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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01R 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01R |
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管理番号 | 1304933 |
審判番号 | 不服2014-15051 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-07-31 |
確定日 | 2015-09-04 |
事件の表示 | 特願2012-545460「電気コネクタ組立体」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 6月30日国際公開、WO2011/077194、平成25年 5月 9日国内公表、特表2013-516032〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、2009年12月24日を国際出願日とする出願であって、平成26年5月9日付け(同年5月13日:発送日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その請求と同時に手続補正がなされたものである。 第2.平成26年7月31日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成26年7月31日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正後の本件発明 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、 「【請求項1】 第1ケーシング(16)および少なくとも1つの第1端子を有する第1コネクタ(10)と、第2ケーシング(26)および少なくとも1つの第2端子を有する第2コネクタ(12)と、を備えるコネクタ組立体であって、 前記第1および第2コネクタ(10,12)は、前記第1および第2端子を共に接続するために、嵌合軸(X-X)に沿って嵌合かつ取り外されるよう構成され、 前記第1コネクタ(10)は、各前記第1端子を囲むソケット(14)を備え、および前記第2コネクタ(12)は、各前記第2端子を囲むスリーブ(24)を備え、各前記ソケット(14)は、前記第1および第2コネクタ(10,12)が嵌合する場合に、各前記スリーブ(24)を受け入れるよう構成され、 前記第1ケーシング(16)は、円筒状の前記ソケット(14)、および前記ソケット(14)を囲むハウジング(18)を備え、 前記第2ケーシング(26)は、後部ハウジングを備え、該後部ハウジングから前記スリーブ(24)が前記嵌合軸(X-X)に沿って前方に突出し、 前記第2ケーシング(26)は、前方部分(30)および後方部分(32)を有する封止システム(28,30,32)を含み、 前記第1および前記第2コネクタ(10,12)の嵌合位置において、前記前方部分(30)は各前記円筒状スリーブ(24)を囲み、各前記ソケット(14)および各前記スリーブ(24)の間の封止を提供し、かつ 前記後方部分(32)は、前記第2ケーシング(26)の前記後部ハウジング(25)を囲み、前記第1ケーシング(16)の前記ハウジング(18)および前記第2ケーシング(26)の前記後部ハウジング(25)の間の封止を提供する、コネクタ組立体。」 とあったものを 「【請求項1】 第1ケーシング(16)および少なくとも1つの第1端子を有する第1コネクタ(10)と、第2ケーシング(26)および少なくとも1つの第2端子を有する第2コネクタ(12)と、を備えるコネクタ組立体であって、 前記第1および第2コネクタ(10,12)は、前記第1および第2端子を共に接続するために、嵌合軸(X-X)に沿って嵌合かつ取り外されるよう構成され、 前記第1コネクタ(10)は、各前記第1端子を囲むソケット(14)を備え、および前記第2コネクタ(12)は、各前記第2端子を囲むスリーブ(24)を備え、各前記ソケット(14)は、前記第1および第2コネクタ(10,12)が嵌合する場合に、各前記スリーブ(24)を受け入れるよう構成され、 前記第1ケーシング(16)は、円筒状の前記ソケット(14)、および前記ソケット(14)を囲むハウジング(18)を備え、 前記第2ケーシング(26)は、後部ハウジングを備え、該後部ハウジングから前記スリーブ(24)が前記嵌合軸(X-X)に沿って前方に突出し、 前記第2ケーシング(26)は、前方部分(30)および後方部分(32)を有する封止システム(28,30,32)を含み、 前記第1および前記第2コネクタ(10,12)の嵌合位置において、前記前方部分(30)は各前記円筒状スリーブ(24)の前面を覆わないように周りを囲み、各前記ソケット(14)および各前記スリーブ(24)の間の封止を提供し、かつ 前記後方部分(32)は、前記第2ケーシング(26)の前記後部ハウジング(25)を囲み、前記第1ケーシング(16)の前記ハウジング(18)および前記第2ケーシング(26)の前記後部ハウジング(25)の間の封止を提供する、コネクタ組立体。」 