数のX線発生デバイスのそれぞれについての2次元平面センサ上におけるX線の二次元の照射領域が一部重複するように配置されたマルチX線発生装置」を前提とした本願発明において、上記相違点2に係る構成が、どのような技術的意味を有するのかは、本願明細書及び図面の記載を参酌しても、必ずしも明確ではないものの、引用発明においても、得られたデータを再構築して最終的な画像化動作を行う際に、重複部分の画像データの処理を行っていることは当業者の技術常識に照らして自明である。
このような重複部分のデータ処理手法として、領域に境界を決めてデータを取捨選択することは、重複データの平均を取る等の手法とともに、ごく普通に行われている周知技術である。
そして、引用発明も、本願発明と同様に「照射領域が重複しないように少なくとも隣り合う前記X線発生デバイスに同時にX線を発生させ」ないのであるから、隣り合うX線発生デバイスから重複部分に照射されたX線のデータを、例えば境界を決めて取捨選択する等の手法により重複排除し、撮像領域に重複が存在しないように画像を取得することに、格別の技術的困難性も阻害要因もない。
してみると、引用発明に相違点2に係る構成を採用することは当業者が容易になしうる事項である。
(3)作用・効果
本願発明全体の効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。
(4)小括
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-07-15 
結審通知日 2014-07-18 
審決日 2014-07-29 
出願番号 特願2011-236473(P2011-236473)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小田倉 直人  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 信田 昌男
神 悦彦
発明の名称 マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康徳  
代理人 永川 行光  
代理人 下山 治  
代理人 大塚 康弘  
代理人 高柳 司郎  

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