• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1309533
審判番号 不服2014-17445  
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-09-02 
確定日 2016-01-05 
事件の表示 特願2012-110931「低電力リモートコントローラとしての携帯型メディアプレーヤ、および、その方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月29日出願公開、特開2012-235471〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、2006年(平成18年)12月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年12月20日、米国)を国際出願日とする出願(特願2008-547340号)の一部を平成24年5月14日に新たな特許出願としたものであって、平成24年6月13日付けで手続補正がなされ、平成24年8月7日付けで手続補正がなされ、平成25年7月31日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成25年11月11日付けで手続補正がなされが、平成26年4月30日付け(発送日同年5月2日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成26年9月2日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に手続補正がなされた。

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
請求項1?20に係る発明は、下記の刊行物に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:国際公開第2005/031605号
引用文献2:特開2003-281169号公報
引用文献3:特開2004-310885号公報(周知技術)

第2 補正却下の決定
平成26年9月2日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成26年9月2日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成26年9月2日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正である。

補正前の請求項1?20
「 【請求項1】
携帯型マルチメディアプレーヤを利用して、メディアデータをメディア装置にストリーミングするように構成されたメディアサーバに対する無線アクセスおよび/または制御を行う方法であって、
前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程と、
前記携帯型マルチメディアプレーヤから前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程と、
受信した前記信号を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程と、
受信した前記信号を用いて、無線インターフェースを介して、前記メディアデータを前記メディアサーバから前記メディア装置へストリーミングする工程とを有し、
前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記携帯型マルチメディアプレーヤは、前記携帯型マルチメディアプレーヤからの前記信号に少なくとも基づいて前記メディアデータのストリーミングを制御するように構成され、
前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程は、有線コネクタを介して、前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを同期する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯型マルチメディアプレーヤによって、複数のユーザ選択可能なアイテムを有する最上位メニューを表示する工程と、
前記ユーザ選択可能なアイテムの内の特定の1つのアイテムを選択する工程と、
前記選択されたアイテムに基づいて前記信号を生成する工程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択されたアイテムは、前記メディアデータの内の特定の1つのメディアデータに関連付けられていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記信号は、前記メディアデータの内の前記特定の1つのメディアデータに一意的に関連付けられたメディアデータメタデータを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記メディアサーバは、パーソナルコンピュータを含むコンピュータデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メディア装置は、ホームオーディオシステムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リモートメディアサーバの無線制御に利用されるメディアデータメタデータを格納するように構成された携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部であって、
無線ネットワークインターフェースと、
複数のユーザ選択可能なアイテムを有するユーザインターフェースを表示するように構成されたディスプレイ装置と、
前記ユーザ選択可能なアイテムの内の1つのアイテムに対するユーザ選択に応答して、前記無線ネットワークインターフェースによって前記リモートメディアサーバへ無線送信される信号を生成するプロセッサ部とを備え、
前記信号は、前記メディアサーバに格納されたメディアデータを識別するメディアデータメタデータを含み、前記メディアサーバは、前記信号に応答して、前記識別されたメディアデータにアクセスし、アクセスした後に、前記識別されたメディアデータをリモートメディア装置に無線送信し、
前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部は、自身にメディアアセットを格納するようにさらに構成され、
前記プロセッサ部は、前記リモートメディアサーバとメディアデータメタデータを同期するようにさらに構成され、
前記プロセッサ部は、格納されたメディアアセットに対するユーザ再生選択を受信し、前記ユーザ再生選択に応答して前記選択された格納されたメディアアセットの再生を開始するようにさらに構成されることを特徴とする携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項9】
メインバスと、
前記メインバスに接続されたバスインターフェースとをさらに備え、
前記バスインターフェースは、前記メディアサーバに格納された前記メディアデータに対応するメディアデータメタデータのカタログを有線伝送するためのデータパスを提供するデータリンクに前記メインバスを接続するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項10】
前記メインバスに接続され、前記メディアサーバから受信した前記メディアデータメタデータの前記カタログを格納するファイルシステムをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項11】
前記メディア装置は、ホームオーディオシステムであることを特徴とする請求項8に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項12】
携帯型マルチメディアプレーヤとパーソナルコンピュータとを利用して、リモートメディア装置の無線遠隔制御を提供する方法であって、
前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記パーソナルコンピュータとの間でメディアデータメタデータを同期する工程と、
前記パーソナルコンピュータにおいて、前記携帯型マルチメディアプレーヤからのメディアデータ指示を無線受信する工程と、
前記受信したメディアデータ指示を用いて、前記パーソナルコンピュータに格納されたメディアデータを識別する工程と、
前記識別されたメディアデータにアクセスする工程と、
前記識別されたメディアデータを前記パーソナルコンピュータから前記リモートメディア装置に無線送信させる工程と、
前記パーソナルコンピュータから前記リモートメディア装置へコマンドを無線送信させる工程とを有し、
前記携帯型マルチメディアプレーヤは、メディアアセットを格納でき、前記携帯型マルチメディアプレーヤで前記格納されたメディアアセットの少なくとも1つの再生を開始できることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記コマンドは前記識別されたメディアデータを再生するように前記リモートメディア装置に命令することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パーソナルコンピュータに存在する複数のメディアデータに関するメタデータを、前記携帯型マルチメディアプレーヤに提供する工程をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記提供する工程は、前記メタデータを前記携帯型マルチメディアプレーヤに無線送信することにより実行されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記提供する工程は、前記携帯型マルチメディアプレーヤに前記メディアデータを提供しないことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記メディアデータの各々のための前記メタデータは、少なくとも、記述情報と、一意的なメディアデータ指示とを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記メタデータは、前記メディアデータに関連付けられた情報のカタログであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記コマンドは、前記識別されたメディアアイテムの再生の再生属性が変更されることを要求することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記再生属性は、音量変更を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。」

