• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F02K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F02K
管理番号 1305954
審判番号 不服2014-13487  
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-07-11 
確定日 2015-09-24 
事件の表示 特願2012-241532「ガスタービンエンジン、ファンブレード及びその設計方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月20日出願公開、特開2013- 96416〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年11月1日(パリ条約による優先権主張2011年11月3日、アメリカ合衆国)の出願であって、平成25年8月29日付けで拒絶理由が通知され、平成25年11月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成26年3月5日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成26年7月11日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出されたものである。

第2 平成26年7月11日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成26年7月11日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
平成26年7月11日に提出された手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1については、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、平成25年11月28日に提出された手続補正書により補正された)請求項1を、下記(2)に示す請求項1へと補正するものである。

(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
前縁と後縁との間に延びるとともに、内部に複数のチャネルが形成され、該複数のチャネル間に延びる複数のリブを備えた主胴体部と、
前記複数のチャネルのうち少なくともいくつかのチャネル内に充填された充填材と、
前記複数のチャネルの開口端部を覆うように前記複数のチャネル及び前記複数のリブ上に配置されたカバースキンと、
を備えたファンブレードであって、
ファンブレードは、ダブテールと、ダブテールから半径方向外側に延びるエアフォイルと、を備え、
前記複数のチャネルの全体に亘る充填材は、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有することを特徴とするファンブレード。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
前縁と後縁との間に延びるとともに、内部に複数のチャネルが形成され、該複数のチャネル間に延びる複数のリブを備えた主胴体部と、
前記複数のチャネルのうち少なくともいくつかのチャネル内に充填された充填材と、
前記複数のチャネルの開口端部を覆うように前記複数のチャネル及び前記複数のリブ上に配置されたカバースキンと、
を備えたファンブレードであって、
ファンブレードは、ダブテールと、ダブテールから半径方向外側に延びるエアフォイルと、を備え、
前記複数のチャネルの全体に亘る充填材は、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有し、
エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定し、該ノードにおけるエアフォイルを支持するように選択した位置における少なくとも1つのチャネルに第2の材料が含まれることを特徴とするファンブレード。」
(下線は、本件補正箇所を示すために、請求人が付したものである。)

2 本件補正の目的要件について
本件補正は、本件補正前の請求項1における「チャネル内に充填」される「充填材」の材料の1つである「第2の材料」という発明特定事項に関して、本件補正後に「エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定し、該ノードにおけるエアフォイルを支持するように選択した位置における少なくとも1つのチャネルに第2の材料が含まれる」として、「第2の材料」が含まれる「チャネル」の配置箇所を具体化して限定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、請求項1における補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

3 独立特許要件について
(1)引用文献
(1-1)引用文献1
特開2007-85339号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガスタービンに関し、より詳細には、ガスタービン用のロータアセンブリ及びガスタービン用ハイブリッドブリスクに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、その他の変形形態の中でもとりわけ、ガスタービン発電機器、およびガスタービン航空エンジンを含む。ガスタービンは、高圧圧縮機と、燃料と圧縮空気の混合気をその中で燃焼させて推進ガス流を発生させる燃焼器と、推進ガス流によって回転され、高圧圧縮機を駆動するために軸がそれに結合される高圧タービンとを有する、コアエンジンを備える。典型的なガスタービン航空エンジンは、ファンロータを駆動するために別の軸がそれに結合される、低圧タービンをさらに備える。ファンロータは、このタイプのエンジンの最も重い構成要素のうちの1つである。
【0003】
ファンロータは、大抵1列のダブテイルスロット内に設置される、複数のエーロフォイル形状のブレードを有する。従来のガスタービンブレード設計は通常、完全に、金属製または炭素-エポキシ複合材などの複合材料製である。高価なワイドコード中空ブレードを含めた全金属製ブレードは、比較的重量が大きく、それによって燃料効率が低下し、かつより強固なブレード取付けが必要とされ、一方、比較的軽い全複合材ブレードは、鳥衝突による損傷をより受けやすい。知られているハイブリッドブレードとして、侵食および鳥の衝突の理由からその先端が金属によって保護された複合材ブレード、および非金属挿入物を備える金属ブレードなどが挙げられる。こうしたハイブリッドブレードによって、ファンロータの重量が低減されるが、それらは依然、ロータへの個別の機械的な取付けを必要とする。」(段落【0001】ないし【0003】)

