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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1301602
審判番号 不服2013-23564  
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-02 
確定日 2015-06-01 
事件の表示 特願2012-154522「エラー情報表示装置およびエラー情報表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月30日出願公開,特開2014- 16866〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,
平成24年7月10日を出願日とする出願であって,
同日付けで審査請求がなされ,
平成25年6月12日付けで拒絶理由通知(同年6月14日発送)がなされ,
同年8月7日付けで意見書が提出されるとともに,
同日付けで手続補正書が提出され,
同年11月18日付けで拒絶査定(同年11月20日謄本発送・送達)がなされたものである。

これに対して,「原査定を取り消す、この出願の発明は特許すべきものとする、との審決を求める。」ことを請求の趣旨として,平成25年12月2日付けで本件審判請求がなされるとともに,
同日付けで手続補正書が提出され,
平成26年2月7日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされた。


第2 平成25年12月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成25年12月2日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容

上記平成25年12月2日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)の内容は,上記同年8月7日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1,2の記載

「【請求項1】
装置エラーが発生したときにその装置エラーの内容を示すエラー情報メッセージを表示する表示手段と、エラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されるエラー情報編集手段と、表示手段にて表示されるエラー情報メッセージにエラー情報編集手段に入力された処理メッセージを関連付ける関連付け手段とを備えたエラー情報表示装置であって、
装置エラーが発生したときに、表示手段の表示部に、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに前記関連付け手段にて関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、前記表示手段にて表示されるエラー情報メッセージに対応する処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージをエラー情報編集手段に入力し、処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージをエラー情報編集手段に入力し、
表示手段の表示部の処理メッセージの表示は、エラー情報編集手段に入力されている処理メッセージから関連付け手段の選択で行うことを特徴とするエラー情報表示装置。
【請求項2】
装置のエラー情報メッセージと処理メッセージを表示するエラー情報表示方法であって、
装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、表示されるエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力し、処理メッセージが入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージを入力し、処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行うことを特徴とするエラー情報表示方法。」
(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前の請求項」という。)

を,

「【請求項1】
装置エラーが発生したときにその装置エラーの内容を示すエラー情報メッセージを表示する表示手段と、エラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されるエラー情報編集手段と、表示手段にて表示されるエラー情報メッセージにエラー情報編集手段に入力された処理メッセージを関連付ける関連付け手段とを備えたエラー情報表示装置であって、
装置エラーが発生したときに、表示手段の表示部に、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに前記関連付け手段にて関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、前記表示手段にて表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージをエラー情報編集手段に入力し、処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージをエラー情報編集手段に入力し、 表示手段の表示部の処理メッセージの表示は、エラー情報編集手段に入力されている処理メッセージから関連付け手段の選択で行うことを特徴とするエラー情報表示装置。
【請求項2】
装置のエラー情報メッセージと処理メッセージを表示するエラー情報表示方法であって、
装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力し、処理メッセージが入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージを入力し、処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行うことを特徴とするエラー情報表示方法。」(当審注:下線は,出願人が付与したものである。)
(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項」という。)

に補正することを含むものである。


2.補正の目的要件

本件補正が,特許法第17条の2第5項の規定を満たすものであるか否か,すなわち,本件補正が,特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。

(1)補正後の請求項1は,その記載からして,次の補正事項を含んでいる。

(a)補正事項1
補正前の請求項1の「装置エラーが発生して、前記表示手段にて表示されるエラー情報メッセージに対応する処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されていないときに、」に対して,「装置エラーが発生して、前記表示手段にて表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージがエラー情報編集手段に入力されていないときに、」とする補正

(2)補正後の請求項2は,その記載からして,次の補正事項を含んでいる。

(a)補正事項2
補正前の請求項2の「装置エラーが発生して、表示されるエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、」に対して,「装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、」とする補正

(3)上記平成25年12月2日付けの審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「(1)補正の内容」には,補正事項1,2である「その装置エラーの」を追加する補正について,以下の記載がある。

「この補正は、明りょうでない記載の釈明に該当すると考える。」及び「また、今回の補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項を限定するものであって、補正前の発明の『エラー情報表示装置』という産業上の利用分野、および『エラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに対する対処方法とが表示され、ユーザが復旧作業を行うことが可能となるエラー情報表示装置を提供する』という発明が解決しようとする課題を同じくするものであり、特許請求の範囲の限定的減縮に該当すると考える。」

