• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61L
管理番号 1308092
審判番号 不服2014-4148  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-03-04 
確定日 2015-11-25 
事件の表示 特願2007-320712「軟組織修復にコラゲナーゼを使った組織癒合法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年8月7日出願公開、特開2008-178670〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 本願の経緯
本願は、平成19年12月12日(パリ条約による優先権主張 2006年12月13日 アメリカ合衆国)の出願であって、平成22年12月3日に手続補正書が提出され、平成24年10月30日付けで拒絶理由が通知され、平成25年4月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月28日に拒絶査定され、平成26年3月4日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年4月7日付けで前置審査の結果が報告され、当審において、同年8月29日に審尋され、平成27年2月26日に回答書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成26年3月4日付け手続補正書による補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容について
平成26年3月4日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第1項ただし書第4号の場合の補正であって、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前の
「半月板軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、前記処置は、
患者の前記半月板の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階、
を含む、コラゲナーゼ組成物。」
を、
「半月板軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、
前記コラゲナーゼ組成物は接着剤を含まず、
前記処置は、患者の前記半月板の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階を含む、コラゲナーゼ組成物。」
とする補正(以下、「補正事項1」という。)を含むものである。

2.補正の目的
補正事項1は、「前記コラゲナーゼ組成物は接着剤を含まず、」を発明特定事項として追加することを含むものであるが、これは、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「コラゲナーゼ組成物」について、その成分を「接着剤を含まない」ものに限定するものであって、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項である「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

3.独立特許要件
本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の場合に該当するから、同条第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合しているか否かを検討する。

(1)本件補正後の請求項係る発明
本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「補正発明」という。)は次のとおりである。
「半月板軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、
前記コラゲナーゼ組成物は接着剤を含まず、
前記処置は、患者の前記半月板の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階を含む、コラゲナーゼ組成物。」

(2)引用刊行物及びその記載事項
刊行物A:P.K.Bosら、“Specific Enzymatic Treatment of Bovine and Human Articular Cartilage Implications for Integrative Cartilage Repair”、ARTHRITIS & RHEUMATISM、2002年4月、46巻4号、976?985頁
刊行物A(原査定の引用文献1)は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物であることは明らかである。
ここで、刊行物Aには次の事項が記載されている。なお、刊行物Aは英語で記載されているところ、下記摘示はその訳である。

ア.「目的.関節軟骨損傷部端での軟骨細胞死と引き続く接合部領域でのマトリクス産生細胞の欠乏が、軟骨損傷治癒障害や不十分な統合的軟骨修復の主要原因であると考えられる。本研究は、酵素によるマトリクス消化が、軟骨損傷部端での生存軟骨細胞総量の局所的増加メカニズムによる統合的軟骨修復を刺激するために使用可能か否かを調査するためになされた。
方法.全層ウシ関節軟骨試料は、標準培地中で14日間in vitroで培養された。試料は、未処理のままか、0.3%ヒアルロニダーゼか30単位/ml高純度コラゲナーゼVIIで48時間処理された。核及び細胞質変化を分析して細胞生存能力を決定し、損傷部端の生存軟骨細胞数が測定された。続いて、我々は、該損傷部端での軟骨細胞密度の増加がより良い損傷治癒に帰結するか否かを調査した。最後に、全層ヒト脛骨プラトー軟骨外植片を同様の酵素処理プロトコールで試験して、我々の結果の臨床的価値を判断した。
結果.ウシ外植片において、軟骨細胞死の急襲が、全処理群での損傷部端で観察された。これは、未処理及びヒアルロニダーゼ処理外植片の該損傷部端から0-150μmの一帯で、軟骨細胞密度の低下を導いた。30単位/mlコラゲナーゼ処理は、この領域での軟骨細胞密度を有意に増加させる結果となった。統合実験では、コラゲナーゼ処理後に該損傷部端の統合が改善されることを証明した。ヒト関節軟骨において、コラゲナーゼ処理に先立ってプロテオグリカンが該損傷部端から枯渇されたときだけ、該損傷部端での軟骨細胞密度の増加もなし遂げられた。
結論.高純度コラゲナーゼ処理は、おそらく軟骨損傷部端で該細胞密度を増加させることによって、統合的軟骨修復を改善する。」(976頁摘要)