イ 「【0008】
様々な図で、同一の参照番号が同一の要素を示す図面を参照すると、図1は、環状流路面14を有する金属ハブ12、およびそれに取り付けられた複数のエーロフォイル形ブレード16を備える、本発明に従って構築された例示的なファンブリスク10を示す。本明細書において用いられる、「ブリスク」という用語は、それと一体のブレードを有するハブを備える、何らかのガスタービンエンジン構成要素を指す。そのような構成要素は、「ブレード付きディスク」、または「一体ブレード付きロータ」と呼ばれることがある。本発明は、航空ガスタービンエンジンで低圧ファンとして使用されるブリスクとして特に有用であるが、いかなる種類のブリスク構造にも応用可能である。本明細書において、「一体の」という用語は、その構成要素が元々別個であっても単一工作物であっても、それらの間に機械的な不連続部なしで単一部材を効果的に形成する、2つの構成要素を指す。
【0009】
図2および図3は、例示的なブレード16をさらに詳細に示す。ブレード16は、エーロフォイル部分20およびシャンク部分22を画成する、金属本体18を備える。エーロフォイル部分20は、対向する圧力面24および負圧面26、前縁28、後縁30、ならびに先端32を有する。
【0010】
本体18は、所望の形状に形成することができ、必要運転負荷に耐え、ハブ材料と適合する、金属合金で構築される。適当な合金の例は、これらに限定されないが、チタン、アルミニウム、コバルト、ニッケル、または鋼をベースとする、合金を含む。図示の例では、本体18は、Ti-6Al-4V合金である。本体18およびハブ12は(図1参照)、知られたやり方で、単一ブランク材料からそのそれぞれの輪郭を機械加工することによって形成される。少なくとも1つのポケット34が、本体18内に形成される。ポケット34の数および位置は、特定の用途に合わせて変えることができる。図示の例では、本体18は、エーロフォイル部分20の圧力面24内に形成された、単一の大きいポケット34を備える。ポケット34の寸法および形状は、ねじり剛性および周波数応答など、ブレード特性に影響を与えるように、知られたやり方で選択することができる。
【0011】
挿入物36が、ポケット34内に配置され、それに結合される。挿入物36は、ブレード16の圧力面24の一部を形成する、外面38を有する。挿入物36は、運転中の予想される空気負荷および温度に耐え、所望のプロファイルに形成することができる、いかなる材料製とすることもできる。挿入物36は、ブレード16の全体的な構造一体性に寄与してもしなくてもよい。
【0012】
挿入材料は、全体が同一材料製のエーロフォイルに比べてブレード16の全質量が低減されるように、金属本体18より小さい密度を有する。適当な材料の例は、「炭素-エポキシ」系と呼ばれる、エポキシ樹脂バインダに埋め込まれた炭素繊維フィラメントなどの複合材、繊維-ビスマレイミド、繊維-ポリイミド、およびその他の繊維-エポキシ熱硬化性または熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組合せを含む。その他の適当な材料は、エラストマー、硬質フォーム(たとえばポリマー、セラミック、シリコーン、または金属、あるいは材料全体に分散した発泡構造を有するそれらの混合物)、構造用フォーム(すなわち、発泡コアおよび一体の表皮)、ならびにシンタクチックフォーム(すなわち、硬質の微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、それを硬化させることによって製作される発泡ポリマー)を含む。挿入物36は、形成し、次いで接着剤または締結具によってポケット34内に固定することができ、あるいは、形成し、ポケット34内の定位置に直接結合されるように、そこで硬化させることができる。
【0013】
図4および図5は、一代替ブレード116を示す。ブレード116は、外形が上記ブレード16とほぼ同様であり、シャンク部分122およびエーロフォイル部分120を画成する金属本体118を備える。エーロフォイル部分120は、対向する圧力面124および負圧面126、前縁128、後縁130、ならびに先端132を有する。
【0014】
・・・リブ140Aおよび140Bの寸法、断面積、およびパターンは、ねじり剛性および周波数反応などブレード特性に影響を与えるように、知られたやり方で選択することができる。
【0015】
・・・図5に示すように、リブ140は、挿入物136を完全に分割するように、エーロフォイル部分120の外面まで完全に延びる。あるいは、周囲方向で測定したリブ140の厚さは、連続的な単一挿入物136を使用してエーロフォイル部分120の同じ面上の全てのポケット134を充填することができるように、ポケット134の深さより小さくすることができる。」(段落【0008】ないし【0015】)

