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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1308278 |
審判番号 | 不服2014-9814 |
総通号数 | 193 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-05-27 |
確定日 | 2015-12-01 |
事件の表示 | 特願2010-538978「連続したバージョンのクリニカル判断支援システムの半自動的評価」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 7月 2日国際公開、WO2009/081306、平成23年 3月10日国内公表、特表2011-508301〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2008年(平成20年)12月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年12月21日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年12月8日付けで審査請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされ、平成25年2月22日付けで拒絶理由通知がなされ、同年8月30日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたが、平成26年2月21日付けで拒絶査定がなされたものである。 これに対して平成26年5月27日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。 第2 平成26年5月27日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の結論] 平成26年5月27日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 平成26年5月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 患者に関係する情報に基づいて患者のクリニカル判断推奨を生成する推論エンジンであって、複数の医療専門家により開発され、ソフトウェアにコード化される規則を有する前記推論エンジンであって、ソフトウェアに不正確にコード化された健全な規則のソフトウェアエラーを含む前記推論エンジンと、前記推論エンジンの潜在的不備の証拠となる外れ値ケースを検出する電子的外れ値検出器と、前記電子的外れ値検出器により検出される前記外れ値ケースに関係する情報を収集する外れ値データベースと、前記電子的外れ値検出器により検出された前記外れ値ケースについてのレポートを生成する外れ値レポート生成器であって、生成されたレポートが前記外れ値データベースに収集される少なくとも幾らかの情報を含む前記外れ値レポート生成器とを有する、電子的クリニカル判断支援システムであって、(i)外れ値ケースについてのレポートのレビューに基づいて前記ソフトウェアエラーを識別し、(ii)前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去する更新ソフトウェアを有する更新リリースを更に有する、電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項2】 前記電子的外れ値検出器は、(i)クリニカル判断推奨が前記推論エンジンにより生成されたがフォローされなかった、又は(ii)クリニカル判断推奨が前記推論エンジンにより生成されたが患者が悪い結果を持ったというこれら基準の少なくとも一つが当てはまるケースとして外れ値ケースを検出する、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項3】 前記電子的外れ値検出器が複数の連続する時間で記録された複数の患者結果を入力として受信し、少なくとも一つの記録された悪い患者結果を持つ如何なるケースも外れ値ケースとして検出される、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項4】 前記電子的外れ値検出器が、処方された患者治療を入力として受信し、前記処方された患者治療が前記推論エンジンにより患者に対して生成された前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なる如何なるケースも外れ値ケースとして検出される、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項5】 前記外れ値データベースは、処方された患者治療が前記推論エンジンにより患者に対して生成された前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なる理由に関する医者のコメントを収集する、請求項4に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項6】 前記外れ値データベースは、患者に対して前記推論エンジンにより生成されるクリニカル判断推奨と、患者に対して処方された患者治療と、患者に対する結果とを各患者に対して収集する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項7】 