(4)補正事項1について検討する。
補正事項1は「前記表示手段にて表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが」と補正することを含み,具体的には,「エラー情報メッセージ」を「その装置エラーのエラー情報メッセージ」とするものである。

まず,平成25年6月12日付けの拒絶理由通知においては,特許法第36条第6項第2号違反に関する拒絶理由は記載が無いものである。よって,補正事項1が,「明りょうでない記載の釈明」に該当したとしても,拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものではないので,特許法第17条の2第5項第4号に掲げられる事項を目的とするものとはいえない。

一方,「エラー情報メッセージ」を,「その装置エラーのエラー情報メッセージ」と限定する当該補正は,「エラー情報メッセージ」が「その装置エラー」に対応するものであることを限定するものであり,かつ,産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではない。

したがって,補正事項1は,請求項に記載した発明特定事項を限定するものであって,その補正前の当該補正項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下,「限定的減縮」という。),すなわち,特許法第17条の2第5項第2号に掲げられる事項を目的とするものである。

(5)次に,補正事項2について検討する。
補正事項2は,補正事項1と同じ「その装置エラーの」という語句を追加する補正であることから,補正事項1と同じ目的であるといえる。

(6)したがって,補正事項1,2はともに,限定的減縮を目的とするものであるといえる。

3.独立特許要件

以上のように,本件補正は限定的減縮を目的とする補正であるので,次に,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本件補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)を検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は,上記平成25年12月2日付けの手続補正(本件補正)により補正された特許請求の範囲の請求項2に記載されたとおりの次のものである。(再掲する。)

「 装置のエラー情報メッセージと処理メッセージを表示するエラー情報表示方法であって、
装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力し、処理メッセージが入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージを入力し、処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行うことを特徴とするエラー情報表示方法。」

(2)引用文献1に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

(2-1)引用文献1
本願の出願日前に頒布または電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり,原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年6月12日付けの拒絶理由通知において引用された文献である,特開平7-253956号公報(平成7年10月3日出願公開。以下,「引用文献1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0008】さらに、従来は、一度行った処理の記録がなされないため、全く同じ処理の障害であってもオペレータはその都度対処方法を思い出しながら操作を行う必要があり、このような理由からも対処が迅速に行えないという問題があった。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、障害の種類の確認やその対処をより迅速に行うことのできる計算機監視方式を提供することを目的とする。」

B 「【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の計算機監視方式の原理図である。集中監視装置1側には、障害に対応した対処方法を格納する対処方法格納手段1aが設けられている。メッセージ表示手段1bは、障害に応じたエラーメッセージを、予め各被監視計算機2a,2b・・・において付加された分類データとともに表示画面1c上に表示する。エラーメッセージが表示された障害の中から対処したいものをオペレータの操作に従って対処障害選択手段1dが選択すると、対処方法表示手段1eは、選択された障害の対処方法を対処方法格納手段1aから読み出して表示画面1c上に表示する。
【0014】障害対処実行手段1fは、表示された対処方法に従ってオペレータの操作により障害対処を実行し、この障害対処実行手段1fによる対処内容の履歴を対処履歴格納手段1gが格納する。対処履歴選択手段1hは、格納された対処履歴の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し、選択された対処履歴を対処履歴表示手段1iが表示画面1c上に表示する。」

C 「【0021】図4は集中監視装置10の監視機能の構成を示すブロック図である。被監視側の計算機20や30から送られたエラーメッセージは、エラー受信手段10aが受け取り、集中監視中継手段10bに送る。集中監視中継手段10bは、このエラーメッセージを各集中監視制御手段10c,10d,10eに送る。自己障害監視手段10fは、集中監視装置10自身の障害を監視し、障害の発生時には、エラーメッセージを集中監視中継手段10bに送る。これを受けた集中監視中継手段は、エラーメッセージに分類データを付加して各集中監視制御手段10c,10d,10eに送る。
【0022】集中監視制御手段10c,10d,10eは、それぞれ端末装置11,12,13との間で障害対処の制御を行う手段である。集中監視制御手段10c,10d,10eは、集中監視中継手段10bから送られたエラーメッセージをそれぞれ端末装置11,12,13に送る。また、集中監視制御手段10c,10d,10eは、ハードディスク装置(HDD)15内に格納された対処方法のデータを読み込み、端末装置11,12,13に送る。これらのデータを受けた端末装置11,12,13は、それぞれ表示装置11a,12a,13aでエラーメッセージおよびその分類を表示する。この表示例は後述する。」

