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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E04F
管理番号 1294712
審判番号 不服2012-8305  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-08 
確定日 2014-12-03 
事件の表示 特願2007-519921号「連続エッジパターン付きのサブパネルを有するフローリングシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 1月12日国際公開、WO2006/003530、平成20年 2月28日国内公表、特表2008-506051号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2005年7月7日(優先権主張:2004年7月7日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年12月12日付けで拒絶査定され、これを不服として平成24年5月8日に審判が請求されると同時に手続補正がなされ、当審において平成25年8月15日付けで拒絶理由を通知したところ、平成26年2月18日に意見書が提出されたものである。

第2 本願発明について
1.本願発明
本願発明は、平成24年5月8日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される以下のものと認められる。
「【請求項1】
第1厚板、
第2厚板、
前記第1厚板の第1エッジの一部及び反対側の、前記第2厚板の第2エッジの一部に位置する第1エッジパターン、
前記第1厚板の第2エッジの一部及び前記第2厚板の第1エッジの一部に位置する第2エッジパターン、
前記第1厚板の内部領域の大部分を網羅し、前記第1エッジパターン及び前記第2エッジパターンとは切れ目がなく、第1パターン要素の第1の部分を含んだ第1バルクパターン、
前記第2厚板の内部領域の大部分を網羅し、前記第1エッジパターン及び前記第2エッジパターンとは切れ目がなく、前記第1バルクパターンとは実質的に異なり、前記第1パターン要素の第2の部分を含む、第2バルクパターン、
を備え、
前記第1エッジパターンと前記第2エッジパターンとは異なっており、
前記第1厚板と前記第2厚板は互いに隣接して設置されて、前記第1厚板の前記第1エッジパターンと前記第2厚板の前記第1エッジパターンとが位置合わせされ、前記第1パターン要素は、前記第1厚板の長さよりも大きく、前記第2厚板の長さよりも大きい長さを有するようになっているフローリングシステム。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用刊行物とその記載事項
(1)本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である実公平3-22993号公報(補正掲載分の発行日平成7年10月11日、以下「刊行物1」という。)には、衛生設備室ユニツトに関し、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「(従来の技術)
近年室内装飾内装等の個性化、多様化が進み、それに伴つてバスルーム等、衛生設備室の個性化、多様化も求められるようになつて来ている。・・・
また、タイルを張つたり、木目を印刷したパネルを用いてバスルーム壁面を構成するものも提供されてはいるが、これらは壁面全体が同じ調子となるものであり、到底好みの多様化に対応できるものではない。
(考案が解決しようとする問題点)
本考案が解決しようとする問題点は、衛生設備室ユニツトの内壁面に、ユニツト本来のメリツトを損うことなく、多種、多様な施主の好みに対応して任意の壁画を描くことである。」
(イ)「(実施例)
以下、本考案の実施例を図に基づいて説明する。
この実施例は衛生設備室ユニツトがユニツトバスルームの場合であり、図中Aはユニツトバスルーム本体即ち衛生設備室ユニツト本体で、その壁面は床面を構成する防水パンbの周縁に沿つて複数枚のパネルaを起立させ順次連結せしめて構成してある。
パネルaはユニツトバスルーム本体Aの大きさに応じて定められた少なくとも2種類の大きさのものがある。
例えば平面長方形で長手方向の寸法が160cm、短手方向の寸法が、110cmのユニツトバスルーム本体Aの場合、横幅80cmのAパネルa-1と横幅30cmのBパネルa-2があり、Aパネルa-1、5枚とBパネルa-2、2枚を組み合わせて出入口の扉1を除く壁面を構成する。
上記Aパネルa-1、Bパネルa-2は表面、即ちユニツトバスルーム本体Aの内面となる面に数種乃至十数種の基本パターンのいずれかを印刷した多数のAパネルa-1Bパネルa-2から任意に選択したものである。
即ちAパネルa-1、Bパネルa-2は多数用意し、その全てに予め定められた数種乃至十数種の基本パターンのいずれかを印刷しておき、そのなかから夫々所要枚数を任意に選択して使用するようにする。
