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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1303880
審判番号 不服2014-6333  
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-07 
確定日 2015-08-06 
事件の表示 特願2009- 21142「撮像装置、内視鏡及び電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 8月12日出願公開、特開2010-172638〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成21年2月2日の出願であって、平成24年2月2日付けで手続補正がなされ、平成25年7月9日付けで拒絶理由が通知され、同年9月17日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、同年12月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成26年4月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。
その後、同年5月22日付けで審判請求書の請求の理由を補正する手続補正がなされ、平成27年2月6日付けで上申書が提出された。

第2 平成26年4月7日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成26年4月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。


[理由]

1 本件補正について

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成25年9月17日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載の、

「 第1?第3の色成分の照明光を、その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部と、
前記第1?第3の色成分の照明光が入射され、該照明光をスポット光として射出する光ファイバと、
前記光ファイバを振動させて、前記スポット光によって前記被写体を走査するためのアクチュエータと、
前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光を光電変換するフォトセンサと、
前記フォトセンサの出力信号から、前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部と、を含むことを特徴とする撮像装置。」


「 第1?第3の色成分の照明光を、その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部と、
前記第1?第3の色成分の照明光が入射され、該照明光をスポット光として射出する光ファイバと、
前記光ファイバを振動させて、前記スポット光によって前記被写体を走査するためのアクチュエータと、
前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光を光電変換するフォトセンサと、
前記フォトセンサの出力信号から、前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部と、
を含み、
らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射することを特徴とする撮像装置。」
と補正された。(下線は補正箇所を示す。)

そして、この補正は、「らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射する」との限定を付加するものであり、本件補正における請求項1に係る発明の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項(特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮)を目的とするものである。

2 独立特許要件についての検討

(1)そこで、次に、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反しないか)について検討する。

(2)引用例

ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-239595号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付加したものである。)。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数変調された光スポットを被写体に投影して被写体像を得る内視鏡装置に関する。」

(イ)「【0006】さらに電線が断線することを防止できたり、複雑な配線作業を解消したり、挿入部の径を太くしなくても高分解能にできる等の多くの長所を持つ内視鏡装置を提供することを第2の目的とする。」

(ウ)「【0007】
【課題を解決するための手段】細長の挿入部の先端側から被写体に光を投影し、対物光学系を介して前記挿入部の後端側で被写体像を観察可能とする内視鏡装置において、発光強度が複数の周波数で変調されている複数の光スポットを被写体に投影する投影手段と、前記被写体に投影された複数の光スポットの反射光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力を周波数分離する周波数分離手段と、前記周波数分離手段で分離された出力信号から前記反射光の明るさを検知する検知手段と、を設けることにより、高周波の駆動信号で駆動することを必要としない受光手段を採用できるので、内視鏡内に信号線を挿通した場合にも外部に放射さるノイズを実質上解消できると共に、外部からのノイズの遮蔽が容易となり、画質の良い内視鏡画像が得られるようにできる。」

