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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03B
管理番号 1298750
審判番号 不服2014-5175  
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-03-19 
確定日 2015-04-09 
事件の表示 特願2008-303364「写真シール作成装置および方法,並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 6月10日出願公開,特開2010-128222,請求項の数(9)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成20年11月28日の出願であって,平成25年2月8日付けで拒絶理由が通知され,同年4月4日に意見書及び手続補正書が提出され,同年7月29日付けで拒絶理由が通知され,同年9月19日に意見書及び手続補正書が提出されたところ,平成25年9月19日提出の手続補正書による補正が平成25年12月17日付けで却下されるとともに同日付けで拒絶査定がされ,これに対し,平成26年3月19日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされたものである。


第2 平成26年3月19日提出の手続補正書による補正の適否
1 補正の内容
平成26年3月19日提出の手続補正書による補正(以下,「本件補正」という。)は,平成25年4月4日提出の手続補正書による補正後(以下,「本件補正前」という。)の特許請求の範囲及び明細書についてするものであって,そのうち特許請求の範囲の請求項1についての補正は,本件補正前の請求項1が次の(1)のとおりであったものを,次の(2)のとおりに補正するものであり((1)及び(2)における下線は補正箇所を示す。),当該請求項1についての本件補正は,次の(3)の補正事項からなる。

(1)本件補正前の請求項1
「【請求項1】
写真シール作成ゲームとして,利用者に,前記利用者を被写体とする撮影作業,および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ,さらに,得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し,印刷された前記シールシートを排出し,写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置において,
前記利用者の操作に基づいて,前記撮影作業により得られた画像に対して入力される前記編集情報の複数の色の組み合わせであるカラフルカラーを特定する情報の受け付けを制御するカラフルカラー受付制御手段と,
入力すべき前記編集情報を選択するためのGUIであって,前記カラフルカラー受付制御手段により受け付けられたN個の色の組み合わせのうち,第1色目乃至第N色目の色のそれぞれに対応する色の前記GUIを順次切り替えて表示するように制御するGUI表示制御手段とを備え,
前記GUI表示制御手段は,
選択された前記編集情報が前記GUI上に表示される都度,または,選択された前記編集情報が前記撮影作業により得られた画像上に表示される都度,前記GUIの表示を切り替える
写真シール作成装置。」

(2)本件補正後の請求項1
「【請求項1】
写真シール作成ゲームとして,利用者に,前記利用者を被写体とする撮影作業,および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ,さらに,得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し,印刷された前記シールシートを排出し,写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置において,
前記撮影作業により得られた画像に対して入力される前記編集情報である文字または図形の色となる複数の色の組み合わせであるカラフルカラーの選択の受け付けを,前記カラフルカラーを構成する複数の色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいて制御するカラフルカラー受付制御手段と,
入力すべき前記編集情報を選択させるために複数の文字または複数の図形が表示される選択パレットにおいて,前記複数の文字または複数の図形の色を,前記ボタンが操作されることで前記カラフルカラー受付制御手段により選択が受け付けられた前記カラフルカラーを構成する複数の色のうちのいずれか1つの色に順次切り替えて表示するように制御する選択パレット表示制御手段と
を備え,
前記選択パレット表示制御手段は,前記編集情報として選択された前記文字または図形が前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して入力される都度,前記選択パレットに表示される前記複数の文字または複数の図形の色を切り替える
写真シール作成装置。」

(3)補正事項
補正事項1:
本件補正前の請求項1に記載された「カラフルカラー受付制御手段」が行う「制御」に関して,「利用者の操作」を「カラフルカラーを構成する複数の色が表示された1つのボタンに対する操作」に限定し,「カラフルカラーを特定する情報の受け付け」を「カラフルカラーの選択の受け付け」に限定する。

補正事項2:
本件補正前の請求項1に記載された「編集情報」を,「文字または図形」に限定する。

補正事項3:
本件補正前の請求項1に記載された「編集情報を選択するためのGUI」を,「複数の文字または複数の図形が表示される選択パレット」に限定するとともに,本件補正前の請求項1の「GUI表示制御手段」という名称を当該限定に整合させて「選択パレット表示制御手段」に変更する。

補正事項4:
本件補正前の請求項1に記載された「GUI表示制御手段」(本件補正後の「選択パレット表示制御手段」)が行う,「前記カラー受付制御手段により受け付けられたN個の色の組み合わせのうち,第1色目乃至第N色目の色のそれぞれに対応する色の前記GUIを順次切り替えて表示」する「制御」を,「選択パレットにおいて,前記複数の文字または複数の図形の色を,前記ボタンが操作されることで前記カラフルカラー受付制御手段により選択が受け付けられた前記カラフルカラーを構成する複数の色のうちのいずれか1つの色に順次切り替えて表示」する「制御」に限定する。

補正事項5:
本件補正前の請求項1に記載された「GUI表示制御手段」(本件補正後の「選択パレット表示制御手段」)が行う,「GUIの表示」の切り替えタイミングを,「選択された前記編集情報が前記GUI上に表示される都度,または,選択された前記編集情報が前記撮影作業により得られた画像上に表示される都度」から,「前記編集情報として選択された前記文字または図形が前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して入力される都度」に限定するとともに,「GUIの表示」の切り替えを,「前記選択パレットに表示される前記複数の文字または複数の図形の色」の切り替えに限定する。

2 新規事項の追加の有無について
前記1(3)で述べた補正事項1における限定事項(カラフルカラーを構成する複数の色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいてカラフルカラーの選択の受け付けがされる点)は,本願の願書に最初に添付した明細書(以下,願書に最初に添付した明細書を「当初明細書」といい,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面を総称して「当初明細書等」という。)の【0180】,【0190】,【0191】,【0214】等に記載されているから,当該補正事項1は当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
また,前記1(3)で述べた補正事項2における限定事項(文字または図形が撮影作業により得られた画像に対して入力される点)は,当初明細書の【0195】,【0200】,【0205】,【0210】,【0218】,【0223】等に記載されているから,当該補正事項2は当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
また,前記1(3)で述べた補正事項3における限定事項(選択パレットにて複数の文字または図形が表示される点)は,当初明細書の【0121】等に記載されているから,当該補正事項3は当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
さらに,前記1(3)で述べた補正事項4における限定事項(選択パレットにて表示する複数の文字または複数の図形の色を,選択されたカラフルカラーの複数の色のうちのいずれか一つの色に順次切り替える点),及び補正事項5における限定事項(文字または図形が画像に対して入力される都度,選択パレットにて表示される複数の文字または複数の図形の色を切り替える点)は,当初明細書の【0191】ないし【0211】,【0214】ないし【0224】等に記載されているから,当該補正事項4及び5は当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
したがって,請求項1についての本件補正は,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしている。