D 「【0029】図6は対処操作画面の表示例を示す図である。ここでは、番号01のエラーメッセージが対処選択されたものとする。対処操作画面51は、エラーメッセージ表示画面50上にウィンドウ形式で表示される。対処操作画面51は、主に、状態表示欄51a,分類表示欄51b,対応者記入欄51c,メッセージ表示欄51d,対処方法表示欄51e,メモ欄51f,メニュー表示欄51gから構成されている。
【0030】状態表示欄51aは、対処操作画面51が起動される前のエラーメッセージ表示画面50の状態表示欄50aと同じものが表示される。分類表示欄51b,メッセージ表示欄51dには、それぞれエラーメッセージ表示画面50の分類表示欄50a,メッセージ表示欄50cと同じものが表示される。対応者記入欄51cには、対処を行ったオペレータの名前が記入される。対処方法表示欄51eには、選択したエラーメッセージに対応する対処方法が表示される。メモ欄51fには、オペレータのコメント等を入力することができる。
【0031】メニュー表示欄51gには、操作実行のための機能メニューが表示される。「ログ」をカーソル50dで指定すると、選択したエラーメッセージの前回の対処操作ログ(対処履歴)がハードディスク装置15から読み出され、図7に示すように、対処方法表示欄51eの上に対処操作ログ表示画面52としてウィンドウ表示される。オペレータは、対処方法表示欄51eまたは対処操作ログ表示画面52の表示に従って操作を行うことにより、障害の対処を実行していく。
【0032】対処が終了したは場合には、オペレータは、メニュー表示欄51gの「対処済」を指定する。この場合には、対処操作画面51は終了し、エラーメッセージ表示画面50側の状態表示欄50aは「調査中」から「対処済」に切り替わる。この表示の切替えは、他の端末装置12,13においても行われる。
【0033】作業の途中、オペレータが何らかの処理のためエラーメッセージの状態を保留にしたい場合には、メニュー表示欄51gの「保留」をカーソル指定することにより、エラーメッセージ表示画面50側の状態表示欄50aが「保留」に切り替わる。また、今回の処理を全て無効にしたい場合には、メニュー表示欄51gの「取消」を指定することにより可能となる。当然、このときには、他の端末装置12および13の表示画面でも対応する部分の表示が切り替わる。
【0034】このように障害に対する対処が終了すると、対処操作画面51上には、対処操作ログの登録を行うための対処操作ログ登録画面が表示される。図8は対処操作ログ登録画面の表示例を示す図である。対処操作ログ登録画面53は、対処操作画面51上にウィンドウ形式で表示される。この対処操作ログ登録画面53では、対処操作ログを登録するか,しないのか指示を行う。登録を行う場合は「登録」をカーソル50dで選択する。登録を行わない場合は「取消」をカーソル50dで選択する。これにより、今回行った対処操作の手順が、ハードディスク装置15に格納される。この格納されたデータは、次回の対処操作のときに、メニュー表示欄51gの「ログ」を指定することにより、図7に示した対処操作ログ表示画面52として表示することができる。」

