• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1297409
審判番号 訂正2014-390170  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-11-07 
確定日 2015-01-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5210622号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5210622号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5210622号は、平成19年12月20日の出願であって、その請求項1ないし2に係る発明は、平成25年3月1日にその特許権の設定登録がなされ、平成26年11月7日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判請求の請求の趣旨は、本件訂正審判に係る特許第5210622号(以下「本件特許」という。)の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。
そして、本件特許の訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に
「前記所定の条件が成立している所定の期間内は、前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作手段による開始操作の検出が複数回可能であり、」とあるのを
「前記所定の条件が成立している所定の期間内は、前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作検出手段による開始操作の検出が複数回可能であり、」と訂正する。

2 訂正事項2
本件特許明細書の段落【0008】に
「(1)本発明は、遊技の結果を報知するための複数の図柄が外周面にそれぞれ付されている複数のリールと、前記各リールについて前記複数の図柄の一部を視認させる表示窓と、開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、特別の条件を成立させることを許可するか否か決定する特別条件許可決定手段と、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立したか否かを判定する特別条件成立判定手段と、前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出を契機として前記各リールを回転して前記表示窓に表示される前記図柄の変動を行ない、前記停止操作検出手段により停止操作の検出があったときは当該停止操作に対応する前記リールの回転を停止することにより当該リールについて当該停止操作の検出があった位置から所定のコマ数の範囲内で前記図柄を前記表示窓に停止表示する図柄表示制御手段と、前記特別条件成立判定手段によって前記特別の条件が成立したと判定したときは遊技状態を遊技者にとって相対的に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、を備え、前記図柄表示制御手段は、所定の条件が成立したときは、前記表示窓の外の位置に前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件の成立が許可されていることを報知する特別の図柄の組み合わせを停止し、これにより前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせが停止されているときに前記停止操作検出手段により開始操作の検出があったときは、当該特別の図柄の組み合わせを維持したまま前記各リールを回転させて前記表示窓に表示される前記図柄の変動を再度行なう再変動を実行し、当該再変動が行なわれた後に前記各リールを再度停止する再停止を行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示する、ことを特徴とする遊技機である。」とあるのを、
「(1)本発明は、遊技の結果を報知するための複数の図柄が外周面にそれぞれ付されている複数のリールと、前記各リールについて前記複数の図柄の一部を視認させる表示窓と、単位遊技を開始するための開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、複数種類の特別の条件のうちの一の特別の条件を成立させることを許可するか否か決定する特別条件許可決定手段と、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立したか否かを判定する特別条件成立判定手段と、前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出を契機として前記各リールを回転して前記表示窓に表示される前記図柄の変動を行ない、前記停止操作検出手段により停止操作の検出があったときは当該停止操作に対応する前記リールの回転を停止することにより当該リールについて当該停止操作の検出があった位置から所定のコマ数の範囲内で前記図柄を前記表示窓に停止表示する図柄表示制御手段と、前記特別条件成立判定手段によって前記特別の条件が成立したと判定したときは遊技状態を遊技者にとって相対的に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、を備え、前記図柄表示制御手段は、所定の条件が成立したときは、前記表示窓の外の位置に前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件の成立が許可されていることを報知する特別の図柄の組み合わせを停止し、これにより前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせが停止されているときに前記開始操作検出手段による開始操作の検出をしても次の単位遊技の開始を禁止するための遊技ロックを行い、前記所定の条件が成立している所定の期間内は、前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作手段による開始操作の検出が複数回可能であり、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がある毎に、単位遊技の開始を行わずに特別条件許可決定手段により前記一の特別の条件が成立したか否かを判定するとともに、前記特別の図柄の組み合わせを維持したまま前記各リールを回転させて前記表示窓に表示される前記図柄の変動を再度行なう再変動を実行し、当該再変動が行なわれた後に前記各リールを再度停止する再停止を行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは前記表示窓内の位置に決定された前記一の特別の条件に対応する前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示する、ことを特徴とする遊技機である。」と訂正する。

3 訂正事項3
本件特許の明細書の【0010】に
「(2)この場合に、前記図柄表示制御手段は、前記所定の条件が成立して前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを停止したときは、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がなされる毎に前記各リールの所定方向への所定図柄分の距離内での前記再変動と再停止とを行なうことにより、当該再変動と再停止とを繰り返し行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより前記表示窓の外の位置に当該特別の図柄の組み合わせを停止する、ことを特徴とするようにしてもよい。」とあるのを、
「(2)この場合に、前記図柄表示制御手段は、前記所定の条件が成立して前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを停止したときは、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がなされる毎に前記各リールの所定方向への所定図柄分の距離内での前記再変動と再停止とを行なうことにより、当該再変動と再停止とを繰り返し行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより一旦は前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示するが、その後、何の操作を行うことなく前記表示窓の外の位置に当該特別の図柄の組み合わせを停止する、ことを特徴とするようにしてもよい。」と訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項1に「前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作手段による開始操作の検出が複数回可能であり、」という記載があるが、当該「前記開始操作手段」という記載より前の箇所に「開始操作手段」という記載はない。そして、訂正前の請求項1において、「開始操作の検出」を行う手段が「開始操作検出手段」であることが特定されているから、訂正前の請求項1の記載は矛盾する記載を含み不明瞭であった。
訂正事項1は、「前記開始操作手段」を「前記開始操作検出手段」と訂正することで、「前記開始操作検出手段」の記載と「開始操作検出手段」の記載との間で整合を図るものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定される「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)訂正が本件特許明細書又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
開始操作の検出について、本件特許明細書に「スタートスイッチ33Sは、投入口9にメダルが投入されてスタートレバー33を操作することにより単位遊技の開始操作が行なわれたことを検出する開始操作検出手段を構成している。乱数発生器69は、乱数を発生させる乱数発生手段を構成している。」(段落【0034】。下線は審決で付した。)と記載されていることから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明の事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
よって、訂正事項1は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)において検討したように、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2及び3について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2及び3は、訂正事項1を含む訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、本件特許明細書の段落【0008】、段落【0010】の記載を、それぞれ、訂正後の特許請求の範囲の請求項1、同請求項2の記載と整合させるものである。
したがって、訂正事項2及び3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定される「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)訂正が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項2及び3は、上記(1)で検討したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項2及び3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項2及び3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2及び3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1?3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定される事項を目的とするものであり、かつ、同条第5及び6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄が夫々の周面に配された複数のリールと、これら各リールに対応するように複数設けられ、前記各リールの周面に配された複数の図柄のうちの一部の図柄を遊技者が視認可能なように表示する表示窓と、メダルが投入されたことを条件に、遊技者による操作(以下、「開始操作」という)に基づいて、リールの回転の開始を要求する信号を出力するスタートスイッチと、遊技者による操作(以下、「停止操作」という)に基づいて、リールの回転の停止を要求する信号をリールの種別に応じて出力するストップスイッチと、これらスタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、モータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行う制御部と、を備えた遊技機(いわゆるパチスロ)が知られている。このようなパチスロでは、前記複数の表示窓により表示される図柄の組合せに基づいて、入賞か否かが判別され、入賞と判別されるとメダルが払い出される。
【0003】
現在、主流のパチスロは、遊技者による開始操作を検出すると、内部的な抽籤を行い、この抽籤の結果と遊技者による停止操作のタイミングとに基づいて、リールの回転を停止するものである。例えば、前述した内部的な抽籤により入賞に係る結果(以下、この内部的な抽籤の結果を「内部当籤役」という)が決定されると、当該入賞が成立するように、遊技者により停止操作が行われた後であってもリールの回転が所定の期間(例えば、190ms)以内で継続し、その後、停止するようになっている。また、入賞に係る内部当籤役が決定されていなければ、入賞が成立しないようにリールの回転が停止するようになっている。つまり、このような遊技機では多くの局面において適切なタイミングでの停止操作(いわゆる「目押し」)が要求され、リールの回転が停止したときに表示窓により如何なる図柄の組合せが表示されるかは、停止操作のタイミング、即ち遊技者の技量に関連する。
【0004】
また、遊技機の稼動の維持向上を図るために、また、遊技機の興趣を向上させるために、リールの他に画像を表示させる表示装置を設けることや(特許文献1参照)、リールの滑りを行なうこと(特許文献2,3参照)などが知られている。
【特許文献1】特開2000‐229145号公報
【特許文献2】特開2003‐175147号公報
【特許文献3】特開2006‐198297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように表示装置に画像を表示させることは、補助的に演出に用いられているに過ぎず、遊技者は遊技の結果(どのような役に入賞したか、あるいは、どのような役にも入賞しなかったか)を報知するリールに着目して遊技を行っており、表示装置に画像を表示させても遊技の興趣を十分効果的に向上させることはできないという不具合があった。
【0006】
