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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1295539
審判番号 不服2013-22244  
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-13 
確定日 2014-12-15 
事件の表示 特願2011- 7255「コンテント情報提供装置および方法、クライアントおよびその情報処理方法、並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 6月 2日出願公開、特開2011-108261〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年12月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2000年12月22日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする特許出願(特願2002-553311号)の一部を、平成20年4月21日に新たな特許出願(特願2008-109984号)とし、さらにその一部を、平成23年1月17日に新たな特許出願としたものであって、平成23年2月16日付けで手続補正(以下、「手続補正1」という。)がなされ、平成24年7月31日付けで拒絶理由通知がなされ、同年10月5日付けで手続補正(以下、「手続補正2」という。)がなされ、同年11月2日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、平成25年1月7日付けで手続補正(以下、「手続補正3」という。)がなされ、同年8月6日付けで手続補正3についての補正却下の決定がなされると共に拒絶査定がなされ、同年11月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下、「手続補正4」という。)がなされたものである。

第2 手続補正4(平成25年11月13日付けの手続補正)についての補正却下の決定
〔結論〕
手続補正4(平成25年11月13日付けの手続補正)を却下する。

〔理由〕
1.補正内容
手続補正4は、補正前(手続補正2による補正後)の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の請求項1に変更する補正事項を含むものである。
そして、補正前の請求項1及び補正後の請求項1の各記載は、それぞれ、以下のとおりである。
なお、<補正後の請求項1>における下線は補正箇所を表している。
<補正前の請求項1>
「 【請求項1】
クライアントに送信されるコンテント情報と、前記クライアントにより実行可能なコンテントタイプを示す情報とを取得するコンテント情報取得手段と、
前記コンテント情報取得手段で取得した前記コンテント情報を、前記コンテントタイプを示す情報に応じて、前記クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報に変換するコンテント情報変換手段と、
前記コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段と、
前記変換コンテント情報が記憶された場所を示す情報を、前記クライアントに対して送信する送信手段と
を含むコンテント情報提供装置。
ことを特徴とする提供装置。」

<補正後の請求項1>
「 【請求項1】
クライアントに送信されるコンテント情報と、前記クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報とを取得するコンテント情報取得手段と、
前記コンテント情報取得手段で取得した前記コンテント情報を、前記コンテントのビットレートを示す情報に応じて、前記クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報に変換するコンテント情報変換手段と、
前記コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段と、
前記変換コンテント情報が記憶された場所を示す情報を、前記クライアントに対して送信する送信手段と
を含むコンテント情報提供装置。」

2.手続補正4に対する判断
手続補正4の内の上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「コンテントタイプ」を「コンテントのビットレート」に限定する補正事項と、補正前の請求項1の末尾にあった「ことを特徴とする提供装置。」という明白な余事記載を削除する補正事項とからなるものである。
そしてそれらの補正事項のうちの前者(「コンテントタイプ」を「コンテントのビットレート」に限定する補正事項)は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、後者(「ことを特徴とする提供装置。」という明白な余事記載を削除する補正事項)は、同条同項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当する。
そこで、手続補正4による補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」と呼ぶ。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(上記改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下検討する。

2-1.本願補正発明
本願補正発明は、上記「1.」の<補正後の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。

2-2.引用例
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-194612号公報(以下、「引用例1」と呼ぶ。)には、次の記載がある。

「【要約】
【課題】 本発明は、電子データの内容を無線装置用に変換するための方法およびシステムを提供することを課題とする。すなわちインターネットのワールドワイドウエブのウエブページ等、電子データ含む電子文書を、無線電話等の無線装置がその表示に適したフォーマットで受け取れるようにすることを課題とする。
【解決手段】 本発明は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)等の第1のマークアップ言語で書かれたオリジナル電子文書を、無線アプリケーションプロトコル(WAP)の無線マークアップ言語(WML)等の第2の無線マークアップ言語に変換する。オリジナル電子文書のテキスト文書要素および非テキスト文書要素(例えば画像)は、第1のマークアップ言語に適したフォーマットから第2のマークアップ言語に適したフォーマットに変換する。オリジナル電子文書(例えばHTML)に対する要求の応答として、無線装置での表示に適するように変換した文書(例えばWML)を送出することにより、無線装置のユーザの満足度を向上させる。」

「【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のネットワーク装置を有するネットワークにおける内容変換方法であって、
第1のネットワーク上の第1の無線装置から、前記第1のネットワーク上の第2のネットワーク装置にあるオリジナル電子文書に対する要求を前記第1の無線装置の装置タイプと共に受け取る段階と、
第1のマークアップ言語で書かれた前記オリジナル電子文書をテキスト要素と非テキスト要素とを含む複数の文書要素に分割することにより、前記第1のマークアップ言語から第2の無線マークアップ言語への変換を準備する段階と、前記第1のマークアップ言語で書かれた前記オリジナル電子文書の1つ以上の前記テキスト要素を前記第2の無線マークアップ言語のテキスト要素に変換する段階と、
前記第1のマークアップ言語で書かれた前記オリジナル電子文書の1つ以上の前記非テキスト要素を前記第2の無線マークアップ言語の非テキスト要素に変換する段階と、
前記要求に含まれる前記第1の無線装置の前記装置タイプに基づき、前記変換されたテキスト要素および非テキスト要素から変換後の電子文書を作成する段階と、
前記オリジナル電子文書に対する前記要求に応答して、前記変換後の電子文書を前記第2のネットワーク装置から前記第1の無線装置に送る段階とを備えることを特徴とする内容変換方法。」