3 補正の目的について
前記1(3)で述べた補正事項1ないし5は,本件補正前の請求項1について,その発明特定事項である「カラフルカラー受付制御手段」が行う「制御」の内容,「編集情報」,「編集情報を選択するためのGUI」,「GUI制御手段」が行う「制御」の内容,「GUI表示」の切り替えタイミング及び切り替え内容にそれぞれ限定を付加するものであって,本件補正の前後で当該請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であると認められるから,特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

4 独立特許要件について
前記3で述べたように,請求項1についての本件補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本件補正発明」という。)について,特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は,前記1(2)にて本件補正後の請求項1として記載したとおりのものである。

(2)引用例
ア 特開2006-85173号公報
(ア) 原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-85173号公報(以下,「引用文献1」という。)は,本願の出願前に頒布された刊行物であって,当該引用文献1には,次の記載がある。(下線は,後述する引用発明の認定に特に関係する箇所を示す。)
a 「【請求項1】
使用者が撮影画像に対して画像入力をするペン入力領域が1つの第1の入力画面と,当該ペン入力領域が2つの第2の入力画面とを表示する表示手段と,
上記第1の入力画面または上記第2の入力画面を上記表示手段に表示していずれかの入力画面で使用者に画像入力を実行させる入力ステップを実行する制御手段と,
上記撮影画像と,上記入力画面のペン入力領域に画像入力されたペン入力画像との合成画像を写真プリントとして印刷するプリント手段とを備え,
上記制御手段は,第1の入力画面および第2の入力画面において,撮影画像の縮小画像が表示されてペン入力領域に表示する撮影画像を選択するための画像選択部を表示するよう制御することを特徴とする画像プリント作成装置。」

b 「【技術分野】
【0001】
本発明は,ゲームセンター等に設置され,硬貨等の投入により使用者を撮影し,撮影画像をプリントする画像プリント作成装置,方法,およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,ゲームセンター等において,写真を撮影してシールプリント等にする画像プリント作成装置が数多く設置されているが,このような画像プリント作成装置としては,従来,たとえば図12に示すような構成のものが提供されている。
・・・(中略)・・・
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで,最近は,画像プリント作成装置の利用者の増加とともに,そのニーズも多様化している。たとえば,撮影時に得られるオリジナルな色調をもつ画像だけでなく,写真全体の雰囲気を新たに演出するために,撮影後の画像に対してマリーン系あるいはセピア系といった色調の仕上がりに変更するなど,写真の色調等に変化を加えることが望まれている。また,文字やスタンプ等の手書き画像を入力して,撮影画像に変化をもたせる場合にも,画一的なものではなく多様な変化をもたせることで使用者M独自の個性のある写真プリントを得たいという要請も強い。
【0008】
しかし,従来の画像プリント作成装置は,被写体を撮影して得られるオリジナルな色調をもつ画像を単にプリントするだけであって,写真の色合いなどを使用者Mの好みに合わせて自由に変更することができない。また,被写体Mの背景画像として各種の趣向を凝らしたものも数多く提供されているが,フレームと被写体Mとを単に合成するだけの画一的なものであるため,次第に満足されなくなってきている。
【0009】
さらに,従来の画像プリント作成装置では,撮影後の画像をモニタに表示し,この表示された画像に対してタッチペン等で手書き画像を入力してオリジナルの撮影画像に合成できるようにしたものも提供されているが,この装置も単に手書き画像を撮影画像に合成できるようにしただけで,手書き画像に対してさらに使用者の好みに応じて着色を施したり,手書き画像を変形させたり,さらには背景色を変更するなど,使用者の多様な好みに適切に対応できるまでには至っておらず,使用者の撮影の楽しみを未だ十分に満足させるものではない。
【0010】
また,従来の画像プリント作成装置では,使用者が撮影画像に対して画像入力をするペン入力領域が1つの第1の入力画面と,当該ペン入力領域が2つの第2の入力画面とを表示し,第1の入力画面または上記第2の入力画面のいずれかの入力画面で使用者が画像入力を実行することができなかった。
【0011】
本発明は,このような事情に鑑みてなされたもので,使用者が第1の入力画面または第2の入力画面のいずれかの入力画面で画像入力を実行し,撮影画像と,入力画面のペン入力領域に画像入力されたペン入力画像との合成画像を写真プリントとして得ることができる画像プリント作成装置,方法,およびプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため,本発明の画像プリント作成装置は,
使用者が撮影画像に対して画像入力をするペン入力領域が1つの第1の入力画面と,当該ペン入力領域が2つの第2の入力画面とを表示する表示手段と,
上記第1の入力画面または上記第2の入力画面を上記表示手段に表示していずれかの入力画面で使用者に画像入力を実行させる入力ステップを実行する制御手段と,
上記撮影画像と,上記入力画面のペン入力領域に画像入力されたペン入力画像との合成画像を写真プリントとして印刷するプリント手段とを備え,
上記制御手段は,第1の入力画面および第2の入力画面において,撮影画像の縮小画像が表示されてペン入力領域に表示する撮影画像を選択するための画像選択部を表示するよう制御することを要旨とする。
・・・(中略)・・・
【発明の効果】
【0015】
すなわち,本発明の画像プリント作成装置,方法,およびプログラムによれば,上記制御手段により,上記第1の入力画面または上記第2の入力画面を上記表示手段に表示していずれかの入力画面で使用者に画像入力を実行させる。そして,上記プリント手段により
,上記撮影画像と,上記入力画面のペン入力領域に画像入力されたペン入力画像との合成画像を写真プリントとして印刷する。したがって,使用者は,上記第1の入力画面または上記第2の入力画面のいずれかの入力画面で画像入力を実行し,上記撮影画像と,上記入力画面のペン入力領域に画像入力されたペン入力画像との合成画像を写真プリントとして得ることができる。また,第1の入力画面および第2の入力画面において,撮影画像の縮小画像が表示されてペン入力領域に表示する撮影画像を選択するための画像選択部を表示するため,第1の入力画面と第2の入力画面いずれにおいても,縮小画像による撮影画像の選択が可能となる。
・・・(中略)・・・
【0026】
本発明において,上記撮影画像と合成されるスタンプ画像を入力するスタンプ画像入力手段と,上記スタンプ画像の編集を受付けるスタンプ画像編集受付け手段とを備えている場合には,手書きで画像を描く手間が省けるとともに,撮影画像に対して使用者の好みに応じた多様な変化をつけることができる。」

