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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1300469 |
審判番号 | 不服2013-22566 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-11-19 |
確定日 | 2015-05-07 |
事件の表示 | 特願2011-548837「情報の表示」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 8月12日国際公開、WO2010/089722、平成24年 8月 2日国内公表、特表2012-517630〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、2010年(平成22年)2月8日(パリ条約による優先権主張2009年(平成21年)2月9日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成25年2月21日付けで拒絶の理由が通知され、平成25年6月27日付けで手続補正がなされたが、平成25年7月18日に拒絶査定がなされたものである。これを不服として、平成25年11月19日に本件審判請求がなされると同時に同日付けで手続補正がなされた。 第2.平成25年11月19日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成25年11月19日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)を却下する。 [理由] 1.補正の内容 本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る補正は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「項目リストの一部を表示するように構成された表示部分」を、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分」と限定し、同じく発明特定事項である「アイコン」及び「項目リスト」を、「前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された、」と限定したものである。 2.補正の適否 (1)限定的減縮 請求項1に係る補正は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項を限定したものであり、特許法第17条の2第5項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて以下に検討する。 (2)独立特許要件 ア.本願補正発明 本願補正発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分を表示させるステップと、 起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップと、 を含み、 表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示され、 前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、 前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された、 ことを特徴とする方法。」 イ.刊行物1発明 原査定の拒絶の理由で引用された特開2006-331256号公報(以下、「刊行物1」という)には、図面(特に、【図3】)とともに次の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、所定のデバイスを駆動制御するドライバプログラムをインストーラを介してインストール可能な情報処理装置、インストール処理方法、コンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムに関するものである。」 「【0041】 図3は、図1に示したホストコンピュータ100の表示装置に表示されるプリンタ管理ツールの一例を示す図であり、既に登録されているプリンタの名称と、プリンタアイコンが一覧として表示されている状態を示す。 【0042】 図3において、ユーザは、プリンタの追加アイコン等を図示しないポインティングデバイス等を操作することで、プリンタドライバをインストールするためのインストーラが起動するように構成されている。」 刊行物1には、「インストール処理方法」(【0001】)が記載され、該方法は、「ホストコンピュータの表示装置に表示されるプリンタ管理ツール」(【0041】)を用いたものである。 この「プリンタ管理ツール」は、「既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコンが一覧として表示されている状態」(【0041】)で、「ユーザ」が、「プリンタの追加アイコン等をポインティングデバイス等を操作することで、プリンタドライバをインストールするためのインストーラが起動するように構成されている」(【0042】)ものである。 また、刊行物1の【図3】には、「プリンタの追加」との名称とともにプリンタ追加アイコンが、既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコンとともに一覧として表示されている状態が記載されている。 したがって、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1発明」という)が記載されていると認められる。 [刊行物1発明] ホストコンピュータの表示装置に表示されるプリンタ管理ツールを用いたインストール処理方法であって、プリンタ管理ツールは、既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコンが一覧として表示されている状態で、ユーザが、プリンタの追加アイコンをポインティングデバイスにより操作することで、プリンタドライバをインストールするためのインストーラが起動するように構成されているインストール処理方法。 ウ.本願補正発明と刊行物1発明との対比 (ア)本願補正発明の「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分を表示させるステップ」について 刊行物1発明は、「ホストコンピュータの表示装置に表示されるプリンタ管理ツール」を用いた方法であり、この「ホストコンピュータの表示装置」の画面のうち「プリンタ管理ツール」が表示される部分は「表示部分」といえる。