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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1303355
審判番号 不服2014-9935  
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-28 
確定日 2015-07-15 
事件の表示 特願2012-262566「ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法、システム、端末、およびデバイス管理サーバ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月18日出願公開、特開2013- 69327〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2008年6月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年6月11日、同年同月22日、及び同年7月20日 中国)を国際出願日とする特願2009-548567号の一部を、平成24年11月30日に新たな出願としたものであって、
同日付けで審査請求がなされ、同年12月3日付けで上申書が提出され、
平成25年9月27日付けで拒絶理由通知(平成25年10月8日発送)がなされ、
これに対して平成25年12月25日付けで意見書が提出されると共に同日付けで手続補正がなされ、
平成26年1月20日付けで上記平成25年9月27日付けの拒絶理由通知書に記載した理由1ないし3によって拒絶査定(平成26年1月28日謄本発送・送達)がなされたものである。

本件審判請求は、これに対して、「原査定を取り消す。本願は特許をすべきものである、との審決を求めます。」を請求の趣旨として平成26年5月28日付けで審判請求がなされると共に同日付けで手続補正がなされ、
平成26年8月5日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告書)がなされ、
これに対して平成26年8月13日及び同年10月15日付けで、請求人より上申書の提出がなされたものである。


第2 平成26年5月28日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成26年5月28日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正
平成26年5月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容は、平成25年12月25日付けの手続補正により補正された、以下に示す特許請求の範囲の請求項1ないし請求項15の記載

「 【請求項1】
ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法であって、
端末によって、デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって直接に送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージ、または
前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップであって、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信するステップと、
前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップと、
前記端末によって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップが、
前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、ネットワークサイドの装置によって提供され、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるか、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージとは独立に前記端末に送達されるステップを具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記端末によって、サブノードを前記端末のSCOMOツリーの下に追加するステップと、
前記端末によって、前記追加されたサブノードに前記DMサーバによって送信されるパラメータを受信するステップと、
前記端末によって、前記パラメータに従って、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードし、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールし、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントパッケージを除去し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントをアクティブ化し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントを非アクティブ化し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントを除去するステップとをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールした後、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを生成する前に、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の1つのソフトウェアコンポーネントが、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードに対応するソフトウェアコンポーネントと同一であるかどうかを判断し、前記ソフトウェアコンポーネントと同一である場合には、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードおよび前記サブノードの情報を前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントの情報に変更し、あるいは、前記ソフトウェアコンポーネントと同一でない場合に、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードを前記Deployedサブツリーの下に生成するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードおよび前記サブノードの情報を前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントの情報に変更した後に、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の1つのソフトウェアコンポーネントが前記Deployedサブツリーの下に既に存在する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードに対応するソフトウェアコンポーネントと同一であると判断される場合に、
DeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントパッケージについて生成される前記管理ノードのアクセス制御権と、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードのアクセス制御権との組合せを、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるステップをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成した後に、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクセス制御権を前記管理ノードに割り当てる前記ステップが、
DeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下に生成される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する前記管理ノードのアクセス制御権を、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるモードと、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードがその親ノードのアクセス制御権を継承するように、前記管理ノードのアクセス制御権にヌルを割り当てるモードと、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに特定のアクセス制御権を割り当てるモードと、
前記Deliveredサブツリーまたは前記Downloadサブツリーの下に生成される前記管理ノードのアクセス制御権と前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの前記親ノードのアクセス制御権とを組み合わせ、前記組み合わされたアクセス制御権を前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるモードとのうちの1つを具備することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アクセス制御権を前記管理ノードのサブノードに割り当てる前記ステップが、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの前記サブノードに前記管理ノードのアクセス制御権を継承させ、かつ/またはDeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下の実行可能ノードのアクセス制御権を前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの実行可能ノードに割り当てるステップを具備することを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下に生成した後に、前記方法が、 前記端末によって、インストール応答メッセージを前記DMサーバに報告するステップであって、前記インストール応答メッセージが、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの各々のためのUniform Resource Identifier(URI)を備えるステップ
をさらに具備し、前記端末が、前記SCOMOのDeliveredサブツリーの下に前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する管理ノードを生成する場合に、前記インストール応答メッセージが、前記Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIをさらに具備し、
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、ダウンロードが完了した後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、ダウンロードが完了するがインストールが失敗する時に、前記方法が、
前記端末によって、ダウンロード応答メッセージを前記DMサーバに報告するステップであって、前記ダウンロード応答メッセージが、前記Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを備えるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ダウンロード応答メッセージおよび前記インストール応答メッセージが、同期モードまたは非同期モードで報告されるとともに、
同期報告モードが適用される場合に、前記ダウンロード応答メッセージまたは前記インストール応答メッセージ内の前記URIが、STATUSコマンドのITEM要素内で伝えられることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ダウンロード応答メッセージが、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの名前および/またはIDをさらに具備し、
前記インストール応答メッセージが、前記ソフトウェアコンポーネントの名前および/またはIDをさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
端末であって、
デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージまたは前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するように適合された受信ユニットであって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信ユニットと、
前記端末が前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするように適合されたダウンロードユニットと、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object;SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するように適合されたインストールユニットとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成するために、
1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるように適合されたインストールユニットであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、ネットワークサイドの装置によって提供され、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるか、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージとは独立に前記端末に送達されることを特徴とする端末。
【請求項12】
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、前記端末が前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードした後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがローカルにインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、前記端末が前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードすることに成功しているが前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールするのに失敗する時に、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードをDeliveredサブツリーの下に生成するように適合された第1生成ユニットと、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるように適合された第1権利割当てユニットとをさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードが、前記Deployedサブツリーの下に生成された後に、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるように適合された第2権利割当てユニットをさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項14】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードが前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下に生成された後に、インストール応答メッセージを前記DMサーバに報告するように適合された報告ユニットであって、前記インストール応答メッセージが、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを具備するとともに、
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、ダウンロードが完了した後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、ダウンロードが完了したがインストールが失敗する時に、ダウンロード応答メッセージを前記DMサーバに報告するように適合された報告ユニットをさらに具備し、前記ダウンロード応答メッセージが、Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のソフトウェアコンポーネントのインストールのための方法を実行させるためのプログラムが保存されているコンピュータ読取可能記憶媒体。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前の請求項」という。)

