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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1309066 |
審判番号 | 不服2014-16644 |
総通号数 | 194 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-08-22 |
確定日 | 2015-12-24 |
事件の表示 | 特願2008-503269「インプリント・リソグラフィおよび直接描画技術を用いるデバイス製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 9月28日国際公開、WO2006/102649、平成20年 8月28日国内公表、特表2008-535223〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2006年3月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年3月23日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成25年1月29日付けで手続補正がなされ、同年9月3日付けで拒絶の理由が通知され、平成26年3月7付けで意見書が提出されたが、同年4月22日付けで拒絶査定がなされた。 本件は、これを不服として、同年8月22日に請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に補正がなされたものである。 第2 平成26年8月22日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成26年8月22日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1は、特許請求の範囲の減縮を目的として下記の通りに補正したものである。 「【請求項1】 基板上にインプリント・リソグラフィを用いて第1種の1つまたは複数のナノ・スケール・デバイスを、ローカル・アライメント・マークと共に形成する工程と、 前記基板上にて、前記ローカル・アライメント・マークを用いた位置決めを為して、電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術を用いて第2種の1つまたは複数のマイクロ・スケール・デバイスを形成する工程とを含み、前記インプリント・リソグラフィおよび前記電子ビーム直接描画技術または前記レーザ・ビーム直接描画技術を用いて同一の層に異なるスケールのデバイスが形成される製造方法。」 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下単に「特許法第17条の2」という。)第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討する。 2 本件補正発明 本件補正発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された上記のとおりのものである。(上記「第2」[理由]「1」参照。) 3 引用刊行物 これに対して、本願の優先日前である2004年2月12日に頒布された「国際公開第2004/013693号 」(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。(日本語訳を記載する。なお、ここでは日本語訳としてファミリーである特表2006-5160650号公報の記載内容を摘記する。また、原文に付されている下線以外の下線は、当審で付した。) a 発明の詳細な説明の記載 「技術分野 [0001] 本明細書に示した実施態様はインプリント・リソグラフィのための方法とシステムに関する。さらに具体的には、実施態様はマイクロインプリント及びナノインプリント・リソグラフィ・プロセスための方法とシステムに関する。」(特表2006-516065号公報の【0001】) 「[0134] 図17、18に示すように、種々の実施形態では、テンプレート12は基板20上に置かれた硬化液がテンプレート12の境界部412を超えて流れるのを阻止するように形成される。図17に示した一実施形態では、高さh_(1)は基板20から浅い凹部の表面552までである。浅い凹部の表面552はテンプレート12の境界部まで延びている。したがって、テンプレートの端部が高さh_(2)を形成し、高さh_(1)と比較して事実上無限である。図18に示した一実施形態では、深い凹部がテンプレート12の外端部に形成されている。高さh_(2)は基板20から深い凹部の表面554までである。ここでも高さh_(1)は基板20から浅い凹部の表面552までである。いずれの実施形態においても、高さh_(2)は高さh_(1)よりも著しく大きい。高さh_(1)が十分に小さい場合、硬化液が塗布される間、活性化光硬化液はテンプレート12と基板20との間の空隙に残ったままになる。深い凹部部分は、ここに記載したようなステップ・アンド・リピート・プロセスにおける液体の閉じ込めに特に有用である。 [0135] 一実施形態では、テンプレート12及び基板20は各々1つ又は複数のアライメント・マークを有している。アライメント・マークを用いてテンプレート12と基板20が位置合われる。例えば、アライメント・マークの整列のために、1つ又は複数の光学結像デバイス(例えば、顕微鏡、カメラ、イメージング・アレイ等)を用いる。 [0136] 一実施形態では、テンプレートのアラインメント・マークは活性化光に対して実質的に透過性である。別の場合には、アライメント・マークはアライメント・マーク検出光に対して実質的に不透明である。本明細書で用いるように、アライメント・マーク検出光や他の測定及び解析プロセスのための光は、「解析光」と呼ばれる。