刊行物1発明では、該「表示部分」に、「既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコンが一覧として表示」されるから、刊行物1発明は、一覧として表示される、「既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコンを表示するように構成された表示部分を表示させるステップ」を含むといえる。 この一覧として表示される、「既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコン」は、「項目リスト」といえるものである。 したがって、刊行物1発明は、「項目リストを表示するように構成された表示部分を表示させるステップ」を含むといえ、この点で本願補正発明と共通するものであるといえる。 しかしながら、「表示部分」が、本願補正発明では、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された」ものであるのに対し、刊行物1発明では、「項目リスト」を一覧として表示するように構成されている点で両者は相違する。 (イ)本願補正発明の「起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップ」について 刊行物1発明は、「ユーザが、プリンタの追加アイコンをポインティングデバイスにより操作することで、プリンタドライバをインストールするためのインストーラが起動するように構成されている」ものである。 刊行物1発明の「プリンタの追加アイコン」は、既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコンとともに一覧表示されているのであるから、本願補正発明の「リスト内のアイコン」に相当し、それをポインティングデバイスにより操作することで、インストーラが起動するのであるから、刊行物1発明は、「リスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップ」を含むものといえる。また、インストーラを起動してプリンタを追加すると、インストールにより追加された新たなプリンタが登録され、そのプリンタの名称とプリンタアイコンが表示されると考えられるから、「プリンタの追加アイコン」は、「起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにする」ものであるといえる。 したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、「起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップ」を含む点で一致している。 (ウ)本願補正発明の「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示され」について 本願補正発明では、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」のに対し、刊行物1発明では、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないとき」については規定されていない点で両者は相違する。 (エ)本願補正発明の「前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、 前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された」について 本願補正発明は、「前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、 前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された」ものであるのに対し、刊行物1発明は、そのように構成されていない点で両者は相違する。 (オ)一致点、相違点 上記(ア)、(ウ)で述べた相違点は、何れも、項目リストの一部を表示することに関するものであり、1つの相違点としてまとめられる。 したがって、本件補正発明と刊行物1発明の一致点、相違点は次のとおりである。 [一致点] 項目リストを表示するように構成された表示部分を表示させるステップと、 起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップと、 を含む方法。 [相違点] ・相違点1 「表示部分」が、本願補正発明では、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された」ものであって、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」のに対し、刊行物1発明では、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された」ものではなく、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないとき」については規定されていない点。 ・相違点2 本願補正発明では、「前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、 前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された」ものであるのに対し、刊行物1発明は、そのように構成されていない点。 エ.当審の判断 上記相違点1、及び、相違点2について併せて検討する。 刊行物1発明における、表示装置に表示されるプリンタ管理ツールは、複数のプリンタなどのなかからユーザが選択するものを表示するツールであって、【図3】のものが一例として記載されている。この表示の方法は一例であるから、公知の他の表示方法も採用し得ることは明らかである。 また、刊行物1発明において、登録されているプリンタの数が多くて画面上に同時に表示できない事態は想定し得ることである。 一方、本願の優先権主張の日前に頒布された特開平7-98640号公報(以下、「刊行物2」という)に記載されている(刊行物2の記載事項については、下記(*)を参照)ように、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分を表示させる方法」が知られており、この表示方法は、刊行物1発明の、複数のプリンタのなかからユーザが選択するための項目の表示の方法としても有用なものであって、この方法を採用できない特別な理由もないことは当業者には明らかである。 