しかし、その遊技者が着目しているリールにおいても、単に変動、停止を行なうこと以外には、従来は特許文献2,3のようにリールの滑りを行なうことしか変化がなく、遊技の興趣を十分効果的に向上させることができないという不具合があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、遊技の結果を報知するものとして遊技者が着目しているリールの動きに変化をつけて、遊技の興趣を効果的に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、遊技の結果を報知するための複数の図柄が外周面にそれぞれ付されている複数のリールと、前記各リールについて前記複数の図柄の一部を視認させる表示窓と、単位遊技を開始するための開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、複数種類の特別の条件のうちの一の特別の条件を成立させることを許可するか否か決定する特別条件許可決定手段と、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立したか否かを判定する特別条件成立判定手段と、前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出を契機として前記各リールを回転して前記表示窓に表示される前記図柄の変動を行ない、前記停止操作検出手段により停止操作の検出があったときは当該停止操作に対応する前記リールの回転を停止することにより当該リールについて当該停止操作の検出があった位置から所定のコマ数の範囲内で前記図柄を前記表示窓に停止表示する図柄表示制御手段と、前記特別条件成立判定手段によって前記特別の条件が成立したと判定したときは遊技状態を遊技者にとって相対的に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、を備え、前記図柄表示制御手段は、所定の条件が成立したときは、前記表示窓の外の位置に前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件の成立が許可されていることを報知する特別の図柄の組み合わせを停止し、これにより前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせが停止されているときに前記開始操作検出手段による開始操作の検出をしても次の単位遊技の開始を禁止するための遊技ロックを行い、前記所定の条件が成立している所定の期間内は、前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作検出手段による開始操作の検出が複数回可能であり、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がある毎に、単位遊技の開始を行わずに特別条件許可決定手段により前記一の特別の条件が成立したか否かを判定するとともに、前記特別の図柄の組み合わせを維持したまま前記各リールを回転させて前記表示窓に表示される前記図柄の変動を再度行なう再変動を実行し、当該再変動が行なわれた後に前記各リールを再度停止する再停止を行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは前記表示窓内の位置に決定された前記一の特別の条件に対応する前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示する、ことを特徴とする遊技機である。
【0009】
本発明によれば、停止した図柄の組み合わせにより特別遊技状態に移行できなかったと遊技者が思っても、その後に開始操作を行うことでリールの再変動と再停止が実行され、特別の条件の成立が許可されていることを報知する特定の図柄の組み合わせが表示窓に表示されて特別の条件の成立が報知されるので、特別遊技状態に移行できない組み合わせの図柄が表示されたときでも遊技者は期待をもって遊技を続行できるので、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
【0010】
(2)この場合に、前記図柄表示制御手段は、前記所定の条件が成立して前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを停止したときは、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がなされる毎に前記各リールの所定方向への所定図柄分の距離内での前記再変動と再停止とを行なうことにより、当該再変動と再停止とを繰り返し行ない、前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより一旦は前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示するが、その後、何の操作を行うことなく前記表示窓の外の位置に当該特別の図柄の組み合わせを停止する、ことを特徴とするようにしてもよい。
【0011】
本発明によれば、開始操作ごとにリールが再変動と再停止とを行い、複数回の開始操作により特定の図柄の組み合わせが表示される可能性があるので、遊技者に開始操作を促し、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技の結果を報知するものとして遊技者が着目しているリールの動きに変化をつけて、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態である遊技機の構成と動作について説明する。
【0014】
[外観構成等について]
図1は、本実施の形態である遊技機1の外観を示す正面図である。遊技機1は、具体的にはパチスロ機の例である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、又は付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下では遊技媒体としてメダルを用いるものとして説明する。
【0015】
遊技機1のコントロールパネル中央部に設けられた枠の後方のキャビネット内部には、3個の小型のメインリール2,3,4が設けられている。以下では、メインリール2を左リール2、メインリール3を中リール3、メインリール4を右リール4とも称する。各メインリール2?4は縦回転し、その外周面には複数種類の図柄を並べた図柄列が描かれている。また、メインリール2?4の上方のキャビネット内部には、メインリール2?4より大型のサブリール5,6,7が設けられている。各サブリール5?7は縦回転し、その外周面には、演出表示用の複数種類の図柄を並べた図柄列が描かれている。
【0016】
メインリール2?4の前部には表示窓となるリール表示窓部39が設けられており、このリール表示窓部39を通して、各メインリール2?4の外周面に描かれた図柄列を図柄3個分の範囲で視認することができる。また、サブリール5?7の前部にはリール表示窓部50が設けられており、このリール表示窓部50に形成された表示窓5A,6A,7Aを通して、各サブリール5?7の外周面に描かれた図柄列を図柄3個分の範囲で視認することができる。
【0017】
前記のメインリール2?4及びサブリール5?7は、いずれもリールドラムの外周にリール帯が貼られて構成されており、このリール帯に前記の図柄列が描かれている。また、前記のメインリール2?4、及びサブリール5?7を構成する各リールドラムの内部には、各リールドラムに貼られたリール帯に描かれた図柄を背後から照明する種々の色で発光するLED(発光ダイオード)からなるリールバックランプ47a,47b,47c、リールバックランプ48a,48b,48cがそれぞれ設けられている。
【0018】
リール表示窓部39の右方のコントロールパネルには、遊技者がメダルを投入するための投入口9が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者が投入口9からメダルを投入すると、リール表示窓部39上における図1において図示しない複数本の入賞ライン、および、リール表示窓部50の表示窓5A?7A上における図1において図示しない複数本の入賞ラインが、それぞれ有効化される。そして、有効化された入賞ライン(有効ライン)上に所定の図柄の組み合わせが揃うと、表示役が成立する。
【0019】
表示窓5A?7Aの左方のリール表示窓部50には、上部から、ボーナスカウント表示部10、メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13?15、配当枚数表示部16、貯留枚数表示部17、及び遊技動作表示器18?22が設けられている。ボーナスカウント表示部10は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に後述するRB(レギュラーボーナス)遊技状態の残り入賞可能回数などをデジタル表示する。メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13?15は、メダルの投入枚数に応じて点灯制御され、そのときのメダルの投入枚数を遊技者に知らせる。配当枚数表示部16は、2桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払出枚数などを表示する。貯留枚数表示部17は、3桁の7セグメントLEDからなり、装置内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。遊技動作表示器18?22は、遊技状況に応じて点灯制御され、そのときの遊技状況を遊技者に知らせる。
【0020】
また、表示窓5A?7Aの右方のリール表示窓部50には、上部から、遊技回数表示部23、遊技状態示唆ランプ24、スタートランプ25、WINランプ26、及びインサートランプ27が設けられている。遊技回数表示部23は、3桁の7セダメントLEDからなり、所定の残り遊技回数などをデジタル表示する。遊技状態示唆ランプ24は、遊技状態示唆ランプ24a及び遊技状態示唆ランプ24bからなり、遊技状態に応じて点灯制御される。スタートランプ25は、メインリール2?4が作動可能なときに点滅する。WINランプ26は、ボーナスゲームの作動にかかる当籤役(内部当籤役)が決定されると点灯する。また、インサートランプ27は、投入口9にメダルの投入が受付可能なときに点灯する。
【0021】
リール表示窓部39の左方のコントロールパネルには、1貯留メダル投入ボタン(1ベットボタン)30、2貯留メダル投入ボタン(2ベットボタン)31、及び3貯留メダル投入ボタン(マックスベットボタン)32が設けられている。これら各貯留メダル投入ボタン30?32は、貯留枚数表示部17にメダル数が表示されてクレジットされているときに、1回のゲームに1枚?3枚の当該メダルを投入口9へのメダル投入に代えて賭ける場合に使用される。
【0022】
リール表示窓部39が設けられたコントロールパネルの下方には、左側から、スタートレバー33、停止ボタン(ストップボタン)34,35,36、及び貯留メダル精算ボタン37が設けられている。
【0023】
スタートレバー33は、単位遊技(1ゲーム)を開始させる開始操作を行うためのレバーであり、開始操作手段を構成している。すなわち、スタートレバー33の操作によりメインリール2?4及びサブリール5?7の回転が一斉に開始する。すなわち、開始操作を契機として、メインリール2?4により表示される図柄の変動が行われる。
【0024】
左、中、右の各停止ボタン34,35,36は、それぞれ左、中、右の各メインメインリール2,3,4に対応して配置され、また、それぞれサブリール5,6,7にも対応しており、各メインリール2?4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各メインリール2?4及び各サブリール5?7の回転を停止する停止操作を行う。各停止ボタン34?36は、メインリール2?4による複数列の図柄の変動をそれぞれ停止させる停止操作手段を構成している。ここで、全てのメインリール2?4及びサブリール5?7が回転しているときに最初に行われるリールの停止操作を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、最初のリールの停止を第1停止、2番目のリールの停止を第2停止、3番目のリールの停止を第3停止という。
【0025】
また、貯留メダル精算ボタン37は、装置内部にメダルをクレジットして遊技を行うか直接投入口9にメダルを投入して遊技を行うかを切り替えるとき、及び装置内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算するときに使用される。
【0026】
遊技機1の正面下部にはメダル受皿52が設けられている。このメダル受皿52は、メダル払出口53から払い出しされるメダルを貯留するものである。メダル払出口53の右方には、スピーカ54が設けられている。また、遊技機1の正面上部の左右両側にも、一対のスピーカ96,96が設けられている。
【0027】
遊技機1の筐体内部には、出玉率の設定値を設定するときに操作される図示しない設定ボタン、及び、出玉率の設定値を選択するときに操作される図示しないリセットボタンが設けられている。出玉率は、遊技機1に投入されたメダルの総枚数に対する払い出されたメダルの総枚数の割合を示すものである。本例では、設定値は設定1?設定6の6段階用意されている。
【0028】
ここで、「単位遊技(1ゲーム)」とは、遊技者のスタートレバー33に対する操作に応じてメインリール2?4が回転してから、遊技者の停止ボタン34?36に対する操作に応じてメインリール2?4の回転が停止し、このときに有効化された入賞ライン上に揃った図柄の組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。
【0029】
[ハードウェア構成について]
図2は、遊技機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板(主制御基板)61の電気的な接続を示すブロック図であり、図3は、遊技機1の演出動作を制御するサブ制御基板(副制御基板)62を中心とする制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すメイン制御基板61における制御部はマイコン63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(メインCPU)64と、各種プログラムや固定データを記憶しているプログラムROM65と、CPU64の作業エリアとなるバックアップ機能付き制御RAM66とを備えている。
【0031】
CPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67と、当該基準クロックパルスを分周する分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69と、当該発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、CPU64には、後述する各種周辺装置との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
【0032】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各メインリール2?4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(ベットランプ13?15、スタートランプ25、WINランプ26、インサートランプ27)、各種表示部(遊技動作表示器18?22、貯留枚数表示部17、ボーナスカウント表示部10、遊技回数表示部23、配当枚数表示部16)、メダルを収納するホッパー72などがある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、ホッパー駆動回路76によって駆動される。これら各駆動回路73?76は、I/Oポート71を介してCPU64に接続されている。
【0033】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9S、スタートレバー33の操作を検出するスタートスイッチ33S、貯留メダル投入ボタン30,31,32の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ30S,31S,32S、貯留メダル精算ボタン37の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ37S、図示しない設定ボタンの操作を検出する設定スイッチ56S、リセットボタンの操作を検出するリセットスイッチ55Sがある。
【0034】
スタートスイッチ33Sは、投入口9にメダルが投入されてスタートレバー33を操作することにより単位遊技の開始操作が行なわれたことを検出する開始操作検出手段を構成している。乱数発生器69は、乱数を発生させる乱数発生手段を構成している。
【0035】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、各メインリール2?4の内部に設けられたフォトセンサからの出力パルス信号を受けて各メインリール2?4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。フォトセンサは各メインリール2?4の駆動機構に含まれており、図2には示されていない。
【0036】
リール位置検出回路77は、メインリール2?4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値は制御RAM66の所定エリアに書き込まれる。従って、制御RAM66内には、各メインリール2?4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が、メインリールの回転位置を示すリールインデックスとして格納されている。また、前記のフォトセンサは各メインリール2?4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してCPU64に認識され、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が「0」にクリアされる。このクリア処理により、各図柄の移動表示と各ステッピングモーク45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0037】