と補正することを含むものである。(下線は補正箇所を示すために審判請求人が付したものである。) 上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前方部分(30)」に関して、円筒状スリーブ(24)「の前面を覆わないように周り」を囲みとの限定を付加したのであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と、補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載される発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.刊行物の記載事項 (1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の国際出願日前に頒布された刊行物である特開平9-134756号公報(以下、「刊行物」という。)には、「防水コネクタ」に関し、図面(特に【図8】ないし【図10】を参照。)と共に、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付与したものである。 ア.「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、個室防水機能を備えた防水コネクタに関する。」 イ.「【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のものは、シール部材の外周面が雄ハウジングの嵌合凹部の内周面の略全面にわたって接触し、また進入部と溝との接触面積も大きく取られた構造であったため、両ハウジングを嵌合する際の摩擦抵抗が大きくて、それだけ大きな嵌合力を要し、作業性が悪い欠点があった。本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、両ハウジング間の防水機能ならびに個室防水機能を損ねることなく、嵌合操作力を低減し得るようにした防水コネクタを提供することを目的とする。」 ウ.「【0013】雌ハウジング1は、合成樹脂材により偏平な横長形状に形成されており、本体部5の前面(図2の左側)に、上下2段に分かれた図示8個ずつ収容筒部6が、互いに空隙を開け、かつ上下の段で互い違いに配されて突設されており、本体部5内から各収容筒部6にわたって、それぞれ端子収容室7が形成されている。各端子収容室7には、電線8の端末に固着された雌型端子金具9が後面側から挿入され、雌型端子金具9の後方に固着された防水ゴム栓10が端子収容室7の入り口に緊密に嵌着されるとともに、端子収容室7の底部側に設けられたランス11で係止されることで、抜け止め状態で収容されるようになっている。」 エ.「【0015】雄ハウジング2は、同じく合成樹脂材によって上記した雌ハウジング1のフード部14内に緊密に嵌合可能な形状に形成されている。この雄ハウジング2の前面には、雌ハウジング1の全収容筒部6をまとめて内側に嵌めることのできる嵌合凹部21が穿設されている。この嵌合凹部21の内周側は、先端側の所定寸法がフラットな薄肉状であり、そこから奥端の少し手前に向けて次第に厚肉となり、奥端側ではフラットな厚肉状となった段付き形状に形成されている。 【0016】雄ハウジング2の嵌合凹部21の奥面には、雌ハウジング1の各収容筒部6の位置と対応するようにして、上下2段合計16個の端子挿入孔26が貫通状に形成されている。各端子挿入孔26には、L字形に曲成された雄型端子金具27が後面側から圧入され、嵌合凹部21内に所定寸法ずつ突出して、対応する雌型端子金具9と接続可能な状態で収容されている。・・・」 オ.「【0033】<第3実施形態>図8ないし図10は本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態では、雌雄のハウジング1、2は、前記の第1実施形態と同一であって、シール部材が図8に示すように2つのシール部材61、62から構成されている。 【0034】第1シール部材61は、前記した第1実施形態のシール部材3の大径部31を単体としたような環状に形成されており、収容筒部6の付け根側の周面部13の外周に密着状に装着可能とされ、外周面には同じく3条のリップ32が形成されている。この第1シール部材61は硬質ゴムにより形成されている。 【0035】一方の第2シール部材62は、第1実施形態のシール部材3における各キャップ部34を一体化して取り出したような蓋状に形成されており、各収容筒部6の先端部分の外側ならびに各収容筒部6の空隙の間に密着状に装着可能となっている。雄型端子金具27の挿入口36ならびに各キャップ部34のテーパの裾の部分にリップ37が形成されていることも同様である。この第2シール部材62は、第1シール部材61とは異なって軟質ゴムにより形成されている。 【0036】第3実施形態の組付手順は以下のようである。図9に示すように、まず第1シール部材61が雌ハウジング1の周面部13の外周に装着され、続いて第2シール部材62が各収容筒部6の前面に装着される。