ウ 「【0016】
図6および図7は、別の代替ブレード216を示す。ブレード216は、上記ブレード16と外形がほぼ同様であり、シャンク部分222およびエーロフォイル部分220を備える。エーロフォイル部分222は、対向する圧力面224および負圧面226、前縁228、後縁230、ならびに先端232を備える。
【0017】
エーロフォイル部分222は、金属本体218を備える。金属本体218に適した金属合金の例は、これらに限定されないが、チタン、アルミニウム、コバルト、ニッケル、または鋼をベースとする、合金を含む。図示の例で、本体218は、Ti-6Al-4V合金製である。本体218は、第1の質量密度を有し、シャンク部分からブレード先端232へと径方向に延びる。
【0018】
エーロフォイル部分222は、本体218より小さい第2の質量密度を有し本体218に結合された、少なくとも1つの挿入物236を備える。本体218はまた、挿入物236の間に配置されそれに結合された、リブ240を備える。本体218および挿入物236は、合わさってエーロフォイル形状を画成する。
【0019】
上記のように、挿入物236は、予想される運転中の空気負荷に対処し、所望のプロファイルに形成することができる、いかなる材料製とすることもできる。適当な材料の例は上述した。挿入物236は、形成し、次いで接着剤または締結具を用いて本体218に固定することができ、あるいは、所定の位置で形成し、硬化させることができる。
【0020】
挿入物236を被覆しそれに結合される表皮242を、エーロフォイル部分222に任意で形成することができる。そのような表皮242は、複合材または金属構造のものとすることができる。表皮242は、個別の複合材層の積層、または編組み構造のものとすることができる。図示の例において、表皮242は、エポキシ樹脂マトリックスバインダに埋め込まれた、炭素、ガラス、またはアラミドフィラメントからなる。好ましくは、いかなる表皮複合材の結合も、個々の接着フィルム材料の使用、あるいはレジントランスファー成形またはレジンインジェクションによって達成することができる。結合のその他の例は、限定ではなく、複合樹脂自体と基板の間の接着を含む。通常、表皮242は薄い層であり、本体218を(図7に示すように)同様に被覆してもしなくてもよい。存在する場合、表皮242の目的は、いかなる衝突による力も拡散させるために、挿入物に硬質の表面を与えることである。
【0021】
エーロフォイル部分222は任意で、表皮242を全体的に被覆しそれに結合される、侵食被膜244を備えることができる。例示的な構造では、侵食被膜244は、一般に前縁228にのみ配置された、金属領域244’を含む。侵食被膜244はまた、金属領域244’から一般に後縁230まで配置された、非金属領域244’’を含む。非金属領域244’’用の材料の一例は、ポリウレタンであり、金属領域244’用の材料の一例は、チタンである。」(段落【0016】ないし【0021】)

(1-2)引用文献1の記載事項
上記(1-1)及び図面の記載から次のことが分かる。

ア 上記(1-1)ウにおける「別の代替ブレード216」並びに図6及び図7に示された内容について、上記(1-1)アの段落【0003】における「ファンロータは、大抵1列のダブテイルスロット内に設置される、複数のエーロフォイル形状のブレードを有する。」という記載及び上記(1-1)イにおけるポケット並びに挿入物に関する基本構成をあわせると、次のことが分かる。
(ア) エーロフォイル部分220が、前縁228と後縁230との間に延びるとともに、内部に複数のポケット234が形成され、該複数のポケット234間に延びる複数のリブ240を備えるものであることが分かる。
(イ) 挿入物236は、複数のポケット234内に充填されるものであることが分かる。
(ウ) 表皮242が、複数のポケット234の開口端部を覆うように複数のポケット234及び複数のリブ240上に配置されたものであることが分かる。
(エ) ブレード216が、ダブテイルと、ダブテイルから半径方向外側に延びるエーロフォイル部分220とを備えるものであることが分かる。