上記、基本パターンは、ユニツトバスルームの壁面に表現しようとする模様によつて様々であるが、パネルaの表面全面に所定の単一色彩を施しただけのものも基本パターンに含まれるが、図示実施例の場合、壁面に表現しようとする模様が森のイメージの壁画状模様であるため、様々な形状、大きさの木や、木と鳥の組み合わせの模様等がこれに相当し、地色が共通しており、かつパネルaをどのように組み合わせて配列してもパターン相互が連続性を有するか若しくはパターン相互は連続しないが関連性を有し、連続する1つの模様として発展するものを含んでいる。
而して、斯るパネルaはユニツトバス壁面に表現しようとする模様に応じて必要な大きさ、必要なパターンのものを必要枚数づつ任意に選択し、所要の配列で順次隣接連結せしめて防水パンbの周縁に起立設置し、全体でユニツトバスルーム本体Aの出入口扉1を除く壁面を構成し、各パネルaに印刷されたパターン相互の組み合わせによりユニツトバスの壁面に施工者や施主の意図する例えば第3図又は第4図の如き模様を壁画状に表現する。・・・」
(ウ)「【手続補正書】
1『実用新案登録請求の範囲』の項を『規格寸法のパネル複数枚を組み立てて壁面を構成する衛生設備室ユニツトにおいて、上記壁面は、地色を共通にすると共に、一側縁において、絵柄の途切れ部を有し且つその途切れ部の切れ端を他側縁の対応する位置から有する絵柄を少なくとも共通とする数種乃至十数種の基本パターンを各別に印刷した多数のパネルのうちの任意のパネルを複数枚組合せて構成する事を特徴とする衛生設備室ユニツト。』と補正する。・・・」(補1頁)
(エ)「補2」頁の第2図には、
左端のパネルa-1、左から2枚目のパネルa-1、右端のパネルa-2が記載され、
各パネルは絵柄を備え、
各パネルの右側の一側縁の上部と、左側の他側縁の上部とは、共通の地色を施しただけの部分を備え、
各パネルの右側の一側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部dを備え、
各のパネル左側の他側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部の切れ端eを備え、
左端のパネルは、パネル全面に、上記一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、複数の木の絵柄を備え、
左から2枚目のパネルは、パネル全面に、上記一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、木と鳥の組み合わせの絵柄を備えている。
(オ)第4図には、第2図の左端のパネル、左から2枚目のパネル、右端のパネルが、第2図と同じ順に左から配されたパネルの配列の例を示す衛生設備室ユニツト壁面の展開図が記載されており、該配列の例では、
各パネルの絵柄は、記載事項(イ)の「地色が共通しており、かつパネルaをどのように組み合わせて配列してもパターン相互が連続性を有するか若しくはパターン相互は連続しないが関連性を有し、連続する1つの模様として発展するものを含んでいる」とされた、
全体として関連性を有し、連続する1つの模様をなしており、
左端のパネルと左から2枚目のパネルは互いに隣接して設置されて、左端のパネルの共通の地色を施しただけの部分と左から2枚目のパネルの共通の地色を施しただけの部分とが位置合わせされ、左端のパネルの絵柄の途切れ部dの縁と左から2枚目のパネルの切れ端eの縁とが位置合わせされている。
そして、関連性を有し、連続する1つの模様は、各パネルの長さよりも大きい長さを有するようになっている。
すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているものということができる。
「左端のパネルa-1、左から2枚目のパネルa-1、右端のパネルa-2を備えた衛生設備室ユニツト壁面であって、
各パネルは絵柄を備え、
各パネルの右側の一側縁の上部と、左側の他側縁の上部とは、共通の地色を施しただけの部分を備え、
各パネルの右側の一側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部dを備え、
各パネルの左側の他側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部の切れ端eを備え、
各パネルの絵柄は、全体として関連性を有し、連続する1つの模様をなし、
左端のパネルは、上記一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、複数の木の絵柄を備え、
左から2枚目のパネルは、上記一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、木と鳥の組み合わせの絵柄を備え、
左端のパネルと左から2枚目のパネルは互いに隣接して設置されて、左端のパネルの共通の地色を施しただけの部分と左から2枚目のパネルの共通の地色を施しただけの部分とが位置合わせされ、
各パネルの絵柄は、全体として関連性を有し、連続する1つの模様をなし、
該関連性を有し、連続する1つの模様は、各パネルの長さよりも大きい長さを有するようになっている衛生設備室ユニツト壁面。」

