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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B24B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B24B |
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管理番号 | 1299245 |
審判番号 | 不服2014-1526 |
総通号数 | 185 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-01-28 |
確定日 | 2015-04-02 |
事件の表示 | 特願2009-128781「発泡ポリウレタンの製造方法および研磨パッドの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成22年12月 9日出願公開、特開2010-274362〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件出願は、平成21年5月28日の特許出願であって、平成25年5月28日付けで拒絶の理由が通知され、平成25年8月1日に意見書が提出されたが、平成25年10月30日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされた。 これに対し、平成26年1月28日に該査定の取消を求めて本件審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、特許請求の範囲及び明細書について補正がなされたものである。 第2 平成26年1月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成26年1月28日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容の概要 平成26年1月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、願書に最初に添付された特許請求の範囲を補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1に関する以下の補正を含んでいる。なお、下線部は補正箇所を示す。 (1)<補正前> 「 【請求項1】 40℃での粘度が3000mPa・s以下のイソシアネート基含有化合物と、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物とを、混合攪拌して硬化させるとともに、反応熱によって前記加熱膨張性微小球状体を発泡させる発泡ポリウレタンの製造方法であって、 前記イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが200秒以上であることを特徴とする発泡ポリウレタンの製造方法。」 (2)<補正後> 「 【請求項1】 40℃での粘度が3000mPa・s以下のイソシアネート基含有化合物と、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物とを、混合攪拌して硬化させるとともに、反応熱によって前記加熱膨張性微小球状体を発泡させる発泡ポリウレタンの製造方法であって、 前記イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが200秒以上であって480秒以下であることを特徴とする発泡ポリウレタンの製造方法。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1の「混合したウレタン樹脂組成物のポットライフ」について、「480秒以下」である点を付加し限定するものであるから、特許請求の範囲の限定的減縮(特許法第17条の2第5項第2号)を目的とするものに該当する。 そこで、補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて検討する。 (1)補正発明 補正発明は、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、上記1(2)に示す特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの「発泡ポリウレタンの製造方法」であると認める。 (2)刊行物 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本件出願前に頒布された刊行物である特開平11-322878号公報には、以下の発明が記載されていると認められる。 ア 刊行物1に記載された事項 刊行物1には、「泡含有ポリウレタン成形物の製造方法、泡含有成形物用ウレタン樹脂組成物及びそれを用いた研磨パッド」に関して、表とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は理解の便のため、当審で付したものである。 (ア)特許請求の範囲 「【請求項1】 (a)イソシアネート末端プレポリマーと(b)活性水素含有化合物を二液混合攪拌し反応硬化させるに際し、(c)未発泡又は発泡済みポリスチレン系ビーズを(a)イソシアネート末端プレポリマー又は(b)活性水素含有化合物の少なくとも一方に予め添加混合しておき、二液反応硬化の際に放出される反応熱及び外部からの加熱によって未発泡ポリスチレン系ビーズ(c)を微発泡させるか、又は発泡済みポリスチレン系ビーズ(c)を単に分散させることを特徴とする泡含有ポリウレタン成形物の製造方法。」 (イ) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの研磨特性、平坦性に優れる研磨パッドを作成する為の泡含有ポリウレタン成形物の製造方法、そのウレタン樹脂組成物及びそれを用いた研磨パッドに関するものである。」 (ウ) 「【0009】 【発明の実施の形態】本発明に使用するイソシアネート末端プレポリマー(a)とは、ジイソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(好ましくは数平均分子量400?6000)(a-2)及び低分子ポリオール(鎖伸長剤とも言う、好ましくは数平均分子量400未満)(a-3)からなり、高分子ポリオール(a-2)成分と低分子ポリオール(a-3)成分との混合ポリオール(OH成分)に対して、当量的に過剰のイソシアネート(a-1)成分(NCO成分)を反応させて得られるものである。注型成形用には注型温度で操作可能な溶融粘度である必要がある為、それぞれの成分は生成プレポリマーがこの条件を満足する範囲で適宜選定される。 【0010】NCO/OHの比率は、最終的に得られるポリウレタン樹脂に要求される分子量等により変化する。又、高分子ポリオール(a-2)と低分子ポリオール(a-3)の使用比率は、最終的に得られるポリウレタン樹脂に要求される機械的性質と、注型成形が可能な溶融粘度を満足させる範囲で決められる。 