c 「【実施例1】
【0028】
この実施の形態における画像プリント作成装置は,装置本体部1を有し,この装置本体部1を構成する本体ケース2の前方側には被写体Mを覆って背後にまで達するように突き出されたカバー部材3が配設され,このカバー部材3の先端部分に,撮影の際の背景となるカーテン4が吊設されている。そして,上記本体ケース2,カバー部材3,およびカーテン4で囲まれた空間が,被写体Mの撮影用ブースを形成している。また,上側のカバー部材3の天井部の二か所には被写体Mを照射するライト5が取り付けられている。
【0029】
一方,本体ケース2の内部には,被写体Mを撮影する撮影手段としてのカメラ6,上記カメラ6から画像データおよび後述のタッチペン15で指示された操作信号を受信して画像合成等の処理を行なうコンピュータ装置7,このコンピュータ装置7から送信された画像データを受信して得られる画像をプリント媒体11に印刷するプリント手段としてのプリンタ9,さらには,図示しないコイン投入口から投入されたコインを検出してコンピュータ装置7に検出信号を送信するコイン検出部21がそれぞれ設けられている。
【0030】
また,本体ケース2の前面側のカメラ6の被写体M側に対向する部分には透明板10が嵌め込まれている。また,この透明板10の下方位置には,上記コンピュータ装置7から送信された合成画像等の画像データを表示する画像表示手段としてのディスプレイ8が設けられている。さらに,このディスプレイ8の下方位置には,プリンタ9で印刷されたプリント媒体11を本体ケース2の外部に送出する送出口12が形成されている。さらに,本体ケース2の前面側の適所には,コンピュータ装置7から音声信号を受信して出力するスピーカ(図示せず)が設けられている。
【0031】
上記ディスプレイ8に近接した位置にはコントローラ14が設けられている。このコントローラ14は,一対のタッチペン15を備えており,使用者Mがディスプレイ8に表示される操作指示に従ってディスプレイ8の表面をタッチペン15でタップ等することにより,各種の操作信号がコントローラ14を介してコンピュータ装置7に送られ,後述する各種の操作が行なわれるようになっている。
【0032】
上記の各タッチペン15は,ディスプレイ8の左右に配置されていて,複数人でプレイする際に複数の使用者それぞれが,タッチペン15の先端をディスプレイ8の表面に接触させることにより,文字や図形等のペン入力画像を入力することができ,各自が共に満足のいくプレイを楽しむことができるようになっている。そして,タッチペン15を操作して入力される文字,図形等の手書き画像やスタンプ画像等のデータは,カメラ6で撮影された被写体Mの撮影画像と合成されてディスプレイ8に表示されるとともに,その合成画像がプリント媒体11に印刷されるようになっている。
【0033】
上記ディスプレイ8とタッチペン15とによって特許請求の範囲における手書き画像入力手段およびスタンプ画像入力手段が構成され,また,上記ディスプレイ8,コントローラ14,およびタッチペン15によって,編集範囲受付手段,編集範囲指定手段が構成され,さらに,上記コンピュータ装置7によって,編集内容受付手段,編集範囲決定手段,スタンプ画像編集受付手段,編集範囲変動手段が構成されている。
【0034】
つぎに,上記ディスプレイ8やコンピュータ装置7を含むシステム構成の詳細について,図2を参照してさらに詳しく説明する。
【0035】
ディスプレイ8には,画像等を表示する表示部16を有するとともに,この表示部16に対して,タッチペン15によって手書き画像や操作信号が入力される透明のタッチパネル等でできた入力部17がオーバーレイして配置されている。
【0036】
コンピュータ装置7は,カメラ6で撮影して得られる画像データを取り込むとともに,タッチペン15によってディスプレイ8の入力部17に入力された各種の操作信号に基づいて各種制御を行なう制御手段18を備えている。そして,この制御手段18は,コイン検出部21からの検出信号を受信することにより,撮影等の制御を開始するようになっている。
【0037】
また,コンピュータ装置7には,カメラ6のシャッタ操作による撮影回数をカウントするカウンタ22や,タッチペン15によるペン入力画像の入力可能時間を計測するタイマ23が設けられている。
【0038】
上記カウンタ22は,コイン検出部21による最初のコインの検出によってリセットされ,使用者Mによるタッチペン15の撮影開始操作に応じてカウントを開始し,そのカウント値があらかじめ設定された所定の撮影可能回数(例えば4回等)に達すると制御手段18がカメラ6による撮影動作を停止させるようになっている。また,上記タイマ23は,制御手段18が手書き画像開始の指示メッセージをディスプレイ8に表示させるのとほぼ同時に計測を開始し,所定時間が経過してタイムアップすると,これに応じて制御手段18がタッチペン15によるペン入力を禁止するようになっている。
【0039】
また,コンピュータ装置7には,撮影画像記憶部24が設けられている。この撮影画像記憶部24は,カメラ6で撮影された複数枚(ここでは4枚)分の画像,およびこれらの画像に対して後述する色調調整手段25によって色調調整された複数枚(ここでは8枚分)の画像がそれぞれ静止画像として記憶される。したがって,撮影画像記憶部24には,計12枚分に相当する画像が記憶できるようになっている。
【0040】
上記の色調調整手段25は,図3に示すように,本発明の色調変換テーブルの一態様である3原色R,G,Bごとに出力特性の異なる複数のトーンカーブ(実線,破線,一点鎖線で示す)が予め設定されており,カメラ6で撮影された複数枚(ここでは4枚)分のオリジナルな撮影画像の各3原色R,G,Bの色信号を入力値とし,トーンカーブに基づく線形変換後の値を出力値として,異なる色調の撮影画像を生成する。なお,色調変換テーブルは,トーンカーブに限定するものではなく,色相,彩度,明度のうち少なくともいずれかを変換しうるものであれば各種のものを採用することができる。
【0041】
また,コンピュータ装置7には,ペン入力画像処理部28とペン入力画像記憶部29とが設けられている。ペン入力画像処理部28は,ディスプレイ8の表示部16に表示される画像の所定領域に対してタッチペン15を操作することで手書き画像やスタンプ画像などの各種のペン入力画像が得られるように処理を行なう。また,ペン入力画像記憶部29は,ペン入力画像処理部28で処理して得られるペン入力画像(手書き画像やスタンプ画像)を記憶するものである。
【0042】
さらに,上記コンピュータ装置7には,選択画像記憶部30,画像合成手段31,合成画像記憶部32,および画像変質手段33が設けられている。選択画像記憶部30には,使用者Mのタッチペン15による操作信号に応じて,撮影画像記憶部24に記憶されている撮影画像(ここではオリジナルの撮影画像および色調調整された画像の計12枚分)の内から必要枚数(ここでは4枚)が選択決定されたときには,その選択決定された枚数分の撮影画像が記憶されるようになっている。