(2)本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である特表昭55-500650号公報(以下「刊行物2」という。)には、閉輪郭内の分割断片に関し、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「1.装飾アセンブリにおいて複数の同様な要素と共に使用するためのユニツト要素において、
前記ユニツト要素が少なくとも一表面上に非対称デザインを有し、このデザイン部分が追加の同様な要素のデザイン部分と組合わせられるために要素の端縁まで延在しており;
前記一表面上の非対称デザインの前記要素部分が端縁の中心に関して対称になるように各端縁で終わつている;
前記ユニツト要素。
・・・
10.前記要素が装飾タイルである請求の範囲第1項記載のユニツト要素。
11.前記要素が木材パネルである請求の範囲第1項記載のユニツト要素。
・・・」(特許請求の範囲)
(イ)「個々のユニツトの形態、すなわち、その輪郭またはデザインは、多数の同一組立ユニツトが単一の装飾表面または単一の三次元画像を形成するようになつている。
・・・過去において、たとえば室の床を被覆するためには多数の異なる装飾の要素が要求され、これらから特定室の床の総合パターンが組立てられた。」(第3頁右上欄第2?22行)

(3)本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2003/108717号明細書(以下「刊行物3」という。)には、Structured boards with matched surfaceに関し、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「[0002]Products coated with thermosetting laminates are frequent today. They are foremost used where the demand for abrasion resistance is high, but also where resistance towards different chemicals and moisture is required. As an example of such products floors, floor beadings, table tops, work tops and wall panels can be mentioned.」
(イ)「[0016]A board according to the invention may for example be used as a floor board, a wall panel or a ceiling panel. ・・・」
(ウ)「[0025]FIG. 2 shows schematically parts of two adjacent surface structured decorative board 1 having a first and a second opposite edge 1^(I) and 1^(II) respectively according to a second embodiment of the invention. The boards 1 include an upper side decorative surface, an upper side surface structure and a base layer. The structure is comprised by two surface grades 10 forming a decorative surface pattern on said upper side. One of the surface grades 10 is a plane semi-gloss surface while the other surface grade 10 is composed of clusters of narrow oblong indentations simulating wood pores in sweeping wood grain pattern. The dark sections of the drawing are to be interpreted as indented surfaces. The pattern is applied in predetermined fixed positions P on the first and the second edges 1^(I) and 1^(II) respectively. The first edge pattern positions P^(L) (see FIG.1) and the second edge pattern positions P^(R) (see FIG.1) are matched so that the pattern continues over the first and second edges 1^(I) and 1^(II) respectively of adjacent boards 1.」