(エ)「【0070】次に本発明の第2の実施の形態の内視鏡装置の具体的な構成を説明する。図12に示すように内視鏡装置61は内視鏡62とこの内視鏡62に周波数変調によるコーディングされた照明光を供給する光源装置部63及びデコーディング処理してビデオ信号を合成する信号処理装置部64とを内蔵したビデオプロセッサ65と、ビデオ信号を表示するディスプレイ66とから構成される。
【0071】内視鏡62は体腔内に挿入される細長の挿入部67と、この挿入部67の後端に設けられた操作部68と、この操作部68から延出されたユニバーサルケーブル69とを備え、このユニバーサルケーブル69の端部に設けたコネクタ70をビデオプロセッサ65に着脱自在で接続することができる。
【0072】この内視鏡62内には照明光伝送用イメージガイド(以下、単にイメージガイドと略記)71が挿通され、このイメージガイド71の入射端はコネクタ70に至る。このイメージガイド71の入射端に対向して光源装置部63内には結像レンズ72が配置され、この結像レンズ72により3色発光ダイオードアレイ73の光をテープ状ファイバアレイ74で伝送し、さらに回動的に振動される可動ミラー75で反射されたライン状の光スポットアレイをイメージガイド71の入射端に入射するようにしている。
【0073】つまり、赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光を同時に発光する3色発光ダイオードアレイ73を構成する3色発光ダイオード73(r)(ここで、r=1,2,…,m)をそれぞれ発振周波数が異なる発振器76R(r),76G(r),76B(r)の発振出力を光源駆動回路77でそれぞれ増幅した駆動信号で駆動するようにしている。
【0074】換言すると、図12に示すように3色発光ダイオードアレイ73の赤色発光ダイオードアレイ部分は赤色発光ダイオードアレイ駆動部80Rで駆動され、緑色発光ダイオードアレイ部分は緑色発光ダイオードアレイ駆動部80Gで駆動され、青色発光ダイオードアレイ部分は青色発光ダイオードアレイ駆動部80Bで駆動される。そして、全ての発振器はその発振周波数が異なるように設定し、信号処理装置部64側での周波数の弁別手段で弁別(分離抽出)できるようにしている。
【0075】3色発光ダイオードアレイ73の各3色発光ダイオード73(r)の3色の光は対向するようにそれぞれ配置された(テープ状ファイバアレイ74を形成する)各ファイバの入射側の端面にそれぞれ入射され、それぞれのファイバで伝送され、他方の端面、つまり出射端面から可動ミラー75に出射される。
【0076】テープ状ファイバアレイ74の出射端は例えば垂直方向にライン状に配置され、テープ状ファイバアレイ74の出射端から出射されたライン状のm個の光スポットは可動ミラー駆動手段としての例えばモータ78によって回動的に振動される可動ミラー75で反射され、結像レンズ72によりイメージガイド71の端面の垂直方向のファイバ列を水平方向に走査するように入射される。なお、モータ78はモータ駆動回路79により駆動される。
【0077】このイメージガイド71により伝送された光は挿入部67の先端部に固定された出射端から照明レンズ81を介して被写体82に投影され、被写体82にはライン状の光スポットがこのラインと直交する方向に走査される。
【0078】この先端部には対物レンズ或いは集光レンズ83が設けてあり、被写体82に照射された光の反射光は集光されアバランシェ・フォトダイオード等の例えば感度が高く、応答速度が速い光電変換素子84で受光される。
【0079】この光電変換素子84は単一の画素に対する光電変換機能を有するものであり、この光電変換素子84で光電変換された信号は1本の同軸線で形成される信号線85により伝送され、コネクタ70の接点を介してビデオプロセッサ65の信号処理装置部64を構成する増幅器86に入力され、増幅された後、周波数成分分離手段87に入力される。
【0080】この周波数成分分離手段87は例えば多数のフィルタ(具体的には各発振器の周波数を通過帯域とする3m個のバンドパスフィルタ或いはm個のバンドパスフィルタを3回切り替えて使用するもの)とか、高速のフーリエ変換処理を行い各周波数成分の信号データを抽出する高速フーリエ変換手段(FFT手段)等で形成され、受信された信号から発振器の周波数成分をそれぞれ分離する。この分離する動作はタイミングコントローラ88からのタイミング信号により、可動ミラー75の水平方向の走査に同期して行う。
【0081】このように同期して行うことができるように可動ミラー75を駆動するモータ駆動回路79はタイミングコントローラ88と接続され、タイミングコントローラ88からのタイミグ信号に同期してモータ78を介して可動ミラー75を駆動する。
【0082】つまり、周波数成分分離手段87は周波数分離により分離された信号データが垂直方向のどの位置のファイバから出射されたかをデコードできるが、水平方向(周波数成分分離手段87に対しては経時方向或いは時間軸方向)は識別しないので、タイミングコントローラ88からのタイミング信号を参照して水平方向の位置の分離或いはデコードを行う。
【0083】周波数成分分離手段87で分離された各信号、具体的にはR,G,Bの画像信号データはビデオ信号合成手段89に入力され、ビデオ信号が合成され、ディスプレイ66に被写体像がカラー表示される。」

(オ)「【0114】なお、上述の各実施の形態などでにおいて、周波数の分離手段にロックインアンプを用い、変調に用いた発振器の発振信号を参照信号に用い、(光電変換手段で光電変換され、各周波数の信号が多重化された)入力信号に対して同期検波を行うことにより、各周波数の信号成分を分離抽出するようにしても良い。また、上述した実施の形態などを部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。」

(カ)【図12】




イ 引用例1に記載された発明の認定

上記ア(ア)ないし(カ)を含む引用例1全体の記載を総合すると、引用例1には、

「 内視鏡62と、この内視鏡62に周波数変調によるコーディングされた照明光を供給する光源装置部63及びデコーディング処理してビデオ信号を合成する信号処理装置部64とを内蔵したビデオプロセッサ65と、ビデオ信号を表示するディスプレイ66とから構成される内視鏡装置61であって、
内視鏡62は体腔内に挿入される細長の挿入部67を備え、内視鏡62内には照明光伝送用イメージガイド71が挿通され、
光源装置部63は、3色発光ダイオードアレイ73の光をテープ状ファイバアレイ74で伝送し、回動的に振動される可動ミラー75で反射されたライン状の光スポットアレイを照明光伝送用イメージガイド71の入射端に入射するようにし、
赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光を同時に発光する3色発光ダイオードアレイ73を構成する3色発光ダイオード73(r)(ここで、r=1,2,…,m)を、それぞれ発振周波数が異なる発振器76R(r),76G(r),76B(r)の発振出力を光源駆動回路77でそれぞれ増幅した駆動信号で駆動し、
照明光伝送用イメージガイド71により伝送された光は挿入部67の先端部に固定された出射端から照明レンズ81を介して被写体82に投影され、被写体82にはライン状の光スポットがこのラインと直交する方向に走査され、
被写体82に照射された光の反射光は集光されアバランシェ・フォトダイオードである光電変換素子84で受光され、
光電変換素子84で光電変換された信号は1本の同軸線で形成される信号線85により伝送され、ビデオプロセッサ65の信号処理装置部64を構成する増幅器86に入力され、増幅された後、周波数成分分離手段87に入力され、周波数成分分離手段87は、受信された信号から発振器の周波数成分をそれぞれ分離し、
周波数成分分離手段87で分離されたR,G,Bの画像信号データはビデオ信号合成手段89に入力され、ビデオ信号が合成され、ディスプレイ66に被写体像がカラー表示される、内視鏡装置61。」

