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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1307196
審判番号 不服2014-21862  
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-28 
確定日 2015-10-29 
事件の表示 特願2010-144729「マイクロ・ナノソリッド利用型半導体洗浄システム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月 1日出願公開、特開2011-171691〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成22年6月25日(国内優先権主張 平成22年1月21日)を出願日とする出願であって、平成26年1月24日付けで拒絶理由が通知され、同年3月31日に手続補正がなされるとともに意見書が提出され、同年5月1日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年7月7日に意見書が提出されたが、同年7月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年10月28日に拒絶査定不服審判請求ががなされるとともに、同時に手続補正がなされたものである。

2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成26年10月28日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。
「表面にレジストを有している基体からレジストをはく離・除去する半導体ウエハー洗浄法において、
前記レジストを有している基体を100℃以上に加温又は加熱せしめ、
該加温又は加熱された半導体ウエハー表面上のレジストに対して極低温不活性ガスと過冷却液体窒素の二流体により生成され、固体粒子が平均粒子径10μm以下であり且つ流速15m/s又はそれ以上の流速である極低温マイクロ・ナノソリッド窒素噴霧ジェット流を衝突させ、
当該極低温マイクロ・ナノソリッド窒素噴霧ジェット流をレジスト洗浄媒体として使用することを特徴とする半導体ウエハー洗浄法。」(以下「本願発明」という。)

3 刊行物の記載
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願の優先日前に頒布された特表2009-513015号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。以下同じ。)。
ア 「【0001】
発明の分野
本発明は、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する方法、特に、レジストがマスキング層として使用され、イオン注入レジストなどのハードベーキングしたレジストである、前記基板表面からフォトレジストを除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
例として、半導体、金属、誘電体及び半導体ウエハまたは集積回路の他の表面などの基板表面は、加工処理の間に基板表面内にフォトレジストが付着されることがよくある。このフォトレジストは、1キロ電子ボルト(“keV”)?100KeVのエネルギーでイオン注入を必要とする特定の段階でマスクとして作用する。このイオン注入プロセスによりフォトレジスト表面にイオン衝撃が与えられる。これによって、(スカムまたはクラストとして)公知の密な上部層またはコーティングが得られ、この下にはフォトレジストのバルク層が存在する。このスカムまたはクラスト層は、レジストの厚さの20パーセント(20%)であることが多い。基板表面に加工されている電子構成要素や基板を傷つけることなくそのようなフォトレジストを正確に除去することが必要である。フォトレジストは「レジスト」と呼ばれることもある。」

イ 「【0009】
本発明は、例えば半導体ウエハなどの基板を処理し、前記基板上に配列されたイオン注入フォトレジストを除去する方法を提供する。例えば、以下の方法である。
基板から除去するためにハードベーキングしたフォトレジストを弱める方法であって、前記フォトレジストのクラスト及びバルク層の界面を変形させるためにフォトレジストを加熱し、これによってフォトレジストに亀裂を生じさせることを含む、前記方法。
【0010】
基板からフォトレジストを除去する方法であって、フォトレジストのクラストに亀裂を生じさせるために基板から熱を伝え、フォトレジストにエーロゾルを供給して、基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かす(displace)こと、及び、フォトレジストと反応させるために、前記フォトレジストに流体反応体を適用することを含む、前記方法。」