3.本願発明と引用発明の対応関係
・引用発明の「左端のパネルa-1」は、本願発明の「第1厚板」に相当する。
・引用発明の「左から2枚目のパネルa-1」は、本願発明の「第2厚板」に相当する。
・引用発明の「共通の地色を施しただけの部分」は、「各パネルの右側の一側縁の上部と、左側の他側縁の上部」に配されたものであるので、本願発明の「第1厚板の第1エッジの一部及び反対側の、前記第2厚板の第2エッジの一部に位置する第1エッジパターン」に相当する。
(なお、本願発明の「前記第1厚板の第1エッジの一部及び反対側の、前記第2厚板の第2エッジの一部に位置する第1エッジパターン」なる記載は、「反対側の、」が、どの言葉に係るのか不明瞭であるが、「前記第1厚板の第1エッジの一部と、前記第1厚板の第1エッジの反対側の第2エッジの一部と、前記第2厚板の第2エッジの一部とに位置する、第1エッジパターン」の意味と解して対比を行った。
また、上記「共通の地色を施しただけの部分」は、模様を描画する線が描かれていないが、仮に、本願発明の「エッジパターン」が、模様を描画する線の端部を含むことを意図するものであるとしても、上記「共通の地色を施しただけの部分」に加えて、「絵柄の途切れ部d」及び「絵柄の途切れ部の切れ端e」の上方の線の端部を部分的に含む部分が、本願発明の「第1厚板の第1エッジの一部及び反対側の、前記第2厚板の第2エッジの一部に位置する第1エッジパターン」に相当するものとなるだけである。)
・引用発明の「共通の絵柄の途切れ部d」及び「共通の絵柄の途切れ部の切れ端e」は、「途切れ部」と「途切れ部の切れ端」である以上、パネルの縁において、同じ場所に対応する線が存在する、同じパターンであることが自明であるので、引用発明の「各パネルの右側の一側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部d」及び「各パネルの左側の他側縁の下部は、共通の絵柄の途切れ部の切れ端e」は、本願発明の「前記第1厚板の第2エッジの一部及び前記第2厚板の第1エッジの一部に位置する第2エッジパターン」に相当する。
・引用発明の「全体として関連性を有し、連続する1つの模様」は、本願発明の「第1パターン要素」に相当する。
・引用発明の「共通の地色を施しただけの部分」と「共通の絵柄の途切れ部d」「途切れ部の切れ端e」との関係は、本願発明の「前記第1エッジパターンと前記第2エッジパターンとは異なっており」の関係に相当する。
・引用発明の「左端のパネルと左から2枚目のパネルは互いに隣接して設置されて、左端のパネルの共通の地色を施しただけの部分と左から2枚目のパネルの共通の地色を施しただけの部分とが位置合わせされ、
各パネルの絵柄は、全体として関連性を有し、連続する1つの模様をなし、
該関連性を有し、連続する1つの模様は、各パネルの長さよりも大きい長さを有するようになっている」ことは、本願発明の「前記第1厚板と前記第2厚板は互いに隣接して設置されて、前記第1厚板の前記第1エッジパターンと前記第2厚板の前記第1エッジパターンとが位置合わせされ、前記第1パターン要素は、前記第1厚板の長さよりも大きく、前記第2厚板の長さよりも大きい長さを有するようになっている」ことに相当する。
・引用発明の「一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、複数の木の絵柄」と、本願発明の「第1厚板の内部領域の大部分を網羅し、前記第1エッジパターン及び前記第2エッジパターンとは切れ目がなく、第1パターン要素の第1の部分を含んだ第1バルクパターン」とは、前者の複数の木の絵柄が、左端のパネルの一側縁から他側縁、かつ、上部から下部を含むパネル全体にわたる絵柄であって、パネルの内部領域の大部分を網羅するものといえるので、第1厚板の内部領域の大部分を網羅し、第1パターン要素の第1の部分を含んだ第1バルクパターンである点で共通する。
・引用発明の「一側縁の上部と他側縁の上部の共通の地色を施しただけの部分、絵柄の途切れ部d、途切れ部の切れ端eを含んだ、木と鳥の組み合わせの絵柄」と、本願発明の「第2厚板の内部領域の大部分を網羅し、前記第1エッジパターン及び前記第2エッジパターンとは切れ目がなく、前記第1バルクパターンとは実質的に異なり、前記第1パターン要素の第2の部分を含む、第2バルクパターン」とは、前者の木と鳥の組み合わせの絵柄が、左端のパネルの一側縁から他側縁、かつ、上部から下部を含むパネル全体にわたる絵柄であって、パネルの内部領域の大部分を網羅するものといえ、かつ、左端のパネルの複数の木の絵柄とは異なるものであるので、第2厚板の内部領域の大部分を網羅し、第1バルクパターンとは実質的に異なり、第1パターン要素の第2の部分を含む、第2バルクパターンである点で共通する。
・引用発明の「衛生設備室ユニツト壁面」と、本願発明の「フローリングシステム」とは、内装材である点で共通する。

両発明の一致点:
「第1厚板、
第2厚板、
前記第1厚板の第1エッジの一部及び反対側の、前記第2厚板の第2エッジの一部に位置する第1エッジパターン、
前記第1厚板の第2エッジの一部及び前記第2厚板の第1エッジの一部に位置する第2エッジパターン、
前記第1厚板の内部領域の大部分を網羅し、第1パターン要素の第1の部分を含んだ第1バルクパターン、
前記第2厚板の内部領域の大部分を網羅し、前記第1バルクパターンとは実質的に異なり、前記第1パターン要素の第2の部分を含む、第2バルクパターン、
を備え、
前記第1エッジパターンと前記第2エッジパターンとは異なっており、
前記第1厚板と前記第2厚板は互いに隣接して設置されて、前記第1厚板の前記第1エッジパターンと前記第2厚板の前記第1エッジパターンとが位置合わせされ、前記第1パターン要素は、前記第1厚板の長さよりも大きく、前記第2厚板の長さよりも大きい長さを有するようになっている内装材。」