E 「【0036】図10はエラーメッセージ処理を行うための集中監視装置10側の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは各計算機からエラーメッセージが送られたときから開始される。
〔S11〕各端末装置11,12,13の表示装置11a,12a,13aのエラーメッセージ表示画面50上にエラーメッセージを表示する。
〔S12〕対処操作すべきエラーメッセージの選択がなされたか否かを判断し、選択されればステップS13に進み、そうでなければステップS12を繰り返す。
〔S13〕エラーメッセージ表示画面50が表示されている各端末の画面上に対処操作画面51を表示するとともに、状態表示欄50aの対応するエラーメッセージの部分の表示内容を切り替える。
【0037】〔S14〕選択されたエラーメッセージの対処方法がハードディスク装置15に登録されているか否かを判断し、登録されていればステップS15に進み、されていなければステップS16に進む。
〔S15〕ハードディスク装置15から対処方法を読み出し、対処操作画面51上に表示する。
〔S16〕現在対処操作のなされている端末装置以外に端末装置が集中監視装置10に接続されているか否かを判断し、接続されていればステップS17に進み、接続されていなければステップS18に進む。
〔S17〕他の端末装置の表示装置に表示されているエラーメッセージ表示画面の状態表示欄の対応する部分の表示内容を切り替える。
〔S18〕対処操作ログの表示指令があるか否かを判断し、あればステップS19に進み、なければステップS21に進む。
〔S19〕表示指令された対処操作のログがハードディスク装置15に登録されているか否かを判断し、登録されていればステップS20に進み、なければステップS21に進む。
〔S20〕対処操作ログ表示画面52を表示する。
〔S21〕オペレータに対処操作を実行させる。
〔S22〕対処操作の実行後、その対処操作ログの登録指令があるか否かを判断し、あればステップS23に進み、なければ本フローチャートを終了する。
〔S23〕指令された対処操作ログをハードディスク装置15に登録する。
【0038】このように、本実施例では、集中監視装置10に接続された端末装置11,12,13の各表示装置11a,12a,13aの画面上に、エラーメッセージとともにその分類を表示するようにしたので、オペレータは各エラーメッセージに対して迅速な認識を行うことができる。
【0039】また、本実施例では、エラーメッセージに応じた対処方法を画面表示するようにしたので、オペレータの熟練度に係わらず、迅速にかつ適切な対処操作が可能となる。
【0040】さらに、本実施例では、対処操作のログを登録できるようにし、さらにその登録した対処操作ログを次回の対処操作時に参照できるようにしたので、より迅速な操作が可能になるとともに、ノウハウの継承が可能となる。」

F 「【0042】なお、本実施例では、対処方法表示画面51等をウィンドウ形式で表示するようにしたが、本発明では必ずしもこの表示形式に限られる必要はなく、切替え表示や分割表示等にしてもよい。
【0043】【発明の効果】以上説明したように本発明では、障害に応じたエラーメッセージを分類データとともに表示画面上に表示し、その中からオペレータに選択された障害の対処方法を表示画面に表示し、表示された対処方法に従ってオペレータの操作により障害対処を実行し、この対処内容の履歴を格納し、格納された対処履歴の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し、選択された対処履歴を表示画面上に表示するようにしたので、障害の種類の確認やその対処をより迅速に行うことができる。」

ア 引用文献1の記載事項

ここで,上記引用文献1に記載されている事項を検討する。

(ア)上記Cの「被監視側の計算機20や30から送られたエラーメッセージは、エラー受信手段10aが受け取り、集中監視中継手段10bに送る。集中監視中継手段10bは、このエラーメッセージを各集中監視制御手段10c,10d,10eに送る。自己障害監視手段10fは、集中監視装置10自身の障害を監視し、障害の発生時には、エラーメッセージを集中監視中継手段10bに送る。」との記載及び上記Eの「このフローチャートは各計算機からエラーメッセージが送られたときから開始される。」,「〔S13〕エラーメッセージ表示画面50が表示されている各端末の画面上に対処操作画面51を表示する。」並びに「〔S14〕選択されたエラーメッセージの対処方法がハードディスク装置15に登録されているか否かを判断し、登録されていればステップS15に進み、されていなければステップS16に進む。〔S15〕ハードディスク装置15から対処方法を読み出し、対処操作画面51上に表示する。」との記載等から,「被監視側の計算機」の「エラーメッセージの表示」と「対処方法を表示する」ことが読み取れる。また,「エラーメッセージの表示」を行うことから,「エラーメッセージ表示方法」が記載されているといえる。
したがって,これらの記載等から,引用文献1には,「被監視側の計算機のエラーメッセージの表示と該エラーメッセージの対処方法を表示するエラーメッセージ表示方法」について記載されているといえる。

(イ)上記(ア)で検討した記載に加えて,上記Bの「集中監視装置1側には、障害に対応した対処方法を格納する対処方法格納手段1aが設けられている。メッセージ表示手段1bは、障害に応じたエラーメッセージを、予め各被監視計算機2a,2b・・・において付加された分類データとともに表示画面1c上に表示する。エラーメッセージが表示された障害の中から対処したいものをオペレータの操作に従って対処障害選択手段1dが選択すると、対処方法表示手段1eは、選択された障害の対処方法を対処方法格納手段1aから読み出して表示画面1c上に表示する。」との記載及び上記Fの「対処方法表示画面51等をウィンドウ形式で表示するようにしたが、本発明では必ずしもこの表示形式に限られる必要はなく、切替え表示や分割表示等にしてもよい。」との記載等から,対処方法表示画面をエラーメッセージ表示画面と画面分割して表示可能であることが読みとれ,引用文献1には,「障害発生時に」「被監視側の計算機から送られた,前記障害に応じたエラーメッセージと」,「対処方法格納手段から読み出した前記障害に対応した対処方法とを,画面に表示」することが記載されているものと認められる。