【0043】
また,画像合成手段31は,上記選択画像記憶部30に記憶されている撮影画像に対して,ペン入力画像記憶部29に記憶された文字や図形等の手書き画像等を合成するものである。また,合成画像記憶部32は,画像合成手段31で合成された各画像を記憶している。さらに,画像変質手段33は,タッチペン15による操作信号に応じて,合成画像記憶部32に記憶されている合成画像に対して,背景色を変更したり,タッチペン15で指定した領域を同じくタッチペン15で指定したカラーパレットの色彩で塗りつぶしたりするなど,主に色彩変更や画像嵌め込みなどによる画質変質処理を行なうものである。
【0044】
さらにまた,コンピュータ装置7には,表示画像選択手段35や印刷制御部36が設けられている。表示画像選択手段35は,上記の各記憶部24,30,32の出力を選択してディスプレイ8の表示部16に表示すべき画像を選択するようになっている。また,印刷制御部36は,使用者Mによるタッチペン15の操作によって選択されたシートレイアウトになるようにプリンタ9による印刷を制御する。
【0045】
次に,上記構成を備えた画像プリント作成装置の動作の一例について,図4のフローチャートを参照しながら説明する。ここで,図4において,「S」はステップを意味する。
【0046】
まず,使用者Mが最初のコインを投入すると(S100),カメラ6による被写体Mの撮像が開始され(S110),カメラ6で撮影される画像がコンピュータ装置7内に取り込まれる。このとき,コンピュータ装置7の制御手段18は,表示画像選択手段35を制御して,この取り込まれた画像をディスプレイ8の表示部16に出力する。このため,表示部16には,撮像映像が動画としてリアルタイムで表示される。
【0047】
ついで,使用者Mがディスプレイ8の表示画像を見ながら被写体Mとしての位置調整を完了した後に,タッチペン15を用いて画面の指示に従ってシャッタ操作の操作信号を入力すると(S120),制御手段18は,図示しないスピーカ等により使用者Mに対してポーズをとるよう指示した後,所定時間が経過するたびに,カメラ6のシャッタ操作を制御する。そして,カメラ6で撮影された画像データが制御手段18を介して撮影画像記憶部24に格納される(S130)とともに,ディスプレイ8には,その際に撮影した画像が静止画像として表示される。
【0048】
つぎに,制御手段18は,カウンタ22が規定の撮影枚数のカウント値に達しているか否かを判断し(S140),規定枚数に達していなければステップ120に戻ってシャッタ操作による静止画像の取り込みを繰り返す。
【0049】
ステップ140において,規定の撮影回数に達すると,制御手段18は,撮影画像記憶部24に記憶されている所定枚数のオリジナルの撮影画像のデータを色調調整手段25に出力して色調調整を行なう(S145)。
【0050】
すなわち,色調調整手段25には,図3に示したように,3原色R,G,Bごとに出力特性の異なる複数のトーンカーブが予め設定されているので,カメラ6で撮影された複数枚(ここでは4枚)分のオリジナルな撮影画像の各3原色R,G,Bの色信号が入力されると,トーンカーブに基づいて入力値とは異なる色レベルの色信号が出力される。このため,オリジナルな撮影画像とは色調の異なる撮影画像が得られる。たとえば,オリジナルの撮影画像に対してマリーン系(青味)あるいはセピア系(赤味)といった色調に調整された撮影画像が新たに得られる。これにより,画像全体の雰囲気を新たに演出することができる。
【0051】
こうして,色調調整手段25で色調が調整された撮影画像は,再び撮影画像記憶部24に転送されて記憶される。したがって,撮影画像記憶部24には,オリジナルの複数枚(ここでは4枚分)の撮影画像,および色調調整された複数枚分(ここでは8枚分)の撮影画像の計12枚分の画像が記憶される。
【0052】
続いて,制御手段18は,表示画像選択手段35を制御して撮影画像記憶部24の出力を選択するとともに,撮影画像記憶部24に記憶されている全ての画像(計12枚分)データを読み出すので,ディスプレイ8の表示部16には,たとえば図5に示すように,撮影画像記憶部24に記憶されている全ての撮影画像(計12枚分)Pが一覧で表示される(S150)。
【0053】
図5において,左縦一列の4枚分の画像Pは,4回のシャッタ操作によりカメラ6で撮影されたオリジナルな撮影画像であり,中央縦一列の4枚分の画像Pは,色調調整手段25でオリジナルの撮影画像に基づいて色調がマリーン系に調整された後の撮影画像であり,さらに,右縦一列の4枚分の画像Pは色調調整手段25で色調がセピア系に調整された後の撮影画像となっている。
【0054】
また,同じ画面上には,使用者Mに対し,これらの撮影画像Pの内からどの画像をペン入力対象の画像とするかの決定を促すメッセージ(たとえば『好きな写真を4枚選んでね!』などの文言)が表示されるとともに,一人でペン入力をするモード(以下,一人用ペン入力モードという)と,二人でペン入力をするモード(以下,二人用ペン入力モードという)とを選択するためのペン入力モード選択ボタン37a,37bが表示される。
【0055】
そこで,使用者Mは,ディスプレイ8に表示されている撮影画像Pの内から,タッチペン15でペン入力画像の対象とする好みの複数枚(ここでは4枚分)の画像Pをタップして選択した後(S155),続いてペン入力モード選択ボタン37a,37bのいずれか一方をタップして一人用ペン入力モード,あるいは二人用ペン入力モードを選択する(S160)。
【0056】
制御手段18は,ペン入力モード選択ボタン37a,37bのいずれか一方がタップされると,これに応じて撮影画像記憶部24に記憶されている撮影画像の内から,ステップ155で選択された所定枚数分(ここでは4枚分)の撮影画像のみを選択画像記憶部30に転送して記憶し,続いて,選択画像記憶部30に記憶された全ての撮影画像(4枚分)のデータを読み出して表示画像選択手段35を介してディスプレイ8に出力する。
【0057】
その際,制御手段18は,一方のペン入力モード選択ボタン37aにより二人用ペン入力モードが選択された場合には,たとえば図6に示すような形態で撮影画像Pの表示位置を割り当てる(S165)。また,制御手段18は,他方のペン入力モード選択ボタン37bにより一人用ペン入力モードが選択された場合には,たとえば図7に示すような形態で撮影画像Pの表示位置を割り当てる(S165)。
【0058】
