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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F04C
管理番号 1295647
審判番号 不服2013-22800  
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-21 
確定日 2014-12-25 
事件の表示 特願2010-275964「スクリュ圧縮機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 6月28日出願公開、特開2012-122450〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件に係る出願(以下,「本願」と言う。)は,平成22年12月10日の特許出願であって,平成25年8月29日付けで拒絶査定がされ(この謄本の送達日は平成25年9月3日),これに対して,平成25年11月21日に本件拒絶査定不服審判が請求されるとともに同日付けの手続補正書が提出された。
その後,当審より平成26年7月17日付けで拒絶の理由を通知したところ,平成26年9月12日付けで意見書及び補正書が提出された。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は,平成26年9月12日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「ケーシングに形成された圧縮室に雌雄一対のスクリュロータを回転可能に収容してなるスクリュ圧縮機において、
前記ケーシングは、軸受空間を画定する内部隔壁と、前記軸受空間の外側に配置された吸込空間を画定する外壁とを有し、
前記外壁を貫通して前記吸込空間内を延伸し、先端が前記内部隔壁に挿入され、前記軸受空間と前記外壁の外側の流路とを連通させる連絡管部材を備え、
前記内部隔壁と前記スクリュロータの軸との間に配設され、前記圧縮室と前記軸受空間とを隔壁する軸封装置は、前記連絡管部材を介して軸封ガスを供給されることにより、前記圧縮室から圧縮されたガスが漏出することを防止するドライガスシールを構成し、
前記連絡管部材は、前記外壁の外面にガスケットを介して密接するフランジを有し、
前記連絡管部材の内側端部は、前記内部隔壁に形成した嵌合穴に嵌合し、
前記連絡管部材の外周と前記嵌合穴との間にはOリングが配置されていることを特徴とするスクリュ圧縮機。」(以下,「本願発明」と言う。)

3.刊行物
(1)当審により通知した拒絶の理由に示した特表2002-535539号公報(以下「刊行物」と言う。)には,図面と共に次の事項が記載されている。
・ 「【0001】
【発明の分野】
本発明は一般的にロータリーコンプレッサーに関し、特にハウジング内に配置され、ベアリングにより支持され、そして相互に係合する螺旋形のローブ及び溝(inter-engaging helical lobes and grooves)を有して形成された2つ以上のローター又はスクリューを有する容積式(positive displacement type)のロータリーコンプレッサーに関する。」
・ 「【0013】
図1A、1B、そして1Cはロータリーコンプレッサー20を示すがそれは動作室28(図1Aから取られた1C-1Cの部分断面図の図1Cで示されている)内の少なくとも1つの雄型ローター24と少なくとも1つの雌型ローター26とを有するハウジング22と圧縮可能なプロセス流体入り口30及び圧縮されたプロセス流体出口32とを備えている。該雄型ローターは、電気式、蒸気動力式、油圧式、又は内燃機関式等の様な、回転運動源(図示せず)に取付られる駆動シャフト34を介して駆動される。プロセス流体入り口30は、該ローターの側に位置付けられて示されているが、図1Aに示す該ローターの左端へ該プロセス流体を導く該ハウジング内の通路と流体的連通関係にある。該プロセス流体は左から右へ該ローターの長さに沿って進み、該出口32に向けられそれを通り追い出される前に該ローター間でそして該動作室の右端に対して圧縮される。この様なコンプレッサーは当該技術で公知であり、それらの圧縮作用の更に進んだ説明は不要と信じている。
【0014】
図2は図1Bから2-2で取られた断面図であり該ロータリーコンプレッサーの更に進んだ側面を示す。該駆動シャフト端部の該ハウジング部分は明確化のため切り離されている。通路36と38は該入り口30をそれぞれ、雌型ローター26の入り口端部40と雄型ローター24の入り口端部42へ接続する。動作室28に加えて、ハウジング22は更に、ベアリングとギヤ室44,ベアリング室46、そしてベアリング室48の様な複数のベアリング室を備えている。ベアリング及びギヤ室44内には駆動シャフト34と取付られた駆動ギヤ54とを支持するボールベアリング50とローターベアリング52とがある。駆動ギヤ54は雄型ローター24のローターシャフト58上のピニオンギヤ56とかみ合う。ローラーベアリング60はローターシャフト58のギヤ端部を支持する。雌型ローター26のローターシャフト62はローターベアリング64に支持されている。ローターベアリング60と64も又ベアリング及びギヤ室(bearing and gear chamber)44内にある。