イ 「挿入物236」の材料については、上記(1-1)ウの段落【0019】における「挿入物236は、・・・いかなる材料製とすることもできる。適当な材料の例は上述した。」の記載に対応する上述の記載として、上記(1-1)イの段落【0012】に記載された「適当な材料の例は、「炭素-エポキシ」系と呼ばれる、エポキシ樹脂バインダに埋め込まれた炭素繊維フィラメントなどの複合材、繊維-ビスマレイミド、繊維-ポリイミド、およびその他の繊維-エポキシ熱硬化性または熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組合せを含む。その他の適当な材料は、エラストマー、硬質フォーム(たとえばポリマー、セラミック、シリコーン、または金属、あるいは材料全体に分散した発泡構造を有するそれらの混合物)、構造用フォーム(すなわち、発泡コアおよび一体の表皮)、ならびにシンタクチックフォーム(すなわち、硬質の微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、それを硬化させることによって製作される発泡ポリマー)を含む」ものであることが分かる。

(1-3)引用文献1に記載された発明
上記(1-1)及び(1-2)並びに図面の記載を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「前縁228と後縁230との間に延びるとともに、内部に複数のポケット234が形成され、該複数のポケット234間に延びる複数のリブ240を備えたエーロフォイル部分220と、
複数のポケット234内に充填された挿入物236と、
複数のポケット234の開口端部を覆うように複数のポケット234及び複数のリブ240上に配置された表皮242と、
を備えたブレード216であって、
ブレード216は、ダブテイルと、ダブテイルから半径方向外側に延びるエーロフォイル部分220と、を備え、
挿入物236の材料は、炭素-エポキシ系の複合材、繊維-ビスマレイミド、繊維-ポリイミド、およびその他の繊維-エポキシ熱硬化性または熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組合せ、その他の適当な材料として、エラストマー、硬質フォーム(たとえばポリマー、セラミック、シリコーン、または金属、あるいは材料全体に分散した発泡構造を有するそれらの混合物)、構造用フォーム(すなわち、発泡コアおよび一体の表皮)、ならびにシンタクチックフォーム(すなわち、硬質の微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、それを硬化させることによって製作される発泡ポリマー)を含むブレード216。」