を、次のとおり補正後の請求項1?20に補正するものである。

「 【請求項1】
携帯型マルチメディアプレーヤを利用して、メディアデータをメディア装置にストリーミングするように構成されたメディアサーバに対する無線アクセスおよび/または制御を行う方法であって、
前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程と、
前記携帯型マルチメディアプレーヤから前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程と、
受信した前記信号を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程と、
受信した前記信号を用いて、無線インターフェースを介して、前記メディアデータを前記メディアサーバから前記メディア装置へストリーミングする工程とを有し、
前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成され、
前記メディアサーバと前記携帯型マルチメディアプレーヤとの間で同期される前記メディアデータは、前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記携帯型マルチメディアプレーヤは、前記携帯型マルチメディアプレーヤからの前記信号に少なくとも基づいて前記メディアデータのストリーミングを制御するように構成され、
前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程は、有線コネクタを介して、前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを同期する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯型マルチメディアプレーヤによって、複数のユーザ選択可能なアイテムを有する最上位メニューを表示する工程と、
前記ユーザ選択可能なアイテムの内の特定の1つのアイテムを選択する工程と、
前記選択されたアイテムに基づいて前記信号を生成する工程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択されたアイテムは、前記メディアデータの内の特定の1つのメディアデータに関連付けられていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記信号は、前記メディアデータの内の前記特定の1つのメディアデータに一意的に関連付けられたメディアデータメタデータを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記メディアサーバは、パーソナルコンピュータを含むコンピュータデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メディア装置は、ホームオーディオシステムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リモートメディアサーバの無線制御に利用されるメディアデータメタデータを格納するように構成された携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部であって、
無線ネットワークインターフェースと、
複数のユーザ選択可能なアイテムを有するユーザインターフェースを表示するように構成されたディスプレイ装置と、
前記ユーザ選択可能なアイテムの内の1つのアイテムに対するユーザ選択に応答して、前記無線ネットワークインターフェースによって前記リモートメディアサーバへ無線送信される信号を生成するプロセッサ部とを備え、
前記信号は、前記リモートメディアサーバに格納されたメディアデータを識別するメディアデータメタデータを含み、前記リモートメディアサーバは、前記信号に応答して、前記識別されたメディアデータにアクセスし、アクセスした後に、前記識別されたメディアデータをリモートメディア装置に無線送信し、
前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部は、自身にメディアアセットを格納するようにさらに構成され、
前記プロセッサ部は、前記リモートメディアサーバとメディアデータメタデータを同期するようにさらに構成され、
前記プロセッサ部は、格納されたメディアアセットに対するユーザ再生選択を受信し、前記ユーザ再生選択に応答して前記選択された格納されたメディアアセットの再生を開始するようにさらに構成され、
前記リモートメディアサーバと前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤとの間で同期される前記メディアデータメタデータは、前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存することを特徴とする携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項9】
メインバスと、
前記メインバスに接続されたバスインターフェースとをさらに備え、
前記バスインターフェースは、前記リモートメディアサーバに格納された前記メディアデータに対応するメディアデータメタデータのカタログを有線伝送するためのデータパスを提供するデータリンクに前記メインバスを接続するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項10】
前記メインバスに接続され、前記リモートメディアサーバから受信した前記メディアデータメタデータの前記カタログを格納するファイルシステムをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項11】
前記メディア装置は、ホームオーディオシステムであることを特徴とする請求項8に記載の携帯型デジタルマルチメディアプレーヤのリモートコントローラ部。
【請求項12】
携帯型マルチメディアプレーヤとパーソナルコンピュータとを利用して、リモートメディア装置の無線遠隔制御を提供する方法であって、
前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に基づいて、前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記パーソナルコンピュータとの間でメディアデータメタデータを同期する工程と、
前記パーソナルコンピュータにおいて、前記携帯型マルチメディアプレーヤからのメディアデータ指示を無線受信する工程と、
前記受信したメディアデータ指示を用いて、前記パーソナルコンピュータに格納されたメディアデータを識別する工程と、
前記識別されたメディアデータにアクセスする工程と、
前記識別されたメディアデータを前記パーソナルコンピュータから前記リモートメディア装置に無線送信させる工程と、
前記パーソナルコンピュータから前記リモートメディア装置へコマンドを無線送信させる工程とを有し、
前記携帯型マルチメディアプレーヤは、メディアアセットを格納でき、前記携帯型マルチメディアプレーヤで前記格納されたメディアアセットの少なくとも1つの再生を開始できることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記コマンドは前記識別されたメディアデータを再生するように前記リモートメディア装置に命令することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パーソナルコンピュータに存在する複数のメディアデータに関するメタデータを、前記携帯型マルチメディアプレーヤに提供する工程をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記提供する工程は、前記メタデータを前記携帯型マルチメディアプレーヤに無線送信することにより実行されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記提供する工程は、前記携帯型マルチメディアプレーヤに前記メディアデータを提供しないことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記メディアデータの各々のための前記メタデータは、少なくとも、記述情報と、一意的なメディアデータ指示とを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記メタデータは、前記メディアデータに関連付けられた情報のカタログであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記コマンドは、前記識別されたメディアアイテムの再生の再生属性が変更されることを要求することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記再生属性は、音量変更を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。」

2 新規事項
補正後の請求項1における「前記メディアサーバと前記携帯型マルチメディアプレーヤとの間で同期される前記メディアデータは、前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存する」、補正後の請求項8における「前記リモートメディアサーバと前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤとの間で同期される前記メディアデータメタデータは、前記携帯型デジタルマルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存する」、補正後の請求項12における「前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に基づいて、前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記パーソナルコンピュータとの間でメディアデータメタデータを同期する」は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものとは認められない。
詳細は、以下のとおりである。