の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

ウ 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2007/067163号(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付加したものである。和訳は、引用例2の日本語ファミリーである特表2009-516568号公報の記載を採用した。)。

(ア)第11頁29行ないし第14頁14行
「 For example, a cut-away view in FIGURE 2A illustrates a variable radius or spiral scan mode of an optical fiber device 200. The scan mode shown in this Figure can be generated by driving an optical fiber 208 into a resonant (or near resonant) condition using a two axis piezoceramic tube actuator 206. In this exemplary embodiment, a plurality of light detectors 204 are arrayed around single piezoceramic tube actuator 206 in a simple arrangement, to produce signals indicative of the light received from a ROI, which is not shown in this Figure. Alternatively, a similar array of concentrically arranged and spaced-apart optical fibers 202 can convey light received at the distal end of the optical fibers from the ROI to light detectors (not shown) that are disposed at a proximal end of the optical fibers (e.g., outside the body of a patient). Piezoceramic tube actuator 206 concentrically surrounds optical fiber 208, and the optical fiber is tapered to a distal end 210. This tube actuator produces a driving force corresponding to a harmonic of a natural resonant frequency of optical fiber 208 so that the distal end of the optical fiber moves in an orbit 212 having an actuation controlled radius. The distal end of the scanning optical fiber corresponds to an optical point source that can be focused onto an illumination plane (not shown) by adding an imaging lens system 214. A major advantage of this embodiment is that it employs a single actuator and a waveguide that provide high resolution, directed illumination, and imaging within a relatively small diameter enclosure.
A series of variable radii circles are produced in a circular scan mode. The optical fiber can be driven in either mode during successive scanning frames. When driven in a spiral scan mode, the optical fiber produces a spiral scan in which the radius alternately increases and decreases. In an alternative scan pattern, the radius is increased in the desired pattern, and then the fiber is more rapidly returned to its centered positin to begin the next frame, In either the circular or spiral scan modes, the distal end of optical fiber 208 scans an ROI to image the region and also renders therapy and/or diagnostic functions over the ROI. The whirling motion of the cantilevered optical fiber is controUably driven larger or smaller in diameter by increasing or decreasing the voltage applied to the four individual quadrants of piezoceramic tube actuator 206. Changes in the diameter of the scan can thus be made from one scanning frame to the next.
A "propeller" scan mode 216 is illustrated in FIGURE 2B. In this scanning mode, the scanning optical fiber moves back and forth along different diameters of a circle, scanning the ROI. The rotation of the linear scan can be generated from the two-axis piezoceramic tube actuator or by simply rotating a single-axis actuator so that the axis of movement rotates in a corresponding manner about the longitudinal axis of the optical fiber. Again, the propeller scan mode can be used in successive scanning frames, or can be used in combination with either the linear, elliptical, circular, or spiral scan modes in successive scanning frames.