(ウ)
a 上記Eの〔S14〕及び図10の記載から,「エラーメッセージの対処方法がハードディスク装置15に登録されていない」場合は〔S16〕以降に進み,〔S21〕?〔S23〕を実行することから,「エラーメッセージの対処方法が対処方法格納手段に登録されていない場合に,対処操作を実行させ,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録」することが読み取れる。

b また,上記Eの〔S14〕,〔S15〕,〔S18〕?〔S21〕の記載から,エラーメッセージの対処方法が「対処方法格納手段に登録されていた」場合,「対処操作ログの表示指令があれば,該対処操作ログを表示し,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録する」ことが読み取れる。

c さらに,上記Dの「作業の途中、オペレータが何らかの処理のためエラーメッセージの状態を保留にしたい場合には、メニュー表示欄51gの「保留」をカーソル指定することにより、エラーメッセージ表示画面50側の状態表示欄50aが「保留」に切り替わる。」及び「このように障害に対する対処が終了すると、対処操作画面51上には、対処操作ログの登録を行うための対処操作ログ登録画面が表示される。図8は対処操作ログ登録画面の表示例を示す図である。対処操作ログ登録画面53は、対処操作画面51上にウィンドウ形式で表示される。この対処操作ログ登録画面53では、対処操作ログを登録するか,しないのか指示を行う。登録を行う場合は「登録」をカーソル50dで選択する。登録を行わない場合は「取消」をカーソル50dで選択する。これにより、今回行った対処操作の手順が、ハードディスク装置15に格納される。この格納されたデータは、次回の対処操作のときに、メニュー表示欄51gの「ログ」を指定することにより、図7に示した対処操作ログ表示画面52として表示することができる。」との記載から,「対処操作ログの登録をするか,しないかの指示をオペレータが行い,登録を行う場合は,該対処操作の手順を対処操作ログとして格納し,この格納された該対処操作ログは,次回の対処操作のときには,メニュー表示欄の「ログ」をオペレータが指定することで,対処操作ログ表示画面に表示するようにして」いることが読み取れる。

d 次に,上記Bの「対処履歴選択手段1hは、格納された対処履歴の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し、選択された対処履歴を対処履歴表示手段1iが表示画面1c上に表示する。」との記載及び上記Dの「対処操作ログ(対処履歴)」との記載から,「エラーメッセージが表示された障害の対処操作ログ(対処履歴)の表示は,格納された対処操作ログ(対処履歴)の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し,表示する」ものであることが読み取れる。

e 上記a?dで検討した事項をまとめると,引用文献1から,「エラーメッセージの対処方法が対処方法格納手段に登録されていない場合に,対処操作を実行させ,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録し,」「前記対処方法格納手段に登録されていた場合は,対処操作ログの表示指令があれば,該対処操作ログを表示し,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録するものであり,」「前記対処操作ログの登録をするか,しないかの指示をオペレータが行い,登録を行う場合は,該対処操作の手順を対処操作ログとして格納し,この格納された該対処操作ログは,次回の対処操作のときには,メニュー表示欄の『ログ』をオペレータが指定することで,対処操作ログ表示画面に表示するようにしており」「エラーメッセージが表示された障害の対処操作ログ(対処履歴)の表示は,格納された対処操作ログ(対処履歴)の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し,表示する」ものであることが読み取れる。