ここで、前述のメインリール2?4の周面に配された各図柄には、リールの回転方向から順に、夫々を識別するための図柄位置「0」?「17」が規定されている(図21参照)。そして、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン(より正確には、後述の各メインリール2?4の中段2m?4m(図4)の領域の中心部)に位置するように、リール位置検出回路77によってリールインデックスが検出される構成となっている。例えば、リールインデックスの検出により図柄の数をカウントするRAM66に格納されている図柄カウンタの値が「0」になる際に、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターラインに位置することとなり、この結果、図柄カウンタと図柄位置とが対応付けられる。従って、図柄カウンタを参照することにより、センターラインに位置する図柄を特定することが可能となる。
【0038】
停止ボタン34?36が押されたときに対応するメインリール2?4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、図示しない払出完了信号発生回路は入力信号発生手段となる。これらもI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達したときにメダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0039】
リール停止信号回路78は、変動中の図柄の停止操作の検出を行なう停止操作検出手段を構成している。また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、及びマイコン63は、リール停止信号回路78により行なわれる図柄の停止操作の検出に基づいて、メインリール2?4により表示される図柄の中から決定された内部当籤役に応じた図柄を所定の図柄変動範囲内で変動表示させ、メインリール2?4により表示される図柄の変動を停止制御する停止制御手段を構成している。また、ホッパー72、メダル検出部72S、ホッパー駆動回路76、払出完了信号発生回路及びマイコン63は、停止制御手段によりメインリール2?4に停止表示された図柄の組み合わせに基づいて、遊技者にメダルを払い出す遊技媒体払出手段を構成している。
【0040】
I/Oポート71には、サブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図3に示すサブ制御基板62には、この信号をメインサブ中継基板97及びサブ中継基板98を介して受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79とメイン制御部通信ポート88との間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる(メイン制御部通信ポート88からサブ制御部通信ポート79への制御信号の送信は行われない)。本実施の形態では、サブ制御部通信ボート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される制御信号(コマンド)は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0041】
サブ制御基板62は、メイン制御基板61から送信されるコマンドに基づいて所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(サブCPU)82と、各種制御プログラムや固定データを記憶しているROM83と、CPU82の作業エリアとなるバックアップ機能付き制御RAM84とを備えている。CPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85と、当該基準クロックパルスを分周する分周器86と、各アクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87とが接続されている。
【0042】
CPU82は、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う。この処理手順は、シーケンスプログラムとしてROM83に記憶されている。CPU82は、アドレスバスがアドレスバス切離回路89、データバスがデータバス切離回路90を介してROM83に接続されており、ROM83に記憶された情報を読み出すときには、先ず、ROM83のチップセレクト端子SにI/Oポート87を介してLレベル信号を出力し、続いて、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにもI/Oポート87を介してLレベル信号を出力する。
【0043】
各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子EにHレベル信号が入力されているときには、データ出力端子がハイインピーダンス状態になり、CPU82とROM83との間は電気的に絶縁された状態になって、CPU82から各切離回路89,90の各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ、データバスデータは、各切離回路89,90のデータ出力端子から出力されない。しかし、各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子EにLレベル信号が入力されると、CPU82から各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ、データバスデータをそのままデータ出力端子から出力する。CPU82は、このデータ出力により、アドレスバス及びデータバスを介してROM83に対する情報読出アクセスが可能になる。
【0044】
サブ中継基板98には、サブリール制御部62aが接続されている。マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、サブリール制御部62aにおけるサブリール5?7をそれぞれ回転駆動するステッピングモータ101、メインリール2?4に内蔵されたリールバックランプ47a?47c、サブリール5?7に内蔵されたリールバックランプ48a?48c及び前述した遊技状態示唆ランプ24がある。ステッピングモータ101は、それぞれモータ駆動回路103によって駆動される。また、リールバックランプ47a?47c及び遊技状態示唆ランプ24の点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、リールバックランプ48a?48cはランプ駆動回路107からの駆動信号によって制御される。ランプ駆動回路107はサブ中継基板98に接続されており、CPU82からの指令に基づいて動作する。
【0045】
マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段としては、サブリール5?7に設けられたフォトセンサからの出力パルス信号を受けて、サブリール5?7の回転位置を検出するリール位置検出回路105がある。このフォトセンサは、各サブリール5?7の駆動機構に含まれており、図3には示されていない。
【0046】
音源IC91には、アドレスバス及びデータバスを介してROM83が接続されている。ROM83には、CPU82のシーケンスプログラムに加えて、音声データが記憶され、そのチップセレクト端子SがI/Oポート87に接続されている。音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ92の出力をI/Oポート87、メイン制御部通信ポート88及びサブ中継基板98を介してスピーカ54,96,96へ伝え、音声を出力させる。マイコン81は、メインサブ中継基板97、サブ中継基板98及びメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91及びワーアンプ92を制御し、メダル投入音、スタートレバー操作音、停止ボタン操作音、ボーナスゲーム中の遊技音などの効果音をスピーカ54,96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態及び内部当籤役の情報に基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ54,96,96から出音させる。
【0047】
音源IC91は、I/Oポート87に接続されたコントロール端子C、バス開放制御端子Z、及びリセット端子Rを備えており、コントロール端子Cに入力される信号に従ってスピーカ54,96,96から出音させる制御を行う。また、音源IC91は、バス開放制御端子Zに入力される信号がLレベルのときには、アドレスバス及びデータバスを有効化し、各バスを使ったROM83に対する読出情報アクセスを可能にする。しかし、バス開放制御端子Zに入力される信号がHレベルのときには、アドレスバス及びデータバスをハイインピーダンス状態にし、音源IC91とROM83との間の電気的接続を断ってROM83に対する情報読出アクセスを行えなくする。また、音源IC91は、リセット端子Rにハイレベル信号が入力されるのを検出すると、動作を開始する。
【0048】
前述したアドレスバス切離回路89、データバス切離回路90及びCPU82は、各切離回路89,90の出力イネーブル端子K、及び音源IC91のバス開放制御端子Zに入力される信号を制御して、ROM83に対する情報読出アクセスをCPU82又は音源IC91のいずれか一方に規制して同時にアクセスさせないアクセス調整を行なうようにしている。つまり、ROM83に対する情報読出アクセスをCPU82に行わせる場合には、このアクセス調停により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにLレベル信号が入力され、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスが電気的に接続された状態にされると共に、音源IC91のバス開放制御端子ZにHレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバス及びデータバスによる電気的接続が断たれる。一方、ROM83に対する情報読出アクセスを音源IC91に行わせる場合には、アクセス調停により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにHレベル信号が入力され、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスによる電気的接続が断たれるとともに、音源IC91のバス開放制御端子ZにLレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバス及びデータバスが電気的に接続された状態にされる。
【0049】
また、音源IC91のバス開放制御端子Z及びROM83のチップセレクト端子Sは、分断回路93に接続されている。分断回路93は、バス開放制御端子Zに入力される信号がLレベルであり、かつ、チップセレクト端子Sに入力される信号もLレベルのとき、CPU82が制御処理不能な状態に陥って暴走状態にあるものと判断し、アドレスバス切離回路89及びデータバス切離回路90のそれぞれの出力イネーブル端子EにHレベル信号を出力し、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスを電気的に絶縁された状態にする。この分断回路93は、CPU82が制御処理不能な状態に陥ったときに、CPU82がROM83にアクセスする電気接続経路を分断する。
【0050】
[主要な各種テーブル、各種格納領域について]
次に、主制御基板61で使用する主要な各種テーブル、各種格納領域などについて説明する。これらのテーブルはプログラムROM65などに格納され、格納領域などは制御RAM66などに用意される。
【0051】
図4を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
【0052】
図柄配置テーブルは、各リールの周囲に配された図柄の構成をデータとして表したものである。図4はメインリール2,3,4に関する図柄配置テーブルである。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各図柄表示領域の中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、前述の図柄カウンタと対応する図柄位置「0」?「18」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リールの図柄表示領域の中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。このメインリール2,3,4に表示される図柄を特別図柄と称する。
【0053】
メインリール2,3,4において、ある図柄の位置で遊技者が停止操作したときに最終的に停止制御位置となる図柄の位置は、ストップボタンを押下したときの図柄位置から3コマまでの範囲である。すなわち、ストップボタンを押下したときの図柄位置も含めての滑りコマ数の最大値は3コマである。
【0054】
次に、図5を参照して、主制御基板61の内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
【0055】
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて後述の内部抽籤テーブルを決定するためのテーブルである。すなわち、一般遊技状態のときは一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、RT遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、RB遊技状態のときはRB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定される。また、一般遊技状態、RT遊技状態にかかわらず、後述する持越役格納領域の値が1で持越役があるときは後述の抽籤回数を23に決定し、持越役格納領域の値が0で持越役がないときは抽籤回数を20に決定する。さらに、RB遊技状態では、持越役のあるなしにかかわらず抽籤回数を4に決定する。
【0056】
次に、図6?図8を参照して、主制御基板61の内部抽籤テーブルについて説明する。
【0057】
内部抽籤テーブルにおいては、当籤番号ごとに割り当てられた抽籤値及びデータポインタが規定されている。データポインタは、小役・リプレイ用のものとボーナス用のものの2種類が規定されている。
【0058】
内部抽籤テーブルでは、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル等に基づいて決定される抽籤回数と同じ数の当籤番号が最初に選択される。そして、「0?65535」の数値範囲(分母65536)より抽出された乱数値から現在の当籤番号に対応している抽籤値を減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算して、当該加算後の当籤番号に対応している抽籤値を減算後の値からさらに減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算する。以下、同様の処理を桁かりが行われるか、後述の抽籤回数分の減算が行なわれるまで繰り返す。当籤番号がなくなっても桁かりが行われないときはハズレとなる。このように、内部抽籤テーブルは、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを決定するための抽籤を行うためのテーブルである。そして、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタは、後述の内部当籤役決定テーブルによって当たり要求フラグを特定するためのデータであり、当たり要求フラグは内部当籤役を特定するためのデータである。
【0059】
図6は、一般遊技状態において使用する一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図6は、前述の設定値が1の場合の内部抽籤テーブルであり、一般遊技状態でのメダルの投入枚数は3となる。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、小役、リプレイの他、BB(ビッグボーナス)1,BB2,MB(ミドルボーナス)の抽籤も行う。