すなわち,図6に示す二人用ペン入力モードの表示画面では,画面の左右にペン入力領域38が表示され,また,これらの各ペン入力領域38の下方には画像選択ボタン39がそれぞれ表示されている。そして,左右のペン入力領域38の内,右側が右のタッチペン15によってペン入力が行なわれる領域であり,左側のペン入力領域38が左のタッチペン15によってペン入力が行なわれる領域である。そして,左右のペン入力領域38には,ステップ155で選択された撮影画像Pの内の2つが割り当てられて表示される。また,上記の各画像選択ボタン39には,ペン入力領域38に割り当てられた撮影画像Pを除く残りの撮影画像Pが縮小されて表示される。つまり,右側のペン入力領域38と画像選択ボタン39とには,右のタッチペン15で選択された2つの撮影画像Pがそれぞれ割り当てられて表示され,また,左側のペン入力領域38と画像選択ボタン39には,左のタッチペン15で選択された2つの撮影画像Pがそれぞれ割り当てられて表示されている。
【0059】
そして,この縮小画像が表示された画像選択ボタン39を操作することにより,この縮小画像に対応する撮影画像Pが既にペン入力領域38に表示されている画像Pと入れ替わってペン入力領域38に表示される。なお,再度,画像選択ボタン39をタッチペン15で操作すると,元の画像に戻ることができる。また,ペン入力領域38に表示する画像Pの切り替えは,ペン入力の開始前,途中,終了後のいずれのタイミングであっても,画像選択ボタン39を操作することにより行なわれるようになっている。
【0060】
また,この表示画面には,各種の手書き画像Dの入力モード(線種)を選択する複数のペン入力ボタン42,各種のスタンプ画像Sの種類を選択する複数のスタンプ入力ボタン43,手書き画像を入力する際の線の太さを選択する複数のライン幅選択ボタン44,手書き画像Dの一部を消去するための消しゴムボタン45,手書き画像に色付けするための複数のカラーパレット選択ボタン46がそれぞれ表示されている。そして,これらのボタン42?46を操作することにより,手書き画像を入力したり,色付けしたり,スタンプ画像の種類を選択したり,手書き画像の一部を消去したりできるようになっている。さらに,この表示画面には,直近に入力されたペン入力画像を消去する取消ボタン47,ペン入力領域38上に入力されたすべてのペン入力画像を消去するやり直しボタン48,およびペン入力を終了する際に操作する入力終了ボタン49がそれぞれ表示されている。
【0061】
一方,図7に示す一人用ペン入力モードの表示画面においては,画面の上側に単一のペン入力領域38が表示され,このペン入力領域38の下方には3つの画像選択ボタン39がそれぞれ表示されている。この場合,ペン入力領域38は,左右のいずれのタッチペン15によってもペン入力が可能であって,ステップ155で選択された撮影画像Pの内の一つの画像が割り当てられて表示されている。また,上記の各画像選択ボタン39には,ペン入力領域38に割り当てられた一つの撮影画像を除く残り3つの撮影画像Pが縮小されて表示されている。そして,この場合も,縮小画像が表示された画像選択ボタン39を操作することにより,この縮小画像に対応する撮影画像Pが既にペン入力領域38に表示されている画像Pと入れ替わってペン入力領域38に表示される。その他のボタン42?49については,図6に示した二人用ペン入力モードの表示画面の場合と同様であるからここでは詳しい説明は省略する。
【0062】
こうして,撮影画像Pの割り当てが終了すると,ペン入力画像の入力が開始される(S170)。ここでは,便宜上,たとえば,図6に示す二人用ペン入力モードの表示画面において,左側のペン入力領域38に表示されている撮影画像Pに対してペン入力画像を作成する場合について説明する。なお,他の撮影画像Pに対してペン入力画像を作成する場合についても,基本的な処理動作は同じである。
【0063】
たとえば,いま,タッチペン15でペン入力ボタン42あるいはスタンプ入力ボタン43の内の一つを選択した後,ペン入力領域38に対してタッチペン15を操作すると,その操作信号がコントローラ14と制御手段18を介してペン入力画像処理部28に入力されるため,ペン入力画像処理部28は,その操作信号に応じたペン入力画像(手書き画像Dやスタンプ画像S)(図8参照)を発生する。その際,カラーパレット選択ボタン46の内の一つを予め選択しておけば,手書き画像Dやスタンプ画像Sはその選択された色に色付けされる。そして,これらのペン入力画像D,Sがペン入力画像記憶部29に記憶されるとともに,画像合成手段31に送出される。
【0064】
特に,この実施の形態において,ペン入力ボタン42の内には,モールペンの入力ボタンと,ストロークペンの入力ボタンとが設けられている。ここで,モールペンの入力ボタンを選択してペン入力領域38上をタッチペン15でなぞると,ペン入力画像処理部28は,図9に示すように,手書きされた軌跡を中心として放射状に延びる複数の直線から構成されたモール状の手書き画像を発生する。
【0065】
また,ストロークペンの入力ボタンを選択してから,ペン入力領域38上に既に表示されているスタンプ画像の上をなぞると,ペン入力画像処理部28は,図10に示すように,スタンプ画像を変形等した画像を発生する。たとえば,同図(a)に示すように,『T』『Y』『P』『E』の各文字スタンプの上をタッチペン15でなぞると,これらの各文字がなぞった方向に伸長される。また,同図(b)に示すように,矢印『←』のスタンプの上をタッチペン15でなぞると,この矢印がなぞった方向に伸長される。さらに,同図(c)に示すように,千鳥状に配置された木の葉のスタンプの上をタッチペン15でなぞると,なぞった方向に沿って木の葉がランダムに配置されたり連結されたりする。
【0066】
画像合成手段31は,選択画像記憶部30に記憶されている複数枚(ここでは4枚分)の撮影画像Pの内,ペン入力領域38に表示されている撮影画像Pに対して,ペン入力画像記憶部29に記憶されたペン入力画像D,Sとの合成を行なう。そして,制御手段18は,この画像合成手段31で合成された画像を合成画像記憶部32に記憶した後,その合成画像のデータを読み出して表示画像選択手段35を介してディスプレイ8に出力する。したがって,ディスプレイ8のペン入力領域38には,図8に示すように,撮影画像Pに対して手書き画像Dやスタンプ画像Sが書き込まれた合成画像が表示される。
・・・(中略)・・・
【0080】
時間経過により,タイマ23の計測時間が入力可能時間を過ぎると,印刷の際のシートレイアウトの選択が行なわれ(S190),合成画像記憶部32に記憶された合成画像のデータが印刷制御部36を介してプリンタ9に送られ,印刷が開始される(S200)。そして,被写体Mの撮影画像Pとペン入力画像等が合成された合成画像が印刷されたプリント媒体11が本体ケース2の前面側の送出口12から送出される。」
c

