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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H02K 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 H02K 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H02K 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H02K 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H02K |
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管理番号 | 1306358 |
審判番号 | 不服2014-12907 |
総通号数 | 191 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-07-03 |
確定日 | 2015-10-07 |
事件の表示 | 特願2009- 53240「磁石埋込み型ロータ」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 9月16日出願公開、特開2010-207067〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成21年3月6日を出願日とする出願であって、平成25年9月20日付けで拒絶の理由が通知され(発送日:平成25年10月1日)、これに対し、平成25年12月26日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成26年2月27日付けで拒絶査定がなされ(発送日:平成26年3月4日)、これに対し平成26年7月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。 第2 平成26年7月3日付け手続補正書による補正の却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成26年7月3日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」と言う。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正前の特許請求の範囲は以下のとおりである。 「【請求項1】 電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、 前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、 前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したことを特徴とする磁石埋込み型ロータ。 【請求項2】 前記センタ磁石のロータコア内周側の磁極面は、少なくとも前記左右のサイド磁石の内周側の磁極面を結ぶ線と同じか、またはロータコアの外周側寄りに配置することを特徴とする請求項1記載の磁石埋込み型ロータ。 【請求項3】 前記センタ磁石は、前記サイド磁石よりも保磁力が低く希少金属の含有率が低い素材からなる永久磁石を使用することを特徴とする請求項1に記載の磁石埋込み型ロータ。」 これに対し、本件補正後の特許請求の範囲は以下のとおりである。 「【請求項1】 電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、 前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、 各前記サイド磁石の一方側磁極面中央位置が非磁極面である側面中央位置よりもロータコア外周に近くなるように各サイド磁石を配置し、且つ前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したことを特徴とする磁石埋込み型ロータ。 【請求項2】 電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、前記センタ磁石を、当該センタ磁石の磁極面がロータコアの接線と並行になるように埋め込み、且つ前記両端のサイド磁石を、センタ磁石の磁極面両端から夫々屈曲する左右側面に夫々隙間を挟んだ左右両端側位置に埋め込み、 前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、 前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに、且つサイド磁石における前記ロータコアの外周側の磁極面の延長線がセンタ磁石における前記ロータコアの外周側の磁極面の中間位置で交差するように傾けて配置し、 前記センタ磁石におけるロータコア内周側の磁極面の延長線が前記左右のサイド磁石のロータコア内周側の磁極面とは交差しないように、前記センタ磁石がロータコアの外周側寄りに配置されたことを特徴とする磁石埋込み型ロータ。 【請求項3】 前記センタ磁石は、前記サイド磁石よりも保磁力が低く希少金属の含有率が低い素材からなる永久磁石を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁石埋込み型ロータ。」 