【0060】
図7は、RB(レギュラーボーナス)遊技状態において使用するRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図7は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、RB遊技状態でのメダルの投入枚数は2となる。RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、後述の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルに示すように、小役・リプレイ用データポインタ1?4の小役に当籤する。
【0061】
図8は、リプレイタイム(以下、「RT」と略記する)作動中用内部抽籤テーブルを示す。これは、RTの作動中に使用する内部抽籤テーブルである。図8において、当籤番号1?16に関しては一般遊技状態用内部抽籤テーブルと共通であるため、図示を省略している。図8は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、RT中でのメダルの投入枚数は3となる。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは当籤番号17の抽籤値は「8000」に規定されているのに対し、RT作動中用内部抽籤テーブルでは当籤番号17の抽籤値はこれよりも相当大きい「40000」に規定されている。即ち、RT作動中用内部抽籤テーブルでは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと比べて、当籤番号17の小役・リプレイ用データポインタ5(後述のリプレイに内部当籤する場合である)の当籤確率が相当高い構成となっている。よって、RT作動中は、再遊技の作動に係るリプレイの当籤確率が非常に高くなるので、一般遊技状態中において同じ回数の単位遊技が行われる場合と比べて、メダルの消費を抑えることが可能となる。
【0062】
次に、図9、図10を参照して、主制御基板61の内部当籤役決定テーブルについて説明する。
【0063】
内部当籤役決定テーブルとしては、図9に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルと、図10に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルとが用意されている。これらの内部当籤役決定テーブルでは、前述の小役・リプレイ用やボーナス用のデータポインタと、当たり要求フラグのデータとが関連付けて規定されている。当たり要求フラグは、内部当籤役を特定するための識別子である。
【0064】
小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、小役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、角チェリーが内部当籤役となり、小役・リプレイ用データポインタが「5」のときは、再遊技の作動にかかるリプレイが内部当籤役となる。小役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、何れの役にも内部当籤せず、「ハズレ」となる。
【0065】
ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいては、ボーナス用データポインタの「3」、「2」にそれぞれ対応して「BB1」、「BB2」の2種類のBBと、ボーナス用データポインタの「1」に対応してMBがそれぞれ規定されている。ボーナス用データポインタの「0」は「ハズレ」であり、いずれのボーナスにも内部当籤しない。
【0066】
次に、図11を参照して、主制御基板61の図柄組合せテーブルについて説明する。
【0067】
図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役と、格納領域種別及びメダルの払出枚数とが規定されている。表示役は、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に表示される図柄の組合せの種別を識別するためのデータである。
【0068】
左リール2にチェリー、中リール3にチェリー、右リール4にチェリーが表示されると、表示役が角チェリーと決定される。同じく、角チェリーに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに15枚、3枚のときに1枚である。左リール2にチェリー、中リール3にチェリー、右リール4にチェリーが表示されると、表示役が中チェリーと決定される。中チェリーに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに15枚、3枚のときに2枚である。リール表示窓部39にはメインリール2,3,4それぞれの上段、中段、下段に図柄が表示され、角チェリーと中チェリーの表示図柄の違いは、左リール2の図柄表示領域の上段又は下段にチェリーが表示されるのか、左リール2の図柄表示領域の中段にチェリーが表示されるのかという、チェリーの図柄の表示位置の違いにある。以下同様に、図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役、格納領域種別及び払出枚数とが規定されている。例えば、「スイカ‐スイカ‐スイカ」が順次有効ラインに沿って表示されると、小役のスイカが表示役として決定される。なお、図11において、メダルの払出枚数に「‐」と表示されているのは、そのようなメダルの払出枚数は出現し得ないことを意味している。
【0069】
リプレイに入賞すると、次回のゲームにおいて再遊技が行われる。即ち、これらが表示役として決定されたゲームにおける投入枚数と同数のメダルが、次回のゲームにおいて、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回のゲームを行うことができる。
【0070】
メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「赤7‐赤7‐赤7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB1と決定される。BB1が決定された場合には、BB1のボーナスゲームの作動が開始される。同様に、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「青7‐青7‐青7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB2と決定される。BB2が決定された場合には、BB2のボーナスゲームの作動が開始される。同様に、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「赤7‐赤7‐青7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がMBと決定される。MBが決定された場合には、MBのボーナスゲームの作動が開始される。
【0071】
なお、メインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せが前述の図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せの何れにも該当しない場合には、表示役がハズレと決定される。
【0072】
次に、図12を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
【0073】
ボーナス作動時テーブルには、ボーナスゲームの作動の開始時に、制御RAM66の所定領域に格納されるデータが規定されている。RBの作動時には、後述の制御RAM66の作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラグがオンされ、遊技可能回数カウンタに12が格納され、入賞可能回数カウンタに8が格納される。遊技可能回数カウンタは、RB作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動中において入賞が決定された(例えば、メダルの払い出しに係る表示役が決定された)回数を計数するためのデータである。また、BB1又はBB2(両方を併せて単に「BB」という。以下同様。)の作動時には、後述の制御RAM66の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに345が格納される。ボーナス終了枚数カウンタは、BBの作動中におけるメダルの払出枚数の総数を管理するためのカウンタである。
【0074】
次に、図13を参照して、主制御基板61の制御RAM66の内部当籤役格納領域の構成について説明する。
【0075】
内部当籤役格納領域は、図13に示す内部当籤役格納領域1、内部当籤役格納領域2に分かれ、この内部当籤役格納領域1、内部当籤役格納領域2は、それぞれ前述の内部当籤役決定テーブルの当たり要求フラグのデータに対応している。内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役を示すデータが内部当籤役格納領域に記憶される。
【0076】
また、主制御基板61の制御RAM66には、表示役のデータを格納する表示役格納領域も格納されている。この表示役格納領域の構成は図13に示す内部当籤役格納領域と同様であり、同じく表示役格納領域1、表示役格納領域2に分かれている。
【0077】
次に、図14を参照して、主制御基板61の制御RAM66の持越役格納領域の構成について説明する。
【0078】
前述の内部当籤役決定テーブルによりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、それを示す識別子(即ち、フラグ)が、この持越役格納領域に格納される。具体的に、ビット5、ビット6、ビット7の夫々は、MB、BB1、BB2の夫々に対応している。また、持越役格納領域に格納された識別子は、ボーナスゲームの作動が開始されることによりクリアされる。即ち、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、そのボーナスゲームの作動が開始されるまでの間、その識別子が記憶される構成となっている(いわゆる「持ち越し」と称され、格納されている識別子は「持越役」と称される)。そして、持越役格納領域に識別子が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、その格納されている識別子が内部当籤役として決定されるようになっている。また、持越役は、内部当籤役に基づいて決定されることから、内部当籤役の下位概念とも言える。
【0079】
次に、図15を参照して、主制御基板61の制御RAM66の作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0080】
作動中フラグ格納領域には、現在作動中であるのが、BBか、RBか、RTか等に応じて、その種別を示す識別子が格納される。具体的に、ビット0,4,5,6,7の夫々は、RT作動中フラグ,MB作動中フラグ、CB(チャレンジボーナス)作動中フラグ、RB作動中フラグ、BB作動中フラグの夫々に対応している。
【0081】
[主制御基板の制御動作について]
次に、図16以下に示すフローチャートを参照して、主制御基板61のメインCPU64が行う制御について説明する。
【0082】
先ず、図16、図17を参照して、主制御基板61のメインCPU64により行われるメイン処理について説明する。メインCPU64は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、そのリセット割込の発生に基づいて、プログラムROM65に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
【0083】
電源が投入されると、初めに、メインCPU64は、初期化処理を行う(ステップS1)。この処理では、電源遮断時に制御RAM66に格納されたレジスタのデータや実行アドレスの復帰を行う処理などが行われる。また、この初期化処理では、設定スイッチ56Sの入力のチェックが行われ、設定スイッチ56Sがオンであると判別した場合には、設定値の変更が行われる。具体的には、リセットスイッチ55S及びスタートスイッチ33Sの人力に基づいて、設定値「1」?「6」のうちの何れかが制御RAM66の設定値格納領域に格納される。
【0084】
次に、メインCPU64は、変動ロック制御フラグはオンか否かを判断する(ステップS2)。変動ロック制御フラグは、遊技者がスタートスイッチ33Sを操作しても次のゲームの開始を禁止するためのフラグである。そして、変動ロック制御フラグがオフであることを条件としてステップS3以下の処理を実行する。
【0085】
まず、メインCPU64は、制御RAM66における指定格納領域のクリアを行う(ステップS3)。この処理では、制御RAM66の各種格納領域等に格納されたデータがクリアされる。次に、メインCPU64は、後述するボーナス作動監視処理を行う(ステップS4)。この処理では、必要なボーナスゲームの作動を開始するための処理を行う。次に、メインCPU64は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS5)。この処理では、投入メダルセンサ9S等の入力のチェックに基づく投入枚数カウンタ等の更新や、スタートスイッチ33Sの入力のチェックが行われる。次に、メインCPU64は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS6)。この処理では、乱数発生器69とサンプリング回路70によって乱数値を抽出し、制御RAM66の乱数値格納領域に格納する。
【0086】
次に、メインCPU64は、後述する内部抽籤処理を行う(ステップS7)。この処理では、抽籤により内部当籤役が決定される。次に、メインCPU64は、スタートコマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS8)。スタートコマンドには、内部当籤役や遊技状態などのデータが含まれている。
【0087】
次に、メインCPU64は、メインリール2,3,4の回転開始を報知するリール回転開始コマンドをセットし(ステップS9)、全リールの回転回始を要求する(ステップS10)。なお、全リールの回転開始が要求されると、後述する割込処理においてメインリール2,3,4の回転を開始する処理が行われる。次に、メインCPU64は、後述するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。この処理では、全てのメインリール2,3,4の回転を停止する処理が行われる。
【0088】
次に、メインCPU64は、図柄組合せテーブル(図11)を参照し、所定の有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する処理を行う(ステップS12)。この処理では、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せとメインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せ(有効ラインのいずれかに沿って並ぶ3個の図柄の組合せ)とが比較され、一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する表示役及びメダルの払出枚数が決定され、各表示役格納領域及び払出枚数カウンタが更新される。また、一致しないときには、各表示役格納領域に格納されるデータが「0」となり、表示役はハズレとなる。このようにして、停止制御により全てのリールの回転が停止されると、メインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せに基づいて、入賞か否かが決定され、遊技者に対して特典の付与が行われる。
【0089】
次に、メインCPU64は、表示コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS13)。表示コマンドには、メインリール2,3,4が全て停止したときに送信され、決定された表示役などのデータが含まれている。
【0090】
次に、メインCPU64は、前述の変動ロック制御フラグがオンか否かを判断する(ステップS14)。変動ロック制御フラグがオンであるときは、ロックタイマに15000をセットする(ステップS15)。ロックタイマは、制御RAM66内に用意され、変動ロック制御フラグをオンの状態に維持する時間をカウントするためのタイマである。このロックタイマは、メインリール2,3,4が全て停止して表示コマンドがセットされたときに、セットされることになる。