請求人が補正の根拠とする、願書に最初に添付した明細書の段落【0014】、【0049】?【0055】には次の記載がある。

「【0014】
ユーザは、メディア装置にストリーミングされているメディアアイテムデータの変更を行う(例えば、再生されている曲を変更する)ために、メディアサーバに対してアクセスおよび/または制御を行いたい場合には、携帯型マルチメディアプレーヤとやり取りすることにより、再生すべき新しいメディアアイテム(例えば、曲)を選択する。一実施形態では、携帯型マルチメディアプレーヤは、異なるデジタルメディアアイテム(例えば、曲ファイル)に対応する複数のユーザ選択可能なアイテムを表示することができる。携帯型マルチメディアプレーヤのユーザは、ユーザ選択可能なアイテムの内の1つを選択することで、再生すべきメディアアイテムを指定することができる。選択が済むと、携帯型マルチメディアプレーヤは、指定された再生すべきメディアアイテムをメディアサーバに無線で通知する。一例では、携帯型マルチメディアプレーヤは、新しいメディアアイテムに対応するメタデータの一部のみまたは全部を制御信号と共に送信する。その制御信号は、例えば、現在再生中のメディアアイテムが、制御信号に関連付けられた新しいメディアアイテムに置き換えられることを指示する。」

「【0049】
図4は、本発明の一実施形態に従って、ストリーミングされたデジタルメディアファイルに変更を加えるために、メディアサーバに遠隔でアクセスする処理を示すフローチャートである。処理400は、マルチメディアプレーヤが、後にメディアサーバに送信されるマルチメディアメタデータ要求を生成する(動作402)ことにより始まる。マルチメディアメタデータ要求に応答して、メディアサーバは、メディアサーバに格納された1または複数のメディアファイルに関連する要求されたメタデータの位置を特定する(動作404)。通例、マルチメディアメタデータ要求は、メディアサーバ上の利用可能なすべてのメディアアイテムのカタログに対する要求である。そのカタログは、通例、予め定められて、メディアサーバに格納されている。しかしながら、存在しない場合には、要求された時に、カタログが生成されてよい。要求されたカタログは、メディアサーバ上の利用可能なメディアアイテムすべてを含む必要はない。いずれにしても、所与のメディアアイテム(例えば、曲)について、メタデータは、要求された曲に対応する曲名、作者、トラックの長さなどを含んでよく、それらは、通例、関連するメディアファイルよりもサイズがはるかに小さい。メタデータが識別されると、メディアサーバは、マルチメディアメタデータ応答をマルチメディアプレーヤに送り返し(動作406)、その応答はそこに格納される。この例では、曲名、作者、または、その他の識別のための索引が、マルチメディアプレーヤに返され、後で取り出せるように格納される。
【0050】
適切なメタデータ(例えば、利用可能なメディアアイテムのカタログ)が、マルチメディアプレーヤに格納されると、マルチメディアプレーヤは、利用可能なメタデータ(または、その一部)を表示する(動作408)。この時点で、ユーザは、表示されたメタデータに関連付けられたメディアアイテムの内の任意のものを選択することができる(動作410)。例えば、ユーザは、再生すべき新しい曲を選択することができる。特定のメディアアイテムが選択されると、選択されたメディアアイテムに対応するメタデータと合致するマルチメディアファイル要求が、メディアプレーヤで生成されて、メディアサーバに送信される(動作412)。メディアファイル要求は、選択された曲をメディアサーバが一意的に識別するために必要な記述情報(例えば、メタデータ)を含んでいればよいことに注意されたい。曲データ自体は、メディアプレーヤからメディアサーバに、決して転送されることはなく、それにより、保護されたコンテンツに基づいて、あらゆる著作権侵害が防止される。実際に、マルチメディアプレーヤは、曲データを含まなくてもよい。さらに、メディアファイル要求は、小さいデータ転送(約数キロバイト)であるため、メディアファイル要求の生成と、マルチメディアプレーヤからメディアサーバへのメディアファイル要求の送信とに必要な電力量は、完全なメディアファイルを送信するのに必要な電力量よりも大幅に低減される。このように、ユーザは、マルチメディアプレーヤの電池の寿命に悪影響を与えることなく、メディアサーバによって、メディア装置(例えば、ステレオシステム)の遠隔制御を効果的に行うことができる。
【0051】
メディアサーバが、メディアファイル要求を受信すると、適切なメディアファイルが、メディアサーバから取り出され、無線ネットワークを介して、無線ネットワークインターフェースにより、メディア装置(ステレオ110など)に無線送信される。一部の例では、無線送信されるメディアファイルに、音量、高音域、低音域などを変更するなど、ステレオシステムを制御するための関連コマンドが付加される。
【0052】
図5A?5Bは、本発明の一実施形態に従って、マルチメディアプレーヤ102、メディアサーバ104、および、メディア装置106の間でのデータの流れを示す図である。ユーザが、例えば、再生すべき新しい曲を選択するために、マルチメディアプレーヤ102とやり取りを行うと、マルチメディアプレーヤ102は、マルチメディアメタデータ要求502を生成し、次いで、その要求は、パーソナルコンピュータ104に送信される。マルチメディアメタデータ要求502に応答して、パーソナルコンピュータ104は、パーソナルコンピュータ104に格納された1または複数のメディアファイル106(例えば、オーディオトラック)に関連する要求されたメタデータの位置を特定する。通例、マルチメディアメタデータ要求502は、パーソナルコンピュータ104上の利用可能なすべてのメディアアイテムのカタログに対する要求である。そのカタログは、通例、予め定められて、パーソナルコンピュータ104に格納されている。しかしながら、存在しない場合には、要求された時に、カタログが生成されてもよい。要求されたカタログは、パーソナルコンピュータ104上の利用可能なメディアアイテムすべてを含む必要はない。いずれにしても、所与のメディアアイテム(例えば、曲)について、メタデータは、要求された曲に対応する曲名、作者、トラックの長さなどを含んでよく、それらは、通例、関連するメディアファイルよりもサイズがはるかに小さい。メタデータが識別されると、パーソナルコンピュータ104は、マルチメディアメタデータ応答504をマルチメディアプ
レーヤ102に送り返し、その応答はそこに格納される。この例では、曲名、作者、または、その他の識別のための索引が、マルチメディアプレーヤ102に返され、後で取り出せるように格納される。
【0053】
適切なメタデータ(例えば、利用可能なメディアアイテムのカタログ)がマルチメディアプレーヤ102に格納されると、ユーザは、格納済みのメタデータに関連するメディアアイテムの内の任意のものを、遠隔で再生するために選択できる。例えば、ユーザは、パーソナルコンピュータ104から以前に受信した格納済みのメタデータの少なくとも一部を表示できるGUI310を用いて、再生すべき新しい曲を選択できる。図5Bに示すように、特定のメディアアイテムが選択されると、選択されたメディアアイテムに対応するメタデータに合致したマルチメディアファイル要求602が、メディアプレーヤ102で生成される。次いで、マルチメディアファイル要求602は、パーソナルコンピュータ104に送信される。メディアファイル要求602は、選択された曲をパーソナルコンピュータ104が一意的に識別するために必要な記述情報(例えば、メタデータ)を含んでいればよいことに注意されたい。曲データ自体は、メディアプレーヤ102からパーソナルコンピュータ104に、決して転送されることはなく、それにより、保護されたコンテンツに基づいて、あらゆる著作権侵害が防止される。実際に、マルチメディアプレーヤ102は、曲データを含まなくてもよい。さらに、メディアファイル要求602は、小さいデータ転送(約数キロバイト)であるため、メディアファイル要求602の生成と、マルチメディアプレーヤ102からパーソナルコンピュータ104へのメディアファイル要求602の送信とに必要な電力量は、完全なメディアファイルを送信するのに必要な電力量よりも大幅に低減される。このように、ユーザは、マルチメディアプレーヤ102の電池の寿命に悪影響を与えることなく、パーソナルコンピュータ104によって、メディア装置(例えば、ステレオシステム110)の遠隔制御を効果的に行うことができる。
【0054】
パーソナルコンピュータ104が、メディアファイル要求602を受信すると、適切なメディアファイル604が、メディアファイル要求602に含まれる記述情報に基づいて、パーソナルコンピュータ104から取り出される。一実施形態では、適切なメディアファイル604は、ハードドライブ108から取り出され、無線ネットワークインターフェース116により、無線ネットワークを介して、無線ネットワークインターフェース114を経て、ステレオシステム110に無線で送信される。一部の例では、無線で送信されるメディアファイルに、音量、高音域、低音域などを変更するなど、ステレオシステム110を制御するための関連コマンドが付加される。
【0055】
一部の例では、マルチメディアプレーヤ102は、定期的に無線でパーソナルコンピュータ104に同期化される。同期化は、手動で開始されても自動的に開始されてもよい。同期化は、マルチメディアプレーヤ102とパーソナルコンピュータ104との間で、メタデータおよびメディアデータを同期させることができる。多くの場合、同期化は、利用可能なメタデータおよびメディアアイテムの一部のみを、パーソナルコンピュータ104からマルチメディアプレーヤ102(記憶容量が比較的小さい)に供給する。」