(イ) 前記(ア)aないしcから,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「写真を撮影してシールプリント等にする画像プリント作成装置であって,
被写体Mを撮影する撮影手段としてのカメラ6と,当該カメラ6から画像データおよびタッチペン15で指示された操作信号を受信して画像合成等の処理を行なうコンピュータ装置7と,当該コンピュータ装置7から送信された画像データを受信して得られる画像をプリント媒体11に印刷するプリンタ9と,コンピュータ装置7から送信された合成画像等の画像データを表示するディスプレイ8と,一対のタッチペン15を備えたコントローラ14と,プリンタ9で印刷されたプリント媒体11を本体ケース2の外部に送出する送出口12とが設けられた本体ケース2を有し,
前記ディスプレイ8と前記タッチペン15とによってスタンプ画像Sを入力するスタンプ画像入力手段が構成され,
前記コンピュータ装置7は,制御手段18と,撮影画像記憶部24と,色調調整手段25と,ペン入力画像処理部28と,ペン入力画像記憶部29と,選択画像記憶部30と,画像合成手段31と,合成画像記憶部32と,表示画像選択手段35と,タイマ23とを有しており,
使用者Mが最初のコインを投入すると,前記カメラ6による被写体Mの撮像が開始され,使用者Mが動画としてリアルタイムで表示される前記ディスプレイ8の表示画像を見ながら被写体Mとしての位置調整を完了した後に,タッチペン15を用いて画面の指示に従ってシャッタ操作の操作信号を入力すると,前記制御手段18が,所定時間が経過するたびに,前記カメラ6のシャッタ操作を制御し,撮影された画像データを前記撮影画像記憶部24に格納するとともに,前記ディスプレイ8に,その際に撮影した画像を静止画像として表示し,
撮影枚数が規定枚数に達すると,前記制御手段18は,前記撮影画像記憶部24に記憶されている所定枚数のオリジナルの撮影画像のデータを前記色調調整手段25に出力し,当該色調調整手段25は,入力されたオリジナルの撮影画像に対して色調調整を行ない,色調が調整された撮影画像は,前記撮影画像記憶部24に転送されて記憶され,前記制御手段18は,前記表示画像選択手段35を制御して前記撮影画像記憶部24の出力を選択するとともに,前記撮影画像記憶部24に記憶されているオリジナルの複数枚の撮影画像,および色調調整された複数枚分の撮影画像の全ての画像データを読み出して前記ディスプレイ8の表示部16に一覧で表示させ,
使用者Mが,前記ディスプレイ8に表示されている撮影画像Pの内から,タッチペン15でペン入力画像の対象とする好みの複数枚の画像Pをタップして選択した後,一人用ペン入力モード,あるいは二人用ペン入力モードを選択すると,前記制御手段18は,選択された所定枚数分の撮影画像のみを前記選択画像記憶部30に転送して記憶し,続いて,前記選択画像記憶部30に記憶された全ての撮影画像のデータを読み出して前記表示画像選択手段35を介して前記ディスプレイ8に出力させ,その際,二人用ペン入力モードでは,選択された撮影画像Pの内の2つが割り当てられて表示されるペン入力領域38を画面の左右に表示し,各ペン入力領域38に割り当てられた撮影画像Pを除く残りの撮影画像Pが縮小されて表示される画像選択ボタン39を前記各ペン入力領域38の下方にそれぞれ表示し,一人用ペン入力モードでは,選択された撮影画像Pの内の一つの画像が割り当てられて表示される単一のペン入力領域38を画面の上側に表示し,ペン入力領域38に割り当てられた一つの撮影画像を除く残りの撮影画像Pがそれぞれ縮小されて表示される複数の画像選択ボタン39を前記ペン入力領域38の下方に表示するとともに,どちらのモードにおいても,各種の手書き画像Dの入力モード(線種)を選択する複数のペン入力ボタン42,各種のスタンプ画像Sの種類を選択する複数のスタンプ入力ボタン43,手書き画像Dまたはスタンプ画像Sに色付けするための複数のカラーパレット選択ボタン46等をそれぞれ表示して,前記画像選択ボタン39を操作することにより,当該画像選択ボタン39に表示された縮小画像に対応する撮影画像Pが既にペン入力領域38に表示されている画像Pと入れ替わってペン入力領域38に表示されるようにし,
タッチペン15で前記ペン入力ボタン42あるいは前記スタンプ入力ボタン43の内の一つを選択するともに前記カラーパレット選択ボタン46の内の一つを選択した後,前記ペン入力領域38に対してタッチペン15を操作すると,前記ペン入力画像処理部28は,選択された色に色付けされかつ前記コントローラ14と前記制御手段18を介して入力される操作信号に応じた文字や図形等の手書き画像Dまたはスタンプ画像Sを発生し,当該手書き画像Dまたはスタンプ画像Sが前記ペン入力画像記憶部29に記憶されるとともに,前記画像合成手段31に送出され,
前記画像合成手段31は,前記選択画像記憶部30に記憶されている複数枚の撮影画像Pの内,ペン入力領域38に表示されている撮影画像Pに対して,前記ペン入力画像記憶部29に記憶された手書き画像Dまたはスタンプ画像Sの合成を行い,
前記制御手段18は,前記画像合成手段31で合成された画像を前記合成画像記憶部32に記憶した後,その合成画像のデータを読み出して前記表示画像選択手段35を介して前記ディスプレイ8に出力して,前記ペン入力領域38に合成画像を表示させ,
前記タイマ23の計測時間が入力可能時間を過ぎると,印刷の際のシートレイアウトの選択が行なわれ,前記合成画像記憶部32に記憶された合成画像のデータが前記印刷制御部36を介して前記プリンタ9に送られて,印刷が開始され,被写体Mの撮影画像Pと手書き画像Dまたはスタンプ画像S等が合成された合成画像が印刷されたプリント媒体11が前記送出口12から送出されるよう構成された
画像プリント作成装置。」