ウ 「【0015】
図面は本発明のプロセスのフローチャートを表す。
詳細な説明
本発明は、特に先行するイオン注入プロセスのためにフォトレジストがクラストで覆われたときに、基板上に付着したフォトレジストを除去するために基板を処理するプロセスに関する。たとえば、本方法は、加工されるべき半導体基板表面で使用されるか、または集積デバイス(以後、たとえば「基板」または「表面」という)上で使用することができる。・・・
【0019】
基板の表面は、その基板表面に付着されたフォトレジストを有し、極低温ストリーム(cryogenicstream)などの物理的な力のみによる置換及び除去に対して耐性である。本発明の方法は、基板にもその上の電子装置にも損傷を与えることなく、効率的にフォトレジストを除去するために使用される。
【0020】
本プロセスの一例として、基板は、プラテン(platen)またはプラットフォームなどの支持部材上で加熱するために配置される。熱は好ましくは伝導によって基板に提供するか伝えられる。即ち、たとえばプラテンを所望の温度まで加熱すると、プラテンの熱が基板に伝わって、該基板が次に熱をフォトレジストに伝える。バルクレジストは基板から熱を伝えられて、熱はさらにレジストのクラストに伝えられる。プラテンに関しては、任意の熱源を使用することができる。
【0021】
フォトレジストの加熱は対流または輻射によっても可能であるが、伝導によるフォトレジストの加熱が好ましい手段である。基板の加熱は、フォトレジストのクラスト及びバルクレジストに亀裂を生じさせることによって、フォトレジスト除去能力の増大を促進する。
【0022】
プラテンを120℃?350℃の温度、好ましくは170?280℃の範囲に、5秒?5分間、好ましくは最長でも1分間加熱する。熱は対流、輻射、伝導またはその組み合わせによって基板に提供され、熱はプラテンから基板に伝えられて、結果的に基板は170℃?280℃の温度に、約15秒?1分間加熱されるのが好ましい。この加熱段階の間に、プラテンはその上に基板とともに固定されたままである。好ましくは加熱は、窒素ガスをパージした大気圧のチャンバ中で実施して、シリコン表面が全く酸化しないようにするのが好ましい。加熱は直接プラテンから基板に、バルクレジストに、そしてレジスト上を覆うクラストに伝えられるのが好ましい。
【0023】
フォトレジストのクラスト及びフォトレジストのバルクの下にある部分はそれぞれ異なる弾性特性をもつ。すなわち、クラストは本質的に殆どまたは全く弾性がないが、イオン衝撃の間にクラストによって保護されているバルクレジストは比較的弾性である。熱を基板に適用するとバルクレジストが完全に乾き、変形し始めて、これによって皺が寄るが、このとき上にあるクラストは依然として固いままの状態で、その実質的に非弾性特性のため変形もしないし皺もよらない。これによって応力が、特にフォトレジストのバルク層とクラスト界面に発生して、フォトレジストに亀裂が生じる。クラスト層の変形によって少なくとも一つ、特に、複数の亀裂がクラスト層に生じて、熱が与えられるにつれてこの亀裂が実質的にバルクレジストから下の基板にまで広がる。通常、亀裂の発生はクラストで最初に起きるが、クラストに限定されていない。
【0024】
クラスト及びバルクレジストに生じる亀裂または割れ目は、加熱を停止するまで、またはバルクレジストの弾性特性を完全に除去するときまで続くだろう。この段階で、硬化したスカム層には亀裂が発生し、亀裂はバルクレジストまで続いて、フォトレジスト構造の完全性は損なわれて、追加の段階によって基板からバルクレジストとクラストを除去することができる。レジスト亀裂形成プロセスは、大気圧下で実施するのが好ましい。
【0025】
その後、亀裂又は割れ目を発生させたクラスト及びバルクレジストの除去は、エーロゾルまたは流体ジェットを使用して実施することができる。エーロゾルまたは流体ジェット段階により、クラストとバルクレジストを部分的に除去するだろう。エーロゾルは本質的に気体中に取り込まれた固体粒子からなる。固体粒子は、アルゴン、窒素、二酸化炭素またはその組み合わせなどの極低温粒子であることが好ましい。あるいはエーロゾルは、窒素などの気体中に取り込まれた液滴であるか、清浄な乾燥空気(CDA)もエーロゾル除去段階の間に使用することができる。流体ジェットは基板に向けた液体または気体の流れを含む。この段階は1秒?5分実施する。プラテン及び基板の回転などの運動もこの段階で実施することができる。
【0026】
本発明の別の態様では、加熱段階と、エーロゾルまたは流体ジェット適用段階を同時に実施することが必要である。たとえば、基板を加熱し、この加熱段階の間に、極低温エーロゾルもフォトレジストに適用する。それらの異なる(時には選択的に相当異なる)適用温度によって、レジストのクラッキング及び除去も容易になる。フォトレジストに適用した加熱温度を制御することによって、複数の方法での亀裂形成が容易になる。特に、レジストに亀裂を発生させるために、加熱に関して選択した温度を保持又は上昇させることができる。加熱温度を下げてフォトレジストに衝撃を与え、フォトレジストに亀裂を発生させることができる。温度の低下は、寒剤浴(cryogen bath)内に、基板上に加熱されたレジストが付着した基板を入れるか、又は、レジストをたとえば極低温スプレーに暴露することによって実施することができる。・・・
【0029】
このプロセスにおいて、エーロゾルスプレーまたは液滴は、基板表面から除去されるべきフォトレジストに対して物理的に作用するのに十分である。エーロゾルスプレーまたは流体ジェットは極低温剤(cryogenic agent)または流体、たとえば二酸化炭素、アルゴン、窒素またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む極低温ガスであってもよい。スプレーは気体中に取り込まれた液滴であってもよい。」