「【請求項9】 前記第1のマークアップ言語のオリジナル電子文書の非テキストフォーマットの1つ以上の非テキスト要素を前記第2の無線マークアップ言語における非テキストフォーマットに変換する段階が、前記オリジナル電子文書のオリジナル画像フォーマットを無線マークアップ言語における無線アプリケーションプロトコル画像に変換する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。」

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータネットワークに関する。特に本発明は、電子データの内容を無線装置用に変換する方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】インターネットは、多数のコンピュータを相互接続した世界的なネットワークである。ワールドワイドウエブは、インターネット上の情報システムであり、電子文書をやり取りするように設計されている。ワールドワイドウエブ上の電子文書は、例えばファイルとして保存される。これら電子文書は、テキスト、ハイパーテキスト、および画像、動画、音声等の電子データへの参照を含んでいる。ハイパーテキスト文書の構造は、汎用マークアップ言語(SGML)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、コンパクトハイパーテキストマークアップ言語、拡張マークアップ言語(XML)、仮想現実マークアップ言語(VRML)、音声拡張マークアップ言語(VoxML)等の文書マークアップ言語によって定義される。
【0003】本技術分野において既知の通り、ハイパーテキスト文書は、「タグ」と呼ばれるマークアップ符号を持つ。タグはハイパーテキスト文書の構造を定義するものであり、区切り記号で囲まれた「開始」タグ名を少なくとも有する。多くの場合、区切り記号で囲まれた「終了」タグ名も有する。例えばマークアップタグ「

」は、ハイパーテキストマークアップ言語の第1レベルヘッダの開始を意味する。マークアップタグ「

」は、その第1レベルヘッダの終了を意味する。しかしながら、画像タグ「」は、タグを閉じる区切り記号「>」で終わり、「」という終了タグは用いない。その他のマークアップ言語も同様のタグを使ってハイパーテキスト文書を作成する。
【0004】マークアップ言語は、テキストに添付した画像、動画、音声、映像等の電子データの参照を可能にする。例えばハイパーテキストマークアップ言語は、画像タグ「」を使ってハイパーテキスト文書において画像の使用を可能にする。例えば画像タグ「」は、JPEGファイル「logo.jpg」に格納したロゴ画像の表示を可能にする。
【0005】ユーザは「ブラウザ」と呼ばれるソフトウエアを使って、ワールドワイドウエブからのハイパーテキスト文書を表示させる。ブラウザには、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社のインターネットエクスプローラやカリフォルニア州マウンテンビュウのネットスケープコミュニケーションズ社のネットスケープナビゲータ等がある。ブラウザは一般に、ハイパーテキスト文書を解析し、マークアップタグを含むハイパーテキストをテキスト、画像、動画、音声、映像等に変換し、パソコンのディスプレイ等に表示させる。」

「【0012】
【発明が解決しようとする課題】無線装置のユーザは、ワールドワイドウエブの電子文書を要求することもできる。しかしながら、ワールドワイドウエブの電子文書の内容を無線装置の小さなディスプレイに表示させるにはいくつかの問題がある。
【0013】まず第一に、ワールドワイドウエブ用に開発された電子文書は、標準的な「スーパーVGA」解像度(例えば800×600画素、256色以上のカラー表示)で表示されることを前提としている。無線電話等の無線装置のユーザも、ワールドワイドウエブの電子文書を見る時がある。しかしながら、ほとんどの無線装置は、スーパーVGAよりも低い解像度(例えば100×200画素、モノクロ表示)を有し、カラーをサポートしていない。また、スーパーVGAを有する装置は、80文字以上のテキストを24行以上表示できる能力を持つ場合が多い。しかるに無線装置のディスプレイは、20文字のテキストを約2?5行しか表示できないことが多い。このため電子文書の内容を適切に表示できず、ユーザは元のハイパーテキストの内容を見ることが難しい。しかしながら電子文書は、スーパーVGA解像度のディスプレイを持つ装置にも、それ以下の解像度のディスプレイを持つ無線装置にも、同じ内容を提供する必要がある。
【0014】1つの解決策は、電子文書のいくつかのバージョンをコンテンツプロバイダのサイトに保存しておくことである。例えば電子文書の1つのバージョンはハイパーテキストマークアップ言語で保存し、他のバージョンは無線マークアップ言語で保存することである。しかしながら、この方法は大きな記憶空間を必要とする上、電子文書が変更された場合に各バージョンの同期を取るための保守作業が極めて難しい。
【0015】別の問題は、無線装置のディスプレイは、電子文書が含むテキスト、画像、動画、ビデオ等の全ページをダウンロードし表示することができない、あるいはそのための十分なメモリを持たないことである。多量のテキスト、画像、動画、ビデオ等を含む電子文書を表示しようとすると、無線装置は過負荷になり、悪影響を受け、ユーザをいらいらさせる。
【0016】さらに別の問題は、無線装置のほとんどのユーザは、その装置をワールドワイドウエブを幅広く閲覧するために使うのではないことである。無線装置のユーザは、例えば電話番号、住所、株価、スポーツの点数結果、最新のニュース等、特定の情報を探すことが多い。このようなユーザは、ハイパーテキスト文書のある種の電子的内容(例えば画像)を表示させないことを望む。
【0017】このため、オリジナル電子文書を無線電話等の無線装置で利用できるように変換する方法およびシステムを提供する必要がある。これら方法およびシステムは、ワールドワイドウエブのほぼすべての電子文書を無線装置に適したフォーマットの文書に変換し表示することを可能にする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、無線装置に電子文書を表示する上での問題点を解決するため、電子文書の内容を変換する方法およびシステムを提供する。本発明の一態様は、電子文書の内容を変換する方法に関する。この方法は、第1のネットワーク上の第2のネットワーク装置にあるオリジナル電子文書に対する要求を、前記第1のネットワーク上の第1のネットワーク装置から受け取る段階を含む。前記第1のネットワーク装置は無線装置であり、前記要求は前記無線装置のタイプを示すデータを含む。この方法は、第1のマークアップ言語で書かれた前記オリジナル電子文書を、複数の電子文書要素に分解する。これら文書要素は、テキスト要素と非テキスト要素とを含み、第2の無線マークアップ言語に変換される。すなわち、第1のマークアップ言語で書かれたオリジナル電子文書のテキスト要素は、第2の無線マークアップ言語のテキスト要素に変換される。第1のマークアップ言語で書かれたオリジナル電子文書の非テキスト要素は、第2の無線マークアップ言語の非テキスト要素に変換される。前記要求に含まれる前記第1の無線装置のタイプに基づき、変換後のテキスト要素および非テキスト要素から、変換後の電子文書を作成する。この変換後の電子文書は、前記オリジナル電子文書に対する応答として、前記第2のネットワーク装置から前記第1の無線装置に送られる。本発明は無線装置に限定されない。前記第1の無線装置に代えて他のネットワーク装置を使っても良い。」