【0011】本発明において用いられるイソシアネート(a-1)成分としては、式:R(NCO)_(2)(式中、Rは任意の二価の有機基)によって示されるジイソシアネ-トが挙げられる。このイソシアネート成分は、注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定されると共に、生成する末端NCOプレポリマーを低溶融粘度とすることが必要である為、単独又は2種以上の混合物で適用される。」 (エ) 「【0024】一方、本発明で使用される活性水素含有化合物(b)としては、反応性から主に有機ジアミン化合物が用いられるが、必要に応じてポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等と併用することも可能である。但し、これらの併用されるポリオールの分子量は、400?1000の範囲内の低分子量のものが好ましい。 【0025】使用される有機ジアミン化合物としては、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス(2-アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコールージ-p-アミノベンゾエート、3,5ービス(メチルチオ)-2,6-トルエンジアミン等が挙げられる。」 (オ) 「【0027】本発明で用られるポリスチレン系ビーズ(c)とは、球状(粒状)の未発泡又は発泡済み(予備発泡したものを含む)のいずれかのもので、内部までポリスチレンからなるものである。未発泡のものはポリスチレンの重合時/直後に発泡させる為の発泡剤を含浸し、ポリスチレン系ビーズ中に発泡剤が含まれているものである。又、発泡済みポリスチレン系ビーズとは、発泡剤が加熱により気化するさいポリスチレンを膨らませたもので、内部に独立気泡を有するものである。ポリスチレン系ビーズ(c)はポリウレタン成形物を研磨パッドに適用した時に研磨性能を保持する上から、組成物中、特に成形物中に均一に分散させることが必要である。これらのポリスチレン系ビーズ(c)の配合量は、イソシアネート末端プレポリマー(a)、又は活性水素含有化合物(b)の100重量部に対し、0.1?10重量部の範囲にあることが好ましく、特に2?5重量部が好ましい。」 (カ) 「【0033】本発明の注型成形条件としては、イソシアネート末端プレポリマー(a)または活性水素含有化合物(b)いずれか一方に添加混合し、ポリスチレン系ビーズ(c)を含む二液の均一混合をし、脱泡可能な範囲のポットライフに調整した二液系混合物を、好ましくは70?120℃(より好ましくは80?110℃)で、好ましくは90?110℃に保持された金型に流し込み注型成形した後、好ましくは0.2?2時間をかけて、好ましくは100?130℃で一次硬化させる。次に、成形物を脱型後に、更に好ましくは100?130℃で3?7時間かけて、完全に後キュアーさせてから室温まで冷却する。」 (キ)上記摘記事項(カ)に、「イソシアネート末端プレポリマー(a)または活性水素含有化合物(b)いずれか一方に添加混合し、ポリスチレン系ビーズ(c)を含む二液の均一混合をし、脱泡可能な範囲のポットライフに調整した二液系混合物を・・・金型に流し込み注型成形した後、好ましくは0.2?2時間をかけて・・・一次硬化させる。」とあるところ、「イソシアネート末端プレポリマー(a)または活性水素含有化合物(b)いずれか一方に添加混合し、ポリスチレン系ビーズ(c)を含む二液の均一混合」した「二液系混合物」は、上記摘記事項(ウ)の用語で表現すれば、イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマーと、ポリスチレン系ビーズ(c)と、活性水素含有化合物との二液系混合物、ということができる。そして、該二液系混合物は、「脱泡可能な範囲のポットライフに調整」されるものであり、「0.2?2時間かけて」「一次硬化」するのだから、該二液系混合物のポットライフは0.2時間(720秒)以下であると認められる。 イ 刊行物1に記載の発明 上記摘記事項(ア)の「未発泡」「ポリスチレン系ビーズ」は、「二液反応硬化の際に放出される反応熱」に「よって」「微発泡」させるものであり、また、上記摘記事項(オ)に「本発明で用いられるポリスチレン系ビーズ(c)とは、球状(粒状)の未発泡又は・・・のいずれかのもの」とあることから、該「ポリスチレン系ビーズ」は、未発泡の加熱膨張性微小球状体であり、反応熱によって発泡させられるものということができる。 そこで、上記摘記事項(ア)ないし(カ)及び上記認定事項(キ)を、図表を参照しつつ技術常識を踏まえて補正発明に照らして整理すると刊行物1には以下の発明が記載されていると認める。(以下「刊行物1発明」という。) 「イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物とを、混合攪拌して反応硬化させるとともに、反応熱によって前記加熱膨張性微小球状体を発泡させる泡含有ポリウレタン成形物の製造方法であって、 イソシアネート(a-1)は、注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定され、高分子ポリオール(a-2)と低分子ポリオール(a-3)の使用比率は、注型成形が可能な溶融粘度を満足させる範囲等で決められるものであり、 イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物との二液系混合物のポットライフは、720秒以下である泡含有ポリウレタン成形物の製造方法。」 (3)対比 補正発明と刊行物1発明とを対比すると以下のとおりである。 刊行物1発明の「イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマー」は、補正発明の「イソシアネート基含有化合物」に相当することは、その機能及び技術常識に照らして明らかであり、以下同様にそれぞれの機能を踏まえれば、「反応硬化させる」は「硬化させる」に、「泡含有ポリウレタン成形物」は「発泡ポリウレタン」に、「イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物との二液系混合物」は「イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物」に相当することも明らかである。 次に、刊行物1発明の 「イソシアネート(a-1)と高分子ポリオール(a-2)及び低分子ポリオール(a-3)からなるイソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物との二液系混合物のポットライフは、720秒以下である」ことは、上記対比を踏まえ、 「イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフは、720秒以下である」ことと言い換えられるところ、これは、補正発明の 「イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが200秒以上であって480秒以下である」ことと、 「イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが所定時間である」ことである限りにおいて共通する。 