Instead of using a stationary imaging lens system at the tip of the endoscope, an alternative beam scanning embodiment 220 of the optical fiber device is illustrated in FIGURE 2C. This embodiment uses a combination of a microlens 228 at the distal fiber tip, and a scan lens system 238. The use of microlens 228 on the distal end of optical fiber 226 produces a PSF that is consistently small across a wide field of view (FOV). The addition of a microlens to the resonant cantilevered waveguide structure creates a more complicated dynamic system than the previous point-source imaging embodiments shown in FIGURES IA and 2A Beam scanning embodiment 220 includes a cylindrical supporting housing 222 in which is disposed a cylindrical actuator 224 of the piezoelectric or piezoceramic type that drives an optical fiber 226 to vibrate in a resonant 2-D scanning mode. Microlens 228 is fabricated at the distal end of optical fiber 226 for the purpose of generally collimating a scanned beam of light. The scanned beam 230 of light is focused by scan lens system 238 and describes an angle that is preferably greater than or equal to at least 40# relative to the longitudinal axis of the optical fiber and of cylindrical housing 222. When scanning, the center of the cantilevered portion of the optical fiber moves back and forth about this axis, as illustrated, while the point source of light emanating from the distal tip of optical fiber 226 remains generally stationary due to its inertia! mass and the fact that the vibratory node is near the tip at a second node of resonance. The length of optical fiber 226 extending distally beyond actuator 224 and the mass of microlens 228 are selected to ensure that the scanning occurs with this form of motion. Light detectors 232 are disposed as an outer annulus of a scan lens 233 and in a base 235 around cylindrical actuator 224, which may be coated with a highly optical reflective material 237 (e.g., aluminum) to help channel the backscattered light to the detectors at high efficiencies. The light detectors may be optical sensors or may comprise the distal tips of collection optical fibers (with the option of including a microlens on each collection optical fiber for increased collection efficiency).
Theoretically, only a single light detector is required to collect the backscattered scanned light, to generate a monochrome or black and white image. A simple method for generating a full-color image is to use three light detectors, each covered with a different filter selected for blue, green, or red light transmission. Silicon-based semiconductor photodiodes (such as Si-PIN type) are preferred for visible and near IR light detection because of their high sensitivity, low cost, small size, high speed, and ruggedness. Photodiodes used routinely in the telecommunications industry, such as InGaAs material photodiodes, are preferred for embodiments of the present invention that use IR optical detection. Since the resolution of the integrated optical scanning technique does not depend on size and number of light detectors, all available space at the distal end of the optical fiber assembly can be covered with light detectors for the purpose of increasing and discriminating between signal levels. In at least one embodiment, the light detectors are provided in stereo-pairs about the optic axis so that topographical features (e.g., shadows) of the ROI can be enhanced and glare from spectral reflections can be diminished. If IR radiation is used in connection with visible light, then light detectors of different light-sensitive materials can be used without filters (not shown). An alternative method for separating the spectral response of a light detector that is not filtered requires synchronizing the detector signal in time with an appropriate illumination source having a pulsed output. For example, the same visible light detector can be used without any filters if the RGB laser or other light sources are individually pulsed in rapid time series and in synchronicity with the processing of signals received from the light detectors.