引用発明の認定

以上,(ア)?(ウ)で検討した事項を踏まえると,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「被監視側の計算機のエラーメッセージの表示と該エラーメッセージの対処方法を表示するエラーメッセージ表示方法において,
障害発生時に,被監視側の計算機から送られた,前記障害に応じたエラーメッセージと,対処方法格納手段から読み出した前記障害に対応した対処方法とを,画面に表示し,
前記エラーメッセージの対処方法が前記対処方法格納手段に登録されていない場合に,対処操作を実行させ,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録し,
前記対処方法格納手段に登録されていた場合は,対処操作ログの表示指令があれば,該対処操作ログを表示し,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録するものであり,
前記対処操作ログの登録をするか,しないかの指示をオペレータが行い,登録を行う場合は,該対処操作の手順を対処操作ログとして格納し,この格納された該対処操作ログは,次回の対処操作のときには,メニュー表示欄の『ログ』をオペレータが指定することで,対処操作ログ表示画面に表示するようにしており,
エラーメッセージが表示された障害の対処操作ログ(対処履歴)の表示は,格納された対処操作ログ(対処履歴)の中から表示させたいものをオペレータの操作に従って選択し,表示するものである,
エラーメッセージ表示方法。」

(3)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

(3-1)引用発明の「エラーメッセージ」及び「対処方法」は,本件補正発明の「エラー情報メッセージ」及び「処理メッセージ」に相当し,引用発明における「エラーメッセージ表示方法」は,本件補正発明の「エラー情報表示方法」に相当する。

(3-2)引用発明が「障害発生時に,被監視側の計算機から送られた,前記障害に応じたエラーメッセージと,対処方法格納手段から読み出した前記障害に対応した対処方法とを,画面に表示し」と特定されることからすると,引用発明においても,本件補正発明のように,「装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され」ているものと認められる。

(3-3)引用発明が「障害発生時に」,「前記エラーメッセージの対処方法が前記対処方法格納手段に登録されていない場合に,対処操作を実行させ,該対処操作の実行後に,対処操作ログの登録指令があれば,該対処操作ログを前記対処方法格納手段に登録し」と特定されることからすると,引用発明においても,「装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力し」ているものと認められる。

(3-4)引用発明は「該対処操作ログは,次回の対処操作のときには,メニュー表示欄の『ログ』をオペレータが指定することで,対処操作ログ表示画面に表示するようにしており」と特定されるところ,引用発明における,「対処操作ログ」はエラーに対応する対処操作の履歴であり,エラーメッセージに関連した処理メッセージのひとつであることから,「処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行う」ものと認められる。

(3-5)よって,本件補正発明は,下記の一致点で引用発明と一致し,下記の相違点で引用発明と相違する。

<一致点>
「装置のエラー情報メッセージと処理メッセージを表示するエラー情報表示方法であって、
装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力するもので,
処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行うことを特徴とするエラー情報表示方法。」

<相違点>
本件補正発明では,「処理メッセージが入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージを入力している」のに対して,引用発明では,「前記対処操作ログの登録をするか,しないかの指示をオペレータが行い,登録を行う場合は,該対処操作の手順を対処操作ログとして格納し」ているものの,エラーメッセージの対処方法の内容を変更することについては,特に明記されていない点。

(4)当審の判断

上記相違点について検討する。

(4-1)相違点について

本願の明細書の段落【0031】には,「ところで、処理メッセージが入力されたていても、このメッセージを変更した場合がある。このため、ステップS8では、処理メッセージの変更する必要があるか判断する。処理メッセージの変更する必要が無ければ、ステップS9へ移行する。ステップS8で処理メッセージの変更する必要があれば、ステップS10へ移行して処理メッセージを変更して、ステップS9へ移行する。ステップS9では、運転を継続するか否かが判断され、継続しないならば、終了し、継続するならば、ステップS1に戻る。」と記載されている。すなわち,本件補正発明の「処理メッセージの変更が必要なとき」とは,ユーザが処理メッセージの変更をする必要ありと判断するときであると解される。
また,引用発明は,「前記対処操作ログの登録をするか,しないかの指示をオペレータが行い,登録を行う場合は,該対処操作の手順を対処操作ログとして格納し,この格納された該対処操作ログは,次回の対処操作のときには,メニュー表示欄の『ログ』をオペレータが指定することで,対処操作ログ表示画面に表示する」ものであり,オペレータが指示を実行する前に,登録をするかしないかの「判断」をしていることは明らかであり,対処操作の「ログ」であるために,「変更」ではなく,「登録」と特定されているといえる。
さらに,引用文献1の上記Dには,「メモ欄51fには、オペレータのコメント等を入力することができる。」との記載があり,エラーメッセージに関する情報を編集することについても示唆がされている。