【0091】
次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(ステップS16)。この処理では、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー72の制御やクレジットカウンタの更新が行われる。次に、メインCPU64は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS17)。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、当該カウンタから払出枚数に応じた値が減算される。
【0092】
次に、メインCPU64は、BB又はMB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS18)。メインCPU64は、BB又はMB作動中フラグがオンであると判別したときには、後述するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS19)。この処理では、ボーナスゲームの作動時に制御RAM66に格納される各種カウンタが0に更新されたか否かの判別に基づいて、ボーナスゲームの作動を終了する処理が行われる。メインCPU64は、BB及びMB作動中フラグがオフであったときは、後述するRT遊技数制御処理を行う(ステップS20)。この処理では、RTの遊技数を管理する。そして、ステップS19又はS20の後、後述するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS21)。この処理では、決定された表示役の種別に基づいて、ボーナスの作動を開始する処理が行われる。そして、以上の処理の後、ステップS2に戻る。
【0093】
次に、図18を参照して、ボーナス作動監視処理(ステップS4)について説明する。
【0094】
まず、メインCPU64は、BB作動中フラグがオンで、BBが作動中であるか否かを判断し(ステップS41)、BB作動中フラグがオンのときは、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるか否かを判断する(ステップS42)。RB作動中フラグがオフで、RBが作動中でないときは、ボーナス作動時テーブル(図13)に基づいてRB作動時処理を行う(ステップS43)。RB作動時処理では、RB作動中フラグをオンにセットする等の処理を行う。
【0095】
また、BB作動中フラグがオフで、BBが作動中でないときは(ステップS41のN)、MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるか否かを判断する(ステップS44)。MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるときは、CB作動中フラグをオンにする(ステップS45)。このように、CBはMB中に動作する。
【0096】
次に、図19を参照して、内部抽籤処理(ステップS7)について説明する。
【0097】
まず、メインCPU64は、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)に基づいて、現在の遊技状態により内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS61)。そして、使用する内部抽籤テーブルをステップS61で決定した内部抽籤テーブルに変更する処理を行う(ステップS62)。次に、メインCPU64は、乱数値格納領域に格納されている抽出された乱数値(ステップS6で格納)を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS63)。
【0098】
そして、内部抽籤テーブル(図6、図7又は図8)を参照して、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(ステップS64)。そして、判定用乱数値から当該抽籤値を減算し、この減算により桁かりが行われたか否かを判断する(ステップS65)。桁かりが行われたときは、その桁かりが行われた当籤番号を当籤番号として取得し、ステップS69に移行する。
【0099】
桁かりが行われなかったときは、前述の当籤番号に「1」加算し、前述の抽籤回数を「1」減算し(ステップS66)、これにより抽籤回数が0になったか否かを判断する(ステップS67)。抽籤回数が0になっていないときは、ステップS64に戻り、再度、判定用乱数値から当該抽籤値を減算し、この減算により桁かりが行われたか否かを判断する(ステップS65)。0になったときは当籤番号として0を取得する。
【0100】
これらの処理は、桁かりが行われるか(ステップS65のY)、抽籤回数が0になるまで(ステップS67のY)、繰り返される。この場合、2回目以降の処理では、乱数データからの抽籤値の減算は、前回の抽籤値の減算の結果の余りから更に抽籤値を減算するものとする。よって、元の乱数データは減算が繰り返されるたびに値が小さくなる。また、以上の処理が繰り返されるたびに抽籤回数も1ずつ減少していくこととなる。
【0101】
以上のようにして当籤番号を取得すると、取得した当籤番号に対応する小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタの取得を行う(ステップS69,S68)。そして、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図9)を参照し、取得した小役・リプレイ用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得する(ステップS70)。次に、内部当籤役格納領域1(図13)に当該当たり要求フラグを格納する(ステップS71)。
【0102】
次に、持越役格納領域(図14)の値が0か否か、すなわち持越役が存在しないのか否かを判断する(ステップS72)。そして、持越役格納領域の値が0で、持越役が存在しないときは、ステップS64で取得したボーナス用のデータポインタが0か否かを判断する(ステップS73)。ボーナス用のデータポインタが1以上で、BB又はMBに内部当籤したときは(ステップS73のN)、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図10)を参照し、ボーナス用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得し、この取得した当たり要求フラグを持越役格納領域に格納する(ステップS74)。すなわち、持越役格納領域のアドレスをセットして格納する。そして、以上のとおりの処理の後、持越役格納領域と内部当籤役格納領域2との論理和を内部当籤役格納領域2に格納する(ステップS75)。
【0103】
次に、CB作動中フラグがオンで、CBが作動中であるか否かを判断する(ステップS76)。CB作動中フラグがオンで、CBが作動中であるときは、内部当籤役格納領域1のビット1?3をオンにセットする(ステップS79)。これにより、CBが作動中であるときは、小役の角チェリー、中チェリー、ベル、スイカにはいつでも入賞することができる。
【0104】
すなわち、CBは、1ゲームのみ実行されるボーナスゲームであり、3つのメインリールのうち左リール2についてのみ停止開始位置から0?1コマの範囲で停止制御され、ほぼ遊技者の目押しどおりの停止制御を行うことができる。そして、CB中では、角チェリー、中チェリー、ベル、スイカの各小役について後述の内部当籤役格納領域1のビットがオンになることにより、これら角チェリー、中チェリー、ベル、スイカの各小役について重複して内部当籤するので、遊技者は左リール2の目押しにより、これらの小役に容易に入賞できる。
【0105】
次に、図20を参照してリール停止制御処理(ステップS11)について説明する。
【0106】
初めに、メインCPU64は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS81)。有効なストップボタンが押圧操作されたときは、該当するストップボタン2,3又は4の押圧操作を無効化する(ステップS82)。そして、チェック回数として4をセットする(ステップS83)。その後、図柄カウンタに対応する図柄位置からの当該チェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS84)。そして、この検索の結果に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS85)。
【0107】
次に、メインCPU64は、当該ストップボタンの押圧操作が第1停止によるものか否かを判断する(ステップS86)。そして、第1停止によるものであったときは、滑りコマ数が3か、すなわち、最大滑りコマ数か否かを判断する(ステップS87)。滑りコマ数が最大滑りコマ数の3であるときは、持越役格納領域(図14)のビット6又は7が1か、すなわち、BBが成立しているか否かを判断する(ステップS88)。持越役格納領域のビット6又は7が0で、BBが成立していないときは、内部当籤役格納領域1(図13)のビット1は0か、すなわち、小役の中チェリーが成立しているか否かを判断する(ステップS89)。BBが成立しているとき(ステップS88のY)、又は小役の中チェリーが成立しているときは(ステップS89のY)、前述の変動ロック制御フラグをオンにする(ステップS90)。このように、第1停止のリールについて、滑りコマ数が最大滑りコマ数の3であって、かつ、BBが成立しているとき又は小役の中チェリーが成立しているときに、変動ロック制御フラグをオンとなり、ロックタイマ(ステップS14,S15参照)が0になるまでの所定時間(17秒弱)の間、遊技者がスタートスイッチ33Sを操作しても次ゲームを開始しないようにする(ステップS2のY)。この場合、中チェリーは取りこぼし可能な小役であり、取りこぼしたときはハズレ目がメインリール2?4に表示されるので、ハズレ目が表示されても、変動ロック制御フラグがオンになり(ステップS90)、ロックタイマがセットされることになる(ステップS15)。
【0108】
次に、メインCPU64は、停止制御位置待ちに移行する(ステップS91)。例えば、決定された滑りコマ数が「2」であり、停止開始位置が「18」であれば、停止制御位置が「1」に決定される。そして、停止制御位置が決定されると、後述する割込処理において、当該停止制御位置に基づいて該当リールの回転を停止する処理が行われる。なお、滑りコマ数と停止制御位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。そして、リールの停止がなされたことを報知するリール停止コマンドをセットし(ステップS92)、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判断する(ステップS93)。そして、押圧操作が有効なストップボタンがあれば、ステップS81に戻る。
【0109】
次に、図21を参照して、ボーナス終了チェック処理(ステップS19)について説明する。
【0110】
初めに、メインCPU64は、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるか否かを判断する(ステップS101)。RB作動中フラグがオフであるときは、ボーナス終了枚数カウンタが0か否かを判断する(ステップS102)。ボーナス終了枚数カウンタが0のときは、BBの終了条件となる最大獲得メダル枚数に達している場合であるため、BBを終了させるBB・MB終了時処理を行う(ステップS105)。具体的には、制御RAM66の前述の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグのオフや、ボーナス終了枚数カウンタのクリアが行われる。
【0111】
また、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるときや、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であるときは、BBが作動中であるか、MBが作動中であるがMBの終了条件となる最大獲得メダル枚数に達していない場合である。この場合には、メインCPU64は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS103)。メインCPU64は、入賞が成立したと判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS104)。そして、ボーナス終了枚数カウンタは0であったときは、BBやMBを終了させるBB・MB終了時処理を行う(ステップS105)。具体的には、制御RAM66の前述の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグ等のオフや、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアが行われる。そして、BB終了時であるか否かを判断し(ステップS106)、BB終了時であれば、RTが作動中であることを示すRT作動中フラグをオンにセットする(ステップS107)。また、RTのゲーム数を管理するRTゲーム数カウンタの値に100をセットする(ステップS108)。すなわち、RTはBBのボーナスゲームの終了時に開始し、100ゲーム継続することになる。また、BB・MB終了時処理(ステップS105)を行ったので、ボーナスゲームの終了を報知するボーナス終了コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS109)。
【0112】
一方、ボーナス終了枚数カウンタは0でなかったときは(ステップS104のN)、入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS110)。そして、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS111)。入賞可能回数カウンタは0であるときは、RB終了時処理を行ない(ステップS114)、RBを終了させる。
【0113】
また、入賞可能回数カウンタは0でないとき(ステップS111のN)、あるいは、入賞が成立しなかったときは(ステップS103のN)、遊技可能回数カウンタを1減算し(ステップS112)、入賞可能回数カウンタが0であれば(ステップS113のY)、RB終了時処理を行ない(ステップS114)、RBを終了させる。
【0114】
次に、図22を参照して、RT遊技数制御処理(ステップS20)について説明する。
【0115】
まず、メインCPU64は、RT作動中フラグはオンで、RTが作動中であるか否かを判断する(ステップS131)。RT作動中フラグはオンで、RTが作動中であるときはRTのゲーム数を管理するカウンタであるRTゲーム数管理カウンタの値から1減算する(ステップS132)。これはRTを1ゲーム消化したからである。そして、RTゲーム数カウンタの値が0になったか否かを判断する(ステップS133)。前述のとおり、RTは原則として100ゲーム継続するので(ステップS108)、RTを100ゲーム消化してRTゲーム数カウンタの値が0になったときは、RTが作動中であることを示すRT作動中フラグをオフにセットし(ステップS134)、RTを終了させる。
【0116】
次に、図23を参照して、ボーナス作動チェック処理(ステップS21)について説明する。
【0117】
初めに、メインCPU64は、表示役はMBであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU64は、表示役はMBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図12)に基づいてMB作動時処理を行う(ステップS152)。
【0118】
メインCPU64は、表示役がMBでないときは、表示役がBBであるか否かを判別する(ステップS153)。メインCPU64は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図12)に基づいてBB作動時処理を行う(ステップS154)。また、BBが作動するので持越役格納領域の値をクリアする(ステップS155)。さらに、RT作動中フラグはオフにセットする(ステップS156)。すなわち、BBの入賞はRTの終了条件となる。そのうえ、ボーナスゲームの開始を報知するボーナス開始コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS157)。