【0015】
雄型ローター24の出口端部で、該ローターシャフト58は、ベアリング室46内に配置された1対の角度付けされたローターベアリング66a及び66bにより支持されている。雌型ローター26の出口端部で、該ローターシャフト62はベアリング室48内に配置された1対の角度付けされたローラーベアリング68a及び68bにより支持されている。支持用半径方向負荷に加えて該角度付けされたローターベアリングは、それにより該ハウジング内で軸線方向に該ローターを精確に位置付けるためにそれぞれのシャフト上の全ての軸線方向負荷を取る。全ての前記ベアリングは従来の手段により該シャフトへ保持されハウジング22により支持され位置付けされそして従来の手段で該ハウジング内に位置的に保持される。動作室28の出口端70で該動作室の側壁内に少なくとも部分的に3角形の開口部72が見られるが、該開口部は出口32と流体的に連通している(図1Aと1Bに示す)。
【0016】
ベアリング及びギヤ室44のベアリング60と動作室28の間にハウジング22内に設置され雄型ローターシャフト58を囲むラビリンスシール(labyrinth seal)74がある。ベアリング及びギヤ室44内のベアリング64と該動作室28との間にハウジング22内に設置され雌型ローターシャフト62を囲むラビリンスシール76がある。ベアリング室46内のベアリング66aと該動作室28との間にハウジング22内に設置され雄型ローターシャフト58を囲むラビリンスシール78がある。ベアリング48内のベアリング68aと動作室28との間にハウジング22内に設置され雌型ローターシャフト62を囲むラビリンスシール80がある。ラビリンスシール74と76とはベアリング及びギヤ室44から動作室28内へ潤滑用流体の流れを禁じそして動作室28からベアリング及びギヤ室44内へのプロセス流体と何等かのローター潤滑用及びシール用流体の流れを禁じるよう意図されている。ラビリンスシール78はベアリング室46から動作室28内への潤滑用流体の流れを禁じそして動作室28からベアリング室46内へのプロセス流体と何等かのローター潤滑用及びシール用流体の流れを禁じるよう意図されている。ラビリンスシール80はベアリング室48から動作室28内への潤滑用流体の流れを禁じそして動作室28からベアリング室48内へのプロセス流体と何等かのローター潤滑用及びシール用流体の流れを禁じるよう意図されている。
【0017】
図3はシャフト58の周りのラビリンスシール78の拡大図であり、該ラビリンスシールは他のラビリンスシールの典型的なものである。それは中空の円筒形のボデイ82と内部ボア86を形成する複数の円形リブ84を備えている。該リブは中に雄型ローター24がある動作室28に向かって角度が付けられている。該リブ84は該シール78のベアリング室端部88から該シールの動作室端部90まで一様に分布されている。該端88と90との中間に該リブの1つが省略された円周上の溝92がある。溝92からボデイ82を通して延びる孔94と96の様な複数の半径方向に配向された孔がある。ボデイ82の外部円筒面上に該ハウジング22内の通路100と軸線方向に整合された円周状の溝98がある。溝98から孔94と96の様な、複数の孔の各々まで孔94に接続するスロット102と孔96へ接続するスロット104の様な軸線方向に配向されたスロットがある。又ボデイ82の外部円筒面上に2つのoリング溝、端部88に隣接する溝106と端部90に隣接する溝108がある。これらは溝98を動作室28及びベアリング室46からシールするために該ハウジング22と協同するoリング110の様なoリングを保持するよう設計されている。ラビリンスシールが好ましいが、リブ無しの締まり填め直線ボアシール(a close fitting straight bore seal without ribs)の様な、他の種類のシールが本発明に使われてもよい。ラビリンスシールは該ローターシャフトに沿い該シールを通してオイルを吐かせることを防止する良い性能を有すると信じられるが、それはローターシャフトに沿って流れるバッフアーガス速度がそれが該シール内の各リブを過ぎると増加するからである。該高い速度はシャフトに沿ったオイルの進みを停止させる。
【0018】
図2を参照すると、オイルをベアリング及びギヤへ向けるそしてバッフアーガスを該シールへ向けるためにハウジング22内に複数の流体通路がある。通路112は新鮮な濾過されたオイルを室44内でギヤ54及び56、とベアリング50及び60に向かわせる。通路114は新鮮な濾過されたオイルを室44内でベアリング52及び64に向かわせる。通路116は新鮮な濾過されたオイルを室46内でベアリング66a及び66bに向かわせる。通路118は新鮮な濾過されたオイルを室48内でベアリング68a及び68bに向かわせる。通路120はバッフアーガスをシール74に向かわせ、通路122はバッフアーガスをシール76に向かわせる。シール74及び76からのバッフアーガスの1部は動作室28へ漏洩しそしてその1部は室44に漏洩する。通路100はバッフアーガスをシール78へ向かわせそして通路124はバッフアーガスをシール80に向かわせる。シール78からのバッフアーガスの1部は動作室28に漏洩しそしてその1部は室46に漏洩する。シール80からの該バッフアーガスの1部は動作室28に漏洩しそしてその1部は室48に漏洩する。