「【0026】図1に戻り、無線ゲートウエイ14は、第1の無線装置12からの電子文書の要求を処理し、変換後の電子文書を前記第1の無線装置12に返送する。内容変換アプリケーション16は、電子文書の内容を変換し、第1の無線装置12(例えば小さなディスプレイを有する装置)でも使用可能なフォーマットにする。データベース18は、無線装置用の変換設定を格納する。図1は単一のデータベース18を示すが、複数のデータベースを使っても良い。コンピュータネットワーク20は、電子文書を供給するための1つ以上の電子文書サーバを有する。
【0027】本発明の好適実施例において、コンピュータネットワーク20は、インターネット上のワールドワイドウエブである。当業者に知られる通り、インターネットは相互接続したコンピュータの世界的なネットワークである。ワールドワイドウエブは、電子文書をやり取りすべく設計されたインターネット上の情報システムである。電子文書サーバを有する他のコンピュータネットワークを使っても良い(例えばイントラネットやローカルエリアネットワーク(LAN))。
【0028】図1の内容変換アプリケーション16は、個別要素である。しかしながら、内容変換アプリケーション16は、無線ゲートウエイ14と一体化しても良い(図1に示さず)。本発明の好適実施例は、内容変換システム10に示したネットワーク要素に限定されず、より多くのあるいはより少ないネットワーク要素を使っても良い。本発明の他の実施例において、第1の無線装置12は、有線ネットワーク装置(例えばワイヤやケーブルを用いて臨時にまたは永久的にネットワークに接続したネットワーク装置)でも良い。このような有線ネットワーク装置は、1つ以上の無線マークアップ言語(例えばWML)を使うことができる。
【0029】本発明の好適実施例において、無線ゲートウエイ14と内容変換アプリケーション16とは、プロキシサーバ上のソフトウエア要素である。図1の各要素の機能は、ハードウエア要素とソフトウエア要素との組み合わせ、あるいはハードウエア要素によって提供しても良い。」