したがって、刊行物1発明において、表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、「プリンタ管理ツール」が表示される部分(本願補正発明の「表示部分」に相当)を、刊行物2に記載されたように、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分」とすること、すなわち、「表示部分」を、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された」ものとし、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」ようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。 また、そのようにした場合には、既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコンが項目としてオブジェクトホイールに配置されることとなり、また、刊行物2記載のオブジェクトホイールは、【図19】、【図20】に示されるように、環状のものであるから、刊行物1の【図3】に記載されたような、既に登録されているプリンタの名称とプリンタアイコン、及び、プリンタの追加アイコンの並びをそのまま刊行物2のようなオブジェクトホイール上の項目とすると、プリンタの追加アイコン(本願補正発明の「アイコン」に相当する)は、最初のプリンタアイコンと最後のプリンタアイコンとの間に配置されることとなるのは明らかである。 まとめると、刊行物1発明において、刊行物2に記載された方法を適用し、「表示部分」を、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された」ものとし、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」ようにし、「前記アイコンは、前記項目リスト内の最初の項目と最後の項目との間に配置され、前記項目リストは、前記アイコンを過ぎてスクロールすることで、リスト内の前記最初の項目から前記最後の項目にスクロールすることを可能にするように構成された」ものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (*)刊行物2の記載事項 本願の優先権主張の日前に頒布された特開平7-98640号公報(以下、「刊行物2」という)には、図面(特に、【図19】、【図20】)とともに、次のように記載されている。 「【0084】オブジェクトホイール 多数の任意のオブジェクトの中から選択をしなくてはならない場合がしばしばある。従って、ユーザーインターフェースでは、多数のオブジェクトを表示する方法と表示されているオブジェクトのいずれかをユーザーに選択させる方法の二つの方法を提供しなくてはならない。 【0085】例えば、図14のテレビ制御スペース64では、本願発明のユーザーインターフェースはユーザーが選択するための任意の複数のテレビチャンネルを表示する方法を提供しなくてはならない。いずれのシステムでも、スクリーンスペースは貴重なものである。できる限り多くのオプションの中から選択しなくてはならない場合は、オプションはコンパクトに表示しなくてはならない。本願発明では、ユーザーの選択用として500のテレビチャンネルオブジェクトがある場合、全てのチャンネルを一度に表示するには非常に大きなスクリーンスペースを取るだけでなく、リストの視覚的コンテキスト(すなわち、何故ユーザーはまず初めにこのリストを見ているのか)が失われてしまう。このように、利用可能なオブジェクトをユーザーが拾い読みできるようにする方法が必要である。 【0086】本願発明のユーザーインターフェースでは、大きなグループのオブジェクトからユーザーが選択を行えるようにする方法を提供する「オブジェクトホイール」を導入する。オブジェクトホイールでは、グループ内の残りのオブジェクトはスクリーン表示せずに、オブジェクトホイールの中ですぐにアクセス可能な少数のオブジェクトを表示スクリーン上に表示する。スクリーンに表示されていないオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはオブジェクトホイールを「スピン」させてアクセスできなかったオブジェクトを表示スクリーン上に表示させる。 【0087】図18において、多数の果物オブジェクトをユーザーは選択の対象として利用可能であるが、表示スクリーン37の横方向に一度に表示できるのはそのうちわずかに4つの果物だけである。利用できる全ての果物オブジェクトにユーザーがアクセスできるよう、本願発明では図19の概念図に示すように「オブジェクトホイール」38に果物オブジェクトの帯を設けている。オブジェクトホイール38上の幾つかのオブジェクトは表示スクリーン37上ですぐにアクセスすることができる。表示スクリーン37に表示されていないオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはオブジェクトホイール38を回転させればよい。オブジェクトホイール38が回転するにつれ、図20に示すように新しいオブジェクトが現れ、別のオブジェクトは消えていく。タッチスクリーンディスプレイ37に示されているオブジェクトホイールを操作するため、オペレーターは航海用ジェスチャー(navigational gestures) すなわちポイント、スピン、ピックアップジェスチャーを使用する。これら3つの航海用ジェスチャーは後の章で説明する。」 以上の記載及び【図19】、【図20】の記載から、刊行物2には、次の方法が記載されている。 スクリーンスペースが貴重なものである一方、できる限り多くのオプションの中から選択しなくてはならない場合に、多数のオブジェクトの中からユーザが選択を行えるようにする表示方法として、オブジェクトホイールを用い、オブジェクトホイール上の幾つかのオブジェクトは表示スクリーン上ですぐにアクセスすることができ、表示スクリーンに表示されていないオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはオブジェクトホイールを回転させればよく、オブジェクトホイールが回転するにつれ、新しいオブジェクトが現れ、別のオブジェクトは消えていくようなオブジェクトホイールを用いる方法。 刊行物2に記載された方法における、オブジェクトホイール上の多数のオブジェクトは、ユーザが選択を行うものであるから、「項目リスト」といえる。 