を、

「 【請求項1】
ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法であって、
端末によって、デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって直接に送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージ、または
前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップであって、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信するステップと、
前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップと、
前記端末によって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップが、
前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるステップを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記端末によって、サブノードを前記端末のSCOMOツリーの下に追加するステップと、
前記端末によって、前記追加されたサブノードに前記DMサーバによって送達されるパラメータを格納するステップと、
前記端末によって、前記パラメータに従って、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードし、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールし、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントパッケージを除去し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントをアクティブ化し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントを非アクティブ化し、あるいは前記ソフトウェアコンポーネントを除去するステップとをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールした後、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを生成する前に、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の1つのソフトウェアコンポーネントが、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードに対応するソフトウェアコンポーネントと同一であるかどうかを判断し、前記ソフトウェアコンポーネントと同一である場合には、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードおよび前記サブノードの情報を前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントの情報に変更し、あるいは、前記ソフトウェアコンポーネントと同一でない場合に、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードを前記Deployedサブツリーの下に生成するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードおよび前記サブノードの情報を前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の前記ソフトウェアコンポーネントの情報に変更した後に、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージ内の1つのソフトウェアコンポーネントが前記Deployedサブツリーの下に既に存在する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードに対応するソフトウェアコンポーネントと同一であると判断される場合に、
DeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントパッケージについて生成される前記管理ノードのアクセス制御権と、前記Deployedサブツリーの下に既に存在する前記管理ノードのアクセス制御権との組合せを、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるステップをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成した後に、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクセス制御権を前記管理ノードに割り当てる前記ステップが、
DeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下に生成される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する前記管理ノードのアクセス制御権を、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるモードと、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードがその親ノードのアクセス制御権を継承するように、前記管理ノードのアクセス制御権にヌルを割り当てるモードと、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに特定のアクセス制御権を割り当てるモードと、
前記Deliveredサブツリーまたは前記Downloadサブツリーの下に生成される前記管理ノードのアクセス制御権と前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの前記親ノードのアクセス制御権とを組み合わせ、前記組み合わされたアクセス制御権を前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードに割り当てるモードとのうちの1つを具備することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アクセス制御権を前記管理ノードのサブノードに割り当てる前記ステップが、
前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの前記サブノードに前記管理ノードのアクセス制御権を継承させ、かつ/またはDeliveredサブツリーまたはDownloadサブツリーの下の実行可能ノードのアクセス制御権を前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの実行可能ノードに割り当てるステップを具備することを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下に生成した後に、前記方法が、
前記端末によって、インストール応答メッセージを前記DMサーバに報告するステップであって、前記インストール応答メッセージが、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードの各々のためのUniform Resource Identifier(URI)を備えるステップ
をさらに具備し、前記端末が、前記SCOMOのDeliveredサブツリーの下に前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する管理ノードを生成する場合に、前記インストール応答メッセージが、前記Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIをさらに具備し、
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、ダウンロードが完了した後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、ダウンロードが完了するがインストールが失敗する時に、前記方法が、
前記端末によって、ダウンロード応答メッセージを前記DMサーバに報告するステップであって、前記ダウンロード応答メッセージが、前記Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを備えるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ダウンロード応答メッセージおよび前記インストール応答メッセージが、同期モードまたは非同期モードで報告されるとともに、
同期報告モードが適用される場合に、前記ダウンロード応答メッセージまたは前記インストール応答メッセージ内の前記URIが、STATUSコマンドのITEM要素内で伝えられることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ダウンロード応答メッセージが、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの名前および/またはIDをさらに具備し、
前記インストール応答メッセージが、前記ソフトウェアコンポーネントの名前および/またはIDをさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
端末であって、
デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージまたは前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するように適合された受信ユニットであって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信ユニットと、
前記端末が前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするように適合されたダウンロードユニットと、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するように適合されたインストールユニットとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成するために、
1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるように適合されたインストールユニットであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達され、
前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告されることを特徴とする端末。
【請求項12】
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、前記端末が前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードした後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがローカルにインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、前記端末が前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードすることに成功しているが前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをインストールするのに失敗する時に、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージに対応する管理ノードおよび前記管理ノードのサブノードをDeliveredサブツリーの下に生成するように適合された第1生成ユニットと、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるように適合された第1権利割当てユニットとをさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードが、前記Deployedサブツリーの下に生成された後に、
アクセス制御権を前記管理ノードおよび前記管理ノードの前記サブノードに割り当てるように適合された第2権利割当てユニットをさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項14】
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードが前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下に生成された後に、インストール応答メッセージを前記DMサーバに報告するように適合された報告ユニットであって、前記インストール応答メッセージが、前記Deployedサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを具備するとともに、
ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadである場合に、ダウンロードが完了した後、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされる前に、あるいは、ダウンロードを指示する前記コマンドがDownLoadInstallまたはDownLoadInstallInactiveである場合に、ダウンロードが完了したがインストールが失敗する時に、ダウンロード応答メッセージを前記DMサーバに報告するように適合された報告ユニットをさらに具備し、前記ダウンロード応答メッセージが、Deliveredサブツリーの下に生成される前記管理ノードのURIを具備することを特徴とする請求項11に記載の端末。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のソフトウェアコンポーネントのインストールのための方法を実行させるためのプログラムが保存されているコンピュータ読取可能記憶媒体。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項」という。)