したがって、補正発明と刊行物1発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「イソシアネート基含有化合物と、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物とを、混合攪拌して硬化させるとともに、反応熱によって前記加熱膨張性微小球状体を発泡させる発泡ポリウレタンの製造方法であって、 前記イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが所定時間である発泡ポリウレタンの製造方法。」 そして、補正発明と刊行物1発明とは、以下の2点で相違している。 <相違点1> 補正発明は、イソシアネート基含有化合物の粘度が40℃で3000mPa・s以下と特定しているのに対し、刊行物1発明は、イソシアネート基含有化合物における高分子ポリオール(a-2)と低分子ポリオール(a-3)の使用比率は、注型成形が可能な溶融粘度を満足させる範囲等で決められるものの、イソシアネート基含有化合物の具体的な粘度値は明らかでない点。 <相違点2> イソシアネート基含有化合物と前記活性水素含有化合物とを、混合したウレタン樹脂組成物のポットライフが所定時間である点に関し、 補正発明は、ウレタン樹脂組成物のポットライフが200秒以上であって480秒以下であると特定しているのに対し、 刊行物1発明は、イソシアネート(a-1)が注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定されるものであって、ウレタン樹脂組成物のポットライフが720秒以下である点。 (4)相違点の検討 ア 相違点1について まず、刊行物1発明は、イソシアネート基含有化合物の具体的な粘度値は明らかではないものの、イソシアネート基含有化合物における高分子ポリオール(a-2)と低分子ポリオール(a-3)の使用比率は、注型成形が可能な溶融粘度を満足させる範囲等で決められるものであるから、ある程度の低粘度とする必要があることは明らかである。 次に、本件出願前に頒布された刊行物である特開2008-302465号公報には、発泡ポリウレタンの製造方法において均一な発泡性のためにイソシアネート基含有化合物の温度50℃?80℃における粘度を500mPa・s?4000mPa・sの範囲とすることが記載され(段落【0011】、【0022】等参照)、同じく特開2009-061569号公報にも同様のことが記載されている(段落【0012】、【0022】等参照)ことからすれば、発泡ポリウレタンの製造方法において均一な発泡性のためにイソシアネート基含有化合物の粘度を(補正発明のように)40℃で3000mPa・s以下程度とすることは従来周知の事項であるといえ、かかる従来周知の事項を同じ技術分野の刊行物1発明に適用することは格別困難ではない。 さらに、補正発明がイソシアネート基含有化合物の粘度が40℃で3000mPa・s以下と特定している点に関連する本件明細書の具体的な実施例としては、実施例として粘度が40℃で1500mPa・sであるものが1つ挙げられ、比較例として粘度が40℃で4620mPa・sであるものが1つ挙げられている(表1等参照)のみであり、補正発明がイソシアネート基含有化合物の粘度を40℃で3000mPa・s以下としたことの臨界的意義はきわめて乏しいものといわざるを得ない。 以上を総合すると、刊行物1発明に従来周知の事項を適用して相違点1に係る補正発明の特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るところと解するのが相当である。 イ 相違点2について 刊行物1発明は、イソシアネート(a-1)が注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定されるものであるところ、刊行物1発明におけるポットライフの上限値及び下限値を「注型成形時の必要」に応じて更に短く設定することは、当業者が数値範囲の好適化として適宜なし得ることである。 また、補正発明がウレタン樹脂組成物のポットライフが200秒以上であって480秒以下であると特定している点に関連する本件明細書の具体的な実施例としては、実施例としてポットライフが450秒であるものが1つ挙げられ、比較例としてポットライフが150秒であるものが1つ挙げられている(表1等照)のみであり、補正発明がポットライフを200秒以上であって480秒以下とした臨界的意義はきわめて乏しいものといわざるを得ない。 これらを併せ考えれば、刊行物1発明において、ポットライフを補正発明のように200秒以上であって480秒以下の範囲とすることは、当業者が通常の創作能力の発揮によりなし得ることというべきである。 ウ 小括 したがって、補正発明は、刊行物1発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり、決定する。 第3 本件出願の発明について 1 本件出願の発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、当該請求項1に係る発明(以下「本件出願の発明」という。)は、上記第2の1(1)に示す特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの「発泡ポリウレタンの製造方法」である。 2 刊行物 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物及びその記載事項は上記第2の2(2)のとおりである。 3 対比・検討 本件出願の発明は、上記第2の2で検討した補正発明から、実質的に、「混合したウレタン樹脂組成物のポットライフ」について、「480秒以下」であるという限定を削除したものである。 そうすると、本件出願の発明より狭い範囲を特定事項とする補正発明が、上記第2の2で検討したとおり想到容易である以上、それよりも広い範囲を特定事項とする本件出願の発明も、刊行物1発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上により、本件出願の発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-01-28 |
結審通知日 | 2015-02-03 |
審決日 | 2015-02-16 |
出願番号 | 特願2009-128781(P2009-128781) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B24B)
P 1 8・ 575- Z (B24B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 亀田 貴志 |
特許庁審判長 |
石川 好文 |
特許庁審判官 |
刈間 宏信 長屋 陽二郎 |
発明の名称 | 発泡ポリウレタンの製造方法および研磨パッドの製造方法 |
代理人 | 岡田 和秀 |