クリニカル判断規則に従ってクリニカル判断推奨を生成するソフトウェアを有する推論エンジンと、電子的外れ値検出器と、外れ値データベースと、更新リリースとを含む電子的クリニカル判断支援システムの動作の方法であって、前記推論エンジンにより患者ケースのクリニカル判断推奨を生成するステップと、前記推論エンジンが前記推論エンジンの一つ以上の潜在的不備の証拠となりそうなクリニカル判断推奨を生成した患者ケースのサブセットを有する外れ値ケースを前記電子的外れ値検出器により検出するステップと、前記外れ値ケースに関係する情報を前記外れ値データベースにより収集するステップと、前記更新リリースにより、(i)外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別し、(ii)前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去するステップとを有する、方法。 【請求項8】 前記検出するステップは、(i)患者結果が悪かったことと、(ii)処方された患者治療が前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なったこととの少なくとも一つが当てはまる患者ケースとして外れ値ケースを検出するステップを有する、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 請求項7又は8に記載の方法を実行するためプロセッサを制御するコンピュータコードを担持するコンピュータ可読媒体。」 (2)補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 患者に関係する情報に基づいて患者のクリニカル判断推奨を生成する推論エンジンであって、複数の医療専門家により開発され、ソフトウェアにコード化される規則を有する前記推論エンジンと、前記推論エンジンの潜在的不備の証拠となる外れ値ケースを検出する電子的外れ値検出器と、前記電子的外れ値検出器により検出される前記外れ値ケースに関係する情報を収集する外れ値データベースと、前記電子的外れ値検出器により検出された前記外れ値ケースについてのレポートを生成する外れ値レポート生成器であって、生成されたレポートが前記外れ値データベースに収集される少なくとも幾らかの情報を含む前記外れ値レポート生成器とを有する、電子的クリニカル判断支援システムであって、外れ値ケースについてのレポートのレビューに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも前記推論エンジンを更新する更新リリースを更に有する、電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項2】 前記電子的外れ値検出器は、(i)クリニカル判断推奨が前記推論エンジンにより生成されたがフォローされなかった、又は(ii)クリニカル判断推奨が前記推論エンジンにより生成されたが患者が悪い結果を持ったというこれら基準の少なくとも一つが当てはまるケースとして外れ値ケースを検出する、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項3】 前記電子的外れ値検出器が複数の連続する時間で記録された複数の患者結果を入力として受信し、少なくとも一つの記録された悪い患者結果を持つ如何なるケースも外れ値ケースとして検出される、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項4】 前記電子的外れ値検出器が、処方された患者治療を入力として受信し、前記処方された患者治療が前記推論エンジンにより患者に対して生成された前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なる如何なるケースも外れ値ケースとして検出される、請求項1に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項5】 前記外れ値データベースは、処方された患者治療が前記推論エンジンにより患者に対して生成された前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なる理由に関する医者のコメントを収集する、請求項4に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項6】 前記外れ値データベースは、患者に対して前記推論エンジンにより生成されるクリニカル判断推奨と、患者に対して処方された患者治療と、患者に対する結果とを各患者に対して収集する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項7】 少なくとも前記推論エンジンを更新する前記更新リリースは、(i)外れ値ケースについてのレポートのレビューに少なくとも部分的に基づいて、複数の医療専門家により開発された規則を更新し、(ii)更新された規則をソフトウェアにコード化することにより、生成された更新ソフトウェアを有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項8】 少なくとも前記推論エンジンを更新する前記更新リリースは、(i)外れ値ケースについてのレポートのレビューに少なくとも部分的に基づいて、複数の医療専門家により開発された規則を更新し、(ii)更新された規則をソフトウェアにコード化し、(iii)前記外れ値データベースの内容に対するソフトウェアを正当であると確認することにより、生成された更新ソフトウェアを有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項9】 