これらの記載には、「メディアデータ」、「メディアデータメタデータ」が「携帯型デジタルマルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存する」ことや、「前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に基づいて、」「メディアデータメタデータ」を同期することは記載されていない。
また、願書に最初に添付した明細書の他の記載、特許請求の範囲、図面をみても、「メディアデータ」、「メディアデータメタデータ」が「携帯型デジタルマルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存する」ことや、「前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に基づいて、」「メディアデータメタデータ」を同期することが記載されているとは、認められない。
さらに、「メディアデータ」、「メディアデータメタデータ」が「携帯型デジタルマルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に依存する」ことや、「前記携帯型マルチメディアプレーヤによって要求される電力消費量に基づいて、」「メディアデータメタデータ」を同期することが自明であるとは認められない。
したがって、請求項1、請求項8、請求項12に係る補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものとは認められず、特許法第17条の2第3項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成26年9月2日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?20に係る発明は、平成25年11月11日付け手続補正により補正された特許請求の範囲からみて、その特許請求の範囲の請求項1?20に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

「(A)携帯型マルチメディアプレーヤを利用して、メディアデータをメディア装置にストリーミングするように構成されたメディアサーバに対する無線アクセスおよび/または制御を行う方法であって、
(B)前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程と、
(C)前記携帯型マルチメディアプレーヤから前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程と、
(D)受信した前記信号を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程と、
(E)受信した前記信号を用いて、無線インターフェースを介して、前記メディアデータを前記メディアサーバから前記メディア装置へストリーミングする工程とを有し、
(F) 前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成される
(G)ことを特徴とする方法。」

((A)?(G)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

2 刊行物の記載及び刊行物に記載された発明
(1)刊行物1
ア 刊行物1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開2005/031605号(上記引用文献1、以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。訳は刊行物1の公表特許公報である特表2007-513397号公報による。訳の後に段落番号を記す。)。