2 本件補正の適否 本件補正が補正の要件を満たすか否かについて検討する。 (1)新規事項について ア 本件補正後の請求項1について 本件補正後の請求項1には、「各前記サイド磁石の一方側磁極面中央位置が非磁極面である側面中央位置よりもロータコア外周に近くなるように各サイド磁石を配置し」と記載されているから、本件補正後の請求項1に記載された磁石埋込み型ロータは、各サイド磁石の一方側磁極面の中央位置とロータコア外周との距離が、各サイド磁石の非磁極面である側面の中央位置とロータコア外周との距離より短い構成を有する。 そこで、当該補正が、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものか否か検討する。 当初明細書等には、サイド磁石のロータコア内における配置に関連して、以下のような記載がある。 a「【請求項1】 電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、 前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、 前記左右のサイド磁石の磁極面を、それぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したことを特徴とする磁石埋込み型ロータ。 【請求項2】 前記センタ磁石のロータコア内周側の磁極面は、少なくとも前記左右のサイド磁石の内周側の磁極面を結ぶ線と同じか、またはロータコアの外周側寄りに配置することを特徴とする請求項1記載の磁石埋込み型ロータ。」 b「【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明による磁石埋込み型ロータは、電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、前記左右のサイド磁石の磁極面を、それぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したものである。 【0010】 また、前記センタ磁石のロータコア内周側の磁極面は、少なくとも前記左右のサイド磁石の内周側の磁極面を結ぶ線と同じか、またはロータコアの外周側寄りに配置するものである。」 c「【発明の効果】 【0012】 本発明の磁石埋込み型ロータによれば、センタ磁石の磁極間の厚みをサイド磁石より薄くしたことにより磁石の使用量をその分減らすことができる。同時に、センタ磁石の厚みを薄くした分、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極表面までの磁極前部コアの体積を増加させることとなり、リラクタンストルクが増えて磁石を減らしつつトルクを維持することができる。より詳細には、出力特性を維持しつ、磁石使用量を従来比で12%程度減らすことができ、コストを低減することができた。また、センタ磁石と両側のサイド磁石をロータコアの外周接線と並行に埋め込み略直線状に配置したので、ロータコアの中央が大きく空いた肉厚の薄い円環断面のロータコアであっても多極、高トルクのモータを実現することができる。 【0013】 また、左右のサイド磁石の磁極面を、それぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したことにより、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極表面までの磁極前部コアに対し、電磁石(ステータコイル)からの磁束をサイド磁石で遮ることが無く、磁束をスムーズに通過させ磁極前部コアのリラクタンストルク発生を大きくすることができる。 【0014】 また、センタ磁石のロータコア内周側の磁極面は、少なくとも左右のサイド磁石の内周側の磁極面を結ぶ線と同じか、またはロータコアの外周側寄りに配置したので、センタ磁石により、ロータコアの内周からセンタ磁石の後部磁極面までの磁極後部コアの透磁性を遮ることが無く、磁極後部コアに対する磁路が確保され、磁石の磁束が飽和せず、結果としてセンタ磁石の磁石量を削減してもモータの出力を維持することができる。」 d「【実施例】 【0018】 図1は、本発明の磁石埋込み型ロータの実施の形態を示すロータコアの一部断面図である。 【0019】 図1は、電磁鋼板を積層した円筒状のロータコア10の内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極になるよう複数極設けられた板状の永久磁石の軸方向に垂直な断面の一極部分を示している。 【0020】 ロータコア10は、中央が大きく空いた円環断面で、Wはその円環の肉厚を示す。10cはコア外周、10dはコア内周を示し、コア外周10cには隣接する永久磁石間に磁束の短絡を防止するための空隙として短絡防止溝10eを設け、円環の内部にはコア外周10cの接線と並行方向に、板状の永久磁石を軸方向に挿入可能な略矩形の磁石挿入孔10fが形成されている。 【0021】 本発明においては、1極の永久磁石を、中央部のセンタ磁石1と磁極面の幅がセンタ磁石1より小さな両端のサイド磁石2に3分割している。 【0022】 図1において、センタ磁石1、サイド磁石2のコア外周10c側の磁極面1aはN極、コア内周10d側の磁極面1bはS極に着磁され、隣接する永久磁石はその反対に着磁されている。 