一実施形態では、解析光は可視光及び/又は赤外光を含むがこれに限定するものではない。アライメント・マークは本体の材料とは異なる材料から形成されてよい。例えば、アライメント・マークはSiO_(X)、ただし、Xは約1.5、から形成されてよい。別の実施形態では、アライメント・マークはケイ化モリブデンから形成されてよい。別の場合には、アライメント・マークは本体の表面にエッチングされた複数のラインを含んでよい。このラインは活性化光を実質的に散乱させるが、解析光下で解析可能なマークを作るように構成される。 [0137] 種々の実施形態では、上記のような1つ又は複数の深い凹部はテンプレートの本体を完全に突き抜けてテンプレート内に開口部を形成する。そのような開口部の1つの利点は、各開口部において高さh_(2)がh_(1)に対して非常に大きいものであることを事実上保証することである。さらに、いくつかの実施形態では、加圧ガス又は真空がその開口部に加えられてよい。液体を硬化後に、加圧ガス又は真空が1つ又は複数の開口部に加えられてもよい。例えば、硬化後に加圧ガスが、硬化した液体からテンプレートを分離するのを助ける剥離や引っ張り工程の一部として加えらる。 [0138] 一実施形態では、1つ又は複数のアライメント・マークをパターン化されたテンプレート内に形成してもよい。本明細書に記載するように、テンプレート内に形成されたアライメント・マークを用いて基板上のパターン化された領域に対してテンプレートを整列させてもよい。アライメント・マークを含んだテンプレートの一実施形態を図45に示す。パターン化されたテンプレート4500はパターニング領域4510、アライメント・マーク4520、アライメント・マーク・パターニング領域4530を含む。アライメント・マーク4520は境界4540、4542によってパターニング領域4510、4512からそれぞれ分離されている。境界4540、4542はアライメント・マークの深さより実質的に大きい深さを有する。図45に示すように、テンプレート4500が活性化光硬化液4560と接触されると、液体がパターニング領域4510、4512に広がるが、境界によってアライメント・マーク4520の領域に広がるのは阻止される。 [0139] 活性化光硬化液がアラインメント領域に入らないようにしておくことによって、アラインメント測定が行われるときに利点が提供される。典型的なアラインメントの手順の間に、光学的測定がテンプレートを通って下の基板アラインメント・マーク(例えば、アラインメント・マーク4550)まで行われて、アラインメント・マークがあっているか否かを決定する。アラインメント測定の間にテンプレートと基板との間に液体が存在すると、光学的測定に干渉する可能性がある。典型的には、液体の屈折率はテンプレート材料に実質的に類似している。液体がアラインメント領域に入らないようにしておくことによって、光学的アラインメント技術を単純化することができ、アラインメント・システムの光学的必要条件は少なくなる。 [0140] テンプレートが基板上に形成される複数の層の1つをインプリントするのに使用されるとき、テンプレートは下の基板と整列させるためのアライメント・マークだけでなくアラインメント・パターニング領域も含むことが有利である。図10に示すように、アライメント・マーク・パターニング領域4530は塗布された活性化光硬化液の一部と接触する。硬化中、アライメント・マーク・パターニング領域4530によって定められたアライメント・マークが硬化層内にインプリントされる。次のプロセス中、アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメント・マークを用いて基板に対するテンプレートの整列が支援される。」(特表2006-516065号公報の【0079】?【0085】) 「[0180] 一般に、リソグラフィはデバイスの生産に使用される多数の単位工程の1つである。特に多層デバイスでは、これらすべてのプロセスのコスト的には、次のパターンに干渉することなくパターニング領域を相互にできるだけ近接して設けることが非常に望ましい。このことは使用可能な領域を、故に基板の使用を効果的に最大にする。また、インプリント・リソグラフィは様々なレベルの同じデバイスが様々なリソグラフィ技術から製造される他の種類の(光学リソグラフィなどの)リソグラフィと共に「ミックス・アンド・マッチ」モードで使用される。インプリント・リソグラフィ・プロセスを他のリソグラフィ技術に適合させることは有利である。境界領域は基板上の2つの近接するフィールドを分離する領域である。最新の光学リソグラフィ・ツールでは、この境界領域は50?100μ程度である。境界領域の大きさは典型的にはパターン化された領域を分離するのに使用されるブレードの大きさによって制限される。この小さな境界は個々のチップをダイシングするダイシング・ブレードが薄くなるほど小さくなる。この厳しい境界寸法要件を満たすために、パターニング領域から排除される過剰な液体の場所は十分に制限され、かつ反復可能であるべきである。このようにして、表面エネルギー、境界エネルギー、Hamacker定数、ファンデルワールス力、粘度、密度、不透明度等を含むがこれに限定されない、システムの物理的特性に影響を及ぼすテンプレート、基板、液体、他の任意の材料を含む個々の構成要素が再現可能なプロセスを適切に処理するように設計される。」(特表2006-516065号公報の【0125】) b 図面の記載 「 」 c 上記a及びbの記載事項の考察 上記aの記載事項には、「テンプレートが基板上に形成される複数の層の1つをインプリントするのに使用されるとき、テンプレートは下の基板と整列させるためのアライメント・マークだけでなくアラインメント・パターニング領域も含むことが有利である。