通路126は該バッフアーガスの大きなパーセンテージをシール78とベアリング66aの間の室46の部分から該ハウジング22の外の位置へ向かわせる。これは該バッフアーガスを抜き取る目的を有しそれでそれは室46から取り除かれる前にベアリング66a及び66bを通過する必要がない。同様に、通路128はシール80とベアリング68aの間の室48の部分からの大きなパーセンテージのバッフアーガスを該ハウジング22の外の位置へ向かわせる。通路130はオイルと幾らかのバッフアーガスを室46からハウジング22の外の位置へ向かわせる。通路132はオイルと幾らかのバッフアーガスを室48からハウジング22の外の位置へ向かわせる。通路134はオイルとバッフアーガスとを室44からハウジング22の外側の位置へ向かわせる。」
(2)ハウジング22には,ベアリングとギヤ室44,あるいは,ベアリング及びギヤ室44と称される空間が形成されており,ハウジングの内部にベアリングを配置するための空間を画定する部位があることが認識できる。また,ハウジング22の外壁によってアリングを配置するための空間の外側に通路36,38が画定されていることも認識できる。
(3)特に図2の記載内容も参酌すれば,流体通路120,122がハウジング22とは別部材で構成されていることは,当業者にとって自明である。
ハウジング22に貫通孔があって,流体通路120,122がその貫通孔と連通すべくハウジング22に流体密に接続されることも,当業者にとって自明である。
また,バッファーガスがハウジング22の外壁の外側から流体通路120,122に供給されること,さらに,そのようなバッファーガスの供給のために外壁の外側に流路があって当該流路とベアリングを配置するための空間とが流体通路120,122により連通するものであることも,当業者にとって自明である。
(4)さらに,図2を用いて説明されるロータリーコンプレッサーは,スクリューを有して形成されたものであるから,スクリューコンプレッサーと言い替えることができる。
(5)以上を踏まえ,スクリューコンプレッサーの構造に着目し,それを本願発明の表現にならって整理すると,刊行物には以下の発明が開示されていると認めることができる(以下,「引用発明」と言う。)。
「ハウジング22に形成された動作室28に雄型ローター24と雌型ローター26を回転可能に収容してなるスクリューコンプレッサーにおいて,
前記ハウジング22は,その内部にベアリングを配置するための空間を画定する部位と,前記ベアリングを配置するための空間の外側に配置された通路36,38を画定する外壁とを有し,
前記外壁に接続されて前記通路36,38内を延伸し,先端が前記ベアリングを配置するための空間を画定する部位に接続され,前記ベアリングを配置するための空間と前記外壁の外側の流路とを連通させる流体通路120,122を備え,
前記ベアリングを配置するための空間を画定する部位と前記雄型ローター24と雌型ローター26の駆動シャフト34,ローターシャフト58との間に配設され,前記動作室28と前記ベアリングを配置するための空間とを隔壁するラビリンスシール74,76は,前記流体通路120,122を介してバッファーガスを供給されることにより,前記動作室28から圧縮されたガスが漏出することを防止するスクリューコンプレッサー。」

4.対比・判断
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
ア.引用発明の「ハウジング22」,「動作室28」,「雄型ローター24と雌型ローター26」,「スクリューコンプレッサー」は,それぞれ,本願発明の「ケーシング」,「圧縮室」,「雌雄一対のスクリュロータ」,「スクリュ圧縮機」に相当する。
イ.引用発明の「ベアリングを配置するための空間」は,本願発明の「軸受空間」に相当し,引用発明のハウジング22内部の「ベアリングを配置するための空間を画定する部位」は,本願発明の「軸受空間を画定する内部隔壁」に相当する。
ウ.引用発明の「通路36,38」は,本願発明の「吸込空間」に相当する。
エ.引用発明の「流体通路120,122」は,当業者にとって管状の部材であることは自明である(ちなみに,これに関する技術水準を示すものとして,当審により通知した拒絶の理由に示した特開2005-171959号公報,特開平5-118284号公報,特開昭60-32990号公報,特開平6-159272号公報に記載されたものが挙げられる。)から,本願発明の「連絡管部材」に相当すると言える。
本願発明の「連絡管部材」の先端は,ケーシングの内部隔壁に挿入されるものであるが,内部隔壁に形成した嵌合穴に嵌合し,外周と前記嵌合穴との間にはOリングが配置されているものでもある。そうすると,本願発明の「連絡管部材」の先端は,ケーシングの内部隔壁に接続されると言うことができ,引用発明の「流体通路120,122」の先端も,本願発明の「連絡管部材」の先端も,ハウジング22のベアリングを配置するための空間を画定する部位あるいは内部隔壁に接続されるものであるという限りで一致する。
また,本願発明の「連絡管部材」は,ケーシングの外壁を貫通するものであるが,外壁の外面にガスケットを介して密接するフランジを有するものでもある。そうすると,本願発明の「連絡管部材」は,ケーシングの外壁に接続されると言うことができ,引用発明の「流体通路120,122」も,本願発明の「連絡管部材」も,ハウジング22あるいはケーシングの外壁に接続されるものであるという限りで一致する。