イ 特開2004-280543号公報
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-280543号公報(以下,「引用文献2」という。)は,本願の出願前に頒布された刊行物であって,当該引用文献2には,次の記載がある。
a 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,構造解析に必要な各種条件を容易に設定できるようにする技術に関する。」

b 「【0026】
【表9】
・・・(中略)・・・
ここで,構造解析条件設定装置の基本処理として,要素サイズ,荷重条件及び拘束条件の設定に用いる色の選択方法について説明する。第1の方法としては,・・・(中略)・・・第3の方法としては,例えば,カラーパレットの色を降順又は昇順に順次選択するように,色塗り又はライン描画を行うたびに,所定規則により色を自動的に選択する。このとき,カラーパレットの色を降順又は昇順に順次選択するかは,自由に指定できるようにすることが望ましい。」

ウ 特開2005-208352号公報
原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-208352号公報(以下,「引用文献3」という。)は,本願の出願前に頒布された刊行物であって,当該引用文献3には,次の記載がある。
a 「【技術分野】
【0001】
本発明は,撮影ブース内において被写体の写真を撮影する自動写真撮影装置に関し,特に,複数のカーテンを利用して,様々な態様の背景で写真撮影を行うことができる自動写真撮影装置に関する。」

b 「【0096】
また,「スタンプ」のアイコンは,種々のスタンプ画像の貼り付けのためのアイコンであり,タッチペン34a,又は,34bで「スタンプ」のアイコンを操作すると,74aに示されるような各種のスタンプ画像の選択肢がそれぞれメニューウィンド74a,又は,74bに表示され,いずれかのスタンプ画像を選択後,画像表示部71a,又は,71bにおいて,それぞれタッチペン34a,34bを操作した位置に,選択されたスタンプ画像を貼り付ける編集が行われるようになっている。
【0097】
なお,74aに例示されるスタンプ用メニューウィンドの上段左隅に示されているのは,「カラーチェンジボタン」であり,このボタンをタッチペンで操作する毎に,メニューウィンド内に表示されている「ハート」や「星」,「花」,「リボン」などのそれぞれのスタンプ画像に付された色彩が,一斉に「赤」→「青」→「黄色」→「赤」のように変化し,色彩を変化させてからスタンプ画像を選択することで,その色彩のスタンプ画像による貼り付けの編集ができるようになっており,これにより,分かりやすい態様で,より多様なスタンプ画像の貼り付けを行いうるようになっている。」

(3)対比
ア 引用発明の「使用者M」,「被写体M」,「スタンプ画像S」,「シールプリント」,「プリント媒体11」,「カラーパレット選択ボタン46」及び「画像プリント作成装置」は,本件補正発明の「利用者」,「被写体」,「編集情報」,「写真シール」,「シールシート」,「1つのボタン」及び「写真シール作成装置」にそれぞれ相当する。

イ(ア) 引用発明の「画像プリント作成装置」が行う「使用者Mが最初のコインを投入すると,前記カメラ6による被写体Mの撮像が開始され,使用者Mが動画としてリアルタイムで表示される前記ディスプレイ8の表示画像を見ながら被写体Mとしての位置調整を完了した後に,タッチペン15を用いて画面の指示に従ってシャッタ操作の操作信号を入力すると,前記制御手段18が,所定時間が経過するたびに,前記カメラ6のシャッタ操作を制御し,撮影された画像データを前記撮影画像記憶部24に格納するとともに,前記ディスプレイ8に,その際に撮影した画像を静止画像として表示」するという動作(以下,便宜上「撮影動作」という。)は,使用者Mに,当該使用者Mを被写体とする撮影作業を行わせる動作であるということができる。
(イ) また,引用発明の「画像プリント作成装置」が行う「タッチペン15で前記ペン入力ボタン42あるいは前記スタンプ入力ボタン43の内の一つを選択するともに前記カラーパレット選択ボタン46の内の一つを選択した後,前記ペン入力領域38に対してタッチペン15を操作すると,前記ペン入力画像処理部28は,選択された色に色付けされかつ前記コントローラ14と前記制御手段18を介して入力される操作信号に応じた文字や図形等の手書き画像Dまたはスタンプ画像Sを発生し,当該手書き画像Dまたはスタンプ画像Sが前記ペン入力画像記憶部29に記憶されるとともに,前記画像合成手段31に送出され,
前記画像合成手段31は,前記選択画像記憶部30に記憶されている複数枚の撮影画像Pの内,ペン入力領域38に表示されている撮影画像Pに対して,前記ペン入力画像記憶部29に記憶された手書き画像Dまたはスタンプ画像Sの合成を行い,
前記制御手段18は,前記画像合成手段31で合成された画像を前記合成画像記憶部32に記憶した後,その合成画像のデータを読み出して前記表示画像選択手段35を介して前記ディスプレイ8に出力して,前記ペン入力領域38に合成画像を表示させ」るという動作のうちスタンプ画像Sに関する動作(以下,便宜上「編集動作」という。)は,使用者Mに,前記撮影動作により得られた使用者Mの撮影画像Pに対して「スタンプ画像S」(編集情報)を入力する編集入力作業を行わせる動作であるということができる。
(ウ) そして,引用文献1の【0001】(前記(2)ア(ア)bを参照。)に記載されているとおり,引用発明の「画像プリント作成装置」はゲームセンター等に設置されるものであるから,前記「撮影動作」及び前記「編集動作」がゲームとして行われることが明らかである。
(エ) したがって,引用発明は,本件補正発明の「写真シール作成ゲームとして,利用者に,前記利用者を被写体とする撮影作業,および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ」るという発明特定事項に相当する構成を具備している。

ウ 引用発明の「前記タイマ23の計測時間が入力可能時間を過ぎると,印刷の際のシートレイアウトの選択が行なわれ,前記合成画像記憶部32に記憶された合成画像のデータが前記印刷制御部36を介して前記プリンタ9に送られて,印刷が開始され,被写体Mの撮影画像Pとペン入力画像等が合成された合成画像が印刷されたプリント媒体11が前記送出口12から送出される」ことは,本件補正発明の「得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し,印刷された前記シールシートを排出し,写真シールとして前記利用者に提供する」ことに相当する。