【0023】 また、センタ磁石1の磁極間の厚さM1は、両端のサイド磁石2の厚さM2より薄くし、ロータコア10のコア外周10cからセンタ磁石1の磁極面1aまでの磁極前部コア10aの体積を増加させている。 【0024】 センタ磁石1の厚さM1が薄くなることにより、磁石トルクの減少を来たすが、磁極前部コア10aの体積増によりリラクタンストルクが増加し、その合成によりモータとしてのトルクを維持する最適点設計を採用している。」 e「【0027】 センタ磁石1はコア外周10cの接線と並行方向に埋め込まれているが、両端のサイド磁石2は、それぞれセンタ磁石1側、すなわち内向きに傾けて埋め込まれている。この実施の形態では、センタ磁石1に対し角度5°傾けている。 【0028】 リラクタンストルクを大きくするにはロータの外周に配置される電磁石(ステータコイル)が、ロータコアの積層鉄板部分と正対している時と、ロータ内の永久磁石と正対している時の吸引力の差を大きくすることが必要とされる。永久磁石自体は磁気抵抗が非常に大きく、どのような形状、配置であっても磁石の正対時には殆ど磁束が通過しない。よって吸引力の差を大きくするには、積層鉄板部分と正対した時に電磁石(ステータコイル)が作る磁束をスムーズに通過させるように、永久磁石と積層鉄板部分の形状を決め、配置を最適化する必要がある。 【0029】 図3はサイド磁石角度によるロータコア内磁束通過量の違いを示す図で、図3(a)は両端磁石角度なしの磁束、図3(b)は両端磁石角度付加の磁束を示す。図3(b)に示すように、本発明では両端のサイド磁石2を傾けて配置しているので、コア外周10cからセンタ磁石1の磁極面1aに至る磁束をスムーズに通過させることができる。 【0030】 このように、図3(a)に対し、図3(b)に示すサイド磁石2を傾けた場合の方が、遮られる磁束が減り、電磁石(ステータコイル)20からの磁束をスムーズに通過させる。 【0031】 図4は、センタ磁石と両端のサイド磁石のロータコア内周側の磁極面の配置を示す図である。 【0032】 図4に示すように、センタ磁石1のロータコア10内周側の磁極面1bは、少なくとも左右のサイド磁石2の内周側の磁極面2bを結ぶ線11と同じ、またはロータコア10の外周側10c方向に配置し、センタ磁石1により磁極後部コア10bの透磁性を遮らないように配置する。 【0033】 この配置は、センタ磁石1をロータコア10の内周側へ配置すると磁極前部コア10aのリラクタンストルクを増加させることとなるが、磁極後部コア10bの磁路が狭くなり、磁束が飽和してしまい、結果として磁石トルクの減少を来すこととなる。これを防止するため本発明では少なくとも左右のサイド磁石2の内周側の磁極面2bを結ぶ線11より外周側にセンタ磁石1を配置する。」 f「【符号の説明】 【0040】 1 センタ磁石 1a 磁極面 1b 磁極面 2 サイド磁石 2a 磁極面 2b 磁極面 10 ロータコア 10a 磁極前部コア 10b 磁極後部コア 10c コア外周 10d コア内周 10e 短絡防止溝 10f 磁石挿入孔 11 サイド磁石2の内周側の磁極面2bを結ぶ線 20 電磁石(ステータコイル) M1 センタ磁石厚さ M2 サイド磁石厚さ W ロータコアの円環幅」 上記記載とともに図1、3、4を参照すると、当初明細書等には、コア外周10cのうちサイド磁石2の非磁極面である側面の中央位置から最も近いコア外周10cの部分は短絡防止溝10eが存在する部分であり、サイド磁石2の磁極面2aの中央位置とコア外周19との距離と、サイド磁石2の非磁極面である側面の中央位置と短絡防止溝10eとの距離とが同程度の距離であることが示されていると言えるが、各サイド磁石の一方側磁極面の中央位置とロータコア外周との距離が、各サイド磁石の非磁極面である側面の中央位置とロータコア外周との距離より短いことが示されているとまでは言えない。 したがって、各サイド磁石の一方側磁極面の中央位置とロータコア外周との距離が各サイド磁石の非磁極面である側面の中央位置とロータコア外周との距離より短い構成は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではなく、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。 イ 本件補正後の請求項2について 本件補正後の請求項2には、「前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに、且つサイド磁石における前記ロータコアの外周側の磁極面の延長線がセンタ磁石における前記ロータコアの外周側の磁極面の中間位置で交差するように傾けて配置し」と記載されているから、本件補正後の請求項2に記載された磁石埋込み型ロータは、サイド磁石におけるロータコアの外周側の磁極面の延長線がセンタ磁石におけるロータコアの外周側の磁極面の中間位置で交差する構成を有する。 そこで、当該補正が、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものか否か検討する。 当初明細書等には、サイド磁石とセンタ磁石の位置関係に関連して上記a?fの記載がある。 