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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) H01R |
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管理番号 | 1305028 |
判定請求番号 | 判定2015-600015 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2015-04-28 |
確定日 | 2015-09-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第5025709号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号図面に示す軟式電気導通体(薄型導電クッション)は、特許第5025709号発明の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
第1 請求の趣旨 本件判定請求の趣旨は、イ号図面に示す軟式電気導通体(薄型導電クッション、以下「イ号物件」という。)が特許第5025709号発明の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。 第2 本件特許発明 本件判定請求に係る特許発明は、特許第5025709号の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)であり、特許第5025709号公報(甲第1号証、以下「本件特許明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものと認め、その構成要件に符号を付し分説して記載すると次のとおりである。 「(A)それぞれに導体が接触する、並行な二面が形成された弾力性を有する直方体状のクッション材を備え、 (B)前記二面が互いに近付くように圧縮されることにより、前記二面に接触する導体を電気的に導通させる軟式電気導通体において、 (C)前記二面それぞれに貼り付けられた両面粘着テープと、 (D)前記二面のうちの一方の面の全面及び前記二面をつなぐ側面の一方の側面双方を覆うと共に、前記二面のうちの前記一方の面とは異なる他方の面における前記一方の側面とは異なる他方の側面側は覆わずに前記両面粘着テープが露出するように、該他方の面における前記一方の側面側のみを、前記一方の側面から連続して覆うように貼り付けられた導電フィルムと (E)を備えたことを特徴とする軟式電気導通体。」 ここで、構成要件(C)の「前記二面それぞれに貼り付けられた両面粘着テープ」について、本件特許明細書の「導体16に対して粘着層(両面粘着テープ14a、14b)が部分的にしか接触していないので(両側面12c、12dには粘着層がない)」(段落【0023】)との記載及び「両面粘着テープ14a、14bは別体なのでその種類を変えることができる」(同段落)との記載からみて、構成要件(C)は、「前記二面それぞれにのみ貼り付けられた両面粘着テープ」と解される。 第3 イ号物件 1 判定請求書には、「イ号物品の説明」(4頁18行?5頁20行)として、以下の事項が記載されている。なお、下線は省いた。 「イ号物品の説明 イ号物品『軟式電気導通体(導電性クッション)』は、添付のイ号図面に示した通りの構成を有する。イ号図面は、上述の『判定請求の必要性』において触れた甲第4号証及び甲第8号証の末尾に被請求人の製品を特定するものとして添付されている図面を当該イ号図面として用いている。イ号図面において上下方向中央にあるのは側面図、上部にあるのは平面図、下部にあるのは底面図であり、中央の側面図の丸で囲んだ部分が拡大図として右側に示してある。このイ号物品の構成を上述の本件特許発明の構成に倣って記載すれば以下の通りである(以下において『』で示した用語はイ号図面での用語である)。 『(A)それぞれに導体が接触する、並行な二面(側面図で見て上下面)が形成された弾力性を有する直方体状のクッション材(『ポリウレタン発泡体』)を備え、 (B)前記二面が互いに近付くように圧縮されることにより、前記二面に接触する導体を電気的に導通させる軟式電気導通体(『導電性クッション』)において、 (C)前記二面それぞれに貼り付けられた両面粘着テープの代わりに粘着剤層を備えた『導電性布テープ』の粘着剤層を前記二面にそれぞれ貼り付けるようにし、 (D1)この『導電性布テープ』で、前記二面のうちの一方の面(上記側面図で見て上面)の全面及び前記二面をつなぐ側面のー方の側面(上記側面図における右側面)双方を覆うと共に、 (D2)前記二面のうちの前記一方の面(上面)とは異なる他方の面(上記側面図で見て下面)における前記一方の側面(右側面)とは異なる他方の側面(左側面)側は覆わずに該他方の面(下面)における前記一方の側面(右側面)側のみを、前記一方の側面(右側面)から連続して覆うようにし、前記他方の面(下面)の『導電性布テープ』で覆われない部分には両面粘着テープ(『両面テープ』)が貼られている (E)ことを特徴とする軟式電気導通体(『導電性布テープ』)。』」 2 イ号図面には、以下の事項が記載又は図示されている。 (1)名称の欄には、「薄型導電クッション」と記載されている。 (2)構成として次の表が記載されている。 (3)側面図及び拡大図には、発泡体の上面及び下面が平行であることが示されている。 (4)平面図、側面図及び底面図からみて、発泡体が直方体状であることが示されている。 (5)平面図には、導電性布テープが薄型導電クッションの上面の全面を覆うことが示されている。 (6)導電性布テープが、ポリエステル、銅とニッケル及びアクリル系粘着剤から構成されることが記載されるとともに、拡大図には、導電性布テープが発泡体の上面、右側面及び下面を覆うように貼り付けられていることが示されている。また、発泡体の下面には、導電性布テープの端から連続して両面テープが貼り付けられることが示されている。 (7)側面図には、薄型導電クッションの右側面の上下端が丸みを持つのに対し、左側面の上下端がそのような丸みを持たないことが示されており、拡大図と合わせてみると、導電性布テープが発泡体の左側面を覆わないことが示されている。 (8)底面図には、薄型導電クッションの下面の略右半分が導電性布テープで覆われ、略左半分は両面テープにより覆われることが示されている。 (9)上記(5)ないし(8)からみて、導電性布テープは、発泡体の上面の全面、右側面及び下面の略右半分を覆うように貼り付けられているといえる。 (10)薄型導電クッションの上面全体が導電性布テープで覆われ、下面の略右半分が導電性布テープで覆われること、及び発泡体がポリウレタンであることを踏まえると、薄型導電クッションは、導体が接触する上下面が互いに近付くように圧縮されることにより、前記上下面に接触する導体を電気的に導通させることが明らかである。 3 上記1及び2の事項からみて、イ号物件の構成は、本件特許発明に則して記載すると次のとおりのものと認める。 「それぞれに導体が接触する、平行な上下面が形成された直方体状のポリウレタンを素材とする発泡体を備え、 前記上下面が互いに近付くように圧縮されることにより、前記上下面に接触する導体を電気的に導通させる薄型導電クッションにおいて、 一面がアクリル系粘着剤からなる導電性布テープであって、 前記上下面のうちの上面の全面及び前記上下面をつなぐ右側面双方を覆うと共に、前記上下面のうちの前記上面とは異なる下面における前記右側面とは異なる左側面側は覆わずに該下面における略右半分のみを、前記右側面から連続して覆うように貼り付けられた導電性布テープと、 前記下面における略左半分に貼り付けられた両面テープと、 を備えた薄型導電クッション。」 第4 対比・判断 イ号物件が本件特許発明に係る前記分説した各構成要件(A)ないし(E)を充足するか否かについて、以下に対比・判断する。 1 構成要件(A)の充足性について 本件特許発明とイ号物件とを対比すると、後者の「平行な上下面」は前者の「並行な二面」であり、後者の「直方体状のポリウレタンを素材とする発泡体」は、薄型導電クッションを構成するから、弾力性があることが明らかであるので、前者の「弾力性を有する直方体状のクッション材」ということができる。 したがって、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(A)を充足する。 2 構成要件(B)及び(E)の充足性について 本件特許発明とイ号物件とを対比すると、後者の「薄型導電クッション」は、上下面が互いに近付くように圧縮されることにより、上下面に接触する導体を電気的に導通させるから、前者の「軟式電気導通体」ということができる。 したがって、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(B)及び(E)を充足する。 3 構成要件(C)の充足性について 本件特許発明とイ号物件とを対比すると、前者は、両面粘着テープが、上下面の二面それぞれにのみ貼り付けられているのに対し、後者は、両面テープが下面の略左半分に貼られているが、上面と下面の略右半分には貼られておらず、その上面と下面の略右半分には、アクリル系粘着剤で導電性布テープが貼り付けられており、相違する。 したがって、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(C)を充足しない。 なお、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(C)を充足しないことは、請求人も判定請求書(6頁の「本件特許発明とイ号物品との技術的対比」の表及び7頁下から8行?8頁1行)において認めている。 4 構成要件(D)の充足性について 本件特許発明とイ号物件とを対比すると、後者の「上下面のうちの上面」は前者の「二面のうちの一方の面」であり、後者の「上下面をつなぐ右側面」は前者の「二面をつなぐ側面の一方の側面」であり、後者の「下面」は前者の「他方の面」であり、後者の「左側面」は前者の「他方の側面」であり、後者の「下面における略左半分」は前者の「他方の面における前記一方の側面とは異なる他方の側面側」であり、後者の「下面における略右半分」は前者の「他方の面における前記一方の側面側」である。 また、後者の「導電性布テープ」が「下面における前記右側面とは異なる左側面側は覆わずに」両面テープが「下面における略左半分に貼り付けられ」ることは、前者の「他方の面における前記一方の側面とは異なる他方の側面側は」「前記両面粘着テープが露出する」ことである。 