エ 図1は、次のものである。


オ 引用発明
上記アないしエによれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「半導体ウエハなどの基板の表面は、その基板表面に付着されたフォトレジストを有し、
前記基板は、プラテンまたはプラットフォームなどの支持部材上で加熱するために配置され、
前記プラテンを170℃?280℃の範囲に加熱し、熱はプラテンから基板に伝えられて、結果的に基板は170℃?280℃の温度に加熱され、
前記熱を前記基板に適用すると、前記フォトレジストに亀裂または割れ目が生じ、
その後、前記亀裂又は割れ目を発生させたクラスト及びバルクレジストの除去は、エーロゾルまたは流体ジェットを使用し、
前記エーロゾルは気体中に取り込まれた固体粒子からなり、
前記固体粒子は、アルゴン、窒素、二酸化炭素またはその組み合わせなどの極低温粒子であり、
前記流体ジェットは基板に向けた液体または気体の流れを含み、
加熱段階と、エーロゾルまたは流体ジェット適用段階を同時に実施し、
前記エーロゾルは、極低温エーロゾルの極低温スプレーであって、エーロゾルスプレーまたは流体ジェットは極低温剤または流体、たとえば二酸化炭素、アルゴン、窒素またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む極低温ガスであって、
基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かし(displace)、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する方法。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願の優先日前に頒布された特開2008-2715号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。
「【0010】
該マイクロスラッシュ窒素は、液体窒素の中に固体の窒素粒子を含んでいる固液二相からなる極低温の液体であり、且つ、固体窒素として存在しているものが少なくとも平均粒子径において2?5mmサイズより小さいものであるもの、例えば、固体窒素粒子あるいは結晶状窒素粒子の粒子径についてその平均粒子径が1.5mm以下であるもの、あるいは1.3mm以下、好ましくは、1.0mm以下、より好ましくは、0.8mm以下あるいは0.6mm以下、さらには0.5mm以下あるいは0.3mm以下、典型的な場合では、0.2mm以下、さらには0.1mm以下やミクロンオーダーのサイズであるものが挙げられる。本発明の一つの態様では、該微粒子状固体窒素(あるいは結晶状窒素)を含有する液体混合物は、粒子体積分率が0.05?0.3であるもので、ある場合には、粒子体積分率が0.08?0.28であるもので、好適な場合、粒子体積分率が0.1?0.26であるもので、より好ましくは、0.125?0.25であるもので、特定の場合には、粒子体積分率が0.15?0.25であるものである。
【0011】
本発明の技術では、当該マイクロスラッシュ窒素は、液体窒素の流れあるいは過冷却された液体窒素の流れ(過冷却液体窒素流)を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却(atomization-cooling)に付すことにより行うことができる。本発明のマイクロスラッシュ流体の生成法は、液化ガスのスラッシュ固液二相流体(特には、マイクロスラッシュ固液二相流体)を生成することのできるものであって、極低温液体の流れの中心部あるいはその近傍に、当該極低温液体の流れと同方向あるいはほぼ同方向に、当該極低温液体の温度と同程度あるいはそれよりは低い温度の気体又は液体の流れを導入せしめ、気体と液体とを衝突せしめて微粒子を形成せしめること、あるいは性質の異なった液体同士を衝突せしめて微粒子を形成せしめることで行われる。当該導入せしめられる気体又は液体の流れは、高圧及び/又は高速で導入され、一般的には高圧且つ高速の条件下に導入される。当該導入せしめられる流れは、その出口部では、噴出流あるいはジェット流となっており、液体を微粒子化する作用を有するものである(微粒化噴出流あるいは微粒化ジェット流であってよい)。該高圧とは、所要の微粒化目的が達成できる限り、いかなる圧力も採用できる、また射出される出口(噴出口)の口径によっても適宜のものとされるが、例えば、5?10,000気圧とされることができ、ある場合には、10?1,000気圧、別の場合には、10?100気圧としたり、10?50気圧とすることができる。また、該高圧とは、噴出口からの所要の噴出流速が達成できるものであってもよい。該高速とは、噴出口からの噴出流速を指していてよく、例えば、5?850m/s、ある場合には、8?540m/s、別の場合には、10?250m/sあるいは12?100m/sとしたり、13?50m/sあるいは14?25m/sとすることができる。
【0012】
該液化ガスとしては、代表的には、常圧で-190℃以下の融点を有している物質を指していてよく、例えば、液体窒素、液体酸素、液体水素、液体アルゴンなどが挙げられてよく、液体窒素が好ましいものとして挙げられる。」