この状態で雌雄のハウジング1、2を嵌合してロックすると、第1シール部材61が、リップ32を潰しつつ周面部13と嵌合凹部21の薄肉部22の間で挟み付けられることで、両ハウジング1、2間がシールされるとともに、第2シール部材62のリップ37が、嵌合凹部21の奥面から突出した進入部39、および嵌合凹部21の厚肉部24の内周面に押し付けられることで、各端子収容室7の間がシールされる。 【0037】 この第3実施形態によれば、第2シール部材62を軟質ゴムで形成したことによって、第1実施形態に比べてさらに抵抗が小さく抑えられ、両ハウジング1、2の嵌合操作をよりスムーズに行うことができる。また、軟質ゴムを使用したことで潰し量が大きく取れるので、シール性にも優れたものとなる。」 カ.記載事項オ並びに【図9】ないし【図10】の図示内容から、以下のことが認定できる。 ・防水コネクタは、雄ハウジング2を有する雄コネクタと雌ハウジング1を有する雌コネクタとを備え、嵌合軸に沿って嵌合かつ取り外されるよう構成されている。 ・嵌合凹部21の厚肉部24及び薄肉部22は円筒状であり、収容筒部6を受け入れるよう構成されている。 ・第2シール部材62は収容筒部6を囲み、嵌合凹部21の厚肉部24および収容筒部6の間の封止を提供し、第1シール部材61は、雌ハウジング1の収容筒部6の付け根側の周面部13を囲み、雄ハウジング2の嵌合凹部21の薄肉部22および雌ハウジング1の前記周面部13の間の封止を提供している。 これら記載事項、図示内容及び認定事項を総合し、本願補正発明の記載ぶりに倣って整理すると、刊行物には、次の発明(以下、「刊行物発明」という。)が記載されている。 「雄ハウジング2および複数の雄型端子金具27を有する雄コネクタと、雌ハウジング1および複数の雌型端子金具9を有する雌コネクタと、を備える防水コネクタであって、 前記雄および雌コネクタは、前記雄型および雌型端子金具を共に接続するために、嵌合軸に沿って嵌合かつ取り外されるよう構成され、 前記雄コネクタは、各前記雄型端子金具27を収容する嵌合凹部21の厚肉部24を備え、および前記雌コネクタは、各前記雌型端子金具9を収容する収容筒部6を備え、各嵌合凹部21の前記厚肉部24は、前記雄および雌コネクタが嵌合する場合に、各前記収容筒部6を受け入れるよう構成され、 前記雄ハウジング2は、円筒状の嵌合凹部21の前記厚肉部24、および嵌合凹部21の薄肉部22を備え、 前記雌ハウジング1は、収容筒部6の付け根側の周面部13を備え、該周面部13から前記収容筒部6が前記嵌合軸に沿って前面に突設され、 前記雌ハウジング1は、第2シール部材62および第1シール部材61を有するシール部材を含み、 前記雄および前記雌コネクタの嵌合位置において、前記第2シール部材62は各前記収容筒部6の先端部分の外側を囲み、各嵌合凹部21の前記厚肉部24および各前記収容筒部6の間の封止を提供し、かつ 前記第1シール部材61は、前記雌ハウジング1の収容筒部6の付け根側の前記周面部13を囲み、前記雄ハウジング2の嵌合凹部21の前記薄肉部22および前記雌ハウジング1の前記周面部13の間の封止を提供する、防水コネクタ。」 3.対比 本願補正発明と刊行物発明とを対比すると、その意味、機能または構造からみて、 後者の「雄ハウジング2」は、前者の「第1ケーシング(16)」に相当する。以下同様に、「複数の雄型端子金具27」は「少なくとも1つの第1端子」に、「雄コネクタ」は「第1コネクタ(10)」に、「雌ハウジング1」は「第2ケーシング(26)」に、「複数の雌型端子金具9」は「少なくとも1つの第2端子」に、「雌コネクタ」は「第2コネクタ(12)」に、「防水コネクタ」は「コネクタ組立体」に、「嵌合軸」は「嵌合軸(X-X)」に、「雄型端子金具27を収容する」「嵌合凹部21の厚肉部24」は「第1端子を囲む」「ソケット(14)」に、「雌型端子金具9を収容する」「収容筒部6」は「第2端子を囲む」「スリーブ(24)」に、「収容筒部6の付け根側の周面部13」は「後部ハウジング」に、「該周面部13から前記収容筒部6が前記嵌合軸に沿って前面に突設され、」は「該後部ハウジングから前記スリーブ(24)が前記嵌合軸(X-X)に沿って前方に突出し」に、「第2シール部材62」は「前方部分(30)」に、「第1シール部材61」は「後方部分(32)」に、「シール部材」は「封止システム(28,30,32)」に、それぞれ、相当する。 また、前者の「ソケット(14)を囲むハウジング(18)」は、本願明細書の段落【0030】の「図7に良く示されるように、内側ハウジング18の内面18Aは、対応する第1および第2円筒状ソケット14Aおよび14Bの内面15Aおよび15Bと部分的に一致する(すなわち一続き)よう延在する。同様に、第2ケーシング26の後部ハウジング25は、また第1円筒状スリーブ24Aおよび第2円筒状スリーブ24Bに部分的に一致するよう延在する。」との記載、及び図7の図示内容からみて、ソケット(14)の内面が厚肉部で形成され、ハウジング18の内面が薄肉部で形成され、ソケット(14)とハウジング18とが一体構造をとるものも含まれると認められるので、後者の「嵌合凹部21の薄肉部22」は前者の「ソケット(14)を囲むハウジング(18)」に相当する。 そうすると、両者は、本願補正発明の用語を用いて表現すると、次の点で一致する。 [一致点] 「第1ケーシングおよび少なくとも1つの第1端子を有する第1コネクタと、第2ケーシングおよび少なくとも1つの第2端子を有する第2コネクタと、を備えるコネクタ組立体であって、 前記第1および第2コネクタは、前記第1および第2端子を共に接続するために、嵌合軸に沿って嵌合かつ取り外されるよう構成され、 前記第1コネクタは、各前記第1端子を囲むソケットを備え、および前記第2コネクタは、各前記第2端子を囲むスリーブを備え、各前記ソケットは、前記第1および第2コネクタが嵌合する場合に、各前記スリーブを受け入れるよう構成され、 前記第1ケーシングは、円筒状の前記ソケット、および前記ソケットを囲むハウジングを備え、 前記第2ケーシングは、後部ハウジングを備え、該後部ハウジングから前記スリーブが前記嵌合軸に沿って前方に突出し、 前記第2ケーシングは、前方部分および後方部分を有する封止システムを含み、 前記第1および前記第2コネクタの嵌合位置において、前記前方部分は各前記円筒状スリーブを囲み、各前記ソケットおよび各前記スリーブの間の封止を提供し、かつ 前記後方部分は、前記第2ケーシングの前記後部ハウジングを囲み、前記第1ケーシングの前記ハウジングおよび前記第2ケーシングの前記後部ハウジングの間の封止を提供する、コネクタ組立体。」 そして、両者は次の点で相違する。 [相違点] 本願補正発明の「前方部分(30)」は、円筒状スリーブ(24)の前面を覆わないように周りを囲むのに対して、 刊行物発明の「第2シール部材62」は、収容筒部6の先端部分の外側を囲む点。 4.判断 (1)[相違点]について検討する。 雌側コネクタに配置されるシール部材が、端子を収容する筒部の前面を覆わないように周りを囲む配置をとることは、特開平9-147966号公報の【図1】の個室シール部31、特開2001-6798号公報の【図6】の防水リング51で示されるように、従来周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。 刊行物発明と上記周知技術とは、雄型雌型コネクタの技術分野に属する点で共通し、かつシール部材により接続部間の防水を図るという機能の面でも共通する。また、刊行物発明は、刊行物の記載事項イ.に記載されているように、両ハウジングを嵌合する際の摩擦抵抗を低減させ、嵌合操作力の減少し得る防水コネクタを提供することを課題としているから、コネクタの使用環境や用途等に応じて、嵌合する際の摩擦抵抗の低減を優先させる場合には、刊行物発明に上記周知技術を適用し、刊行物発明の第2シール部材62を収容筒部6の前面を覆わないように周りを囲む構成とすることは当業者であれば適宜になし得ることである。 よって、刊行物発明において、上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (2)格別な効果について 本願補正発明による効果も、刊行物発明及び上記周知技術から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。 したがって、本願補正発明は、刊行物発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 5.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし10に係る発明は、平成25年12月3日に補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記「第2.1.」に記載したとおりである。 2.刊行物の記載事項 刊行物の記載事項は、前記「第2.2.」に記載したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は、本願補正発明から、前記「第2.1.」に記載した「前方部分(30)」に関して、円筒状スリーブ(24)「の前面を覆わないように周り」を囲みとの限定事項を省くものである。そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、前記「第2.1.」の限定事項により減縮したものに相当する本願補正発明が、前記「第2.3.及び4.」に記載したとおり、刊行物発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、刊行物発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、刊行物発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-04-02 |
結審通知日 | 2015-04-07 |
審決日 | 2015-04-20 |
出願番号 | 特願2012-545460(P2012-545460) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H01R)
P 1 8・ 121- Z (H01R) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 楠永 吉孝、芝井 隆 |
特許庁審判長 |
小柳 健悟 |
特許庁審判官 |
中川 隆司 島田 信一 |
発明の名称 | 電気コネクタ組立体 |
代理人 | 棚井 澄雄 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 森 隆一郎 |