「【0037】無線装置用内容変換
図2は、内容変換方法24を示すフローチャートである。方法24は、ステップ26において、第1のネットワーク上の第1の無線装置12から、前記第1のネットワーク上の第2のネットワーク装置14にあるオリジナル電子文書に対する要求を受け取る。この要求は、第1の無線装置12の装置タイプを示すデータを含む。ステップ28において、第1のマークアップ言語で書かれた前記オリジナル電子文書は、第2の無線マークアップ言語に変換すべく、テキスト要素と非テキスト要素とを含む複数の文書要素に分割される。ステップ30において、第1のマークアップ言語で書かれたオリジナル電子文書の1つ以上のテキスト要素は、第2の無線マークアップ言語のテキスト要素に変換される。ステップ32において、第1のマークアップ言語で書かれたオリジナル電子文書の1つ以上の非テキスト要素は、第2の無線マークアップ言語の非テキスト要素に変換される。ステップ34において、前記変換されたテキスト要素および非テキスト要素から変換後の電子文書が作成される。ステップ36において、前記オリジナル電子文書に対する要求の応答として、変換後の電子文書が前記第2のネットワーク装置から前記第1の無線装置に送られる。本発明は無線装置に限定されず、前記第1の無線装置に代えてWAPを使用可能な他の無線ネットワーク装置を用いても良い。
【0038】本発明の好適実施例において、無線ゲートウエイ14上の内容変換アプリケーション16は、オリジナル電子文書に対する要求を受け取る。この実施例において、内容変換アプリケーション16は、コンピュータネットワーク20(例えばワールドワイドウエブ)に対して前記オリジナル電子文書を要求する。本発明の他の実施例において、内容変換アプリケーション16は、無線ゲートウエイ14に関連した例えばキャッシュ等の記憶装置(例えば揮発性または不揮発性の)から前記オリジナル電子文書のコピーを手に入れる。この実施例において、オリジナル電子文書のコピーは、第1の無線ネットワーク装置12が最初にその電子文書を要求した時、無線ゲートウエイ14に関連した記憶装置に格納される。
【0039】本発明の好適実施例において、ステップ26において受け取る要求は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求である。この要求は、第1の無線装置12の装置タイプを含む(例えばHTTP要求ヘッダ内に)。他の要求(例えばファイル転送プロトコル(FTP))を使っても良い。
【0040】当業者に知られる通り、HTTPは、ワールドワイドウエブの電子文書サーバからデータを転送するために使われる転送プロトコルである。HTTPについての詳しい情報は、インターネット技術作業部会(IETF)のRFC2068を参照できる。
【0041】ステップ28は、オリジナル電子文書を第2の無線マークアップ言語に変換すべく、前記オリジナル電子文書をテキスト要素および非テキスト要素を含む複数の第1のマークアップ言語の文書要素に分割する。本発明の好適実施例において、前記第1のマークアップ言語はハイパーテキストマークアップ言語(HTML)である。これは他のマークアップ言語(例えばXML、cHTML、SGML、VRML、VoxML等)でも良い。HTMLの詳細はRFC-1866を参照できる。
【0042】本発明の好適実施例において、前記第2の無線マークアップ言語は、無線アプリケーションプロトコル(WAP)の無線マークアップ言語(WML)であるが、他の無線マークアップ言語でも良い。前記WAPは、WMLおよび非テキスト要素(例えば画像)変換用のプロトコルを含む。WMLの詳細は、無線アプリケーションプロトコルフォーラムによる1998年4月の「無線アプリケーションプロトコル仕様」を参照できる。この無線アプリケーションプロトコル仕様の情報は、「www.wapforum.org」にある。前記第2の無線マークアップ言語として他のマークアップ言語を使っても良い。」

「【0047】
【表3】
【表4】
【表5】
ステップ32は、オリジナル電子文書の1つ以上の非テキスト要素を第1のマークアップ言語の非テキストフォーマットから第2の無線マークアップ言語の非テキストフォーマットに変換する。本発明の好適実施例において、グラフィック画像や画像マップ等の非テキストフォーマットは、第2の無線マークアップ言語で使用可能なフォーマットに変換される。例えばビットマップ(BMP)画像やJPEG画像は、無線アプリケーションプロトコルで定義される無線ビットマップ(WBMP)画像に変換される。BMPおよびJPEG画像フォーマットは、当業者に知られている。
【0048】表3は、第1のマークアップ言語の非テキスト要素をステップ32において第2の無線マークアップ言語の非テキスト要素に変換するために使われる変換の例を示す。これらより多くのあるいは少ない非テキスト変換を使っても良く、本発明は表3に記載した非テキスト変換に限定されない。
【0049】
【表6】
表3は、非テキスト要素の変換として、画像変換のみを示すが、本発明は画像変換に限定されず、他の非テキスト要素(例えば音声、ビデオ、動画等)にも適用可能である。」

「【0053】表5は、本発明の好適実施例におけるC/C++擬似コードのリストの例を示し、方法24のステップ32で使われる非テキスト要素の変換機能用のルーチンの例を含む。表5は、特にJPEG画像フォーマットからWBMP画像フォーマットへの変換を示す。表5において、変数「data」は、ルーチンによって変更されるオリジナル画像データを含む。変数「metaData」は、HTTPヘッダデータを含む。表5と同様の機能を使うことにより、他の非テキスト要素(例えば他の画像フォーマット、音声、ビデオ、動画等)を変換できる。本発明は、表5に記載したJPEG画像からWBMP画像への変換ルーチンに限定されない。他の画像フォーマット用のより多くのあるいはより少ない変換機能を使っても良い。
【0054】本発明の他の好適実施例は、JPEG画像を直接WBMP画像に変換する。この時、中間段階を用いない。すなわち、JPEG画像を中間フォーマットに変換し、その中間フォーマットをBMP画像に変換し、そのBMP画像をWBMP画像に変換するという中間段階を省く。かかる実施例においては、単一の変換機能を使う(例えばJPEGToWBMP(*data))。
【0055】
【表9】
ステップ34は、変換後のテキスト要素と非テキスト要素とから変換後の電子文書を作成する。本発明の好適実施例において、変換後の電子文書は、WMLおよびWAPプロトコル(例えば画像用のWBMP)を含むWAPによってオリジナルHTML文書を変換したものである。オリジナル電子文書は、HTML以外のマークアップ言語(例えばcHTML、XML、SGML、VRML、VoxML等)を含んでも良く、変換後の電子文書は他の無線マークアップ言語を含んでも良い。
【0056】本発明の好適実施例において、ステップ34は、電子文書を変換するにあたり、無線装置用設定を格納した問合わせデータベース18を利用する。この実施例において、変換後のテキスト要素および非テキスト要素は、特定の装置設定に合うようにさらに変更される。装置設定の例として、第1の装置タイプは、テキスト表示用として30文字を5行表示するディスプレイを有し、第2の装置タイプは、テキスト表示用として20文字を2行表示するディスプレイを有する。第1の無線装置12の装置タイプは、いずれでも良い。変換後のテキスト要素および非テキスト要素は、無線装置のタイプを考慮してステップ34においてさらに変更され、変換された電子文書の最終版を作成する。
【0057】ステップ36において、変換後の電子文書は、オリジナル電子文書に対する要求の応答として、第2のネットワーク装置14から第1の無線装置12に送られる。本発明の好適実施例において、WMLおよび他のWAPプロトコル(例えば画像用のWBMP)を含んだWAP文書が、第2のネットワーク装置14から第1の無線装置12へ、オリジナルHTML文書に対する要求の応答として送られる。他のタイプのオリジナル電子文書および他のタイプの変換後の電子文書を用いることも可能であり、本発明はHTMLからWAPへの変換に限定されない。」