エ 引用発明の「カラーパレット選択ボタン46の内の一つを選択した後,前記ペン入力領域38に対してタッチペン15を操作すると,前記ペン入力画像処理部28は,選択された色に色付けされかつ前記コントローラ14と前記制御手段18を介して入力される操作信号に応じた文字や図形等の手書き画像Dまたはスタンプ画像Sを発生」するという「コントローラ14」,「制御部18」及び「ペン入力画像処理部28」の動作のうちスタンプ画像Sに関する動作は,撮影動作(前記イを参照。)により得られた撮影画像Pに対して入力される「スタンプ画像S」(編集情報)の色の選択の受け付けを,「カラーパレット選択ボタン46」(1つのボタン)に対する操作に基づいて制御するという動作であるということができる。
そして,引用発明の「カラーパレット選択ボタン46」(一つのボタン)によって色を選択する際に,選択しようとする色が識別できるように,当該「カラーパレット選択ボタン46」に色が表示されていることは,技術常識から自明であり,かつ,引用発明の「スタンプ画像S」は文字または図形である(スタンプ画像Sに文字スタンプが存在することが,引用文献1の【0065】に記載されており,文字スタンプが「文字」に,文字スタンプ以外のスタンプ画像Sが「図形」に相当する。)から,引用発明の「コントローラ14」,「制御部18」及び「ペン入力画像処理部28」と,本件補正発明の「前記撮影作業により得られた画像に対して入力される前記編集情報である文字または図形の色となる複数の色の組み合わせであるカラフルカラーの選択の受け付けを,前記カラフルカラーを構成する複数の色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいて制御するカラフルカラー受付制御手段」とは,「撮影作業により得られた画像に対して入力される編集情報である文字または図形の色の選択の受け付けを,当該色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいて制御するカラー受付制御手段」である点で一致する。

オ 引用発明のディスプレイ8とタッチペン15とにより構成される「スタンプ画像入力手段」は,引用文献1の【0026】(前記(2)ア(ア)bを参照。)の記載によれば,手書き入力させるものではないから,「スタンプ画像S」(編集情報)を選択入力させるものであると認められるところ,「スタンプ画像S」を選択入力させる際に,選択しようとする「スタンプ画像S」が識別できるように,何らかの手法で当該「スタンプ画像S」を表示していることは,技術常識から明らかであるから,引用発明は,入力すべき「スタンプ画像S」(編集情報)を選択させるために「スタンプ画像S」を表示させる「スタンプ画像表示制御手段」を有しているといえる。
そして,引用発明の「スタンプ画像S」は文字または図形である(前記エを参照。)から,引用発明の「スタンプ画像表示制御手段」と,本件補正発明の「選択パレット表示制御手段」とは,「入力すべき編集情報を選択させるために文字または図形を表示させる表示制御手段」である点で一致する。

カ 前記アないしオから,本件補正発明と引用発明は,
「写真シール作成ゲームとして,利用者に,前記利用者を被写体とする撮影作業,および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ,さらに,得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し,印刷された前記シールシートを排出し,写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置において,
撮影作業により得られた画像に対して入力される編集情報である文字または図形の色の選択の受け付けを,当該色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいて制御するカラー受付制御手段と,
入力すべき編集情報を選択させるために文字または図形を表示させる表示制御手段と
を備えた,
写真シール作成装置。」
である点で一致し,次の点で相違する。

相違点1:
本件補正発明では,「編集情報」である文字または図形の色として,複数の色の組み合わせであるカラフルカラーを選択可能であり,当該カラフルカラーの選択の受け付けを,カラフルカラーを構成する複数の色が表示された「1つのボタン」に対する操作に基づいて行うとともに,入力すべき「編集情報」を選択させるための複数の文字または複数の図形の表示において,表示される複数の文字または複数の図形の色を,編集情報として選択された文字または図形が撮影作業により得られた利用者の画像に対して入力される都度,選択された前記カラフルカラーを構成する複数の色のうちのいずれか1つの色に順次切り替えるのに対して,
引用発明では,「スタンプ画像S」である文字または図形の色として,複数の色の組み合わせであるカラフルカラーを選択することはできず,また,カラフルカラーを構成する複数の色が表示された「カラーパレット選択ボタン46」は有しておらず,「スタンプ画像S」を選択させるための複数の文字または複数の図形の表示において,カラフルカラーを構成する複数の色の切り替えを行うこともない点。

相違点2:
本件補正発明では,「編集情報」である文字または図形の選択を,入力すべき編集情報を選択させるために複数の文字または複数の図形が表示される選択パレットを用いて行うのに対して,
引用発明では,「スタンプ画像S」である文字または図形の選択を,どのような手段を用いて行うのかは特定されない点。

(4)判断
まず,相違点1について検討する。
写真シール作成装置の技術分野において,撮影画像に合成する編集情報の色として,複数の色の組み合わせであるカラフルカラーを選択可能とし,当該カラフルカラーの選択の受け付けを,カラフルカラーを構成する複数の色が表示された1つのボタンに対する操作に基づいて行うとともに,入力すべき編集情報を選択させるための編集情報の表示において,表示される編集情報の色を,選択された編集情報が撮影画像に対して入力される都度,選択された前記カラフルカラーを構成する複数の色のうちのいずれか1つの色に順次切り替えるといった技術思想は,引用文献2及び3には記載も示唆もされておらず,また,当該技術思想が本願の出願前に公知であったことを示す証拠も見当たらないから,引用発明において,相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項に相当する構成を採用することが,当業者にとって容易想到であるとはいえない。
そして,本件補正発明は,相違点1に係る発明特定事項を具備することで,編集情報を入力する毎に色の選択を行うことなく,複数の色が表示された一つのボタンに対して操作するという簡単な操作で,編集情報に対する複数の色の設定を可能とするという顕著な効果を奏するものと認められる。
したがって,相違点2の容易想到性について判断を示すまでもなく,本件補正発明が,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(5)独立特許要件のまとめ
よって,請求項1についての本件補正は,特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合する。

5 請求項1以外を対象とする本件補正について
請求項1以外を対象とする本件補正についても,特許法17条の2第3項ないし6項に違反するところはない。

6 むすび
本件補正は,特許法17条の2第3項ないし6項の規定に適合する。


第3 本願発明
本件補正は前記第2のとおり,特許法17条の2第3項ないし6項の規定に適合するから,本願の請求項1ないし9に係る発明は,本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2015-03-27 
出願番号 特願2008-303364(P2008-303364)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 居島 一仁鉄 豊郎  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 清水 康司
大瀧 真理
発明の名称 写真シール作成装置および方法、並びにプログラム  
代理人 稲本 義雄  
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