Leads 234 extend from each of the light detectors to the proximal end of the optical fiber, which is external to the patient's body, to convey the electrical signals from the light detectors to the external instrumentation, as discussed above. Actuator 224 is driven with an electrical signal supplied through leads 236, and the characteristics and timing of the electrical signal determine the scan pattern, amplitude, and other parameters of the scanning pattern executed in each successive scanning frame.」
( 例えば、図2Aの切欠図が、光ファイバデバイス200の可変半径または螺旋スキャンモードを例示する。この図に示されるスキャンモードは、2軸圧電セラミック管アクチュエータ206を使用して光ファイバ208を駆動させて共振(または近共振)状態にすることにより、発生させることができる。この例示的な実施形態では、複数の光検出器204が、単純な構成で単一圧電セラミック管アクチュエータ206の周りに配列されて、この図には示されていないROIから受け取られる光を示す信号を生成する。別法として、同心円状に配置されて間隔を空けられた光ファイバ202の同様のアレイが、光ファイバの遠位端で受け取られた光を、ROIから、光ファイバの近位端(例えば患者の身体の外側)に配設された光検出器(図示せず)に搬送することができる。圧電セラミック管アクチュエータ206が、光ファイバ208を同心円状に取り囲み、光ファイバは、遠位端210に向けてテーパを付けられる。この管アクチュエータは、光ファイバ208の自然共振周波数の高調波に対応する駆動力を生成し、それにより光ファイバの遠位端は、作動制御された半径を有する軌道212で動作する。走査光ファイバの遠位端は、撮像レンズ系214を追加することにより照明面(図示せず)上に合焦することができる光点源に対応する。この実施形態の主な利点は、これが、高解像度と、指向された照明と、比較的小さな直径の筐体内での撮像とを提供する単一アクチュエータおよび導波路を採用することである。
円形スキャンモードでは、一連の可変半径の円が生成される。光ファイバは、連続走査フレーム中にいずれかのモードで駆動させることができる。螺旋スキャンモードで駆動されるとき、光ファイバは、半径が交互に増加および減少する螺旋スキャンを生成する。代替のスキャンパターンでは、半径は、所望のパターンで増加され、次いでファイバが、より迅速にその中央位置に戻り、次のフレームを始める。円形または螺旋スキャンモードでは、光ファイバ208の遠位端がROIを走査して、領域を撮像し、またROIにわたり治療および/または診断機能を行う。片持ち式光ファイバの旋回動作は、圧電セラミック管アクチュエータ206の4つの個々の象限に印加される電圧を増加または減少させることにより、より大きな直径またはより小さな直径で制御可能に駆動される。したがって、1つの走査フレームから次のフレームへとスキャンの直径の変化をもたらすことができる。
「プロペラ」スキャンモード216が図2Bに例示されている。この走査モードでは、走査光ファイバが、様々な直径の円に沿って往復して移動して、ROIを走査する。線形スキャンの回転は、2軸圧電セラミック管アクチュエータにより、または単に、動作軸が光ファイバの長手方向軸の周りで対応する様式で回転するように単軸アクチュエータを回転させることにより発生させることができる。先と同様に、プロペラスキャンモードも連続走査フレームで使用することができ、あるいは線形、楕円、円形、または螺旋スキャンモードと組み合わせて連続走査フレームで使用することができる。
内視鏡の先端で静止撮像レンズ系を使用する代わりに、光ファイバデバイスの代替ビーム走査実施形態220が図2Cに例示されている。この実施形態は、遠位ファイバ先端にあるマイクロレンズ228と、スキャンレンズ系238との組合せを使用する。光ファイバ226の遠位端でのマイクロレンズ228の使用は、広い視野(FOV)にわたって一貫して小さいPSFを生成する。共振片持ち式導波路構造へのマイクロレンズの追加は、図1Aおよび2Aに示される前述の点源撮像実施形態よりも複雑な動的システムを形成する。ビーム走査実施形態220は、円筒形支持ハウジング222を含み、ハウジング222内に、共振2D走査モードで振動するように光ファイバ226を駆動させる圧電または圧電セラミックタイプの円筒形アクチュエータ224が配設される。マイクロレンズ228は、光の走査ビームを概してコリメートする目的で光ファイバ226の遠位端に作製される。光の走査ビーム230は、スキャンレンズ系238により合焦され、光ファイバおよび円筒形ハウジング222の長手方向軸に対して好ましくは少なくとも40°以上の角度をなす。走査時、光ファイバの片持ち部分の中央が、例示されるようにこの軸の周りで往復して移動し、一方、光ファイバ226の遠位先端から発する光の点源は、その慣性質量により、かつ振動ノードが共振の第2のノードで先端付近にあることにより、概して静止したままである。アクチュエータ224とマイクロレンズ228の質量とを越えて遠位方向に延在する光ファイバ226の長さは、この形態の動作で走査が行われることを保証するように選択される。光検出器232は、スキャンレンズ233の外環として、円筒形アクチュエータ224を囲むベース235に配設され、アクチュエータ224は、後方散乱光を高い効率で検出器にチャネルする助けとなるように高い光反射性の材料237(例えばアルミニウム)で被覆されることがある。光検出器は、光センサであってよく、または収集光ファイバの遠位先端を構成していてもよい(収集効率を高めるために、各収集光ファイバにマイクロレンズを含めるという選択肢もある)。
理論上は、モノクロームまたは白黒画像を発生させるためには、後方散乱された走査光を収集するためにただ1つの光検出器のみが必要とされる。フルカラー画像を発生させるための単純な方法は、青色、緑色、または赤色光伝送のために選択された異なるフィルタでそれぞれカバーされた3つの光検出器を使用することである。シリコンベースの半導体フォトダイオード(Si-PINタイプなど)が、それらの高感度、低コスト、小さなサイズ、高速、および耐久性により、可視および近IR光検出に好ましい。IR光検出を使用する本発明の実施形態には、InGaAs材料フォトダイオードなど、電気通信業界で慣例的に使用されているフォトダイオードが好ましい。一体型の光走査技法の解像度は、光検出器のサイズおよび数に依存しないので、信号レベルの増加と信号レベル間の区別との目的で、光ファイバアセンブリの遠位端での全ての利用可能な空間を光検出器でカバーすることができる。少なくとも1つの実施形態では、光検出器は、光軸の周りでステレオ対として提供され、それによりROIのトポグラフィフィーチャ(topographical features)(例えば影)を向上させることができ、スペクトル反射からのグレア(glare)を低減させることができる。IR放射が可視光に関連して使用される場合、フィルタ(図示せず)を用いずに、様々な感光材料からなる光検出器を使用することができる。フィルタされない光検出器のスペクトル応答を分離するための代替方法は、検出器信号を、パルス出力を有する適切な照明源と時間的に同期させることを必要とする。例えば、RGBレーザまたは他の光源が、高速時系列で、光検出器から受信される信号の処理と同期して個々にパルスされる場合、フィルタを用いずに同じ可視光検出器を使用することができる。
リード線234が、各光検出器から、患者の身体の外部にある光ファイバの近位端に延在して、上述したように、光検出器から外部機器に電気信号を搬送する。アクチュエータ224は、リード線236を介して供給される電気信号により駆動され、電気信号の特性およびタイミングが、スキャンパターン、振幅、および各連続走査フレームで実行される走査パターンの他のパラメータを決定する。)