(ア)「 Many devices within a UPnP compliant network, such as a UPnP home network, contain various types of content that other devices in the network would like to access (e.g. music, videos, still images). As an example, a Media Server device might contain audio, video, and still-image libraries. In order for the user to enjoy this content, the user must be able to browse the objects stored on the Media Server, select a specific one, and cause it to be played on an appropriate rendering device (e.g. an audio player for music objects, a TV for video content, an Electronic Picture Frame for still-images). For maximum convenience, it is desirable to allow the user to initiate these operations from a variety of user interface (Ul) devices. In most cases, these Ul devices will either be a Ul built into the rendering device, or it will be a stand-alone Ul device such as a remote control unit, wireless personal digital assistant (PDA) or tablet. It is desirable that a user can access the content without having to interact directly with the device containing the content.」(1頁25行?2頁6行)
[訳:UPnPホームネットワークなどのUPnPに準拠したネットワーク内の多くの装置は、ネットワークの他の装置がアクセスすることを所望する各種タイプのコンテンツ(音楽、映像、静止画像など)を有する。一例として、メディアサーバ装置は、音声、映像及び静止画像ライブラリを有するかもしれない。ユーザが当該コンテンツを利用するため、ユーザは、メディアサーバに格納されているオブジェクトをブラウズし、特定のものを選択し、適当なレンダリング装置(例えば、音楽オブジェクトについてはオーディオプレーヤー、映像コンテンツについてはテレビ、静止画像については電子写真フレームなど)上でそれを再生させる。利便性を最大にするため、ユーザは各種ユーザインタフェース(UI)装置から上記処理を開始することが望ましい。ほとんどの場合、これらUI装置は、レンダリング装置に搭載されたUIであり、あるいは、リモコンユニット、無線携帯情報端末(PDA)、タブレットなどの独立型のUI装置であるだろう。ユーザがコンテンツを有する装置と直接やりとりする必要なく、当該コンテンツにアクセスすることが可能であることが望ましい。](段落【0004】)

(イ)「 Before describing the invention in detail, a conventional UPnP system will be briefly described. A more thorough explanation can be obtained from "UPnP AV Architecture" published by the UPnP Forum. The main components of a UPnP AV system are a Control Point (CP) 20, a Media Server (MS) 50 and a Media Renderer (MR) 60. All of these are logical entities: a physical device may include only one of these entities (e.g. a Control Point in the form of a remote control) or, more commonly, a combination of several of these entities. As an example, a CD player comprises a user interface and control circuitry for operating the player (a Control Point), apparatus for reading digital content from an optical disk (a Media Server) and apparatus for converting the digital content into an audio signal for presentation to a user (a Media Renderer).」(5頁17?28行)
[訳:本発明を詳細に説明する前に、従来のUPnPシステムが概略的に説明される。より完全な説明は、UPnPフォーラムにより発行された「UPnP AV Architecture」から取得することができる。UPnP AVシステムの主要なコンポーネントは、コントロールポイント(CP)20と、メディアサーバ(MS)50と、メディアレンダラ(MR)60とである。これらのすべてが論理的エンティティである。すなわち、物理的装置が、これらエンティティの1つのみ(リモコン形式によるコントロールポイントなど)、又はより一般的にはこれらエンティティのいくつかの組み合わせを有するものであるかもしれない。一例として、CDプレーヤーは、ユーザインタフェース、プレーヤーを動作させるための制御回路(コントロールポイント)、光ディスクからデジタルコンテンツを読み出す装置(メディアサーバ)、及びユーザに提供するため、デジタル信号を音声信号に変換する装置(メディアレンダラ)を有する。](段落【0017】)

(ウ)「 Media Server (MS) 50 includes a store 52 of media content. The content can include audio, video, still images or a combination of these. The Media Server also supports a Content Directory Service (CDS) 55 which catalogues the content in store 52. The CDS is hierarchically organised in a manner similar to a computer file system. A container (analogous to a folder or directory) can include a plurality of objects (analogous to a file) and containers that are hierarchically one level lower. The object includes an object description with an identifier and optionally metadata. The metadata may include properties such as object name, artist, composer, date created, size, etc. The object may also include the object content (item) or include a locator, such as a URL, for locating the content. An example CDS structure is shown in Figure 9. Further functions of the Media Server 50 are a Connection Manager Service which is used to manage connections between the Media Server 50 and other devices, such as the Media Renderer 60. An optional AV Transport Service allows control of the playback of content, with features such as stop, pause, seek etc.」(5頁29行?6頁12行)
[訳:メディアサーバ(MS)50は、メデイアコンテンツのストア52を有する。コンテンツは、音声、映像、静止画像又はこれらの組み合わせを含むことが可能である。メディアサーバはまた、ストア52のコンテンツをリストするコンテンツディレクトリサービス(CDS)55をサポートする。CDSは、コンピュータファイルシステムと同様に階層的に構成されている。コンテナ(フォルダ又はディレクトリに類似する)は、階層的に1レベルだけ下位にある複数のオブジェクト(ファイルに類似する)及びコンテナを有することが可能である。当該オブジェクトは、識別子と任意的にメタデータを有するオブジェクト記述を有する。メタデータは、オブジェクト名、アーティスト、作曲家、作成日、サイズなどのプロパティを有するものであってもよい。オブジェクトはまた、オブジェクトコンテンツ(アイテム)を有し、又は、コンテンツの位置を特定するURLなどのロケータを有するものであってもよい。メディアサーバ50のさらなる機能は、メディアサーバ50とメディアレンダラ60などの他の装置との間の接続を管理するのに利用される接続マネージャサービスである。任意的なAVトランスポートサービスは、停止、一時停止、シークなどの機能によりコンテンツの再生を制御することを可能にする。](段落【0018】)

(エ)「 Media Renderer (MR) 60 is responsible for rendering (reproducing) media content which is received from a Media Server 50. Reproduction equipment 62 is shown with a display 63 and speaker 64 although the output can take many forms. Typically, the reproduction equipment 62 includes one or more decoders, digital to analog converter and amplifiers. The Media Renderer 60 also supports a Connection Manager Service 65 for establishing a new connection with a Media Server and Render Control 61 for controlling the way in which the content is rendered. For audio reproduction this can include features such as a volume control.」(6頁13?21行)
[訳:メディアレンダラ(MR)60は、メディアサーバ50から受信されるメディアコンテンツをレンダリング(再生)するためのものである。その出力は多数の形式をとり得るが、ディスプレイ63とスピーカー64を備える再生装置62が示される。典型的には、再生装置62は、1以上のデコーダ、デジタル・アナログ変換器、及びアンプを有する。メディアレンダラ60はまた、コンテンツがレンダリングされる方法を制御するレンダコントロール61とメディアサーバとの新たな接続を確立する接続マネージャサービス65をサポートする。音声の再生のため、これは、ボリュームコントロールなどの機能を有することが可能である。](段落【0019】)