一方、後者は、「導電性布テープ」が「前記上下面のうちの上面の全面及び前記上下面をつなぐ右側面双方を覆う」「ように貼り付けられ」るのに対し、前者は、「導電フィルム」が「二面のうちの一方の面の全面及び二面をつなぐ側面の一方の側面双方を覆う」「ように貼り付けられ」るから、両者は、二面のうちの一方の面の全面及び二面をつなぐ側面の一方の側面双方を覆うように貼り付けられる点で一致するが、後者は「導電性布テープ」が覆うように貼り付けられるのに対し、前者は「導電フィルム」が覆うように貼り付けられるものである。 また、後者の「下面における略右半分のみを、前記右側面から連続して覆うように貼り付けられた導電性布テープ」と前者の「他方の面における前記一方の側面側のみを、前記一方の側面から連続して覆うように貼り付けられた導電フィルム」とは、両者が、他方の面における一方の側面側のみを、一方の側面から連続して覆うように貼り付けられる点で一致するが、後者は「導電性布テープ」が覆うように貼り付けられるのに対し、前者は「導電フィルム」が覆うように貼り付けられるものである。 そこで、後者の「導電性布テープ」と前者の「導電フィルム」について検討する。 後者の「導電性布テープ」は「銅とニッケル」を素材とすることを踏まえると、導電性布テープの一面が「銅とニッケル」からなるものであるのに対し、前者の「導電フィルム」は、本件特許明細書の「導電フィルム(導電性の薄膜)16」(段落【0020】)との記載からみて、全体が導電性の薄膜からなるものである。 そうすると、後者の「導電性布テープ」の「銅とニッケル」は前者の「導電フィルム」に相当するから、その限りにおいて、後者の「導電性布テープ」が覆うように貼り付けられることと前者の「導電フィルム」が覆うように貼り付けられることに差異はない。 しかしながら、後者の「導電性布テープ」が「上下面をつなぐ右側面」を覆うように貼り付けられることは、「導電性布テープ」が「一面がアクリル系粘着剤からなる」ものであるから、発泡体の右側面を覆うように貼り付けられると、「導電性布テープ」は発泡体の右側面に接着しているのに対し、前者の「導電フィルム」が「二面をつなぐ側面の一方の側面」を覆うように貼り付けられることは、前記「第2」で述べたように、「両面粘着テープ」が二面それぞれにのみ貼り付けられたものと解されるから、前者の「導電フィルム」は、「二面をつなぐ側面の一方の側面」を覆うように貼り付けられたとしても、クッション材の一方の側面に接着していない。 そうすると、後者の「導電性布テープ」が「上下面をつなぐ右側面」を覆うように貼り付けられることは、前者の「導電フィルム」が「二面をつなぐ側面の一方の側面」を覆うように貼り付けられることと、導電フィルムが一方の側面に接着している点で相違する。 したがって、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(D)を充足しない。 5 均等の主張について (1)請求人は、「相違点は最判平成10年2月24日判決『無限摺動用のボールスプライン軸受事件』で示された均等論の要件を満たすものであり、従ってイ号物品は本件特許発明の技術的範囲に属するとするのが妥当である」旨主張する(判定請求書8頁2?5行)。 そこで、本件特許発明の構成要件とイ号物件の構成のうち、上記相違点(構成要件(C)及び(D))に係る構成が均等であるか否かについて検討する。 最高裁平成6年(オ)第1083号判決(平成10年2月24日判決言渡)で示された均等成立の要件は、以下のとおりである。 特許請求の範囲に記載された構成中に、対象製品と異なる部分が存する場合であっても、以下の各要件をすべて満たす対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解する。 要件1 相違部分が特許発明の本質的な部分でない。 要件2 特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏する。 要件3 対象製品等の製造時に、上記異なる部分を置換することを、当事 者が容易に想到できる。 要件4 対象製品等が、出願時における公知技術と同一又は同業者が容易 に推考することができたものではない。 要件5 対象製品等が特許発明の出願手続において、特許請求の範囲から 意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情がない。 (2)まず、上記判決で示された均等成立の要件のうち、「要件5」を満たすか否かについて検討する。 本件特許発明の出願手続中に提出された意見書(甲第5号証)には、「(b)本願請求項1に係る発明と引用文献1(当審注:甲第9号証)に記載の発明との対比」(2頁10行)の項に「製作工程上におきましても、引用文献1に記載の発明では、導電材に対し内側接着層がある(請求項2、請求項4)か、内側接着層がない(請求項3)かであり、本願請求項1に係る発明のように2面に両面粘着テープを設けたものとは全く相違します。」(2頁最下行?3頁2行)と記載されており、この記載によれば、請求人は、「両面粘着テープ」を設けることが引用文献1の「内側接着層」と相違することを主張している。 ここで、引用文献1の「内側接着層」は、「導電材」の内側に設けられた上で、「導電材」を「芯材」に貼り付けるものであることが明らかであるから、請求人は、意見書において、そのような「導電材」の内側に設けられた「内側接着層」による貼り付けは、本件特許発明の「両面粘着テープ」による貼り付けから、意識的に除外して主張していたものと理解できる。 