ここで、上記記載事項を引用例1の関連図面と技術常識に照らせば、次のことがいえる。

ア.引用例1の段落【0029】でいう「プロキシサーバ」は、引用例1の図1に示される「無線ゲートウエイ14」というソフトウェア要素と「内容変換アプリケーション16」というソフトウェア要素を用いて、引用例1の【請求項9】に記載される方法をも実行可能な装置である。

イ.そして、引用例1の【要約】の【課題】の欄に記載される「インターネットのワールドワイドウエブのウエブページ等、電子データ含む電子文書を、無線電話等の無線装置がその表示に適したフォーマットで受け取れるようにする」といった引用例1に記載される発明が解決しようとした課題や、引用例1の請求項1、9や図1に示される構成等からみて、上記「プロキシサーバ」は、「無線装置12に送信される非テキスト要素を含む電子文書と、前記無線装置12の装置タイプを示す情報とを取得する情報取得手段」といい得る手段と、「上記『情報取得手段といい得る手段』で取得した『非テキスト要素を含む電子文書』を、上記『無線装置12の装置タイプを示す情報』に応じて、当該無線装置12が利用可能な電子文書に変換する変換手段」といい得る手段と、「上記『変換手段といい得る手段』で変換された電子文書を上記『無線装置12』に対して送信する送信手段」といい得る手段とを当然に有している。

したがって、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1記載発明」と呼ぶ。)が記載されているといえる。
「 無線装置12に送信される非テキスト要素を含む電子文書と、前記無線装置12の装置タイプを示す情報とを取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記非テキスト要素を含む電子文書を、前記無線装置12の装置タイプを示す情報に応じて、前記無線装置12が利用可能な電子文書に変換する変換手段と、
前記変換手段で変換された電子文書を前記無線装置12に対して送信する送信手段と
を含むプロキシサーバ。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-76473号公報(以下、「引用例2」と呼ぶ。)には、次の記載がある。
「【要約】
【課題】 デスクトップコンピュータに表示するようにデザインされたウェブ文書を、PDAまたは携帯電話などの小さなディスプレイに表示するための、文書再オーサリング方法及びシステムの提供。」

「【0008】自動文書再オーサリングは、デスクトップサイズのモニターに表示されるようにデザインされたHTML文書のような任意の文書を、目標の表示装置の特性と共に取り込み、目標の表示装置上で任意の文書を適切に表示可能なように、一連の変形を介して任意の文書を再オーサリングできる、開発ソフトウェアを含む。このプロセスは、クライアント、サーバー、または、この変形サービスを提供する目的のためだけに存在するHTTPプロキシサーバーのような中継プロキシサーバーのいずれによっても実行できる。」