また、回転するオブジェクトホイールは、オブジェクトホイール上の幾つかのオブジェクトは表示スクリーン上ですぐにアクセスすることができ、表示スクリーンに表示されていないオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはオブジェクトホイールを回転させればよく、オブジェクトホイールが回転するにつれ、新しいオブジェクトが現れ、別のオブジェクトは消えていくようなものであるから、このオブジェクトホイールの表示スクリーンに表示された部分は、「スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分」といえるものである。 さらに、刊行物2に記載された方法の「スクリーンスペースが貴重なものである一方、できる限り多くのオプションの中から選択しなくてはならない場合」とは、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないとき」と言い換えられる。 よって、刊行物2には、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、スクロールするリボンとして表示される項目リストの一部を表示するように構成された表示部分を表示させる方法」が記載されていると認められる。 オ.独立特許要件のまとめ 以上のとおり、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物2記載の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (3)補正の適否のまとめ よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成25年11月19日付けの手続補正は、上述のとおり却下されたので、本願の請求項1-51に係る発明は、平成25年6月27日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-51に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は次のとおりのものである。 [本願発明] 「項目リストの一部を表示するように構成された表示部分を表示させるステップと、 起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップと、 を含み、 表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示されることを特徴とする方法。」 2.刊行物1発明 刊行物1に記載された発明は、上記「第2.2.(2)イ.刊行物1発明」に記載したとおりである。 3.本願発明と刊行物1発明との対比 本願発明と刊行物1発明との対比は、補正された部分を除いて、上記「第2.2.(2)ウ.本願補正発明と刊行物1発明との対比」と同様にでき、両者の一致点、相違点は次のとおりである。 [一致点] 項目リストを表示するように構成された表示部分を表示させるステップと、 起動時に前記項目リストに項目を追加できるようにするリスト内のアイコンが選択されたことを判定するステップと、 を含む方法。 [相違点] 「表示部分」が、本願発明では、「項目リストの一部を表示するように構成された」ものであって、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」のに対し、刊行物1発明では、「項目リストの一部を表示するように構成された」ものではなく、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないとき」については規定されていない点。 4.当審の判断 刊行物1発明における、表示装置に表示されるプリンタ管理ツールは、複数のプリンタなどのなかからユーザが選択するものを表示するツールであって、【図3】のものが一例として記載されている。この表示の方法は一例であるから、公知の他の表示方法も採用し得ることは明らかである。 また、刊行物1発明において、登録されているプリンタの数が多くて画面上に同時に表示できない事態は想定し得ることである。 一方、項目リストを画面の表示部分に表示するコンピュータ等のシステムにおいて、表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、画面をスクロールできるようにして、項目リストの一部を表示するように表示部分を構成することは普通に行われていること(例えば、特開平11-338611号公報【0010】、【図5】、特開2004-341603号公報【図6】、特開2003-131990号公報【図34】等を参照)であるから、刊行物1発明においても、ホストコンピュータの表示装置に表示されるプリンタ管理ツールに表示されるプリンタの名称とプリンタアイコンなどの数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、画面をスクロールできるようにして、プリンタの名称とプリンタアイコンなどの一部を表示するようにプリンタ管理ツールを構成することは当業者が容易に想到し得ることである。 すなわち、刊行物1発明において、「表示部分」を、「項目リストの一部を表示するように構成された」ものとし、「表示される項目数が多すぎて画面上に同時に表示できないときに、前記項目リストの一部が表示される」ようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。 したがって、本願発明は、刊行物1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4.むすび 以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-12-03 |
結審通知日 | 2014-12-08 |
審決日 | 2014-12-19 |
出願番号 | 特願2011-548837(P2011-548837) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩橋 龍太郎 |
特許庁審判長 |
和田 志郎 |
特許庁審判官 |
千葉 輝久 小曳 満昭 |
発明の名称 | 情報の表示 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 上杉 浩 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 須田 洋之 |
代理人 | 辻居 幸一 |