(イ)FIG.2A




エ 引用例2に記載された発明の認定

上記ウ(ア)及び(イ)を含む引用例2全体の記載を総合すると、引用例2には、

「 螺旋スキャンモードを、2軸圧電セラミック管アクチュエータ206を使用して光ファイバ208を駆動させて共振(または近共振)状態にすることにより、発生させることができる光ファイバデバイス200と、2軸圧電セラミック管アクチュエータ206の周りに配列されて、ROIから受け取られる光を示す信号を生成する複数の光検出器204とを備え、
光ファイバ208の遠位端が、撮像レンズ系214を追加することにより照明面上に合焦することができる光点源に対応するようにし、
螺旋スキャンモードで駆動されるとき、半径は、所望のパターンで増加され、次いで光ファイバ208が、より迅速にその中央位置に戻り、次のフレームを始めるようにして、光ファイバ208の遠位端がROIを走査して、領域を撮像する内視鏡。」

の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。


(3)本願補正発明と引用発明との対比

ア 対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)
a 引用発明の「3色発光ダイオードアレイ73を構成する3色発光ダイオード73(r)」が「同時に発光する」「赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光」は、「照明光伝送用イメージガイド71により伝送され」て「被写体82に照射され」るものであって、照明光であることは明らかであるから、引用発明の「3色発光ダイオード73(r)」が発光する「赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光」は、本願補正発明の「第1?第3の色成分の照明光」に相当する。

b 引用発明は「3色発光ダイオードアレイ73を構成する3色発光ダイオード73(r)(ここで、r=1,2,…,m)を、それぞれ発振周波数が異なる発振器76R(r),76G(r),76B(r)の発振出力を光源駆動回路77でそれぞれ増幅した駆動信号で駆動」するものであるところ、ダイオードを周期的に変化する駆動信号で駆動することは、ダイオードが発光する光を周波数で光強度変調することにほかならないから、引用発明の「それぞれ発振周波数が異なる発振器76R(r),76G(r),76B(r)の発振出力を」「それぞれ増幅した駆動信号で駆動」する「光源駆動回路77」は、本願補正発明の「その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部」に相当する。

c 以上のことから、引用発明の「赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光を同時に発光する」「3色発光ダイオード73(r)を、それぞれ発振周波数が異なる発振器76R(r),76G(r),76B(r)の発振出力をそれぞれ増幅した駆動信号で駆動する光源駆動回路77」は、本願補正発明の「第1?第3の色成分の照明光を、その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部」に相当する。

(イ)
a 引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」は、「3色発光ダイオードアレイ73の光を」「伝送」するものであるから、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」に、「3色発光ダイオード73(r)」が「同時に発光する」「赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光」が入射することは明らかである。

b また、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」は、「3色発光ダイオードアレイ73の光を」「伝送」するものであることから、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」が、複数の光ファイバのアレイであることも明らかである。

c 引用発明において、「3色発光ダイオードアレイ73の光」は、「テープ状ファイバアレイ74で伝送」され、「回動的に振動される可動ミラー75で反射され」て「ライン状の光スポットアレイ」を形成していることから、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」を構成する各光ファイバが射出する光は、光スポットを形成しているものと認められる。よって、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74」を構成する各光ファイバは、「スポット光」を射出しているといえる。

d 以上のことから、引用発明の「3色発光ダイオードアレイ73の光を」「伝送」し、伝送した光が「回動的に振動される可動ミラー75で反射され」て「ライン状の光スポットアレイ」を形成している「テープ状ファイバアレイ74」を構成する各「光ファイバ」は、本願補正発明の「前記第1?第3の色成分の照明光が入射され、該照明光をスポット光として射出する光ファイバ」に相当する。

(ウ)
a 引用発明の「被写体82」は、本願補正発明の「被写体」に相当する。

b 引用発明において、「被写体82にはライン状の光スポットがこのラインと直交する方向に走査され」る機序が、「回動的に振動される可動ミラー75で反射されたライン状の光スポットアレイ」が「照明光伝送用イメージガイド71の入射端に入射する」位置が、「回動的に振動される可動ミラー75」の振動によって変化することであることは明らかである。

c 以上のことから、引用発明の「被写体82に」「ライン状の光スポット」を「このラインと直交する方向に走査」する「回動的に振動される可動ミラー75」と、本願補正発明の「前記光ファイバを振動させて、前記スポット光によって前記被写体を走査するためのアクチュエータ」とは、「前記スポット光によって前記被写体を走査するための機構」である点において共通する。

(エ)
a 引用発明の「被写体82に照射された光」は、「3色発光ダイオードアレイ73の光をテープ状ファイバアレイ74で伝送し」、「照明光伝送用イメージガイド71により伝送され」て「被写体82に投影され」たものであるから、引用発明の「被写体82に照射された光の反射光」は、本願補正発明の「前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光」に相当する。

b 引用発明の「光電変換素子84」は、「アバランシェ・フォトダイオード」であるから、本願補正発明の「フォトセンサ」に相当する。

c 引用発明の「光電変換素子84」が、受光した光を光電変換することは明らかである。

d 以上のことから、引用発明の「被写体82に照射された光の反射光」を「受光」する「アバランシェ・フォトダイオードである光電変換素子84」は、本願補正発明の「前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光を光電変換するフォトセンサ」に相当する。

(オ)
a 引用発明の「信号線85により伝送され」る「光電変換素子84で光電変換された信号」は、「光電変換素子84」の「出力信号」にほかならないから、本願補正発明の「前記フォトセンサの出力信号」に相当する。

b 引用発明の「周波数成分分離手段87」は、「受信された信号から発振器の周波数成分をそれぞれ分離し」、「R,G,Bの画像信号データ」を得るものであり、「R,G,B」の信号を復調するものであるから、引用発明の「受信された信号から発振器の周波数成分をそれぞれ分離し」、「R,G,Bの画像信号データ」を得る「周波数成分分離手段87」は、本願補正発明の「前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部」に相当する。

c 以上のことから、引用発明の「信号線85により伝送され」る「光電変換素子84で光電変換された信号」が入力され、「受信された信号から発振器の周波数成分をそれぞれ分離し」、「R,G,Bの画像信号データ」を得る「周波数成分分離手段87」は、本願補正発明の「前記フォトセンサの出力信号から、前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部」に相当する。

(カ)
a 本願補正発明において「前記被写体に照射」される「前記光ファイバから射出する照明光」は、「前記光ファイバ」が「らせん状または1ラインごとに走査される」ことから、「前記被写体」上を走査するものである。

b よって、引用発明の「テープ状ファイバアレイ74で伝送し、回動的に振動される可動ミラー75で反射され」、「照明光伝送用イメージガイド71により伝送された光」が「被写体82に投影され」、「被写体82にはライン状の光スポットがこのラインと直交する方向に走査され」ることと、本願補正発明の「らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射すること」とは、「前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射して走査すること」である点において共通する。