また、上記記載とともに図1及び図4を参照すれば、当初明細書等には、サイド磁石2におけるロータコア10の外周側の磁極面2aの延長線がセンタ磁石1におけるロータコア10の外周側の磁極面1aと交差する構成が示されている。 当初明細書等には「中間位置」の定義について記載されておらず、広辞苑第六版(株式会社岩波書店)によれば、「中間」とは「二つの物事・地点の間。特に、そのまんなか」を意味するから、本件補正後の請求項2に記載された「磁極面の中間位置」とは「磁極面のまんなか」を意味する。そうすると、当初明細書等には、磁極面2aの延長線が磁極面1aと交差する構成が記載されてはいるものの、磁極面2aの延長線が磁極面1aのまんなかで交差する構成は示されているとまでは言えない。 したがって、サイド磁石におけるロータコアの外周側の磁極面の延長線がセンタ磁石におけるロータコアの外周側の磁極面の中間位置で交差する構成は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではない。 ウ 結び したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (2)目的要件について 本件補正が、特許法第17条の2第5項の各号に掲げる事項を目的とするものに該当するかについて検討する。 ア 特許請求の範囲の減縮について 特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」は、第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限られ、補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白であって、かつ、補正後の請求項が補正前の請求項を限定した関係になっていることが明確であることが要請され、補正前の請求項と補正後の請求項とは、一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならない。 本件補正後の請求項1は、センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くした構成、及び、サイド磁石をセンタ磁石側に内向きに傾けて配置した構成を有するものであるから、これらの構成を全て有する本件補正前の請求項1に一応対応するものである。 また、本件補正後の請求項2は、センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くした構成、サイド磁石をセンタ磁石側に内向きに傾けて配置した構成、及び、センタ磁石のロータコア内周側の磁極面をロータコアの外周側よりに配置した構成を有するものであるから、これらの構成を全て有する本件補正前の請求項2に一応対応するものである。 さらに、本件補正後の請求項1を引用する本件補正後の請求項3は、センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くした構成、サイド磁石をセンタ磁石側に内向きに傾けて配置した構成、及び、センタ磁石をサイド磁石より保磁力が弱く希少金属の含有率が低い永久磁石とした構成を有するものであるから、これらの構成を全て有する本件補正前の請求項3に一応対応するものである。 本件補正後の請求項2を引用する本件補正後の請求項3は、センタ磁石のロータコア内周側の磁極面をロータコアの外周側よりに配置した構成、及び、センタ磁石をサイド磁石より保磁力が弱く希少金属の含有率が低い永久磁石とした構成を有するものである。一方、センタ磁石のロータコア内周側の磁極面をロータコアの外周側よりに配置した構成は、本件補正前の請求項2のみが有する構成であって、本件補正前の請求項2を引用する請求項は存在しないから、本件補正後の請求項2を引用する本件補正後の請求項3について本件補正前の請求項2との対応を検討する。 本件補正前の請求項2のセンタ磁石及びサイド磁石も当然に何らかの素材からなるものではあるが、本件補正前の請求項2のセンタ磁石及びサイド磁石をどのように限定しても、センタ磁石の素材をサイド磁石の素材より保磁力が弱く希少金属の含有率が低いものとすることを導きだすことはできないから、本件補正は第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものとは言えず、また、磁石単価の低減という新たな課題が生じているから、本件補正後の請求項2を引用する本件補正後の請求項3に係る発明と、本件補正前の請求項2に係る発明との間で解決しようとする課題が同一であるとも言えない。したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。 また、本件補正前の請求項に、センタ磁石のロータコア内周側の磁極面がロータコアの外周側よりに配置されて、センタ磁石をサイド磁石より保磁力が弱く希少金属の含有率が低い永久磁石とする構成を有するものは無く、且つ、本件補正前の請求項2を引用する請求項が本件補正前に存在しないから、本件補正はいわゆる増項補正であり、補正前の請求項と補正後の請求項とが一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならないとする特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」に該当しない。 