イ.「材料及び方法
組織培養.全層関節軟骨サンプルは、5匹の月齢6月の仔牛の中手指節関節から、屠殺後6時間以内に(……)、無菌条件下に4mmの皮膚生検パンチを使って(……)、摘出された。まず、軟骨が、6-10個の外植片ごとに新しい無菌生検パンチを徐々に押し出し、回転させることによって、関節表面から切断された。次に、鋭いメスを使い、軟骨下骨から遊離した該軟骨を切り出し、全層ディスクとした。外植片は培地中に集められ、湿潤重量が測定された。必要な場合、健康な提供者(年齢25歳、37歳及び39歳の従前関節疾患のない3人の提供者)からの脛骨プラトー軟骨の6mmの全層ディスク(死後12時間以内に検死解剖で得られる)が使用された。
該ディスクは、ランダムに治療群に分けられた。培養の前に、軟骨は、2%ウシ胎児血清(FCS)含有Dulbecco修正イーグル培地(DMEM)/Ham's F12培地中の、(a)酵素なし(対照)で、(b)0.3%ヒアルロニダーゼ(……)で、又は(c)30単位/ml高純度コラゲナーゼVII(シグマ)で48時間処理された。あるいは、軟骨は、0.1%ヒアルロニダーゼ続いて10単位/mlか30単位/mlコラゲナーゼで処理された(24時間ごと)。外植片は、その後完全に洗浄され、別々のウエルで、10%FCS及び25μg/mlアスコルビン酸を添加したDMEM/Ham's F12培地(……)中で14?28日間培養された。培地は、すべての実験で1週間に3回交換された。試料は、処理前(1時間以内)、酵素処理後(48時間)、及び7日、14日又は18日の培養後に取り出された。」(977頁左欄下から19行?右欄13行)

ウ.「図6.酵素処理なし(A)及び0.1%ヒアルロニダーゼ続いて10単位/mlコラゲナーゼでの連続処理後(B)のヒト関節軟骨外植片の損傷部端。外植片は、48時間処理され、14日間培養され、その後組織学分析のために固定化された。(チオニン染色;棒=?300μm)」(981頁右欄:説明部のみ)

エ.「細胞密度の増加がコラゲナーゼ活性の増加と相関するか否かを評価するために、我々は、損傷を受けたコラーゲンの割合を測定した(実験4)。損傷コラーゲンの有意な増加が、コラゲナーゼ単独で処理された外植片ではなく、ヒアルロニダーゼ処理後にコラゲナーゼで処理されたウシ外植片で観察された(図7)。これは、プロテオグリカン枯渇後にコラーゲンに対するコラゲナーゼの効果が増加することを示す。低用量コラゲナーゼ(10単位/ml)と比較して高用量コラゲナーゼ(30単位/ml)処理に起因するコラーゲン損傷の割合は増加しなかった。」(982頁左欄15?27行)

オ.「若いウシ組織で観察される該効果が成熟したヒト関節軟骨でも生じることをさらに実証するために、細胞密度に関する酵素処理の該効果がヒト脛骨プラトー軟骨で試験された。ヒト軟骨外植片において、ヒアルロニダーゼとコラゲナーゼの連続処理(実験5)は、ウシ試料で見いだされたものと同様の効果を有していた。損傷部端は、0.1%ヒアルロニダーゼ続いて10単位/mlコラゲナーゼ処理後に0-200μmの一帯でのチオニン染色の喪失を実証した(図6)。コラゲナーゼ処理は、プロテオグリカン枯渇損傷部端では未枯渇損傷部端と比較して、14日間の培養後に表面領域での生存細胞数が増加する結果となった(平均±標準偏差396±104細胞/mm^(2)対183±56細胞/mm^(2);P=0.05)。」(982頁左欄下から8行?右欄7行)