(オ)「 Control Point (CP) 20 coordinates operation of the Media Server 50 and Media Renderer 60 and includes a user interface (Ul) 21 by which a user can select content. The Control Point 20 supports the conventional UPnP mechanisms for discovering new devices and also supports mechanisms for finding the capabilities of Media Rendering devices and establishing connections between a Media Server and a Media Renderer. The UPnP AV Architecture supports a wide variety of AV devices such as TVs, VCRs, CD/DVD players/jukeboxes, set-top boxes, stereo systems, MP3 players, still- image cameras, camcorders, electronic picture frames (EPFs), and the PC. The AV Architecture allows devices to support different types of formats for the entertainment content (such as MPEG2, MPEG4, JPEG, MP3, Windows Media Architecture (WMA), bitmaps (BMP), NTSC, PAL, ATSC, etc.) and multiple types of transfer protocols (such as IEC-61883/IEEE-1394, HTTP GET, RTP, HTTP PUT/POST, TCP/IP, etc.).」(6頁22行?7頁3行)
[訳:コントロールポイント(CP)20は、メディアサーバ50とメディアレンダラ60の動作を協調させ、ユーザがコンテンツを選択することを可能にするユーザインタフェース(UI)21を有する。コントロールポイント20は、新たな装置を検出する従来のUPnP機構をサポートし、またメディアレンダリング装置の機能を検出し、メディアサーバとメディアレンダラとの間の接続を確立する機構をサポートする。UPnP AVアーキテクチャは、テレビ、VCR、CD/DVDプレーヤー/ジュークボックス、セットトップボックス、ステレオシステム、MP3プレーヤー、静止画像カメラ、カムコーダ、電子写真フレーム(EPF)、PCなどの広範なAV装置をサポートする。AVアーキテクチャは、各装置が娯楽コンテンツのための各種タイプのフォーマット(MPEG2、MPEG4、JPEG、MP3、WMA(Windows(登録商標) Media Architecture)、ビットマップ(BMP)、NTSC、PAL、ATSCなど)と、各種タイプの転送プロトコル(IEC-61883/IEEE-1394、HTTP GET、RTP、HTTP PUT/POST、TCP/IPなど)をサポートすることを可能にする。](段落【0020】)

(カ)「 Multiple physical devices, each having one or more or the CP, MS and MR entities, can be operated together as a network. Figure 2 shows an example of a UPnP network which can represent a network of devices within a home. A Control Point 120, two Media Server devices 121, 122 and a Media Renderer device 140 are networked 110 together. The network 110 can be wired (e.g. Ethernet) or wireless (e.g. IEEE 802.11 , Bluetooth). The media content can be wholly located on servers within the home network 100 or it can be located outside the home network 100. Figure 2 shows a server 123 for storing content which is part of an external network 130, such as the Internet. This external server 123 is connected to the home network via a gateway 115.」(7頁4?13行)
[訳:各々がCP、MS及びMRエンティティの1以上を有する複数の物理的装置は、ネットワークとして協調することが可能である。図2は、家庭内の装置ネットワークを表すことが可能なUPnPネットワークの具体例を示す。コントロールポイント120、2つのメディアサーバ装置121と122及びメディアレンダラ装置140は、一体的にネットワーク110を介し接続されている。ネットワーク110は、有線(イーサネット(登録商標)など)又は無線(IEEE802.11、Bluetoothなど)とすることができる。メディアコンテンツは、ホームネットワーク100内のサーバ上にすべてを配置することが可能であり、又は、ホームネットワーク110の外部に配置することも可能である。図2は、インターネットなどの外部ネットワーク130の一部であるコンテンツを格納するためのサーバ123を示す。この外部サーバ123は、ゲートウェイ115を介しホームネットワークに接続される。」(段落【0021】)

(キ)「 Referring again to Figure 1 , this shows a conventional arrangement for accessing content over a UPnP network. The Media Server MS 50 maintains a Content Directory Service (CDS) 55 by interaction 31 with the local storage device 52. The Media Server 50 structures the CDS in a particular way, which may be dictated by the manufacturer of the MS. The CDS is updated as new content is added to the store 52. At some later time, a user interacts with user interface 21. Typically, the user interface 21 will present the user with a menu of possible options. As an example, an initial menu screen may ask the user whether they wish to retrieve an audio, video or image. In response to user selections at Ul 22, the CP makes an appropriate query 32 of the CDS 55 of the MS 50. MS 50 responds with the required listing of content. When the user selects a piece of content, the CP instructs the MS and the MR to arrange an appropriate connection 33, 34 and to begin streaming the content 35 from the MS to the MR.」(7頁14?27行)
[訳:図1を再び参照するに、これは、UPnPネットワークを介しコンテンツにアクセスするための従来の構成を示す。メディアサーバMS50は、ローカル記憶装置52とやりとりすることにより(31)、コンテンツディレクトリサービス(CDS)55を維持する。メディアサーバ50は、MSのメーカーにより決定される方法によりCDSを構成する。CDSは、新たなコンテンツがストア52に追加されるごとに更新される。以降のある時点において、ユーザはユーザインタフェース21とやりとりする。典型的には、ユーザインタフェース21は、ユーザに可能な選択肢のメニューを提示する。一例として、初期的なメニュー画面は、ユーザに音声、映像又は画像を抽出することを所望しているか問い合わせするかもしれない。UI22におけるユーザ選択に応答して、CPは、MS50のCDS55に適切なクエリ32を行う。MS50は、コンテンツの必要な列挙により応答する。ユーザがコンテンツの一部を選択するとき、CPは、MS及びMRに適切な接続33と34を構成し、MSからMRへのコンテンツ35のストリーミングを開始するよう指示する。](段落【0022】)