「【0065】本発明の再オーサリングソフトウェアシステム及び方法のこの例示的な実施の形態は、Javaプログラミング言語で実現された。このHTTPプロキシサーバーシステムは、真のプロキシサーバーとして機能することに加え、HTTPプロキシサーバー自体によって作成された文書を有する特定のURLに対する要求にも応答可能である。これは、HTTPプロキシサーバー及び文書再オーサリングシステム及び方法のフォームに基づいた制御をユーザーに提供するために用いられる。文書再オーサリングシステムのこの例示的な実施の形態は、非常に複雑なページでさえも、200 MHzペンティアム上でシマンテック(Symantec)のJava JITコンパイラを用いて、2秒もかからずに処理可能である。
【0066】本発明の文書再オーサリングソフトウェアシステム及び方法のユーザーが最初にしなければならないことは、使用する装置に合わせてディスプレイサイズを指定し、使用するデフォルトブラウザフォントのフォントサイズを指示することである。この情報は、テキストブロックの必要スクリーン領域を見積もるために必要である。これを為すために、ユーザーはHTTPプロキシサーバーからの特定の制御URLを要求し、その結果、図4に示されているフォーム300が配信される。
【0067】ユーザーは、一旦文書再オーサリングシステムを構成すれば、ワールドワイドウェブのような分散形ネットワークからの文書の取り出しを開始できる。図5に示されている、原ページ400及び再オーサリング済ページ410は、本発明の文書再オーサリングシステム及び方法の再オーサリング能力を図解している。この例では、本発明の文書再オーサリングシステム及び方法のこの例示的な実施の形態は、画像25%縮小を第1センテンス省略と組み合わせて使用することを選択し、原ページ400から、表示されるページ410を描画した。そして、再オーサリング済ページ410は、ブラウザウインドウ420に表示される。本発明の再オーサリングシステム及び方法のこの例示的な実施の形態では、ユーザーは、どの変形が適用されたのかを判定するために、ページ取り出し直後に、HTTPプロキシサーバーからの別の制御URLを要求することによって、再オーサリングセッションのトレースを要求できる。
【0068】図6は、本発明の自動文書再オーサリングシステム及び方法並びに/または自動文書フィルタリングシステム及び方法が実現される、環境500の1つの例示的な実施の形態を示している。図6に示されるように、環境500は、デスクトップまたはラップトップコンピュータ用モニターの表示領域と比べて非常に限られた表示領域を有するディスプレイを有する、限られた表示領域の装置510を含む。図6に示されるように、環境500は、送受信装置通信システム550、分散形ネットワークのホストノード570、及び分散形ネットワークの残りの部分590を更に含む。
【0069】環境500では、限られた表示領域の装置510は、通常、無線通信チャンネル530によって送受信装置通信システム550に接続された、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)や携帯電話などであろう。従って、図6に示されるように、限られた表示領域の装置510は、通常、アンテナ520を含むことになり、一方、送受信装置通信システム550は、通常、対応するアンテナ540を含むことになる。限られた表示領域の装置510は、通常、アンテナ520及び540間で送信される無線周波数信号を用いて無線通信チャンネル530を介して送受信装置通信システム550と通信することになる。
【0070】送受信装置通信システム550は、限られた表示領域の装置510から通信チャンネル530を介して受け取ったアナログまたはデジタル信号を、分散形ネットワークのホストノード570によって使用可能な形式に変換する。そして、送受信装置通信システム550は、通信チャンネル530を介して通信リンク560を介して分散形ネットワークのホストノード570に受け取られる信号を出力する。通信リンク560は、送受信装置通信システム550と分散形ネットワークのホストノード570との間で適切な信号を送信する能力がある、公知のまたは最近開発された任意の通信構造でよいことが認識されるべきである。送受信装置通信システム550及び通信リンク560の正確な構造は、これらの要素がどのように実現されるかに依存したデザイン選択の問題となるので、これらの要素についてさらに述べることはしないが、そのようなデザイン選択は当業者にとっては容易に明らかとなり予想がつくものである。
【0071】限られた表示領域の装置510が、通信リンク522のような無線通信チャンネル530以外の手段によっても、分散形ネットワークのホストノード570に接続できることも認識されるべきである。つまり、通信リンク522は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公共交換電話網またはケーブルテレビシステムを介したモデム接続などのような、他の公知の任意の通信構造でよい。例えば、限られた表示領域の装置510のユーザーは、無線通信チャンネル530を介しての通信ではなく、限られた表示領域の装置510を、モデムを用いて公共交換電話網に接続できるであろう。従って、ユーザーは分散形ネットワークのホストノード570に直接ダイヤルすることになろう。
【0072】分散形ネットワークのホストノード570が最終的にどのように限られた表示領域の装置510に接続されるかに関わらず、一旦分散形ネットワークのホストノード570が限られた表示領域の装置510に送信される文書に対する要求を受け取ると、分散形ネットワークのホストノード570は、まず、要求された文書が分散形ネットワークのホストノード570の近くに位置するか否かを判定する。要求された文書が近くに位置しない場合は、分散形ネットワークのホストノード570は、文書を要求するために、通信構造580を介して分散形ネットワークの残りの部分590と通信する。その文書を格納している分散形ネットワークの残りの部分590の特定のノードは、最終的に通信構造580を介してホストノード570からの要求を受け取り、要求された文書を通信構造580を介してホストノード570に戻す。通信構造580は、分散形ネットワークの広域に位置するノードを相互にリンクする、公知のまたは最近開発された任意の通信構造及びプロトコルシステムでよいことが認識されるべきである。
【0073】分散形ネットワークのホストノード570が一旦要求された文書を受け取ると、分散形ネットワークのホストノード570上で実行するHTTPプロキシサーバーが、限られた表示領域の装置510に関する予め提供された情報に基づいて、要求された文書を再オーサリングする。そして、ホストノード570によって、最初の再オーサリング済ページが、無線通信リンク530または通信リンク522のいずれかを介して、限られた表示領域の装置510に送信される。ユーザーは、配信されたページを検討したら、再オーサリング済ページから取り除かれた追加情報を見る必要があると判断するかもしれない。この場合、ユーザーは、所望の再オーサリング済サブページを入手するために、無線通信リンク530または通信リンク522の一方を介して、分散形ネットワークのホストノード570に要求を送る。ホストノード570は、この要求に応答して、原文書の更なる再オーサリング済サブページを、無線通信チャンネル530または通信リンク522の一方を介して、限られた表示領域の装置510に送信する。
【0074】図7は、この情報の流れをより詳細に示している。図7に示されるように、限られた表示領域の装置510のユーザーが、分散形ネットワーク上に存在する特定の文書を検討したい場合、ユーザーは特定の文書に対する要求を、限られた表示領域の装置510から分散形ネットワークのホストノード570上に存在するHTTPプロキシサーバー571に送る。次に、HTTPプロキシサーバー571は、特定の文書に対する要求を、要求されたページを格納している分散形ネットワーク上の特定の遠隔ノード591に送信する。特定の遠隔ノード591は、要求された原文書を、HTTPプロキシサーバー571上に存在する文書再オーサリングシステム600に戻す。文書再オーサリングシステム600は、原文書を、個々が限られた表示領域の装置510にできるだけぴったり表示可能な複数のサブ文書に再オーサリングする。そして、文書再オーサリングシステム600は、最初の再オーサリング済ページを限られた表示領域の装置510に配信し、一方、他の再オーサリング済サブページは、文書再オーサリングシステム600の再オーサリング済サブページキャッシュ636に格納される。従って、限られた表示領域の装置510のユーザーが再オーサリング済サブページキャッシュ636に格納されている再オーサリング済サブページの1つの上に存在する情報を見たい場合は、ユーザーは限られた表示領域の装置510にそのサブページに対する要求を送信させる。要求されたキャッシュに格納されたサブページは、再オーサリング済サブページキャッシュ636から限られた表示領域の装置510に配信される。
【0075】HTTPサーバー571、文書再オーサリングシステム600、及び再オーサリング済サブページキャッシュ636は独立した要素として図7に示されているが、一般的に、これらの要素は、単一のアプリケーションソフトウェアの異なるモジュールのような、単体の異なる部分として実現されることが認識されるべきである。」