(キ)引用発明の「内視鏡装置61」は、「光電変換素子84で光電変換された信号」から「被写体像」を得るものであるから、本願補正発明の「撮像装置」に相当する。

イ 一致点及び相違点

よって、本願補正発明と引用発明とは、

「 第1?第3の色成分の照明光を、その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部と、
前記第1?第3の色成分の照明光が入射され、該照明光をスポット光として射出する光ファイバと、
前記スポット光によって前記被写体を走査するための機構と、
前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光を光電変換するフォトセンサと、
前記フォトセンサの出力信号から、前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部と、
を含み、
前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射して走査する撮像装置。」

の発明である点で一致し、次の2点で相違する。

(相違点1)
前記スポット光によって前記被写体を走査するための機構が、本願補正発明は、「前記光ファイバを振動させ」る「アクチュエータ」であるのに対し、引用発明は、「回動的に振動される可動ミラー75」である点。

(相違点2)
前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射して走査することが、本願補正発明は、らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバによってなされるのに対し、引用発明は、ライン状の光スポットが回動的に振動される可動ミラー75で反射されてなされる点。

(4)当審の判断

ア 上記各相違点について検討する。

(ア)相違点1について

本願補正発明と引用発明2とを対比する。

a
(a)引用発明2の「光ファイバ208」、「共振(または近共振)状態」、「ROI」及び「2軸圧電セラミック管アクチュエータ206」が、それぞれ本願補正発明の「光ファイバ」、「振動」、「被写体」及び「アクチュエータ」に相当する。

(b)引用発明2の「光ファイバ208の遠位端」が、「照明面上に合焦することができる光点源に対応する」ことから、引用発明2において、「光ファイバ208の遠位端」から射出される光は、スポット光であるといえる。

(c)以上のことから、引用発明2の「光ファイバ208」を「共振(または近共振)状態に」して「光ファイバ208の遠位端がROIを走査」するようにする「2軸圧電セラミック管アクチュエータ206」は、本願補正発明の「前記光ファイバを振動させて、前記スポット光によって前記被写体を走査するためのアクチュエータ」に相当する。

b
(a)引用発明2において、「光ファイバ208」が「螺旋スキャンモードで駆動されるとき」、「光ファイバ208」がらせん状に走査されること、及び、「領域を撮像する」際、「光ファイバ208の遠位端」から光が射出されることは、いずれも明らかである。

(b)上記(a)及びa(b)を踏まえると、引用発明2の「領域を撮像する」際、「光ファイバ208」を「螺旋スキャンモードで駆動」して、「光ファイバ208の遠位端がROIを走査」することは、本願補正発明の「らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射すること」に相当する。

上記aでの対比の結果から、引用発明2は、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項である「光ファイバを振動させるアクチュエータ」を備えている。

引用例2の第12頁8?11行に「A major advantage of this embodiment is that it employs a single actuator and a waveguide that provide high resolution, directed illumination, and imaging within a relatively small diameter enclosure.」(この実施形態の主な利点は、これが、高解像度と、指向された照明と、比較的小さな直径の筐体内での撮像とを提供する単一アクチュエータおよび導波路を採用することである。)と記載されているように、引用発明2は、高解像度を維持しつつ内視鏡の寸法を減少させるという効果を奏するものである。

また、引用例1の【0006】に「挿入部の径を太くしなくても高分解能にできる等の多くの長所を持つ内視鏡装置を提供することを第2の目的とする。」(上記摘記事項(2)ア(イ))と記載されているように、引用発明は、高解像度を維持しつつ内視鏡の寸法を減少させるという課題を有するものである。

してみると、引用例1及び2に接した当業者にとって、引用発明に、共通の課題を有する引用発明2の構成を適用することを試みることに、困難性はなく、しかも、ライン状の光スポットがこのラインと直交する方向に走査して照明光伝送用イメージガイド71の入射端に入射する、すなわち、外形を小さくするのが困難な照明光伝送用イメージガイド71を用いる引用発明と比較して、光ファイバ208を共振させる引用発明2の方が、高解像度を維持しつつ内視鏡の寸法を減少させるという効果が期待できると予測することは、当業者にとって自然な発想であるといえる。

そして、引用発明は、ライン状の光スポットをこのラインと直交する方向に走査して二次元走査を実行するものであるところ、引用発明2は、螺旋スキャンモードにより二次元走査を実行することができるものであるから、引用発明において、二次元走査を実行するための構成として、「3色発光ダイオードアレイ73の光をテープ状ファイバアレイ74で伝送し、回動的に振動される可動ミラー75で反射されたライン状の光スポットアレイを照明光伝送用イメージガイド71の入射端に入射するようにし」、「照明光伝送用イメージガイド71により伝送された光」を「出射端から」出射する構成に代えて、引用発明2の「光ファイバ208」を「共振(または近共振)状態に」して「光ファイバ208の遠位端がROIを走査」するようにする「2軸圧電セラミック管アクチュエータ206」を用い、「光ファイバ208」を「螺旋スキャンモードで駆動」して、「光ファイバ208の遠位端がROIを走査」する構成を採用し、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。