(ク)「



イ 刊行物1に記載された発明
上記記載によれば、UPnP AVシステムの主要なコンポーネントは、コントロールポイント(CP)20と、メディアサーバ(MS)50と、メディアレンダラ(MR)60(上記(イ))であり、メディアサーバ(MS)50は、メデイアコンテンツのストア52を有し、停止、一時停止、シークなどの機能によりコンテンツの再生を制御することを可能に(上記(ウ)。ここで、「メディアコンテンツ」と「コンテンツ」は同じものと認められ、「メディアコンテンツ」は「コンテンツ」といえる。)し、メディアレンダラ(MR)60は、メディアサーバ50から受信されるコンテンツをレンダリング(再生)(上記(エ))し、コントロールポイント(CP)20は、ユーザがコンテンツを選択することを可能にするユーザインタフェース(UI)21を有し、メディアサーバとメディアレンダラとの間の接続を確立する機構をサポートする(上記(オ))。ユーザインターフェース(UI)として無線携帯情報端末(PDA)があり(上記(ア))、ユーザはメディアサーバに格納されているオブジェクトをブラウズし、特定のものを選択し、レンダリング装置上でそれを再生させる処理をユーザインターフェース装置から開始させる(上記(ア))。さらに、コントロールポイント(CP)、メディアサーバ(MS)、メディアレンダラ(MR)は無線(Bluetooth)ネットワークに接続される(上記(ア)、(カ))。
ユーザインタフェース21は、ユーザに可能な選択肢のメニューを提示し、ユーザ選択に応答して、コントロールポイント(CP)は、メディアサーバ(MS)50に適切なクエリ32を行い、メディアサーバ(MS)50は、コンテンツの必要な列挙により応答し、ユーザがコンテンツの一部を選択するとき、メディアサーバ(MS)からメディアレンダラ(MR)へのコンテンツ35のストリーミングを開始するよう指示する(上記(キ))。この動作を方法の発明として認定する。ユーザインターフェース(UI)として無線携帯情報端末(PDA)があり(上記(ア))、コントロールポイント(CP)、メディアサーバ(MS)、メディアレンダラ(MR)は無線(Bluetooth)ネットワークに接続される(上記(ア)、(カ))から、上記の動作は、『無線(Bluetooth)ネットワークにおいて、無線携帯情報端末(PDA)を利用して、コンテンツをメディアレンダラ(MR)にストリーミングするメディアサーバ(MS)に対する無線アクセス、制御を行う方法』といえる。
また、ユーザインターフェース(UI)として無線携帯情報端末(PDA)があり(上記(ア))、ユーザはメディアサーバに格納されているオブジェクトをブラウズし、特定のものを選択し、レンダリング装置上でそれを再生させる処理をユーザインターフェース装置から開始させる(上記(ア))から、『無線携帯情報端末(PDA)からメディアサーバ(MS)へコンテンツの選択を無線送信する工程』を有している。
ユーザがコンテンツの一部を選択するとき、メディアサーバ(MS)からメディアレンダラ(MR)へのコンテンツ35のストリーミングを開始するよう指示(上記(キ))し、メディアレンダラ(MR)はコンテンツをレンダリング(再生)する(上記(エ))から、『コンテンツの一部を選択すると、コンテンツをメディアサーバ(MS)からメディアレンダラ(MR)へストリーミングする工程』を有している。

以上より、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

(刊行物1発明)
「無線(Bluetooth)ネットワークにおいて、無線携帯情報端末(PDA)を利用して、コンテンツをメディアレンダラ(MR)にストリーミングするメディアサーバ(MS)に対する無線アクセス、制御を行う方法であって、
無線携帯情報端末(PDA)からメディアサーバ(MS)へコンテンツの選択を無線送信する工程と、
コンテンツを選択すると、コンテンツをメディアサーバ(MS)からメディアレンダラ(MR)へストリーミングする工程を
有することを特徴とする方法。」

(2)刊行物2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-281169号公報(上記引用文献2、以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る携帯型コンテンツ再生装置の外観が示されている。この携帯型コンテンツ再生装置11は例えば音楽プレイヤ、PDAなどの携帯型電子機器によって実現されるものであり、内蔵バッテリによって動作可能に構成されている。この携帯型コンテンツ再生装置11の本体表面には、図示のように、ディスプレイ12、操作ボタン13、スピーカ17が配置されている。またその本体側面上には、メモリカードなどの外部記憶メディア21を着脱自在に装着可能なカードスロット15が設けられている。」

3 対比
(1)本願発明と刊行物1発明との対比
本願発明と刊行物1発明とを対比する。

ア 構成要件Aと刊行物1発明における「無線(Bluetooth)ネットワークにおいて、無線携帯情報端末(PDA)を利用して、コンテンツをメディアレンダラ(MR)にストリーミングするメディアサーバ(MS)に対する無線アクセス、制御を行う方法」とを対比する。