・・・(略)・・・次のプロセス中、アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメント・マークを用いて基板に対するテンプレートの整列が支援される」([0140])と記載されており、この記載からすると、アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメントマークをインプリントする1回目のインプリント後に、該アライメントマークを用いて2回目のインプリントの整列が行われることが記載されているといえる。 また、上記aの記載事項には、「インプリント・リソグラフィは様々なレベルの同じデバイスが様々なリソグラフィ技術から製造される他の種類の(光学リソグラフィなどの)リソグラフィと共に「ミックス・アンド・マッチ」モードで使用される。インプリント・リソグラフィ・プロセスを他のリソグラフィ技術に適合させることは有利である」([0180])と記載されており、この記載からすると、インプリントリソグラフィと他の種類のリソグラフィを用いることが記載されているといえるものの、その順番については特に明記されていない。 しかしながら、上記記載の「インプリント・リソグラフィ」と共に「「ミックス・アンド・マッチ」モードで使用される」リソフグラフィは、「他の種類の(光学リソグラフィなどの)リソグラフィ」と記載されているだけであるから、あらゆるリソグラフィを包含するものと解すことができリソグラフィの種類を特定するものではないし、インプリントリソグラフィと他の種類のリソグラフィとの順番は、理論上、インプリントリソグラフィの後に、他の種類のリソグラフィを行うこと、及び、他の種類のリソグラフィの後に、インプリントリソグラフィを行うことの2種類しかなく、また、その順番に格別の技術上の意義があるとも解せないことからして、引用例には、インプリントリソグラフィの後に、他の種類のリソグラフィを行うこと、及び、他の種類のリソグラフィの後に、インプリントリソグラフィを行うことの双方が実質的に記載されているといえる。 そして、これらの点を踏まえ、上記[0140]及び[0180]の記載を総合すると、上記aの記載事項の「次のプロセス」([0140])は、インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィでもよいことが読み取れる。 d 引用例記載の発明 上記a及びbの記載事項並びに上記cの考察によると、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「テンプレートが基板上に形成される複数の層の1つをインプリントするのに使用されるとき、テンプレートはアラインメント・パターニング領域4530も含み、 次のプロセス中、アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメント・マークを用いて基板に対する整列が支援され、インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィを行う、方法。」 4 本件補正発明と引用発明の対比 ここで、本件補正発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「基板」及び「アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメント・マーク」は、それぞれ本件補正発明の「基板」及び「ローカル・アライメント・マーク」に相当する。 (2)引用発明の「アライメント・マーク」は、「テンプレート」の「アライメント・マーク・パターニング領域4530」により形成されたものである。 そうすると、引用発明の「テンプレートが基板上に形成される複数の層の1つをインプリントするのに使用されるとき、テンプレートはアラインメント・パターニング領域4530も含」む構成と、本件補正発明の「基板上にインプリント・リソグラフィを用いて第1種の1つまたは複数のナノ・スケール・デバイスを、ローカル・アライメント・マークと共に形成する工程」「を含」む構成とは、「基板上にインプリント・リソグラフィを用いて第1種の1つまたは複数のデバイスを、ローカル・アライメント・マークと共に形成する工程」「を含」む構成で共通する。 (3)引用発明の「インプリント」と「インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィ」は、それぞれ異なるデバイスを形成することは技術常識からみて明らかである。 そうすると、引用発明の「次のプロセス中、アライメント・マーク・パターニング領域4530で形成されたアライメント・マークを用いて基板に対する整列が支援され、インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィを行う」構成と、本件補正発明の「基板上にて、前記ローカル・アライメント・マークを用いた位置決めを為して、電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術を用いて第2種の1つまたは複数のマイクロ・スケール・デバイスを形成する工程」「を含」む構成とは、「基板上にて、前記ローカル・アライメント・マークを用いた位置決めを為して、第2種の1つまたは複数のデバイスを形成する工程」「を含」む構成で共通する。 上記(1)ないし(3)の対比から、本件補正発明と引用発明は、 「基板上にインプリント・リソグラフィを用いて第1種の1つまたは複数のデバイスを、ローカル・アライメント・マークと共に形成する工程と、前記基板上にて、前記ローカル・アライメント・マークを用いた位置決めを為して、第2種の1つまたは複数のデバイスを形成する工程とを含む製造方法。」