カ.「図7.ウシ外植片における損傷コラーゲンの割合。外植後に直接、又はコラゲナーゼ、0.1%ヒアルロニダーゼ続いて10単位/mlコラゲナーゼ(Hyal/coll10)、若しくは0.1%ヒアルロニダーゼ続いて30単位/mlコラゲナーゼ(Hyal/coll30)での酵素処理後に、外植片における変性コラーゲンの選択的タンパク質分解により測定(48時間の処理及び7日間の培養後)。値は4個の外植片の平均及び標準偏差。*=P≦0.05」(982頁右欄:説明部のみ)

(3)刊行物に記載された発明
上記摘示ア?カ並びに図6及び7の記載からみて、刊行物Aには、「ヒアルロニダーゼとコラゲナーゼで連続処理した関節軟骨外植片を使用することにより、関節軟骨の損傷部における軟骨細胞を増加させ、統合的軟骨修復を改善する」こと(以下、「刊行物発明」という。)が記載されている。

(4)対比
補正発明と刊行物発明とを対比する。
刊行物発明は、まず、関節軟骨における損傷部の処置法であるといえる。そして、その処置にヒアルロニダーゼとコラゲナーゼを使用するものであるところ、コラゲナーゼは10単位/ml又は30単位/mlの濃度の溶液で使用していることから(摘示イ参照)、これはコラゲナーゼ組成物といえる。
また、外植片を酵素処理することにより、関節軟骨の損傷部の治癒を促進させるものであることは明らかである。
そうすると、補正発明と刊行物発明とは、
「軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、
前記処置は、患者の前記軟骨の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階を含む、コラゲナーゼ組成物。」
の点で一致し、次の点で相違するものと言える。

相違点1:
補正発明は、軟骨が「半月板軟骨」と特定されているが、刊行物発明では「関節軟骨」である点

相違点2:
補正発明は、「前記コラゲナーゼ組成物は接着剤を含まず」と特定されているが、刊行物発明ではそのような特定がない点

相違点3:
補正発明は、コラゲナーゼ組成物を使用するものであるが、刊行物発明では、コラゲナーゼだけではなく、さらにヒアルロニダーゼも使用するものである点

(5)判断
ア.相違点1
本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物であることは明らかな特開2005-305162号公報(原査定の引用文献6。以下、「刊行物B」という。)には、
・半月板の欠損部と接触して配置するのに適した、生体適合性を有する組織修復スカフォールドを含む生体適合性を有する半月板修復デバイス(特許請求の範囲の請求項1や段落0008など)
・当該半月板修復デバイスには、生育可能組織として半月板組織を使用できること(段落0055、0058)
・生育可能組織は、当該生育可能組織の周囲の細胞外マトリックスからの組織のマイグレーションを容易にするためのマトリックス消化酵素と接触させることができ、当該マトリックス消化酵素として、コラゲナーゼなどを使用し得ること(段落0060)
が記載されている。
刊行物Bのこれらの記載からみて、半月板軟骨における欠損部又は損傷部の治療に、コラゲナーゼなどで酵素処理した半月板組織を使用できることは示唆されていると理解できる。
なお、コラゲナーゼなどでの酵素処理は周囲の細胞外マトリックスからの組織のマイグレーションを容易にするためであるところ、このことは、本願明細書に「コラゲナーゼは、一般的に塗布され欠損もしくは損傷表面でコラーゲンを消化し、それによって、軟骨細胞または線維軟骨細胞を動員する。次に、当該細胞は、欠損もしくは損傷部位に移動し、当該部位で、当該細胞は増殖し、新たな細胞外マトリックスを沈着させ、それによって、組織を癒合することができる、と考えられる。」(段落0009)と記載されていることと同趣旨であるといえる。
ここで、関節軟骨も半月板軟骨も同じ軟骨組織であり、無血管組織であることは当業者に自明のことであり、そして、そのような軟骨組織の治療に関し、刊行物Bに記載されているように、コラゲナーゼ等のマトリックス消化酵素を使用して細胞外マトリックスからの組織のマイグレーションを容易にすることによって半月板の欠損部の修復を図ることが知られていることを踏まえれば、刊行物Aのコラゲナーゼによる関節軟骨の修復に関する技術を、類似する軟骨組織である半月板軟骨の修復のために適用し、関節軟骨同様に欠損部又は損傷部の修復に有効であることを確認してみることは、当業者が容易になし得ることである。