イ その他目的要件について 本件補正が、請求項の削除(特許法第17条の2第5項第1号)、誤記の訂正(特許法第17条の2第5項第3号)、明りょうでない記載の釈明(特許法第17条の2第5項第4号)を目的とするものでないことは明らかである。 ウ むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (3)独立特許要件について 上記(1)、(2)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び特許法第17条の2第5項の規定に該当しないが、仮に本件補正が、特許法第17条の2第3項の規定に該当し、また、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとした場合、本件補正後の前記請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 ア 明確性要件について 本件補正後の請求項1には、「前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み」と記載されており、センタ磁石とサイド磁石とがともにロータコアの接線に並行に並んでいることが記載されている。一方、本件補正後の請求項1には、「前記左右のサイド磁石の磁極面を、それぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置した」とも記載されており、サイド磁石がセンタ磁石に対して傾いていることが記載されている。したがって、センタ磁石とサイド磁石とがともにロータコアの接線に並行であるのか相対的に傾いているのかが明確でない。また、本件補正後の請求項2に係る発明も同様に、センタ磁石とサイド磁石とがともにロータコアの接線に並行であるのか相対的に傾いているのかが明確でない。 また、本件補正後の請求項1には「前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ」と記載されているが、磁極前部コアの体積の比較の対象が不明であるから、本件補正後の請求項1に係る発明において、体積が「増加」させられた磁極前部コアとは何を意味するのかが明確でない。また、本件補正後の請求項2に係る発明も同様に、体積が「増加」させられた磁極前部コアとは何を意味するのかが明確でない。 したがって、本件補正後の請求項1及び2の記載は明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 イ サポート要件について 本件補正後の請求項1には、「前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み」と記載されており、センタ磁石とサイド磁石とがともにロータコアの接線に並行に並んで埋め込まれていることとなる。 センタ磁石及びサイド磁石とロータコアの接線との関係について、本件補正後の明細書には以下の記載がある。 g「【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明による磁石埋込み型ロータは、電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置したものである。」 h「【0012】 本発明の磁石埋込み型ロータによれば、センタ磁石の磁極間の厚みをサイド磁石より薄くしたことにより磁石の使用量をその分減らすことができる。同時に、センタ磁石の厚みを薄くした分、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極表面までの磁極前部コアの体積を増加させることとなり、リラクタンストルクが増えて磁石を減らしつつトルクを維持することができる。より詳細には、出力特性を維持しつ、磁石使用量を従来比で12%程度減らすことができ、コストを低減することができた。また、センタ磁石と両側のサイド磁石をロータコアの外周接線と並行に埋め込み略直線状に配置したので、ロータコアの中央が大きく空いた肉厚の薄い円環断面のロータコアであっても多極、高トルクのモータを実現することができる。」 i「【0020】 ロータコア10は、中央が大きく空いた円環断面で、Wはその円環の肉厚を示す。10cはコア外周、10dはコア内周を示し、コア外周10cには隣接する永久磁石間に磁束の短絡を防止するための空隙として短絡防止溝10eを設け、円環の内部にはコア外周10cの接線と並行方向に、板状の永久磁石を軸方向に挿入可能な略矩形の磁石挿入孔10fが形成されている。」 j「【0027】 センタ磁石1はコア外周10cの接線と並行方向に埋め込まれているが、両端のサイド磁石2は、それぞれセンタ磁石1側、すなわち内向きに傾けて埋め込まれている。この実施の形態では、センタ磁石1に対し角度5°傾けている。」 上記記載g?jとともに図1、4を参照すれば、本願の発明の詳細な説明には、センタ磁石1のみがロータコアのコア外周10cの接線と並行に埋め込まれていることが示されていると言え、センタ磁石とサイド磁石とがともにコア外周10cの接線に並行に埋め込まれていることが示されているとは言えない。 