に補正するものである。

2.補正の適否

2-1 補正内容の認定

本件補正は、以下の変更を内容とするものである。

(補正事項1)
請求項1に記載された「前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップ」が具備するとされる「前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップ」に登場する「1つのソフトウェアコンポーネントのID」に関する特定として、
「ネットワークサイドの装置によって提供され」
るとする事項を、補正により削除するもの。

(補正事項2)
請求項1に記載された「前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップ」が具備するとされる「前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップ」に登場する「1つのソフトウェアコンポーネントのID」に関する特定として、補正前では2つの選択肢があるとされた

「前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達される」
あるいは
「前記ソフトウェアコンポーネントパッケージとは独立に前記端末に送達される」
の送達ステップが、補正により

「前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達される」を具備するものとされ、独立に送達される選択肢を削除したもの。

(補正事項3)
補正前の請求項1に係る発明は、元々、「受信するステップ」、「ダウンロードするステップ」、「インストール」及び「サブノード」を「生成するステップ」の、最大3つに区分されたステップからなる「ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法」であったものを、補正により「前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告される」とする新たな処理をその後に講じるもの。

(補正事項4)
補正前の請求項11に係る発明に対して、前記(補正事項1)ないし(補正事項3)の変更を同様に行うもの。

2-2 特許法第17条の2第3項に関する検討

上記補正事項の内、発明特定事項の追加は、補正事項3と、補正事項3を含む補正事項4となる。そして、補正により追加された事項の内容は、補正前の請求項8の一部に「インストール応答メッセージを前記DMサーバに報告するステップ」として記載済であったと見られ、追加された事項そのものは、いわゆる新規事項ではない。
その他の補正事項1及び2、該補正事項1及び2に係る補正事項4の一部の変更は、追加が発生しない関係であるから、いわゆる新規事項の追加ではない。

2-3 特許法第17条の2第5項に関する検討

引き続き、前記各補正事項について、補正の目的要件を掲げた特許法第17条の2第5項各号のいずれに該当するかについて検討する。

(補正事項1について)
一般的に、補正前に記載されていた発明特定事項を削除する補正は、特許法第17条の2第5項各号のいずれにも該当しないことが明らかとされる。
また、補正前の請求項1の補正事項1に関する箇所は、拒絶査定で挙げた理由1ないし3のいずれにも直接関係しないとされているため、係る補正が同条同項第4号の明りょうでない記載の釈明を目的としたものとは認められない。
また、請求人が提出した審判請求書では、当該補正事項1に関し、「4.理由1について」の欄で、拒絶理由通知書(平成25年9月27日付け)に削除の対象とされた記載箇所が存在していた点を挙げつつ、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであると述べているが、請求人は当該通知を受け、平成25年12月25日付けで手続補正書を提出し、当該補正事項1に対して補正を施し、その結果を受けて原審審査官は拒絶理由として挙げた対応する理由1の(3)を、拒絶査定の対象理由から除いて査定を行っている関係上、当該箇所にはもはや不明りょうとされる事由が審判請求時点ではなかったものとされており、このような状況で拒絶の理由が解消済の記載箇所に対して補正を行うことは許されないと言うべきである。

以上のとおりであるから、本件に対してした補正事項3は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げたいずれをも目的としたものと扱えない。
請求項11に対してなされた削除もまた同様である。

(補正事項2について)
当該補正は補正前に記載されていた2つの選択肢の1つを排除して採るべき態様を限定したものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とした補正と認められる。
請求項11に対してなされた箇所もまた同様である。

(補正事項3について)
当該補正は新たな処理ステップを加えるものであり、元々方法の発明の構成のいずれか一つの処理ないしステップに対してさらに特定事項を加えるものとはならないのが明らかであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる、特許請求の範囲の減縮に該当しない。
もちろん、その他の各号のいずれにも該当しないことが明らかである。

以上のとおりであるから、本件に対してした補正事項3は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げたいずれをも目的としたものと扱えない。
請求項11に対してなされた新たな変更もまた同様である。

(補正事項4について)
上記(補正事項1について)から(補正事項3について)までで述べたとおり、補正事項4についても一部特許法第17条の2第5項の規定に違反してなされた補正事項を含む関係となる。

3.補正却下むすび

以上のとおり、本件補正は、上記「2.補正の適否」で指摘したとおり、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記結論のとおり決定する。


第3 本願発明について

1.本願発明の認定
平成26年5月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件補正後の請求項1に対応する本件補正前の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年12月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「 ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法であって、
端末によって、デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって直接に送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージ、または
前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップであって、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信するステップと、
前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップと、
前記端末によって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップが、
前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、ネットワークサイドの装置によって提供され、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるか、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージとは独立に前記端末に送達されるステップを具備することを特徴とする方法。」

2.引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定
(2-1)引用文献及び引用発明
本願の優先日前に頒布され、原審の拒絶査定の理由である上記平成25年9月27日付けの拒絶理由通知において引用された、米国特許出願公開第2006/0190608号明細書(2006年8月24日公開、以下、「引用文献」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(下線は、参考のために当審で付与したものである。)

A
「[0034] In one embodiment of the invention, in the server is formed a first command that comprises the location. In the server is also formed a second command that comprises the target state. In the server is also formed a third command that indicates a node for triggering the downloading of the deployment component. The first, second and third commands are sent in at least one package from the server to the electronic device. The commands are formed in a device management entity in the server. The device management entity sends the first, second and third commands in at least one package to the electronic device.