イ.相違点2
刊行物Aの摘示イによれば、コラゲナーゼ(組成物)は、2%ウシ胎児血清(FCS)含有Dulbecco修正イーグル培地(DMEM)/Ham's F12培地中の、30単位/ml高純度コラゲナーゼVIIを使用するものであり、他に接着剤に該当する成分は含んでいない。
そうすると、両者はこの点で相違するものではない。

ウ.相違点3
本件補正後の特許請求の範囲において、請求項1を引用する請求項8では、
「請求項1に記載のコラゲナーゼ組成物において、
前記コラゲナーゼ組成物が、トリプシン、カゼイン(審決注:カゼイナーゼの誤記と認める。)、クロストリパイン、ヒアルロニダーゼ、およびそれらの組み合わせから成る群のうち少なくとも1種類の要素をさらに含む、コラゲナーゼ組成物。」
と特定されていることから、請求項1に係る発明、すなわち補正発明では、明記していないものの、ヒアルロニダーゼを含む態様も包含しているものといえる。
そうすると、刊行物発明がコラゲナーゼに加えてヒアルロニダーゼを使用することは、実質的に相違点であるとはいえない。

エ.効果について
本願明細書の実施例(段落0047?0054)には、半月板の慢性裂傷モデルを使った生体外試験について記載されており、ここではコラゲナーゼのみで処理した被験品はコラゲナーゼ処理をしていない被験品と比べて、3週間目では有意差がなく(段落0052)、6週間目でも両者の間の差は統計的に有意ではないとされている(段落0053)。すなわち、半月板軟骨損傷の治療にコラゲナーゼ組成物を使用することにより格別な効果を奏することは本願明細書の記載からは何ら確認できない。(このことは、刊行物Aにおけるコラゲナーゼ単独の処理では損傷部端の軟骨細胞密度を増加させなかったとする結果(摘示ア参照)と軌を一にするものである。)

(6)まとめ
補正発明は、刊行物A及びBに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。したがって、補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

4.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項の規定に違反しているものと認められるので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
上記第2で判断したとおり、本件補正は却下されるので、本願の請求項1?23に係る発明は平成25年4月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?23にそれぞれ記載された事項により特定される通りのものであり、このうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「半月板軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、前記処置は、
患者の前記半月板の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階、
を含む、コラゲナーゼ組成物。」

第4 本願発明についての判断
1.引用文献及びその記載事項
原査定の引用文献1は上記第2の3(2)で引用した刊行物Aであり、この引用文献1には同項で摘示したア?カの事項が記載されている。
そして、引用文献1には同(3)で認定した刊行物発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

2.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、同(4)で述べた点を踏まえると、両者は、
「軟骨における欠損部または損傷部の処置法での使用のためのコラゲナーゼ組成物において、
前記処置は、患者の前記軟骨の欠損部または損傷部に前記コラゲナーゼ組成物を塗布し、それによって、前記欠損部または前記損傷部の治癒を促進する段階を含む、コラゲナーゼ組成物。」
の点で一致し、次の点で相違するものと言える。

相違点1':
補正発明は、軟骨が「半月板軟骨」と特定されているが、刊行物発明では「関節軟骨」である点

相違点3':
補正発明は、コラゲナーゼ組成物を使用するものであるが、刊行物発明では、コラゲナーゼだけではなく、さらにヒアルロニダーゼも使用するものである点

ここで、相違点1'及び3'はそれぞれ同(4)で認定した相違点1及び3に対応するものであり、そして、これらの相違点についてはそれぞれ同(5)ア及びウで判断したことがそのまま妥当する。効果についても同(5)エで示したとおり、格別なものとは認められない。

そうすると、本願発明は、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願については、他の請求項について検討するまでもなく上記理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-23 
結審通知日 2015-06-30 
審決日 2015-07-13 
出願番号 特願2007-320712(P2007-320712)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61L)
P 1 8・ 575- Z (A61L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川嵜 洋祐原田 隆興  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 齊藤 光子
松浦 新司
発明の名称 軟組織修復にコラゲナーゼを使った組織癒合法  
代理人 加藤 公延  
代理人 大島 孝文  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