オ.引用発明の「駆動シャフト34,ローターシャフト58」は,本願発明の「軸」に相当する。
カ.引用発明の「ラビリンスシール74,76」は,本願発明の「軸封装置」に相当し,引用発明の「バッファーガス」は,本願発明の「軸封ガス」に相当する。
キ.引用発明も本願発明と同様の意味で「ドライガスシール」が構成されるものと言える。
ク.以上を踏まえると,本願発明と引用発明の一致点及び相違点は,次のとおりである。
[一致点]「ケーシングに形成された圧縮室に雌雄一対のスクリュロータを回転可能に収容してなるスクリュ圧縮機において、
前記ケーシングは、軸受空間を画定する内部隔壁と、前記軸受空間の外側に配置された吸込空間を画定する外壁とを有し、
前記外壁を接続して前記吸込空間内を延伸し、先端が前記内部隔壁に接続され、前記軸受空間と前記外壁の外側の流路とを連通させる連絡管部材を備え、
前記内部隔壁と前記スクリュロータの軸との間に配設され、前記圧縮室と前記軸受空間とを隔壁する軸封装置は、前記連絡管部材を介して軸封ガスを供給されることにより、前記圧縮室から圧縮されたガスが漏出することを防止するドライガスシールを構成するスクリュ圧縮機。」
[相違点]連絡管部材に関し,本願発明では,外壁を貫通し,その先端が内部隔壁に挿入され,外壁の外面にガスケットを介して密接するフランジを有し,内側端部は,内部隔壁に形成した嵌合穴に嵌合し,外周と前記嵌合穴との間にはOリングが配置されているのに対して,引用発明では,外壁に接続され,その先端が内部隔壁(ハウジング22のベアリングを配置するための空間を画定する部位)に接続されている点。
イ.上記相違点について検討する。
(ア)一般に,流体機器を構成するに当たっては,流体が必要な個所に供給されるべく各構成部品を流体密に接続するものである。
これを引用発明について言えば,流体通路120,122とハウジング22は,当然,流体密に接続されるべきものなのであり,引用発明は,そのことを踏まえて認定したものである。
また,流体密な接続を実現するために,接続される部材同士の間にOリングやガスケットといったシール部材を介在させることは,技術常識に属する事項である。
(イ)管状部材を壁状の部位に流体密に接続する手法には,様々なものがあるが,(a)壁状の部位を貫通する管状部材にフランジを形成しておきそれでシール部材を壁の面に押し当てて密接させること,(b)壁側に嵌合穴を形成しておき,管状部材の端部をその穴に挿入させることは,いずれも,当業者にとって周知,且つ,適宜採用し得た技術的事項である。当審により通知した拒絶の理由に示した刊行物で言えば,特開平6-159272号公報では上記(a)の構成が採用されており,特開2005-171959号公報,特開平5-118284号公報,特開昭60-32990号公報では上記(b)の構成が採用されている。
(ウ)既に述べたように,引用発明においても流体通路120,122とハウジング22は当然流体密に接続されるべきものなのであるから,上記周知の技術的事項に鑑みれば,流体通路120,122とハウジング22とを接続する部位,すなわち,流体通路120,122とハウジング22の外壁,ベアリングのための空間を画定する部位との間の構成につき,相違点に係る本願発明の発明特定事項を採用することには,当業者にとっての格別の創意工夫が見いだせるものではない。念のために言えば,管状部材の端部をその穴に挿入させた場合のシール部材の位置として,管状部材の外周と穴との間は当業者がごく普通に選定する場所であるし,引用発明で外壁の外側からバッファーガスを供給することを考えれば,流体通路120,122をハウジング22の外壁の外側にまで位置させることも,当業者が通常の創作能力を発揮して採用する範囲内の事項にすぎない。
そして,本願の明細書又は図面の記載の限りでは,本願発明の発明特定事項によって,引用発明から見て格別顕著な技術的意義がもたらされると言うこともできない。
したがって,本願発明は,刊行物が開示する引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物が開示する引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は,拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-10-23 
結審通知日 2014-10-28 
審決日 2014-11-10 
出願番号 特願2010-275964(P2010-275964)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F04C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 尾崎 和寛  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 新海 岳
藤井 昇
発明の名称 スクリュ圧縮機  
代理人 山田 卓二  
代理人 前田 厚司  
代理人 田中 光雄  
代理人 前堀 義之  

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