(3)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願の優先日前に頒布された特開2009-302275号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。
「【0014】
本明細書で「スラッシュ」又は「スラッシュ粒子」とは、液体窒素、液体酸素、液体水素などの液化ガスを凍らせて、その結果、得られる固体窒素、固体酸素、固体水素などの固体粒子であって、液体窒素、液体酸素、液体水素などの液化ガスに懸濁あるいは分散化した状態で存在しているものあるいはそうした系を指す。本発明では、好ましいものとして、窒素スラッシュ(又は窒素スラッシュ粒子)が挙げられ、特に好ましいものとして、窒素のマイクロスラッシュが挙げられる。そして「マイクロスラッシュ」又は「マイクロスラッシュ粒子」と称した場合、その粒子径、すなわち、固体粒子の直径のサイズが、下記マイクロスラッシュ窒素について説明するように、比較的小さなものを指しており、ある場合には、その粒子の平均粒径が1.0mm以下のもの、さらには、0.5mm以下あるいは0.2mm以下であるようなものを指している意味であってよい。本発明では、好ましいものとして、窒素のマイクロスラッシュ粒子が挙げられる。特に好適には、固体状の粒子のサイズが均一な分布を示すものが挙げられる。
【0015】
本明細書で「マイクロスラッシュ窒素」とは、液体窒素と固体窒素とを含有しており、窒素の固液境界線上に存在している状態にある平衡混合物であって、固体窒素粒子として、微細な粒子であり、且つ、比較的均一なものを含んでいるものを意味する。ここで「微細な」及び/又は「均一な」粒子とは、電子機器、例えば、次世代半導体部品、IC、LSIなどの半導体素子、コンピューターチップ、CPU、GPUなどのマイクロプロセッサなどの高い発熱密度及び/又はホットスポットの生成を示すようなものを、効率的に冷却することを実質的に実施できるものを指していてよく、その実質的に実施できるとは、長期にわたり使用できることを含んでいたり、あるいは当業者が実用上満足できると判断する程度を意味してよい。
【0016】
該マイクロスラッシュ窒素は、液体窒素の中に固体の窒素粒子を含んでいる固液二相からなる極低温の液体であり、且つ、固体窒素として存在しているものが少なくとも平均粒子径において2?5mmサイズより小さいものであるもの、例えば、固体窒素粒子あるいは結晶状窒素粒子の粒子径についてその平均粒子径が1.5mm以下であるもの、あるいは1.3mm以下、好ましくは、1.0mm以下、より好ましくは、0.8mm以下あるいは0.6mm以下、さらには0.5mm以下あるいは0.3mm以下、典型的な場合では、0.2mm以下、さらには0.1mm以下やミクロンオーダーのサイズであるものが挙げられる。さらに好ましい態様では、固体窒素として存在しているものが少なくとも平均粒子径において1?100μmサイズより小さいものであってよく、例えば、固体窒素粒子あるいは結晶状窒素粒子の粒子径についてその平均粒子径が50μm以下であるもの、あるいは10μm以下、好ましくは、1.0μm以下、より好ましくは、800nm以下あるいは500nm以下、さらには100nm以下あるいは50nm以下、さらには10nm以下やナノメーターオーダーのサイズであるものが挙げられる。
本発明の一つの態様では、該微粒子状固体窒素(あるいは結晶状窒素)を含有する液体混合物は、粒子体積分率が0.05?0.3であるもので、ある場合には、粒子体積分率が0.08?0.28であるもので、好適な場合、粒子体積分率が0.1?0.26であるもので、より好ましくは、0.125?0.25であるもので、特定の場合には、粒子体積分率が0.15?0.25であるものである。
【0017】
本発明技術で利用する当該マイクロスラッシュ窒素の生成法としては、液体窒素の流れあるいは過冷却された液体窒素の流れ(過冷却液体窒素流)を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却(atomization-cooling)に付すことにより行うことができる。当該マイクロスラッシュ流体の生成法は、液化ガスのスラッシュ固液二相流体(特には、マイクロスラッシュ固液二相流体)を生成することのできるものであって、極低温液体の流れの中心部あるいはその近傍に、当該極低温液体の流れと同方向あるいはほぼ同方向に、当該極低温液体の温度と同程度あるいはそれよりは低い温度の気体又は液体の流れを導入せしめ、気体と液体とを衝突せしめて微粒子を形成せしめること、あるいは性質の異なった液体同士を衝突せしめて微粒子を形成せしめることで行われる。当該導入せしめられる気体又は液体の流れは、高圧及び/又は高速で導入され、一般的には高圧且つ高速の条件下に導入される。当該導入せしめられる流れは、その出口部では、噴出流あるいはジェット流となっており、液体を微粒子化する作用を有するものである(微粒化噴出流あるいは微粒化ジェット流であってよい)。該高圧とは、所要の微粒化目的が達成できる限り、いかなる圧力も採用できる、また射出される出口(噴出口)の口径によっても適宜のものとされるが、例えば、5?10,000気圧とされることができ、ある場合には、10?1,000気圧、別の場合には、10?100気圧としたり、10?50気圧とすることができる。また、該高圧とは、噴出口からの所要の噴出流速が達成できるものであってもよい。該高速とは、噴出口からの噴出流速を指していてよく、例えば、5?850m/s、ある場合には、8?540m/s、別の場合には、10?250m/sあるいは12?100m/sとしたり、13?50m/sあるいは14?25m/sとすることができる。
【0018】
該液化ガスとしては、代表的には、常圧で-190℃以下の融点を有している物質を指していてよく、例えば、液体窒素、液体酸素、液体水素、液体アルゴンなどが挙げられてよく、液体窒素が好ましいものとして挙げられる。・・・」

(4)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願の優先日前に頒布された特開平8-298252号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載がある。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面のエアロゾル洗浄に関する。
【0002】表面洗浄は、たとえば、半導体メモリ、プリント回路、フラット・パネル表示装置、およびCD-ROMを製造する場合の重要ステップである。ウエーハ表面上の異物は、特に装置のサイズが小さくなると、製造プロセスの歩留まりに直接的影響を及ぼす。IC表面はごくわずかなナトリウムイオン単原子層で汚染されていても、回路の故障原因になりうるほどである。
【0003】
【従来の技術】半導体工業において回路の微細化が進んでおり、ICに欠陥を生じうる最小汚染パーティクルのサイズはますます小さくなっている。たとえば、次世代半導体装置のデザインルールは0.35μm以下で、このサイズは既存の多くの洗浄技術の除去能力を超えている。広く容認されている規準によると、製作プロセスの工業化上デザインルールの1/10のオーダーの異物を除去する必要がある。したがって、次世代半導体ウエーハの表面からは、表面洗浄プロセスで0.03μmのサイズの異物を除去する必要がある。」

イ 「【0013】極低温の固体アルゴン粒子のエアロゾルも基板表面の洗浄に使われている。McDermottらは(両方とも引用により本明細書中に取り入れる米国特許第5,209,028号と米国特許第5,062,898号において)、アルゴンの液化温度以上の温度にある加圧されたガス状アルゴン含有気流を膨張、固化させ凍結アルゴン粒子のエアロゾルを形成する半導体ウエーハ洗浄装置を開示している。得られたエアロゾルは洗浄対象のウエーハ表面に噴出される。窒素キャリアガスを用いてアルゴン粒子を加速するのが好ましい。・・・
【0019】本発明による洗浄は、基板や基板上の形態を損傷することなく、微粒子、有機被膜および金属系汚染物など広範囲の異物を基板表面から除去できる。本発明によりえられる高速エアロゾル粒子は、パーティクルだけでなく有機被膜(たとえば、硬くベーキングされたホトレジストやイオン注入されたホトレジスト)や金属汚染物も除去できる。ガスはエアロゾル粒子とは別に加速され、音速や超音速にもなるので、他の方法より高速が得られると考えられている。エアロゾル粒子の凝固点以上のガスを用いると、高い膨張比がえられ高速エアロゾル流がえられる。」

ウ 「【0041】図2について説明すると、典型的な表面処理操作時に以下の各ステップは行われる。固体または液体のエアロゾル粒子を発生させる(ステップ21)。エアロゾル粒子を同伴するのに用いられるガス流が供給される(ステップ23)。エアロゾル粒子を同伴するのに用いられるガスを少なくとも音速に加速する(ステップ25)。同伴エアロゾルは基板表面の除去対象の異物に対し噴出する(ステップ27)。エアロゾル粒子同伴ステップ(ステップ29)は、それぞれ図2Aと2Bに示すように、同伴ガスが音速以上に加速される前または後に行われる。
【0042】本発明者らは、エアロゾル粒子の発生ステップと加速ステップを分離することにより各ステップを最適化でき、洗浄効果を向上できることを実現した。粒子の速度、密度およびサイズ等の洗浄条件を注意して選択すると、異物が表面から完全に除去され、表面に再付着しないことを保証できる。この技術を用いると十分高い粒子速度が実現でき、基板や基板上の形態(features)を傷つけずに基板表面から多種類の異物を除去できる。
【0043】基板14(図1)は過剰な冷却と基板上の構造的表面形態の損傷を避けるために加熱してもよい。基板を加熱すると衝突微粒子の再付着を防止するのに役立ち、さらに衝突エアロゾル粒子の昇華にも役立つ。基板の加熱は基板に直接熱的に接触している基板ホルダーの抵抗加熱で行ってもよい。」

エ 「【0081】エアロゾル発生
エアロゾルの形成に使用する液体は、単独でも使用できるし、あるいはキャリアガスや希釈媒体としても役立つ高純度窒素のような別の高純度ガスと混合して使用することもできる。キャリアガス(たとえば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素、アンモニア、およびオゾン、あるいはこれらのガスの種々の組み合わせ)を使う場合は、キャリアガスは凍結エアロゾル粒子を加速するために気相にとどまっている方が好ましい。窒素、ヘリウム、または水素などの高純度物質の追加は、希釈媒体としても役立ち、希釈媒体は液体流を迅速に蒸発させたり小滴に分割して凍結エアロゾル粒子のサイズや速度を制御する手段にもなる。
【0082】1実施例において、洗浄対象の基板表面から異物を除去するためにアルゴン含有エアロゾルが使われる。アルゴンは不活性物質で半導体ウエハやマイクロエレクトロニクス回路に対し無害である。また、アルゴンは高純度のものを経済的に製造することができる。アルゴンを用いた実施例では、予冷されたアルゴンあるいはアルゴン含有混合物の温度は通常85乃至110゜Kの範囲にあり、圧力は20乃至150psiの間に維持されている。粒子直径は0.5μmと10μmの間に制御されるのが好ましく、粒子速度は10-300m/秒が好ましい(汚染物と基板の特性に依存する)。少なくとも部分的に凍結したアルゴン粒子のエアロゾル形成においては、図12の温度対エントロピー(TS)図表で点Bとして示しているように、液化温度に非常に近い温度まで予冷される。オリフィスを通って断熱膨張するとガスはさらに冷えて過冷却になる(TS図表のラインBCを見よ)。温度(83.8゜K未満)および圧力(0.68気圧以下)のある条件下で、過冷却によりホモジニアスまたはヘテロジニアスな核化を生じさせることができ、結果として凝縮と凍結アルゴン粒子の形成をもたらす。」

4 対比・判断
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「半導体ウエハ」、「基板」及び「フォトレジスト」は、本願発明の「半導体ウエハー」、「基体」及び「レジスト」にそれぞれ相当する。

イ 引用発明は、「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板の表面」から「基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かし(displace)、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する方法」であるところ、「亀裂を生じたフォトレジストを動かす(displace)こと」は、本願発明のレジストをはく離することに相当し、また、「半導体ウエハなどの」「基板表面に付着されたフォトレジストを」「除去する」ことは、本願発明の半導体ウエハー洗浄に相当する。
したがって、引用発明の、「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板の表面」から「亀裂を生じたフォトレジストを動かす(displace)ことを含み、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する方法」は、本願発明の「表面にレジストを有している基体からレジストをはく離・除去する半導体ウエハー洗浄法」に相当する。

ウ 引用発明は、「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板」を、「プラテンまたはプラットフォームなどの支持部材上で加熱するために配置され、前記プラテンを170℃?280℃の範囲に加熱し、熱はプラテンから基板に伝えられて、結果的に基板は170℃?280℃の温度に加熱され」る「加熱段階」を実施するから、「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板」を、170℃以上の温度に加熱する「加熱段階」を実施するものであるといえる。
したがって、引用発明の、「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板」を、「プラテンまたはプラットフォームなどの支持部材上で加熱するために配置され、前記プラテンを170℃?280℃の範囲に加熱し、熱はプラテンから基板に伝えられて、結果的に基板は170℃?280℃の温度に加熱され」る「加熱段階」を実施することは、本願発明の「レジストを有している基体を100℃以上に加温又は加熱せしめ」る点に相当する。

エ 引用発明の「亀裂又は割れ目を発生させたクラスト及びバルクレジストの除去」は、「エーロゾルまたは流体ジェットを使用」するものであって、「前記エーロゾルは気体中に取り込まれた固体粒子からなり、前記固体粒子は、アルゴン、窒素、二酸化炭素またはその組み合わせなどの極低温粒子であり」、「前記エーロゾルは、極低温エーロゾルの極低温スプレーであって、前記エーロゾルスプレーまたは流体ジェットは極低温剤または流体、たとえば二酸化炭素、アルゴン、窒素またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む極低温ガスであ」り、また、「前記流体ジェットは基板に向けた液体または気体の流れを含み」、「加熱段階と、エーロゾルまたは流体ジェット適用段階を同時に実施する」ことにより、「基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かし(displace)、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する」ものであるから、170℃以上の温度に加熱した「その基板表面に付着されたフォトレジストを有」する「半導体ウエハなどの基板」に、アルゴンを含む極低温ガスに取り込まれた窒素の極低温粒子からなる「エーロゾル」により、「基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かし(displace)、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する」(洗浄)媒体として使用するものであるといえる。
ここで、アルゴンを含む極低温ガスは、本願発明における「極低温不活性ガス」に相当する。
したがって、引用発明の、「エーロゾルまたは流体ジェットを使用」するものであって、「前記エーロゾルは気体中に取り込まれた固体粒子からなり、前記固体粒子は、アルゴン、窒素、二酸化炭素またはその組み合わせなどの極低温粒子であり」、「前記エーロゾルは、極低温エーロゾルの極低温スプレーであって、前記エーロゾルスプレーまたは流体ジェットは極低温剤または流体、たとえば二酸化炭素、アルゴン、窒素またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む極低温ガスであ」り、また、「前記流体ジェットは基板に向けた液体または気体の流れを含み」、「加熱段階と、エーロゾルまたは流体ジェット適用段階を同時に実施する」ことにより、「基板から亀裂を生じたフォトレジストを動かし(displace)、パターニングするために基板上にフォトレジストをもつ基板表面からフォトレジストを除去する」「亀裂又は割れ目を発生させたクラスト及びバルクレジストの除去」と、本願発明の、「加温又は加熱された半導体ウエハー表面上のレジストに対して極低温不活性ガスと過冷却液体窒素の二流体により生成され、固体粒子が平均粒子径10μm以下であり且つ流速15m/s又はそれ以上の流速である極低温マイクロ・ナノソリッド窒素噴霧ジェット流を衝突させ、当該極低温マイクロ・ナノソリッド窒素噴霧ジェット流をレジスト洗浄媒体として使用すること」とは、「加熱された半導体ウエハー表面上のレジストに対して極低温不活性ガスと窒素の固体粒子である極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流を衝突させ、当該極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流をレジスト洗浄媒体として使用すること」である点で一致する。

オ したがって、両者は、
「表面にレジストを有している基体からレジストをはく離・除去する半導体ウエハー洗浄法において、
前記レジストを有している基体を100℃以上に加温又は加熱せしめ、
該加熱された半導体ウエハー表面上のレジストに対して極低温不活性ガスと窒素の固体粒子である極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流を衝突させ、当該極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流をレジスト洗浄媒体として使用する半導体ウエハー洗浄法。」
である点で一致し、下記点で相違する。

カ 本願発明の「レジスト洗浄媒体」の「極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流」をなす「固体粒子」は、「極低温不活性ガスと過冷却液体窒素の二流体により生成され」るものであって、「平均粒子径10μm以下(すなわち、「マイクロ・ナノ(ソリッド)」である)であり且つ流速15m/s又はそれ以上の流速で」で流れるものであるのに対して、引用発明の「エーロゾル」の極低温ソリッド窒素噴霧ジェット流をなす「固体粒子」は、生成方法、平均粒子径、及び、流速が特定されない点で相違する(以下「相違点」という)。

(2)判断
ア 上記相違点について検討する。
(ア)「レジスト洗浄媒体」の「固体粒子」の平均粒子径、及び、流速について検討する。
a 引用文献4には、「極低温の固体アルゴン粒子のエアロゾルも基板表面の洗浄に使われてい」て、「高速エアロゾル粒子は」、「硬くベーキングされたホトレジストやイオン注入されたホトレジスト」「も除去でき」、「基板は基板に直接熱的に接触している基板ホルダーの抵抗加熱で加熱し」つつ、「エアロゾル粒子を同伴するのに用いられるガスを少なくとも音速に加速」して「基板表面の除去対象の異物に対し噴出する」ものであって、「粒子の速度、密度およびサイズ等の洗浄条件を注意して選択すると、異物が表面から完全に除去され、表面に再付着しないことを保証でき」、「アルゴン含有エアロゾル」は「汚染物と基板の特性に依存」して、「粒子直径は0.5μmと10μmの間に制御され」、「粒子速度は10-300m/秒」である「回路の微細化が進ん」だ「ウエーハ表面」の「エアロゾル洗浄」方法が記載されている(上記3(4))。

b したがって、引用発明を実施するに際して、「エーロゾル」の「固体粒子」の平均粒子径、及び、流速は、「汚染物と基板の特性に依存」して適宜定めるべきものであるといえるところ、引用文献4の上記aの「エアロゾル粒子」についての記載を参酌して、「粒子直径は0.5μmと10μmの間に制御され」、「粒子速度は10-300m/秒」となすことに格別の困難性はない。

(イ)次に、「固体粒子」の生成方法について検討する。
a 引用文献2には、液化ガスである過冷却液体窒素流を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却に付すことにより行う、前記液化ガスは、液体窒素、液体酸素、液体水素、液体アルゴンなどであり、粒子径がミクロンオーダーのサイズである、液化ガスのスラッシュ固液二相流体によるマイクロスラッシュ流体の生成法(上記3(2))が、また、引用文献3には、液化ガスである過冷却液体窒素流を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却に付すことにより行う、前記液化ガスは、液体窒素、液体酸素、液体水素、液体アルゴンなどであり、平均粒子径において1?100μmサイズより小さいものである、液化ガスのスラッシュ固液二相流体によるマイクロスラッシュ流体の生成法(上記3(3))が記載され、平均粒子径がミクロンオーダーのサイズないし1?100μmサイズより小さい、窒素、酸素、水素、アルゴンなどの固体粒子の製造方法として、過冷却液体窒素(酸素、水素、アルゴン)流を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却に付すことにより行う、液化ガスのスラッシュ固液二相流体によるマイクロスラッシュ流体の生成法は従来周知の技術であったといえる。

b そうすると、引用発明の「エーロゾル」のアルゴン固体粒子の平均粒子径、及び、流速を、引用文献4の上記(ア)aの記載を参酌して、「粒子直径は0.5μmと10μmの間に制御され」、「粒子速度は10-300m/秒」とするに際して、引用発明の「エーロゾル」のアルゴン固体粒子の生成方法として、上記aの従来周知の技術のマイクロスラッシュ流体は、具体的用途が引用発明とは相違しているものの、引用発明の「エーロゾル」の「アルゴン固体粒子の生成方法」として採用することを阻害する格別の事由はみあたらないから、上記aの従来周知の技術の平均粒子径がミクロンオーダーのサイズないし1?100μmサイズより小さい、窒素、酸素、水素、アルゴンなどの固体粒子の製造方法である、過冷却液体窒素(酸素、水素、アルゴン)流を極低温のヘリウムガスの流れの作用で微粒化噴霧冷却に付すことにより行う、液化ガスのスラッシュ固液二相流体によるマイクロスラッシュ流体の生成法を適用することに技術的困難はなく、引用発明に、引用文献2、3に記載された上記aの従来周知の技術のマイクロスラッシュ流体の生成法を適用しつつ、引用文献4の上記(ア)aの記載を参酌した平均粒子径、及び、流速となして本願発明に係る上記相違点の構成となすことに格別の困難はない。

イ 小括
上記アでの検討によれば、引用発明及び引用文献2ないし4に記載の事項に基づいて、相違点に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になしうる程度のことと認められる。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし4に記載の事項に基づいて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-08-28 
結審通知日 2015-09-01 
審決日 2015-09-16 
出願番号 特願2010-144729(P2010-144729)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 創  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 松川 直樹
井口 猶二
発明の名称 マイクロ・ナノソリッド利用型半導体洗浄システム  
代理人 特許業務法人 英知国際特許事務所  

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