(1-4)引用文献2
特開2006-52732号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【0017】
図1を参照すると、製造途中の蒸気タービンブレード10が示してある。ブレード10は、シャンク部分12および翼型部分14を含む。本発明は特に、鋼またはチタンで構成することが好ましい翼型部分14に関するものであるが、その他に、アルミニウムやコバルト、ニッケルなどの材料も適当である。リブ16、18を翼型部分14と一体鋳造して、離間した充填材ポケット(または単にポケット)20、22および24を形成する。ただし、これらのリブは、翼型部分の側縁部26、28と面一に延びているわけではないことを理解されたい。一例では、ポリマー(ウレタン)系の充填材料30は、翼型部分の正圧面側(または負圧面側)に場所打ちされて、ポケット20、22および24を充填し、リブを覆い、これにより、図2に示すようにブレードの正圧面側全体にわたって滑らかなポリマー面32を形成する。個々のポケットを画定するリブまたは表面を翼型部分のその他の外表面と面一にして、ポリマー充填材表面と金属表面とが滑らかにつながるように個々のポケットまたは凹部が個別に充填されるようにすることも、本発明の範囲内である。
【0018】
上述の実施形態では、リブ16、18は翼型部分14の長手方向に沿って反対方向に角度を付けて示したが、翼型部分の正圧面側(または負圧面側)に沿った所望の位置に異なる形状のポケットを生じるその他の配列も、本発明の範囲内である。
【0019】
例えば、図3は、シャンク部分36および翼型部分38を含むブレード34を示す。翼型部分38の正圧面側に、径方向内側のポケット40および径方向外側のポケット42が形成され、比較的幅広のウェブまたはリブ44、およびスパン中央のダンパによって分離されている。
【0020】
ポケット20、22、24、40および42の充填材料30は、様々な硬度のウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ゴム系化合物、あるいは適当な硬化剤、および/または振動数、減衰性、耐侵食性などを調節するためのガラスやセラミックなどのその他の材料とポリマーとの混合物で構成することができる。いくつかの適当な充填剤組成は、例えば米国特許第6287080号および第5931641号に開示されている。充填材料30を翼型部分の金属表面に接合する方法としては、限定はしないが、自己接着、充填材料30と翼型部分の金属表面との接着、接着剤による接合(接着膜または接着糊)、および融着などがある。
【0021】
第1の例示的な実施形態では、ブレード列内のブレード10のポケット20、22および24、またはブレード34のポケット40、42は、固有振動数に基づいて選択された充填材料で充填される。一例では、全てのポケット(1個から4個以上)を、所望の固有振動数が個々のブレードならびにブレード列全体で得られるように意図した同じポリマー充填材料で充填する。別の例では、各ブレードに、例えば剛性の異なる少なくとも2種類の異なる充填材料を組み込み、所望の固有振動数を得る。
【0022】
第2の実施形態では、図1に示す20、22および24と同様の窪んだポケットをその翼型部分の正圧面側に備えたブレード10(または34)を、各グループのブレードのポケットを異なる充填材料で充填した状態で、2グループ以上形成する。例えば、1つのグループのブレードでは、より高い強度の材料、すなわち「より剛性の高い」材料をポケット充填材として使用し、もう一方のグループのブレードでは、より剛性の低い材料を使用することもできる。あるいは、1つのグループのブレードの複数のポケットを、複数のポリマー充填材で充填し、もう一方のグループの複数のポケットを、それぞれ異なる複数のポリマー充填材で充填することもできる。したがって、図3のブレード34を参照して説明すると、例えば、第1のグループのブレードでは、ポケット40をポリマー「a」で充填し、ポケット42をポリマー「b」で充填することができる。また、第2のグループのブレード34では、ポケット40をポリマー「c」で充填し、ポケット42をポリマー「d」で充填することができる。この場合も、これらの材料は、2つのグループのブレードにおいて異なる共振振動数が得られるように選択される。」(段落【0017】ないし【0022】)

イ 「【0025】
本発明の第2の実施形態では、ブレードは、充填材料の減衰特性に基づいて選択されるウレタンまたはシリコンのポリマー充填材料で充填した1つまたは複数のポケットを備えて製造される。
【0026】
これは、2つの方法のうちのいずれかで行うことができる。第1の方法は、各ブレード10のポケット20、22、24(またはブレード34のポケット40、42)の中で、各ブレードの減衰係数、ならびにブレードの列全体の減衰応答を変化させるように選択した1種類または複数種類の充填材を使用するものである。特定の材料特性が必要となる位置によって、いくつかのポケットを高減衰材料、または必ずしも減衰に関するとは限らないその他の何らかの特定の要件に合った材料で充填することもできる。例えば、ブレードの一部領域で腐食が問題となることもあるが、腐食防止に望ましい材料が、振動の低減には望ましくないこともある。他の領域では、腐食がそれほど問題にならず、振動減衰が主な問題になることもある。いずれにしても、程度の差はあるが減衰特性を変化させることにより、ブレード列の系振動の大きさを許容レベルまで減少させることができる。」(段落【0025】及び【0026】)

(1-5)引用文献2に記載された技術
上記(1-4)並びに図1ないし図4の記載を総合すると、引用文献2には、次の技術(以下、「引用技術」という。)が記載されている。
「複数のポケットに充填される充填材の充填材料として、様々な硬度のウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ゴム系化合物、あるいは適当な硬化剤、および/または振動数、減衰性、耐侵食性などを調節するためのガラスやセラミックなどのその他の材料とポリマーとの混合物で構成したものを用いて、複数のポケットに剛性の異なる複数種類の充填材料を組み込み、また複数のポケットに減衰特性を変化させる複数種類の充填材料を組み込むブレード。」