ここで、上記記載事項を引用例2の関連図面と技術常識に照らせば、次のことがいえる。

ア.引用例2の図6、7に示される「ホストノード570」は、「『限られた表示領域の装置510』が要求する電子文書を、当該『限られた表示領域の装置510』上で適切に表示可能な電子文書に変換する変換手段」といい得る手段と、当該「変換手段といい得る手段」で変換された電子文書を記憶する記憶手段といえる「再オーサリング済サブページキャッシュ636」とを有している。

イ.上記「再オーサリング済サブページキャッシュ636」は、引用例2の段落【0065】の「HTTPプロキシサーバー自体によって作成された文書を有する特定のURLに対する要求にも応答可能である。」という記載でいう「HTTPプロキシサーバー自体によって作成された文書を有する特定のURL」に対応する記憶手段であり、「ホストノード570」における処理負担の軽減に寄与するものである。

2-3.対比
本願補正発明と引用例1記載発明とを対比すると、次のことがいえる。

(1)引用例1記載発明の「無線装置12」は、本願補正発明の「クライアント」に相当する。

(2)引用例1記載発明の「非テキスト要素を含む電子文書」は、本願補正発明の「コンテント情報」に相当する。

(3)引用例1記載発明の「無線装置12が利用可能な電子文書」は、「非テキスト要素を含む電子文書のタイプ」が「無線装置12が実行可能なタイプ」に変換された電子文書にほかならず、本願補正発明の「クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報」と、「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」である点で共通する。

(4)引用例1記載発明の「無線装置12の装置タイプを示す情報」は、「非テキスト要素を含む電子文書」を「無線装置12が利用可能な電子文書」に変換する際に使用される情報であり、「無線装置12の能力を示す情報」の一種である。
一方、本願補正発明の「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」も「コンテント情報」を、「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」に変換する際に使用される情報であり、「クライアントの能力を示す情報」の一種であるといえる。
したがって、引用例1記載発明の「無線装置12の装置タイプを示す情報」と本願補正発明の「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」とは、「クライアントの能力を示す情報」といい得る情報である点で共通する。

(5)引用例1記載発明の「プロキシサーバ」は、引用例1記載発明の「無線装置12」に対して「無線装置12が利用可能な電子文書」を提供するものということができるから、本願補正発明の「コンテント情報提供装置」と同様に「コンテント情報提供装置」といい得るものである。

したがって、本願補正発明と引用例1記載発明の間には次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「クライアントに送信されるコンテント情報と、前記クライアントの能力を示す情報とを取得するコンテント情報取得手段と、
前記コンテント情報取得手段で取得した前記コンテント情報を、前記クライアントの能力を示す情報に応じて、前記クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報に変換するコンテント情報変換手段と、
を含むコンテント情報提供装置。」である点。

(相違点1)
本願補正発明においては、コンテント情報取得手段が取得し、コンテント情報変換手段が使用する情報である「クライアントの能力を示す情報」が「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」であり、コンテント情報変換手段による変換先である「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」が、「クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報」であるのに対し、引用例1記載発明においては、上記「クライアントの能力を示す情報」(「無線装置12の装置タイプを示す情報」)は「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」ではなく、上記「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」(「無線装置12が利用可能な電子文書」)は「クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報」ではない点。

(相違点2)
本願補正発明は、「コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段」と、「変換コンテント情報が記憶された場所を示す情報を、前記クライアントに対して送信する送信手段」とを含むものであるのに対し、引用例1記載発明は、それらを含むものではない点。

2-4.判断
(1)(相違点1)について
以下の事情を総合すると、引用例1記載発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の構成を採用すること、換言すれば、引用例1記載発明における、コンテント情報取得手段が取得しコンテント情報変換手段が使用する「クライアントの能力を示す情報」(「無線装置12の装置タイプを示す情報」)を、「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」にするとともに、同コンテント情報変換手段による変換先である「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」(「無線装置12が利用可能な電子文書」)を「クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報」にすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