[0035] In one embodiment of the invention, the location comprises a Uniform Resource Identifier (URI). In one embodiment of the invention, a Uniform Resource Identifier (URI) specifies the place of the management object in the management object data structure.」
(当審仮訳:
[0034] 本発明の1実施態様として、サーバー内に、ロケーションを含むとする最初のコマンドが形成される。更に、サーバー内に、ターゲット・ステートを含むとする2番目のコマンドが形成される。更にまた、サーバー内に、展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすためのあるノードを示す3番目のコマンドが形成される。1番目、2番目と3番目のコマンドは、サーバーから少なくとも1つのパッケージにまとめられて、電子デバイスに送られる。これらのコマンドは、サーバーのデバイス管理エンティティにおいて形成される。デバイス管理エンティティは、1番目、2番目と3番目のコマンドを、少なくとも1つのパッケージにまとめて、電子デバイスに送る。

[0035] 本発明の1実施態様として、該ロケーションは、ユニフォーム資源識別子(URI)である。本発明の1実施態様として、ユニフォーム資源識別子(URI)は、管理オブジェクトデータ構造内の、管理オブジェクトの場所を規定する。)

B
「[0049] FIG.4 is a block diagram, which illustrates management objects associated with deployment components in one embodiment of the invention. The management objects are managed, for example, using OMA device management protocol as illustrated in FIG.5. The device management commands are sent between a DM client 500 and DM server 530 as illustrated in FIG.5. DM client 500 represents a mobile station such as mobile station 100. In FIG.4 there is a node 310 for deployment component inventory and a node 320 for the deployment component operations with the respective sub-trees as illustrated in FIG.3. There is also a node 330 for triggering the download of a deployment component, that is, on which DM server 530 may impose an Execute command in order to download the deployment component to DM client 500. There is a URI node 331 for specifying the deployment component location information for downloading. There are also nodes for status, deployment component identifier, deployment component name and version that are filled by DM client 500 after the downloading of the deployment component. In addition to the nodes familiar from FIG.3, in FIG.4 there are two new nodes. There is a node 400, which stores a target state for the deployment component identified with the URI in node 331. DM server 530 may insert a value to the target state. The value will indicate to DM client 500 the correct handling for the deployment component after the downloading of it has been triggered. DM client 500 will check the target state value. For example, if the target state has values such as "install" or "update", a node for deployment component must be placed under node 311. Similarly, if the deployment component target state has the value active, the deployment component must be activated under the native operating system within DM client 500. The state value node 315 will indicate, using values active and inactive whether the deployment component has been activated or whether it remains inactive. Further, if the target state has the value delivered, a node for deployment component must be placed under node 313.

[0050] In FIG.4, there is also a node 401, which is named as Dynamic Node Name Proposal (DNNP). The name could, of course, be something else. The name is just selected for the purpose of illustration. Prior to triggering the download, DM server 530 adds a value to node 401 to indicate what name is desired for the interior node representing the deployment component. The interior node representing the deployment component will be put under either node 311 or 313 depending on the target state value.」
(当審仮訳:
[0049] FIG.4は、発明の1つの具体的態様として、展開コンポーネントと関連付けられた管理オブジェクトを示すブロック図である。管理オブジェクトは、例えば、FIG.5で示すようにOMAデバイス管理プロトコルを使って管理される。デバイス管理コマンドは、FIG.5で示すようにDMクライアント500とDMサーバー530の間で送信される。 DMクライアント500は、(FIG.1中の)移動局100のような移動局である。 FIG.4では、展開コンポーネント・インベントリであるノード310と、FIG.3で示した個々のサブツリーを持つ展開コンポーネント操作のためのノード320とがある。 更にまた、展開コンポーネントのダウンロードを引き起こす、ノード330もあり、すなわち、このノード330に、展開コンポーネントをDMクライアント500にダウンロードするため、DMサーバー530が実行コマンドを課すこととしているのである。ダウンロードのための展開コンポーネント位置情報を指定するよう、URIノード331がある。 他にも、展開コンポーネントのダウンロードの後にDMクライアント500により充填される、ステータスノードや、展開コンポーネントIDノードや、展開コンポーネント名ノード、および、バージョンノードもある。 FIG.3からおなじみのノードに加えて、 FIG.4中には、2つの新しいノードがある。(1つ目のノードは)ノード400であって、それは、ノード331のURIによって識別される展開コンポーネントのターゲット・ステートが蓄積されるノードである。DMサーバー530は、ある値を、このターゲット・ステート・ノードに入力できる。 この値は、ダウンロードが引き起こされた後に、展開コンポーネントを正しく操作したかを、DMクライアント500に示すこととなる。DMクライアント500は、ターゲット・ステートのノードの値をチェックする。 例えば、もしターゲット・ステートが、"install"や、"update"などの値を持っているならば、展開コンポーネントのためのノードは、ノード311の下に置かれなければならない。同様に、もし展開コンポーネントターゲット・ステートがアクティブな値を持っているならば、展開コンポーネントは、DMクライアント500内のネイティブのオペレーティングシステムの下で作動しなければならない。ステート・バリュー(状態の値)ノード315は、アクティブを示す値と、インアクティブを示す値を用いて、展開コンポーネントが活性化(アクティベート)されたか、あるいは、不活性(インアクティブ)であり続けたかどうかを表示する。さらに、もしターゲット・ステートが、delivered の値を持っているならば、展開コンポーネントのためのノードは、ノード313の下に置かれなければならない。

[0050] FIG.4には、ノード401もあり、それはDynamic Node Name Proposal(ダイナミック・ノード・ネーム・プロポーザル)(DNNP)として名付けられてる。名前は、もちろん、他の何かでありえる。名前は、説明のためにたった今選ばれたところである。ダウンロードを引き起こすことに先がけて、DMサーバー530は、展開コンポーネントを表している内部のノードのためにどんな名前が要求されるかを示すために、ある値をノード401に追加する。展開コンポーネントを表している内部のノードは、ターゲット・ステートの値に依存した、ノード311または313の下にも置かれる。)

C
「[0051] FIG.5 is a message sequence chart, which illustrates the use of OMA device management protocol in one embodiment of the invention. In FIG.5 there is a DM client 500 and a DM server 530. DM client 500 is in an electronic device, for example, a mobile terminal such as mobile terminal 100. The DM client 500 may comprise a DM agent, which receives and sends commands on behalf of the native operating system environment. ・・・(中略)・・・In FIG.5 there is illustrated the downloading of a deployment component A to DM client 500 and the further processing of component A in terms of the target state and node name, in one embodiment of the invention.