前記推論エンジンはソフトウェアに不正確にコード化された健全な規則を有するソフトウェアエラーを含み、前記電子的クリニカル判断支援システムは、少なくとも前記推論エンジンを更新する更新リリースを更に有し、前記更新リリースは、(i)外れ値ケースについてのレポートのレビューに基づいて前記ソフトウェアエラーを識別し、(ii)前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去するように更新ソフトウェアを設定することにより生成された前記更新ソフトウェアを有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子的クリニカル判断支援システム。 【請求項10】 クリニカル判断規則に従ってクリニカル判断推奨を生成するソフトウェアを有する推論エンジンと、電子的外れ値検出器と、外れ値データベースと、更新リリースとを含む電子的クリニカル判断支援システムの動作の方法であって、前記推論エンジンにより患者ケースのクリニカル判断推奨を生成するステップと、前記推論エンジンが前記推論エンジンの一つ以上の潜在的不備の証拠となりそうなクリニカル判断推奨を生成した患者ケースのサブセットを有する外れ値ケースを前記電子的外れ値検出器により検出するステップと、前記外れ値ケースに関係する情報を前記外れ値データベースにより収集するステップと、外れ値ケースに関する情報に基づいて、少なくとも前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新するステップとを有する方法。 【請求項11】 前記検出するステップは、(i)患者結果が悪かったことと、(ii)処方された患者治療が前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なったこととの少なくとも一つが当てはまる患者ケースとして外れ値ケースを検出するステップを有する、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 前記外れ値ケースに関する収集された情報に基づいて検出された少なくとも一つの不備を訂正するために前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新するステップと、前記外れ値ケースに関係する前記収集された情報に対する更新された前記推論エンジンが正当であるかを前記更新リリースにより確認するステップとを更に有する、請求項10又は11に記載の方法。 【請求項13】 前記更新するステップは、前記外れ値ケースに関係する情報に基づいてクリニカル判断規則を更新するステップと、更新されたクリニカル判断規則に従ったクリニカル判断推奨を生成するように前記推論エンジンを再設定するステップとを有する、請求項12に記載の方法。 【請求項14】 前記更新するステップは、前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップと、前記推論エンジンから識別されたソフトウェアエラーを除去するステップとを有する、請求項12に記載の方法。 【請求項15】 請求項10乃至14の何れか一項に記載の方法を実行するためプロセッサを制御するコンピュータコードを担持するコンピュータ可読媒体。」 2 補正の適否について (1)補正の目的について 補正後の請求項1および7に係る発明は、補正前の請求項1および10に係る発明に対応し、補正後の請求項1および7に係る発明は、補正前の請求項1および10に係る発明に次の補正がなされたものである。 (a)補正前の請求項1の「推論エンジン」について、補正後の請求項1の「推論エンジン」に「ソフトウェアに不正確にコード化された健全な規則のソフトウェアエラーを含む前記推論エンジン」とする補正。 補正事項(a)について検討すると、補正後の「推論エンジン」は、補正前の「推論エンジン」について「ソフトウェアに不正確にコード化された健全な規則のソフトウェアエラーを含む」と限定するものである。 (b)補正前の請求項1の「外れ値ケースについてのレポートのレビューに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも前記推論エンジンを更新する更新リリースを更に有す」ことについて、補正後の請求項1の「(i)外れ値ケースについてのレポートのレビューに基づいて前記ソフトウェアエラーを識別し、(ii)前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去する更新ソフトウェアを有する更新リリースを更に有する、」とする補正。 補正事項(b)について検討すると、補正前の請求項に記載された「外れ値ケースについてのレポートのレビューに少なくとも部分的に基づ」くことについて、補正後の請求項で「外れ値ケースについてのレポートのレビューに基づいて前記ソフトウェアエラーを識別」することに限定するものであり、また、補正前の「少なくとも前記推論エンジンを更新する更新リリース」について補正後の請求項で「前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去する更新ソフトウェアを有する更新リリース」に限定するものである。 (c)補正前の請求項10の「外れ値ケースに関する情報に基づいて、少なくとも前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新するステップ」について、補正後の請求項7の「前記更新リリースにより、(i)外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別し、(ii)前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去するステップ」とする補正。 補正事項(c)につい検討すると、補正前の請求項の「外れ値ケースに関する情報に基づ」くことについて、補正後の請求項で「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」することに限定し、また、補正前の請求項の「少なくとも前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新する」ことについて、補正後の請求項で「前記推論エンジンから前記ソフトウェアエラーを除去する」ことに限定するものである。 (d)小括 したがって、上記補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定された「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものに該当する。 そこで、補正後の請求項に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。 (2)サポート要件について 補正後の請求項7に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、発明の詳細な説明に記載したものであるか否かについて検討する。 (a)発明の詳細な説明の記載について 本件補正発明の「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」することについて、発明の詳細な説明段落【0020】、【0044】乃至【0046】および【0049】に以下のとおり記載されている。(なお、下線は、当審において付与した。以下、同じ。) 「【0020】 図1を参照すると、電子的クリニカル判断支援システム10、12は、主操作部分10及びアップグレード部分12を含む。操作部分10は、クリニカル判断のためサポートを提供するため連続的に日ごとベースで操作する。アップグレード部分12は、関連した診断及び治療フィールドの開発で操作部分10を更新するため、操作部分10により検出される外れ値の分析に基づいて検出されたエラーを訂正するため、6ヵ月ごと、1年ごと、2年ごと等のように時折適用される。電子的CDSS10、12の操作部分10は、実質的に自動化されるが、患者データの手動入力、判断支援プロセスとの手動インタラクション等(例えば、CDSSにより示されるオプションの限られたセットの中からの手動選択)のような幾つかの手動インタラクションを組み込んでもよい。斯様な手動インタラクションは、操作CDSS部10により供給される幾つかの又はすべての推奨を採用しないとの治療している医者の選択と、オプションで、それらを採用しない理由の書面での又は口頭での説明を供給することを含んでもよい。電子的CDSS10、12のアップグレード部分12は、半自動であるが、複数の規則を有するCDSS規則データベース16を生成し、機会ごとに評価又はレビューする医療専門家(この用語は、グループ、集まり又は他の複数の医療専門家を含んで広く解釈されることを意図し、医療専門家は通常はライセンスされた医師であるが、医療的に関係のある分野で働いているライセンスされた看護婦、ライセンスがない医療従事者、エンジニア又は科学者や、学界、放射線専門家等から選ばれた専門家もオプションで含む)の委員会14により提供されたかなりの手動入力及び処理を含むプロセスを生成し、時々複数の規則から成る。加えて、アップグレード部分12は、CDSS規則データベース16をソフトウェアにコード化するソフトウェア部門18(この用語は、一人以上のコンピュータープログラマ、コンピューターサイエンスの専門家、コンピュータ分析者、データベースの専門家等の集まり、斯様な人々を含む組織、会社、又は斯様な人々を含む他のエンティティ含んで広く解釈されることを意図する)からのかなりの手動入力を含む。」 「【0044】 改訂プロセスは、CDSS10、12のアップグレード部分12により実行される。CDSS改訂プロセスの間、医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64と、最近の医療専門誌記事、委員会メンバーにより蓄積される新しい知識、新しく獲得したか又は新しくアクセス可能な医療機器に関する情報等のような他の利用できる情報とに基づいてCDSS規則データベース16の規則を改訂する。外れ値レポート64に基づいて、医療専門家の委員会14は、規則が、規則に従う治療推奨を作るために推論エンジン20により正しく実行されたが、医師が、規則により推奨されたものとは異なって(委員会14による判断より)より良好な治療を処方した特定の外れ値ケースによって明らかにされたように、医療的に健全でない規則を識別する。外れ値レポート64に基づいて、医療専門家の委員会14は、規則が、規則に従う治療推奨を作るために推論エンジン20により正しく実行され、医師が推奨された治療をフォローしたが、患者結果はそれにもかかわらず悪かった特定の外れ値ケースによって明らかにされたように、医療的に健全でない規則も識別する。 