ア.引用例1の【要約】の【課題】の欄の「すなわちインターネットのワールドワイドウエブのウエブページ等、電子データ含む電子文書を、無線電話等の無線装置がその表示に適したフォーマットで受け取れるようにすることを課題とする。」という記載や、引用例1の請求項1において「第1の無線装置の装置タイプ」になんらの限定が付されていないこと等からみて、引用例1記載発明は「コンテント情報を、クライアントの能力を示す情報(「無線装置12の装置タイプを示す情報」)に応じて、前記クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報(「無線装置12が利用可能な電子文書」)に変換する」という機能が有用と考えられる用途一般において利用されることが予定されている発明であるといえる。

イ.一方、クライアント(「無線装置12」)の装置タイプによって、「実行可能なビットレート」が相違し得、それに起因してコンテント情報のビットレートの変換なしにはコンテント情報を適正に表示できない場合があり得ることは、当業者に自明のことであり、そのような場合に上記「コンテント情報を、クライアントの能力を示す情報(「無線装置12の装置タイプを示す情報」)に応じて、前記クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報(「無線装置12が利用可能な電子文書」)に変換する」という機能が有用であることも当業者に自明のことである。

ウ.してみれば、引用例1記載発明を「コンテント情報のビットレート」を変換する用途に利用することは、当業者が容易に推考し得たことである。

エ.そして、引用例1記載発明を「コンテント情報のビットレート」を変換する用途に利用するということは、引用例1記載発明における、コンテント情報取得手段が取得しコンテント情報変換手段が使用する「クライアントの能力を示す情報」(「無線装置12の装置タイプを示す情報」)を、「クライアントにより実行可能なコンテントのビットレートを示す情報」にするとともに、同コンテント情報変換手段による変換先である「クライアントが実行可能なコンテントタイプである変換コンテント情報」(「無線装置12が利用可能な電子文書」)を「クライアントが実行可能なビットレートである変換コンテント情報」にすることにほかならない。

(2)(相違点2)について
以下の事情を総合すると、引用例1記載発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の構成を採用すること、換言すれば、引用例1記載発明の「コンテント情報提供装置」を、「コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段」と、「変換コンテント情報が記憶された場所を示す情報を、前記クライアントに対して送信する送信手段」とを含むものとすることも、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

ア.上記2-2.の(2)の欄に転記した引用例2の記載事項と同欄の末尾で検討した事項によれば、引用例2には、引用例1記載発明と同様に「コンテント情報変換手段を有するコンテント情報提供装置」ともいい得る装置である「ホストノード570」に、本願補正発明の「コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段」に相当するものといえる「再オーサリング済サブページキャッシュ636」を設けることと、本願補正発明の「クライアント」に相当するものといえる「限られた表示領域の装置510」に上記「再オーサリング済サブページキャッシュ636」のURLから変換されたコンテント情報を提供することが記載されているといえる。

イ.そして、引用例1記載発明においても、コンテント情報提供装置(「プロキシサーバ」)の処理負担の軽減が望まれることは当然のことであるから、引用例1記載発明に、上記引用例2に示される構成を適用することに対する動機付けはあったといえる。

ウ.したがって、引用例1記載発明に本願補正発明の「コンテント情報変換手段で変換された変換コンテント情報を記憶する記憶手段」に相当するものを設け、その記憶手段のURLからクライアント(「無線装置12」)へコンテント情報を提供するようにすることは、当業者が容易に推考し得たことである。

エ.また、上記ウ.のようにする場合には、上記記憶手段のURLをクライアントに対して送信するようにすることで、記憶手段のURLを適宜に決定可能となりシステム構成の柔軟性が向上することは、当業者に自明のことであるから、そのようにすることも当業者が容易に推考し得たことである。

オ.してみれば、引用例1記載発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の構成を採用することも、当業者が容易に推考し得たことである。

(3)本願補正発明の効果について
本願補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用例1記載発明と引用例2に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得た構成のものが奏するであろうと当業者が予測し得る範囲を超えるものではなく、本願補正発明の進歩性を肯定する根拠となり得るものではない。

(4)まとめ
よって、本願補正発明は、引用例1記載発明及び引用例2記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび
したがって、手続補正4は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明
手続補正4は上記のとおり却下され、手続補正3は上記第1の欄に記載のとおり平成25年8月6日付けで却下されているので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」と呼ぶ。)は、手続補正2による補正後の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2」の「1.」の<補正前の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、およびその記載事項は、上記「第2」の「2.」の「2-2.」の欄に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明から、限定事項の一部を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記「第2」の「2.」の欄に記載したとおり、引用例1記載発明及び引用例2記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例1記載発明及び引用例2記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1記載発明及び引用例2記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-10-09 
結審通知日 2014-10-14 
審決日 2014-10-31 
出願番号 特願2011-7255(P2011-7255)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲はま▼中 信行上嶋 裕樹篠原 功一  
特許庁審判長 乾 雅浩
特許庁審判官 山田 正文
小曳 満昭
発明の名称 コンテント情報提供装置および方法、クライアントおよびその情報処理方法、並びにプログラム  
代理人 稲本 義雄  
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