両発明の相違点:
ア.第1バルクパターン及び第2バルクパターンが、本願発明は「前記第1エッジパターン及び前記第2エッジパターンとは切れ目がなく」構成されているのに対して、引用発明の絵柄は、そうでない点。
イ.内装材が、本願発明は「フローリングシステム」なのに対して、引用発明は、衛生設備室ユニツト壁面である点。

4.本願発明の容易推考性の検討
(1)相違点ア.について
(a)刊行物1記載事項(イ)に「基本パターンは、ユニツトバスルームの壁面に表現しようとする模様によつて様々である」と、さらに「パネルaをどのように組み合わせて配列してもパターン相互が連続性を有するか若しくはパターン相互は連続しないが関連性を有し、関連性を有し、連続する1つの模様として発展するものを含んでいる」、「而して・・・壁面に施工者や施主の意図する例えば第3図又は第4図の如き模様を壁画状に表現する。」と記載されている様に、刊行物1に模様が適宜選択し得るものであることが記載されている。
そして、刊行物2の図17の「ユニツト」「サブユニツト」の様な、ユニツト両端間を切れ目がなくつなぐ絵柄も、周知のものであることを考慮すると、引用発明の各パネルの絵柄として、刊行物2の様な、ユニツト両端間を切れ目がなくつなぐ絵柄を選択して、本願発明の相違点ア.に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

(b)請求人は、平成26年2月18日提出の意見書において、「本願発明は、2つの厚板が接合されるときに、単に隣接する厚板の接合部で連続性が得られるだけでなく、第1厚板の長さよりも長く、かつ、第2厚板の長さよりも長い、連続する装飾パターンが得られるものです。総じて、例えば単一のフローリング厚板の2倍の長さを持つ木目調など、非常に長いデザインパターンが得られ、より自然に見える床を形成できるという顕著な作用効果を有するものです。また、長いデザインパターンを有する基板を切断して厚板を作成することができますので、厚板の製造が容易になっております。」と説明した上で、『刊行物1に模様が適宜選択し得るものであることが記載されて』いるからと言って、この記載はパネル間の接続部について言及したものではなく、『刊行物2の様なユニツト両端間を切れ目がなくつなぐ絵柄を選択することが当業者にとって容易であった』とは言えない」旨主張しているので当該主張について検討する。
上記刊行物1記載事項(イ)の記載は、壁面に「表現しようとする模様」が「様々である」こと、及び、「施工者や施主の意図する・・・模様を・・・表現する。」ことを意図するものであり、「施工者や施主の意図する模様」なる表現は、実施例に限定されない様々なものを表していると解するのが通常であるので、刊行物1には、引用発明の絵柄を実施例として例示された絵柄以外のものとすることが示唆されているといえる。
さらに、引用発明の絵柄として、刊行物2の絵柄を選択することに、特段の技術的困難性が存在するものでもない以上、請求人の主張について検討しても、上記(a)の如く、容易に想到し得たこととするのが相当である。

(2)相違点イ.について
刊行物2に「過去において、たとえば室の床を被覆するためには多数の・・要素が要求され、これらから特定の床の総合パターンが組立てられた。」ことを従来構成とし、「複数の同様な要素と共に使用するためのユニツト要素」の一態様として、「木材パネルである・・ユニツト要素」が記載されている様に、また、刊行物3にもfloor boardが例示されている様に、いわゆるフローリングは、複数の板材(本願発明の「厚板」、引用発明の「パネル」に相当するもの)を互いに隣接して設置する内装材として周知慣用のものであり、かつ、刊行物1記載事項(ア)の「ユニツト本来のメリツトを損うことなく、多種、多様な施主の好みに対応」できることが望ましいことは、該フローリングにおいても変わるものではないので、「ユニツト本来のメリツトを損うことなく、多種、多様な施主の好みに対応」する引用発明の手法を、複数の板材を互いに隣接して設置する内装材として周知慣用のフローリングに対して適用して本願発明の相違点イ.に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

(3)総合判断
そして、本願発明の作用効果は、引用発明、刊行物2,3記載の事項及び周知技術の奏する作用効果から当業者であれば予測できた範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明、刊行物2,3記載の事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-07-02 
結審通知日 2014-07-08 
審決日 2014-07-23 
出願番号 特願2007-519921(P2007-519921)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 竹村 真一郎
杉浦 淳
発明の名称 連続エッジパターン付きのサブパネルを有するフローリングシステム  
代理人 園田 吉隆  
代理人 小林 義教  
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