【0045】 従って、医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64に基づいて、医療的に健全ではあるがプログラミング部門18により正しくコード化されなかった規則を識別する。斯様な状況は、医者によりフォローされなかったか、又はフォローされたが悪い患者結果を作った治療推奨を推論エンジン20が作った特定の外れ値ケースにより、外れ値レポート18に証拠立てられる。外れ値レポート64により提供される患者情報をレビューすると、委員会は、CDSSにより生成される治療推奨が規則16に従っていないと判断する。このことは、次の改訂の間、ソフトウェア部門18により訂正されるべきコード化エラーを識別する。 【0046】 改訂プロセスの結果は、医療的に健全な規則の間違ったコード化を訂正するコード化訂正だけでなく、医療専門家の委員会14により開発された規則変更を具現化するCDSS改訂版リリース70である。CDSS改訂版リリース70は、不健全な規則又はコード化エラーを訂正するために、CDSSデータベース22及び推論エンジン20のソフトウェアでコード化されたCDSS規則データベースをアップグレードするために使用される。CDSS改訂版リリース70は、アップグレードされたユーザインターフェースダイアログ、スピードを増強するため改善されたコーディング、新しいハードウェアプラットフォームへの移行等のような他の変更も含んでもよい。」 「【0049】 概して過度に包括の外れ値検出規則を使用することにより、CDSS改訂プロセスは、 推論エンジンの不備の実際の証拠となる患者ケースに関する最終判断をする際の医療専門家の委員会14の見解を当てにする。このことは、これら医療専門家達が外れ値検出アルゴリズムにより考慮できない多くの因子を考慮し、治療する医者とのインタビューのような、常套手段まで容易に低減されない情報を考慮できるので、有利である。その上、医療専門家の委員会14は、激励されることなく自己レポート単独により得られる悪い結果のケースにおける多くの情報を得ることができる。外れ値レポート64の目的は、CDSSの現在のバージョンをレビューし改訂するとき、委員会14へその考慮のために高い価値のデータのコンパクトなセットを効率的に持ってくることである。その上、供給された外れ値は、委員会14により構築された規則からの相違している推奨がCDSSによりいつ供給したかを認識するのに医療専門家の委員会14が良く適しているので、コード化エラーを検出するのに有効である。」 (b)発明の詳細な説明に記載された発明と本件補正発明との対比 (i)上記段落【0020】の「図1を参照すると、電子的クリニカル判断支援システム10、12は、主操作部分10及びアップグレード部分12を含む。」および「電子的CDSS10、12のアップグレード部分12は、半自動であるが、複数の規則を有するCDSS規則データベース16を生成し、機会ごとに評価又はレビューする医療専門家(この用語は、グループ、集まり又は他の複数の医療専門家を含んで広く解釈されることを意図し、医療専門家は通常はライセンスされた医師であるが、医療的に関係のある分野で働いているライセンスされた看護婦、ライセンスがない医療従事者、エンジニア又は科学者や、学界、放射線専門家等から選ばれた専門家もオプションで含む)の委員会14により提供されたかなりの手動入力及び処理を含むプロセスを生成し、時々複数の規則から成る。」の記載によると、「電子的クリニカル判断支援システム」は、「医療専門家の委員会」を含んでいる。 (ii)また、上記段落【0045】の「医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64に基づいて、医療的に健全ではあるがプログラミング部門18により正しくコード化されなかった規則を識別する。」や「外れ値レポート64により提供される患者情報をレビューすると、委員会は、CDSSにより生成される治療推奨が規則16に従っていないと判断する。このことは、次の改訂の間、ソフトウェア部門18により訂正されるべきコード化エラーを識別する。」の記載、加えて、【0049】の「供給された外れ値は、委員会14により構築された規則からの相違している推奨がCDSSによりいつ供給したかを認識するのに医療専門家の委員会14が良く適しているので、コード化エラーを検出するのに有効である。」の記載にあるように、発明の詳細に記載された発明において、コード化エラーを検出すること、即ち「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」することは、「医療専門家の委員会」が行っている。 (iii)加えて、他に、「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」することについて、発明の詳細な説明に記載されていない。 (iv)それに対して、本件補正発明では、「クリニカル判断規則に従ってクリニカル判断推奨を生成するソフトウェアを有する推論エンジンと、電子的外れ値検出器と、外れ値データベースと、更新リリースとを含む電子的クリニカル判断支援システムの動作の方法であって」と記載されているように、「電子的クリニカル判断支援システム」は、「医療専門家の委員会」を備えていない。 (v)そうすると、本件補正発明では、「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」することは、「医療専門家の委員会」を備えていない「電子的クリニカル判断支援システム」により識別することとなり、「医療専門家の委員会」が「外れ値ケースに関する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別」する、発明の詳細な説明に記載された発明と異なる発明となっている。 (c)小括 そうすると、補正後の特許請求の範囲に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとは言えず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらす、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび 以上のとおり、本件補正発明は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 補正却下の決定を踏まえた検討 (1)本願発明 平成26年5月27日付けの手続補正書は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項14に係る発明は、平成25年8月30日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項10-12および14に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)(なお、下線は、当審において付与した。以下、同じ。) 「【請求項10】 クリニカル判断規則に従ってクリニカル判断推奨を生成するソフトウェアを有する推論エンジンと、電子的外れ値検出器と、外れ値データベースと、更新リリースとを含む電子的クリニカル判断支援システムの動作の方法であって、前記推論エンジンにより患者ケースのクリニカル判断推奨を生成するステップと、前記推論エンジンが前記推論エンジンの一つ以上の潜在的不備の証拠となりそうなクリニカル判断推奨を生成した患者ケースのサブセットを有する外れ値ケースを前記電子的外れ値検出器により検出するステップと、前記外れ値ケースに関係する情報を前記外れ値データベースにより収集するステップと、外れ値ケースに関する情報に基づいて、少なくとも前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新するステップとを有する方法。 【請求項11】 前記検出するステップは、(i)患者結果が悪かったことと、(ii)処方された患者治療が前記クリニカル判断推奨とは大幅に異なったこととの少なくとも一つが当てはまる患者ケースとして外れ値ケースを検出するステップを有する、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 前記外れ値ケースに関する収集された情報に基づいて検出された少なくとも一つの不備を訂正するために前記推論エンジンを前記更新リリースにより更新するステップと、前記外れ値ケースに関係する前記収集された情報に対する更新された前記推論エンジンが正当であるかを前記更新リリースにより確認するステップとを更に有する、請求項10又は11に記載の方法。 【請求項14】 前記更新するステップは、前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップと、前記推論エンジンから識別されたソフトウェアエラーを除去するステップとを有する、請求項12に記載の方法。」 (2)サポート要件について 平成23年12月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲について、平成25年2月22日付け拒絶理由通知において、 「理由B.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項7-9,12-15 当該請求項において、推論エンジンを更新をコンピュータが実行することが記載されているが、本願の発明の詳細な説明の段落[0044]-[0047]等には、医療専門家の委員会が規則を更新することが記載されている。 よって、請求項7-9,12-15に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。」 とし、平成23年12月8日付け手続補正書により補正された請求項14の 「【請求項14】 前記更新するステップは、前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップと、前記推論エンジンから識別されたソフトウェアエラーを除去するステップとを有する、請求項12に記載の方法。」 について特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとし、本願発明について、平成26年2月21日付け拒絶査定において 「・理由B(特許法第36条第6項1号)について 出願人が意見書において、「規則更新を具現化するのは、電子的クリニカル判断支援システム(CDSS)の改訂版リリース70(更新リリース)である」、と主張している点について検討する。 ・・・( 中 略 )・・・ したがって、上記記載から、「CDSS改訂版リリース70」が「医療専門家の委員会14」によって作成されたものであって、改訂された後の新しいCDSSを示すことは明らかであるから、出願人の上記主張は採用することができない。 よって、請求項1-15に記載のものは、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。」 としたものである。 以下、本願発明が、発明の詳細な説明に記載したものであるか否かについて検討する。 (a)発明の詳細な説明の記載について 本願発明の「前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップ」について、発明の詳細な説明段落【0020】、【0044】乃至【0046】および【0049】に以下のとおり記載されている。 「【0020】 図1を参照すると、電子的クリニカル判断支援システム10、12は、主操作部分10及びアップグレード部分12を含む。操作部分10は、クリニカル判断のためサポートを提供するため連続的に日ごとベースで操作する。アップグレード部分12は、関連した診断及び治療フィールドの開発で操作部分10を更新するため、操作部分10により検出される外れ値の分析に基づいて検出されたエラーを訂正するため、6ヵ月ごと、1年ごと、2年ごと等のように時折適用される。電子的CDSS10、12の操作部分10は、実質的に自動化されるが、患者データの手動入力、判断支援プロセスとの手動インタラクション等(例えば、CDSSにより示されるオプションの限られたセットの中からの手動選択)のような幾つかの手動インタラクションを組み込んでもよい。斯様な手動インタラクションは、操作CDSS部10により供給される幾つかの又はすべての推奨を採用しないとの治療している医者の選択と、オプションで、それらを採用しない理由の書面での又は口頭での説明を供給することを含んでもよい。電子的CDSS10、12のアップグレード部分12は、半自動であるが、複数の規則を有するCDSS規則データベース16を生成し、機会ごとに評価又はレビューする医療専門家(この用語は、グループ、集まり又は他の複数の医療専門家を含んで広く解釈されることを意図し、医療専門家は通常はライセンスされた医師であるが、医療的に関係のある分野で働いているライセンスされた看護婦、ライセンスがない医療従事者、エンジニア又は科学者や、学界、放射線専門家等から選ばれた専門家もオプションで含む)の委員会14により提供されたかなりの手動入力及び処理を含むプロセスを生成し、時々複数の規則から成る。加えて、アップグレード部分12は、CDSS規則データベース16をソフトウェアにコード化するソフトウェア部門18(この用語は、一人以上のコンピュータープログラマ、コンピューターサイエンスの専門家、コンピュータ分析者、データベースの専門家等の集まり、斯様な人々を含む組織、会社、又は斯様な人々を含む他のエンティティ含んで広く解釈されることを意図する)からのかなりの手動入力を含む。」 「【0044】 改訂プロセスは、CDSS10、12のアップグレード部分12により実行される。CDSS改訂プロセスの間、医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64と、最近の医療専門誌記事、委員会メンバーにより蓄積される新しい知識、新しく獲得したか又は新しくアクセス可能な医療機器に関する情報等のような他の利用できる情報とに基づいてCDSS規則データベース16の規則を改訂する。外れ値レポート64に基づいて、医療専門家の委員会14は、規則が、規則に従う治療推奨を作るために推論エンジン20により正しく実行されたが、医師が、規則により推奨されたものとは異なって(委員会14による判断より)より良好な治療を処方した特定の外れ値ケースによって明らかにされたように、医療的に健全でない規則を識別する。外れ値レポート64に基づいて、医療専門家の委員会14は、規則が、規則に従う治療推奨を作るために推論エンジン20により正しく実行され、医師が推奨された治療をフォローしたが、患者結果はそれにもかかわらず悪かった特定の外れ値ケースによって明らかにされたように、医療的に健全でない規則も識別する。 【0045】 従って、医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64に基づいて、医療的に健全ではあるがプログラミング部門18により正しくコード化されなかった規則を識別する。斯様な状況は、医者によりフォローされなかったか、又はフォローされたが悪い患者結果を作った治療推奨を推論エンジン20が作った特定の外れ値ケースにより、外れ値レポート18に証拠立てられる。外れ値レポート64により提供される患者情報をレビューすると、委員会は、CDSSにより生成される治療推奨が規則16に従っていないと判断する。このことは、次の改訂の間、ソフトウェア部門18により訂正されるべきコード化エラーを識別する。 【0046】 改訂プロセスの結果は、医療的に健全な規則の間違ったコード化を訂正するコード化訂正だけでなく、医療専門家の委員会14により開発された規則変更を具現化するCDSS改訂版リリース70である。CDSS改訂版リリース70は、不健全な規則又はコード化エラーを訂正するために、CDSSデータベース22及び推論エンジン20のソフトウェアでコード化されたCDSS規則データベースをアップグレードするために使用される。CDSS改訂版リリース70は、アップグレードされたユーザインターフェースダイアログ、スピードを増強するため改善されたコーディング、新しいハードウェアプラットフォームへの移行等のような他の変更も含んでもよい。」 「【0049】 概して過度に包括の外れ値検出規則を使用することにより、CDSS改訂プロセスは、 推論エンジンの不備の実際の証拠となる患者ケースに関する最終判断をする際の医療専門家の委員会14の見解を当てにする。このことは、これら医療専門家達が外れ値検出アルゴリズムにより考慮できない多くの因子を考慮し、治療する医者とのインタビューのような、常套手段まで容易に低減されない情報を考慮できるので、有利である。