(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「前縁228」は、その機能、構造又は技術的意義からみて、本願補正発明における「前縁」に相当し、以下同様に、「後縁230」は「後縁」に、「ポケット234」は「チャネル」に、「リブ240」は「リブ」に、「エーロフォイル部分220」は「主胴体部」及び「エアフォイル」に、「挿入物236」は「充填材」に、「表皮242」は「カバースキン」に、「ブレード216」は「ファンブレード」に、「ダブテイル」は「ダブテール」に、それぞれ相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「前縁と後縁との間に延びるとともに、内部に複数のチャネルが形成され、該複数のチャネル間に延びる複数のリブを備えた主胴体部と、
前記複数のチャネルのうち少なくともいくつかのチャネル内に充填された充填材と、
前記複数のチャネルの開口端部を覆うように前記複数のチャネル及び前記複数のリブ上に配置されたカバースキンと、
を備えたファンブレードであって、
ファンブレードは、ダブテールと、ダブテールから半径方向外側に延びるエアフォイルと、を備えるファンブレード。」の点で一致し、次の点で相違する。
(相違点)
本願補正発明においては、「前記複数のチャネルの全体に亘る充填材は、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有し、
エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定し、該ノードにおけるエアフォイルを支持するように選択した位置における少なくとも1つのチャネルに第2の材料が含まれる」ものであるのに対し、引用発明においては、「挿入物236の材料は、炭素-エポキシ系の複合材、繊維-ビスマレイミド、繊維-ポリイミド、およびその他の繊維-エポキシ熱硬化性または熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組合せ、その他の適当な材料として、エラストマー、硬質フォーム(たとえばポリマー、セラミック、シリコーン、または金属、あるいは材料全体に分散した発泡構造を有するそれらの混合物)、構造用フォーム(すなわち、発泡コアおよび一体の表皮)、ならびにシンタクチックフォーム(すなわち、硬質の微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、それを硬化させることによって製作される発泡ポリマー)を含む」ものであり、ノードに関する事項については不明である点(以下、「相違点」という。)。

(3)判断
最初に、相違点に係る本願補正発明の発明特定事項である「前記複数のチャネルの全体に亘る充填材は、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有し」について検討する。
引用文献1において、「【0010】・・・ポケット34の寸法および形状は、ねじり剛性および周波数応答など、ブレード特性に影響を与えるように、知られたやり方で選択することができる。・・・【0014】・・・リブ140Aおよび140Bの寸法、断面積、およびパターンは、ねじり剛性および周波数反応などブレード特性に影響を与えるように、知られたやり方で選択することができる。」(上記(1-1)イの段落【0010】及び【0014】)と記載されるように、剛性及び振動に係る周波数応答などのブレード特性を考慮してブレードを構成することは、ブレードの技術分野において普遍的な技術課題である。そうすると、前記技術課題を解決すべく、挿入物として種々の材料を採用可能である引用発明において、引用技術に基づき、振動数及び減衰性などのブレード特性を考慮した複数種類の充填材料を適宜必要箇所に適用することにより、複数のポケット(本願補正発明における「チャネル」に相当。)の全体に亘る充填材が、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有するものとして構成することは、当業者が適宜なし得る設計事項である。

次に、相違点に係る本願補正発明の発明特定事項である「エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定し、該ノードにおけるエアフォイルを支持するように選択した位置における少なくとも1つのチャネルに第2の材料が含まれる」について検討する。
ブレードの技術分野において、ブレードにノード(節)が存在し、それが特定されるものであることは技術常識であるから(下記引用文献3のア及びウ並びに図2及び図3の記載、又は下記引用文献4のイ並びに図6、図7、図8及び図11の記載を参照。)、引用発明において、エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定することは当業者が適宜なし得ることである。
さらに、ブレードの技術分野において、ノード位置を考慮してブレードの中空領域に減衰特性を有する材料を配することは周知技術である(以下、「周知技術」という。例として、下記引用文献3のイ及びウ並びに図2の記載、又は下記引用文献4のア及びイ並びに図6ないし図8を参照。)。
そうすると、引用発明において、引用技術を含め減衰性を考慮した材料を採用する箇所として、上記周知技術に基づき、ノードにおけるエーロフォイル部分(本願補正発明における「エアフォイル」に相当。)を支持するように選択した位置におけるポケット(本願補正発明における「チャネル」に相当。)に第1の材料よりも優れた減衰特性を有する第2の材料が含まれるように構成することに、当業者の格別の創意は要しない。
したがって、相違点に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用発明、引用技術及び周知技術に基づき、当業者が容易に想到し得るものである。