そして、意見書における請求人による他の主張をみても、「本願請求項1に係る発明によれば、前記他方の面において、前記他方の側面側は両面粘着テープが露出し、前記一方の側面側は導電フィルムに覆われており、この構造により、前記他方の面においては、露出した両面粘着テープによって導通を確保したい部材(例えば導体18、以下「導通対象」といいます)への十分な固定、位置決めを行いつつ、導電フィルムによって導通対象との導通を確保することができるという、本願発明特有の格段の効果を奏する」(2頁4?9行)こと、「本願請求項1に係る発明では、前記他方の面において、前記他方の側面側は両面粘着テープが浮かずに露出しており、導通対象に載置したときには、この露出した両面粘着テープが必ず導通対象に接して固定が行われ」(2頁22?24行)ること、「本願請求項1に係る発明では、両面粘着テープは、片側だけが導電フィルムに覆われており、浮いた箇所は1か所で済む構造です。このため、両面粘着テープによって導通対象への十分な固定を行うことができ」(2頁33?35行)ること、及び「本願請求項1に係る発明では、前記他方の側面には導電フィルムを設けておらずすなわち片端開放となっており、これにより圧縮容易性を提供する(圧縮性)とともに、さらに、両方の側面に両面粘着テープを設けないことにより、圧縮に対する復元性を十分に備えて導電フィルムを上下の導通対象に密接させ(追従性)安定導通を可能とするという優れた効果を奏する」(2頁42?46行)ことを主張し、専ら、「両面粘着テープ」を用い、側面において導電フィルムは接着されていないことにより、本件特許発明の効果を奏することができる旨主張しており、請求人が意識的に「導電材」の内側に設けられた「内側接着層」による貼り付けを除外していたとする上記理解と矛盾しない。 請求人は、判定請求書(11頁18行?12頁13行)において、引用文献1の「固定用接着層40」には、「両面テープ」が含まれること、拒絶理由通知(甲第3号証)において、引用文献1に「両面粘着テープ」による接着の開示があることを明瞭に指摘されていることをあげ、意見書での両面粘着テープに関する記述は錯誤によるものである旨主張する。 しかしながら、引用文献1の「固定用接着層40」は、軟式電気導通体30を導体4に接着するためのものであり、引用文献1では、「導電材34」を「芯材32」に貼り付けるための「内側接着層36」とは区別された接着層として記載されており、また、上記拒絶理由通知の指摘は原審審査官のものであって、請求人のものではないから、意見書における両面粘着テープに関する記述は錯誤によるものであるとの上記主張は、採用できない。 上記のとおり、請求人は、「導電材」を「芯材」に貼り付けるに際し、「導電材」の内側に設けられた「内側接着層」による貼り付けを、意識的に除外していたものといえる。 したがって、本件特許発明の構成要件とイ号物件の構成は、均等成立の要件に係る「要件5」を満たさない。 (3)あわせて、上記判決で示された均等成立の要件のうち、「要件1」を満たすか否かについても検討する。 本件特許発明の「両面粘着テープ」は、クッション材の並行な二面それぞれにのみ貼り付けられるから(構成要件(C))、一方の面の全面、一方の側面及び他方の面における一方の側面側のみを一方の側面から連続して覆う「導電フィルム」(構成要件(D))を、一方の面の全面及び他方の面における一方の側面側のみに貼り付けるものである。これに関して、本件特許明細書には「導体16に対して粘着層(両面粘着テープ14a、14b)が部分的にしか接触していないので(両側面12c,12dには粘着層がない)」(段落【0023】)との記載がある。 この記載によれば、本件特許発明の「両面粘着テープ」は、「導電フィルム」を特定の位置(面)に貼り付ける機能を備えるとともに側面においては接着しないものといえる。 したがって、本件特許発明の「両面粘着テープ」は、イ号物件の「一面がアクリル系粘着剤からなる導電性布テープ」と異なり、上記機能を備えるから、本件特許発明の本質的な部分である。 したがって、本件特許発明の構成要件とイ号物件の構成は、均等成立の要件に係る「要件1」を満たさない。 (4)よって、本件特許発明の構成要件とイ号物件の構成は、均等成立の要件のうち、「要件1」及び「要件5」は満たさないから、他の要件について判断するまでもなく、均等なものとはいえない。 6 まとめ 以上のとおり、イ号物件は、本件特許発明の構成要件(C)及び(D)を充足しておらず、また、均等なものともいえないから、本件特許発明の技術的範囲に属するものとはいえない。 第5 むすび したがって、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属しない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2015-08-27 |
出願番号 | 特願2009-249723(P2009-249723) |
審決分類 |
P
1
2・
1-
ZB
(H01R)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 由希子 |
特許庁審判長 |
森川 元嗣 |
特許庁審判官 |
冨岡 和人 大内 俊彦 |
登録日 | 2012-06-29 |
登録番号 | 特許第5025709号(P5025709) |
発明の名称 | 軟式電気導通体 |
代理人 | 大西 正夫 |
代理人 | 海老 裕介 |
代理人 | 伊藤 茂 |