したがって、本件補正後の請求項1に記載された発明は、本願の発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許法第36条第6項第1号の規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 ウ むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、上記した平成25年12月26日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである(「第2.1.」の本件補正前の請求項1を参照。以下、同項記載の発明を「本願発明」と言う。) 2 引用例 原査定の拒絶の理由に示された特開2003-264947号公報(以下「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機などの家電機器に用いられるインナーロータ型の永久磁石電動機(例えば、ブラシレスDCモータ)に関し、さらに詳しく言えば、トルク変動を小さくするように固定子に工夫を施した永久磁石電動機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】永久磁石電動機は、固定子(電機子)の内側にIPM型の回転子(界磁)を配置してなり、その一例として三相4極モータの構成を図13に示す。 【0003】永久磁石電動機の固定子1は、所定の厚さの円筒形であり、その内周には中心方向に延びた歯1aが3n個(n;正の整数、この例ではn=2)分だけ円周方向に等間隔に形成され、その各歯1aには集中巻2が施されている。なお、各歯1aの回転子3側には円周方向に延びた端部が設けられている。 【0004】この例において、固定子1の内側に配置される回転子3は、一対の第1永久磁石(例えばフェライト磁石)4a,4bおよび第2永久磁石(例えば希土類磁石)5を円周方向に等間隔に埋め込んで4n極としてなる。 【0005】第1永久磁石4a,4bは、断面長方形として外周から回転軸6側に向けてその4極分が埋め込まれ、第2永久磁石5は断面長方形として第1永久磁石4a,4bと間で回転軸3側の端部間に埋め込まれている。 【0006】すなわち、第1永久磁石4a,4bはq軸に平行に埋め込まれ、第2永久磁石5は断面長方形の長辺をd軸に直角になるように埋め込まれている。なお、第1永久磁石4a,4bと第2永久磁石5の間には、磁束の漏洩,短絡を防止するためにフラックスバリア7a,7bがそれぞれ設けられている。 【0007】第1永久磁石4a,4bは断面長方形の長辺側を極とし、かつ、それらの内側を同一極として配置され、第2永久磁石5は回転軸6に対して反対側の長辺を極とし、回転子3の磁極を形成している。また、第1永久磁石4a,4bおよび第2永久磁石5の各極は、隣接する他の第1永久磁石4a,4bおよび第2永久磁石5と異極にしてなり、回転子3に4極の磁極を形成している。 【0008】この構成の永久磁石電動機によれば、固定子1の内径寸法は同一で均一なエアギャップを有しており、回転子3のd軸にはリラクタンストルクを発生させるための電磁鋼板からなる磁極を有することになる。」 上記記載事項及び図面の記載内容を併せると、以下の事項を認めることができる。 ・回転子3は電磁鋼板を用いて形成されているから、当該電磁鋼板は積層されて鉄心となっており、その全体形状は円筒状である。 ・中央部の第2永久磁石5と両端の第1永久磁石4a、4bの3つの永久磁石で1つの磁極を形成し、回転子3に4つの磁極が設けられ、当該4つの磁極は円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるように回転子3の鉄心の内部に配置された板状の永久磁石からなっている。 ・第1永久磁石4a、4bの極となる長辺の幅が、第2永久磁石5の極となる長辺の幅より短くなっている。 ・第2永久磁石5と円筒状の鉄心の接線とが並行となっている。 ・第2永久磁石5の両極間の厚みが第1永久磁石4a、4bのそれぞれの両極間の厚みより薄くなっている。 ・回転子鉄心の外周から第2永久磁石5の磁極面までの間に鉄心が存在している。 ・第1永久磁石4a、4bのN極をその間の第2永久磁石5のN極に向けて傾けて配置していること、つまり、第1永久磁石4a、4bをその間の第2永久磁石5側に内向きに傾けて配置されている。 上記記載事項からみて、引用例には、次の発明(以下「引用発明」と言う。)が記載されている。 「電磁鋼板を積層した円筒状の回転子鉄心の内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう4極設けられた板状の永久磁石を配置したブラシレスDCモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部の第2永久磁石と極の長辺の幅が第2永久磁石より小さな両端の第1永久磁石の3つからなるものとし、第2永久磁石を回転子鉄心の接線と並行に埋め込み、 前記第2永久磁石の両極間の厚みを第1永久磁石より薄くし、前記回転子鉄心の外周から第2永久磁石の磁極面までの間に鉄心部分を有し、 左右の前記第1永久磁石を、前記回転子鉄心の内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央の第2永久磁石側に内向きに傾けて配置した永久磁石を埋め込んだ回転子。」 3 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「回転子鉄心」、「4極」、「ブラシレスDCモータ」、「第2永久磁石」、「第1永久磁石」、「左右の前記第1永久磁石」、「永久磁石を埋め込んだ回転子」は、それぞれ、本願発明の「ロータコア」、「複数極」、「モータ」、「センタ磁石」、「サイド磁石」、「前記左右のサイド磁石」、「磁石埋込み型ロータ」に相当する。 (イ)引用発明の「極の長辺の幅」は、本願発明の「磁極面の幅」に相当する。 (ウ)上記(ア)、(イ)を踏まえれば、引用発明の「前記板状の永久磁石を、中央部の第2永久磁石と極の長辺の幅が第2磁石より小さな両端の第1永久磁石の3つからなるものとし、」は、本願発明の「前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、」に相当する。 (エ)請求人の平成27年4月22日付けFAXには、「ロータコアの接線と並行に埋め込むのは『センタ磁石』であると解釈しております。」と記載されており、この記載に基づけばロータコアの接線と並行であるのはセンタ磁石のみであると認められるから、本願明細書の「センタ磁石1はコア外周10cの接線と並行方向に埋め込まれているが、両端のサイド磁石2は、それぞれセンタ磁石1側、すなわち内向きに傾けて埋め込まれている」(【0027】)との記載、図1、4、及び、上記(ウ)を踏まえれば、引用発明の「前記板状の永久磁石を、中央部の第2永久磁石と極の長辺の幅が第2永久磁石より小さな両端の第1永久磁石の3つからなるものとし、第2永久磁石を回転子鉄心の接線と並行に埋め込み、」は、本願発明の「前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、」に相当する。 (オ)引用発明の「前記回転子鉄心の外周から第2永久磁石の磁極面までの間」の「鉄心部分」は、本願発明の「前記ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コア」に相当する。 (カ)本願明細書には、 「【0023】 また、センタ磁石1の磁極間の厚さM1は、両端のサイド磁石2の厚さM2より薄くし、ロータコア10のコア外周10cからセンタ磁石1の磁極面1aまでの磁極前部コア10aの体積を増加させている。 【0024】 センタ磁石1の厚さM1が薄くなることにより、磁石トルクの減少を来たすが、磁極前部コア10aの体積増によりリラクタンストルクが増加し、その合成によりモータとしてのトルクを維持する最適点設計を採用している。 【0025】 図2は、埋込磁石モータのトルク成分概念図で、横軸は、基本設計から右辺方向に薄くなる磁石厚み、縦軸はトルク/磁石体積を示し、磁石トルクの減少に対し、磁極前部コアの増加によるリラクタンストルクの増加と、磁石トルク+リラクタンストルクである全トルクの値を示す。図に示すように基本設計点に対し、磁石量を減らしても、一定範囲までは全トルクは維持されることがわかる。」 と記載されており、センタ磁石1の厚さM1をサイド磁石2の厚さM2より薄くすることによって、磁極前部コア10aの体積を増加させているから、センタ磁石の厚みがサイド磁石の厚みより薄い構成ならば、磁極前部コアの体積が増加したことになる。そうすると、上記(オ)を踏まえれば、引用発明の「前記第2永久磁石の両極間の厚みを第1永久磁石より薄くし、前記回転子鉄心の外周から第2永久磁石の磁極面までの間に鉄心部分を有し、」は、本願発明の「前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、」に相当する。 以上を踏まえると、本願発明と引用例に記載された発明とは、 「電磁鋼板を積層した円筒状のロータコアの内部に、円周方向に等間隔に外周側表面が交互にN極、S極となるよう複数極設けられた板状の永久磁石を配置したモータにおいて、 前記板状の永久磁石を、中央部のセンタ磁石と磁極面の幅がセンタ磁石より小さな両端のサイド磁石に3分割し、ロータコアの接線と並行に埋め込み、 前記センタ磁石の両極間の厚みをサイド磁石より薄くし、ロータコアの外周からセンタ磁石の磁極面までの磁極前部コアの体積を増加させ、 前記左右のサイド磁石を、ロータコアの内周側から外周側方向に向けてそれぞれ中央のセンタ磁石側に内向きに傾けて配置した磁石埋込み型ロータ。」 である点で一致し、差異は認められない。 したがって、本願発明は引用発明と同一と認められる。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一と認められるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-04-28 |
結審通知日 | 2015-05-12 |
審決日 | 2015-05-25 |
出願番号 | 特願2009-53240(P2009-53240) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(H02K)
P 1 8・ 572- Z (H02K) P 1 8・ 55- Z (H02K) P 1 8・ 575- Z (H02K) P 1 8・ 113- Z (H02K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 森本 哲也、マキロイ 寛済 |
特許庁審判長 |
堀川 一郎 |
特許庁審判官 |
矢島 伸一 松永 謙一 |
発明の名称 | 磁石埋込み型ロータ |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |