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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C09D
管理番号 1307641
審判番号 不服2014-6572  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-09 
確定日 2015-11-11 
事件の表示 特願2011-510041号「ガスバリアコーティング」拒絶査定不服審判事件〔平成21年11月26日国際公開、WO2009/141605、平成23年9月15日国内公表、特表2011-525200号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2009年5月19日(パリ条約による優先権主張 2008年5月19日 (NL)オランダ国)を国際出願日とする出願であって、平成25年7月1日付けの拒絶理由の通知に対して同年11月7日付けで意見書および手続補正書が提出され、同年12月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成26年4月9日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに同日付けで手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成26年4月9日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
ガスバリアコーティングを調製するための組成物であって、
上記の組成物は、ポリビニルアルコール及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体及び/又はそれ(ら)のシリル化された誘導体の水性の溶液又は分散物、
コロイド状のシリカの懸濁物、上記のシリカが300m^(2)/gと比べてより大きい比表面積を有すること、及び
アルカリ金属のケイ酸塩を備える、組成物。」

3.拒絶査定の理由(概要)
拒絶査定は、「本願請求項1ないし13に係る発明は、引用文献3(国際公開第2007/049147号)(主引用例)、引用文献2(特開2002-307599号公報)、引用文献1(特開2002-308617号公報)記載の発明に基いて当業者であれば容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、拒絶すべきものと認められる。」旨を理由の一つにするものである。

4.引用例の記載事項
(4-1).拒絶査定の拒絶理由において引用文献3として引用された国際公開第2007/049147号(以下、「引用例1」という。)の記載事項
(ア)請求項1
「1. A coating composition comprising a silylated polyvinyl alcohol, a colloidal silica and a water-dispersible or water-soluble aminoplast resin in an aqueous vehicle. 」
『【請求項1】
シリル化ポリビニルアルコール、コロイドシリカ、及び水分散性又は水溶性アミノプラスト樹脂を水性ビヒクル中に含んでなる、コーティング組成物。』(当審注:各摘示事項の翻訳文については、引用例1の内容を国内公表した公表特許公報である特開2009-513767号公報の該当箇所の記載を援用し『』にて併記する。以下同じ。)(公表特許公報第2頁第1?4行)

(イ)公報第2頁第22?26行
「We have now surprisingly found that compositions of the type disclosed in EP 0 123 927, when enhanced with an aminoplast resin, e.g. a melamine-formaldehyde resin, have excellent gas barrier properties and so can be used as components of packaging materials for foodstuffs, pharmaceuticals and other materials that need to be protected from the atmosphere. 」(当審注:空白行については、行数としてカウントしていない。以下同じ。)
『【0007】
発明者らは、欧州特許第0123927号に開示のこの種の組成物が、驚くべきことに、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト樹脂によって強化されると、優れたガスバリア特性を有して、大気からの保護を必要とする食料品、医薬品及び他の材料の梱包材の構成成分として用いうることを見出した。』(公表特許公報第5頁第35?39行)

(ウ)公報第5頁下から第6行?同第6頁第9行
「Dispersed through the silylated polyvinyl alcohol is a particulate silica. This is used in the coating composition of the present invention as a colloidal silica. The amount of the silica used, whilst important to the achievement of the best results, is not critical to the present invention.. On the one hand, if too little is present, the beneficial effect may be too small to be of much practical benefit. On the other hand, if too much is present, it will adversely affect the properties of the film on which it is coated. The amount should preferably not exceed 50% of the dry weight of the coating comprising the silylated polyvinyl alcohol and the colloidal silica, more preferably it should not exceed 40% of the dry weight of the coating comprising a silylated polyvinyl alcohol and the inorganic compound. On the other hand, we prefer that the amount should not be less than 5% of the dry weight of the coating comprising a silylated polyvinyl alcohol and the inorganic compound. More preferably, the amount is from 10 to 50% of the dry weight of the coating comprising a silylated polyvinyl alcohol and the inorganic compound. The nature of the colloidal silica is not critical to the present invention. For example, the colloid may be acid or alkaline. 」
『【0019】
シリル化ポリビニルアルコール中には粒状シリカを分散する。これは本発明のコーティング組成物においてコロイドシリカとして用いる。使用するシリカの量は、最高の結果をもたらすために重要ではあるが、本発明に特に重大ではない。一方では、存在量が過少であると有益な効果も非常に小さく、あまり実用上の利点がない可能性がある。他方、存在量が過多であると、むしろコーティングされるフィルム特性に悪影響を与える。この量は、好適には、シリル化ポリビニルアルコール及びコロイドシリカを含んでなるコーティングの乾燥重量の50%を超えてはならず、より好適には、シリル化ポリビニルアルコール及び無機化合物を含んでなるコーティングの乾燥重量の40%を超えてはならない。他方、発明者らにおいては、この量がシリル化ポリビニルアルコール及び無機化合物を含んでなるコーティングの乾燥重量の5%を下回らないことが好適である。より好適には、この量は、シリル化ポリビニルアルコール及び無機化合物を含んでなるコーティングの乾燥重量の10?50%である。コロイドシリカの性質は、本発明に特に重大ではない。例えば、コロイドは酸性でもアルカリ製でもよい。』(公表特許公報第7頁第23?36行)

(エ)公報第6頁第14?16行
「The particle size of the silica should preferably be from 5 to 80nm, more preferably from 5 to 50nm, still more preferably from 5 to 40nm and most preferably from 10 to 30nm. 」
『【0021】
シリカの粒径は、好適には5?80nm、より好適には5?50nm、さらにより好適には5?40nm、最も好適には10?30nmである。』(公表特許公報第7頁第41?43行)

(オ)公報第8頁第12?14行
「The invention still further provides a packaged foodstuff, pharmaceutical or other material sensitive to the atmosphere, wherein the packaging comprises a gas barrier lamella of the present invention. 」
『【0030】
本発明は、またさらに、パッケージされた大気に敏感な食料品、医薬品又は他の材料を提供し、このパッケージには本発明のガスバリアラメラを含んでなる。』(公表特許公報第8頁第47?49行)

(カ)公報第10頁下から第6行?同第11頁第6行
「Example 5 (comparative)

Aluminium oxide/polyester substrate coated with PVA with silyl-groups and melamine- formaldehyde resin

A coating was prepared by blending 3.0g of isopropyl alcohol with 13.Og of water, 33.8g of a 7.25% (w/w) solution of the PVA described in Example 3, and 0.25g of Maprenal 920w/75WA. This coating was applied to the aluminium oxide/polyester substrate at a wet coating film weight of 10-12 [mu]m and air dried. The laminate was formed in the usual manner.

Before retort, the oxygen transmission rate was less than 0.1 cm3/m2/24h and the bond strength test resulted in film tear of the polyester. After retort, some tunnelling of the laminate was observed and the bond strength was measured at 2.2 N/15mm. The oxygen transmission of the retorted laminate was measured at 0.15 cm3/m2/24h. 」
『【0040】
<実施例5(比較)>
(シリル基及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂を有するPVAでコーティングされた酸化アルミニウム/ポリエステル基板)
イソプロピルアルコール3.0gと水13.0g、実施例3に記載の7.25%(w/w)PVA溶液33.8g、及びMaprenal 920w/75WA 0.25gを混合してコーティングを調製した。このコーティングを、10-12μmのウェットフィルム厚で、酸化アルミニウム/ポリエステル基板に塗布した。ラミネートを通常の方法で形成した。
【0041】
レトルト前、酸素透過率は0.1cm^(3)/m^(2)/24時間未満であり、結合強度試験によりポリエステルフィルムは断裂を生じた。レトルト後、ラミネートにいくつかの貫通が観察され、結合強度は2.2N/15mmと測定された。レトルトしたラミネートの酸素透過は0.15cm^(3)/m^(2)/24時間と測定された。』(公表特許公報第10頁第17?30行)

(キ)公報第11頁第7?13行
「Examples 6 to 11

Using the silylated PVA as described in Example 5, coatings were prepared with an alkaline colloidal silica with a nominal particle size of 15nm (Bindzil 40/220, ex. EKA) and the melamine-formaldehyde, Maprenal MF920w/75WA. The coating formulations and the results before and after retort of the formed laminates are shown in Table 1. Table 1 highlights the benefit of the inclusion of the melamine-formaldehyde resin into the silylated PV A/silica compositions. 」
『【0042】
<実施例6?11>
実施例5に記載のシリル化PVAを用い、名目粒度15nmのアルカリ性コロイドシリカ(Bindzil 40/220、ex.EKA)及びメラミン/ホルムアルデヒド(Maprenal MF920w/75WA)でコーティングを調製した。表1に、コーティング処方及び形成したラミネートのレトルト前後での結果を示す。表1においては、シリル化PVA/シリカ組成物中へのメラミン/ホルムアルデヒド樹脂包含の利点が明らかである。』(公表特許公報第10頁第31?38行)

(ク)公報第13頁第1?18行
「Notes to Table 1

Oxygen Transmission Rates were obtained at 23<0>C and 50%RH, using pure oxygen and are given as cm3/m2/24h.

Laminate Bond Strengths were measured on a Lloyd Instruments LRX Plus tensile tester. The results are quoted as the force required to separate the polyester film from the remainder of the laminate (15mm strips) at a peel rate of 250mm/min. In cases where the bond was sufficiently strong to cause the polyester film to tear then this is quoted as 'FT' (Film Tear).

Observation: this is a visual examination of the laminate after retort.

Examples 12 to 14

Coating formulations were prepared using a 7.7% solution of the silylated PVA as described in Example 5, a 50% aqueous solution of Maprenal 920/75 WA and a colloidal silica having acidic pH (Nanos AS30, ex. DKSH), reduced to 16.5% (w/w) solid content with water, "colloidal silica B". The coating compositions, along with the results for retorted laminates, are shown in Table 2.

Also, water filled pouches were formed by heat sealing 2 sections of the formed laminate. These pouches were retorted and a visual inspection of the retorted pouches was made; the observations are also included in Table 2.」
『【0044】
(表1の注記)
酸素通過速度は、23℃、相対湿度50%において純酸素を用い、cm^(3)/m^(2)/24時間の値で得た。ラミネート結合強度は、Lloyd Instruments社LRX Plus張力テスターで測定した。剥離速度250mm/分でラミネート残部(15mm切片)からポリエステルフィルムを分離するために必要な力として、結果を示す。結合が十分に強力なためにポリエステルフィルムに断裂が発生した場合は、「FT」(Film Tear)と示した。観察:レトルト後のラミネートの目視検査である。
【0045】
<実施例12?14>
実施例5に記載のシリル化PVAの7.7%溶液、Maprenal 920/75 WAの50%水溶液、及び酸性pH(Nanos AS30、ex. DKSH)を有し、水で固形物含有量を16.5%(w/w)に減じたコロイドシリカである”コロイドシリカB”を用い、コーティング処方を調製した。表2に、レトルトしたラミネートの結果と共に、コーティング組成物を示す。
【0046】
また、成形ラミネートの2辺を加熱し、水充填パウチを形成した。これらのパウチをレトルトし、レトルトしたパウチの目視検査を実施した。表2に、観察結果も含まれる。』(公表特許公報第11頁第27?44行)

(ケ)「



『 【表1】


』(公表特許公報第11頁)

(コ)「



『 【表2】


』(公表特許公報第12頁)

(4-2).拒絶査定の拒絶理由において引用文献2として引用された特開2002-307599号公報(以下、「引用例2」という。)の記載事項
(サ)「【請求項1】プラスチック材料からなる基材の片面もしくは両面に、M_(2)O・nSiO_(2)(但し、Mはリチウムまたはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で1?20の範囲を満たす数値)であるアルカリ金属ポリシリケートを主成分とするガスバリア性被膜層の単位面積あたりの蛍光X線(Kα線)強度がSi元素において2kcps以上、10kcps以下であることを特徴とするガスバリアフィルム積層体。
【請求項2】前記ガスバリア性被膜層内に、窒素化合物、水溶性高分子化合物、有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物が導入されていることを特徴とする請求項1記載のガスバリアフィルム積層体。
【請求項3】前記窒素化合物が、アミノ基含有シランカップリング剤を含むアミン類であることを特徴とする請求項2記載のガスバリアフィルム積層体。
【請求項4】前記水溶性高分子化合物が、糖類、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミンまたはそれらの誘導体から選ばれるいずれかの化合物であることを特徴とする請求項2記載のガスバリアフィルム積層体。」

(シ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品や電子部材等の非食品等の包装分野に用いられるガスバリアフィルム積層体に関し、特に高いガスバリア性を持つことで、大気中の酸素や水蒸気を遮断し、内容物の劣化・変質を抑制するガスバリアフィルム積層体に関するものである。」

(ス)「【0016】次いで、本発明のガスバリア性被膜層3について説明する。ガスバリア性被膜層は、高度なガスバリア性を付与し、温度依存性や湿度劣化を抑制することを目的とする。ガスバリア性被膜層としては、アルカリ金属ポリシリケートを主成分としている必要があり、アルカリ金属シリケートが、M_(2)O・nSiO_(2)(Mはリチウムまたはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で1?20の範囲を満たす数値)である必要がある。
【0017】上記のガスバリア性を有するアルカリ金属ポリシリケートの必須成分であるリチウムポリシリケートはLi_(2)O・nSiO_(2)(nはモル比)で表され、その溶液は水を溶媒とした一般に水ガラスと呼ばれるアルカリシリケート水溶液である。リチウム以外で1A族に属するアルカリ金属として、工業的には比較的安価なナトリウムやカリウムなどが一般的に多く使用されるが、リチウムを含まない単独または複数のアルカリ金属で構成されるアルカリシリケート水溶液の乾燥被膜では、高温高湿下で安定した高度なガスバリア機能は得らず、例えば、ナトリウム系ではガスバリア発現せず、カリウム系ではガスバリア発現するものの湿度依存性があるため高湿下で低下してしまう。
【0018】リチウムポリシリケートがガスバリア性材料、特に酸素バリア性を向上させる材料として有用であることは以前より知られている。しかし、リチウムポリシリケート単体でプラスチックフィルム上に被膜を形成すると、Li_(2)O・nSiO_(2)で表されるモル比がn≦5の範囲内でないと被膜の形成ができず、またn≦5の範囲で形成されたリチウムポリシリケート被膜も成膜時の乾燥による急激な収縮と被膜自体が柔軟性に欠けるため、低温で長時間ゆっくりと乾燥させなければ柔軟なプラスチック基材に追従できずに、クラック(ひび割れ)などのダメージが生じて酸素バリア性が低下してしまう。」

(セ)「【0019】この成膜性、柔軟性、濡れ性を付与するためにリチウムポリシリケートに窒素化合物および水溶性高分子化合物、有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物が導入されていることが好ましい。窒素化合物として、アンモニア、ハロゲン化アミン、金属アミド、金属イミン、アンモニウム塩類、硝酸塩などの無機塩類、シアン化合物等が挙げられるが、安定性、安全性、環境性、価格、アルカリシリケート水溶液との相溶性等を考えると水溶性の高いアミン類が好ましい。ポリアミン、ポリエチレンイミン、アミノエチル化樹脂などのエチレンイミン系ポリマーやアミン含有シランカップリング剤などである。特に、アミン含有シランカップリング剤はアミノ基の他にアルコキシシリル基をもつため、アルカリシリケートともなじみが良く、吸湿安定性などを考慮すると特に優れている。アミン化合物はリチウムシリケートに添加することにより成膜性、柔軟性の他に、分散性、液安定性、高温高湿化での吸湿劣化での吸湿劣化を大胆に改善することが出来る。」

(ソ)「【0020】水溶性高分子としては、分子量が1000?400000までの糖類、ポリビニルアルコールまたはこれらの誘導体などを指す。上記ポリビニルアルコールとは主原料である酢酸ビニルを重合、鹸化を行って得られるものであり、本発明で用いるポリビニルアルコールとしてはガスバリア性被膜の成膜性、柔軟性、相溶性、耐湿性を考慮し、重合度300?30000、ケン化度95mol%以上のものがより好ましい。また、ポリビニルアルコール誘導体には、水酸基以外に共重合変性することでアルコキシシリル基等を10mol%以下で導入された変性ポリビニルアルコールなどが含まれるが、リチウムポリシリケートの相溶性、吸湿劣化防止から、アルコキシシリル基が導入されたものがより好ましい。
【0021】アルカリ金属ポリシリケートと有機ケイ素化合物および窒素化合物、水溶性高分子の重合方法については周知の方法が使用でき特に限定しない。また、配合比はガスバリア性や被膜強度、耐水性などから、アルカリ金属ポリシリケート中のSiO^(2)(シリカ成分)重量比率が固形分全体の40%以上であることが好ましい。SiO^(2)(シリカ成分)が40%未満であると、リチウムポリシリケートが本来持つガスバリア性が発現しない。」

(タ)「【0034】〈ガスバリア性被膜液の調整〉リチウムシリケート水溶液(Li_(2)O・nSiO_(2)、モル比n=約5)の固形分調整した水溶液に、窒素化合物としてシランカップリング剤(チッソ(株)製「サイラエースS320」、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン)を溶解した水溶液をSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比になるように加えて攪拌、水溶性高分子としてシラン変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製「R-2105」、ケン化度約98.5mol%)を溶解した水溶液を加えて攪拌し、ガスバリア性被膜液を得た。」

(4-3).拒絶査定の拒絶理由において引用文献1として引用された特開2002-308617号公報(以下、「引用例3」という。)の記載事項
(チ)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 極性溶媒、乾式シリカ及び対アニオンとしてハロゲンイオンを持つカチオン性樹脂より変性乾式シリカ分散液を製造する方法において、該ハロゲンイオンの一部を水酸イオン及び弱酸の共役塩基よりなる群より選ばれる少なくとも一種のアニオンにイオン交換するイオン交換工程を含むことを特徴とする変性乾式シリカ分散液の製造方法。
【請求項2】 乾式シリカが、50m^(2)/g以上のBET法によって測定される比表面積を有する請求項1記載の変性乾式シリカ分散液の製造方法。
【請求項3】 シリカ濃度1.5重量%における光散乱指数が2.0以上となるように分散を行う請求項1記載の変性乾式シリカ分散液の製造方法。
【請求項4】 極性溶媒、乾式シリカ及びカチオン性樹脂により調製された変性乾式シリカ分散液をイオン交換工程に供してイオン交換を行う請求項1?3のいずれかに記載の変性乾式シリカ分散液の製造方法。
【請求項5】 カチオン性樹脂を予め極性溶媒に溶解したカチオン樹脂溶液をイオン交換工程に供してイオン交換を行った後、乾式シリカ及び必要に応じて極性溶媒と混合して変性乾式シリカ分散液を得る請求項1?3のいずれかに記載の変性乾式シリカ分散液の製造方法。」

(ツ)「【0007】ところで、コーティング組成物の製造に際し、コーティング機能を付与するためのバインダーとして、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアルコール、でんぷん類、ビニル系共重合体等の水溶性樹脂が配合される。」

(テ)「【0017】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる乾式シリカは、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼させて得られるものであり、「ヒュームドシリカ」とも称されている。一般に、乾式シリカは、BET法による比表面積が30?500m^(2)/gの範囲のものが入手可能であり、本発明において好適に使用できる。
【0018】特に、比表面積が50?500m^(2)/gの範囲の乾式シリカを用いることによって、透明性等の特性が向上したコーティング層を形性可能なコーティング組成物を得ることができ好ましい。
【0019】また、本発明において用いられる乾式シリカは、平均一次粒子径が5?60nmの範囲で、且つ平均凝集粒子径が10?1000nmの範囲であることが好ましい。即ち、上記乾式シリカの平均一次粒子径が5nmよりも小さい場合は乾式シリカ分散液中で不安定であり、60nmよりも大きい場合は、変性乾式シリカ分散液によるコーティング組成物を使用して形成されるコーティング層の透明性等の特性が低下する場合がある。
【0020】また、上記乾式シリカの平均凝集粒子径が10nmよりも小さい場合は、変性乾式シリカ分散液の粘度が高くなり過ぎ、これを使用したコーティング組成物の製造時に扱い難い場合がある。また、平均粒子径が1000nmよりも大きい場合は、変性乾式シリカ分散液或いはコーティング組成物においてシリカが沈降して相分離し易くなる場合があり、また、該コーティング組成物によって形成されるコーティング層の透明性も低下する。」

(ト)「【0030】先ず、乾式シリカは粉末状のものを用いても良いし、予め水などの極性溶媒中に微分散した乾式シリカのスラリーを用いても良い。また、カチオン性樹脂は、予め極性溶媒に溶解した溶液として使用することが好ましい。
【0031】分散方法としては、極性溶媒、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を混合した後、ホモジナイザー等のタービン・ステータ型高速回転式攪拌分散機、コロイドミル、超音波乳化機、高圧ホモジナイザーなどの分散機を用いて混合し、微分散せしめる方法が挙げられる。」

(ナ)「【0062】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発明の製造方法により得られる変性乾式シリカ分散液は、コーティング組成物を製造する際の凝集物の生成を極めて低レベルに抑制することが可能であり、ガスバリア性、耐食性、親水性、光沢性、吸液性等を付与するためのコーティング組成物の製造において、透明性、均質性に優れた安定なコーティング組成物を得ることができる。
【0063】上記コーティング組成物の具体的用途としては、ガスバリア用コーティング組成物、防錆用コーティング組成物、インジェット記録紙用のコーティング組成物などが挙げられる。」

5.引用例に記載された発明
(5-1).引用例1に記載された発明
(A)上記(イ)の「発明者らは、欧州特許第0123927号に開示のこの種の組成物が、驚くべきことに、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト樹脂によって強化されると、優れたガスバリア特性を有して、大気からの保護を必要とする食料品、医薬品及び他の材料の梱包材の構成成分として用いうることを見出した。」(【0007)】との記載、同(ケ)の【表1】の実施例6と7の対比、同実施例8と9の対比、同実施例10と11の対比からして、引用例1には、「メラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)が酸素バリア性を向上させるものである」ことが記載されているということができる。

上記(ア)ないし(コ)の記載事項及び上記(A)の検討事項より、引用例1には、「酸素バリアラメラを調製するための酸素バリアコーティング組成物であって、上記の酸素バリアコーティング組成物は、シリル化ポリビニルアルコール溶液、平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ及び酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)を含む、酸素バリアコーティング組成物。」(以下、「引用例1記載の発明」という。)が記載されているものと認める。

(5-2).引用例2に記載された発明
(B)上記(ス)の「リチウムポリシリケートがガスバリア性材料、特に酸素バリア性を向上させる材料として有用であることは以前より知られている。」(【0018】)との記載からして、引用例2には、「リチウムポリシリケートが酸素バリア性を向上させるものである」ことが記載されているということができる。

(C)上記(ソ)の「また、配合比はガスバリア性や被膜強度、耐水性などから、アルカリ金属ポリシリケート中のSiO_(2)(シリカ成分)重量比率が固形分全体の40%以上であることが好ましい。SiO_(2)(シリカ成分)が40%未満であると、リチウムポリシリケートが本来持つガスバリア性が発現しない。」(【0021】)及び同(タ)の「SiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比」(【0034】)との記載からして、引用例2には、「有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)」が記載されているということができる。

上記(サ)ないし(タ)の記載事項及び上記(B)(C)の検討事項より、引用例2には、「酸素バリア性被膜を形成するための酸素バリア性被膜液であって、上記の酸素バリア性被膜液は、シラン変性ポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子)、酸素バリア性を向上させるLi_(2)O・nSiO_(2)水溶液(nは1?20)(リチウムポリシリケート水溶液)、アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)及び有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)を含む、酸素バリア性被膜液。」(以下、「引用例2記載の発明」という。)が記載されているものと認める。

(5-3).引用例3に記載された発明
(D)上記(ト)の「先ず、乾式シリカは粉末状のものを用いても良いし、予め水などの極性溶媒中に微分散した乾式シリカのスラリーを用いても良い。・・・分散方法としては、極性溶媒、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を混合した後、・・・などの分散機を用いて混合し、微分散せしめる方法が挙げられる。」との記載からして、引用例3には、「乾式シリカを水などの極性溶媒及びカチオン性樹脂と混合して微分散させたスラリー状のシリカを用いる」ことが記載されているということができる。

(E)上記(ナ)の「ガスバリア性、耐食性・・等を付与するためのコーティング組成物」(【0062】)及び「上記コーティング組成物の具体的用途としては、ガスバリア用コーティング組成物、防錆用コーティング組成物・・などが挙げられる。」(【0063】)との記載からして、酸素をバリアすることで防錆が達成されるガスバリア用コーティング組成物が想定されているということができるので、引用例3には、「酸素バリア用コーティング組成物」が開示されているということができる。

上記(ト)ないし(ナ)の記載事項及び上記(D)(E)の検討事項より、引用例3には、「酸素バリア用コーティング層を形成する酸素バリア用コーティング組成物であって、酸素バリア用コーティング組成物は、一次粒子径が5?60nmで、比表面積が30?500m^(2)/gである乾式シリカを水などの極性溶媒およびカチオン性樹脂と混合して微分散させたスラリー状のシリカを含む、酸素バリア用コーティング組成物。」(以下、「引用例3記載の発明」という。)が記載されているものと認める。

6.対比・判断
本願発明と引用例1記載の発明とを対比する。
○引用例1記載の発明の「酸素バリアラメラ」、「コーティング組成物」、「シリル化ポリビニルアルコール溶液」、「平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ」及び「を含む」は、本願発明の「ガスバリアコーティング」、「組成物」、「ポリビニルアルコールのシリル化された誘導体の水性の溶液」、「コロイド状のシリカの懸濁物」及び「を備える」にそれぞれ相当する。

○引用例1記載の発明の「シリル化ポリビニルアルコール溶液、平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ及び酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)を含む」と、本願発明1の「ポリビニルアルコールのシリル化された誘導体の水性の溶液又は分散物、
コロイド状のシリカの懸濁物」「を備える」とは、「ポリビニルアルコールのシリル化された誘導体の水性の溶液、コロイド状のシリカの懸濁物」「を備える」という点で一致する。

上記より、本願発明と引用例1記載の発明とは、
「ガスバリアコーティングを調製するための組成物であって、上記の組成物は、ポリビニルアルコールのシリル化された誘導体の水性の溶液及びコロイド状のシリカの懸濁物を備える、組成物。」という点で一致し、以下の点で相違している。
<相違点1>
本願発明では、「アルカリ金属のケイ酸塩を備える」ことを発明特定事項にするのに対して、引用例1記載の発明では、「アルカリ金属のケイ酸塩を備える」かどうか明らかでない点。

<相違点2>
本願発明では、「シリカが300m^(2)/gと比べてより大きい比表面積を有する」を発明特定事項にするのに対して、引用例1記載の発明では、「シリカが300m^(2)/gと比べてより大きい比表面積を有する」かどうか明らかでない点。

以下、上記両相違点について検討する。
<相違点1>について
引用例1記載の発明は、上記「(5-1).引用例1に記載された発明」で示したものであり、一方、引用例2記載の発明は、上記「(5-2).引用例2に記載された発明」で示したものである。
ここで、
(i)引用例2記載の発明の「酸素バリア性被膜」、「形成」、「酸素バリア性被膜液」及び「シラン変性ポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子水溶液)」は、引用例1記載の発明の「酸素バリアラメラ」、「調製」、「酸素バリアコーティング組成物」及び「シリル化ポリビニルアルコール溶液」にそれぞれ相当し、
(ii)引用例2記載の発明の「アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)」と、引用例1記載の発明の「酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)」とは、「アミノ基含有窒素酸化物」という点で一致し、
(iii)引用例2記載の発明の「シラン変性ポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子水溶液)、酸素バリア性を向上させるLi_(2)O・nSiO_(2)水溶液(nは1?20)(リチウムポリシリケート)、アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)及び有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)」について、上記(セ)の「この成膜性、柔軟性、濡れ性を付与するためにリチウムポリシリケートに窒素化合物および水溶性高分子化合物、有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物が導入されていることが好ましい。」(【0019】)との記載からして、シラン変性ポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子水溶液)に対して加えられる「酸素バリア性を向上させるLi_(2)O・nSiO_(2)水溶液(nは1?20)(リチウムポリシリケート)、アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)及び有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)」は、一体のものであるということができ、また、このものは、酸素バリア性を向上させるLi_(2)O・nSiO_(2)水溶液(nは1?20)(リチウムポリシリケート)を包含していることからして、酸素バリア性を左右するものであるとみるのが妥当であり、
(iv)引用例1記載の発明の「シリル化ポリビニルアルコール溶液、平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ及び酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)」について、上記(ウ)の「シリル化ポリビニルアルコール中には粒状シリカを分散する。これは本発明のコーティング組成物においてコロイドシリカとして用いる。使用するシリカの量は、最高の結果をもたらすために重要ではあるが、本発明に特に重大ではない。」(【0019】)との記載、上記(ケ)の【表1】の実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11及び上記(コ)の【表2】のPET-AlO_(X)、実施例12、実施例13、実施例14のデータをみたとき、コロイドシリカが酸素バリア性に関与するものであるとしても、その程度は小さく、酸素バリア性を左右するものは、実質的に「メラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)」であるとみるのが妥当である。
上記(i)ないし(iv)からすると、引用例1、2記載の発明は、「酸素バリアラメラ(酸素バリア性被膜)を調製(形成)するための酸素バリアコーティング組成物(酸素バリア性被膜液)であって、シリル化ポリビニルアルコール溶液(シラン変性ポリビニルアルコール水溶液)及び酸素バリア性を左右するもの(以下、「酸素バリア性成分」という。)を含む、酸素バリアコーティング組成物。」という点で一致し、そして、両者は「酸素バリア性成分」を有していることから、「酸素バリア性を向上させることを課題(目的)とする」という点でも一致しているというべきである。
そうすると、引用例1記載の発明の「シリル化ポリビニルアルコール溶液、平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ及び酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)」における「酸素バリア性成分」としての「酸素バリア性を向上させるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂(アミノプラスト樹脂)」を、同一の課題(目的)を有する引用例2記載の発明の「酸素バリア性成分」としての「酸素バリア性を向上させるLi_(2)O・nSiO_(2)水溶液(nは1?20)(リチウムポリシリケート)、アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)及び有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)」に代えること、つまり、「シリル化ポリビニルアルコール溶液、平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ(コロイド状のシリカの懸濁液)、Li_(2)O・nSiO_(2)(アルカリ金属のケイ酸塩)、アミノ基含有シランカップリング剤(窒素化合物)及び有機ケイ素化合物(例えばLi_(2)O・nSiO_(2)中のSiO_(2)/有機ケイ素化合物=4/1重量比となる有機ケイ素化合物)を備える」ようにすることは、当業者であれば容易に想起し得ることである。
したがって、相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、引用例1、2記載の発明に基いて当業者であれば容易になし得ることである。