[0052] DM client 500 initiates the management session by sending a package 501. In package 501 there is a synchroniprising an Alert 1201 command, a Replace command and a Final element. Alert 1201 command indicates that it is question of a client initiated management session. In the Replace command DM client 500 provides its device properties to the DM server 530. The Replace command indicates that the device has replaced the management objects associated with the device properties to correspond the current device configuration. DM server 530 responds by sending a package 502 to DM client 500.」
(当審仮訳:
[0051] FIG.5はメッセージ・シーケンス・チャートである。そのチャートは、この発明の1実施態様として、OMAデバイス管理プロトコルを使用した態様を示している。 FIG.5では、DMクライアント500とDMサーバー530がある。DMクライアント500は、電子機器、例えばモバイル端末100などのモバイル端末内にある。DMクライアント500は、デバイスのオペレーティングシステム環境下でコマンドの送受信を実行するDMエージェントから成るかもしれない。・・・(中略)・・・FIG.5では、本発明の一実施態様として、ターゲット・ステート及びノード名の観点から、展開コンポーネントAをDMクライアント500へダウンロードし、更にコンポーネントAの処理を行う様子が描写されている。

[0052] DMクライアント500は、パッケージ501を送ることで管理セッションを開始する。パッケージ501には、同期処理を行う、警告コマンド1201コマンドや、置換コマンド、および最終エレメントがある。警告コマンド1201は、それがクライアント開始管理セッションの問題であることを示す。置換コマンドにて、DMクライアント500は自身のデバイスプロパティをDMサーバー530に提供する。置換コマンドは、デバイスが、最新のデバイスコンフィギュレーションと関連する管理オブジェクトを置換することになる。DMサーバー530は、パッケージ502を送信することにより、DMクライアント500へ応答する。)

D
「[0053] Package 502 comprises a synchronization body, which further comprises three Status commands indicating the successful delivery and processing of synchronization header, the Alert command and the replace command, and a command sequence, which further comprises an optional Alert 1101 command for providing to the user the prompt text for accepting deployment component A, an Add command for adding the URI of deployment component A to node 331, an Add command for adding the value "delivered" to node 400 representing target state, an Execute command specifying node 330 URI that triggers the downloading of deployment component A to DM client 500, and Final element. In response to package 502 DM client 500 checks the download URI for component A from node 331. DM client 500 also checks whether deployment component A should be classified as delivered or deployed and whether the interior node that represents deployment component A should be placed under node 311 or node 313. Thereafter, DM client downloads deployment component A and places the interior node that represents deployment component A under node 313, because node 400 has the value "delivered".

[0054] DM client 500 provides the response to package 502 by sending a package 503. Package 503 comprises a synchronization body, which further comprises six Status commands indicating the successful delivery and processing of synchronization header, the command sequence, the Alert command, the two Add commands, the Execute command, and a Final element. The success of Alert 1101 command indicates that the user has accepted the management action further explained in the prompt text. Had the user not accepted the management action, DM client 500 would have interrupted the command sequence.」
(当審仮訳:
[0053] パッケージ502は、3つのステータスコマンドからなる同期ボディを含んでいる。この3つのステータスとは、送信及び同期ヘッダが成功したか否かのステータスと、警告コマンド及び置換コマンドのステータスと、コマンドシーケンスのステータス(の、計3つ)である。また、このコマンドシーケンスは更に、オプションとしての警告1101と、ノード331に展開コンポーネントのURIを追加するためのADDコマンドと、ターゲット・ステートに充てられたノード400に、"delivered"の値を追加するためのADDコマンドと、DMクライアント500に展開コンポーネントAのダウンロードを引き起こすノード330のURIでの実行コマンドと、一つの最終エレメントとの、(計5つの)コマンドを有している。 DMクライアント500はまた、展開コンポーネントAがdeliveredと分類されるか、あるいは、deployedと分類されるか、及び、展開コンポーネントAが割り当てられる内部ノードが、ノード311の下に置かれるべきか、あるいはノード313の下に置かれるべきかのチェックを行う。その後、DMクライアントは、展開コンポーネントAをダウンロードし、ノード313の下の展開コンポーネントAを表している内部のノードを置く。なぜなら、(ターゲット・ステートである)ノード400は、"delivered"という値を持っているからである。

[0054] DMクライアント500は、パッケージ503を送ることにより、パッケージ502への応答を行う。パッケージ503は、6つのステータスと1つの最終要素とから構成された同期ボディを有している。6つのステータスとは、同期ヘッダーの送信及び処理の成功を示すステータス、コマンドシーケンスのステータス、警告コマンドのステータス、2つの追加コマンド、実行コマンドである。警告1101コマンドの成功は、ユーザーがプロンプト・テキスト内でさらに説明された管理行動を受け入れたことを示す。仮に、ユーザーが管理アクションを受け入れないとしたならば、DMクライアント500はコマンド連続を中断することになろう。)