刊行物1発明における「無線携帯情報端末(PDA)」は「携帯型機器」として、構成要件Aの「携帯型マルチメディアプレーヤ」と共通する。しかしながら、「携帯型機器」が、刊行物1発明においては「携帯型マルチメディアプレーヤ」でない点で本願発明と相違する。
刊行物1発明における「コンテンツ」、「メディアレンダラ(MR)」、「メディアサーバ(MS)」、「無線アクセス、制御」は、それぞれ本願発明における「メディアデータ」、「メディア装置」、「メディアサーバ」、「無線アクセスおよび/または制御」に相当する。
以上まとめると、刊行物1発明と本願発明とは、「携帯型機器を利用して、メディアデータをメディア装置にストリーミングするように構成されたメディアサーバに対する無線アクセスおよび/または制御を行う方法」として共通する。しかしながら、「携帯型機器」が、本願発明においては「携帯型マルチメディアプレーヤ」であるのに対し、刊行物1発明において「無線携帯情報端末(PDA)」である点で相違する。

イ 構成要件Bと刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明においては「前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程」がなく、本願発明と相違する。

ウ 構成要件Cと刊行物1発明における「無線携帯情報端末(PDA)からメディアサーバ(MS)へコンテンツの選択を無線送信する工程」とを対比する。「コンテンツの選択」は信号として送信されるのは明らかであるから、本願発明と刊行物1発明とは「前記携帯型機器から前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程」として共通する。携帯型機器については上記アにおいて検討した。

エ 構成要件Dと刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明においては「受信した前記信号を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程」がなく、本願発明と相違する。

オ 構成要件Eと刊行物1発明における「コンテンツを選択すると、メディアコンテンツをメディアサーバ(MS)からメディアレンダラ(MR)へストリーミングする工程」とを対比する。
刊行物1発明における「コンテンツの選択」については上記ウにおいて検討した。刊行物1発明は「無線(Bluetooth)ネットワーク」におけるものであるから、「無線インターフェースを介して」データを送受信するものといえる。
したがって、本願発明と刊行物1発明とは、「受信した前記信号を用いて、無線インターフェースを介して、前記メディアデータを前記メディアサーバから前記メディア装置へストリーミングする工程」を有する点で一致する。

カ 構成要件Fと刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明は「前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成される」ものではなく、本願発明と相違する。

キ 構成要件Gについて検討すると、刊行物1発明は、上記のように工程を有しているから、「有することを特徴とする方法」として、本願発明と一致する。

(2)一致点、相違点
以上のとおりであるから、一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
携帯型機器を利用して、メディアデータをメディア装置にストリーミングするように構成されたメディアサーバに対する無線アクセスおよび/または制御を行う方法であって、
前記携帯型機器から前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程と、
受信した前記信号を用いて、無線インターフェースを介して、前記メディアデータを前記メディアサーバから前記メディア装置へストリーミングする工程と
を有することを特徴とする方法。

(相違点1)
「携帯型機器」が、本願発明においては「携帯型マルチメディアプレーヤ」であるのに対し、刊行物1発明においては「無線携帯情報端末(PDA)」であり、
本願発明においては、「前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成される」のに対し、刊行物1発明においてはそのように構成されていない点

(相違点2)
本願発明は、「前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程」を有するのに対し、刊行物1発明は当該工程を有していない点

(相違点3)
本願発明は、「受信した前記信号を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程」を有するのに対し、刊行物1発明は当該工程を有していない点

4 相違点の判断
(1)相違点1について
携帯型コンテンツ再生装置として、音楽プレーヤ、PDAは、刊行物2に記載されている(上記2(2))ように知られているから、刊行物1発明における「無線携帯情報端末(PDA)」を携帯型コンテンツ再生装置、すなわち、携帯型マルチメディアプレーヤとして用いるようにすることは当業者が容易に想到し得ることであり、このようにすることによって、「前記携帯型マルチメディアプレーヤは自身にメディアアセットを格納し、前記格納されたメディアアセットの再生を制御するようにさらに構成される」ようになることは明らかである。

(2)相違点2について
刊行物発明は、無線(Bluetooth)ネットワークを使用するものであり、本願明細書の段落【0018】にも記載されているように、ネットワーク規格としてBluetooth規格は周知の技術である。
したがって、刊行物発明において、無線携帯情報端末(PDA)からメディアサーバ(MS)へコンテンツの選択(信号)を無線送信する工程の前に、Bluetooth規格に基づいて、無線携帯情報端末(PDA)とメディアサーバとを関連付ける工程を行うことは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、「無線携帯情報端末(PDA)」を「携帯型マルチメディアプレーヤ」として用いることは、前記相違点1で検討した。
以上のとおりであるから、前記「前記携帯型マルチメディアプレーヤから前記メディアサーバへ信号を無線送信する工程」の前に、「前記携帯型マルチメディアプレーヤと前記メディアサーバとを関連付ける工程」を有するとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(3)相違点3について
ポータブルデバイスとPCに格納したコンテンツと同期をとることは、iTunes、iPodの技術としてよく知られていることである(例えば、特開2005-174213公報の段落【0007】、国際公開第2005/093605号の段落[0001]、[0003]、国際公開第2003/036541号)から、相違点1において検討した「無線携帯情報端末(PDA)」を携帯型マルチメディアプレーヤとして用いるものにおいて、メディアサーバから携帯情報端末(PDA)へメディアデータを同期するようにすることは、当業者が容易に着想することであり、同期する際に、同期をする契機の信号を携帯型機器からメディアサーバに送信することも普通に想定できるから、刊行物1発明において、受信した前記信号(携帯型機器からメディアサーバへの信号)を用いて前記メディアサーバから前記携帯型マルチメディアプレーヤへ前記メディアデータを同期する工程を有するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

したがって、本願発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものと認められる。

5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、請求項2?20に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-08-10 
結審通知日 2015-08-14 
審決日 2015-08-26 
出願番号 特願2012-110931(P2012-110931)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 561- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 嘉宏  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 清水 正一
小池 正彦
発明の名称 低電力リモートコントローラとしての携帯型メディアプレーヤ、および、その方法  
代理人 大塚 康弘  
代理人 下山 治  
代理人 木村 秀二  
代理人 永川 行光  
代理人 大塚 康徳  
代理人 高柳 司郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