【0119】
一方、表示役がBBでないときは、表示役がリプレイであるか否かを判断し(ステップS158)、表示役がリプレイであるときは、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS159)。投入枚数カウンタはメダルの投入枚数を管理するカウンタであり、自動投入カウンタはメダルを自動投入する枚数を管理するカウンタである。これにより、次のゲームではメダルを投入することなく遊技を行うことができる。
【0120】
次に、図24を参照して、主制御基板61のメインCPU64の制御により行われる、1.1173ms周期の割込処理について説明する。
【0121】
初めに、メインCPU64は、レジスタの退避を行う(ステップS181)。次に、メインCPU64は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS182)。具体的には、メインCPU64は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、メインCPU64は、入力状態コマンドの設定処理を行う(ステップS183)。入力状態コマンドは、スタートレバー33、ストップボタン34,35,36の入力状態を副制御基板62に報知するコマンドであり、ここでは、スタートレバー33、ストップボタン34,35,36の入力のチェックを行なって、入力状態コマンドをセットする。次に、メインCPU64は、通信データ送信処理を行う(ステップS184)。具体的には、前述のとおり制御RAM66内の通信データ格納領域にセットされた各種コマンドは当該処理により副制御基板62に送信される。
【0122】
次に、メインCPU64は、リール制御処理を行う(ステップS185)。具体的には、リールの回転開始要求がされた場合であれば、メインリール2,3,4の回転が開始され、一定速度での回転が行われる。また、停止制御位置が決定された場合であれば、該当リールの図柄カウンタが停止制御位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。例えば、図柄カウンタが「0」であり、停止制御位置が「4」であれば、図柄カウンタが「4」に更新されたときにリールの回転が停止される。
【0123】
次に、メインCPU64は、ステップS15でセットしたロックタイマの値が0になっているか否かを判断する(ステップS186)。ロックタイマの値が0になっていないときは、ロックタイマを更新する(ステップS187)。すなわち、ロックタイマの値から1だけ減算する。そして、これによりロックタイマの値が0になったか否かを判断し(ステップS188)、ロックタイマの値が0になったときは、変動ロック制御フラグをオフにする(ステップS189)。これにより、セット(ステップS15)されてから17秒弱で変動ロック制御フラグはオフになり、以後(ステップS2のN以下)はスタートレバー33の操作により次ゲームの開始が可能となる。
【0124】
次に、メインCPU64は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS190)。具体的には、メインCPU64は、投入枚数カウンタに基づくベットランプ9a、9b、9cの点灯や、情報表示部18への払出枚数の表示などの処理を行う。次に、メインCPU64は、タイマの管理処理(ステップS191)、レジスタの復帰を行う(ステップS192)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
【0125】
[副制御基板で使用するテーブルについて]
図25は、サブリール5,6,7の図柄配置テーブルの説明図である。
【0126】
図柄配置テーブルは、ROM83に格納されている。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各図柄表示領域の中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、メインリール2,3,4の場合と同様にサブリール5,6,7(左リール5、中リール6、右リール7)図柄カウンタと対応する図柄位置「0」?「20」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リールの図柄表示領域の中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。なお、サブリール5,6,7の図柄を装飾図柄と称している。「赤7‐赤7‐赤7」、「青7‐青7‐青7」の図柄の組み合わせは、本発明の特定の図柄の組み合わせを構成し、所定のキャラクタの装飾図柄などで構成される「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせは、本発明の特別の図柄の組み合わせを構成している。
【0127】
図26は、メインリール2,3,4の特別図柄とサブリール5,6,7の装飾図柄との対比表であり、当該データはROM83に格納されている。すなわち、後述のとおり、変動表示が停止制御されたときにサブリール5,6,7にどのような図柄位置で停止したかの情報はリール停止コマンドにより主制御基板61から副制御基板62に送信される。そして、各メインリール2,3,4の停止図柄位置により各サブリール5,6,7の停止図柄位置が決定される。図25は、この両者の対応関係を示しており、メインリール2,3,4の図柄の組み合わせとサブリール5,6,7の図柄の組み合わせとが1対1で対応している。例えば、左リール2にチェリーの図柄、中リール3に赤スイカの図柄、左リール4にANY(「ANY」とはいかなる図柄でも表示されうることを示す。以下同様。)の図柄がそれぞれ表示されると、左リール5にチェリーの図柄、中リール6にANYの図柄、左リール4にANYの図柄がそれぞれ表示される。よって、主制御基板61から後述のとおりコマンドで報知されたメインリール2,3,4の各停止図柄の組み合わせに応じて、図26の対比表を参照することにより、サブリール5,6,7の停止図柄の組み合わせを決定することができる。なお、図26に図示するものは、特別図柄と装飾図柄の対応関係の一部の例のみである。
【0128】
[コマンドについて]
次に、副制御基板62が主制御基板61から受信するコマンドについて説明する。
【0129】
図27は、この送信コマンドの構成について説明する説明図である。コマンド301は、後述のコマンド種別302、後述のパラメータ303、後述の遊技状態304、及びBCC305から構成されている。なお、BCC305はコマンド301のエラーチェックのためのデータである。
【0130】
主制御基板61では、コマンドを送信するイベントが発生したときは、制御RAM66の通信データ格納領域に当該コマンドをセットする(例えば、前述のステップS183など)。通信データ格納領域は7つのコマンドまで格納可能であり、このように、通信データ格納領域にセットされているコマンドを割り込み処理により副制御基板62に送信するようにしている。
【0131】
図28は、コマンド種別302について説明する説明図である。図28において、01H?0BHとあるのは各コマンドのコマンド種別302であり、各コマンド種別302についてのコマンド内容と、その送信時期を図示している。01Hは初期化コマンドであり、設定変更時に送信される。02Hはデモ表示コマンドであり、遊技の終了から30秒経過時に送信される。03Hはメダル投入コマンドであり、メダルの投入時に送信される。04Hはスタートコマンドであり、スタートレバー33の操作検知後の内部抽籤の結果の取得時に送信される。05Hはリール回転開始コマンドであり、メインリール2?4の回転開示時に送信される。06Hはリール停止コマンドであり、各メインリール2?4の停止時に送信される。07Hは表示コマンドであり、メインリール2?4が全て停止して表示役の結果が出た時に送信される。08Hは払出終了コマンドであり、メダルの払出し終了時に送信される。09Hはボーナス終了コマンドであり、BBに入賞した時に送信される。0AHはボーナス開始コマンドであり、BBが表示役となった時に送信される。0BHは入力状態コマンドであり、スタートレバー33、停止ボタン34,35,36の入力時に送信される。
【0132】
図29は、遊技状態304についての説明図である。遊技状態304は1バイトのデータであり、どのビットが立っているかにより現在の遊技状態を示している。例えば、bit7が立っているときはRB作動中であることを示し、bit6が立っているときはBB作動中であることを示している。Bit4は使用されていない。
【0133】
図30?図32は、パラメータ303の説明図である。図30は入力状態コマンドの例であり、図31はリール停止コマンドの例であり、図30はスタートコマンドの例である。
【0134】
入力状態コマンドのパラメータ303は1バイトのパラメータ1により構成され、何れのビットが立っているかによりスタートレバー33、停止ボタン34,35,36(左停止ボタン34、中停止ボタン35、右停止ボタン36)のうちのいずれが遊技者の操作により入力されたのかを副制御基板62に報知するものである。例えば、bit3がオンになっていれば、右停止ボタン36の入力がなされたことを示す。
【0135】
リール停止コマンドのパラメータ303は各1バイトのパラメータ1?2により構成されている。パラメータ1は、停止したのがメインリール2?4のいずれであるかを副制御基板62に報知するものであり、当該データがbit0,bit1に格納されている。バラメータ2は、その停止したメインリール2,3又は4の停止した図柄位置は「0」?「18」の何れであるか、及び、滑りコマ数は0?3のうちのいくつであるかを副制御基板62に報知するものであり、前者はbit3?bit7に、後者はbit0?bit2にそれぞれ格納されている。
【0136】
スタートコマンドのパラメータ303は各1バイトのパラメータ1?4により構成されている。パラメータ3,4は何れのビットが立っているかにより何れの役に内部当籤したのかを副制御基板62に報知するものである。例えば、bit0が立っていれば角チェリーに内部当籤している。パラメータ2はRTの開始から終了までのゲーム数(RT終了遊技数)が0?100ゲームの範囲でいくつであったかを副制御基板62に報知するものである。パラメータ1はRT中であるかないか(RT遊技状態)を副制御基板62に報知するものである。例えば、bit0が立っていればRT中であることを示す。
【0137】
[副制御回路の制御動作について]
次に、図33以下に示すフローチャートを参照して、副制御基板62が行う制御について説明する。
【0138】
以下で説明する処理において、処理を実行するOS(オペレーティングシステム)としては、マルチスレッド・マルチタスク・オペレーティングシステムを採用している。すなわち、あるタスクグループと、別のタスクグループとが、実行権をプリエンプション(横取り)しながら処理を実行する。
【0139】
図33は、遊技機1の電源投入の際に実行する処理を説明するフローチャートである。
【0140】
遊技機1の電源が投入されると、サブCPU82は、初期化処理を行う(ステップS301)。具体的には、制御RAM84のエラーチェック、タスクシステムの初期化などを行う。次に、サブCPU82は、後述するランプ制御タスク起動(ステップS302)、後述するサウンド制御タスク起動(ステップS303)、後述するサブリール制御タスク起動(ステップS304)を行う。これらは、タイマによりある時間が経過するごとに割り込み処理を行うタスクのグループである。次に、サブCPU82は、後述する主基板通信タスク起動を行う(ステップS305)。これはコマンドを主制御基板61から受信したときに割り込み処理を行うタスクのグループである。
【0141】
図34のフローチャートを参照して、ステップS302で起動されたランプ制御タスクについて説明する。
【0142】
サブCPU82は、まず、リールバックランプ47a?47c、リールバックランプ48a?48cなどのランプ関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS321)。次に、サブCPU82は、2msのイベント待ちを行なう(ステップS322)。すなわち、2ms割込イベントメッセージを受け取るまで、他のタスクが実行される。そして、2msのイベント待ち後に特別演出タイマは0か否かを判断する(ステップS323)。特別演出タイマは制御RAM84の所定領域に構築され、後述する特別演出を実行する期間を管理するためのタイマである。特別演出タイマが0でない、すなわち、特別演出を実行すべきときは、特別演出タイマの更新を行う(ステップS324)。すなわち、特別演出タイマの値を1だけ減算する。そして、これにより特別演出タイマが0になったか否かを判断する(ステップS325)。0になったときは、特別演出を実行すべき期間が終了したので、特別演出制御フラグをオフする(ステップS326)。特別演出制御フラグは、特別演出を実行中であることを示すフラグである。特別演出制御フラグは、主制御基板61における変動ロック制御フラグに対応するもので、特別演出制御フラグがオンになっている期間は、ほぼ変動ロック制御フラグがオンになっている期間に合致する。
【0143】
次に、サブCPU82は、後述するサウンド制御タスクを実行する(ステップS327)。すなわち、ステップS327からサウンド制御タスクにジャンプする。次に、当該サウンド制御タスクを実行後に当該ランプ制御タスクに戻ってきたときは、ランプデータをランプ格納領域から取り出す処理(ステップS328)からランプ制御タスクを再開する。ランプデータは、リールバックランプ47a?47c、リールバックランプ48a?48cなどのランプを演出として点灯駆動するための演出データであり、ランプ格納領域は、ROM83に存在する。そして、取り出したランプデータの解析を行なって(ステップS329)、各ランプを演出のために点灯するランプ点灯制御処理を行なう(ステップS330)。
【0144】
図35のフローチャートを参照して、ステップS303で起動されたサウンド制御タスクについて説明する。
【0145】
サブCPU82は、まず、スピーカ54,96,96から出音するサウンド関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS351)。次に、サブCPU82は、後述するサブリール制御タスクを実行する(ステップS352)。すなわち、ステップS352からサブリール制御タスクにジャンプする。次に、当該サブリール制御タスクを実行後に当該サウンド制御タスクに戻ってきたときは、サウンドデータをランプ格納領域から取り出す処理(ステップS353)からサウンド制御タスクを再開する。サウンドデータは、スピーカ54,96,96から出音するための演出データであり、サウンド格納領域は、ROM83に存在する(現実の音声データは音源IC91に存在)。そして、取り出したサウンドデータの解析を行なって(ステップS354)、スピーカ54,96,96から出音する音出力制御処理を行なう(ステップS355)。
【0146】
図36のフローチャートを参照して、ステップS304で起動されたサブリール制御タスクについて説明する。
【0147】
サブCPU82は、まず、サブリール5?7の関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS371)。次に、サブCPU82は、前述のランプ制御タスクを実行する(ステップS372)。すなわち、ステップS372からランプ制御タスクにジャンプする。次に、当該ランプ制御タスクを実行後に当該サブリール制御タスクに戻ってきたときは、サブリールの演出データを演出リール格納領域から取り出す処理(ステップS373)からサブリール制御タスクを再開する。サブリールの演出データは、サブリール5?7の回転、停止を制御するための演出データであり、演出リール格納領域は、ROM83に存在する。そして、取り出したサブリールの演出データの解析を行なって(ステップS374)、サブリール5?7を演出のために回転駆動するサブリール制御処理を行なう(ステップS375)。
【0148】
図37のフローチャートを参照して、ステップS305で起動された主基板通信タスクについて説明する。
【0149】
サブCPU82は、まず、主制御基板61から送信されるコマンドを受信する送信メッセージキューを初期化する(ステップS391)。そして、送信メッセージキューに受信されているコマンドがあるか否かをチェックし(ステップS392)、前回と異なるコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS393)。そして、前回と異なるコマンドを受信しているときは、当該コマンドから遊技情報を作成する(ステップS394)。具体的には、当該コマンドのパラメータから遊技情報を作成する。例えば、コマンドがスタートコマンドであったときはメインフラグ対応表(図31)に従ってメインフラグを決定する。また、リール停止コマンドであれば、当該メインリール2,3又は4が第1停止、第2停止、第3停止のいずれであるのか、停止制御位置が「0」?「18」の何れの位置であるのか、さらには滑りコマ数がいくつであったのかという遊技情報が作成される。そして、当該遊技情報を制御RAM84のゲームデータ記憶領域に格納し(ステップS395)、後述の受信コマンド解析処理を行って(ステップS396)、ステップS392に戻る。受信コマンド解析処理は受信したコマンドの解析を行う処理である。