・引用文献3:特開2000-130102号公報
引用文献3には、「回転機械翼端構造」について、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0003】曲げモードの振動は、図3(A)に示すように、翼の末端部を固定端とする曲げ振動であり、等高線(aに破線で示す)が固定端にほぼ平行となる変形を示す。かかる変形では、特に固定端(末端部)に高い曲げ応力が発生し、図4(A)に斜線部分で示す翼全体が破損して飛散するような大きな損傷が生じる。そのため、かかる曲げモードの振動を本質的に回避するために、例えば、曲げモード振動が運転領域で生じないようにする、等の基本設計が行われている。
【0004】捩じりモードの振動は、図3(B)に示すように、翼の先端部が末端部に対して捩じられる振動であり、等高線が固定端にほぼ垂直となる変形を示す。かかる変形では、翼の中央部に高い剪断応力が発生し、図4(A)に斜線部分で示すように、かかる損傷は曲げモードによる損傷と同程度になるため、大幅な修理が必要となるため、曲げモード振動と同様に、運転領域で生じないように設計が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パネルモードの振動は、図3(C)に示すように、翼の背面と腹面が互いにバックリングを起こす振動であり、等高線が固定端では広く、先端部で狭い変形を示す。かかるパネル振動は、翼の先端部のみが特に大きく変形するため、翼先端部に軸方向に延びる亀裂が生じ、その一部が飛散することがある。かかる損傷は、図4(C)に示すように、翼の先端部に生じる比較的軽度の損傷であるが、部品交換等を早期に行う必要が生じる。また、曲げモード及び捩じりモードよりも高次の振動であり、回転流体機械の運転領域(例えば3千Hz?2万Hz)で生じるため、運転上避けがたい場合が多い。そのため、翼設計上、高次振動モードであるパネル振動を通常回避できず、長期の使用により翼先端部にクラックが発生しやすく、翼寿命が短命化する問題点があった。」(段落【0003】ないし【0005】)
イ 「【0014】粘弾性材5は、少なくとも塑性変形可能な材料、例えば金属、プラスチック、又はゴムであり、上記中空領域3a,4a(グルーブ又は凹部)に充填等により取り付けられ、中空領域3a,4aの変形に追従して変形できるようになっている。なお、粘弾性材5の取り付け手段は、中空領域3a,4aに追従して変形できる限りで、充填、接着、嵌込み、その他の手段であってもよい。」(段落【0014】)
ウ 「【0018】また、翼先端部の中空領域3a,4a(グルーブ)又は減肉領域3b,4b(スキーラ)に、粘弾性材5(塑性変形可能な金属、プラスチック、ゴム等)が取り付けられているので、図3(C)に示したパネルモードの振動が生じ、翼の先端部のみが特に大きく変形した場合でも、先端部の中空領域(グルーブ)又は減肉領域(スキーラ)に取り付けた粘弾性材5がこの変形を受け、その粘弾性特性により振動エネルギーの一部を吸収するので、図2(B)に示すように、パネルモードの振動を減衰させ、その振動レベルを低減し、クラック発生を抑制することができる。」(段落【0018】)