E
「[0016] Reference is now made to FIG.3, which illustrates management objects associated with deployment components organized using the teachings from the prior art. The deployment components are software components stored in a mobile terminal such as mobile terminal 100 in FIG.1. The software components may have been provided to mobile terminal using Hypertext Transfer Protocol (HTTP), File Transfer Protocol (FTP) or by using a carrier such as a memory card. The management objects associated with deployment components are assembled under an interior node 300. There is a node 310, which represents an inventory of deployment components. The components that have merely been delivered are organized under node 313. The components already deployed in mobile terminal 100 are organized under a node 311. Under node 311 there is at least one node 312. Each at least one node 312 represents a deployment component that has been deployed. For a deployed deployment component there are nodes that store the identifier of the component (ID), component name, component version and the state of the component. The state indicates whether the component is active or inactive. Under node 313 there is at least one node 314 . Each at least one node 314 represents a deployment component that has been delivered. For a delivered deployment component there are nodes that store the identifier of the component, component name, component version, component binary code (data), installation options and a descriptor.」
(当審仮訳:
[0016] FIG.3を参照すると、この図は先行技術からの教示を使って組織された展開コンポーネントを伴う管理オブジェクトを説明したものである。この展開コンポーネントは、FIG.1中のモバイル・ターミナル100のような、モバイル・ターミナルに保存されるソフトウェアコンポーネントである。ソフトウェアコンポーネントは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)や、ファイル転送プロトコル(FTP)、或いはメモリカードなどのキャリアを使って、モバイル・ターミナルに提供されることができる。展開コンポーネントと関連した管理オブジェクトは、内部のノード300の下でアセンブリされる。展開コンポーネントのインベントリとして示されるノード310がある。当該(提供される展開)コンポーネントは、ノード313の下に、単に配備され、かつ、組織化される。モバイルのターミナル100ですでに使われていたコンポーネントは、ノード311の下に組織化されている。ノード311の下には、少なくとも1つのノード312がある。個々の少なくとも1つのノード312が、使われていた展開コンポーネントを表している。配備された展開コンポーネントのために、コンポーネントのコンポーネント(ID)、コンポーネント名、コンポーネントバージョン、および状態の識別子を保存するノードがある。状態はコンポーネントがアクティブか、不活発であるかを示す。ノード313の下には、少なくとも1つのノード314がある。個々の少なくとも1つのノード314が、配信された展開コンポーネントを表している。提供された展開コンポーネントのために、コンポーネント、コンポーネント名、コンポーネントバージョン、コンポーネントバイナリコード(データ)、インストールオプション、および記述子の識別子を保存するノードがある。)


上記Aには、DMサーバーが、ユニフォーム資源識別子(URI)で示されるダウンロードのロケーションを支持するコマンドと、展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノードを示すコマンドとが、サーバーのデバイス管理エンティティにより、電子デバイスに送られる処理が記載され、
上記Bには、FIG.4を参照しつつ、管理オブジェクトの構造を示し、電子デバイスであるDMクライアントに展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノード330と、当該ノード330に実行コマンドが課されること、DMサーバーは、管理オブジェクト中のノード400に、展開コンポーネントのターゲット・ステート値を入力し、当該入力値に従って、展開コンポーネントのためのノードの位置が、ノード311の下になったり、ノード313の下に置かれること、FIG.5を参照しつつ、DMサーバーとDMクライアントとの間の送受信が実行されること、展開コンポーネントのダウンロード後に、DMクライアントにより展開コンポーネントIDノードを含むノード311或いはノード313の下のサブツリーに、データが充填されることが記載され、
上記C及びDには、展開コンポーネントがダウンロードされ、インストールされる端末内にDMクライアントが存在し、当該DMクライアントが、ダウンロードされた展開コンポーネントがdeliveredであった際に、管理オブジェクトのノード313の下に展開コンポーネントを割り当てる内部ノードを置く処理を実行することが記載されている。
上記Eには、展開コンポーネントが、新たにモバイル・ターミナルに配信され、配備、すなわちインストールされるソフトウェアであることが記載されている。

以上のことから、引用文献には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

(引用発明)
「 サーバーのデバイス管理エンティティにより、DMサーバーが、ユニフォーム資源識別子(URI)で示されるダウンロードのロケーションを支持するコマンドおよびソフトウェアである展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノードを示すコマンドとを、電子デバイスに送る処理と、
管理オブジェクトには、電子デバイスであるDMクライアントに展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノード330があり、当該ノード330に実行コマンドが課され、
DMサーバーは、管理オブジェクト中のノード400に、展開コンポーネントのターゲット・ステート値を入力し、当該入力値に従って、展開コンポーネントのためのノードの位置が、ノード311の下、あるいは、ノード313の下に置かれ、
DMサーバーとDMクライアントとの間の送受信が実行され、
展開コンポーネントがダウンロードされ、インストールされる端末内にDMクライアントが存在し、当該DMクライアントは、ダウンロードされた展開コンポーネントがdeliveredであった際に、管理オブジェクトのノード313の下のサブツリーに、展開コンポーネントを割り当てる内部ノードを置き、かつ、展開コンポーネントIDノードを含むデータが充填される処理
とを実行する方法。」


3.対比

本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「DMサーバー」、「電子デバイス」、「ソフトウェアである展開コンポーネント」は、各々その名称や、ダウンロード及びインストールが実行される先の対象とされる関係から見て、本願発明の「DMサーバー」、「端末」、「ソフトウェアコンポーネント」に相当する。
また、引用発明の「DMサーバーが、ユニフォーム資源識別子(URI)で示されるダウンロードのロケーションを支持するコマンドおよびソフトウェアである展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノードを示すコマンドとを、電子デバイスに送る処理」は、DMサーバーと電子デバイスとの通信における状況を示す「DMサーバーとDMクライアントとの間の送受信が実行され」る関係が形成される点、及び、ダウンロードされる対象に「コンポーネント」という用語が使用されている点から見て、本願発明の「前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップ」かつ「前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する」に相当する。
加えて、引用発明の「管理オブジェクトには、電子デバイスであるDMクライアントに展開コンポーネントのダウンロードを引き起こすノード330があり、当該ノード330に実行コマンドが課され」かつ「展開コンポーネントがダウンロードされ」ることは、本願発明の「前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップ」に相当する。
更に、引用発明の「展開コンポーネントがダウンロードされ、インストールされる端末内に」「存在する」とされる「DMクライアント」の「管理オブジェクト」であって、「当該DMクライアントは、ダウンロードされた展開コンポーネントがdeliveredであった際に、管理オブジェクトのノード313の下のサブツリーに、展開コンポーネントを割り当てる内部ノードを置き」とされる「処理」は、本願発明の「前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップ」に相当する。
最後に、引用発明の「DMクライアント」が行う「管理オブジェクトのノード313の下のサブツリーに、」「展開コンポーネントIDノードを含むデータが充填される処理」は、展開コンポーネントの個々のデータが、ノード313のサブツリーとして、FIG.4に図示されたとおり、IDノードを含む個々のサブツリーに充填されることを指しており、この展開コンポーネント自身にIDデータを含んでいることが明らかであるため、本願発明の「前記端末によって、」「前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、」「前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達される」に相当する。