【0150】
図38のフローチャートを参照して、受信コマンド解析処理(ステップS396)について説明する。
【0151】
まず、サブCPU82は、スタートコマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS411)、スタートコマンド受信時であるときは後述するスタートコマンド受信時処理を行う(ステップS412)。スタートコマンド受信時でないときは、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS413)、リール回転開始コマンド受信時であるときはリール回転開始コマンド受信時処理を行う(ステップS414)。リール回転開始コマンド受信時処理では、サブリール5?7の回転を開始するためにサブリール5?7の回転開始時に使用するサブリールの演出データを登録する。リール回転開始コマンド受信時でもないときは、リール停止コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS415)、リール停止コマンド受信時であるときは後述するリール停止コマンド受信時処理を行う(ステップS416)。リール停止コマンド受信時処理では、特別演出制御フラグをオンにして特別演出を開始するなどの処理を行う。リール停止コマンド受信時でもないときは、表示コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS417)、表示コマンド受信時であるときは後述する表示コマンド受信時処理を行う(ステップS418)。
【0152】
表示コマンド受信時でもないときは、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS419)、ボーナス開始コマンド受信時であるときは所定のボーナス開始コマンド受信時処理を行う(ステップS420)。ボーナス開始コマンド受信時でもないときは、ボーナス終了時コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS421)、ボーナス終了時コマンド受信時であるときは所定のボーナス終了時コマンド受信時処理を行う(ステップS422)。ボーナス終了時コマンド受信時でもないときは、入力状態コマンド受信時であるか否かを判断し(ステップS423)、入力状態コマンド受信時であるときは後述の入力状態コマンド受信時処理を行う(ステップS424)。入力状態コマンド受信時処理では、特別演出におけるサブリール5?7の変動及び停止の制御などを行う。入力状態コマンド受信時でもないときは、その他の受信したコマンドに対応する処理を実行する(ステップS425)。
【0153】
図39のフローチャートを参照して、スタートコマンド受信時処理(ステップS412)について説明する。
【0154】
まず、サブCPU82は、各種遊技数カウンタ更新処理を行う(ステップS441)。ここでは、演出状態遊技数カウンタの更新処理などを行う。次に、演出番号抽籤処理を行う(ステップS442)。ここでは、スタートコマンドで報知された内部当籤役の遊技情報に基づいて演出データを特定するための演出番号を所定の抽籤により決定する。次に、サブCPU82は、後述するサブリール停止態様決定処理を行う(ステップS443)。ここでは、サブリール5?7を停止制御するための図柄停止テーブルを決定する。これにより、サブリール5?7をどのような位置で停止するかが決定される。次に、サブCPU82は、サウンド・バックランプ用演出データの決定処理を行なう(ステップS444)。ここでは、決定された演出番号に基づいてサウンドデータ、ランプデータの各演出データを決定する。次に、サブCPU82は、登録されている演出番号に基づいて、スタートレバー33の押下による開始操作時の演出データを登録する(ステップS445)。
【0155】
図40、図41のフローチャートを参照して、サブリール用停止態様決定処理(ステップS443)について説明する。
【0156】
この処理では、内部当籤役がBB1か、BB2か、MBか、ハズレか、リプレイか、ベルか、スイカか、角チェリーか、中チェリーかを判断し(ステップS461,S463,S465,S467,S469,S471,S473,S475,S477)、その内部当籤役に応じた停止テーブルを決定する(ステップS462,S464,S466,S468,S470,S472,S474,S476,S478)。ここで各停止テーブルは当該内部当籤役に応じてサブリール5?7の停止位置を決定するためのデータを登録したテーブルである。そして、それぞれ決定された停止テーブルをセットする(ステップS479)。また、内部当籤役がBB1、BB2の場合に使用されるBB1成立用停止テーブル、BB2成立用停止テーブルは、それぞれBB1、BB2の図柄の組み合わせを揃えることができなかったときは、リール表示窓部50の外(遊技者が見ることができない領域)に「赤7‐赤7‐赤7」(BB1の場合)若しくは「青7‐青7‐青7」(BB2の場合)又は「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄を揃えるような停止制御を行う。
【0157】
図42のフローチャートを参照して、表示コマンド受信時処理(ステップS418)について説明する。
【0158】
まず、サブCPU82は、表示コマンドにより報知された表示役に基づいて演出データ(サウンドデータ、ランプデータ、リールの演出データ)をセットする(ステップS491)。そして、特別演出制御フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS492)。特別演出制御フラグがオンになっているときは、特別演出タイマに8380をセットする(ステップS493)。前述のとおり特別演出タイマは2msごとに1だけ減算されるダウンカウンタであるため、特別演出タイマが8380から0になるまでの時間は17秒弱であり、主制御基板61における変動ロック制御フラグが0になるまでの時間とほぼ同じである。特別演出制御フラグは、主制御基板61における変動ロック制御フラグに対応するもので、特別演出制御フラグがオンになっている期間は、ほぼ変動ロック制御フラグがオンになっている期間に合致することになる。すなわち、メインリール2?4がすべて停止してから約17秒の間は主制御基板61においては変動ロック制御フラグのオンにより次回のゲームの開始が禁止され、副制御基板62では後述する特別演出が実行されることになる。
【0159】
図43のフローチャートを参照して、リール停止コマンド受信時処理(ステップS416)について説明する。
【0160】
まず、サブCPU82は、特別演出制御フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS501)。特別演出制御フラグがオンであるときは、ステップS508に移行する。後述のとおり、特別演出制御フラグは第1停止操作がされたときにオンにされるので、特別演出制御フラグがオンでステップS508に移行するのは、特別演出制御フラグが第1停止でオンにされた後、第2停止、第3の停止がされたときである。
【0161】
特別演出制御フラグがオフであるときは(ステップS501のN)、リール停止コマンドによりメインリールの第1停止したリールの停止が報知されたか否かを判断し(ステップS502)、第1停止であったときは、リール停止コマンドにより報知された滑りコマ数は最大値である3であったか否かを判断する(ステップS503)。そして、滑りコマ数が3であったときは、スタートコマンドで報知されている内部当籤役がBB1又はBB2であるか否かを判断し(ステップS504)、内部当籤役がBB1又はBB2でないときは、内部当籤役は中チェリーであるか否かを判断する(ステップS505)。ステップS502以下の判断により、メインリールの第1停止で、滑りコマ数は最大値である3であったときに、内部当籤役がBB1若しくはBB2又は中チェリーであったときは、特別演出制御フラグをオンにする(ステップS506)。滑りコマ数が最大値である3であったときは、メインリール2?4において引き込み可能な図柄の自由度が高くなり、よって、メインリール2?4の停止図柄の組み合わせと対応関係にあるサブリール5?7において表示できる図柄の自由度も高くなる。
【0162】
このように、ステップS502?S505の判断は、メイン制御基板61におけるステップS86?S89の判断と同様であり、メインリールの第1停止で、滑りコマ数は最大値である3であったときに、内部当籤役がBB1若しくはBB2又は中チェリーであったことを成立条件とする点で特別演出制御フラグ変動ロック制御フラグ(ステップS90)と対応している。このように、特別演出制御フラグをオンにしたときは、内部当籤役がBB1かBB2か中チェリーかに応じて特定の停止テーブルを決定する(ステップS507)。すなわち、これらの内部当籤役においても、サブリール用停止態様決定処理(図40)において、それぞれの停止テーブルが決定されているが(ステップS462,S464,S478)、特別演出制御フラグをオンにしたときは、特別演出を実行するため、これらとは別の特別の停止テーブルを決定する。
【0163】
そして、メインリールの第1停止で特別演出制御フラグをオンにしたとき、及び特別演出制御フラグをオンになっているときのメインリールの第2停止、第3停止があったときは(ステップS506,S501のY)、ステップS507で決定した特定の停止テーブルと、当該メインリールについて検出された停止操作時期とに基づいてサブリール5?7の停止制御位置を決定する(ステップS508)。ここでは、詳細は後述するが、リール表示窓部50の外(遊技者が見ることができない領域)にボーナス図柄を表示するような停止制御を行うようにサブリール5?7の停止制御位置を決定する。具体的には、内部当籤役がBB1の場合は「赤7‐赤7‐赤7」又は「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせ、内部当籤役がBB2の場合は「青7‐青7‐青7」又は「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせである。
【0164】
特別演出制御フラグがオフで、メインリールの第2停止又は第3停止であったとき(ステップS502のN)、滑りコマ数が2以下であったとき(ステップS503のN)、内部当籤役がBB1、BB2、中チェリーのいずれでもなかったときは(ステップS505のN)、サブリール用停止態様決定処理(図40)において決定された停止テーブルと、当該メインリールについて検出された停止操作時期とに基づいてサブリール5?7の停止制御位置を決定する(ステップS509)。
【0165】
以上のようにサブリール5?7の停止制御位置を決定すると(ステップS508,S509)、当該停止制御位置に対応する演出データ(ランプデータ、サウンドデータ、リールの演出データ)をセットする(ステップS510)。
【0166】
図44のフローチャートを参照して、入力状態コマンド受信時処理(ステップS424)について説明する。
【0167】
まず、サブCPU82は、特別演出タイマは0か否かを判断する(ステップS521)。特別演出タイマが0でないときは、特別演出は実行中であり、このときは、入力状態コマンドの報知によりスタートレバー33の入力の検知がなされたか否かを判断する(ステップS522)。前述のとおり、特別演出中は変動ロック制御フラグがオンにされていて(ステップS2のN)、スタートレバー33が操作されても次ゲームは開始しない。この場合にスタートレバー33の入力の検知がされたときは、内部当籤役がBB1又はBB2であるか否かを判断する(ステップS523)。そして、内部当籤役がBB1又はBB2であるときは、サブリール5?7の再変動に対応するボーナス報知用演出データをセットする(ステップS524)。内部当籤役がBB1又はBB2でないときは、サブリール5?7の再変動に対応するハズレ報知用演出データをセットする(ステップS525)。ボーナス報知用演出データ、ハズレ報知用演出データは、いずれもランプデータ、サウンドデータ、リールの演出データにより構成されている。
【0168】
ここで、図45?図48を参照して、特別演出におけるサブリール5?7による具体的な演出の内容について説明する。
【0169】
図45?図47の(1)?(7)には、サブリール5?7におけるリール表示窓部50の装飾図柄の表示を当該順番に経時的に説明するものである。リール表示窓部50は、メインリール2?4のリール表示窓部39と同様に、サブリール5?7の装飾図柄を上段、中段、下段の3段(3つの装飾図柄の範囲)に渡って遊技者に視認できるように表示する領域であり、表示窓となる。リール表示窓部50の上部に図示した領域401には、サブリール5?7において、リール表示窓部50の上段に表示されている装飾図柄の1つ後の装飾図柄を示している。もちろん、この領域401の装飾図柄は遊技者には見えないが、説明の便宜上図示している。
【0170】
まず、(1)には、1ゲームの開始前の停止状態のサブリール5?7の装飾図柄の表示例を示している。この状態で遊技者がスタートレバー33を操作すると、(2)に示すように、サブリール5?7の変動表示が開始される(図の矢印の方向に装飾図柄が移動)。これは、リール回転開始コマンド受信時処理(ステップS414)により行われる。
【0171】
次に、遊技者がストップボタン34,35,36により第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作を行うことにより、(3)に示すように、サブリール5?7はそれぞれ停止制御されることになる。この停止制御に使用される停止テーブルは、メインリール2,3又は4の第1停止で滑りコマ数が3のときに、内部当籤役がBB1,BB2又は中チェリーである特別演出の場合は、ステップS507で特定の停止テーブルとなり、それ以外の場合は、サブリール用停止態様決定処理(図40、図41)で決定された停止テーブルとなる。
【0172】
ここで、(3)の例は、BB1が内部当籤役である場合に、特別演出によりステップS507の特定の停止テーブルに基づいて停止制御されたときの図柄停止である。この停止状態のときのサブリール5?7全体の停止位置を図48に示している。内部当籤役が小役の中チェリーの場合であっても、同様の図柄位置で停止制御される。
【0173】
すなわち、特別演出を行なうときは、前述のとおりメインリール2?4が滑りコマ数が最大値の3であったときである。メインリール2?4が滑りコマ数が最大値の3であったときは、滑りコマ数が大きいために引き込める図柄の許容度が高い。そして、メインリール2?4の表示図柄の組み合わせとサブリール5?7の表示図柄の組み合わせとは対応関係があるので(図26)、サブリール5?7に表示できる図柄の組み合わせの許容度も高いことになる。よって、各サブリール5?7において「赤7‐赤7‐赤7」のような装飾図柄の組み合わせをリール表示窓部50の外に容易に停止させることができる。
【0174】
リール表示窓部50は図48において矢印に示すようにサブリール5?7に対して相対的に上方向に移動する(サブリール5?7がリール表示窓部50に対して相対的に下方向に移動する)。(3)の状態では、各サブリール5?7において「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50の上段から図柄2つ分だけ後に位置しているのがわかる。もちろん、この各サブリール5?7における「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせはリール表示窓部50の外にあるため、(3)の停止状態では遊技者は見ることができない。
【0175】
この状態では変動ロック制御フラグもオンであるため、スタートレバー33を操作しても次のゲームが開始することはない(ステップS2のY)。そして、特別演出タイマも0となっていないため(ステップS521のN)、スタートレバー33を操作すると内部当籤役に応じてボーナス用演出データ又はハズレ報知用演出データがセットされる(ステップS522?S525)。すなわち、内部当籤役がBB1又はBB2であればボーナス用演出データがセットされ、小役の中チェリーでればハズレ報知用演出データがセットされる。
【0176】