そして,原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年6月12日付けの拒絶理由通知において引用された文献である,特開平8-161008号公報(平成8年6月21日出願公開。以下,「引用文献2」という。)の段落【0021】に記載されるように,発生したエラーの対処方法を「登録」または「変更」する場合に,一度登録をした対処方法を変更することは当該技術分野の周知技術であるから,引用発明において,上記周知技術を適用し,対処操作ログ(対処履歴)を対処方法として編集・変更可能なものとすることは,当業者であれば容易に想到しえたことである。

(4-2)審判請求書における請求人の主張について

なお,平成25年12月2日付けの審判請求書においては,請求人は,引用文献1について,「引用文献1では、オペレータの操作に従って対処障害選択手段から選択する必要があり、この選択によって、対処方法が表示されるものある。このため、発生したエラーに対して最適な対処方法が表示されないおそれがある。」及び「この引用文献1発生したエラーに対して、対処方法が入力されていない場合、この対処方法を新たに入力することができない。これに対して、本発明では、エラー情報表示装置及びエラー情報表示方法として、種々のエラーの対処方法の表示を増加(進化)させることができる。」と主張している。
ここで,引用文献1は,集中監視装置についての発明であることから,複数の被監視装置の複数の障害を監視することができるため,障害を選択して対処方法を表示する実施例が記載されているが,上記Dの「エラーメッセージ画面上にウィンドウ形式で表示される」及び上記Fの「対処方法表示画面等をウィンドウ形式で表示するようにしたが,本発明では必ずしもこの表示形式に限られる必要はなく、切替え表示や分割表示等にしてもよい。」と記載されていることから,障害の表示の際に,対処方法までを表示するようにすることも引用文献1に示唆されているものといえる。
また,引用文献1で発生したエラーに対して対処方法が入力されていない場合に対処方法を新たに入力することができないということについては,引用文献1には開示がなく,上記Eに開示されているように,引用文献1においても,エラーの対処に関する情報がどんどん追加登録されていくものであり,引用文献2の記載と組み合わせることで,エラーの対処に関する情報を変更することを容易に想到しうるものである。

したがって,出願人の主張は採用できない。

(4-3)小結

上記で検討したごとく,相違点は,引用発明及び引用文献2に記載の技術から、容易に想到し得たことであり,そして,本件補正発明の奏する作用効果は,上記引用発明及び当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。
したがって,本件補正発明は,引用発明及び引用文献2の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。


4.補正却下の決定の結び

以上の理由より,本件補正後の請求項2に係る発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから,特許法第17条の2第6項の規定により準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件審判請求の成否について

1.本願発明の認定

平成25年12月2日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項2に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成25年8月7日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。(再掲する。)

「装置のエラー情報メッセージと処理メッセージを表示するエラー情報表示方法であって、
装置エラーが発生したときに、その装置エラーに対するエラー情報メッセージと、このエラー情報メッセージに関連付けられてこのエラーを解決する方法の処理メッセージとが表示され、
装置エラーが発生して、表示されるその装置エラーのエラー情報メッセージに対応する処理メッセージが入力されていないときに、このエラー情報メッセージのエラーを解決した処理方法の処理メッセージを入力し、処理メッセージが入力されているが、処理メッセージの変更が必要なときには、この変更した処理メッセージを入力し、処理メッセージの表示は、入力されてエラー情報メッセージに関連付けられている処理メッセージからの選択で行うことを特徴とするエラー情報表示方法。」


2.引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

原査定の拒絶の理由に引用された,引用文献及びその記載事項及び引用発明は,上記「第2 平成25年12月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3.独立特許要件」の「(2)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定」に記載したとおりである。


3.対比・判断

本願発明は,前記「第2 平成25年12月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3.独立特許要件」で検討した本件補正発明から,「その装置エラーの」という限定を削除したものである。

そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに特定の構成要件に限定要件を付加したものに相当する本件補正発明が,前記「第2 平成25年12月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「3.独立特許要件」の「(2)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定」?「(4)当審の判断」に記載したとおり,引用発明及び引用文献2に記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,当該引用発明及び引用文献2に記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。


4.結び

以上のとおり,本願の請求項2に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明を検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-03-31 
結審通知日 2015-04-01 
審決日 2015-04-17 
出願番号 特願2012-154522(P2012-154522)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 多胡 滋  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 田中 秀人
木村 貴俊
発明の名称 エラー情報表示装置およびエラー情報表示方法  
代理人 前田 礼子  
代理人 熊野 剛  
代理人 城村 邦彦  

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