以上から、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

(一致点)
「 ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法であって、
端末によって、前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップであって、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、ソフトウェアコンポーネントを具備する受信するステップと、
前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップと、
前記端末によって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップが、
前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるステップを具備することを特徴とする方法。」

(相違点1)
管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるとされた、ソフトウェアコンポーネントのIDに関し、本願発明では、その「入手」が、「端末によって」入手されるとしているのに対して、引用発明では当該IDの入手が何によって図られるのかが直接的には明らかでない点。

(相違点2)
管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるとされた、ソフトウェアコンポーネントのIDに関し、本願発明では、その「提供」が、「ネットワークサイドの装置によって提供され」るとしているのに対して、引用発明では当該IDの提供が直接的には明らかでない点。


4.当審の判断

上記相違点1及び2について検討する。

(相違点1について)
引用文献の展開コンポーネントは、コマンドによりダウンロードし、管理オブジェクト内に保存される段階で、そのFIG.4に図示されるとおり、コンポーネントを構成する各データは、ノード313或いはノード311下のサブツリーに各々「充填」されるとしている。
とすれば、当該展開コンポーネントの一部であるIDは、展開コンポーネントのダウンロード時に入手されると見るのが相当である。そして、ダウンロードの実行のトリガは、上記(2-1)のAないしCに記載されているとおり、ダウンロードを引き起こすコマンドの実行主体が、DMクライアントであることが明らかであることに鑑みれば、本願発明の「端末」に相当する引用発明の「電子デバイス」が、結果的にコンポーネントIDを入手する関係であると判断される。すなわち、当該相違点1について直接的に明らかとされていない引用発明も、処理手順を追って因果関係を整理することで、IDの入手主体を十分に確認することができるものである。
以上により、係る相違は、直接的な表現が省略されていたがために発生したものであり、引用発明に基づき当業者が適宜になし得たものである。

(相違点2について)
上記相違点1についての検討結果を踏まえて、当該相違点2を更に検討すると、ソフトウェアコンポーネントのIDが、結局何によって提供される状況となるかを分析すれば事足りる。
引用発明における展開コンポーネントは、端末である電子デバイスが使用するソフトウェアであり、通常ソフトウェアは、製作元ないし提供元が別に存在し、ネットワークで結ばれた、いわゆるダウンロードサイトが提供元となることが一般的な常識である。
とすれば、引用発明の展開コンポーネントの提供も、「ネットワークサイドの装置」によって提供されるとみるのが相当である。よって、当該相違点2にしても、常識的な事項が引用文献で省略されたため起きたものと考えられ、内容上格別の相違を生むものではない。

上記で検討したごとく、各相違点は格別のものではなく、そして、相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、上記引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願発明は、引用発明及び当該技術分野の常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 請求人の主張等について

なお、請求人は、上記平成26年5月28日付け審判請求書、及び、前置報告書の作成後の平成26年10月15日付け提出の上申書において、以下のとおり、前者については主張を、後者については補正案を示した提案をしている。