で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 「第2種の1つまたは複数の」「デバイスを形成する工程」は、本件補正発明は、「電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術を用い」るものであって、「第1種の」「デバイス」が「ナノ・スケール・デバイス」であり、「第2種の」「デバイス」が「マイクロ・スケール・デバイス」であり、「前記インプリント・リソグラフィおよび前記電子ビーム直接描画技術または前記レーザ・ビーム直接描画技術を用いて同一の層に異なるスケールのデバイスが形成される」のに対し、引用発明は、「インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィ」であって、具体的にどのようなリソグラフィか不明であり、インプリントされるもの、及び、インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィで形成されるものが、どのようなスケールのデバイスか、どのような層に形成されるのかがいずれも不明である点。 5 当審の判断 以下、上記相違点について検討する。 引用発明は、「次のプロセス中、・・・(略)・・・インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィを行う」ものであり、また、電子ビーム直接描画技術、レーザ・ビーム直接描画技術は、リソグラフィの手段としていずれも周知慣用技術であるから、引用発明において、「インプリント・リソグラフィと異なる他の種類のリソグラフィ」として、電子ビーム直接描画技術やレーザ・ビーム直接描画技術を採用することに、格別の困難性も阻害要因もない。 さらに、本件補正発明の「ナノ・スケール・デバイス」及び「マイクロ・スケール・デバイス」のリソグラフィに関し、一般には、「インプリント・リソグラフィ」、「電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術」のそれぞれによって、適用できる解像度の範囲は定まっており、それぞれの描画技術を採用した際に、どの程度の解像度のものを用いるかは、当業者が必要に応じて選択し得ることにすぎない。 すなわち、「インプリント・リソグラフィ」と「電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術」でどの程度のスケールのデバイスを形成するかは、必要に応じて適宜設計できたことであって、引用発明において、インプリントを用いてナノ・スケール・デバイスを、他の種類のリソグラフィである電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術を用いてマイクロ・スケール・デバイスを、それぞれ形成することは、当業者が適宜なし得たことである。 さらに、リソグラフィの方法として、集積回路の同一の層のデバイスを異なるリソグラフィで形成することは、周知の手法であるから、引用発明の「インプリント」及び「インプリント・リソグラフィではない他の種類のリソグラフィ」で、同一の層のデバイスを形成することに格別の困難性も阻害要因もない。 よって、上記相違点に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。 上記相違点については以上のとおりであり、本件補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知の事項から当業者が予測できる範囲内のものと認められる。 よって、本件補正発明は、引用発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 本件補正についての補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成26年8月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成25年1月29日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 基板上にインプリント・リソグラフィを用いて第1種の1つまたは複数のナノ・スケール・デバイスを、ローカル・アライメント・マークと共に形成する工程と、 前記基板上にて、前記ローカル・アライメント・マークを用いた位置決めを為して、電子ビーム直接描画技術またはレーザ・ビーム直接描画技術を用いて第2種の1つまたは複数のマイクロ・スケール・デバイスを形成する工程とを含む製造方法。」 2 引用刊行物及び引用発明 原査定における拒絶の理由で引用した、本願の優先日前に頒布された引用例及びその記載事項、ならびに引用発明は、上記「第2」[理由]「3」に記載したとおりである。 3 対比及び当審の判断 本願発明は、本件補正発明の発明特定事項である「インプリント・リソグラフィおよび前記電子ビーム直接描画技術または前記レーザ・ビーム直接描画技術を用いて同一の層に異なるスケールのデバイスが形成される」構成を省いたものである。 ここで、本願発明の発明特定事項を全て含み、上記構成を限定した本件補正発明が、上記「第2」[理由]「5」に記載したとおり、引用発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-07-21 |
結審通知日 | 2015-07-28 |
審決日 | 2015-08-10 |
出願番号 | 特願2008-503269(P2008-503269) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 秋田 将行 |
特許庁審判長 |
森林 克郎 |
特許庁審判官 |
土屋 知久 井口 猶二 |
発明の名称 | インプリント・リソグラフィおよび直接描画技術を用いるデバイス製造方法 |
代理人 | 細井 玲 |
代理人 | 古谷 聡 |
代理人 | 大西 昭広 |
代理人 | 西山 清春 |