このボーナス用演出データ及びハズレ報知用演出データは、サウンドデータ、ランプデータ、リールの演出データからなる。スタートレバー33を操作すると、このうちのリールの演出データに基づき、ステッピングモータ101を制御して装飾図柄1コマ分だけ各サブリール5?7を順方向に回転駆動して自動停止する演出を行う。
【0177】
(4)は(3)の停止状態から、この停止状態における「赤7‐赤7‐赤7」の図柄の組み合わせを維持したまま、装飾図柄1コマ分だけ各サブリール5?7が回転することを示しており(再変動)、(5)は当該装飾図柄1コマ分の回転後に自動停止(再停止)した状態を示している。スタートレバー33を操作すると、装飾図柄1コマ分だけ各サブリール5?7を順方向に回転して自動停止する当該特別演出は、特別演出タイマが0になるまでの17秒弱の間は複数回行うことができる。もう一度スタートレバー33を操作することにより、(6)は(5)の停止状態から、この停止状態における「赤7‐赤7‐赤7」の図柄の組み合わせを維持したまま、再度装飾図柄1コマ分だけ各サブリール5?7を順方向に回転駆動(再変動)していることを示し、(7)は、その後に自動停止した停止状態(再停止)を示している。
【0178】
(3)の例では、図48に示すように、各サブリール5?7において「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせはリール表示窓部50の上段から図柄2つ分だけ後に位置していたので、スタートレバー33をこのように2回操作したことにより、各サブリール5?7において「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50の上段に表示され、遊技者はそれを目にすることができる。(4)?(7)までの動きはボーナス用演出データ(ステップS524)、ハズレ報知用演出データ(ステップS525)とも共通であるが、隠れていた「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50に表示されると、ボーナス用演出データの場合はスタートレバー33を操作しない限り「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50に表示された状態のまま留まるのに対して、ハズレ報知用演出データの場合は、「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50に表示されたと思うと、その後、各サブリール5?7が自動的に回転(逆方向又は順方向)して、各サブリール5?7における「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせはリール表示窓部50の外に移動して、遊技者の目にふれないようになる。すなわち、ハズレ報知用演出データの場合は、「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせがリール表示窓部50に表示されると見せかけて、結局は表示されないことになる。
【0179】
このように、特別演出に移行したときは、BB1に内部当籤していれば、主制御基板61におけるBB1の特別図柄の組合せである「赤7‐赤7‐赤7」に対応した図柄である「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせ(図26)をサブリール5?7においても特別演出により表示させることができる。よって、BB1の確定を特別演出による「赤7‐赤7‐赤7」の装飾図柄の組み合わせの表示により報知することができる。また、BB1に内部当籤しているときは、前述した「赤7‐赤7‐赤7」の図柄の組み合わせの場合と同じ手法により「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせを表示して(リール表示窓部50の外に停止させ、遊技者の開始操作によりサブリール5?7が少しずつ移動してリール表示窓部50内に表示させる)、BB1の確定を報知する場合もある。
【0180】
また、BB2に内部当籤したときは、主制御基板61におけるBB2の特別図柄の組合せである「青7‐青7‐青7」に対応した図柄である「青7‐青7‐青7」の装飾図柄の組み合わせ(図26)を、サブリール5?7においても特別演出により表示させることができる。また、この場合に、「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせを表示して(リール表示窓部50の外に停止させ、遊技者の開始操作によりサブリール5?7が少しずつ移動してリール表示窓部50内に表示させる)、BB1の確定を報知する場合もある。
【0181】
これに対して、特別演出を実行しても実は中チェリーに内部当籤していて、ボーナスゲームの作動にかかるBB1又はBB2に内部当籤していなかったときは、「赤7‐赤7‐赤7」あるいは「青7‐青7‐青7」の装飾図柄(あるいは、「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の装飾図柄)が特別演出により一旦は表示されるが、その後、リール表示窓部50の外に移動してしまうので、特別演出に移行はしてもボーナスゲームはハズレであることを遊技者に報知することになる。
【0182】
このように、本遊技機1によれば、メインリール2?4、サブリール5?7の停止した図柄の組み合わせによりBBのボーナスゲームに移行できなかったと遊技者が思っても、その後にスタートレバー33により開始操作を行うことでサブリール5?7の再変動と再停止が実行され、BBが成立していることを報知する「赤7‐赤7‐赤7」、「青7‐青7‐青7」の図柄の組み合わせがリール表示窓部50に表示されてBBの確定が遊技者に報知されるので、BBの入賞に関係ない組み合わせの図柄がメインリール2?4、サブリール5?7に表示されたときでも遊技者は期待をもって遊技を続行できるので、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
【0183】
しかも、再変動と再停止により、BB1の場合は「赤7‐赤7‐赤7」が表示され、BB2の場合は「青7‐青7‐青7」が表示されるので、BBの種別まで遊技者に報知されて、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
【0184】
さらに、サブリール5?7におけるボーナス図柄である「赤7‐赤7‐赤7」、「青7‐青7‐青7」のほかに、所定のキャラクタの装飾図柄などで構成される「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」という図柄の組み合わせであるリーチ目を特別演出により表示することでもBBの確定が遊技者に報知されるので、BBの入賞に関係ない組み合わせの図柄がメインリール2?4、サブリール5?7に表示されたときでも遊技者は期待をもって遊技を続行できるので、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
【0185】
さらに、特別演出中はスタートレバー33の開始操作ごとにサブリール5?7が再変動と再停止とを行い、複数回の開始操作により「赤7‐赤7‐赤7」、「青7‐青7‐青7」、「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせが表示される可能性があるので、遊技者にスタートレバー33の操作を促し、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0186】
また、前述の例では1回のスタートレバー33の操作により1図柄分だけ再変動と再停止を行なうように構成しているが、複数図柄分だけ再変動と再停止を行なうようにしてもよいし、1回転、あるいは複数回転するようにしてもよいし、あるいは、1図柄分より短い距離(例えば0.1図柄分)だけ再変動と再停止を行なうようにしてもよい。さらに、1回のスタートレバー33の操作により「赤7‐赤7‐赤7」、「青7‐青7‐青7」、「キャラクタ‐キャラクタ‐キャラクタ」の図柄の組み合わせが表示されるようにしてもよい。
【0187】
さらに、前述の実施例ではサブリール5?7により特別演出を行なうようにしているが、メインリール2?4により特別演出を行なうようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明の一実施形態である遊技機の外観を示す平面図である。
【図2】遊技機の電気的な接続を示すブロック図である。
【図3】遊技機の副制御基板の電気的な接続を示すブロック図である。
【図4】特別図柄の図柄配置テーブルの説明図である。
【図5】内部抽籤テーブル決定テーブルの説明図である。
【図6】一般遊技状態用内部抽籤テーブルの説明図である。
【図7】RB遊技状態用内部抽籤テーブルの説明図である。
【図8】RT遊技状態用内部抽籤テーブルの説明図である。
【図9】小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルの説明図である。
【図10】ボーナス用内部当籤役決定テーブルの説明図である。
【図11】図柄組み合わせテーブルの説明図である。
【図12】ボーナス作動時テーブルの説明図である。
【図13】内部当籤役格納領域の説明図である。
【図14】持越役格納領域の説明図である。
【図15】作動中フラグ格納領域の説明図である。
【図16】メインCPUの制御によるメインフローチャートである。
【図17】メインCPUの制御によるメインフローチャートである。
【図18】ボーナス作動監視処理のフローチャートである。
【図19】内部抽籤処理のフローチャートである。
【図20】リール停止制御処理のフローチャートである。
【図21】ボーナス終了チェック処理のフローチャートである。
【図22】RT遊技数制御処理のフローチャートである。
【図23】ボーナス作動チェック処理のフローチャートである。
【図24】メインCPUの制御による割込処理のフローチャートである。
【図25】装飾図柄の図柄配置テーブルである。
【図26】特別図柄と装飾図柄の対比表である。
【図27】送信コマンドの構成を示す説明図である。
【図28】コマンド種別の説明図である。
【図29】遊技状態の説明図である。
【図30】入力状態コマンドのパラメータの説明図である。
【図31】リール停止状態コマンドのパラメータの説明図である。
【図32】スタートコマンドのパラメータの説明図である。
【図33】電源投入時に実行する処理のフローチャートである。
【図34】ランプ制御タスクのフローチャートである。
【図35】サウンド制御タスクのフローチャートである。
【図36】サブリール制御タスクのフローチャートである。
【図37】主基板通信タスクのフローチャートである。
【図38】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【図39】スタートコマンド受信時処理のフローチャートである。
【図40】サブリール用停止態様決定処理のフローチャートである。
【図41】サブリール用停止態様決定処理のフローチャートである。
【図42】表示コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図43】リール停止コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図44】入力状態コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図45】特別演出について説明する説明図である。
【図46】特別演出について説明する説明図である。
【図47】特別演出について説明する説明図である。
【図48】特別演出について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0189】
1 遊技機
2 メインリール
3 メインリール
4 メインリール
5 サブリール
6 サブリール
7 サブリール
33 スタートレバー
34 ストップボタン
35 ストップボタン
36 ストップボタン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の結果を報知するための複数の図柄が外周面にそれぞれ付されている複数のリールと、
前記各リールについて前記複数の図柄の一部を視認させる表示窓と、
単位遊技を開始するための開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、
停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
複数種類の特別の条件のうちの一の特別の条件を成立させることを許可するか否か決定する特別条件許可決定手段と、
前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立したか否かを判定する特別条件成立判定手段と、
前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出を契機として前記各リールを回転して前記表示窓に表示される前記図柄の変動を行ない、前記停止操作検出手段により停止操作の検出があったときは当該停止操作に対応する前記リールの回転を停止することにより当該リールについて当該停止操作の検出があった位置から所定のコマ数の範囲内で前記図柄を前記表示窓に停止表示する図柄表示制御手段と、
前記特別条件成立判定手段によって前記特別の条件が成立したと判定したときは遊技状態を遊技者にとって相対的に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記図柄表示制御手段は、
所定の条件が成立したときは、前記表示窓の外の位置に前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件の成立が許可されていることを報知する特別の図柄の組み合わせを停止し、
これにより前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせが停止されているときに前記開始操作検出手段による開始操作の検出をしても次の単位遊技の開始を禁止するための遊技ロックを行い、
前記所定の条件が成立している所定の期間内は、前記特別の図柄の組み合わせが表示されるまで前記開始操作検出手段による開始操作の検出が複数回可能であり、
前記開始操作検出手段により開始操作の検出がある毎に、単位遊技の開始を行わずに特別条件許可決定手段により前記一の特別の条件が成立したか否かを判定するとともに、前記特別の図柄の組み合わせを維持したまま前記各リールを回転させて前記表示窓に表示される前記図柄の変動を再度行なう再変動を実行し、
当該再変動が行なわれた後に前記各リールを再度停止する再停止を行ない、
前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは前記表示窓内の位置に決定された前記一の特別の条件に対応する前記特別の図柄の組み合わせを表示し、
前記特別の条件が成立していないときは前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記図柄表示制御手段は、
前記所定の条件が成立して前記表示窓の外の位置に前記特別の図柄の組み合わせを停止したときは、前記開始操作検出手段により開始操作の検出がなされる毎に前記各リールの所定方向への所定図柄分の距離内での前記再変動と再停止とを行なうことにより、当該再変動と再停止とを繰り返し行ない、
前記特別条件許可決定手段により前記特別の条件が成立しているときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示し、前記特別の条件が成立していないときは、前記再変動と前記再停止との繰り返しにより一旦は前記表示窓内の位置に前記特別の図柄の組み合わせを表示するが、その後、何の操作を行うことなく前記表示窓の外の位置に当該特別の図柄の組み合わせを停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2015-01-07 
出願番号 特願2007-328745(P2007-328745)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 太田 恒明  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 平城 俊雅
長崎 洋一
登録日 2013-03-01 
登録番号 特許第5210622号(P5210622)
発明の名称 遊技機  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 塩澤 克利  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 塩澤 克利  
代理人 鹿股 俊雄  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