(審判請求書による主張)
『6.理由3について
引用文献1は、「前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告される」という特徴を開示していないかと思います。詳細については以下に申し述べます。
本願発明は、段落0109に「上の情報に加えて、応答メッセージは、ソフトウェアコンポーネントの名前またはIDをも伝える必要がある」、「DMサーバは、端末によって報告される情報に従って、インストールされたソフトウェアコンポーネントおよび対応する管理ツリーを判定する」と記載されていますように、DMサーバがIDに従ってソフトウェアコンポーネントパッケージを識別できるようにするために、ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後にIDを応答メッセージでDMサーバに報告する構成を備えています。
一方、引用文献1は、ソフトウェアをインストールするための方法を提供しています。具体的には、引用文献1の段落[0061]は、DMサーバがDMクライアントにdeploymentコンポーネントのためのノード名を提供することを開示しているにすぎませんし、引用文献1の段落[0065]は、DMクライアントがノード名を設定してもよいこと、またはノード名がDMサーバから取得されてもよいことを開示しているにすぎません。しかしながら、引用文献1は、ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージでDMサーバにソフトウェアコンポーネントのIDを報告することは開示していません。
さらに、引用文献1は、「in response to management request 140, mobile terminal 100 provides a management response, which comprises status indicating success or failure of the operation(管理要求140に応じて、移動端末100はオペレーションの成否を通知するステータスを含む管理応答を提供する)」(段落[0009]を参照願います)、「DM client 200 provides the response to package 202 by sending a package 203(DMクライアント200はパッケージ203を送信することによってパッケージ202への応答を提供する)」(段落[0012]を参照願います)、「Package 203 comprises a synchronization body, which further comprises four Status commands indicating the successful delivery and processing of synchronization header, the command sequence, the Alert command and the Add command, and a Final element. The success of Alert 1101 command indicates that the user has accepted the management action further explained in the prompt text(パッケージ203は同期主部を含み、さらに同期主部は送達が成功したことを通知し同期ヘッダ、コマンドシーケンス、AlertコマンドおよびAddコマンド、Final要素の処理をする4つのStatusコマンドからなります)」(段落[0013]を参照願います)、「the status does, however, not indicate the completion of the operation such as download. The status only indicates the DM client 500 has started processing the operation(しかしながら、前記statusは、ダウンロードなどのオペレーションの完了を示すことはない。前記statusは、DMクライアント500がオペレーションの処理を開始したことを示すだけである。)」(段落[0056]を参照願います)ことを開示しています。すなわち、端末は、要求に応じてDMサーバに応答を提供しており、その応答は、例えば送達の成功を示したり、ユーザが管理アクションを承認またはクライアントでオペレーションが開始したことを示したりするstatusを含んでいます。つまり、statusは、Deployedサブツリーの下のソフトウェアコンポーネントに対応する生成済の管理ノードの位置ではなく、オペレーションの処理の状態にすぎません。引用文献1において、オペレーションがインストールである場合、DMサーバは、ソフトウェアコンポーネントのインストールが成功したかどうかを、応答に応じた端末によってさらに知り得ますが、ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後にDeployedサブツリーの下のソフトウェアコンポーネントのIDを知ることはできませんし、ソフトウェアコンポーネントパッケージを特定することもできません。
このように、引用文献1は、DMサーバがクライアントにnameを送信し、DMクライアントがオペレーションの処理の状態を含む応答メッセージをDMサーバに送信することを精々開示しているにすぎません。引用文献1は、「前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告される」ことを示唆もしていません。したがって、引用文献1は、補正後の請求項1に記載されるような格別な構成要素を示唆していません。
本願発明は、端末が、ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージでIDをDMサーバに報告しているので、DMサーバがインストール後のソフトウェアパッケージを特定すること、およびIDに従ってソフトウェアパッケージをリモートで管理することが非常に簡易となっています。したがって、上述した格別な技術的特徴によってもたらされる技術的効果は、端末上のソフトウェアに対するリモート管理を容易にすることにあります。同様の理由によって、対応する独立請求項11も進歩性を有しています。
すべての独立請求項は進歩性を有しているので、独立請求項に従属するすべての従属項も進歩性を有しており、特許要件を満たしているかと思います。 』

(上申書による提案及び提示された補正案の抜粋)
=提案=
『 前置報告書において、審査官殿は、「請求項1,11に係る上述の補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。そして、この出願は原査定の理由に示したとおり拒絶されるべきものである。」、と報告されています。

この報告を解消するため、限定的減縮違反との審査官殿のご認定を解消するため、審判請求時に削除している請求項1および11に記載の「ネットワークサイドの装置によって提供され、」を元に戻す補正を行っている添付の補正案のとおりに補正する機会を与えていただきたく存じます。また、審判請求の理由において主張いたしましたように、いずれの引用文献にも開示されていない構成と効果を有しているため、本願発明は、進歩性を有していると思料いたします。それゆえ、原査定を取り消す、との審決を求めますこと、ここに上申いたします。』

=補正案の抜粋=
(案中の請求項1に関する案文のみを抜粋、転記した。)

「 ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法であって、
端末によって、デバイス管理(Device Management;DM)サーバによって直接に送達されるソフトウェアコンポーネントパッケージ、または
前記DMサーバによって送達される前記ソフトウェアコンポーネントパッケージのダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示するコマンドを受信するステップであって、
前記ソフトウェアコンポーネントパッケージが、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを具備する受信するステップと、
前記端末が、前記ダウンロードアドレスおよびダウンロードを指示する前記コマンドを受信する場合に、前記端末によって、前記ダウンロードアドレスに従って前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをダウンロードするステップと、
前記端末によって、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージをローカルにインストールし、前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードをSoftware Component Management Object(SCOMO)のDeployedサブツリーの下に生成するステップとを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントに対応する管理ノードならびに前記管理ノードのサブノードを前記SCOMOのDeployedサブツリーの下に生成する前記ステップが、
前記端末によって、1つのソフトウェアコンポーネントのIDを入手し、前記IDを前記SCOMOの前記Deployedサブツリーの下の前記ソフトウェアコンポーネントに対応する前記管理ノードのIDサブノードの値に割り当てるステップであって、前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDが、ネットワークサイドの装置によって提供され、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージの一部として前記端末に送達されるステップを具備し、
前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告されることを特徴とする方法。」

そこで、これら2回の手続で示された拒絶とすべき理由に関する請求人の主張、及び再度の提案について、各々当審の見解を述べる。

(審判請求書で示した主張について)
請求人は、審判請求時に追加した『前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告される』との発明特定事項が、引用文献1に開示がなく、この点で相違している旨を主張しているが、当該特定事項は、上記「第2」の「2.」の2-3の「(補正事項3について)」で示した検討のとおり、特許法第17条の2第5項各号のいずれにも該当しない補正によるものである。よって、時機を逸した新たなステップの追加に基づく主張であり、採り上げることができない。

(上申書で示した再度の提案について)
上記補正案には、依然として『前記ソフトウェアコンポーネントの前記IDは、前記ソフトウェアコンポーネントパッケージがインストールされた後に応答メッセージで前記DMサーバに報告される』との発明特定事項が存在している。そのため、上記「(審判請求書で示した主張について)」で述べた説示と同様、採り上げることができない。


以上のとおりであるので、 表明された請求人のいずれの主張も採り上げることができない。


第5 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。


よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-02-09 
結審通知日 2015-02-10 
審決日 2015-02-27 
出願番号 特願2012-262566(P2012-262566)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 林 毅坂庭 剛史  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 西村 泰英
木村 貴俊
発明の名称 ソフトウェアコンポーネントをインストールする方法、システム、端末、およびデバイス管理サーバ  
代理人 佐伯 義文  
代理人 木内 敬二  

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