<相違点2>について
一般に、「珪酸アルカリ金属塩のアルカリ金属がコロイダルシリカ表面のシラノールを中和し、コロイダルシリカ同士の凝集を防ぐ」ことは、従前の周知技術(例えば、特開2006-175780号公報の特に【0021】参照)であることからして、上記「<相違点1>について」で検討したように、引用例1記載の発明において、「Li_(2)O・nSiO_(2)(nは1?20)(アルカリ金属のケイ酸塩)を備える」ようにする際、「平均粒度が5?80nmのコロイドシリカ」同士の凝集は防がれているとみるのが妥当である。
ここで、引用例3記載の発明は、上記「(5-3).引用例3に記載された発明」で示したように、「酸素バリア用コーティング層を形成する酸素バリア用コーティング組成物であって、酸素バリア用コーティング組成物は、一次粒子径が5?60nmで、比表面積が30?500m^(2)/gである乾式シリカを水などの極性溶媒およびカチオン性樹脂と混合して微分散させたスラリー状のシリカを含む、酸素バリア用コーティング組成物。」であり、これは、一次粒子径が「5?60nm」の範囲の下限側にあるとき、比表面積は「30?500m^(2)/g」の範囲の上限側にあることを示すものであるということができる。
そうすると、引用例1記載の発明において、凝集が防がれているコロイダルシリカの平均粒度が「5?80nm」の範囲の下限側にあるとき、引用例3記載の発明からして、比表面積は上限が500m^(2)/gである範囲の上限側にあるとみるのが妥当である。
したがって、相違点2は、実質的な相違点であるとはいえない。

<本願発明の効果>について
本願明細書の【0042】【表4】ないし【0045】【表6】におけるケイ酸リチウム(本願発明の発明特定事項)を備えたコーティングC15ないしC20の酸素透過率OTR(cm^(3)/m^(2)/24時間)(23℃/50%RH)が0.01、0.01、0.2、0.1、0.01、0.2であり、同300分水浸漬後の湿潤接着強度(N/15mm)が1.5、1.0、2.5、1.6、1.4、1.0であるところ、ケイ酸リチウムを備えないという点以外ではコーティングC15ないしC20とほぼ同等であるコーティングC12であっても、0.01のOTR、1.0の300分水浸漬後の湿潤接着強度を達成していることからして、ケイ酸リチウムを備えることによる本願発明の作用効果(OTR、300分水浸漬後の湿潤接着強度)が格別顕著なものであるとまではいえない。

<まとめ>
よって、本願発明は、引用例1ないし3記載の発明及び従前の周知技術に基いて当業者であれば容易に発明することができたものである。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、特許請求の範囲の請求項2ないし13に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-11 
結審通知日 2015-06-16 
審決日 2015-06-29 
出願番号 特願2011-510041(P2011-510041)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C09D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内藤 康彰  
特許庁審判長 山田 靖
特許庁審判官 橋本 栄和
豊永 茂弘
発明の名称 ガスバリアコーティング  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 大貫 進介  
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