(イ)相違点2について

上記(ア)bでの対比の結果から、引用発明2は、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項である「らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバ」を備えている。

そして、上記(ア)で検討したように、引用発明に引用発明2の「光ファイバ208」を「共振(または近共振)状態に」して「光ファイバ208の遠位端がROIを走査」するようにする「2軸圧電セラミック管アクチュエータ206」を採用する際、引用発明2の「光ファイバ208」を「螺旋スキャンモードで駆動」することも同時に採用されるものであるから、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明に上記(ア)で検討した引用発明2の構成を採用することにより得られるものである。

イ 本願補正発明の奏する作用効果

本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び引用発明2から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ

以上のとおりであり、本願補正発明は、引用発明及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

なお、上記「(4)当審の判断」は、原審の拒絶査定における判断と同様に、本願補正発明は引用例1に記載された発明に引用例2に記載された発明を適用することで容易に発明をすることができたものであるとしたものであり、請求人の平成27年2月6日付けの上申書に記載されている、引用文献2に記載された発明に引用文献1に記載された発明を適用することは容易ではないとの主張については、本来反論する必要のないことではあるが、仮に引用文献2に記載された発明に引用文献1に記載された発明を適用したとしても、以下のとおり、本願補正発明は当業者が容易に発明をすることができたものであることに変わりはない。

引用例2(上記上申書における引用文献2に相当)には、上記(2)エで認定した引用発明2に加えて、フルカラー画像を発生させる方法として、RGBレーザまたは他の光源を、高速時系列で、光検出器から受信される信号の処理と同期して個々にパルスすることで、フィルタを用いずに同じ可視光検出器を使用することが記載されており(引用例2の第14頁2ないし7行の記載参照。)、引用発明2において単一の可視光検出器を用いてフルカラー画像を取得することが意図されている。
すなわち、引用例2は、R光、G光、B光に対応する信号を分離して検出する必要性を認識しているものである。

一方、引用例1(上記上申書における引用文献1に相当)には、上記(2)イで認定した引用発明から把握されるように、単一の光電変換素子84によりカラー画像を取得するために、赤(R),緑(G),青(B)の3原色の光を異なる周波数で光強度変調し、光電変換素子84の出力信号を復調する技術が記載されている。

してみると、引用例2及び引用例1は、いずれも単一の可視光検出器を用いてフルカラー画像を取得する内視鏡に関する技術であり、引用発明2に引用発明が備える単一の可視光検出器を用いてフルカラー画像を取得するための構成を採用することは、十分な動機付けがあるものといえる。

そして、上記上申書で請求人が主張する「色ずれの解消による高画質化」は、異なる周波数を用いて光強度変調及び復調を行う技術によってもたらされるものと認められ、引用発明によって得られる効果であるから、当業者の予測を超える格別なものとは認められない。

よって、上記上申書における請求人の主張は、本願補正発明の進歩性に係る当審の判断を覆すものではない。

(5)補正の却下の決定のむすび

したがって、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるということができないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

平成26年4月7日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成25年9月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記第2[理由]1の記載参照。)

2 引用例

原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び引用例2の記載事項及び引用発明及び引用発明2については、上記第2[理由]2の(2)引用例に記載したとおりである。

3 対比・判断

本願発明は、上記第2[理由]2で検討した本願補正発明から、「らせん状または1ラインごとに走査される前記光ファイバから射出する照明光を前記被写体に照射すること」との限定事項を削除したものに相当する。

よって、本願発明と引用発明とを対比すると、上記第2[理由]2(3)の「ア 対比」において記載したのと同様の対比の手法及び結果により、本願発明と引用発明とは、
「 第1?第3の色成分の照明光を、その周波数が互いに異なる第1?第3の周波数で光強度変調する変調部と、
前記第1?第3の色成分の照明光が入射され、該照明光をスポット光として射出する光ファイバと、
前記スポット光によって前記被写体を走査するための機構と、
前記光ファイバにより前記第1?第3の色成分の照明光を照射して得られる被写体からの反射光を光電変換するフォトセンサと、
前記フォトセンサの出力信号から、前記第1?第3の色成分の信号を復調する復調部と、を含む撮像装置。」
の発明である点において一致し、実質的に上記第2[理由]2(3)の「イ 一致点及び相違点」における「(相違点1)」に相当する1つの相違点(すなわち、上記相違点1において「本願補正発明」を「本願発明」と置き換えたもの)においてのみ相違する。

そして、上記相違点1については、上記第2[理由]2(4)アの「(ア)相違点1について」で検討したとおりであり、また、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び引用発明2から当業者が予測し得る程度のものであることから、本願発明は、引用発明及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。


よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-02 
結審通知日 2015-06-09 
審決日 2015-06-23 
出願番号 特願2009-21142(P2009-21142)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
P 1 8・ 575- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 濱本 禎広石原 徹弥大塚 裕一  
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 ▲高▼場 正光
渡戸 正義
発明の名称 撮像装置、内視鏡及び電子機器  
代理人 竹腰 昇  
代理人 井上 一  
代理人 黒田 泰  
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