その上、医療専門家の委員会14は、激励されることなく自己レポート単独により得られる悪い結果のケースにおける多くの情報を得ることができる。外れ値レポート64の目的は、CDSSの現在のバージョンをレビューし改訂するとき、委員会14へその考慮のために高い価値のデータのコンパクトなセットを効率的に持ってくることである。その上、供給された外れ値は、委員会14により構築された規則からの相違している推奨がCDSSによりいつ供給したかを認識するのに医療専門家の委員会14が良く適しているので、コード化エラーを検出するのに有効である。」 (b)発明の詳細な説明に記載された発明と本願発明との対比 (i)上記段落【0020】の「図1を参照すると、電子的クリニカル判断支援システム10、12は、主操作部分10及びアップグレード部分12を含む。」および「電子的CDSS10、12のアップグレード部分12は、半自動であるが、複数の規則を有するCDSS規則データベース16を生成し、機会ごとに評価又はレビューする医療専門家(この用語は、グループ、集まり又は他の複数の医療専門家を含んで広く解釈されることを意図し、医療専門家は通常はライセンスされた医師であるが、医療的に関係のある分野で働いているライセンスされた看護婦、ライセンスがない医療従事者、エンジニア又は科学者や、学界、放射線専門家等から選ばれた専門家もオプションで含む)の委員会14により提供されたかなりの手動入力及び処理を含むプロセスを生成し、時々複数の規則から成る。」の記載によると、「電子的クリニカル判断支援システム」は、「医療専門家の委員会」を含んでいる。 (ii)また、上記段落【0045】の「医療専門家の委員会14は、外れ値レポート64に基づいて、医療的に健全ではあるがプログラミング部門18により正しくコード化されなかった規則を識別する。」や「外れ値レポート64により提供される患者情報をレビューすると、委員会は、CDSSにより生成される治療推奨が規則16に従っていないと判断する。このことは、次の改訂の間、ソフトウェア部門18により訂正されるべきコード化エラーを識別する。」の記載、加えて、【0049】の「供給された外れ値は、委員会14により構築された規則からの相違している推奨がCDSSによりいつ供給したかを認識するのに医療専門家の委員会14が良く適しているので、コード化エラーを検出するのに有効である。」の記載にあるように、発明の詳細に記載された発明において、「外れ値レポート64に基づいて、医療的に健全ではあるがプログラミング部門18により正しくコード化されなかった規則を識別する」こと、即ち、「前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップ」に対応する動作は、「医療専門家の委員会」が行っている。 (iii)加えて、他に、「前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップ」に対応する動作について、発明の詳細な説明に記載されていない。 (iv)それに対して、本願発明では、「クリニカル判断規則に従ってクリニカル判断推奨を生成するソフトウェアを有する推論エンジンと、電子的外れ値検出器と、外れ値データベースと、更新リリースとを含む電子的クリニカル判断支援システムの動作の方法であって」と記載されているように、「電子的クリニカル判断支援システム」は、「医療専門家の委員会」を備えていない。 (v)そうすると、本願発明では、「前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップ」は、「医療専門家の委員会」を備えていない「電子的クリニカル判断支援システム」により実行されており、「医療専門家の委員会」が「前記外れ値ケースに関係する情報に基づいて前記推論エンジンのソフトウェアエラーを識別するステップであって、一つ以上のクリニカル判断規則に従わないクリニカル判断推奨を前記推論エンジンが生成する前記ソフトウェアエラーを識別するステップ」に対応する動作を行う、発明の詳細な説明に記載された発明と異なる発明となっている。 (c)小括 そうすると、平成25年8月30日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとは言えず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 第4 まとめ 上記「第3」で述べたように、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとは言えず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 したがって、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-06-23 |
結審通知日 | 2015-06-29 |
審決日 | 2015-07-10 |
出願番号 | 特願2010-538978(P2010-538978) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(G06Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 宮地 匡人 |
特許庁審判長 |
手島 聖治 |
特許庁審判官 |
石川 正二 小田 浩 |
発明の名称 | 連続したバージョンのクリニカル判断支援システムの半自動的評価 |
代理人 | 特許業務法人M&Sパートナーズ |