・引用文献4:特開2001-12390号公報
引用文献4には、「ガスタービンの圧縮機翼」について、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0021】図2は請求項2の実施例である。図1で示した孔の部分に圧縮機翼の材料よりも剛性が低く、減衰が大きくなる材質のもの6を孔4の途中まで挿入し、エアフォイル2上部よりボルト5を挿入し、エアフォイル2先端を平坦に仕上げる構造になっている。これによりエアフォイル2に剛性の低い箇所を設けることができ、圧縮機翼1の固有値を運転時の励振力の周波数より低い方向に定めることが可能となる。さらに、運転時に翼が励振されても、減衰材6により、圧縮機翼1の応答を下げることが可能になる。減衰が大きくなる材質としては、エアフォイル2より剛性の低い鉛や、アルミなどの金属のほかに、αゲルのような粘性体を入れることも有効である。」(段落【0021】)
イ 「【0024】図6に示す実施例では、図11に示す高次の固有値の節aの部分のエアフォイル2板厚方向に孔7を開けその孔7の中に圧縮機翼の材料よりも剛性の低い材料を挿入することにより、圧縮機翼1の固有値を高次の運転時の励振力の周波数より低い方向に定めることができる。また、この実施例ではき裂が進展しても孔7の部分でき裂を停留させることも可能である。さらに、この実施例では据え付け後に圧縮機翼1の固有値を測定し、運転時の励振力の周波数と圧縮機翼1の固有値とが近接していてかつ運転時の励振力の周波数よりも圧縮機翼1の固有値が高い場合には、エアフォイル2側面より孔7を開けエアフォイル2の材料よりも剛性の低い材料を挿入することができるため、据え付けた後でも補修が可能である。
【0025】図6に示す実施例では、エアフォイル2に開けた孔7を1つにしたが、本方法は図7に示すように、高次の固有値の節aに複数個の孔71を開け、その内部にエアフォイル2材よりも剛性の低い材料を入れてやることで圧縮機翼1の固有値を下げてやることも可能である。また、図8のように高次の固有値の節aに沿って長孔72を開けてやり、その内部にエアフォイル2材よりも剛性の低い材料を入れてやることで圧縮機翼1の固有値を下げてやることも可能である。」(段落【0024】及び【0025】)

(4)効果について
本願補正発明は、全体として検討しても、引用発明、引用技術及び周知技術から、当業者が予測することができる以上の格別顕著な作用効果を奏するものではない。

(5)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、引用技術及び周知技術に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
平成26年7月11日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(1)に示した請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

1 引用文献
引用文献に関しては、上記第2[理由]3(1)に記載したとおりである。

2 対比・判断
本願発明は、上記第2で検討した本願補正発明において、上記第2[理由]2に記載した「エアフォイルに沿った屈曲する領域におけるノードを特定し、該ノードにおけるエアフォイルを支持するように選択した位置における少なくとも1つのチャネルに第2の材料が含まれる」を省いて、上位概念化したものに実質的に相当するものである。
そして、本願発明と引用発明とを対比すると、両者は、上記第2 3(2)の一致点で一致し、次の点で相違する。
本願発明においては、「前記複数のチャネルの全体に亘る充填材は、少なくとも2つの異なった材料を含み、該材料は、第1の材料および第2の材料を含み、第1の材料は、第2の材料よりも高い剛性を有し、第2の材料は、第1の材料よりも優れた減衰特性を有する」ものであるのに対し、引用発明においては、「挿入物236の材料は、炭素-エポキシ系の複合材、繊維-ビスマレイミド、繊維-ポリイミド、およびその他の繊維-エポキシ熱硬化性または熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組合せ、その他の適当な材料として、エラストマー、硬質フォーム(たとえばポリマー、セラミック、シリコーン、または金属、あるいは材料全体に分散した発泡構造を有するそれらの混合物)、構造用フォーム(すなわち、発泡コアおよび一体の表皮)、ならびにシンタクチックフォーム(すなわち、硬質の微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、それを硬化させることによって製作される発泡ポリマー)を含む」ものである点。
そうすると、周知技術の適用以外は、上記第2[理由]3(3)ないし(5)で述べたとおりであり、本願発明は、引用発明及び引用技術に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
上記第3のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-04-23 
結審通知日 2015-04-28 
審決日 2015-05-11 
出願番号 特願2012-241532(P2012-241532)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F02K)
P 1 8・ 575- Z (F02K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 出口 昌哉佐藤 健一  
特許庁審判長 伊藤 元人
特許庁審判官 中村 達之
金澤 俊郎
発明の名称 ガスタービンエンジン、ファンブレード及びその設計方法  
代理人 富岡 潔  
代理人 小林 博通  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